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JP2009114129A - N,n,n’,n’―テトラオクチルー3−メチルイミノジグリコールアミド化合物及びその化合物からなる特定金属の錯形成抽出剤 - Google Patents

N,n,n’,n’―テトラオクチルー3−メチルイミノジグリコールアミド化合物及びその化合物からなる特定金属の錯形成抽出剤 Download PDF

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JP2009114129A
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Japan
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compound
dodecane
tetraoctyl
methyliminodiglycol
energy field
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JP2007289307A
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English (en)
Inventor
Yuji Sasaki
祐二 佐々木
Akihiro Kitatsuji
章浩 北辻
Takami Kimura
貴海 木村
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Japan Atomic Energy Agency
Original Assignee
Japan Atomic Energy Agency
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Abstract

【課題】 原子力分野で使用する新規化合物は次のような条件を満たす必要がある。
(1)空気酸化や光分解を起こしにくく、安定な化合物であること、
(2)原子力分野では幾つかの分離対象があり、それらを単離精製できるものであること、その分離対象の元素にTc,Moがあり、
(3)原子力分野で利用される溶媒抽出法では、その抽出系に硝酸―ドデカンを用いる。このために、ドデカンに十分溶解する物質であること、
(4)現状で運転される方法より経済性に優れる必要があるため、安価に入手可能な化合物が必要である。即ち、市販の化合物同士を用いて簡単に合成できること、等である。
【解決手段】 新物質のTOMIDGAは次の特徴を有し、合成が容易、無極性溶媒に無限の割合で混ざり合う、Tc,Moと強く結合する、空気中で安定な化合物である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、新規化合物のN,N,N’,N’―テトラオクチルー3−メチルイミノジグリコールアミド(TOMIDGA)化合物の優れた特性に関する。TOMIDGAは合成が比較的簡単であり、原料3−メチルイミノジグリコール酸(3−メチルイミノ二酢酸)とジオクチルアミンの反応で得られ、市販の化合物同士を通常のアミドを合成する反応を利用して得ることができる。
得られたTOMIDGAは無極性溶媒のドデカンによく解け、このことはあらゆる希釈溶媒に溶解できることを意味する。塩素系溶媒でない比較的安定なドデカンに溶解するということで、工場規模のプロセスにも役立てることができる。又、TOMIDGAは昇華や空気中で自発的に反応、分解することがなく、発火点の低いといったような不安定な性質がない。
この化合物を溶媒抽出の抽出剤として用いた時にTc、Moといった通常の抽出剤では抽出できない陰イオン性の金属と強く結合することが確認された。
近年の抽出剤開発において重要な課題は、従来分離・回収の困難な金属イオンの高選択的、簡便分離法の開発に用いることのできる化合物を探索することである。原子力分野において抽出剤開発の課題として、(1)空気中で安定、(2)対象の放射性元素について強い結合力を示す、(3)希釈溶媒として利用されるn・ドデカンのような無極性溶媒に高い溶解性を持つ、(4)合成が簡単で、コストが安い化合物が注目される。
対象元素の一部にTc,Moが含まれており、これら元素が放射性廃液中に多く含まれている。Tcは長半減期で中間貯蔵後の放射能の主成分に当り核変換が求められており、一方Moはカラス固化体の強度を下げる金属であり、放射性廃液中の濃度が制限される元素である(非特許文献1)。これら金属は、水溶液中にTcO,MoOといったような陰イオンとして存在するため、通常の抽出剤では抽出しにくい元素である。Tcの抽出を取り扱った文献もある(非特許文献2及び3)。
原子力機構次世代原子力システム研究部門、「高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究フェーズII技術検討書―(2)燃料サイクルシステムー」JAEA−Researc h 2006−043(2006) N.Condamines,C.Musikes and L.H.Delmau,CEA・CON−11456(1993) M.Takeuchi,S.Tanaka,M.Yamawaki,Radiochim.Acta 63(1993)97−100
有機合成により様々な化合物が合成可能であるが、原子力分野で利用するために求められる性質は次のようなものであり、新物質を当該分野で使用するためにはこれらの課題を解決する必要がある。
(1)複雑な化合物になると、空気酸化や光分解を起こしやすく、そのような不安定な化合物は原子力分野での使用に耐えられない。
(2)原子力分野では幾つかの分離対象があり、それらを単離精製する課題がある。分離対象元素の一部にTc,Moがあり、これらを効率的に分離回収する技術が求められる。
(3)原子力分野で利用される溶媒抽出法では、その抽出系に硝酸―ドデカンを用いる。このために、ドデカンに十分溶解する物質でなければ利用できない。
(4)現状で運転される方法より経済性に優れる必要があるため、安価に入手可能な化合物が必要である。即ち、市販の化合物同士を簡単な合成反応を用いて新物質を得る必要がある。
本発明は、安価に合成でき、ドデカンに可溶で、TcやMoに高い分配比を持つ、空気中で安定な化合物を発見したことに関する。
即ち、TONIDGAは、市販の3−メチルイミノニ酢酸(3−メチルイミノジグリコール酸)とジオクチルアミンを用いて、アミドを合成する一般的な方法で合成することができる。得られた化合物は疎水性が高く、n―ドデカンと無限に混ざり合うことを確認した。その溶解溶液を用いて、硝酸に含まれるTc,Moを高い分配係数で回収することができた。更に、本化合物が、目視にて空気中分解や昇華などの反応が起こらないことを確認できた。以上の性質を持って、本化合物により高レベル廃液中のTc、Moを効率よく抽出回収できる。
本発明の化合物の構造式又は化学式は次のとおりである。
(C17―NCO―CH―N(CH)―CH―CON(C17
Figure 2009114129
本発明は、次の特有の効果を有するものである。
(1)安価に合成できるTOMIDGA化合物を開発した。本化合物は空気中安定で、無極性溶媒のドデカンと無限の割合で混ざることができ、更にTc,Moと安定な金属錯体を形成する。
(2)本化合物は高レベル放射性廃液に存在するTc,Moを効率よく回収できる抽出剤となり得る。
本発明の新規化合物N,N,N’,N’―テトラオクチルー3−メチルイミノジグリコールアミド化合物は、無極性溶媒への溶解性、金属イオンの抽出性、安定性などの特性を有する。
又、上記新規化合物は、市販の3−メチルイミノ二酢酸を塩素化の後、ジオクチルアミンと反応させて簡単に合成することができる。合成した物質は次のような優れた特性を示している。
(1)無極性溶媒のドデカンと制限なく混ざる。
(2)室温で液体であり、沸点は270℃で、安定な化合物である。
(3)Tc,Mo等通常の抽出剤では抽出できないような金属と強い錯形成を示す。
上記化合物を合成する際の有機化学反応としては、CH−N(CHCOOH)
Clの反応により、CH−N(CHCOCl)を得、これにアミンを反応させてCH−N(CHCON(C17を生成する。
(実施例1)
TOMIDGAを合成する方法は次のとおりである。
市販のメチルイミノ二酢酸を塩化チオニルを用いて酸塩化物を生成する。その後、ジメチルアミンを冷却しながら添加して、緩やかに反応させる。得られた生成物をシリカゲルカラム等を使用して単離精製してTOMIDGAを得る。合成収率は訳30%程度である。
(実施例2)
TOMIDGAの安定性をみる実験の一つとして、沸点を測定した。尚、室温で液体なので融点は測定できない。270℃で蒸発するのを確認した。又、それより低い温度では激しい酸化反応や分解反応は見られず、空気雰囲気で比較的安定であることを確かめた。又、ドデカンへの溶解性を確認したが、ほぼ無制限に溶解することを確認し、無極性溶媒中で安定に存在することを確かめた。
(実施例3)
0.1MのTOMIDGA/n―ドデカンを有機相に、水相には各種酸濃度の硝酸を用いて、Tc、Moの溶媒抽出実験を行った。結果を図1に示す。図1は、Mo、Tc含有硝酸溶液と0.1MのTOMIDGA濃度のn―ドデカン溶媒を等量ずつ混合、振とうし、実験後の水相、有機相の金属の分配比を測定した結果である。図の横軸、縦軸は、それぞれ、硝酸濃度及びTc,Mo分配比である。
分配比は酸濃度増加とともに減少し、0.5MHNOでTc分配比82.6、Mo分配比7.85であり、1MHNOでTc分配比53.4、Mo分配比6であった。Tcは一度の抽出実験で98.99%回収可能であり、Moは83.87%回収できる。Moの回収は、やや低い数であるが、抽出操作を繰り返すことにより定量的な回収が可能となる。いれの分配比も硝酸―ドデカンの溶媒抽出系では非常に高いものである。
使用済み燃料溶解液或いは高レベル廃液から効率的にTc,Moを溶媒抽出法により分離回収できる。抽出剤生成プロセス設計が容易になり、その経済性も向上する。
Mo,Tcを含有する硝酸溶液からなる水相とTOMIDGAのn―ドデカン溶媒からなる有機相との間のMo,Tcの水相及び有機相における分配比を示した図である。

Claims (3)

  1. 下記の化学式を有するN,N,N’,N’―テトラオクチルー3−メチルイミノジグリコールアミド化合物。
    (C17―NCO―CH―N(CH)―CH―CON(C17
  2. 無極性溶媒のドデカンに可溶で、室温で液体で、沸点が270℃であるN,N,N’,N’―テトラオクチルー3−メチルイミノジグリコールアミド化合物からなる特定金属の錯形成抽出剤。
  3. 溶液中に存在するTc又はMoを上記化合物との錯形成により抽出する請求項2記載の抽出剤。
JP2007289307A 2007-11-07 2007-11-07 N,n,n’,n’―テトラオクチルー3−メチルイミノジグリコールアミド化合物及びその化合物からなる特定金属の錯形成抽出剤 Pending JP2009114129A (ja)

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