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JP2009038897A - アキシャルギャップ型モータ - Google Patents

アキシャルギャップ型モータ Download PDF

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JP2009038897A
JP2009038897A JP2007200988A JP2007200988A JP2009038897A JP 2009038897 A JP2009038897 A JP 2009038897A JP 2007200988 A JP2007200988 A JP 2007200988A JP 2007200988 A JP2007200988 A JP 2007200988A JP 2009038897 A JP2009038897 A JP 2009038897A
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axial gap
type motor
gap type
magnetic
rotor
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JP2007200988A
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Yoshinari Asano
能成 浅野
Shin Nakamasu
伸 中増
Atsushi Kito
敦之 木藤
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

【課題】ティース内部の磁束密度を均一にして径方向の磁束の流れを低減させると共に、マグネットトルクの極端な減少を抑制する。また、リラクタンストルクを増加させると共に、バックヨークを設けた場合であってもバックヨークの磁気飽和に起因する問題を抑制する。
【解決手段】磁極面22とティース34とが回転軸90の方向で対向する環状の領域40は、磁極面22の周方向長さLR1,LR2とティース34の周方向長さLS1,LS2との比率が、回転軸90を中心とした径方向の位置に依存せず、径方向に所定の幅|R1−R2|を有する円環を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、ステータとロータとが回転軸方向に所定の空隙を介して対向するアキシャルギャップ型モータに関する。
アキシャルギャップ型モータは、厚みを薄くしても磁極面の面積を十分に確保できると共に、電機子のアキシャルコイルを整列巻することが容易であるので、銅損を減ずることができるという利点を有している。近年では、圧粉磁芯等の、透磁率が高く鉄損が小さい等方性の磁性材料を利用することができるようになったため、高出力、高効率が要求される用途にアキシャルギャップ型モータを採用するための研究も進んでいる。
さらに、リラクタンストルクを利用することにより銅損を低減し、トルクを向上させることができると共に、大きな突極比を利用してセンサレス制御を行うことが可能な埋込磁石型のアキシャルギャップ型モータの研究も進んでいる。
これに関連するアキシャルギャップ型モータの製造方法については、例えば、特許文献1に開示されている。
特開平10−070875号公報
アキシャルギャップ型モータでは、極数に応じて永久磁石が略扇形に形成され、スロット数に応じてティースもまた略扇形、又は略三角形に形成されている。したがって、永久磁石やティースの周方向の長さは、回転軸を中心とする半径の大きさに応じて異なる。例えば、電磁鋼板を径方向に積層してティースを構成した場合、ティースの径方向の位置に応じて、電磁鋼板の周方向の長さが異なる。これにより磁束密度が径方向で不均一になる場合がある。例えば、ティースの径方向の最内周部では、多くの磁石が対向する割には、ティースの周方向長さが極めて小さくなる。そのため、この部分が磁気飽和し、または、磁束の流れが径方向に傾斜した流れとなる。
この不均一によって、磁束が径方向成分を多く有することになるため、積層鋼鈑を用いたとしても、磁気抵抗が高く、渦電流損が多く発生してしまう。また、積層鋼鈑に代えて圧粉鉄心を用いた場合には、ティース内を、径方向成分を含む傾斜した方向に磁束が流れるため、磁路が長くなり、鉄損の増大、磁気抵抗の増大等の問題を招来する。
さらに、従来のアキシャルギャップ型モータの界磁子において、リラクタンストルクを増大させるために、該トルクの発生に資する磁束の磁路を十分に確保しようとすると、永久磁石の占有面積を縮小しなければならず、マグネットトルクが減少してしまうという問題がある。逆に、界磁子において、マグネットトルクの極端な減少を抑制しようとすると、リラクタンストルクを発生させる磁束の磁路を十分に確保できないという問題がある。この問題は、極数の増加に伴って顕著になる。
さらに、従来のアキシャルギャップ型モータに限らず、全てのリラクタンストルクを利用するモータでは、以下のような問題がある。すなわち、界磁子の永久磁石にバックヨークを設け、バックヨークが磁気飽和するような状況において、いわゆる「クロスサチュレーション」と呼ばれる現象が起こり、回転子位置の推定精度の低下及びセンサレス制御の安定性の低下を招く。
クロスサチュレーションとは、モータのバックヨークが磁気飽和するような状況において、d軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqとが、それぞれd軸電流id及びq軸電流iqの両者に依存することをいう。この現象が起きると、電機子電流を増加させたときに、突極比が減少する。また、リラクタンストルクも減少し、d軸インダクタンスLdやq軸インダクタンスLqを用いた回転子位置の推定精度が低下する。これに伴って、センサレス制御の安定性も低下する。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、アキシャルギャップ型モータにおいて、ティース内部の磁束密度を均一にして径方向の磁束成分を低減させると共に、マグネットトルクの極端な減少を抑制する技術を提供することを目的とする。また、リラクタンストルクを増加させると共に、バックヨークを設けた場合であってもバックヨークの磁気飽和に起因する問題を抑制する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、第1の発明は、回転軸(90)を中心として環状に、かつ磁極を交番させて配置された複数の磁極面(22,22a〜22e)を有するロータ(20,20a〜20e)と、前記回転軸を中心として環状に配置される複数の電機子巻線(32)を保持するティース(34)を有して、前記回転軸の方向に沿って、前記ロータと所定の空隙を介して対向するステータ(30)とを備えるアキシャルギャップ型モータ(10,10a〜10e)であって、前記磁極面と前記ティースとが前記回転軸の方向で対向する環状の領域(40)は、前記磁極面の前記回転軸を中心とした周方向長さ(LR1,LR2)と前記ティースの周方向長さ(LS1,LS2)との比率が、前記回転軸を中心とした径方向の位置に依存せず、径方向に所定の幅(|R2−R1|)を有する円環を含む、アキシャルギャップ型モータである。
第2の発明は、第1の発明であって、前記ティース(34)は、前記周方向に延在する薄板(36)を、前記径方向に積層して構成される。
第3の発明は、第1の発明であって、前記ティース(34)は、前記径方向に直交する方向に延在する薄板(37)を、前記径方向に積層して構成される。
第4の発明は、第1ないし第3の何れかの発明であって、前記ロータ(20,20c)は前記磁極面(22,22c)を表面として呈する永久磁石(23,23c)を有し、前記ティース(34)と前記永久磁石とが、前記空隙を介して直接対向する。
第5の発明は、第1ないし第3の何れかの発明であって、前記ロータ(20a,20b,20d,20e)は、永久磁石(23a,23c)と、前記永久磁石のうち前記ティース(34)と対向する側に、前記磁極面(22a,22b,22d,22e)を呈するロータ磁芯(24a,24b,24d)とを更に有する。
第6の発明は、第5の発明であって、前記ロータ磁芯(24a,24b,24d)は、前記周方向に延在する薄板(26)を、前記径方向に積層して構成される。
第7の発明は、第5の発明であって、前記ロータ磁芯(24a,24b,24d)は、前記径方向に直交する方向に延在する薄板(27)を、前記径方向に積層して構成される。
第8の発明は、第1ないし第7の何れかの発明であって、前記周方向で隣接する複数の前記ティース(34)は、前記周方向で対向する辺同士が略平行である。
第9の発明は、第4又は第5の発明であって、前記ロータ(20,20a,20c〜20e)は、隣接する前記磁極面(22,22a,22c〜22e)の間に第1磁性体(28)を更に有する。
第10の発明は、第9の発明であって、前記第1磁性体(28)は、前記磁極面(22,22a,22c〜22e)の最外周よりも内周側に偏在する。
第11の発明は、第9又は第10の発明であって、前記第1磁性体(28)を、前記径方向の内周側で互いに連結する第2磁性体(29)を更に有する。
第1の発明によれば、磁束密度が均一になる領域が増加する。特に、ティースの内周側において、径方向の磁束の流れを低減でき、磁気飽和を回避又は抑制できる。また、鉄損を低減できる。
第2及び第3の発明によれば、磁束の流れ方向と電磁鋼板の延在方向が一致するため、磁気抵抗を低くしつつ、鉄損を低減できる。
第4の発明によれば、ティース内部の磁束密度をより均一にできる。
第5の発明によれば、ステータに大電流が流れたときでも、減磁界がロータ磁芯により緩和されるので、減磁に強いモータを提供できる。また、保磁力を必要としないので、磁束密度の高い永久磁石を使用することができる。
第6及び第7の発明によれば、ロータ磁芯内部で径方向に移動する磁束を低減して磁束密度を均一にし、磁気抵抗を低減できる。また、鉄損を低減できる。
第8の発明によれば、電機子巻線が収納されるティース間のスペースが径方向で一定になり、電機子巻線の占積率が向上する。
第9の発明によれば、磁性体がいわゆるq軸インダクタンスを高めるので、リラクタンストルクを利用するモータに資することができる。
第10の発明によれば、ロータのうち、永久磁石の設けられない部分を有効に利用でき、q軸インダクタンスを高めることができる。さらに、ロータの磁極面の周方向の辺が径方向に対して傾斜することにより、ロータの磁極の急激な交番を緩和することができるので、コギングトルクを抑制できる。
第11の発明によれば、q軸インダクタンスを更に高めることができる。また、ロータにバックヨークを設けた場合でも、マグネットトルクを発生させる磁束の経路と、リラクタンストルクを発生させる磁束の経路とを分離できるので、バックヨークの磁気飽和を回避又は抑制できる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図1を初めとする以下の図には、本発明に関係する要素のみを示す。
〈第1実施形態〉
図1は、本発明の第1実施形態に係るアキシャルギャップ型モータ10の分解斜視図であり、回転軸90に沿って分解して示している。また、図2は、ロータ20を電機子側から斜めに見た斜視図であり、図3は、ステータ30が有するティース34の拡大図である。さらに、図4は、アキシャルギャップ型モータ10を回転軸90方向から見た平面透視図である。なお、本実施形態では、極数が「8」(極対数が「4」)、スロット数が「12」の場合を例に説明するが、これに限定されるものではない。また、図1を初めとする以下の図には、電機子巻線32が一のティース34にのみ巻回されて示されているが、実際には全てのティース34に電機子巻線32が設けられている。
図1及び図2に示すように、アキシャルギャップ型モータ10は、回転軸90を中心として環状に配置された複数の磁極面22を有するロータ20と、回転軸90を中心として環状に配置される複数の電機子巻線32を保持するティース34を有して、回転軸90の方向に沿って、ロータ20と対向するステータ30とを備える。ここで、ロータ20は磁極面22を表面として呈する永久磁石23を有し、ティース34と永久磁石23とは、該所定の空隙を介して直接対向している。磁極面22は周方向において磁極を交番させて配置されている。図1では分解して示されているが、アキシャルギャップ型モータ10として組み立てられた状態では、ステータ30とロータ20とは、所定の空隙を介して対向する。
具体的には、ロータ20は、回転軸90に沿って配設されるシャフト(図示省略)と締結する孔25を中心として略環状に形成されたバックヨーク21と、バックヨーク21のステータ30側の面に配設される複数の永久磁石23とを備える。永久磁石23は、回転軸90を法線とする断面形状が略アーチ状に形成されており、永久磁石23の面のうち、回転軸90を法線とする面上で磁極面22を呈する。そして、永久磁石23は、該アーチの焦点と回転軸90とが一致する位置で、かつ磁極を交番させて環状に配置される。つまり、極数が「8」の場合には、環状に配置された永久磁石23に対する回転軸90が8回対称軸となる。
また、ロータ20は、隣接する磁極面22の間に第1磁性体28を更に有する。磁性体28は、磁極面22の最外周よりも内周側に偏在し、内周側で第2磁性体29によって互いに連結されている。つまり、本実施形態では、第1磁性体28及び第2磁性体29に対しても、回転軸90が8回対称軸となる。図2では、隣接する磁極面22の間に形成される第1磁性体28と、第1磁性体28同士を内周側で連結する第2磁性体29との間に二点鎖線を付して両者を区別しているが、一体に形成されていることが望ましい。
これらバックヨーク21、第1磁性体28及び第2磁性体29は、軟磁性体で形成されるか又は、両者を一体とする圧粉磁芯で形成される。ここで、第1磁性体28及び第2磁性体29と永久磁石23とは、磁気的な短絡を防止するために所定の間隙を有して配置される。なお、第1磁性体28及び第2磁性体29は、リラクタンストルクを発生させる磁束を導く役割を担うため、「リラクタンスコア」28Aと称する。又は、第1磁性体28及び第2磁性体29が配置される位置に磁束のq軸方向の成分が流れることに由来して「q軸コア」とも称する。リラクタンスコア28Aの形状については、永久磁石23との関係と共に後に詳述する。
ステータ30は、回転軸90に沿って配設されるシャフトが貫通する貫通孔35を中心として略環状に形成された基板31と、基板31がロータ20と対向する側の面で、貫通孔35を中心として放射状に複数(例えば、12個)配設されるティース34と、各ティース34によって保持される電機子巻線32とを備える。具体的には、基板31には、ロータ20と対向する側の面において、貫通孔35と外端縁部との間で、貫通孔35を中心として放射状に12個の嵌合孔(又は、嵌合凹部)が設けられ、該嵌合孔にティース34がそれぞれ立設される。つまり、スロット数が「12」の場合には、放射状に配置されたティース34に対する回転軸90が12回対称軸となる。
ここで、基板31の材質は、軟磁性体又は非磁性体の何れでも良い。なお、基板31を軟磁性体で形成することにより、基板31をティース34のバックヨークとして適用できるため、透磁率の高い軟磁性体を用いることが望ましい。例えば、ティース34を埋設する埋設孔を設けた形状で、回転軸90の方向に積層した電磁鋼板で構成できる。
図3(a)に示すように、ステータ30に立設されるティース34は、ステータ30の周方向に延在する薄板36を、ステータ30の径方向に積層して構成される。又は、図3(b)に示すように、径方向に直交する方向に延在する薄板37を、径方向に積層して構成される。何れの場合であっても、周方向で隣接する複数のティース34は、周方向で対向する辺同士が略平行である。
また、ティース34は、その上端面(磁極面22と対向する端面)から少なくとも周方向に張出した鍔部38を有していても良い。鍔部38を有していれば、鍔部38の上面(磁極面22と対向する端面)38Sを、ステータ30の磁極面とみなすことができるようになるので、電機子巻線32が巻回されている領域までステータ30の磁極面を拡大することができる。したがって、より多くの磁束をステータ巻線に鎖交させることができる。また、鍔部38を有していれば、電機子巻線32を、基板31と鍔部38との間で、確実に保持できる。ここで、ティース34と鍔部38とは一体形成されている。
本実施形態では、1つの電機子巻線32が1つのティース34に巻回される集中巻方式を採用している。集中巻方式を採用することにより、巻線長を短くすることができるので銅損を抑制でき、ティース34の回転軸90の方向の長さを短くすることもできる。なお、1つの電機子巻線32が複数のティース34にまたがって巻回される分布巻き方式が採用されても良い。
なお、本願では特に断らない限り、電機子巻線32は、これを構成する導線の一本一本を指すのではなく、導線が一纏まりに巻回された態様を指す。これは、図面においても同様である。また、巻始め及び巻終わりの引出線、及びそれらの結線も図面においては省略した。
また、図3(a)、(b)何れの場合であっても、磁極面22とティース34とが回転軸90の方向で対向する環状の領域40は、回転軸90を中心とした磁極面22の周方向長さLR1,LR2とティース34の周方向長さLS1,LS2との比率が、回転軸90を中心とした径方向の位置に依存せず、径方向に所定の幅|R1−R2|を有する円環を含む。
具体的には、図4に示すように、該環状の領域40において、領域40の外径と磁極面22とが回転軸90の方向で重複する長さLR1と、該外径とティース34とが回転軸90の方向で重複する長さLS1との比率は、領域40の内径と磁極面22とが回転軸90の方向で重複する長さLR2と、該内径とティース34とが回転軸90の方向で重複する長さLS2との比率に等しい。このことは、半径R1,R2の大きさによらず成立する。換言すれば、上記のような比率を満足するように磁極面22及びティース34が形成される。ここで、図4に示した磁極面22及びティース34は、実際には、バックヨーク21に隠れており、破線で示すべきであるが、各要素の識別を明確にするため、一部を実線で示している。
なお、本発明を効率的に実施する観点からすると、磁極面22及びティース34の理想的な形状としては、磁極面22及びティース34が回転軸90の方向で重複する領域全体に亘って上記のような比率を満足することが望ましい。しかし、実際には、電機子巻線32の巻回しを効率的かつ容易にするため、或いは、製造工程での便宜を考慮して、それぞれの角部が径方向に面取り加工され、または曲面状のフィレットを設けられることが多い。したがって、このような加工がなされる領域を除く領域について上記のような比率を満足する。本実施形態では、ティース34は、回転軸90方向の断面が略アーチ状の柱形状を呈しているが、これに限定されるものではない。
〈リラクタンスコアの平面形状について〉
本実施形態におけるアキシャルギャップ型モータ10は、電機子巻線32に対して、U相電流、V相電流、W相電流を供給することにより、鍔部38の上面38Sから流出する磁束、又は上面38Sへ流入する磁束を発生させ、該磁束をロータ20に作用させることにより、ロータ20を回転軸90の周りで回転させる。ここで、アキシャルギャップ型モータ10では、一のリラクタンスコア28Aに流入した磁束が、永久磁石23を迂回してバックヨーク21を経由し、他のリラクタンスコア28Aから流出することによりリラクタンストルクを発生させる。したがって、アキシャルギャップ型モータ10においてリラクタンストルクを増加させるためには、リラクタンスコア28Aの占有面積を広くして、リラクタンストルクの発生に資する磁路を確保し、q軸インダクタンスを増加させれば良い。
本発明では、周方向で隣接する複数のティース34は、周方向で対向する辺同士が略平行である。すなわち、各ティース34は、略アーチ状又は略台形状に形成されている。
そこで、本実施形態のアキシャルギャップ型モータ10では、リラクタンスコア28Aを、ロータ20において、略アーチ状に形成された複数の永久磁石23が配設される領域を除く略全域に亘って形成する。これにより、リラクタンスコア28Aの占有面積を広くしてリラクタンストルク、ひいては全トルクを増加させることができる。
さらに、第2磁性体29をロータ20の内周側に偏在させると、リラクタンストルクの発生に資する磁束の磁路は、マグネットトルクの発生に資する磁束の磁路よりも内周側になるので、両者を分離できる。これにより、バックヨーク21の磁気飽和を抑制することができ、d軸インダクタンスの低下及びq軸インダクタンスの低下等のバックヨーク21の磁気飽和に起因する問題を抑制できる。
なお、リラクタンスコア28Aは、内周部(磁性体29)で、回転軸90に沿って配設されるシャフトと締結される締結孔25の一部ともなるので、ロータ20とシャフトとの締結力が増大し、ロータ20の傾きを抑制又は回避できる。
〈第1実施形態の効果〉
以上のように、本実施形態の発明によれば、磁極面22とティース34とが回転軸90の方向で対向する環状の領域40は、磁極面22の回転軸90を中心とした周方向長さLR1,LR2とティース34の周方向長さLS1,LS2との比率が、回転軸90を中心とした径方向の位置に依存せず、径方向に所定の幅|R2−R1|を有する円環を含むので、磁束密度が均一になる領域が増加する。特に、ティース34の内周側において、磁束の径方向成分を低減でき、磁気飽和を回避又は抑制できる。また、鉄損を低減できる。
また、ティース34は、周方向に延在する薄板36又は、径方向に直交する方向に延在する薄板37を、径方向に積層して構成されるので、磁束の径方向成分を低減できる。
また、ティース34と永久磁石23とが、所定の空隙を介して直接対向するので、ティース34内部の磁束密度をより均一にできる。
周方向で隣接する複数のティース34は、周方向で対向する辺同士が略平行なので、電機子巻線32が収納されるティース34間のスペースが径方向で一定になり、電機子巻線32の占積率が向上する。
また、ロータ20は、隣接する磁極面22の間に第1磁性体28を更に有するので、磁性体28がいわゆるq軸インダクタンスを高め、リラクタンストルクを利用するモータに資することができる。
また、リラクタンスコア28Aは磁極面22の最外周よりも内周側に偏在するので、永久磁石23の設けられない部分を有効に利用でき、q軸インダクタンスを高めることができる。さらに、ロータ20の磁極の急激な交番を緩和することができる。
さらにまた、第1磁性体28を、径方向の内周側で互いに連結する第2磁性体29を更に有するので、q軸インダクタンスを高めることができる。また、ロータ20にバックヨーク21を設けた場合でも、マグネットトルクを発生させる磁路と、リラクタンストルクを発生させる磁路とを分離できるので、バックヨーク21の磁気飽和を回避又は抑制できる。
〈第2実施形態〉
上記第1実施形態では、磁極面22とティース34とが直接対向する態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ここでは、本発明の第2実施形態として、ロータ磁芯24aを適用する態様について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の説明において、特に断りのない限り、上記第1実施形態と同様の機能を有する要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
図5は、本発明の第2実施形態に係るアキシャルギャップ型モータ10aの分解斜視図であり、回転軸90に沿って分解して示している。また、図6は、ロータ磁芯24a,24dの拡大図である。なお、本実施形態でも、8極12スロットの場合を例に説明する。
図5に示すように、アキシャルギャップ型モータ10aのロータ20aは、バックヨーク21と、永久磁石23と、永久磁石23のうちティース34と対向する側に磁極面22aを呈するロータ磁芯24aとを有する。具体的には、ステータ30と対向する永久磁石23の一の面に、永久磁石23と略同一形状に形成されたロータ磁芯24aを、例えば、接着等により配設する。
図6(a)に示すように、ロータ磁芯24aは、回転軸90に対して周方向に延在する薄板26を、回転軸90からの径方向に積層して構成される。又は、図6(b)に示すように、ロータ磁芯24dは、径方向に直交する方向に延在する薄板27を、径方向に積層して構成される。なお、本実施形態では、図6(a)に示した態様を採用している。ロータ磁芯24aは、軟磁性体で形成され、ロータ磁芯24a回転軸90を法線とする面のうち、ステータ30と対向する面がロータ20aの磁極面22aとなる。
〈第2実施形態の効果〉
以上のように、本実施形態の発明によれば、ロータ20aは、永久磁石23と、永久磁石23のうちティース34と対向する側に、磁極面22aを呈するロータ磁芯24aを有するので、ステータ30に大電流が流れたときでも、減磁界が永久磁石23に直接作用しなくなるので、永久磁石23が消磁しにくくなる。したがって、抵抗率が低いネオジウム系の焼結磁石により永久磁石23が構成されている場合に、永久磁石23の内部で発生する渦電流による損失や発熱を回避又は抑制できる。換言すれば、減磁界がロータ磁芯24aにより緩和されるので、減磁に強いアキシャルギャップ型モータ10aを提供できる。また、高い保磁力を必要としないので、磁束密度の高い永久磁石23を使用することができる。
また、ロータ磁芯24aは、周方向に延在する薄板26又は、径方向に直交する方向に延在する薄板27を、径方向に積層して構成されるので、ロータ磁芯24a内部で径方向に移動する磁束を低減して磁束密度を均一にし、磁気抵抗を低減できる。また、鉄損を低減できる。
〈第3実施形態〉
上記第2実施形態では、ロータ磁芯24aが、複数の永久磁石23のそれぞれに別体で配設される態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ここでは、本発明の第3実施形態として、ロータ磁芯24bを一体に形成する態様について、図面を参照しながら説明する。
図7は、本発明の第3実施形態に係るアキシャルギャップ型モータ10bの分解斜視図であり、回転軸90に沿って分解して示している。なお、本実施形態でも、8極12スロットの場合を例に説明する。
図7に示すように、例えば、バックヨーク21に環状に配設された略アーチ状の永久磁石23の外周及び内周によって形成される円環と略同一サイズの環状磁性体50bに、回転軸90を中心とする放射状のスリット52bを、極数と同数(本実施形態においては8個)形成する。スリット52bは、環状磁性体50bを等分しており、径方向の端部には、薄肉部54bが形成されている。2つのスリット52bの間の領域が、永久磁石23と重なるように配設することによりロータ磁芯24bとして機能し、該領域が、ロータ20bの磁極面22bとなる。ここで、隣接するロータ磁芯24b、すなわち、磁極面22bは、薄肉部54bによって互いに連結されているが、容易に磁気飽和するために、磁極面22b同士が磁気的に短絡することはない。
なお、本実施形態のロータ20bには、上記実施形態で示したリラクタンスコア28Aを設けていないが、ロータ磁芯24bを一体に形成してもリラクタンスコア28Aを設けることは可能である。また、ロータ磁芯24bとリラクタンスコア28Aとを一体に形成することも可能である。
〈第3実施形態の効果〉
このように、ロータ磁芯24bを一体に形成することにより、永久磁石23への取付けを容易に行うことができる。
〈第1の変形例〉
上記第1ないし第3実施形態では、磁極面22,22a,22b及びティース34が、それぞれ略アーチ状に形成されている態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ここでは、本発明の第1実施形態の変形例として、回転軸90に垂直な面内で、両者がそれぞれ略台形状に形成されている態様について、図面を参照しながら説明する。
図8は、本発明の第1の変形例に係るアキシャルギャップ型モータ10cの分解斜視図であり、回転軸90に沿って分解して示している。また、図9は、アキシャルギャップ型モータ10cを回転軸90方向から見た平面透視図である。
図8及び図9に示すように、アキシャルギャップ型モータ10cのロータ20cでは、バックヨーク21の一の面上で環状に配設された永久磁石23cの上面が磁極面22cを呈している。そして、この磁極面22cが略台形状に形成されている。具体的には、磁極面22cは、上記第1実施形態の磁極面22において径方向の両端でアーチを形成している部位が、径方向に直交する方向に延在する直線に替わった形状を呈している。また、ティース34は、上記第1実施形態の図3(b)で説明した形状を適用している。ここで、磁極面22cは周方向において磁極を交番させて配置されている。また、図9に示した磁極面22c及びティース34は、実際には、バックヨーク21に隠れており、破線で示すべきであるが、各要素の識別を明確にするため、一部を実線で示している。
上述のように、磁極面22cとティース34の断面形状とが、それぞれ略台形状に形成されている場合、半径R1,R2における磁極面22cの周方向長さLR1,LR2と、半径R1,R2におけるティース34の周方向長さLS1,LS2とは、それぞれの長さを示す線分の中心で半径R1又は半径R2の仮想的な円に接しているときの接線方向の磁極面22c又はティース34の長さであっても良いし、該線分の端部が、仮想的な円に接しているときの接線方向の磁極面22c又はティース34の長さであっても良い。
このように、磁極面22cとティース34の断面形状とが、それぞれ略台形状に形成されている場合であっても、本発明を実施することができる。したがって、これらをそれぞれ略アーチ状に形成するよりも簡単に製作できる。
〈第2の変形例〉
図10は、本発明の第2の変形例に係るアキシャルギャップ型モータ10dの分解斜視図であり、回転軸90の方向に沿って分解して示している。図10に示すように、本発明の更なる変形例としては、上記第2実施形態と上記第1の変形例とを組み合わせた態様として、ロータ20dが以下のように構成されていても良い。すなわち、バックヨーク21dの一の面上において、断面形状が略台形状に形成された永久磁石23dを環状かつ磁極を交番させて配設し、それらの上に、各永久磁石23dの断面形状と略同一形状に形成されたロータ磁芯24dを配設して、ロータ磁芯24dの上面をロータ20の磁極面22dとする。
このように、磁極面22dとティース34の断面形状とが、それぞれ略台形状に形成され、ロータ磁芯24dが採用されることにより、製作工程が簡単でかつ減磁に強いアキシャルギャップ型モータ10dを提供できる。
〈第3の変形例〉
図11は、本発明の第3の変形例に係るアキシャルギャップ型モータ10eの分解斜視図であり、回転軸90の方向に沿って分解して示している。図11に示すように、本発明の更なる変形例としては、2つのステータ30を、それぞれのステータ30が有するティース34が配設されている側の面同士を対向させて配置し、両ステータ30の間で、所定の空隙を介してロータ20eを配設する態様も可能である。
本変形例のロータ20eは、上記実施形態で示したバックヨーク21に相当する要素を用いず、永久磁石23cと、ロータ磁芯24dと、リラクタンスコア28Aeとを備え、リラクタンスコア28Aeの内周と、回転軸90の方向に沿って配設されるシャフト(図示省略)とが嵌合して固定されている。
ロータ磁芯24dは、永久磁石23cの回転軸90を法線とする両端面それぞれに配設されており、永久磁石23cとロータ磁芯24dとは、例えば、接着等により接合されている。つまり、本実施形態では、永久磁石23cを介して接合される2つのロータ磁芯24dの両端面が磁極面22eを呈している。
また、永久磁石23c及びロータ磁芯24dと、リラクタンスコア28Aeとは、容易に磁気飽和する薄肉部(図示省略)によって連結されている。つまり、永久磁石23e及びロータ磁芯24dと、リラクタンスコア28Aeとは、磁気的に独立な状態を保った状態で連結されている。
なお、永久磁石23c及びロータ磁芯24dと、リラクタンスコア28Aeとは、樹脂モールド成形されたホルダ等を含む非磁性体ホルダによって保持されていても良い。リラクタンスコア28Aeの回転軸90方向の長さは、2つのロータ磁芯24dの間に永久磁石23cを挟んで接合されたときの回転軸90方向の長さに略等しい。
このような態様の場合、ロータ20eの両側に設けられる空隙(エアギャップ)により、軸受への負荷が相殺されるために、機械損を低減できる。
本発明の第1実施形態に係るアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 ロータを電機子側から斜めに見た斜視図である。 ステータが有するティースの拡大図である。 アキシャルギャップ型モータを回転軸方向から見た平面透視図である。 本発明の第2実施形態に係るアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 ロータ磁芯の拡大図である。 本発明の第3実施形態に係るアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 本発明の第1の変形例に係るアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 アキシャルギャップ型モータを回転軸方向から見た平面透視図である。 本発明の第2の変形例に係るアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。 本発明の第3の変形例に係るアキシャルギャップ型モータの分解斜視図である。
符号の説明
10,10a〜10e アキシャルギャップ型モータ
20,20a〜20e ロータ
22,22a〜22e 磁極面
23,23c 永久磁石
24,24a,24b,24d ロータ磁芯
26 薄板
27 薄板
28 第1磁性体
29 第2磁性体
30 ステータ
32 電機子巻線
34 ティース
36 薄板
37 薄板
40 領域
90 回転軸
LR1,LR2 周方向長さ
LS1,LS2 周方向長さ
R1,R2 半径

Claims (11)

  1. 回転軸(90)を中心として環状に、かつ磁極を交番させて配置された複数の磁極面(22,22a〜22e)を有するロータ(20,20a〜20e)と、
    前記回転軸を中心として環状に配置される複数の電機子巻線(32)を保持するティース(34)を有して、前記回転軸の方向に沿って、前記ロータと所定の空隙を介して対向するステータ(30)と
    を備えるアキシャルギャップ型モータ(10,10a〜10e)であって、
    前記磁極面と前記ティースとが前記回転軸の方向で対向する環状の領域(40)は、
    前記磁極面の前記回転軸を中心とした周方向長さ(LR1,LR2)と前記ティースの周方向長さ(LS1,LS2)との比率が、前記回転軸を中心とした径方向の位置に依存せず、径方向に所定の幅(|R2−R1|)を有する円環
    を含む、アキシャルギャップ型モータ。
  2. 請求項1記載のアキシャルギャップ型モータ(10,10a〜10e)であって、
    前記ティース(34)は、前記周方向に延在する薄板(36)を、前記径方向に積層して構成される、アキシャルギャップ型モータ。
  3. 請求項1記載のアキシャルギャップ型モータ(10,10a〜10e)であって、
    前記ティース(34)は、前記径方向に直交する方向に延在する薄板(37)を、前記径方向に積層して構成される、アキシャルギャップ型モータ。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか記載のアキシャルギャップ型モータ(10,10c)であって、
    前記ロータ(20,20c)は前記磁極面(22,22c)を表面として呈する永久磁石(23,23c)を有し、
    前記ティース(34)と前記永久磁石とが、前記空隙を介して直接対向する、アキシャルギャップ型モータ。
  5. 請求項1ないし請求項3の何れか記載のアキシャルギャップ型モータ(10a,10b,10d,10e)であって、
    前記ロータ(20a,20b,20d,20e)は、永久磁石(23a,23c)と、前記永久磁石のうち前記ティース(34)と対向する側に、前記磁極面(22a,22b,22d,22e)を呈するロータ磁芯(24a,24b,24d)とを更に有する、アキシャルギャップ型モータ。
  6. 請求項5記載のアキシャルギャップ型モータ(10a,10b,10d,10e)であって、
    前記ロータ磁芯(24a,24b,24d)は、前記周方向に延在する薄板(26)を、前記径方向に積層して構成される、アキシャルギャップ型モータ。
  7. 請求項5記載のアキシャルギャップ型モータ(10a,10b,10d,10e)であって、
    前記ロータ磁芯(24a,24b,24d)は、前記径方向に直交する方向に延在する薄板(27)を、前記径方向に積層して構成される、アキシャルギャップ型モータ。
  8. 請求項1ないし請求項7の何れか記載のアキシャルギャップ型モータ(10,10a〜10e)であって、
    前記周方向で隣接する複数の前記ティース(34)は、前記周方向で対向する辺同士が略平行である、アキシャルギャップ型モータ。
  9. 請求項4又は請求項5記載のアキシャルギャップ型モータ(10,10a,10c〜10e)であって、
    前記ロータ(20,20a,20c〜20e)は、隣接する前記磁極面(22,22a,22c〜22e)の間に第1磁性体(28)を更に有する、アキシャルギャップ型モータ。
  10. 請求項9記載のアキシャルギャップ型モータ(10,10a,10c〜10e)であって、
    前記第1磁性体(28)は、前記磁極面(22,22a,22c〜22e)の最外周よりも内周側に偏在する、アキシャルギャップ型モータ。
  11. 請求項9又は請求項10記載のアキシャルギャップ型モータ(10,10a,10c〜10e)であって、
    前記第1磁性体(28)を、前記径方向の内周側で互いに連結する第2磁性体(29)を更に有する、アキシャルギャップ型モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2955822A1 (en) * 2014-06-11 2015-12-16 Samsung Electronics Co., Ltd Brushless motor
CN114598074A (zh) * 2022-03-11 2022-06-07 浙江盘毂动力科技有限公司 一种轴向磁场电机的转子齿及其制作方法

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