JP2009100568A - 電動車両および電動車両の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両外部の電源または電気負荷を電力を授受するための電路に設けられたリレーが溶着した場合に適切に処置可能な電動車両を提供する。
【解決手段】第1DFRは、第1MGの中性点に接続される電力線に配設され、第2DFRは、第2MGの中性点に接続される電力線に配設される。走行モード時(S400にてYES)、第1DFRの溶着履歴有りと判定されると(S410にてYES)、ECUは、第1DFRに対応する側の第1インバータをシャットダウンさせる(S420)。また、第2DFRの溶着履歴有りと判定されると(S430にてYES)、ECUは、第2DFRに対応する側の第2インバータをシャットダウンさせる(S440)。
【選択図】図5
【解決手段】第1DFRは、第1MGの中性点に接続される電力線に配設され、第2DFRは、第2MGの中性点に接続される電力線に配設される。走行モード時(S400にてYES)、第1DFRの溶着履歴有りと判定されると(S410にてYES)、ECUは、第1DFRに対応する側の第1インバータをシャットダウンさせる(S420)。また、第2DFRの溶着履歴有りと判定されると(S430にてYES)、ECUは、第2DFRに対応する側の第2インバータをシャットダウンさせる(S440)。
【選択図】図5
Description
この発明は、電動車両および電動車両の制御方法に関し、特に、車両外部の電源または電気負荷と電力を授受可能な電動車両およびその制御方法に関する。
特開平8−126121号公報(特許文献1)は、電気自動車の車載充電装置を開示する。この車載充電装置は、2つの三相コイルCA,CBと、2つのインバータIA,IBと、バッテリと、漏電ブレーカとを備える。インバータIA,IBは、それぞれ三相コイルCA,CBに対応して設けられ、それぞれ三相コイルCA,CBに接続される。インバータIA,IBは、バッテリに並列に接続される。そして、三相コイルCA,CBの中性点に漏電ブレーカを介して充電プラグにより車両外部の商用電源が接続可能である。
車両外部の商用電源から車載のバッテリの充電時、漏電ブレーカのリレーが閉成される。そして、インバータIAは、三相コイルCAの3つのコイルに等しい電流を流すように制御され、インバータIBは、三相コイルCAの3つのコイルに流される電流に等しい電流を三相コイルCBの3つのコイルに流すように制御される。これにより、インバータIA,IBは、商用電源からの単相交流電力を直流電力に変換してバッテリを充電する(特許文献1参照)。
特開平8−126121号公報
特開2006−320073号公報
しかしながら、上記の特開平8−126121号公報では、漏電ブレーカを構成するリレーが溶着した場合の処置については開示されていない。
それゆえに、この発明の目的は、車両外部の電源または電気負荷を電力を授受するための電路に設けられたリレーが溶着した場合に適切に処置可能な電動車両を提供することである。
また、この発明の別の目的は、車両外部の電源または電気負荷を電力を授受するための電路に設けられたリレーが溶着した場合の電動車両の制御方法を提供することである。
この発明によれば、電動車両は、車両外部の電源または電気負荷と電力を授受可能な電動車両であって、蓄電装置と、第1および第2の交流回転電機と、第1および第2のインバータと、電力インターフェース部と、第1および第2の電路と、第1および第2のリレーと、溶着判定部と、制御部とを備える。第1および第2の交流回転電機は、星形結線された第1の多相巻線および星形結線された第2の多相巻線をそれぞれ固定子巻線として含む。第1および第2のインバータは、第1および第2の交流回転電機にそれぞれ対応して設けられ、第1および第2のインバータの各々は、蓄電装置と電力を授受可能である。電力インターフェース部は、車両外部の電源または電気負荷に電気的に接続可能に構成される。第1および第2の電路は、電力インターフェース部と第1の多相巻線の中性点との間、および電力インターフェース部と第2の多相巻線の中性点との間にそれぞれ形成される。第1および第2のリレーは、第1および第2の電路をそれぞれ遮断可能である。溶着判定部は、第1および第2のリレーの溶着判定を行なう。制御部は、溶着判定部によって第1および第2のリレーの少なくとも一方が溶着していると判定されると、少なくとも溶着判定されたリレーに対応する側のインバータを停止させる。
好ましくは、電動車両は、開閉検出装置をさらに備える。開閉検出装置は、電力インターフェース部が車両外部に露出するのを防止する蓋の開閉状態を検出する。そして、制御部は、溶着判定部によって第1および第2のリレーの少なくとも一方が溶着していると判定され、かつ、開閉検出装置によって蓋の開状態が検出されているとき、少なくとも溶着判定されたリレーに対応する側のインバータを停止させる。
好ましくは、電動車両は、停車判定部をさらに備える。停車判定部は、当該電動車両が停車状態であるか否かを判定する。そして、制御部は、溶着判定部によって第1および第2のリレーの少なくとも一方が溶着していると判定され、かつ、停車判定部によって当該電動車両が停車状態であると判定されているとき、少なくとも溶着判定されたリレーに対応する側のインバータを停止させる。
さらに好ましくは、制御部は、第1および第2のインバータの双方を停止させる。
好ましくは、制御部は、溶着判定されたリレーに対応する側のインバータのみを停止させる。
好ましくは、制御部は、溶着判定されたリレーに対応する側のインバータのみを停止させる。
また、この発明によれば、制御方法は、車両外部の電源または電気負荷と電力を授受可能な電動車両の制御方法である。電動車両は、蓄電装置と、第1および第2の交流回転電機と、第1および第2のインバータと、電力インターフェース部と、第1および第2の電路と、第1および第2のリレーとを備える。第1および第2の交流回転電機は、星形結線された第1の多相巻線および星形結線された第2の多相巻線をそれぞれ固定子巻線として含む。第1および第2のインバータは、第1および第2の交流回転電機にそれぞれ対応して設けられ、第1および第2のインバータの各々は、蓄電装置と電力を授受可能である。電力インターフェース部は、車両外部の電源または電気負荷に電気的に接続可能に構成される。第1および第2の電路は、電力インターフェース部と第1の多相巻線の中性点との間、および電力インターフェース部と第2の多相巻線の中性点との間にそれぞれ形成される。第1および第2のリレーは、第1および第2の電路をそれぞれ遮断可能である。そして、制御方法は、溶着判定ステップと、停止ステップとを含む。溶着判定ステップでは、第1および第2のリレーの溶着判定が行なわれる。停止ステップでは、溶着判定ステップにおいて第1および第2のリレーの少なくとも一方が溶着していると判定されると、少なくとも溶着判定されたリレーに対応する側のインバータが停止される。
好ましくは、電動車両の制御方法は、検出ステップをさらに含む。検出ステップでは、電力インターフェース部が車両外部に露出するのを防止する蓋の開閉状態が検出される。そして、溶着判定ステップにおいて第1および第2のリレーの少なくとも一方が溶着していると判定され、かつ、検出ステップにおいて蓋の開状態が検出されているとき、停止ステップにおいて、少なくとも溶着判定されたリレーに対応する側のインバータが停止される。
好ましくは、電動車両の制御方法は、停車判定ステップをさらに含む。停車判定ステップでは、電動車両が停車状態であるか否かが判定される。そして、溶着判定ステップにおいて第1および第2のリレーの少なくとも一方が溶着していると判定され、かつ、停車判定ステップにおいて電動車両が停車状態であると判定されているとき、停止ステップにおいて、少なくとも溶着判定されたリレーに対応する側のインバータが停止される。
さらに好ましくは、停止ステップにおいて、第1および第2のインバータの双方が停止される。
好ましくは、停止ステップにおいて、溶着判定されたリレーに対応する側のインバータのみが停止される。
この発明においては、電力インターフェース部と第1の多相巻線の中性点との間、および電力インターフェース部と第2の多相巻線の中性点との間にそれぞれ第1および第2の電路が形成され、電動車両は、電力インターフェース部を介して車両外部の電源または電気負荷と電力を授受可能である。第1および第2の電路には、それぞれ第1および第2の電路を遮断可能な第1および第2のリレーが設けられる。そして、第1および第2のリレーの少なくとも一方が溶着していると判定されると、少なくとも溶着判定されたリレーに対応する側のインバータが停止するので、溶着判定されたリレーを介してインバータから電力インターフェース部へ電圧が出力されることはない。
したがって、この発明によれば、第1および第2のリレーの少なくとも一方が溶着した場合に電力インターフェース部に不意に電圧が発生するのを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による電動車両の一例として示されるハイブリッド車両のパワートレーン構成を示した図である。図1を参照して、このハイブリッド車両は、エンジン100と、第1MG(Motor Generator)110と、第2MG120と、動力分割機構130と、駆動輪140とを備える。また、ハイブリッド車両は、蓄電装置150と、SMR(System Main Relay)250と、コンバータ200と、第1インバータ210と、第2インバータ220と、DFR(Dead Front Relay)260と、LCフィルタ280と、充電インレット270と、ECU170と、充電リッド検出装置290とを備える。
図1は、この発明の実施の形態1による電動車両の一例として示されるハイブリッド車両のパワートレーン構成を示した図である。図1を参照して、このハイブリッド車両は、エンジン100と、第1MG(Motor Generator)110と、第2MG120と、動力分割機構130と、駆動輪140とを備える。また、ハイブリッド車両は、蓄電装置150と、SMR(System Main Relay)250と、コンバータ200と、第1インバータ210と、第2インバータ220と、DFR(Dead Front Relay)260と、LCフィルタ280と、充電インレット270と、ECU170と、充電リッド検出装置290とを備える。
エンジン100、第1MG110および第2MG120は、動力分割機構130に連結される。そして、このハイブリッド車両は、エンジン100および第2MG120の少なくとも一方からの駆動力によって走行する。エンジン100が発生する動力は、動力分割機構130によって2経路に分割される。すなわち、一方は駆動輪140へ伝達される経路であり、もう一方は第1MG110へ伝達される経路である。
第1MG110および第2MG120は、交流回転電機であり、たとえば三相交流同期電動機から成る。第1MG110は、動力分割機構130によって分割されたエンジン100の動力を用いて発電する。たとえば、蓄電装置150の充電状態(以下「SOC(State Of Charge)」とも称する。)が予め定められた値よりも低くなると、エンジン100が始動して第1MG110により発電が行なわれ、蓄電装置150が充電される。
第2MG120は、蓄電装置150に蓄えられた電力および第1MG110により発電された電力の少なくとも一方を用いて駆動力を発生する。そして、第2MG120の駆動力は、駆動輪140に伝達される。これにより、第2MG120はエンジン100をアシストしたり、第2MG120からの駆動力によって車両を走行させたりする。
なお、車両の制動時には、駆動輪140により第2MG120が駆動され、第2MG120が発電機として作動する。これにより、第2MG120は、走行エネルギーを電力に変換して制動力を発生する回生ブレーキとして作動する。そして、第2MG120により発電された電力は、蓄電装置150に蓄えられる。
動力分割機構130は、サンギヤと、ピニオンギヤと、キャリアと、リングギヤとを含む遊星歯車から成る。ピニオンギヤは、サンギヤおよびリングギヤと係合する。キャリアは、ピニオンギヤを自転可能に支持するとともに、エンジン100のクランクシャフトに連結される。サンギヤは、第1MG110の回転軸に連結される。リングギヤは第2MG120の回転軸および駆動輪140に連結される。
蓄電装置150は、充放電可能な直流電源であり、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池から成る。蓄電装置150の電圧は、たとえば200V程度である。蓄電装置150には、第1MG110および第2MG120によって発電される電力の他、後述のように、車両外部の電源から供給される電力が蓄えられる。なお、蓄電装置150として、大容量のキャパシタも採用可能であり、第1MG110および第2MG120による発電電力や車両外部の電源からの電力を一時的に蓄え、その蓄えた電力を第2MG120へ供給可能な電力バッファであれば如何なるものでもよい。
SMR250は、蓄電装置150とコンバータ200との間に設けられる。SMR250は、蓄電装置150と、コンバータ200やインバータ210,220から成る電気システムとの電気的な接続/遮断を行なうためのリレーであり、ECU170によってオン/オフ制御される。すなわち、車両走行時および車両外部の電源から蓄電装置150の充電時、SMR250はオンされ、蓄電装置150は電気システムに電気的に接続される。一方、車両システムの停止時、SMR250はオフされ、蓄電装置150は電気システムから電気的に切離される。
コンバータ200は、リアクトルと、2つのnpn型トランジスタと、2つダイオードとを含む。リアクトルは、蓄電装置150の正極側に一端が接続され、2つのnpn型トランジスタの接続ノードに他端が接続される。2つのnpn型トランジスタは、直列に接続され、各npn型トランジスタにダイオードが逆並列に接続される。
なお、npn型トランジスタとして、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることができる。また、npn型トランジスタに代えて、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)等の電力スイッチング素子を用いてもよい。
コンバータ200は、蓄電装置150から第1MG110または第2MG120へ電力が供給される際、ECU170からの制御信号PWCに基づいて、蓄電装置150から放電される電力を昇圧して第1MG110または第2MG120へ供給する。また、コンバータ200は、蓄電装置150を充電する際、制御信号PWCに基づいて、第1MG110または第2MG120から供給される電力を降圧して蓄電装置150へ出力する。
第1インバータ210は、U相アーム、V相アームおよびW相アームを含む。U相アーム、V相アームおよびW相アームは、互いに並列に接続される。各相アームは、直列に接続された2つのnpn型トランジスタを含み、各npn型トランジスタにはダイオードが逆並列に接続される。各相アームにおける2つのnpn型トランジスタの接続点は、第1MG110における対応のコイル端であって中性点112とは異なる端部に接続される。
そして、第1インバータ210は、ECU170からの制御信号PWI1に基づいて、第1MG110により発電された交流電力を直流電力に変換してコンバータ200へ供給する。また、第1インバータ210は、エンジン100の始動時、制御信号PWI1に基づいて、コンバータ200から供給される直流電力を交流電力に変換して第1MG110へ供給する。
第2インバータ220も、第1インバータ210と同様の構成から成り、各相アームにおける2つのnpn型トランジスタの接続点は、第2MG120における対応のコイル端であって中性点122とは異なる端部に接続される。
そして、第2インバータ220は、ECU170からの制御信号PWI2に基づいて、コンバータ200から供給される直流電力を交流電力に変換して第2MG120へ供給する。また、第2インバータ220は、車両の制動時には、制御信号PWI2に基づいて、第2MG120により発電された交流電力を直流電流に電力してコンバータ200へ供給する。
さらに、車両外部の電源から蓄電装置150の充電が行なわれるとき、第1インバータ210および第2インバータ220は、後述の方法により、車両外部の電源から第1MG110の中性点112および第2MG120の中性点122に与えられる交流電力をECU170からの制御信号PWI1,PWI2に基づいて直流電力に変換し、その変換した直流電力をコンバータ200へ供給する。
また、第1インバータ210は、ECU170からシャットダウン信号SD1を受けると、その動作を停止する。すなわち、第1インバータ210は、シャットダウン信号SD1を受けると、各相アームを形成する各npn型トランジスタのゲートを遮断する。
第2インバータ220も同様に、ECU170からシャットダウン信号SD2を受けると、その動作を停止する。すなわち、第2インバータ220は、シャットダウン信号SD2を受けると、各相アームを形成する各npn型トランジスタのゲートを遮断する。
DFR260は、第1DFR262と、第2DFR264とを含む。第1DFR262は、中性点112に接続される電力線に配設され、第2DFR264は、中性点122に接続される電力線に配設される。そして、第1DFR262および第2DFR264は、それぞれECU170からの制御信号DFR1,2によってオン/オフ制御される。
このDFR260は、充電インレット270と電気システムとの電気的な接続/遮断を行なうためのリレーである。車両走行時、DFR260はオフされ、充電インレット270は電気システムから電気的に切離される。一方、車両外部の電源から蓄電装置150の充電時、DFR260はオンされ、充電インレット270は電気システムに電気的に接続される。
LCフィルタ280は、DFR260と充電インレット270との間に設けられ、車両外部の電源から蓄電装置150の充電時、ハイブリッド車両の電気システムから車両外部の電源へ高周波のノイズが出力されるのを防止する。
充電インレット270は、車両外部の電源から充電電力を受電するための電力インターフェースである。車両外部の電源から蓄電装置150の充電時、充電インレット270には、車両外部の電源から車両へ電力を供給するための充電ケーブルのコネクタが接続される。
充電リッド検出装置290は、充電インレット270が格納される開口部の蓋(充電リッド)の開閉状態を検出し、その開閉状態を示すリッド信号LIDをECU170へ出力する。
ECU170は、イグニッション信号IG、シフト位置信号SP、車速信号SV、アクセル開度信号ACCおよびリッド信号LIDを受ける。イグニッション信号IGは、利用者による車両システム起動操作(たとえばイグニッションキーのON位置への回動操作やスタートスイッチのオン操作など)に応じて活性化される。シフト位置信号SPはシフトポジションを示す。車速信号SVは車両速度を示す。アクセル開度信号ACCはアクセルペダルの開度を示す。そして、ECU170は、これらの各信号に基づいて、SMR250、コンバータ200、第1インバータ210、第2インバータ220およびDFR260を駆動するための制御信号を生成し、これら各装置の動作を制御する。
図2は、図1に示したハイブリッド車両の充電機構に関する部分の概略構成図である。図2を参照して、ハイブリッド車両と車両外部の電源402とを連結する充電ケーブルは、コネクタ310と、プラグ320と、CCID(Charging Circuit Interrupt Device)リレー330と、コントロールパイロット回路334とを含む。
コネクタ310は、車両に設けられた充電インレット270に接続可能に構成される。コネクタ310には、リミットスイッチ312が設けられている。そして、コネクタ310が充電インレット270に接続されるとリミットスイッチ312が作動し、コネクタ310が充電インレット270に接続されたことを示すケーブル接続信号PISWがECU170に入力される。
プラグ320は、たとえば家屋に設けられた電源コンセント400に接続される。電源コンセント400には、電源402(たとえば系統電源)から交流電力が供給される。
CCIDリレー330は、電源402からハイブリッド車両へ充電電力を供給するための電力線に設けられる。CCIDリレー330は、コントロールパイロット回路334によってオン/オフ制御される。そして、CCIDリレー330がオフされているときは、電源402からハイブリッド車両へ電力を供給する電路が遮断され、CCIDリレー330がオンされると、電源402からハイブリッド車両へ電力を供給可能になる。
コントロールパイロット回路334は、コネクタ310および充電インレット270を介して車両のECU170へパイロット信号CPLTを出力する。なお、このパイロット信号CPLTは、コントロールパイロット回路334から車両のECU170へ定格電流を通知し、また、ECU170によって操作されるパイロット信号CPLTの電位に基づいてECU170からコントロールパイロット回路334へCCIDリレー330の駆動等を指示するための信号である。そして、コントロールパイロット回路334は、パイロット信号CPLTによるECU170からの指令に基づいてCCIDリレー330をオン/オフ制御する。
車両側には、電圧センサ171と、電流センサ172とが設けられる。電圧センサ171は、充電インレット270とLCフィルタ280との間の電力線対間の電圧VACを検出し、その検出値をECU170へ出力する。電流センサ172は、第1DFR262と第1MG110の中性点112との電力線に流れる電流IACを検出し、その検出値をECU170へ出力する。なお、電流センサ172は、第2DFR264と第2MG120の中性点122との電力線に設けてもよい。
ECU170は、イグニッション信号IGが活性化され、かつ、ケーブル接続信号PISWおよびパイロット信号CPLTのいずれも受けていないとき、制御モードを走行モードとする。走行モード時、ECU170は、制御信号DFR1,2を非活性化し、DFR260の第1DFR262および第2DFR264をオフさせる。
そして、走行モード時、ECU170は、シフト位置信号SP、車速信号SVおよびアクセル開度信号ACC等に基づいて、コンバータ200、第1インバータ210および第2インバータ220をそれぞれ駆動するために制御信号PWC,PWI1,PWI2を生成し、その生成した制御信号PWC,PWI1,PWI2をそれぞれコンバータ200、第1インバータ210および第2インバータ220(図1)へ出力する。
また、ECU170は、走行モード時、第1DFR262および第2DFR264の溶着履歴を確認する。そして、溶着履歴が確認された場合には、ECU170は、溶着履歴のあるDFRに対応する側のインバータへシャットダウン信号を出力する。溶着履歴のあるDFRに対応する側のインバータをシャットダウンするのは、走行モード時に、インバータ電圧が対応のモータジェネレータの中性点から溶着したDFRを介して充電インレット270へ出力されるのを防止するためである。
一方、ECU170は、ケーブル接続信号PISWを受けると、すなわち充電インレット270にコネクタ310が接続されると、後述の方法により、第1DFR262および第2DFR264の溶着チェックを含む充電前処理を実行する。そして、充電前処理が終了すると、ECU170は、電源402から第1MG110の中性点112および第2MG120の中性点122に与えられる交流電力を直流電力に変換して蓄電装置150を充電するように、第1インバータ210および第2インバータ220ならびにコンバータ200をそれぞれ駆動するための制御信号PWI1,PWI2,PWCを生成し、その生成した制御信号PWI1,PWI2,PWCをそれぞれ第1インバータ210および第2インバータ220ならびにコンバータ200へ出力する。
図3は、ECU170による充電前処理を説明するためのフローチャートである。図3および図2を参照して、ユーザによりプラグ320が電源コンセント400に接続されると(ステップS10)、充電ケーブル側でCCIDリレー330の溶着チェックが行なわれる(ステップS20)。なお、この時点では、CCIDリレー330の溶着チェックのみで、CCIDリレー330は駆動されない(オフ状態)。
次いで、ユーザによりコネクタ310がハイブリッド車両の充電インレット270に接続されると(ステップS30)、ハイブリッド車両のECU170は、ケーブル接続信号PISWに基づいてコネクタ310の接続を検知する(ステップS40においてYES)。そして、ECU170は、車両システムの電源をオンし(ステップS50)、車両の制御モードを充電モードとする(ステップS60)。
次いで、ECU170は、電圧センサ171によって検出される電圧VACに基づいて、CCIDリレー330の溶着チェックを行なう(ステップS70)。具体的には、この時点ではCCIDリレー330はオフされているところ、非零の電圧VACが検出された場合には、ECU170は、CCIDリレー330が溶着しているものと判定する。なお、特に図示していないが、CCIDリレー330が溶着していると判定されると、ECU170は、アラームを出力して処理を終了する。
なお、ステップS20におけるCCIDリレー330の溶着チェックは、充電ケーブル側での自己チェックであるのに対し、このステップS70におけるCCIDリレー330の溶着チェックは、車両側においてCCIDリレー330の溶着の有無を確認するために行なわれるものである。
次いで、ECU170は、SMR250(図1)へ出力される制御信号SEを活性化し、SMR250をオンする(ステップS80)。そして、SMR250がオンされると、ECU170は、DFR260の第1DFR262および第2DFR264の溶着チェック処理を行なう(ステップS90)。このDFR溶着チェック処理については、後ほど詳しく説明する。
DFR溶着チェック処理が終了すると、ECU170は、DFR260へ出力される制御信号DFR1,2を活性化して、第1DFR262および第2DFR264をオンさせる(ステップS100)。そして、DFR260がオンされると、ECU170は、パイロット信号CPLTを用いてCCIDリレー330のオン指令を充電ケーブルのコントロールパイロット回路334へ通知し、コントロールパイロット回路334によって充電ケーブルのCCIDリレー330がオンされる(ステップS110)。
ステップS100にて第1DFR262および第2DFR264をオンさせた後、ECU170は、CCIDリレー330の開故障チェックを行なう(ステップS120)。具体的には、ECU170は、電圧センサ171において電圧VACが検出されないとき、CCIDリレー330が開故障しているものと判定する。なお、特に図示していないが、CCIDリレー330が開故障していると判定されると、ECU170は、アラームを出力して処理を終了する。
その後、電圧センサ171からの電圧VACの検出値に基づいて、電源402の状態(電圧レベルや安定性など)が確認され(ステップS130)、電圧センサ171からの電圧VACおよび電流センサ172からの電流IACの各検出値に基づいて、実際に電源402から蓄電装置150の充電が実施される(ステップS140)。
図4は、図3に示したDFR溶着チェック処理を説明するためのフローチャートである。図4および図2を参照して、ECU170は、第1DFR262へ遮断指令(オフ指令)を出力し(ステップS200)、第2DFR264へ接続指令(オン指令)を出力する(ステップS210)。そして、ECU170は、第1MG110の中性点112に電圧を発生するように第1インバータ210へ動作指令を出力する(ステップS220)。
次いで、ECU170は、電圧センサ171から電圧VACの検出値を取得し(ステップS230)、その取得した電圧VACに基づいて第1DFR262の溶着チェックを行なう(ステップS240)。すなわち、非零の電圧VACが検出された場合、ECU170は、第1DFR262が溶着しているものと判定する。そして、第1DFR262の溶着チェックが終了すると、ECU170は、第1インバータ210を停止する(ステップS250)。
次いで、ECU170は、第2DFR264へ遮断指令を出力し(ステップS260)、第1DFR262へ接続指令を出力する(ステップS270)。そして、ECU170は、第2MG120の中性点122に電圧を発生するように第2インバータ220へ動作指令を出力する(ステップS280)。
次いで、ECU170は、電圧VACの検出値を電圧センサ171から取得し(ステップS290)、その取得した電圧VACに基づいて第2DFR264の溶着チェックを行なう(ステップS300)。零でない電圧VACが検出された場合、ECU170は、第2DFR264が溶着しているものと判定する。そして、第2DFR264の溶着チェックが終了すると、ECU170は、第2インバータ220を停止する(ステップS310)。
なお、上記においては、遮断指令が出力されたDFRに対応するインバータのみを動作させて、その遮断指令が出力されたDFRの溶着チェックを行なうものとしたが、たとえば、第1DFR262の溶着チェック時、第1インバータ210の各相上アームをオンさせ、かつ、第2インバータ220の各相下アームをデューティー制御するなど、第1および第2インバータの双方を動作させてもよい。
なお、特に図示しないが、ECU170は、第1DFR262の溶着が検出されると、第1DFR262が溶着している旨の履歴を図示されないメモリへ出力し、第2DFR264の溶着が検出されると、第2DFR264が溶着している旨の履歴をメモリへ出力する。そして、第1DFR262および第2DFR264のいずれかの溶着が検出された場合、ECU170は、アラームを出力して処理を終了する。
図5は、図4に示したDFR溶着チェック処理の結果に基づく第1および第2インバータ210,220の制御を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理は、一定時間ごとまたは所定の条件成立時にメインルーチンから呼出されて実行される。
図5を参照して、ECU170は、車両の制御モードが走行モードであるか否かを判定する(ステップS400)。ECU170は、イグニッション信号IGに基づいて車両システムが起動されているとき、制御モードが走行モードであると判定する。ECU170は、制御モードが走行モードでないと判定すると(ステップS400においてNO)、以降の一連を処理を実行することなくステップS450へ処理を移行する。
ステップS400において制御モードが走行モードであると判定されると(ステップS400においてYES)、ECU170は、第1DFR262の溶着履歴が有るか否か、または、第1DFR262への指令線のオン故障が発生しているか否かを判定する(ステップS410)。すなわち、充電モード時のDFR溶着チェック処理(図4)において第1DFR262の溶着が検出されると、第1DFR262の溶着履歴有りと判定される。また、走行モード中は第1DFR262へ遮断指令(オフ指令)が出力されているところ、第1DFR262への指令線の状態が接続指令を示しているとき、第1DFR262への指令線のオン故障が発生していると判定される。
そして、ステップS410において、第1DFR262の溶着履歴が有るものと判定され、または、第1DFR262への指令線のオン故障が発生していると判定されると(ステップS410においてYES)、第1MG110の中性点112から充電インレット270へ電圧が出力されるのを防止するため、ECU170は、第1DFR262に対応する側の第1インバータ210(図1)へシャットダウン信号SD1を出力し、第1インバータ210をシャットダウンさせる(ステップS420)。
次いで、ECU170は、第2DFR264の溶着履歴が有るか否か、または、第2DFR264への指令線のオン故障が発生しているか否かを判定する(ステップS430)。すなわち、図4に示したDFR溶着チェック処理において第2DFR264の溶着が検出されると、第2DFR264の溶着履歴有りと判定される。また、走行モード中は第2DFR264へ遮断指令(オフ指令)が出力されているところ、第2DFR264への指令線の状態が接続指令を示しているとき、第2DFR264への指令線のオン故障が発生していると判定される。
そして、ステップS430において、第2DFR264の溶着履歴が有るものと判定され、または、第2DFR264への指令線のオン故障が発生していると判定されると(ステップS430においてYES)、第2MG120の中性点122から充電インレット270へ電圧が出力されるのを防止するため、ECU170は、第2DFR264に対応する側の第2インバータ220(図1)へシャットダウン信号SD2を出力し、第2インバータ220をシャットダウンさせる(ステップS440)。
なお、第1インバータ210がシャットダウンされても、第2インバータ220がシャットダウンされていなければ、ハイブリッド車両は、第2MG120を用いて走行することが可能である。また、第2インバータ220がシャットダウンされても、第1インバータ210がシャットダウンされていなければ、ハイブリッド車両は、エンジン100(図1)を用いて走行することが可能である。
次に、充電モード時における実際の充電制御について説明する。
図6は、図1に示した第1および第2インバータ210,220および第1および第2MG110,120の零相等価回路を示した図である。第1インバータ210および第2インバータ220の各々は、図1に示したように三相ブリッジ回路から成り、各インバータにおける6個のスイッチング素子のオン/オフの組合わせは8パターン存在する。その8つのスイッチングパターンのうち2つは相間電圧が零となり、そのような電圧状態は零電圧ベクトルと称される。零電圧ベクトルについては、上アームの3つのスイッチング素子は互いに同じスイッチング状態(全てオンまたはオフ)とみなすことができ、また、下アームの3つのスイッチング素子も互いに同じスイッチング状態とみなすことができる。
図6は、図1に示した第1および第2インバータ210,220および第1および第2MG110,120の零相等価回路を示した図である。第1インバータ210および第2インバータ220の各々は、図1に示したように三相ブリッジ回路から成り、各インバータにおける6個のスイッチング素子のオン/オフの組合わせは8パターン存在する。その8つのスイッチングパターンのうち2つは相間電圧が零となり、そのような電圧状態は零電圧ベクトルと称される。零電圧ベクトルについては、上アームの3つのスイッチング素子は互いに同じスイッチング状態(全てオンまたはオフ)とみなすことができ、また、下アームの3つのスイッチング素子も互いに同じスイッチング状態とみなすことができる。
車両外部の電源402から蓄電装置150の充電時、電圧センサ171(図2)によって検出される電圧VACを用いて生成される零相電圧指令に基づいて、第1および第2インバータ210,220の少なくとも一方において零電圧ベクトルが制御される。したがって、この図6では、第1インバータ210の上アームの3つのスイッチング素子は上アーム210Aとしてまとめて示され、第1インバータ210の下アームの3つのスイッチング素子は下アーム210Bとしてまとめて示されている。同様に、第2インバータ220の上アームの3つのスイッチング素子は上アーム220Aとしてまとめて示され、第2インバータ220の下アームの3つのスイッチング素子は下アーム220Bとしてまとめて示されている。
そして、図6に示されるように、この零相等価回路は、電源402から第1MG110の中性点112および第2MG120の中性点122に与えられる単相交流電力を入力とする単相PWMコンバータとみることができる。そこで、第1および第2インバータ210,220の少なくとも一方において零相電圧指令に基づいて零電圧ベクトルを変化させ、第1および第2インバータ210,220を単相PWMコンバータのアームとして動作するようにスイッチング制御することによって、電源402から供給される交流電力を直流電力に変換して蓄電装置150を充電することができる。
以上のように、この実施の形態1においては、充電モード時、電圧センサ171からの電圧VACの検出値に基づいて第1DFR262および第2DFR264の溶着チェックが行なわれる。そして、第1DFR262の溶着または第1DFR262への指令線のオン故障が検出されると、走行モード時、第1インバータ210がシャットダウンされ、第2DFR264の溶着または第2DFR264への指令線のオン故障が検出されると、走行モード時、第2インバータ220がシャットダウンされる。
したがって、この実施の形態1によれば、第1DFR262および第2DFR264の少なくとも一方が溶着した場合に、走行モード時に充電インレット270に電圧が不意に発生するのを防止することができる。
また、この実施の形態1によれば、第1DFR262が溶着したとき、第1インバータ210をシャットダウンすることによって走行モード時に充電インレット270に電圧が発生するのを防止するとともに、第2インバータおよび第2MG120を用いてハイブリッド車両を走行させることができる。
また、この実施の形態1によれば、第2DFR264が溶着しているときは、第2インバータ220をシャットダウンすることによって走行モード時に充電インレット270に電圧が発生するのを防止するとともに、エンジン100を用いてハイブリッド車両を走行させることができる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、走行モード時に充電インレット270に電圧が発生するのを防止するため、溶着履歴有りまたは指令線のオン故障有りと判定されたDFRに対応する側のインバータをシャットダウンするものとした。
実施の形態1では、走行モード時に充電インレット270に電圧が発生するのを防止するため、溶着履歴有りまたは指令線のオン故障有りと判定されたDFRに対応する側のインバータをシャットダウンするものとした。
ところで、充電インレット270の開口部には充電リッド(蓋)が設けられている。そこで、この実施の形態2では、充電リッドの開状態が検出された場合に限り、溶着履歴有りまたは指令線のオン故障有りと判定されたDFRに対応する側のインバータがシャットダウンされる。
この実施の形態2によるハイブリッド車両の構成は、図1,図2に示した実施の形態1によるハイブリッド車両と同じである。また、この実施の形態2におけるECUによる充電前処理は、図3,4に示した実施の形態1における処理と同じである。
図7は、実施の形態2におけるECUによる、DFR溶着チェック処理の結果に基づく第1および第2インバータ210,220の制御を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理も、一定時間ごとまたは所定の条件成立時にメインルーチンから呼出されて実行される。
図7を参照して、このフローチャートは、図5に示したフローチャートにおいてステップS412,S432をさらに含む。すなわち、ステップS410において、第1DFR262の溶着履歴が有るものと判定され、または、第1DFR262への指令線のオン故障が発生していると判定されると(ステップS410においてYES)、ECU170は、充電リッド検出装置290(図1)からのリッド信号LIDに基づいて、充電リッドが開状態であるか否かを判定する(ステップS412)。
ECU170は、充電リッドが閉状態であると判定すると(ステップS412においてNO)、第1インバータ210をシャットダウンすることなくステップS430へ処理を移行する。一方、ステップS412において充電リッドが開状態であると判定されると(ステップS412においてYES)、ECU170は、ステップS420へ処理を移行し、第1インバータ210をシャットダウンさせる。
また、ステップS430において、第2DFR264の溶着履歴が有るものと判定され、または、第2DFR264への指令線のオン故障が発生していると判定されると(ステップS430においてYES)、ECU170は、リッド信号LIDに基づいて、充電リッドが開状態であるか否かを判定する(ステップS432)。
ECU170は、充電リッドが閉状態であると判定すると(ステップS432においてNO)、第2インバータ220をシャットダウンすることなくステップS450へ処理を移行する。一方、ステップS432において充電リッドが開状態であると判定されると(ステップS432においてYES)、ECU170は、ステップS440へ処理を移行し、第2インバータ220をシャットダウンさせる。
以上のように、この実施の形態2においては、第1DFR262および/または第2DFR264の溶着が検出されたとき、充電リッドの開状態が検出されている場合に限り対応のインバータがシャットダウンされる。そして、充電モードでない走行モード時は、充電リッドが閉状態であるのが通常であるから、この実施の形態2によれば、DFR260の溶着がハイブリッド車両の走行に与える影響を抑えることができる。
[実施の形態3]
DFRの溶着履歴有りまたは指令線のオン故障有りと判定されても、ハイブリッド車両が走行中であれば、利用者が充電インレット270に触れることはない。そこで、この実施の形態3では、車両の停車状態が検出された場合に限り、溶着履歴有りまたは指令線のオン故障有りと判定されたDFRに対応する側のインバータがシャットダウンされる。
DFRの溶着履歴有りまたは指令線のオン故障有りと判定されても、ハイブリッド車両が走行中であれば、利用者が充電インレット270に触れることはない。そこで、この実施の形態3では、車両の停車状態が検出された場合に限り、溶着履歴有りまたは指令線のオン故障有りと判定されたDFRに対応する側のインバータがシャットダウンされる。
この実施の形態3によるハイブリッド車両の構成は、図1,図2に示した実施の形態1によるハイブリッド車両と同じである。また、この実施の形態3におけるECUによる充電前処理は、図3,4に示した実施の形態1における処理と同じである。
図8は、実施の形態3におけるECUによる、DFR溶着チェック処理の結果に基づく第1および第2インバータ210,220の制御を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理も、一定時間ごとまたは所定の条件成立時にメインルーチンから呼出されて実行される。
図8を参照して、このフローチャートは、図5に示したフローチャートにおいてステップS414,S434をさらに含む。すなわち、ステップS410において、第1DFR262の溶着履歴が有るものと判定され、または、第1DFR262への指令線のオン故障が発生していると判定されると(ステップS410においてYES)、ECU170は、車両が停車状態であるか否かを判定する(ステップS414)。具体的には、シフト位置信号SPがパーキングポジション(「P」ポジション)を示しているとき、または、シフト位置信号SPが「P」ポジション以外であって車速信号SVが車速0を示し、かつ、アクセル開度信号ACCがアクセルペダルの全閉を示しているとき、ECU170は、車両が停車状態であると判定する。
ECU170は、車両が停車状態でないと判定すると(ステップS414においてNO)、第1インバータ210をシャットダウンすることなくステップS430へ処理を移行する。一方、ステップS414において車両が停車状態であると判定されると(ステップS414においてYES)、ECU170は、ステップS420へ処理を移行し、第1インバータ210をシャットダウンさせる。
また、ステップS430において、第2DFR264の溶着履歴が有るものと判定され、または、第2DFR264への指令線のオン故障が発生していると判定されると(ステップS430においてYES)、ECU170は、車両が停車状態であるか否かを判定する(ステップS434)。
ECU170は、車両が停車状態でないと判定すると(ステップS434においてNO)、第2インバータ220をシャットダウンすることなくステップS450へ処理を移行する。一方、ステップS434において車両が停車状態であると判定されると(ステップS434においてYES)、ECU170は、ステップS440へ処理を移行し、第2インバータ220をシャットダウンさせる。
以上のように、この実施の形態3においては、第1DFR262および/または第2DFR264の溶着が検出されたとき、車両の停車状態が検出されている場合に限り対応のインバータがシャットダウンされる。言い換えると、車両が走行中であれば、第1DFR262および/または第2DFR264の溶着が検出されていても、それによってインバータはシャットダウンされない。したがって、この実施の形態3によれば、DFR260が溶着しても車両の走行性能を維持することができる。
[実施の形態4]
上記の実施の形態1〜3では、走行モード時、溶着履歴有りまたは指令線のオン故障有りと判定されたDFRに対応する側のインバータをシャットダウンするものとした。この実施の形態4では、走行モード時に第1DFR262および第2DFR264の少なくとも一方において溶着履歴有りまたは指令線のオン故障有りと判定されると、第1インバータ210および第2インバータ220の双方がシャットダウンされる。
上記の実施の形態1〜3では、走行モード時、溶着履歴有りまたは指令線のオン故障有りと判定されたDFRに対応する側のインバータをシャットダウンするものとした。この実施の形態4では、走行モード時に第1DFR262および第2DFR264の少なくとも一方において溶着履歴有りまたは指令線のオン故障有りと判定されると、第1インバータ210および第2インバータ220の双方がシャットダウンされる。
この実施の形態4によるハイブリッド車両の構成は、図1,図2に示した実施の形態1によるハイブリッド車両と同じである。また、この実施の形態4におけるECUによる充電前処理は、図3,4に示した実施の形態1における処理と同じである。
図9は、実施の形態4におけるECUによる、DFR溶着チェック処理の結果に基づく第1および第2インバータ210,220の制御を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理も、一定時間ごとまたは所定の条件成立時にメインルーチンから呼出されて実行される。
図9を参照して、このフローチャートは、図5に示したフローチャートにおいて、ステップS420に代えてステップS414,S425を含み、ステップS440に代えてステップS434,S445を含む。
すなわち、ステップS410において、第1DFR262の溶着履歴が有るものと判定され、または、第1DFR262への指令線のオン故障が発生していると判定されると(ステップS410においてYES)、ECU170は、車両が停車状態であるか否かを判定する(ステップS414)。ECU170は、車両が停車状態でないと判定すると(ステップS414においてNO)、ステップS430へ処理を移行する。
一方、ステップS414において車両が停車状態であると判定されると(ステップS414においてYES)、ECU170は、第1インバータ210および第2インバータ220の双方をシャットダウンさせる(ステップS425)。
また、ステップS430において、第2DFR264の溶着履歴が有るものと判定され、または、第2DFR264への指令線のオン故障が発生していると判定されると(ステップS430においてYES)、ECU170は、車両が停車状態であるか否かを判定する(ステップS434)。ECU170は、車両が停車状態でないと判定すると(ステップS434においてNO)、ステップS450へ処理を移行する。
一方、ステップS434において車両が停車状態であると判定されると(ステップS434においてYES)、ECU170は、第1インバータ210および第2インバータ220の双方をシャットダウンさせる(ステップS445)。
以上のように、この実施の形態4によれば、第1DFR262および第2DFR264の少なくとも一方の溶着が検出されると、第1インバータ210および第2インバータ220の双方をシャットダウンするので、充電インレット270に電圧が不意に発生するのを確実に防止することができる。
なお、上記の各実施の形態においては、車両外部の電源402から蓄電装置150を充電可能なハイブリッド車両について説明したが、この発明は、充電インレット270に電気的に接続される車両外部の電気負荷へ蓄電装置150から電力を供給可能なハイブリッド車両にも適用可能である。この場合、図6に示した零相等価回路は、蓄電装置150から供給される直流電圧を用いて中性点112,122間に単相交流電圧を生じさせる単相PWMインバータとみることができる。そこで、第1および第2インバータ210,220の少なくとも一方において零相電圧指令に基づいて零電圧ベクトルを変化させ、第1および第2インバータ210,220を単相PWMインバータのアームとして動作するようにスイッチング制御することによって、蓄電装置150から供給される直流電力を交流電力に変換して車両外部の電気負荷へ給電することができる。
また、上記においては、動力分割機構130によりエンジン100の動力を分割して駆動輪140と第1MG110とに伝達可能なシリーズ/パラレル型のハイブリッド車について説明したが、この発明は、その他の形式のハイブリッド車にも適用可能である。すなわち、たとえば、第1MG110を駆動するためにのみエンジン100を用い、第2MG120でのみ車両の駆動力を発生する、いわゆるシリーズ型のハイブリッド車や、エンジン100が生成した運動エネルギーのうち回生エネルギーのみが電気エネルギーとして回収されるハイブリッド車、エンジンを主動力として必要に応じてモータがアシストするモータアシスト型のハイブリッド車などにもこの発明は適用可能である。
また、上記においては、電源402からの交流電力を中性点112,122に与え、第1および第2インバータ210,220および第1および第2MG110,120を単相PWMコンバータとして動作させることによって蓄電装置150を充電するものとしたが、電源402から蓄電装置150を充電するための専用の電圧変換器および整流器を蓄電装置150に並列に別途接続してもよい。
また、この発明は、コンバータ200を備えないハイブリッド車にも適用可能である。
また、この発明は、エンジン100を備えずに電力のみで走行する電気自動車や、電源として蓄電装置に加えて燃料電池をさらに備える燃料電池車にも適用可能である。
また、この発明は、エンジン100を備えずに電力のみで走行する電気自動車や、電源として蓄電装置に加えて燃料電池をさらに備える燃料電池車にも適用可能である。
なお、上記において、第1MG110および第2MG120は、それぞれこの発明における「第1および第2の交流回転電機」の一実施例に対応し、第1インバータ210および第2インバータ220は、それぞれこの発明における「第1および第2のインバータ」の一実施例に対応する。また、充電インレット270は、この発明における「電力インターフェース部」の一実施例に対応し、第1DFR262および第2DFR264は、それぞれこの発明における「第1および第2のリレー」の一実施例に対応する。
さらに、ステップS90においてECU170により実行される処理は、この発明における「溶着判定部」による処理の一実施例に対応し、ステップS420,S440またはステップS425,S445においてECU170により実行される処理は、この発明における「制御部」による処理の一実施例に対応する。また、さらに、充電リッド検出装置290は、この発明における「開閉検出装置」の一実施例に対応し、ステップS414,S434においてECU170により実行される処理は、この発明における「停車判定部」による処理の一実施例に対応する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 エンジン、110 第1MG、112,122 中性点、120 第2MG、130 動力分割機構、140 駆動輪、150 蓄電装置、170 ECU、171 電圧センサ、172 電流センサ、210 第1インバータ、210A,220A 上アーム、210B,220B 下アーム、220 第2インバータ、250 SMR、260 DFR、262 第1DFR、264 第2DFR、270 充電インレット、280 LCフィルタ、290 充電リッド検出装置、310 コネクタ、312 リミットスイッチ、320 プラグ、330 CCIDリレー、334 コントロールパイロット回路、400 電源コンセント、402 電源。
Claims (10)
- 車両外部の電源または電気負荷と電力を授受可能な電動車両であって、
蓄電装置と、
星形結線された第1の多相巻線および星形結線された第2の多相巻線をそれぞれ固定子巻線として含む第1および第2の交流回転電機と、
前記第1および第2の交流回転電機にそれぞれ対応して設けられ、各々が前記蓄電装置と電力を授受可能な第1および第2のインバータと、
前記電源または前記電気負荷に電気的に接続可能に構成された電力インターフェース部と、
前記電力インターフェース部と前記第1の多相巻線の中性点との間、および前記電力インターフェース部と前記第2の多相巻線の中性点との間にそれぞれ形成される第1および第2の電路と、
前記第1および第2の電路をそれぞれ遮断可能な第1および第2のリレーと、
前記第1および第2のリレーの溶着判定を行なう溶着判定部と、
前記溶着判定部によって前記第1および第2のリレーの少なくとも一方が溶着していると判定されると、少なくとも溶着判定されたリレーに対応する側のインバータを停止させる制御部とを備える電動車両。 - 前記電力インターフェース部が車両外部に露出するのを防止する蓋の開閉状態を検出する開閉検出装置をさらに備え、
前記制御部は、前記溶着判定部によって前記第1および第2のリレーの少なくとも一方が溶着していると判定され、かつ、前記開閉検出装置によって前記蓋の開状態が検出されているとき、少なくとも溶着判定されたリレーに対応する側のインバータを停止させる、請求項1に記載の電動車両。 - 当該電動車両が停車状態であるか否かを判定する停車判定部をさらに備え、
前記制御部は、前記溶着判定部によって前記第1および第2のリレーの少なくとも一方が溶着していると判定され、かつ、前記停車判定部によって当該電動車両が停車状態であると判定されているとき、少なくとも溶着判定されたリレーに対応する側のインバータを停止させる、請求項1に記載の電動車両。 - 前記制御部は、前記第1および第2のインバータの双方を停止させる、請求項3に記載の電動車両。
- 前記制御部は、溶着判定されたリレーに対応する側のインバータのみを停止させる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電動車両。
- 車両外部の電源または電気負荷と電力を授受可能な電動車両の制御方法であって、
前記電動車両は、
蓄電装置と、
星形結線された第1の多相巻線および星形結線された第2の多相巻線をそれぞれ固定子巻線として含む第1および第2の交流回転電機と、
前記第1および第2の交流回転電機にそれぞれ対応して設けられ、各々が前記蓄電装置と電力を授受可能な第1および第2のインバータと、
前記電源または前記電気負荷に電気的に接続可能に構成された電力インターフェース部と、
前記電力インターフェース部と前記第1の多相巻線の中性点との間、および前記電力インターフェース部と前記第2の多相巻線の中性点との間にそれぞれ形成される第1および第2の電路と、
前記第1および第2の電路をそれぞれ遮断可能な第1および第2のリレーとを備え、
前記制御方法は、
前記第1および第2のリレーの溶着判定を行なう溶着判定ステップと、
前記溶着判定ステップにおいて前記第1および第2のリレーの少なくとも一方が溶着していると判定されると、少なくとも溶着判定されたリレーに対応する側のインバータを停止させる停止ステップとを含む、電動車両の制御方法。 - 前記電力インターフェース部が車両外部に露出するのを防止する蓋の開閉状態を検出する検出ステップをさらに含み、
前記溶着判定ステップにおいて前記第1および第2のリレーの少なくとも一方が溶着していると判定され、かつ、検出ステップにおいて前記蓋の開状態が検出されているとき、前記停止ステップにおいて、少なくとも溶着判定されたリレーに対応する側のインバータが停止される、請求項6に記載の電動車両の制御方法。 - 前記電動車両が停車状態であるか否かを判定する停車判定ステップをさらに含み、
前記溶着判定ステップにおいて前記第1および第2のリレーの少なくとも一方が溶着していると判定され、かつ、前記停車判定ステップにおいて前記電動車両が停車状態であると判定されているとき、前記停止ステップにおいて、少なくとも溶着判定されたリレーに対応する側のインバータが停止される、請求項6に記載の電動車両の制御方法。 - 前記停止ステップにおいて、前記第1および第2のインバータの双方が停止される、請求項8に記載の電動車両の制御方法。
- 前記停止ステップにおいて、溶着判定されたリレーに対応する側のインバータのみが停止される、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の電動車両の制御方法。
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