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JP2009143332A - 二輪自動車用タイヤ - Google Patents

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JP2009143332A
JP2009143332A JP2007321478A JP2007321478A JP2009143332A JP 2009143332 A JP2009143332 A JP 2009143332A JP 2007321478 A JP2007321478 A JP 2007321478A JP 2007321478 A JP2007321478 A JP 2007321478A JP 2009143332 A JP2009143332 A JP 2009143332A
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cord
band
reinforcing
reinforcing layer
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JP2007321478A
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Inventor
Shigehiko Suzuki
重彦 鈴木
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

【課題】直進安定性及び旋回安定性に優れる二輪自動車用タイヤ2の提供。
【解決手段】このタイヤ2は、一対のビード8と、カーカス10と、このカーカス10の半径方向外側に位置するバンド12と、このバンド12に積層される補強層14とを備える。このバンド12は、螺旋状に巻かれて実質的に周方向に延在するバンドコードを含む。この補強層14は、赤道面に対して傾斜する補強コードを含む。この補強コードは、この補強層14の両端32において左右交互に折り返されつつ周方向に延在する。この補強コードの傾斜角度の絶対値は、30°以上60°以下である。上記補強コードの密度が、15エンズ/5cm以上25エンズ/5cm以下である。この補強コードは、アラミド繊維からなる2本のヤーンが撚り合わされて形成されている。このヤーンの繊度は、400dtex以上900dtex以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、二輪自動車用タイヤに関する。
近年の二輪自動車は高性能であり、高速走行が可能である。二輪自動車は、高速で直進走行し、高速で旋回しうる。この二輪自動車に装着されるタイヤには、走行性能のさらなる向上が、望まれている。
ジョイントレス構造のバンドを備えたラジアルタイヤがある。このバンドは、螺旋状に巻かれて実質的に周方向に延在するコードを有する。このバンドは、高速走行時の直進安定性に寄与しうる。しかし、このタイヤは剛性感に劣るので、ハンドリングが重い。このタイヤは、運動性能に劣る。このバンドはコーナリングパワーの発生に寄与しえないので、このタイヤは旋回性能にも劣る。
タイヤ性能の向上の観点から、上記バンドに、補強層が積層されたタイヤがある。この補強層は、内側プライと、この内側プライに積層される外側プライとからなる。この内側プライ及び外側プライは、赤道面に対して傾斜して延在する補強コードを含んでいる。この補強層は、タイヤの剛性感に寄与しうる。このタイヤのハンドリングは、軽い。このタイヤでは、運動性能が改善される。
高速安定性及び耐久性の向上が図られた二輪自動車用ラジアルタイヤが、特開平5−319017号公報に開示されている。このタイヤでは、トレッドとカーカスとの間にベルト層が設けられている。このベルト層は、並列された複数のコードを含む帯状体を赤道面に対して傾斜させかつ交互に折り返して周回させることにより形成したプライ片を含んでいる。
特開平5−319017号公報
上記補強層を含んだタイヤでは、トレッドの端の近傍に、この補強層に含まれる補強コードの端が位置している。このタイヤでは、この補強層の端に歪みが集中して、ルースが発生するという問題がある。
上記公報のタイヤでは、ベルト層の端において帯状体が折り返されている。このタイヤでは、このベルト層の端への歪みの集中が抑制されうる。このタイヤでは、ルースの発生が抑制されている。しかし、このタイヤでは、このベルト層に含まれるコードには、例えば、その材質がアラミド繊維でありかつその繊度が1500d(デニール)/3であるコードが用いられている。このようなコード有するベルト層では、タイヤの剛性を精密に制御することは難しい。このタイヤでは、充分な直進安定性及び旋回安定性が得られない。
本発明の目的は、直進安定性及び旋回安定性に優れる二輪自動車用タイヤの提供にある。
本発明に係る二輪自動車用タイヤは、一対のビードと、両ビードに架け渡されたカーカスと、このカーカスの半径方向外側に位置するバンドと、このバンドに積層される補強層とを備えている。このバンドは、螺旋状に巻かれて実質的に周方向に延在するバンドコードを含んでいる。この補強層は、赤道面に対して傾斜する補強コードを含んでいる。この補強コードは、この補強層の両端において左右交互に折り返されつつ周方向に延在している。この補強コードの傾斜角度の絶対値は、30°以上60°以下である。上記補強コードの密度は、15エンズ/5cm以上25エンズ/5cm以下である。この補強コードは、アラミド繊維からなる2本のヤーンが撚り合わされて形成されている。このヤーンの繊度は、400dtex以上900dtex以下である。
好ましくは、このタイヤでは、上記バンドコードは、アラミド繊維からなる2又は3本のヤーンが撚り合わされて形成されている。このヤーンの繊度は、1400dtexである。このバンドコードの上撚り数は、19.5回/10cm以上29.5回/10cm以下である。
好ましくは、このタイヤでは、上記カーカスは、並列された多数のカーカスコードを備えている。このカーカスコードは、レーヨン繊維、アラミド繊維又はナイロン繊維からなる。
このタイヤでは、バンドが螺旋状に巻かれて実質的に周方向に延在するバンドコードを含んでいる。このバンドは、タイヤの半径方向の剛性に寄与しうる。このタイヤでは、走行時に作用する遠心力の影響が抑制される。このタイヤは、直進安定性に優れる。このタイヤでは、補強層が赤道面に対して傾斜する補強コードを含んでいる。この補強層は、タイヤの剛性に寄与しうる。このタイヤは、大きなコーナリングフォースを発生しうるので、旋回安定性にも優れる。このタイヤでは、この補強コードがこの補強層の端において折り返されている。このタイヤでは、補強層の端への歪みの集中が抑制されうる。このタイヤは、ルースの発生が抑制されるので、耐久性に優れる。このタイヤでは、この補強コードの傾斜角度、密度及び繊度が適切に調整されているので、補強層がタイヤの剛性に適切に寄与しうる。このタイヤは、直進安定性及び旋回安定性に優れる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ2の一部が示された断面図である。この図1において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ2は、図1中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。この赤道面は、周方向に延在する。このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、バンド12、補強層14、インナーライナー16及びチェーファー18を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、二輪自動車に装着される。
トレッド4は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、トレッド面20を備えている。このトレッド面20は、路面と接地する。トレッド面20には、溝22が刻まれている。この溝22により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4に溝22が刻まれなくてもよい。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらにサイドウォール6は、カーカス10の外傷を防止する。
ビード8は、サイドウォール6よりも半径方向略内側に位置している。ビード8は、コア24と、このコア24から半径方向外向きに延びるエイペックス26とを備えている。コア24は、リング状である。コア24は、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。エイペックス26は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス26は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス10は、プライ28からなる。このプライ28は、両側のビード8の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。プライ28は、コア24の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。このカーカス10が2枚以上のプライ28から構成されてもよい。
図示されていないが、プライ28は、並列された多数のカーカスコードとトッピングゴムとからなる。各カーカスコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、通常は70°から90°である。換言すれば、このカーカス10はラジアル構造を有する。このようなカーカス10を備えるタイヤ2は、ラジアルタイヤ2と称される。カーカスコードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。高いモジュラスを有しかつ汎用性に優れるという観点から、この有機繊維としては、レーヨン繊維、アラミド繊維及びナイロン繊維が特に好ましい。
バンド12は、カーカス10の半径方向外側に位置している。バンド12は、トレッド4の半径方向内側に位置している。バンド12は、トレッド4とカーカス10との間に位置している。バンド12の端30は、トレッド4の端の近傍に位置している。図示されていないが、このバンド12は、バンドコードとトッピングゴムとからなる。バンドコードは実質的に周方向に延びており、螺旋状に巻かれている。バンド12は、いわゆるジョイントレス構造を有する。
図示されていないが、バンドコードは複数本のヤーンが撚り合わされて形成される。このヤーンは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。タイヤ2の剛性に寄与しうるという観点から、この有機繊維としてはアラミド繊維が好ましい。1本のバンドコードを構成するヤーンの本数は、2本又は3本であるのが好ましい。このヤーンの繊度は、1400dtexが好ましい。
補強層14は、カーカス10の半径方向外側に位置している。補強層14は、トレッド4の半径方向内側に位置している。補強層14は、バンド12に積層されている。このタイヤ2では、補強層14はバンド12の半径方向内側に位置している。この補強層14が、バンド12の半径方向外側に位置してもよい。補強層14の端32は、トレッド4の端の近傍に位置している。このタイヤ2では、この補強層14は、トレッド4の一端の近傍から他端の近傍まで延在している。図示されているように、この補強層14の端32の位置は、軸方向においてバンド12の端30の位置と一致する。この補強層14の端32が、このバンド12の端30の軸方向内側に位置してもよい。この補強層14の端32が、このバンド12の端30の軸方向外側に位置してもよい。
インナーライナー16は、カーカス10の内周面に接合されている。インナーライナー16は、架橋ゴムからなる。インナーライナー16には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー16は、タイヤ2の内圧を保持する役割を果たす。
チェーファー18は、ビード8の近傍に位置している。タイヤ2がリム(図示されず)に組み込まれると、このチェーファー18がリムと当接する。この当接により、ビード8の近傍が保護される。チェーファー18は、通常は布とこの布に含浸したゴムとからなる。ゴム単体からなるチェーファー18が用いられてもよい。
図2は、図1のタイヤ2の補強層14の一部が示された断面斜視図である。この図2には、赤道面の近傍に位置する補強層14が示されている。図2中、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表している。矢印線Aで示される方向が、半径方向外側である。両矢印線Bで示される方向が、軸方向である。この補強層14は、補強コード34とトッピングゴム36とからなる。補強コード34は、赤道面に対して傾斜している。図示されているように、補強層14の半径方向内側の部分(以下、内側部38)に位置する補強コード34の傾斜方向と、その半径方向外側の部分(以下、外側部40)に位置する補強コード34の傾斜方向とは、逆である。換言すれば、内側部38の補強コード34と外側部40の補強コード34とは、交差している。
このタイヤ2は、次のようにして製造される。まず、押出機で、補強コード34とトッピングゴム36とが押し出されてリボンが成形される。
図3は、図2の補強層14の形成に用いられるリボン42が示された断面斜視図である。この図3において、両矢印線Cは、リボン42の長手方向を表している。両矢印線Dは、このリボン42の幅方向を表している。図示されているように、このリボン42は、補強コード34がトッピングゴム36に覆われている。この補強コード34は、リボン42の長手方向に延在している。このリボン42に含まれる補強コード34の本数は、1本でもよく、2本以上でもよい。このリボン42に複数本の補強コード34が含まれる場合、これらの補強コード34は幅方向に並列される。図3に示されているように、このタイヤ2のリボン42には、幅方向に並列された2本の補強コード34が含まれている。
次に、リボン42がフォーマー(図示されず)に供給される。このフォーマーには、他のゴム部材も供給される。他のゴム部材としては、インナーライナー16、カーカス10、バンド12、サイドウォール6、トレッド4等が挙げられる。このタイヤ2では、このフォーマーにカーカス10が形成された後に、このリボン42により補強層14が形成される。
図4は、補強層14の形成状況が示された平面図である。図4(a)には、フォーマーに形成されたカーカス10の一部と、補強層14の形成に用いられるリボン42の一部とが示されている。図4(a)中、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表している。この紙面の左側の二点鎖線EL1は、補強層14の一端に相当する箇所を表している。その右側の二点鎖線EL2は、その他端に相当する箇所を表している。この紙面の表側は、タイヤ2の半径方向外側に相当する。このタイヤ2では、リボン42はフォーマーが回転されつつカーカス10に貼着される。この図4において、このリボン42は、赤道面の近傍から一端側に向かって延在している。このリボン42は、赤道面に対して傾斜して配置される。次に、このリボン42は二点鎖線EL1に沿って内側から外側に向かって折り返される。換言すれば、このリボン42は補強層14の一端に相当する箇所で半径方向内側から半径方向外側に向かって折り返される。なお、図中、Sで示される部分は、このリボン42の巻き始め部である。
図4(b)には、折り返されたリボン42の一部が示されている。図示されているように、この折り返されたリボン42は、補強層14の一端から他端に向かって延在する。この折り返されたリボン42も、赤道面に対して傾斜している。次に、このリボン42は二点鎖線EL2に沿って内側から外側に向かって折り返される。換言すれば、このリボン42は補強層14の他端に相当する箇所で半径方向内側から半径方向外側に向かって折り返される。
図4(c)には、リボン42がさらに折り返された状態が示されている。図示されているように、この折り返されたリボン42は、補強層14の他端から一端に向かって延在する。この折り返されたリボン42も、赤道面に対して傾斜している。このタイヤ2では、このようにしてリボン42が補強層14の両端において左右交互に折り返されつつ周方向に巻き回される。
図4(d)は、リボン42が巻き回されている状態が示されている。図示されているように、リボン42が周方向に1周巻き回されると、このリボン42は巻き始め部Sに隣接して配置される。図示されていないが、このリボン42が周方向にさらに1周巻き回されると、このリボン42はこの巻き始め部Sに隣接しているリボン42の部分に隣接して配置される。このようにして、リボン42は、周方向に1周巻き回される度に、その位置が周方向にずらされて配置される。このリボン42の巻き回しは、この補強層14が形成される部分においてカーカス10の露出が無くなるまで続けられる。このタイヤ2では、このようにして補強層14が形成される。
図5は、リボン42の巻き回しにより形成された補強層14の一部が示された平面図である。図示されているように、補強層14を構成するリボン42は赤道面に対して傾斜している。前述したように、このリボン42に含まれる補強コード34はこのリボン42の長手方向に延在している。このタイヤ2では、この補強コード34は赤道面に対して傾斜している。
このタイヤ2では、補強層14は、リボン42が補強層14の両端において左右交互に折り返されつつ周巻きされて形成される。このタイヤ2では、この補強層14に含まれる補強コード34は、補強層14の両端において左右交互に折り返されつつ周方向に延在している。換言すれば、このタイヤ2では、補強コード34はジグザグ状に折り返されつつ周方向に延在している。
図示されているように、このタイヤ2では、補強層14の半径方向内側に位置するリボン42と、その半径方向外側に位置するリボン42とは交差する。このタイヤ2では、このリボン42の交差により、図2に示したような補強コード34の交差が形成される。
このタイヤ2の製造方法では、補強層14の形成に続いて、バンド12、サイドウォール6、トレッド4等のゴム部材がアッセンブリーされる。このアッセンブリーにより、ローカバー(未架橋タイヤとも称される)が得られる。このローカバーは、モールドに投入されて、このモールドのキャビティ面とブラダーの外面とに挟まれて、加圧される。このローカバーは、ブラダー及びモールドからの熱伝導により、加熱される。加圧と加熱とにより、ローカバーのゴム組成物が流動する。加熱によりゴム組成物が架橋反応を起こし、このタイヤ2が得られうる。
前述したように、このタイヤ2では、バンド12が螺旋状に巻かれて実質的に周方向に延在するバンドコードを含んでいる。このバンド12は、タイヤ2の半径方向の剛性に寄与しうる。このタイヤ2では、走行時に作用する遠心力の影響が抑制される。このタイヤ2は、直進安定性に優れる。
このタイヤ2では、補強層14が赤道面に対して傾斜する補強コード34を含んでいる。この補強層14は、タイヤ2の剛性に寄与しうる。このタイヤ2は、大きなコーナリングフォースを発生しうるので、旋回安定性に優れる。
このタイヤ2では、補強コード34が補強層14の端32において折り返されているので、補強層14の端32への歪みの集中が抑制されうる。このタイヤ2は、ルースの発生が抑制されうる。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
後述するが、このタイヤ2では、補強コード34の傾斜角度、繊度及び密度が適切に調整されている。この補強層14は、タイヤ2の剛性に適切に寄与しうる。このタイヤ2は、直進安定性及び旋回安定性に優れる。
図2において、矢印線L1は補強層14の外側部40に含まれる補強コード34の長手方向を表している。矢印線L2は、その内側部38に含まれる補強コード34の長手方向を表している。角度αは、この長手方向L1が赤道面に対してなす角度を表している。この角度αが、この外側部40の補強コード34の傾斜角度である。角度βは、この長手方向L2が赤道面に対してなす角度を表している。この角度βが、この内側部38の補強コード34の傾斜角度である。
このタイヤ2では、傾斜角度αの絶対値は、30°以上60°以下である。この傾斜角度αが30°以上に設定されることにより、補強層14がカーカス10を効果的に拘束しうる。このタイヤ2は、直進安定性に優れる。この観点から、この傾斜角度αは40°以上が好ましい。この傾斜角度αが60°以下に設定されることにより、補強層14がタイヤ2の剛性に寄与しうる。このタイヤ2は、大きなコーナリングフォースを発生しうるので、旋回安定性に優れる。この観点から、この傾斜角度αは50°以下が好ましい。
このタイヤ2では、傾斜角度βの絶対値は、30°以上60°以下である。この傾斜角度βが30°以上に設定されることにより、補強層14がカーカス10を効果的に拘束しうる。このタイヤ2は、直進安定性に優れる。この観点から、この傾斜角度βは40°以上が好ましい。この傾斜角度βが60°以下に設定されることにより、補強層14がタイヤ2の剛性に寄与しうる。このタイヤ2は、大きなコーナリングフォースを発生しうるので、旋回安定性に優れる。この観点から、この傾斜角度βは50°以下が好ましい。加工性の観点から、この傾斜角度βは上記傾斜角度αと同じであるのが好ましい。
図示されていないが、このタイヤ2では、補強コード34はアラミド繊維からなる2本のヤーンが撚り合わされて形成されている。この補強コード34のモジュラスは、ナイロン繊維、ポリエステル繊維又はレーヨン繊維からなるコードのモジュラスに比べて大きい。この補強層14は、タイヤ2を効果的に補強する。この補強層14は、タイヤ2の剛性に寄与しうる。このタイヤ2は、大きなコーナリングフォースが発生しうる。このタイヤ2は、旋回安定性に優れる。
このタイヤ2では、補強コード34を構成するヤーンの繊度は400dtex以上900dtex以下である。このヤーンの繊度が400dtex以上に設定されることにより、補強層14がタイヤ2の剛性に寄与しうる。このタイヤ2は、大きなコーナリングフォースを発生しうるので、旋回安定性に優れる。この観点から、このヤーンの繊度は500dtex以上が好ましい。このヤーンの繊度が900dtex以下に設定されることにより、タイヤ2の剛性過大が抑制される。このタイヤ2では、乗り心地が維持されうる。この観点から、このヤーンの繊度は800dtex以下が好ましい。
このタイヤ2では、補強コード34の密度は、15エンズ/5cm以上25エンズ/5cm以下である。この密度が15エンズ/5cm以上に設定されることにより、補強層14がタイヤ2の剛性に寄与しうる。このタイヤ2は、大きなコーナリングフォースを発生しうるので、旋回安定性に優れる。この密度が25エンズ/5cm以下に設定されることにより、タイヤ2の剛性過大が抑制される。このタイヤ2では、乗り心地が維持されうる。この密度は、補強コード34の長手方向に対して垂直な断面において、補強層14の5cm幅あたりに並列されている補強コード34の本数(エンズ)が計測されることにより、得られる。
このタイヤ2では、バンド12に含まれるバンドコードの上撚り数は、19.5回/10cm以上29.5回/10cm以下であるのが好ましい。この上撚り数が19.5回/10cm以上に設定されることにより、このバンドコードを含んだバンド12がタイヤ2の耐久性に寄与しうる。この上撚り数が29.5回/10cm以下に設定されることにより、このバンドコードを含んだバンド12がタイヤ2の剛性感に寄与しうる。なお、この上撚り数は、JIS−L1017に準じて計測される。
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記表2に示された仕様を備えた実施例1の二輪自動車用ラジアルタイヤを得た。このタイヤサイズは、「180/55ZR17 MC(73W)」である。補強層は、バンドの半径方向内側に積層されている(表中、「in」として表示)。この補強層の軸方向幅と、バンドの軸方向幅とは同じである。この補強層は、並列された2本の補強コードを含む1本のリボンがその両端において左右交互に折り返されつつ周巻きされて形成されている。補強層の内側部に位置する補強コードの傾斜方向と、その外側部に位置する補強コードの傾斜方向とは、逆である。この補強コードの傾斜角度の絶対値は45°(degree)である。この補強コードの繊度は、600dtex/2である。この補強コードの密度は、20エンズ/5cmである。この補強コードは、アラミド繊維からなる。バンドに含まれるバンドコードの繊度は、1400dtex/3である。このバンドコードの上撚り数は、24.5回/10cmである。カーカスに含まれるカーカスコードは、ナイロン繊維からなる。
[比較例4から5及び実施例5から6]
補強コードの傾斜角度を下記表2の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[比較例3、6及び8並びに実施例4及び7]
補強コードの繊度を下記表1、表2及び表3の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[比較例2及び7並びに実施例3及び8]
補強コードの密度を下記表1、表2及び表3の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例2]
補強層をバンドの半径方向外側に配置させて(表中、「out」として表示)、この補強層の幅をバンドの幅に比して大きくした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。この補強層の幅とバンドの幅との差は、15mmである。
[比較例1]
補強層を内側プライ及びこの内側プライに積層される外側プライで構成させた他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。この内側プライ及び外側プライは、赤道面に対して傾斜して延在する補強コードを含んでいる。この補強層では、その端において補強コードは折り返されていない。この比較例1は、市販の従来のタイヤである。
[実車走行評価]
排気量が750cmである市販の二輪自動車(4サイクル)の後輪に、試作タイヤが装着された。リムはMT5.50×17、タイヤの空気内圧は290kPaである。なお、前輪には、市販されている従来タイヤが装着されている。この前輪のタイヤサイズは、「120/70ZR17 MC(58W)」である。リムはMT3.50×17、タイヤの空気内圧は250kPaとした。ドライアスファルト路で構成されたサーキットコースで、ライダーによる官能評価が行われた。この結果が、比較例1を100とした指数値で示されている。この数値が大きいほど、良好であることが示される。評価項目は、直進安定性及び旋回性である。これらの結果が、下記の表1、表2及び表3に示されている。
Figure 2009143332
Figure 2009143332
Figure 2009143332
表1に示されるように、実施例のタイヤは直進安定性位及び旋回安定性に優れる。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るタイヤは、種々の車両に装着されうる。。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの補強層の一部が示された断面斜視図である。 図3は、図2の補強層の形成に用いられるリボンが示された断面斜視図である。 図4は、補強層の形成状況が示された平面図である。 図5は、リボンの巻き回しにより形成された補強層の一部が示された平面図である。
符号の説明
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・バンド
14・・・補強層
16・・・インナーライナー
18・・・チェーファー
20・・・トレッド面
22・・・溝
24・・・コア
26・・・エイペックス
28・・・プライ
34・・・補強コード
36・・・トッピングゴム
38・・・内側部
40・・・外側部
42・・・リボン

Claims (3)

  1. 一対のビードと、両ビードに架け渡されたカーカスと、このカーカスの半径方向外側に位置するバンドと、このバンドに積層される補強層とを備えており、
    このバンドが、螺旋状に巻かれて実質的に周方向に延在するバンドコードを含んでおり、
    この補強層が、赤道面に対して傾斜する補強コードを含んでおり、
    この補強コードが、この補強層の両端において左右交互に折り返されつつ周方向に延在しており、
    この補強コードの傾斜角度の絶対値が、30°以上60°以下であり、
    上記補強コードの密度が、15エンズ/5cm以上25エンズ/5cm以下であり、
    この補強コードが、アラミド繊維からなる2本のヤーンが撚り合わされて形成されており、
    このヤーンの繊度が、400dtex以上900dtex以下である二輪自動車用タイヤ。
  2. 上記バンドコードが、アラミド繊維からなる2又は3本のヤーンが撚り合わされて形成されており、
    このヤーンの繊度が、1400dtexであり、
    このバンドコードの上撚り数が、19.5回/10cm以上29.5回/10cm以下である請求項1に記載のタイヤ。
  3. 上記カーカスが、並列された多数のカーカスコードを備えており、
    このカーカスコードが、レーヨン繊維、アラミド繊維又はナイロン繊維からなる請求項1又は2に記載のタイヤ。
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