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JP2009110669A - コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】コネクタハウジングの構造を簡素化する。
【解決手段】コネクタSは、キャビティ11と交差連通してその側面のうちの三面に跨って開口する挿入孔16を有するコネクタハウジング10と、コネクタハウジング10の差込口16Aを通して挿入孔16内に挿入され、キャビティ11内に正規挿入された端子金具98を抜け止め係止するリテーナ50と、コネクタハウジング10に前方から装着され、コネクタハウジング10の前面を覆う前壁31を有するとともに、コネクタハウジング10の二面を覆うことによって差込口16Aを除く挿入孔16の開口を塞ぎかつその内面にリテーナ50の側面が摺接可能な側壁32を有するフロントホルダ30とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、コネクタに関する。
特許文献1に記載のコネクタは、端子金具を挿入可能なキャビティを有するコネクタハウジングと、キャビティに交差連通するとともにコネクタハウジングの三面に跨って開口する挿入孔に対してその三面のうちの一面の開口から挿入されるリテーナとを備えている。リテーナは、挿入孔内に深く進入することにより、キャビティ内に正規挿入された端子金具を抜け止め状態で係止するようになっている。また、コネクタハウジングの側面には、挿入孔に臨む縦長のガイド孔が設けられ、このガイド孔に、リテーナの側面に突設されたガイド突部が内側から進入し、その状態でガイド突部がガイド孔内をその長さ方向に移動することにより、リテーナの移動案内がなされるようになっている。
特開2006−216323公報
上記の場合、リテーナの挿入孔がコネクタハウジングの三面に跨って開口するため、この挿入孔の孔面によってリテーナを幅方向(移動方向と直交する方向)で拘束できず、リテーナの移動動作を案内する構造を別途設ける必要があった。そのため、上記のようにコネクタハウジングにガイド孔のようなものを設けざるを得ず、コネクタハウジングの構造が複雑化する嫌いがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、コネクタハウジングの構造を簡素化することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、端子金具を前後方向に挿入可能なキャビティを有するとともに、前記キャビティと交差連通してその側面のうちの三面に跨って開口する挿入孔を有するコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングの一面に開口する差込口を通して前記挿入孔内に挿入され、前記キャビティ内に正規挿入された前記端子金具を抜け止め係止するリテーナと、前記コネクタハウジングに前方から装着され、前記コネクタハウジングの前面を覆う前壁を有するとともに、少なくとも前記コネクタハウジングの二面を覆うことによって前記差込口を除く前記挿入孔の開口を塞ぎかつその内面に前記リテーナの側面が摺接可能な側壁を有するフロントホルダとを備えている構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記リテーナの側面には、リテーナロック部が設けられ、前記フロントホルダにおける前記側壁の内面には、リテーナロック受け部が設けられており、前記挿入孔に対して前記リテーナが正規挿入状態である場合には、前記リテーナロック部が前記リテーナロック受け部を係止することで前記リテーナの抜け止めがなされるところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記挿入孔に対して前記リテーナが半挿入状態である場合には、前記リテーナロック部と前記リテーナロック受け部とが半係止状態となって、前記側壁の対応する部位が外側に膨らみ出るところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記フロントホルダにおける前記側壁は、前記挿入口と連通する閉ループ状のホルダ側差込口を有し、前記コネクタハウジングに正規挿入された前記リテーナの端部は、前記ホルダ側差込口内に適合して配置されるところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記フロントホルダにおける前記側壁は、その側壁の後端に開放されて前記挿入口と連通するホルダ側差込口を有しているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
コネクタハウジングに前方からフロントホルダが装着されると、フロントホルダの側壁によってコネクタハウジングにおける挿入孔の開口(差込口を除く)が塞がれて、この側壁の内面にリテーナの側面が摺接可能とされるから、フロントホルダによってリテーナの移動案内がなされる。その結果、コネクタハウジングにリテーナの移動案内構造を設けなくて済み、コネクタハウジングの構造を簡素化できる。
<請求項2の発明>
コネクタハウジングにリテーナロック受け部を設けなくて済むから、コネクタハウジングの構造をより簡素化できる。
<請求項3の発明>
挿入孔にリテーナが半挿入状態であると、リテーナロック部とリテーナロック受け部とが半係止状態となって側壁の対応する部位が外側に膨らみ出るから、この状態を視認または触認することにより、リテーナが半挿入状態であることを明確に検知できる。
<請求項4の発明>
リテーナの端部が閉ループ状のホルダ側差込口内に適合して配置されるから、フロントホルダがコネクタハウジングから離脱する方向でリテーナと係止し合うこととなり、フロントホルダの脱落が防止される。
<請求項5の発明>
ホルダ側差込口が側壁の後端に開放されているから、フロントホルダ、ひいてはコネクタハウジングの前後長さを短くできる。また、ホルダ側差込口の開放側から治具を差し込む等して正規組付状態にあるリテーナをコネクタハウジングから離脱方向に変位させることができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図27によって説明する。本実施形態のコネクタSは、コネクタハウジング10、相手側コネクタハウジング90、フロントホルダ30、リテーナ50、フレーム70、リアホルダ80、シール栓95、シールリング96、レバー97、端子金具98を備えて構成される。このうち、コネクタハウジング10、相手側コネクタハウジング90、フロントホルダ30、リテーナ50、フレーム70、リアホルダ80、レバー97は、合成樹脂製であり、シール栓95、シールリング96は、シリコン等のゴム製であり、端子金具98は、導電金属製である。なお、以下の説明において前後方向については、コネクタハウジング10と相手側コネクタハウジング90の互いの嵌合面側を前方とし、上下方向については図1を基準とする。
コネクタハウジング10は、フレーム70のハウジング収容室71内に嵌合可能とされ、いわゆるサブコネクタハウジングとして同形状のものが複数用意されている。このコネクタハウジング10は、図24ないし図27に示すように、前後方向に貫通するキャビティ11を有する四角ブロック状のハウジング本体12と、ハウジング本体12の後面から後方へ突出する四角筒状の嵌合凹部13とからなる。キャビティ11は、上下三段に分かれて形成され、下段に大型の端子金具98を挿入可能な大型キャビティ11Aを有し、上段と中段とに小型の端子金具98を挿入可能な小型キャビティ11Bを有している。
ハウジング本体12のキャビティ11内には後方から端子金具98が挿入され、このキャビティ11内に正規挿入された端子金具98はキャビティ11の内壁に撓み可能に設けられたランス14によって抜け止め係止されるようになっている。なお、小型の端子金具98を係止するランス14は小型キャビティ11Bの内壁上面に設けられ、大型の端子金具98を係止するランス14は大型キャビティ11Aの内壁下面に設けられており、双方で端子金具98に対する係止方向が逆向きとされる。
ハウジング本体12の前面のうちランス14の前方と対応する位置は開放されており、ここにフロントホルダ30の前壁31が嵌合可能となっている。一方、ハウジング本体12の前面には、ランス14の前方から外れた位置に、端子金具98を当て止め可能なハウジング側前面部15が付設されている。ハウジング側前面部15は、上記した開放側に臨みつつ前方へ突出する形態とされ、フロントホルダ30の前壁31に設けられたホルダ側前面部33と連続することで、相手側のタブ99の誘い込み口100を全周に亘って形成するようになっている(図1を参照)。そして、ハウジング側前面部15には、中段のキャビティ11の下半前面部と下段のキャビティ11の上半前面部とを構築する左右一対の前面突部15Aが設けられている。
ハウジング本体12の前後方向略中央部には、上下三段のキャビティ11と略直角に交差連通するとともに三つの側面(嵌合方向と直交する方向で対向する四つの側面のうちの三つの側面)に跨って開口する挿入孔16が設けられている。この挿入孔16は、ランス14より後方に位置し、ランス14の根元部の後方で厚肉とされる部分を上下に貫通する形態とされる。そして、ハウジング本体12における挿入孔16の三つの開口のうち中央の開口(上面開口)は、ここを通してリテーナ50を差し込み可能な差込口16Aとされる。この差込口16Aは、ハウジング本体12の全幅に亘って開口され、その両隣りに位置する開口と略直角に連通している。
また、ハウジング本体12には、挿入孔16と略直角に交差連通するとともに前後方向にトンネル状に延びてコネクタS(コネクタハウジング10とフロントホルダ30)の前面の幅方向中央部に開口する進入孔17が設けられている(図8を参照)。この進入孔17は、正面から見て横長の方形状に開口する形態であって、コネクタハウジング10の中心部(幅方向及び高さ方向の中央部)に位置しており、その両側に中段のキャビティ11が配置されている。進入孔17の下縁には、この下縁の幅方向中央部から下方へ向かって延びる幅狭でかつ縦長の案内溝17Aが設けられている。この案内溝17Aは、進入孔17の前後長さの全長に亘って延び、ここに前方からリテーナ50の係止状態を解除する治具101が進入可能となっている(図9を参照)。案内溝17Aの溝幅は治具101の幅寸法と同じかそれより僅かに小さく設定される。また、この案内溝17Aを含む進入孔17の下半部は、上記した両前面突部15Aの相対向する内縁間で構成されている。そして、かかる進入孔17には、相手側コネクタハウジング90のフード部91内に突出するリブ92が前方から嵌入可能とされ、これにより、両コネクタハウジング10,90の嵌合動作が案内されるようになっている。なお、両前面突部15Aには、進入孔17に臨む位置に、リブ92との隙間を詰める複数のがた詰め突起15Bが設けられている。
また、ハウジング本体12の上下の側面には、それぞれ、フロントホルダ30を抜け止めする凹み形状のフロントホルダロック受け部18が設けられている。
嵌合凹部13は、ハウジング本体12との間に段差19を介して連なり、ハウジング本体12より一回り大きく形成されている。ハウジング本体12の側面には前方からシールリング96が嵌着可能とされ、嵌着されたシールリング96が段差19で当て止めされるようになっている。このシールリング96の厚みは段差19の高さとほぼ同じとされる。
そして、嵌合凹部13の略前半部はシール栓95を内嵌可能なシール栓受け部13Aとされ、嵌合凹部13の略後半部はリアホルダ80を内嵌可能なリアホルダ受け部13Bとされ、リアホルダ受け部13Bとシール栓受け部13Aの両内面間に境界部13Eが設けられ、この境界部13Eを境としてリアホルダ受け部13Bの内面ほうがシール栓受け部13Aの内面より外側に位置する形態となっている。
また、嵌合凹部13の左右の両側壁には、コネクタハウジング10をフレーム70のハウジング収容室71内に抜け止めするためのフレームロック部102が設けられている。フレームロック部102は、その側壁の後端に開口する上下一対のスリット103間で撓み変形可能とされ、その自由端が側壁の後端と前後同位置に配置されている。フレームロック部102の外面には、ハウジング収容室71の内面に設けられたフレームロック受け部76と係止可能なフレームロック突部104が設けられている。フレームロック突部104の前面は後方へ向かって傾く斜面とされ、この斜面によってフレームロック部102の撓み動作の円滑性が担保されている。
また、嵌合凹部13の上側壁には、その上側壁の後端に開口する左右一対のスリット105間で撓み変形可能なリアホルダロック受け部106が設けられ、このリアホルダロック受け部106に、リアホルダ80のリアホルダロック部82を嵌合して係止可能なリアホルダロック受け孔107が貫通して設けられている。さらに、嵌合凹部13の上側壁には、リアホルダロック受け部106と隣接する位置に、この上側壁の後端に開口するとともにリアホルダ80の干渉突起83を受け入れ可能な干渉凹部108が設けられている。干渉突起83が干渉凹部108に嵌って干渉凹部108の前端縁に突き当たることで、リアホルダ80のそれ以上前方への移動が規制されるようになっている。
端子金具98はいわゆる雌端子金具であって、その前部に角筒状の箱部98Aを有し、その後部にオープンバレル状のバレル部98Bを有する形態となっている。箱部98A内には相手側コネクタハウジング90に装着された相手側のタブ99が進入して接続可能とされ、バレル部98Bには電線200の端末が接続可能とされる。
シール栓95は、ハウジング本体12の後面全体を被覆可能な一括型のゴム栓であって全体として板状をなし、各キャビティ11と対応する位置毎に、電線200を挿通可能な電線挿通孔95Aが前後方向(板厚方向)に貫通して設けられている。シール栓95の内外には前後方向に複数条のリップ95Bが設けられており、外側のリップ95Bがリアホルダ受け部13Bの内面に弾縮状態で密着可能とされ、内側(電線挿通孔95A側)のリップ95Bが電線200の外周面に弾縮状態で密着可能とされ、これにより、シール栓95とコネクタハウジング10との間、及びシール栓95と電線200との間が液密状にシールされるようになっている。
リアホルダ80は、シール栓95の後面全体を覆ってシール栓95の抜け止めをなすものであって全体として板状をなし、各電線挿通孔95Aと対応する位置毎に、電線200を遊挿可能な電線通し孔81が前後方向(板厚方向)に貫通して設けられている。リアホルダ受け部13Bに正規挿入されたリアホルダ80はその前面をシール栓95の後面に密着させ、その後面をコネクタハウジング10(嵌合凹部13)の後端と前後同位置に配置させるようになっている。リアホルダ80の前後長さはシール栓95の前後長さと同じかそれより少し小さく設定されている。そして、リアホルダ80の上側面には、幅方向中央部の前方位置に、リアホルダロック部82が突出して設けられ、さらに幅方向中央から片側へ寄った後方位置に、干渉突起83が突出して設けられている(図15を参照)。リアホルダロック部82の前面は後方へ向かって傾くテーパ状の斜面とされ、この斜面に沿ってリアホルダロック受け部106の撓み動作が誘導されるようになっている。
そして、リアホルダ80の左右の両側面には、図11に示すように、フレームロック部102及びフレームロック受け部76と対応する位置に、これらを後方から視認可能となす左右一対の窓部84が切り欠いて設けられている。この窓部84は内側に撓み変形するフレームロック部102の進入を許容する進入空間85を保有し、この窓部84によってフレームロック部102の撓み動作が逃がされるとともに、撓み変形するフレームロック部102が窓部84の内底面に干渉可能となっている。
フレーム70は、図10ないし図16に示すように、複数のコネクタハウジング10を個別に収容可能なハウジング収容室71を有する矩形枠状をなし、その外側面に、門型板状のレバー97が跨った状態で取り付けられるようになっている。本実施形態のフレーム70には、縦向きで二室のハウジング収容室71が設置されている。レバー97は、幅方向に延びる操作部109と操作部109の両端から突出する左右一対のアーム部110とからなり、両アーム部110がフレーム70の両側面に回動可能に軸支され、かつ、両アーム部110に設けられたカム溝111によって相手側コネクタハウジング90との間にカム作用を発揮して低操作力で両コネクタハウジング10,90の嵌合を進めることが可能となっている。操作部109の幅方向中央部にはこの操作部109の板幅内に収まるようにしてレバーロック部112が撓み変形可能に設けられている。
フレーム70の上側壁には、レバーロック部112と対応する位置に、レバーロック受け部72が設けられている。レバー97が回動完了位置まで回動されると、レバーロック部112がレバーロック受け部72を弾性的に係止し、これにより、レバー97の回動操作が規制されるとともに、両コネクタハウジング10,90が離脱規制状態に保持されるようになっている。
フレーム70の両側壁は、内壁73と外壁74とで二重壁構造とされ、この内壁73と外壁74との間にアーム部110が挿入される挿入空間113が保有されている。両側壁の外壁74は、嵌合に伴うアーム部110の拡開動作を規制する役割を果たすものであり、その内面に、アーム部110を軸支するための支軸75が突出して設けられている。また、両側壁の内壁73には、前後方向に延びるフレームロック受け部76が設けられている。フレームロック受け部76は、前後方向に延びるフレームロック受け溝77と、フレームロック受け溝77を縦断して上下方向に架け渡されたフレームロック受け本体78とからなる。フレームロック受け本体78は、フレーム70の後端に位置し、その外面側が除肉されて薄肉化されている。
コネクタハウジング10がハウジング収容室71内に挿入される過程では、フレームロック突部104がフレームロック受け本体78と干渉してフレームロック部102が内側へ撓み変形し、コネクタハウジング10がハウジング収容室71内に正規深さで挿入されると、フレームロック突部104がフレームロック受け溝77に嵌り、フレームロック部102が弾性復帰するとともにフレームロック突部104がフレームロック受け本体78と抜け方向で対向して、コネクタハウジング10がフレーム70内に抜け止め状態で保持されるようになっている。
フロントホルダ30は、図18ないし図20に示すように、ハウジング本体12を外嵌可能なキャップ状をなし、ハウジング本体12の前面を覆う方形板状の前壁31と、前壁31の外縁の全周から後方へ向かって突出する四角筒状の側壁32とを備えている。前壁31には、ランス14の前方と対応する位置に、ホルダ側前面部33が設けられている。ホルダ側前面部33には、ハウジング側前面部15と合わさってタブ99の誘い込み口100を形成するテーパ状の補助誘い込み縁部34が設けられるとともに、補助誘い込み縁部34と隣接してランス14の撓み空間に臨むことで、ランス14による係止状態を解除する治具を挿入可能な治具挿入口35が閉ループ状に設けられている。補助誘い込み縁部34及び治具挿入口35は各キャビティ11と対応して設けられ、治具挿入口35は方形状に開口している。また、前壁31には、ハウジング側前面部15と連続することで進入孔17の開口を形成する補助進入開口縁部36が設けられている。補助進入開口縁部36の下方には横長方形状の拡大開口部37が設けられ、この拡大開口部37内に、ハウジング本体12の前面突部15Aが適合して嵌合可能となっている。
また、フロントホルダ30の側壁32は、ハウジング本体12の左右両側の側面を覆う左右一対の側面部32Aと、ハウジング本体12の下側の側面を覆う下面部32Eと、ハウジング本体12の上側の側面を覆う上面部32Bとからなる。側面部32Aと下面部32Eは、その後端(突出端)がシールリング96の前端の直ぐ手前位置に設置され、シールリング96前方におけるハウジング本体12の略全体を三面に亘って被覆可能となっている。一方、上面部32Bは、その後端(突出端)が挿入孔16の差込口16Aの直ぐ手前位置に設置され、差込口16A前方におけるハウジング本体12の上面略全体を被覆可能となっている。よって、挿入孔16の差込口16Aは上面部32Bによって塞がれることはないが、この差込口16Aを挟んで左右に位置する挿入孔16の開口は両側面部32Aによって外側から塞がれるようになっている。
そして、フロントホルダ30の側壁32には、上面部32Bの後端と両側面部32Aの上端とで区画されて差込口16Aと連通するホルダ側差込口38が設けられている。ホルダ側差込口38は、上面部32Bの後端に開放されるとともに上面部32Bから両側面部32Aに跨って開口する形態であり、両側面部32Aの上端にはホルダ側差込口38の形成に伴う顎状の段付き部39が設けられる。フロントホルダ30が正規装着されたとき、ホルダ側差込口38の前端は差込口16Aの前端と前後同位置に配置される。
また、フロントホルダ30の上面部32Bと下面部32Eには、それぞれ、内向きの爪状をなすフロントホルダロック部41が設けられている。フロントホルダロック部41は、上面部32Bではホルダ側差込口38に臨む位置にあってその先端部がホルダ側差込口38側に配置され、下面部32Eでは後端(自由端)寄りの位置に配置されている。フロントホルダ30の装着過程では、フロントホルダロック部41がハウジング本体12の側面に摺接して側壁32が外側に少し膨らみ、フロントホルダ30が正規装着されると、フロントホルダロック部41がフロントホルダロック受け部18に嵌合係止され、側壁32の膨らみ状態が解除されて、フロントホルダ30がコネクタハウジング10に抜け止め状態で保持されるようになっている。
また、フロントホルダ30の両側面部32Aの内面には、リテーナロック部54と係止可能なリテーナロック受け部42が設けられている。リテーナロック受け部42は、上下方向中央部に位置して前後方向に細長いリテーナロック受け小突起42Aと、リテーナロック受け小突起42Aの上方に間隔あけて配置されるリテーナロック受け大突起42Bとからなる。リテーナロック受け小突起42Aとリテーナロック受け大突起42Bは、正面から見ると三角形状をなし、双方42A,42B間でリテーナ50の移動範囲が規定されるようになっている。リテーナロック受け大突起42Bは、その突出量がリテーナロック受け小突起42Aの突出量よりも大きく、仮係止位置におけるリテーナ50のフロントホルダ30からの離脱を規制する役割を担っている。リテーナロック受け小突起42Aは、移動途中のリテーナ50と干渉可能とされるとともに、挿入孔16に正規深さで挿入されたリテーナ50の戻り方向への移動を規制する役割を担っている。両側面部32Aの内面のうちリテーナロック受け小突起42Aの前方に位置する領域は除肉されており、この領域の撓み動作が許容されている。前後方向について、リテーナロック受け小突起42Aとフロントホルダロック部41は互いに重なる位置関係にあり、リテーナロック受け大突起42Bがフロントホルダロック部41より前方に位置している。
リテーナ50は、図21ないし図23に示すように、全体として格子板状をなし、ハウジング本体12の挿入孔16内に縦向きの姿勢で挿入され、ハウジング本体12に対して仮係止位置と本係止位置との間を移動可能に装着される。このリテーナ50は、ハウジング本体12の全幅とほぼ同じ幅寸法で構成され、その両側面がフロントホルダ30の両側面部32Aの内面と摺接可能となっている。詳しくはリテーナ50は、上段及び中段の各キャビティ11と対応する位置に、窓孔51を有し、窓孔51の内面及び下段の各キャビティ11と対応する下縁に、係止突部52を有している。そして、リテーナ50の両側面には、リテーナロック受け部42を進入可能な逃がし溝53が設けられ、この逃がし溝53内に、リテーナロック部54が設けられている。リテーナロック部54は、下方に位置するリテーナロック小突起54Aと、上方に位置するリテーナロック大突起54Bとからなる。リテーナロック小突起54Aは正面から見て三角形状をなし、リテーナロック大突起54Bは正面から見て四角形状をなしており、リテーナロック大突起54Bのほうがリテーナロック小突起54Aよりも大きく形成されている。前後方向について、リテーナロック大突起54Bとリテーナロック小突起54Aは互いに位置ずれしており、リテーナロック大突起54Bのほうがリテーナロック小突起54Aよりも後方に位置している。
ここで、リテーナ50が仮係止位置にあるときには、リテーナロック大突起54Bがリテーナロック受け大突起42Bと抜け方向で対向してリテーナ50の抜け止めがされるとともに、リテーナロック小突起54Aがリテーナロック受け小突起42Aと押し込み方向で対向してリテーナ50の本係止位置への移動操作が規制される(図3を参照)。このとき、リテーナ50の端面はフロントホルダ30の上面部32Bの側面より上方へ突き出た位置に配置される。また、リテーナ50が仮係止位置から本係止位置へ向かう過程では、リテーナロック小突起54Aがリテーナロック受け小突起42Aと突っ張り方向で干渉してフロントホルダ30の両側面部32Aの対応する部位が外側に膨らみ出るようになっている(図4を参照)。さらに、リテーナ50が本係止位置にあるときには、リテーナロック小突起54Aがリテーナロック受け小突起42Aを乗り越えて両側面部32Aの膨らみ状態が解消され、リテーナロック小突起54Aがリテーナロック受け小突起42Aと抜け方向で対向してリテーナ50の仮係止位置への戻り操作が規制される(図5を参照)。このとき、リテーナ50の端面は、フロントホルダ30の上面部32Bの側面とほぼ同じ高さ位置に配置され、ホルダ側差込口38を閉止する。
リテーナ50の前面両側端には、リテーナロック大突起54Bと連続して上下に延びる左右一対のリテーナガイドリブ55が設けられている。両リテーナガイドリブ55は、リテーナ50の移動時に、対応するハウジング本体12のリテーナガイドリブ受け溝115及びフロントホルダ30のリテーナガイドリブ受け凹部116に適合してその内部を摺動し、これにより、リテーナ50の移動案内をなす役割を担っている。
また、リテーナ50の前面下端の幅方向中央部には、リテーナ50が本係止位置にあるときに進入孔17の案内溝17A内に臨む受け部56が設けられている(図9を参照)。受け部56は、案内溝17A内に進入する治具101の先端と係合可能なようにテーパ状に切り欠かれた形状をなし、治具101の先端でこじられることでリテーナ50を仮係止位置側へ移動させることが可能となっている。また、リテーナ50の端面(上面)には、左右一対の補助受け部57が切り欠いて設けられている。補助受け部57は、上方から操作される治具101によってこじられ、リテーナ50を仮係止位置側へ移動させることが可能となっている。
本実施形態のコネクタSは以上のような構成であり、続いて、その作用を説明する。
ハウジング本体12に前方からシールリング96を嵌め付け、段差19の前方にシールリング96を配置させる。続いて、ハウジング本体12に前方からフロントホルダ30を被せ付ける。フロントホルダ30が正規の組み付け位置に至ると、フロントホルダロック部41がハウジング本体12のフロントホルダロック受け部18に弾性的に嵌り込み、フロントホルダ30がコネクタハウジング10に抜け止め状態で固定される。このとき、フロントホルダ30のホルダ側前面部33とコネクタハウジング10のハウジング側前面部15とが凹凸状に適合してコネクタSの前面が構築され、誘い込み口100、進入孔17が、それぞれ別位置で閉ループ状に開口する(図1を参照)。
続いて、フロントホルダ30のホルダ側差込口38からハウジング本体12の差込口16Aを通して挿入孔16内にリテーナ50を挿入する。リテーナ50の挿入過程では、リテーナガイドリブ55がリテーナガイドリブ受け溝115に嵌合するとともに、フロントホルダ30の両側面部32Aによってリテーナ50の幅方向の遊動が規制され、リテーナ50が上下方向に移動案内される。リテーナ50が仮係止位置に至ると、リテーナロック部54がリテーナロック受け部42を弾性的に係止することで、リテーナ50が抜け止めされるとともに本係止位置への移動が規制される(図2、図3、及び図6を参照)。この状態では、リテーナ50の係止突部52はランス14の根元部後方に位置してキャビティ11内へは非進入とされ、端子金具98のキャビティ11への挿入が許容される。なお、押し込み不足によってリテーナ50が仮係止位置に至っていない場合には、リテーナロック大突起54Bまたはリテーナロック小突起54Aと、リテーナロック受け大突起42Bとの干渉に起因して、フロントホルダ30の両側面部32Aが外側に膨らみ出るため、その状態を外部から視認または触認することにより、リテーナ50が仮係止位置に至っていないことがわかる。
リテーナ50を仮係止位置に留め置いた状態で、キャビティ11内に後方から端子金具98を挿入する。端子金具98がキャビティ11内に正規挿入されると、ホルダ側前面部33及びハウジング側前面部15によって端子金具98のそれ以上の前進が規制されるとともに、端子金具98がランス14によって弾性的に一次係止される。全ての端子金具98を挿入したら、リテーナ50を本係止位置に押し込む。すると、リテーナロック部54がリテーナロック受け部42を弾性的に係止することで、リテーナ50の本係止位置への戻り操作が規制されるとともに、係止突部52がキャビティ11内に進入して端子金具98の箱部後端に対向し、端子金具98が抜け止め状態で二次係止される(図5及び図7を参照)。上記の場合、仮に、リテーナ50が本係止位置に至るまでの途中で留め置かれていると、リテーナロック小突起54Aとリテーナロック受け小突起42Aとの干渉に起因して、フロントホルダ30の両側面部32Aが外側に膨らみ出るため、その状態を外部から視認または触認することにより、リテーナ50が本係止位置に至っていないことがわかる(図4を参照)。
そして、嵌合凹部13のシール栓受け部13A内に後方からシール栓95を挿入し、シール栓95の前面をハウジング本体12の後面に押し当てる。すると、シール栓95の外面がリアホルダ受け部13Bの内面と密着して双方間のシールがとられるとともに、シール栓95の内面(電線挿通孔95Aの内面)が電線200の外周面と密着して双方間のシールがとられる。続いて、嵌合凹部13のリアホルダ受け部13B内に後方からリアホルダ80を挿入する。リアホルダ80がリアホルダ受け部13B内に正規挿入されると、干渉突起83と干渉凹部108の前縁との干渉によってリアホルダ80の前止まりがなされ、さらにリアホルダロック部82がリアホルダロック受け部106のリアホルダロック受け孔107に嵌ってこれを弾性的に係止することで、リアホルダ80がコネクタハウジング10に抜け止め状態で固定される。また、かかるリアホルダ80の装着に伴い、シール栓95の抜け止めもなされる。そして、リアホルダ80がリアホルダ受け部13B内に正規挿入されると、リアホルダ80の窓部84外方に、フレームロック部102、フレームロック受け部76が順次配置され、その状態を後方から視認できるようになる。
ところで、メンテナンス等の事情により、端子金具98をキャビティ11から抜き取る際には、リテーナ50を本係止位置から仮係止位置に至らす必要がある。その場合は、前方から進入孔17内に治具101を差し込み、治具101の先端を案内溝17Aの奥側に至らせて受け部56に当接させる(図9を参照)。その状態で治具101を図示矢印方向にこじると、治具101の先端で受け部56が持ち上げられ、リテーナ50が上方へ移動して仮係止位置に再び留め置かれる。このとき、案内溝17Aの溝面が治具101をこじる際の台座となるから、操作性が良好となる。なお、上方から治具101を差し込み、リテーナ50の補助受け部57に治具101の先端を係合させてこじり操作を行ってもよく、あるいは、ホルダ側差込口38がフロントホルダ30の側壁32の後端に開放されていることを利用して、このホルダ側差込口38の開放側から治具101を差し込んでこじり操作を行ってもよい。
上記のようにコネクタハウジング10側を組み上げたら、続いて、フレーム70のハウジング収容室71内に後方からコネクタハウジング10を挿入する。コネクタハウジング10を挿入する過程では、フレームロック部102がフレームロック受け部76との干渉によって内側に撓み変形し、フレームロック部102の後端部(自由端部)が窓部84内に進入する(図10を参照)。また、フレームロック受け部76もフレームロック部102に押圧されて外側に撓み変形し、それに伴いフレーム70の両側壁の内壁73が外側に膨らみ出て、レバー97のアーム部110の回動領域とラップし得る状態となる(図14及び図15を参照)。
その後、コネクタハウジング10がハウジング収容室71内に正規挿入されると、フレームロック部102のフレームロック突部104がフレームロック受け溝77に嵌り、フレームロック部102が弾性復帰して、フレームロック突部104がフレームロック受け本体78と抜け方向で対向して、コネクタハウジング10がフレーム70内に抜け止め状態で固定される(図12を参照)。このフレームロック部102が自然状態に復元した状態は、窓部84を通して視認できる(図13を参照)。
上記の場合、仮に、コネクタハウジング10がフレーム70のハウジング収容室71内に正規挿入されるまでの手前位置(途中位置)で留め置かれると、フレームロック部102が窓部84内に進入して撓み変形した状態を後方から視認できるから、これによってコネクタハウジング10がハウジング収容室71内に半挿入状態であることを検知できる(図11を参照)。その場合は、コネクタハウジング10を改めてハウジング収容室71内に深く押し込み、コネクタハウジング10を正規挿入位置に至らせばよい。また、この状態を視認できなくとも、その後、コネクタハウジング10を相手側コネクタハウジング90と嵌合させるときにレバー97を回動操作すると、レバー97のアーム部110が、フレームロック部102とフレームロック受け部76との干渉に起因して膨出する内壁73の外面と干渉し、レバー97の回動操作が規制されるから、これによってコネクタハウジング10がハウジング収容室71内に半挿入状態であることを確実に検知できる(図14を参照)。
最後に、図8に示す状態から、フレーム70内に相手側コネクタハウジング90を差し入れてコネクタハウジング10に軽く嵌合させ、レバー97を回動完了位置に向かって回動させて、両コネクタハウジング10,90を正規嵌合状態に保持する。このとき、相手側コネクタハウジング90のリブ92がコネクタハウジング10の進入孔17内に前方から進入することにより、両コネクタハウジング10,90の嵌合動作が案内されるから、レバー97の回動に起因する両コネクタハウジング10,90のこじり嵌合を阻止できる。
以上説明したことから明らかなように本実施形態によれば、次の効果を奏し得る。
コネクタハウジング10に前方からフロントホルダ30が装着されると、フロントホルダ30の側壁32によってコネクタハウジング10における挿入孔16の開口(差込口16Aを除く)が塞がれて、この側壁32の内面にリテーナ50の両側面が摺接可能とされるから、フロントホルダ30によってリテーナ50の移動案内がなされる。その結果、コネクタハウジング10にリテーナ50の移動案内構造を設けなくて済み、コネクタハウジング10の構造を簡素化できる。
また、フロントホルダ30にリテーナロック受け部42を設けることにより、コネクタハウジング10にリテーナロック受け部42を設けなくて済むから、コネクタハウジング10の構造をより簡素化できる。
また、コネクタハウジング10の挿入孔16にリテーナ50が半挿入状態で収容されると、リテーナロック部54とリテーナロック受け部42とが半係止状態となって側壁32の対応する部位が外側に膨らみ出るから、この状態を視認または触認することにより、リテーナ50が半挿入状態であることを明確に検知できる。
また、フロントホルダ30のホルダ側差込口38が側壁32の後端に開放されているから、フロントホルダ30、ひいてはコネクタハウジング10の前後長さを短くできる。この場合、ホルダ側差込口38の開放側から治具101を差し込む等してリテーナ50を本係止位置から仮係止位置(コネクタハウジング10から離脱する方向)に移動させることができる。
また、コネクタハウジング10の進入孔17に前方から治具101を挿入し、その状態で治具101をリテーナ50の受け部56に引っ掛けてこじることにより、リテーナ50を本係止位置から仮係止位置に移動させることが可能となるから、相手側コネクタハウジング90に設けられたリブ92の受容に用いられる進入孔17が治具101の受け入れ孔としても兼用され、コネクタハウジング10の構造を簡素化できる。また、リテーナ50の受け部56がコネクタハウジング10内に隠蔽されるから、受け部56が外部異物と干渉して損傷するのを回避できる。
また、ハウジング本体12の進入孔17がコネクタハウジング10の幅方向中央部に配置されているから、治具101でこじられたときにリテーナ50をバランスよく移動させることができる。
また、治具101を案内溝17Aに沿って移動させると、治具101の先端が受け部56と係合可能となるから、操作性が良好となる。
また、後方からリアホルダ80の窓部84を通してフレームロック部102の状態を視認することにより、コネクタハウジング10がフレーム70内に正規挿入されているのか否かを検知できるから、コネクタハウジング10がフレーム70内に半挿入状態で留め置かれるのを防止できる。この場合、リアホルダ80の窓部84に検知治具(図示せず)を通し、この検知治具がフレームロック部102に接触するか否かによってフレームロック部102の状態を検知するものであってもよい。
また、フレームロック部102の後端部が撓み変形時に窓部84内に進入するから、窓部84の奥をのぞきこまなくとも、フレームロック部102の撓み状態を手前側で容易に視認することができ、視認性に優れる。また、フレームロック部102とリアホルダ80が前後方向について重なることにより、コネクタS全体の前後長さを短縮できる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図28ないし図30によって説明する。実施形態2では、フロントホルダ30の形状が実施形態1と少し異なるが、その他は実施形態1と同様である。よって、実施形態2では、実施形態1と同様の構造部位については同一符号を付し、重複する説明は省略することとする。
実施形態2のフロントホルダ30では、側壁32の後端に閉止リブ120が周方向に設けられている。詳しくは閉止リブ120は側壁32の後端から全周に亘って張り出す形態となっている。そして、フロントホルダ30のホルダ側差込口38は、閉止リブ120によってその後端側が閉ループ状に塞がれるようになっている。
閉止リブ120の上面にはホルダ側差込口38側に向かって傾斜する誘い込み部121が設けられている。この誘い込み部121にリテーナ50を沿わせることにより、リテーナ50のホルダ側差込口38への差し込み動作を誘導可能となる。また、誘い込み部121に治具101を沿わせてこじることで、本係止位置にあるリテーナ50を仮係止位置に移動させることが可能となる。
実施形態2によれば、コネクタハウジング10にフロントホルダ30を組み付けた後、ホルダ側差込口38からハウジング本体12の挿入孔16内にリテーナ50を挿入すると、リテーナ50の端部が、仮係止位置と本係止位置のいずれにおいても、閉ループ状のホルダ側差込口38内に適合して嵌合され、幅方向及び前後方向の遊動が規制されることとなる。したがって、この状態で、フロントホルダ30に対して抜き方向の引っ張り力を付与しても、閉止リブ120がリテーナ50の後面と干渉してフロントホルダ30の移動が規制されるため、フロントホルダ30がコネクタハウジング10から不用意に抜け落ちるのを防止できる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)フロントホルダの側壁の下面部(ホルダ側差込口を有する側と対向する側壁)は無くても構わない。
(2)フロントホルダの側壁の両側面部は、リテーナを幅方向で案内する壁面を有していればよく、コネクタハウジングの二面を部分的に覆うものであってもよい。
(3)リテーナを保持するリテーナロック受け部はコネクタハウジングに設けられてもよい。
(4)相手側コネクタハウジングに、コネクタハウジングとの誤嵌合を防止する誤結防止用のリブが設けられ、この誤結防止用のリブがコネクタハウジングの進入孔内に進入する構成であってもよい。
(5)実施形態2では、フロントホルダがリテーナとの干渉によってコネクタハウジングに抜け止めされるため、フロントホルダロック部とフロントホルダロック受け部を省略することが可能である。
本発明の実施形態1において、コネクタハウジングにフロントホルダを組み付けたときの正面図 コネクタハウジングにフロントホルダ等を組み付け、リテーナを仮係止位置に留め置いたときの側面図 コネクタハウジングにフロントホルダ等を組み付け、リテーナを仮係止位置に留め置いたときの縦断面図 コネクタハウジングにフロントホルダ等を組み付け、リテーナを仮係止位置から本係止位置に至らす途中の縦断面図 コネクタハウジングにフロントホルダ等を組み付け、リテーナを本係止位置に留め置いたときの縦断面図 コネクタハウジングにフロントホルダ等を組み付け、リテーナを仮係止位置に留め置いたときの側断面図 コネクタハウジングにフロントホルダ等を組み付け、リテーナを本係止位置に留め置いたときの側断面図 コネクタハウジングを相手側コネクタハウジングに嵌合させる前の側断面図 リテーナの受け部に治具の先端を係合させてこじったときの側断面図 フレームのハウジング収容室内にコネクタハウジングを挿入する途中の横断面図 フレームのハウジング収容室内にコネクタハウジングを挿入する途中の背面図 フレームのハウジング収容室内にコネクタハウジングを正規挿入したときの横断面図 フレームのハウジング収容室内にコネクタハウジングを正規挿入したときの背面図 フレームのハウジング収容室内にコネクタハウジングを挿入する途中の状態であって図10とは別の横断面図 フレームのハウジング収容室内にコネクタハウジングを挿入する途中の平面図 レバーが回動完了位置の手前で留め置かれたときの側面図 コネクタハウジングにフロントホルダを組み付けたときの平面図 フロントホルダの正面図 フロントホルダの平面図 フロントホルダの側断面図 リテーナの正面図 リテーナの側面図 リテーナの側断面図 コネクタハウジングの正面図 コネクタハウジングの側面図 コネクタハウジングの平面図 コネクタハウジングの側断面図 本発明の実施形態2において、コネクタハウジングにフロントリテーナ等を組み付けたときの側面図 コネクタハウジングにフロントリテーナ等を組み付けたときの平面図 コネクタハウジングにフロントリテーナ等を組み付け、リテーナを本係止位置に留め置いたときの側断面図
符号の説明
S…コネクタ
10…コネクタハウジング
11…キャビティ
16…挿入孔
16A…差込口
17…進入孔
17A…案内溝
30…フロントホルダ
31…前壁
32…側壁
38…ホルダ側差込口
42…リテーナロック受け部
50…リテーナ
54…リテーナロック部
56…受け部
70…フレーム
76…フレームロック受け部
80…リアホルダ
84…窓部
90…相手側コネクタハウジング
92…リブ
95…シール栓
98…端子金具
101…治具
102…フレームロック部

Claims (5)

  1. 端子金具を前後方向に挿入可能なキャビティを有するとともに、前記キャビティと交差連通してその側面のうちの三面に跨って開口する挿入孔を有するコネクタハウジングと、
    前記コネクタハウジングの一面に開口する差込口を通して前記挿入孔内に挿入され、前記キャビティ内に正規挿入された前記端子金具を抜け止め係止するリテーナと、
    前記コネクタハウジングに前方から装着され、前記コネクタハウジングの前面を覆う前壁を有するとともに、少なくとも前記コネクタハウジングの二面を覆うことによって前記差込口を除く前記挿入孔の開口を塞ぎかつその内面に前記リテーナの側面が摺接可能な側壁を有するフロントホルダとを備えていることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記リテーナの側面には、リテーナロック部が設けられ、前記フロントホルダにおける前記側壁の内面には、リテーナロック受け部が設けられており、
    前記挿入孔に対して前記リテーナが正規挿入状態である場合には、前記リテーナロック部が前記リテーナロック受け部を係止することで前記リテーナの抜け止めがなされることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記挿入孔に対して前記リテーナが半挿入状態である場合には、前記リテーナロック部と前記リテーナロック受け部とが半係止状態となって、前記側壁の対応する部位が外側に膨らみ出ることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
  4. 前記フロントホルダにおける前記側壁は、前記挿入口と連通する閉ループ状のホルダ側差込口を有し、前記コネクタハウジングに正規挿入された前記リテーナの端部は、前記ホルダ側差込口内に適合して配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコネクタ。
  5. 前記フロントホルダにおける前記側壁は、その側壁の後端に開放されて前記挿入口と連通するホルダ側差込口を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコネクタ。
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