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JP2009152111A - 圧着端子およびそれを備えた端子付電線 - Google Patents

圧着端子およびそれを備えた端子付電線 Download PDF

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JP2009152111A
JP2009152111A JP2007330127A JP2007330127A JP2009152111A JP 2009152111 A JP2009152111 A JP 2009152111A JP 2007330127 A JP2007330127 A JP 2007330127A JP 2007330127 A JP2007330127 A JP 2007330127A JP 2009152111 A JP2009152111 A JP 2009152111A
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JP
Japan
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barrel
electric wire
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wall
wire
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Application number
JP2007330127A
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English (en)
Inventor
Hiroki Shimoda
洋樹 下田
Hiroki Hirai
宏樹 平井
Tetsuji Tanaka
徹児 田中
Junichi Ono
純一 小野
Takuji Otsuka
拓次 大塚
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】導体線が特にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる電線の場合において、電線および圧着端子間の電気導通性と機械的接続強度の双方を満足させることが可能である端子付き電線を提供する。
【解決手段】端子付き電線100Aは、電線2と、電線2の端末に圧着される圧着端子1Aとを備えている。圧着端子1Aは、端末における導体線4が露出する露出部分に圧着される第1バレル壁11と、導体線4が絶縁体3で被覆された被覆部分に圧着される第2バレル壁とを含む。第2バレル壁は、前側バレル壁13,14および後側バレル壁17,18からなり、前側バレル壁13,14および後側バレル壁17,18は、電線2の底壁10に沿って延びる中心軸が、前側バレル壁13,14と後側バレル壁17,18とにおいてずれるように被覆部分に圧着される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電線の端末に圧着される圧着端子およびそれを備えた端子付き電線に関する。
従来から、複数の導体線を絶縁体で被覆し、端末において導体線が露出する電線と、該端末に圧着される圧着端子とを有する端子付き電線として、例えば特許文献1のものが知られている。この端子付き電線の圧着端子は、電線の端末における導体線の露出部分に圧着されるワイヤバレルと、導体線が絶縁体で被覆された被覆部分に圧着されるインシュレーションバレルとを有している。
実開平5−72053号公報
このような圧着端子は、導体線および圧着端子間の電気導通性と、機械的接続強度(つまり、圧着端子が電線を保持する強度)の双方を満足させることが求められるが、特に圧着部分の断面積が小さい電線については、電気導通性および機械的接続強度の双方を満足させることは困難である。
例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる導体線は、その表面に、酸化皮膜が形成され易く、この酸化皮膜は、導体線および圧着端子間の接触抵抗の原因となるため、破壊する必要がある。このような酸化皮膜が破壊される程度までワイヤバレルを導体線に強く圧着すれば、接触抵抗が低下して導体線および圧着端子間の電気導通性が確保される利点が得られるが、その反面、導体線の断面積の減少率が高くなるために、ワイヤバレルおよび導体線間の接続強度が低下するという不都合が生じる。逆に、接続強度を確保するために、導体線の断面積の減少率を低くすると、接触抵抗が大きくなるという不都合が生じる。このように、導体線がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミ電線を用いる場合では、電気導通性と接続強度の双方を満足させることは難しい。また、このようなアルミ電線にかかわらず、圧着前の時点で既に断面積の小さい細径電線にも同様の不都合が生じる。
なお、特許文献1では、インシュレーションバレルに貫通孔または凹部を形成し、該インシュレーションバレルが電線の被覆部分に圧着されるときに絶縁体の一部を前記貫通孔または凹部に食い込ませることにより、電線に作用する衝撃的な引張力を緩和させる構成を採用している。しかしながら、前記絶縁体の一部を前記貫通孔または凹部に食い込ませるだけでは、前記引張力に対して十分な引張強度(つまり、電線および圧着端子間の接続強度)を確保するのは難しい。このような圧着端子において、導体線およびワイヤバレル間の接続強度を確保するために、導体線の断面積の減少率を高くすると、接触抵抗が大きくなって十分な電気導通性を得ることができない。このように、特許文献1では、圧着端子および電線間の電気導通性と接続強度の双方を満足させることは困難である。
そこで、本発明は、このような事情に鑑み、電線および圧着端子間の機械的接続強度を向上させることが可能であると共に、導体線がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる電線の場合において、電気導通性と接続強度の双方を満足させることが可能である技術の提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る端子付き電線は、複数の導体線を絶縁体で被覆し、端末において前記導体線が露出する電線と、前記電線の前記端末に圧着される圧着端子とを備えている。前記圧着端子は、前記電線が載置される底壁と、前記底壁から立ち上がり、前記端末における前記導体線が露出する露出部分に圧着される第1バレル壁と、前記底壁から立ち上がり、前記導体線が前記絶縁体で被覆された被覆部分に圧着される第2バレル壁とを含む。前記第2バレル壁は、前側バレル壁および後側バレル壁からなり、前記前側バレル壁および前記後側バレル壁は、前記電線の前記底壁に沿って延びる中心軸が、該前側バレル壁と該後側バレル壁とにおいてずれるように前記被覆部分に圧着される。
本発明の端子付き電線によれば、電線の中心軸が、前側バレル壁と後側バレル壁とにおいてずれる程度に前側バレル壁と後側バレル壁に圧着力を加えているので、底壁が延びる方向から見て前側バレル壁と後側バレル壁との間には、段差が形成される。この段差によって、電線は、前側バレル壁と後側バレル壁との間で引っ掛かった状態となる。したがって、電線に衝撃的な引張力が作用しても、前記段差によって電線が抜けにくくなる。このように、本発明では、前記引張力に対して高い引張強度を確保できる。その結果、電線と圧着端子間の接続強度が向上する。
本発明の好ましい実施形態では、前記前側バレル壁および前記後側バレル壁のうちの一方は、前記底壁が延びる方向から見て前記底壁の左右方向に扁平に変形するように圧着されるのに対し、他方のバレル壁は、前記底壁の延びる方向から見て前記底壁の上下方向に扁平に変形するように圧着され、前記電線の中心軸は、前記前側バレル壁および前記後側バレル壁において前記底壁が延びる方向から見て上下方向にずれている。
本発明のさらに好ましい実施形態では、前記前側バレル壁および前記後側バレル壁のうちの一方は、前記底壁が延びる方向から見て前記底壁の右方向に変形するように圧着されるのに対し、他方のバレル壁は、前記底壁が延びる方向から見て前記底壁の左方向に変形するように圧着され、前記電線の前記中心軸は、前記前側バレル壁および前記後側バレル壁において前記底壁が延びる方向から見て左右方向にずれている。
前記段差は、前側バレル壁および前記後側バレル壁のうちの一方を、底壁が延びる方向から見て底壁の左右方向に扁平に変形するように圧着し、他方のバレル壁を、底壁の延びる方向から見て底壁の上下方向に扁平に変形するように圧着することにより、底壁が延びる方向から見て前側バレル壁と後側バレル壁との間で上下方向に形成してもよい。また、前記段差は、前側バレル壁および後側バレル壁のうちの一方を、底壁が延びる方向から見て底壁の右方向に変形するように圧着し、他方のバレル壁を、底壁が延びる方向から見て底壁の左方向に変形するように圧着することにより、底壁が延びる方向から見て前側バレル壁と後側バレル壁との間で左右方向に形成してもよい。
本発明の好ましい実施形態では、前記圧着端子は、前記第2バレル壁が、対向する一対の第1バレル部および第2バレル部からなり、前記第1バレル部および前記第2バレル部のそれぞれが、前側部分および該前側部分から連続する後側部分を含むように金属板から成形されている。前記前側部分および前記後側部分のうちの一方は、他方よりも板厚を大きくした板厚部分とされると共に、前記他方は薄板部分とされ、前記板厚部分および前記薄板部分は、前記第1バレル部および前記第2バレル部において互い違いに形成されており、前記第2バレル壁の前記被覆部分への圧着に伴い、前記電線の前記底壁に沿って延びる中心軸は、前記第1バレル部および前記第2バレル部において、前記底壁が延びる方向から見て左右方向にずれている。
この構成によれば、板厚部分および薄板部分は、第1バレル部および第2バレル部において互い違いに形成されており、厚板部分の被覆部分に対する圧着力は、薄板部分の被覆部分に対する圧着力よりも板厚が大きい分、大きくなるので、第1バレル部および第2バレル部は、蛇行状に、つまり底壁の左右方向に変形する。これにより、第1バレル部および第2バレル部の間には、底壁が延びる方向から見て底壁の左右方向に段差が形成される。この段差によって、電線は、第1バレル部と第2バレル部との間で引っ掛かった状態となる。したがって、電線に衝撃的な引張力が作用しても、前記段差によって電線が抜け難くなる。このように、本発明では、前記引張力に対して高い引張強度を確保できる。その結果、電線と圧着端子間の接続強度が向上する。
上記の圧着端子において、前記薄板部分は、前記厚板部分よりも凹んだ形状とすることにより構成されていてもよいし、また、前記厚板部分は、前記第1バレル部および前記第2バレル部の先端から突出する突出片を内側に折り返して形成した折返し部によって構成されていてもよい。このように、厚板部分および薄板部分は、簡単な構造で、厚板部分の被覆部分に対する圧着力と、薄板部分の被覆部分に対する圧着力との間に差をもたせることが可能である。すなわち、第1バレル部および第2バレル部の間に段差を形成することが容易である。
本発明では、前記導体線はアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるものであってもよい。
本発明は、導体線がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる電線の場合に特に有利である。上述のように、導体線がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる電線を用いる場合、電気導通性と接続強度の双方を満足させることは難しい。しかしながら、本発明では、第1バレル部および第2バレル部間に形成した段差に電線が引っ掛かった状態となるように第2バレル壁を被覆部分に圧着することによって、電線に作用する衝撃的な引張力に対する強度、つまり電線および圧着端子間の接続強度を向上させているので、第1バレル壁を、電気導通性を確保するために酸化皮膜が破壊される程度に導体線に強く圧着しても、つまり、導体線の断面積の減少率が高くなっても、電線と、第1バレル壁および第2バレル壁との間の接続強度を確保することが可能である。したがって、本発明の構成によれば、導体線がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる電線であっても、電気導通性と接続強度の双方を満足させることが可能である。
本発明の端子付き電線によれば、電線および圧着端子間の機械的接続強度を向上させることが可能であると共に、導体線がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる電線の場合において、電気導通性と接続強度の双方を満足させることが可能である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る端子付き電線100Aを示す斜視図である。端子付き電線100Aは、電線2と、電線2に圧着された圧着端子1Aとを含む。電線2は、撚り線状に配置された複数本の導体線4と、導体線4を絶縁体で被覆する絶縁被覆3とを有しており、端末において、絶縁被覆3が部分的に除去されて導体線4が露出した状態となっている。その端末に、圧着端子1が圧着されている。導体線4は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。
図2は、電線2の端末に圧着される前の圧着端子1Aを示す斜視図である。圧着端子1Aは、従来の圧着端子と同様に、電気接触部7と電線圧着部9とを前後に有する。この第1実施形態において、電気接触部7は、雌型であって図略の雄型端子が嵌入可能な箱型に形成されている。電線圧着部9は、電気接触部7から圧着端子の長手方向に延びる底壁10と、底壁10から立ち上がる一対のワイヤバレル(第1バレル壁)11と、ワイヤバレル11を挟んで電気接触部7とは反対側の位置で、かつワイヤバレル11とは所定の距離離間した位置で底壁10から立ち上がる一対の第1インシュレーションバレル(前側バレル壁)13,14と、第1インシュレーションバレル13,14とは所定の距離離間した位置で底壁10から立ち上がる第2インシュレーションバレル(後側バレル壁)17,18とを有する。底壁10から立ち上がるワイヤバレル11、第1インシュレーションバレル13、14および第2インシュレーションバレル17,18は、U字形の正面形状をなしている。圧着端子1Aは、1枚の金属板を所定の形状に打ち抜き、曲げ加工によって図2に示す形状に成形されている。
圧着端子1Aを電線2の端末に圧着する圧着工程では、まず、電線2の端末において、絶縁被覆3を除去して導体線4を露出させ、その端末を圧着端子1Aの底壁10にセットする。次に、圧着端子1Aの電線圧着部9のワイヤバレル11、第1インシュレーションバレル13,14および第2インシュレーションバレル17,18を、底壁10に向けてかしめることにより、圧着端子1Aが電線2の端末に圧着される。
詳細には、一対のワイヤバレル11は、電線2の端末における導体線4が露出した露出部分を抱き込むように曲げ加工される。また、図3(A)に示すように、一対の第1インシュレーションバレル13,14は、電線2の前記露出部分の直ぐ後側の絶縁被覆3を抱き込むように曲げ加工され、このとき、インシュレーションバレル13の内側面13aとインシュレーションバレル14の外側面14aとは重なり合った状態となる。さらに、図4(B)に示すように、一対の第2インシュレーションバレル17,18は、第1インシュレーションバレル13,14の後方で、電線2の絶縁被覆3を抱き込むように曲げ加工され、このとき、インシュレーションバレル17の内側面17aとインシュレーションバレル18の外側面18aとは重なり合った状態となる。
一対の第1インシュレーションバレル13,14は、図3(A)に示すように、底壁10が延びる方向、つまり圧着端子1Aの長手方向から見て、底壁10の、例えば左右方向に扁平に変形するように電線2に圧着されている。これに対し、一対の第2インシュレーションバレル17,18は、図3(B)に示すように、圧着端子1Aの長手方向から見て、底壁10の、例えば上下方向に扁平に変形するように電線2に圧着されている。このように、第1インシュレーションバレル13,14と第2インシュレーションバレル17,18とが、互いに異なる扁平形状を有するように、第1インシュレーションバレル13,14および第2インシュレーションバレル17,18に圧着力を加えることにより、第1インシュレーションバレル13,14と第2インシュレーションバレル17,18との間に、圧着端子1Aの長手方向から見て上下方向に延びる段差S(図1)が形成される。この状態では、電線2の底壁10に沿って延びる中心軸は、第1インシュレーションバレル13,14および第2インシュレーションバレル17,18において、圧着端子1Aの長手方向から見て上下方向にずれている。
本発明では、第1インシュレーションバレル13,14および第2インシュレーションバレル17,18間に形成された段差Sによって、電線2の中心軸は、第1インシュレーションバレル13,14および第2インシュレーションバレル17,18において底壁10が延びる方向から見て上下方向にずれているので、電線2に衝撃的な引張力が作用しても、段差Sによって電線2が抜け難くなる。このように、本発明では、前記引張力に対して高い引張強度を確保できる。その結果、電線2と圧着端子1A間の接続強度が向上する。
また、本発明では、導体線4がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる場合や、電線2が細径の場合に特に有利である。本発明では、第1インシュレーションバレル13,14および第2インシュレーションバレル17,18によって、導体線4および圧着端子1A間の接続強度を向上させているので、電線2がアルミ電線の場合において、ワイヤバレル11を、電気導通性を確保するために酸化皮膜が破壊される程度に導体線4に強く圧着しても、つまり、導体線4の断面積の減少率が高くなっても、導体線4と、ワイヤバレル11、第1インシュレーションバレル13,14および第2インシュレーションバレル17,18との間の接続強度を確保することが可能である。したがって、本発明によれば、導体線4がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる電線2や、細径の電線2であっても、電気導通性と接続強度の双方を満足させることが可能である。
図4は、図2に示す圧着端子1Aとは異なる形態の圧着端子1Bを示す斜視図である。圧着端子1Bは、電気接触部7(図2)から圧着端子1Bの長手方向に延びる底壁10と、底壁10から立ち上がる一対のワイヤバレル11と、ワイヤバレル11を挟んで電気接触部7とは反対側の位置で底壁10から立ち上がる一対の第1バレル部25および第2バレル部28からなるインシュレーションバレルとを含む。
第1バレル部25は、前側部分26および後側部分27を含み、第2バレル部28も同様に前側部分29および後側部分30を含む。第1バレル部25は、前側部分26および後側部分27において板厚を異ならせている。第1バレル部25では、前側部分26および後側部分27間に段差32が形成される程度に後側部分27の内側面27aを、前側部分26の内側面26aよりも凹んだ面に成形することで、前側部分26を厚板部分とし、後側部分27を薄板部分としている。これに対し、第2バレル部28では、前側部分29および後側部分30間に段差32が形成される程度に前側部分29の内側面29aを、後側部分30の内側面30aよりも凹んだ面に成形することで、前側部分29を薄板部分とし、後側部分30を厚板部分としている。このように、板厚部分26,30および薄板部分27,29は、第1バレル部25および第2バレル部28において互い違いに形成されている。
圧着端子1Bでは、板厚部分26,30および薄板部分27,29は、第1バレル部25および第2バレル部28において互い違いに形成されており、また、厚板部分26,30の電線2に対する圧着力は、薄板部分27,29の電線2に対する圧着力よりも板厚が大きい分、大きくなるので、第1バレル部25および第2バレル部28は、電線2に圧着されたとき底壁10の左右方向に変形する。具体的には、第1バレル部25の前側部分(厚板部分)26の電線2に対する圧着力は、第2バレル部28の前側部分(薄板部分)29の電線2に対する圧着力よりも大きいので、第1バレル部25および第2バレル部28は、圧着端子1Bの長手方向から見て前側部分26,29において右方向よりに変形する。これに対し、第2バレル部28の後側部分(厚板部分)30の電線2に対する圧着力は、第1バレル部25の前側部分(薄板部分)27の電線2に対する圧着力よりも大きいので、第1バレル部25および第2バレル部28は、圧着端子1Bの長手方向から見て後側部分27,30において左方向よりに変形する。この状態において、電線2の底壁10に沿って延びる中心軸は、第1バレル部25および第2バレル部28において、底壁10が延びる方向から見て左右方向にずれている。
上記のように、第1バレル部25および第2バレル部28が変形することにより、第1バレル部25および第2バレル部28の間には、圧着端子1Bの長手方向から見て底壁10の左右方向に図略の段差が形成される。この段差によって、電線2の中心軸は、第1バレル部25および第2バレル部28において底壁10が延びる方向から見て左右方向にずれた状態となる。したがって、電線2に衝撃的な引張力が作用しても、前記段差によって電線2が抜け難くなる。このように、本発明では、前記引張力に対して高い引張強度を確保できる。その結果、電線2と圧着端子1B間の接続強度が向上する。
なお、第1バレル部25の前側部分26および後側部分27を厚板部分および薄板部分とし、第2バレル部28の前側部分29および後側部分30を薄板部分および厚板部分としたが、第1バレル部25の前側部分26および後側部分27を薄板部分および厚板部分とし、第2バレル部28の前側部分29および後側部分30を厚板部分および薄板部分としてもよい。
図5は、図2に示す圧着端子1Aのさらに他の形態の圧着端子1Cを示す斜視図である。圧着端子1Cは、電気接触部7(図2)から圧着端子1Cの長手方向に延びる底壁10と、底壁10から立ち上がる一対のワイヤバレル11と、ワイヤバレル11を挟んで電気接触部7とは反対側の位置で底壁10から立ち上がる一対の第1バレル部25および第2バレル部28からなるインシュレーションバレルとを含む。
第1バレル部25は、前側部分35および後側部分38を含み、第2バレル部28も同様に前側部分40および後側部分36を含む。第1バレル部25および第2バレル部28は、前側部分35,40および後側部分38,36において板厚を異ならせている。第1バレル部25は、第1バレル部25における前方側の先端から突出する突出片35を有しており、この突出片35を、底壁10に向かって内側に折り返して折返し部を形成している。第1バレル部25では、その折返し部(前側部分)35が厚板部分とされ、後側部分38が薄板部分とされている。これに対し、第2バレル部28は、第2バレル部28における後方側の先端から突出する突出片36を有しており、この突出片36を、底壁10に向かって内側に折り返して折返し部を形成している。第1バレル部25では、その折返し部(後側部分)36が厚板部分とされ、前側部分40が薄板部分とされている。このように、板厚部分35,36および薄板部分38,40は、第1バレル部25および第2バレル部28において互い違いに形成されている。
圧着端子1Cでは、板厚部分35,36および薄板部分38,40は、第1バレル部25および第2バレル部28において互い違いに形成されており、また、厚板部分35,36の電線2に対する圧着力は、薄板部分38,40の電線2に対する圧着力よりも板厚が大きい分、大きくなるので、第1バレル部25および第2バレル部28は、電線2に圧着されたとき底壁10の左右方向に変形する。具体的には、第1バレル部25の前側部分(厚板部分)35の電線2に対する圧着力は、第2バレル部28の前側部分(薄板部分)40の電線2に対する圧着力よりも大きいので、第1バレル部25および第2バレル部28は、圧着端子1Cの長手方向から見て前側部分35,40において右方向よりに変形する。これに対し、第2バレル部28の後側部分(厚板部分)36の電線2に対する圧着力は、第1バレル部25の前側部分(薄板部分)38の電線2に対する圧着力よりも大きいので、第1バレル部25および第2バレル部28は、圧着端子1Cの長手方向から見て後側部分36,38において左方向よりに変形する。この状態において、電線2の底壁10に沿って延びる中心軸は、第1バレル部25および第2バレル部28において、底壁10が延びる方向から見て左右方向にずれている。
上記のように、第1バレル部25および第2バレル部28が変形することにより、第1バレル部25および第2バレル部28の間には、圧着端子1Cの長手方向から見て底壁10の左右方向に図略の段差が形成される。この段差によって、電線2は、第1バレル部25および第2バレル部28において底壁10が延びる方向から見て左右方向にずれた状態となる。したがって、電線2に衝撃的な引張力が作用しても、前記段差によって電線2が抜け難くなる。このように、本発明では、前記引張力に対して高い引張強度を確保できる。その結果、電線2と圧着端子1C間の接続強度が向上する。
なお、第1バレル部25の前側部分35および後側部分38を厚板部分および薄板部分とし、第2バレル部28の前側部分40および後側部分36を薄板部分および厚板部分としたが、第1バレル部25の前側部分35および後側部分38を薄板部分および厚板部分とし、第2バレル部28の前側部分40および後側部分36を厚板部分および薄板部分としてもよい。
本発明の実施形態に係る端子付き電線を示す斜視図である。 電線の端末に圧着される前の圧着端子を示す斜視図である。 (A)は、図1のX−X線に沿って切断した断面図であり、(B)は、図1のX′−X′に沿って切断した断面図である。 図2に示す圧着端子の他の形態の圧着端子を示す斜視図である。 図2に示す圧着端子のさらに他の形態の圧着端子を示す斜視図である。
符号の説明
1A〜1C 圧着端子
2 電線
3 絶縁被覆
4 導体線
7 電気接触部
9 電線圧着部
10 底壁
11 ワイヤバレル
13,14 第1インシュレーションバレル
17,18 第2インシュレーションバレル
100A 端子付き電線
S 段差

Claims (8)

  1. 複数の導体線を絶縁体で被覆し、端末において前記導体線が露出する電線と、
    前記電線の前記端末に圧着される圧着端子と、
    を備えた端子付き電線であって、
    前記圧着端子は、
    前記電線が載置される底壁と、
    前記底壁から立ち上がり、前記端末における前記導体線が露出する露出部分に圧着される第1バレル壁と、
    前記底壁から立ち上がり、前記導体線が前記絶縁体で被覆された被覆部分に圧着される第2バレル壁と、
    を含み、
    前記第2バレル壁は、前側バレル壁および後側バレル壁からなり、
    前記前側バレル壁および前記後側バレル壁は、前記電線の前記底壁に沿って延びる中心軸が、該前側バレル壁と該後側バレル壁とにおいてずれるように前記被覆部分に圧着される端子付き電線。
  2. 請求項1に記載の端子付き電線において、前記前側バレル壁および前記後側バレル壁のうちの一方は、前記底壁が延びる方向から見て前記底壁の左右方向に扁平に変形するように圧着されるのに対し、他方のバレル壁は、前記底壁の延びる方向から見て前記底壁の上下方向に扁平に変形するように圧着され、
    前記電線の中心軸は、前記前側バレル壁および前記後側バレル壁において前記底壁が延びる方向から見て上下方向にずれている端子付き電線。
  3. 請求項1に記載の端子付き電線において、前記前側バレル壁および前記後側バレル壁のうちの一方は、前記底壁が延びる方向から見て前記底壁の右方向に変形するように圧着されるのに対し、他方のバレル壁は、前記底壁が延びる方向から見て前記底壁の左方向に変形するように圧着され、
    前記電線の前記中心軸は、前記前側バレル壁および前記後側バレル壁において前記底壁が延びる方向から見て左右方向にずれている端子付き電線。
  4. 複数の導体線を絶縁体で被覆し、端末において前記導体線が露出する電線の該端末に圧着される圧着端子であって、
    前記電線が載置される底壁と、
    前記底壁から立ち上がり、前記端末における前記導体線が露出する露出部分に圧着される第1バレル壁と、
    前記底壁から立ち上がり、前記導体線が前記絶縁体で被覆された被覆部分に圧着される第2バレル壁と、
    を含み、
    前記第2バレル壁は、対向する一対の第1バレル部および第2バレル部からなり、前記第1バレル部および前記第2バレル部のそれぞれが、前側部分および該前側部分から連続する後側部分を含むように金属板から成形されており、
    前記前側部分および前記後側部分のうちの一方は、他方よりも板厚を大きくした板厚部分とされると共に、前記他方は薄板部分とされ、前記板厚部分および前記薄板部分は、前記第1バレル部および前記第2バレル部において互い違いに形成されており、
    前記第2バレル壁の前記被覆部分への圧着に伴い、前記電線の前記底壁に沿って延びる中心軸は、前記第1バレル部および前記第2バレル部において、前記底壁が延びる方向から見て左右方向にずれている圧着端子。
  5. 請求項4に記載の圧着端子において、前記薄板部分は、前記厚板部分よりも凹んだ形状となるように成形されている圧着端子。
  6. 請求項4に記載の圧着端子において、前記第1バレル部および前記第2バレル部は、先端から突出する突出片を有しており、この突出片が内側に折り返されて折返し部が形成され、この折返し部が、前記厚板部分を構成している圧着端子。
  7. 複数の導体線を絶縁体で被覆し、端末において前記導体線が露出する電線と、
    前記電線の前記端末に圧着される、請求項4〜6のいずれか一項に記載の圧着端子と、
    を備えた端子付き電線。
  8. 請求項1〜7に記載の端子付き電線において、前記導体線がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる端子付き電線。
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