JP2009037919A - 燃料電池およびその製造方法、ならびに燃料電池スタック - Google Patents
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Abstract
【課題】小型、薄型化および軽量化が実現可能であり、反応生成物を良好に排出し得る燃料電池およびその製造方法、ならびに該燃料電池を用いた燃料電池スタックを提供する。
【解決手段】電解質膜と、該電解質膜を狭持するアノード触媒層およびカソード触媒層とを備え、少なくともアノード極側にアノード集電層を備える燃料電池であって、該アノード集電層は、該アノード触媒層に燃料を供給するための燃料流路と、該アノード触媒層における反応により生じる反応生成物を排出するための貫通孔とを有する燃料電池およびその製造方法、ならびに、該燃料電池を用いた燃料電池スタック。
【選択図】図1
【解決手段】電解質膜と、該電解質膜を狭持するアノード触媒層およびカソード触媒層とを備え、少なくともアノード極側にアノード集電層を備える燃料電池であって、該アノード集電層は、該アノード触媒層に燃料を供給するための燃料流路と、該アノード触媒層における反応により生じる反応生成物を排出するための貫通孔とを有する燃料電池およびその製造方法、ならびに、該燃料電池を用いた燃料電池スタック。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池およびその製造方法に関する。また、本発明は、当該燃料電池を用いた燃料電池スタックに関する。
近年、情報化社会を支える携帯用電子機器等の電源として、単独の発電装置として高い発電効率と高いエネルギー密度の観点から、燃料電池に対する期待が高まっている。燃料電池は、アノード極において還元剤、すなわち燃料(たとえば水素、メタノール、エタノール、ヒドラジン、ホルマリン、ギ酸など)を、カソード極において酸化剤(たとえば、空気中の酸素)を、それぞれ電気化学的に酸化・還元し、この反応を通じて発電するものである。
しかしながら、燃料電池は体積あたりの出力密度が低いという課題を有しており、燃料電池の小型化、軽量化のために高出力密度の燃料電池が望まれてきた。
一般的に、溶融炭酸塩電池のような高温燃料電池を除き、固体高分子型燃料電池、固体酸化物型燃料電池、直接メタノール型燃料電池、アルカリ型燃料電池等の従来の燃料電池においては、還元剤(燃料)を供給するためのアノード流路が形成されたアノードセパレータ、アノード触媒層から電子の収集を行なうアノード集電体、アノードガス拡散層、アノード触媒層、電解質膜、カソード触媒層、カソードガス拡散層、カソード触媒層へ電子を供与するカソード集電体および、酸化剤を供給するためのカソード流路が形成されたカソードセパレータをこの順で積層した平面構造からなる単位電池で構成されている。各単位電池は、低電圧で高電流を生み出す。一般に、アノードセパレータおよびカソードセパレータは、還元剤および酸化剤を別々に、それぞれアノード触媒層、カソード触媒層に供給する役割とともに、電気的に導電性を有する材料を用い、それぞれアノード集電体、カソード集電体の役割を担う。通常、燃料電池は、個々の単位電池の電圧が低いことから、個々の単位電池のアノード極とカソード極とを交互に接触させて積層し、単位電池が積層された、高電圧を出力可能な燃料電池スタックとして構成される。
種々ある燃料電池の方式の中でも、メタノールから直接プロトンを取り出すことにより発電を行なう、直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell、以下、DMFCという。)は、改質器を必要としないこと、また、ガス燃料に比べ、体積エネルギー密度の高い液体メタノールを使用することから、水素に代表される高圧ガスボンベに比べメタノール燃料容器を小さくすることが可能であるため、小型機器用電源への応用、特に、携帯機器用の二次電池代替用途という観点で注目が集まっている。また、DMFCは燃料が液体であるため、従来の燃料電池システムではデッドスペースとなっていた狭い婉曲空間部を燃料スペースとして使用することが可能であり、デザインの制約を受けずに、携帯用小型電子機器に利用可能であるというメリットを有する。
一般にDMFCにおいては、アノード極およびカソード極で以下のような反応が起きる。
アノード極:CH3OH+H2O→CO2+6H++6e-
カソード極:O2+4H++4e-→2H2O
このように、DMFCにおいては、アノード極側で二酸化炭素が気体として生成し、カソード極側では水が生成する。通常、燃料が有機化合物である場合、二酸化炭素などの反応生成物を生成するため、燃料の供給と反応生成物の除去とを行なわなければならない。一般にDMFCにおいて、二酸化炭素ガスは、燃料であるアノード極側のメタノール水溶液の流路に気泡として溜まり、メタノール水溶液の流れに乗って排出される。
アノード極:CH3OH+H2O→CO2+6H++6e-
カソード極:O2+4H++4e-→2H2O
このように、DMFCにおいては、アノード極側で二酸化炭素が気体として生成し、カソード極側では水が生成する。通常、燃料が有機化合物である場合、二酸化炭素などの反応生成物を生成するため、燃料の供給と反応生成物の除去とを行なわなければならない。一般にDMFCにおいて、二酸化炭素ガスは、燃料であるアノード極側のメタノール水溶液の流路に気泡として溜まり、メタノール水溶液の流れに乗って排出される。
従来、排出される二酸化炭素ガスとメタノール水溶液の混合物とを分離するために、別途、気液分離装置などを設けて、分離されたメタノール水溶液を再度燃料として活用することが行なわれていた。しかし、この場合、燃料電池システムが大型化、重量化してしまうという問題点がある。
特許文献1には、電解質膜にアノードとカソードとが配されたセルと、一方の主面に形成されたリブを介して該セルを挟持する一対のプレートとを備え、該アノード側に液体燃料を供給するとともに、該カソード側に酸化剤ガスを供給することによって発電する燃料電池であって、該アノード側プレートのリブとリブとの間に複数の流路が形成され、当該複数の流路の中から選択された1以上からなる第1の流路に該液体燃料を供給するとともに、該複数の流路における該第1の流路以外の第2の流路に発電に伴って生成する生成ガスを排出する燃料電池が開示されている。
かかる構成によれば、第1の流路に供給された燃料のうち、未使用のまま燃料電池外に排出される燃料の量を抑制することができるので、気液分離装置などを不要とすることが可能である。したがって、ある程度の小型化、軽量化が実現され得る。しかしながら、特許文献1に記載の燃料電池に関しても、燃料電池の小型化、薄型化、軽量化、および発電効率の向上という観点からは改善の余地がある。
すなわち、特許文献1に記載の燃料電池においては、二酸化炭素を排出するための流路と燃料を供給するための流路とが一枚のプレートに複数の流路として形成されているため、二酸化炭素を排出するための流路は、プレートの端まで連通しなければならない。したがって、プレートと燃料電池のアノードとの間で、メタノール水溶液、水蒸気およびメタノール蒸気が、二酸化炭素を排出するための流路に入り、該流路内の蒸気圧を高めることが懸念される。このことは、二酸化炭素を排出するための流路内に結露したメタノール水溶液や、隣接するメタノール水溶液の流路から流入するメタノール水溶液により、二酸化炭素を排出するための流路内にメタノール水溶液が溜まり、二酸化炭素の排出が悪くなる問題を生じさせる。二酸化炭素が良好に排出されず、流路内部で二酸化炭素の圧力が高まると、電解質膜や、膜電極複合体を物理的に変形させる恐れが生じる。その結果、良好な接触抵抗が得られなくなるなど、発電特性の早期劣化を招く。そのため、特許文献1に記載の燃料電池においては、二酸化炭素を排出するための流路の空間体積を大きくする必要があり、燃料電池の小型化、薄型化および軽量化を制限していた。
また、特許文献1に記載の燃料電池においては、二酸化炭素を排出するための流路が形成されていることにより、メタノール水溶液をアノード触媒層または拡散層に供給する面積が低減するため、アノード触媒層全体に均一に燃料を供給することができないという問題が生じ得る。このことは、局所的に燃料が不足となることを意味し、発電効率の低下を招く。
特許第3877516号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、小型、薄型化および軽量化が実現可能であり、反応生成物を良好に排出し得る燃料電池およびその製造方法、ならびに該燃料電池を用いた燃料電池スタックを提供することである。
本発明は、電解質膜と、前記電解質膜を狭持するアノード触媒層およびカソード触媒層とを備え、少なくともアノード極側にアノード集電層を備える燃料電池であって、該アノード集電層は、該アノード触媒層に燃料を供給するための燃料流路と、該アノード触媒層における反応により生じる反応生成物を排出するための貫通孔とを有する燃料電池を提供する。
上記燃料流路は、該アノード集電層の、該アノード触媒層側の面に形成された1または2以上の溝から構成されることが好ましい。
本発明の燃料電池は、燃料を透過し得る層であって、上記溝の開口部を覆うように形成される層を有することが好ましい。上記燃料を透過し得る層は、感光性樹脂からなることが好ましい。
また、本発明の燃料電池は、上記アノード触媒層と上記アノード集電層との間に、親水性を有する多孔質層をさらに備えることが好ましい。本発明の燃料電池は、上記アノード触媒層と上記燃料を透過し得る層との間に、親水性を有する多孔質層を備えていてもよい。また、本発明の燃料電池は、上記アノード集電層のアノード触媒層側と反対側の面、および/または上記貫通孔内に撥水性を有する多孔質層を備えていてもよい。さらに、本発明の燃料電池は、カソード極側にカソード集電層および/またはカソードガス拡散層をさらに備えていてもよい。
また、本発明は、第1の燃料電池と第2の燃料電池とを少なくとも有する燃料電池スタックであって、該第1の燃料電池は、上記いずれかの燃料電池であり、該第1の燃料電池と該第2の燃料電池とは、該第1の燃料電池のアノード極側と、該第2の燃料電池のカソード極側とが対向するように積層されている燃料電池スタックを提供する。ここで、該第1の燃料電池と該第2の燃料電池とは、第1の介在層を介して積層されており、該第1の介在層は、1または複数の空洞部を有し、該第1の燃料電池が有する少なくとも1つの貫通孔が、該空洞部と連通する構成としてもよい。
さらに本発明は、第1の燃料電池と第2の燃料電池とを少なくとも有する燃料電池スタックであって、該第1の燃料電池および該第2の燃料電池は、上記いずれかの燃料電池であり、該第1の燃料電池と該第2の燃料電池とは、該第1の燃料電池のアノード極側と、該第2の燃料電池のアノード極側とが対向するように、かつ、第2の介在層を介して積層されており、該第2の介在層は、1または複数の空洞部を有し、該第1の燃料電池が有する少なくとも1つの貫通孔および該第2の燃料電池が有する少なくとも1つの貫通孔は、それぞれ該空洞部と連通している燃料電池スタックを提供する。
ここで、第2の介在層は、該貫通孔から排出される該反応生成物中の有機化合物成分を吸着する材料を含有することが好ましい。また、第2の介在層は、該貫通孔から排出される該反応生成物中の有機化合物成分を燃焼させるための触媒を含有することが好ましい。
本発明の燃料電池の製造方法は、集電体に燃料流路と貫通孔とを形成して、アノード集電層を得る工程と、アノード触媒層およびカソード触媒層を形成する工程と、少なくとも該アノード集電層、該アノード触媒層、電解質膜、および該カソード触媒層をこの順で積層し、一体化させる工程とを含む。ここで、該一体化は、熱圧着により行われることが好ましい。
また、本発明は、集電体に燃料流路と貫通孔とを形成して、アノード集電層を得る工程と、アノード触媒層およびカソード触媒層を形成する工程と、少なくとも該アノード集電層、該アノード触媒層、電解質膜、該カソード触媒層、ならびにカソードガス拡散層および/またはカソード集電層を積層し、一体化させる工程と、を含む燃料電池の製造方法を提供する。ここで、該一体化させる工程においては、該アノード集電層、該カソード集電層、または該カソードガス拡散層のうちのいずれかの層の少なくとも一方の面に接着層が形成され、熱圧着により該接着層を介して該いずれかの層とそれに隣接する層とが一体化されることが好ましい。
上記接着層は、親水性を有する多孔質層であるか、または撥水性を有する多孔質層であることが好ましい。また、上記接着層は、導電性を有することが好ましい。前記接着層は、高分子の接着剤と導電性粒子の混合物とからなることが好ましい。
本発明の燃料電池の製造方法は、該アノード集電層を得る工程の後に、燃料を透過し得る層を形成する工程をさらに備え、該工程は、感光性樹脂からなるフィルムを該アノード集電層上に積層した後、該燃料流路上の感光性樹脂以外の感光性樹脂のうち少なくとも一部を除去する工程を含むことが好ましい。
本発明によれば、小型、薄型化および軽量化が実現可能であり、反応生成物を良好に排出し得る燃料電池およびその製造方法、ならびに該燃料電池を用いた燃料電池スタックが提供される。また、本発明によれば、発電効率が向上され、出力密度が高い燃料電池および燃料電池スタックが提供される。
<<燃料電池>>
以下、本発明の燃料電池を実施の形態を示して詳細に説明する。以下に示す実施形態はいずれも、メタノールから直接プロトンを取り出すことにより発電を行なう直接メタノール型燃料電池(DMFC)であり、燃料としてメタノール水溶液、酸化剤として空気(具体的には空気中の酸素)を用いるものである。ただし、本発明においては、燃料電池の形式は、DMFCに限定されるものはなく、上述した他の形式にも適用することができる。また、燃料および酸化剤も特に限定されるものではない。
以下、本発明の燃料電池を実施の形態を示して詳細に説明する。以下に示す実施形態はいずれも、メタノールから直接プロトンを取り出すことにより発電を行なう直接メタノール型燃料電池(DMFC)であり、燃料としてメタノール水溶液、酸化剤として空気(具体的には空気中の酸素)を用いるものである。ただし、本発明においては、燃料電池の形式は、DMFCに限定されるものはなく、上述した他の形式にも適用することができる。また、燃料および酸化剤も特に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の燃料電池の好ましい一例を模式的に示す断面図である。図1に示される燃料電池は、電解質膜101と、電解質膜101の一方の表面に配置されたアノード触媒層102と、電解質膜101の他方の表面に配置されたカソード触媒層103と、アノード触媒層102の電解質膜101に対向する面とは反対の面に接して配置されたアノード集電層104と、カソード触媒層103の電解質膜101に対向する面とは反対の面に接して配置されたカソードガス拡散層105と、カソードガス拡散層105に接着層120を介して配置されたカソード集電層106とから構成される。アノード集電層104は、燃料輸送用の空間である燃料流路108と、アノード触媒層102における反応により生じる反応生成物を排出するための貫通孔109とを備えており、貫通孔109は、アノード集電層104を層厚方向に貫通している。また、カソード集電層106は、層厚方向に貫通する貫通孔107を備える。燃料であるメタノール水溶液は、燃料流路108を通ってアノード触媒層102に供給され、生成した二酸化炭素は、アノード集電層104の貫通孔109を通って、外部に排出される。また、酸化剤としての空気は、大気中からカソードガス拡散層105を通じてカソード触媒層103に供給される。以下、各層について詳細に説明する。
図1は、本発明の燃料電池の好ましい一例を模式的に示す断面図である。図1に示される燃料電池は、電解質膜101と、電解質膜101の一方の表面に配置されたアノード触媒層102と、電解質膜101の他方の表面に配置されたカソード触媒層103と、アノード触媒層102の電解質膜101に対向する面とは反対の面に接して配置されたアノード集電層104と、カソード触媒層103の電解質膜101に対向する面とは反対の面に接して配置されたカソードガス拡散層105と、カソードガス拡散層105に接着層120を介して配置されたカソード集電層106とから構成される。アノード集電層104は、燃料輸送用の空間である燃料流路108と、アノード触媒層102における反応により生じる反応生成物を排出するための貫通孔109とを備えており、貫通孔109は、アノード集電層104を層厚方向に貫通している。また、カソード集電層106は、層厚方向に貫通する貫通孔107を備える。燃料であるメタノール水溶液は、燃料流路108を通ってアノード触媒層102に供給され、生成した二酸化炭素は、アノード集電層104の貫通孔109を通って、外部に排出される。また、酸化剤としての空気は、大気中からカソードガス拡散層105を通じてカソード触媒層103に供給される。以下、各層について詳細に説明する。
<電解質膜>
電解質膜101は、プロトン伝導性を有し、かつ電気的絶縁性を有する材質であれば特に限定されないが、好ましくは従来公知の適宜の高分子膜、無機膜またはコンポジット膜にて形成される。高分子膜としては、たとえばパーフルオロスルホン酸系電解質膜(ナフィオン(NAFION(登録商標):デュポン社製)、ダウ膜(ダウ・ケミカル社製)、アシプレックス(ACIPLEX(登録商標):旭化成社製)、フレミオン(登録商標:旭硝子社製))のほか、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエーテルエーテルケトンなどの炭化水素系電解質膜などが挙げられる。無機膜としては、たとえば、リン酸ガラス、硫酸水素セシウム、ポリタングストリン酸、ポリリン酸アンモニウムなどが挙げられる。また、コンポジット膜としては、たとえばゴアセレクト膜(ゴアセレクト(登録商標):ゴア社製)が挙げられる。
電解質膜101は、プロトン伝導性を有し、かつ電気的絶縁性を有する材質であれば特に限定されないが、好ましくは従来公知の適宜の高分子膜、無機膜またはコンポジット膜にて形成される。高分子膜としては、たとえばパーフルオロスルホン酸系電解質膜(ナフィオン(NAFION(登録商標):デュポン社製)、ダウ膜(ダウ・ケミカル社製)、アシプレックス(ACIPLEX(登録商標):旭化成社製)、フレミオン(登録商標:旭硝子社製))のほか、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエーテルエーテルケトンなどの炭化水素系電解質膜などが挙げられる。無機膜としては、たとえば、リン酸ガラス、硫酸水素セシウム、ポリタングストリン酸、ポリリン酸アンモニウムなどが挙げられる。また、コンポジット膜としては、たとえばゴアセレクト膜(ゴアセレクト(登録商標):ゴア社製)が挙げられる。
燃料電池が100℃付近もしくはそれ以上の温度になる場合には、電解質膜の材料として、低含水時でも高いイオン伝導性を有する、スルホン化ポリイミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、スルホン化ポリベンゾイミダゾール、ホスホン化ポリベンゾイミダゾール、硫酸水素セシウム、ポリリン酸アンモニウム、イオン性液体(常温溶融塩)等を用い、これらを膜化して用いることが好ましい。電解質膜は、プロトン伝導率が10-5S/cm以上であることが好ましく、パーフルオロスルホン酸ポリマーや炭化水素系ポリマーなどのプロトン伝導率が10-3S/cm以上の高分子電解質膜を用いることがより好ましい。
<アノード触媒層およびカソード触媒層>
アノード触媒層102は、燃料の酸化を促進する触媒を備え、該触媒上で燃料が酸化反応を起こすことにより、プロトンと電子を生成する。また、カソード触媒層103は、酸化剤の還元を促進する触媒を備え、該触媒上で酸化剤がプロトンと電子を取り込み、還元反応が起きる。
アノード触媒層102は、燃料の酸化を促進する触媒を備え、該触媒上で燃料が酸化反応を起こすことにより、プロトンと電子を生成する。また、カソード触媒層103は、酸化剤の還元を促進する触媒を備え、該触媒上で酸化剤がプロトンと電子を取り込み、還元反応が起きる。
アノード触媒層102およびカソード触媒層103としては、たとえば、触媒を担持した担持体と電解質とを含むものを用いることができる。この場合、アノード触媒層102におけるアノード触媒は、たとえばメタノールと水とから、プロトンと電子とを生成する反応速度を促進させる機能を有し、電解質は、生成したプロトンを電解質膜101へ伝導する機能を有し、アノード担持体は、生成した電子をアノード集電層104へ導電する機能を有する。一方、カソード触媒層103におけるカソード触媒は、酸素とプロトンと電子とから、水を生成する反応速度を促進する機能を有し、電解質は、電解質膜101からカソード触媒近傍にプロトンを伝導する機能を有し、カソード担持体は、カソードガス拡散層105からカソード触媒に電子を導電する機能を有する。なお、アノード担持体およびカソード担持体は、電子伝導の機能を有するが、触媒も電子伝導性を有するため、必ずしも担持体を設ける必要はなく、この場合、アノード集電層104もしくはカソードガス拡散層105への電子授受は、それぞれアノード触媒、カソード触媒が行なう。
アノード触媒およびカソード触媒としては、たとえば、Pt、Ru、Au、Ag、Rh、Pd、Os、Irなどの貴金属や、Ni、V、Ti、Co、Mo、Fe、Cu、Zn、Sn、W、Zrなどの卑金属、これら貴金属、卑金属の酸化物、炭化物、炭窒化物、およびカーボンが例示できる。これら材料の、単独もしくは2種類以上の組み合わせを触媒として用いることができる。アノード触媒およびカソード触媒は必ずしも同種類のものに限定されず、異なる物質を用いることができる。
アノード触媒層102およびカソード触媒層103に用いられる担持体は、電気伝導性の高い炭素系材料であることが好ましく、たとえば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、アモルファスカーボン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどが例示される。また、炭素系材料の他に、Pt、Ru、Au、Ag、Rh、Pd、Os、Irなどの貴金属、Ni、V、Ti、Co、Mo、Fe、Cu、Zn、Sn、W、Zrなどの卑金属、および、これら貴金属、卑金属の酸化物、炭化物、窒化物、炭窒化物が例示できる。これら材料の、単独もしくは2種類以上の組み合わせを担持体として用いることができる。また、プロトン伝導性を付与した材料、具体的には硫酸化ジルコニア、リン酸ジルコニウムなどを、担持体として用いてもよい。本発明におけるアノード触媒層に用いられる担持体は表面が親水性であることが好ましい。表面を親水化する方法しては、表面をカルボキシル基やヒドロキシル基などの親水性の官能基で修飾させる方法を好ましく用いることができる。具体例としては、カーボン表面のグラフト重合による表面修飾やシランカップリング剤による表面修飾などが挙げられる。これにより、アノード触媒層がメタノール水溶液をその細孔内に保持するため、燃料やプロトンの拡散がよくなると共に、貫通孔109から進入する酸素が触媒まで到達する量を少なくすることができ、酸素がアノード触媒層で反応することにより生じる出力特性の低下を防ぐことができる。
アノード触媒層102およびカソード触媒層103に用いられる電解質は、プロトン伝導性を有し、かつ電気的絶縁性を有する材質であれば特に限定されないが、メタノール等の燃料によって溶解しない固体もしくはゲルであることが好ましい。具体的には、スルホン酸、リン酸基などの強酸基やカルボキシル基などの弱酸基を有する有機高分子が好ましい。かかる有機高分子として、含有パーフルオロカーボン(ナフィオン(デュポン社製))、カルボキシル基含有パーフルオロカーボン(フレミオン(旭化成社製))、ポリスチレンスルホン酸共重合体、ポリビニルスルホン酸共重合体、イオン性液体(常温溶融塩)、スルホン化イミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)などが例示される。また、上述したプロトン伝導性を付与した担持体を用いる場合には、該担持体がプロトン伝導を行なうため、必ずしも電解質は必要ではない。
アノード触媒層102およびカソード触媒層103の厚みは、プロトン伝導の抵抗および電子伝導の抵抗を小さくし、燃料(たとえばメタノール)または酸化剤(たとえば酸素)の拡散抵抗を低減するために、それぞれ0.2mm以下とすることが好ましい。また、燃料電池としての出力を向上させるためには十分な触媒を担持させる必要があるため、それぞれ少なくとも0.1μm以上とすることが好ましい。
<アノード集電層>
アノード集電層104は、アノード触媒層102と電子の授受を行なう機能を有する。本発明においてアノード集電層104は、アノード集電体110に、燃料流路108と、アノード触媒層102における反応により生じる反応生成物を排出するための貫通孔109とを形成した構成を有している。アノード集電体110に用いられる好適な材質としては、カーボン材料、導電性高分子、Au、Pt、Pd等の貴金属、Ti、Ta、W、Nb、Ni、Al、Cr、Ag、Cu、Zn、Su等の金属、Si、およびこれらの窒化物、炭化物、炭窒化物等、さらにステンレス、Cu−Cr、Ni−Cr、Ti−Pt等の合金等を挙げることができる。より好ましくは、Pt、Ti、Au、Ag、Cu、Ni、Wからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含む。かかる元素を含むことにより、アノード集電層104の比抵抗が小さくなるため、アノード集電層104の抵抗による電圧低下を軽減し、より高い発電特性を得ることが可能となる。Cu、Ag、Zn等の、酸性雰囲気下で耐腐食性に乏しい金属を用いる場合には、Au、Pt、Pd等の耐腐食性を有する貴金属および金属材質や、導電性高分子、導電性窒化物、導電性炭化物、導電性炭窒化物、導電性酸化物等を表面コーティングとして用いることができる。これにより、燃料電池の寿命を延ばすことができる。
アノード集電層104は、アノード触媒層102と電子の授受を行なう機能を有する。本発明においてアノード集電層104は、アノード集電体110に、燃料流路108と、アノード触媒層102における反応により生じる反応生成物を排出するための貫通孔109とを形成した構成を有している。アノード集電体110に用いられる好適な材質としては、カーボン材料、導電性高分子、Au、Pt、Pd等の貴金属、Ti、Ta、W、Nb、Ni、Al、Cr、Ag、Cu、Zn、Su等の金属、Si、およびこれらの窒化物、炭化物、炭窒化物等、さらにステンレス、Cu−Cr、Ni−Cr、Ti−Pt等の合金等を挙げることができる。より好ましくは、Pt、Ti、Au、Ag、Cu、Ni、Wからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含む。かかる元素を含むことにより、アノード集電層104の比抵抗が小さくなるため、アノード集電層104の抵抗による電圧低下を軽減し、より高い発電特性を得ることが可能となる。Cu、Ag、Zn等の、酸性雰囲気下で耐腐食性に乏しい金属を用いる場合には、Au、Pt、Pd等の耐腐食性を有する貴金属および金属材質や、導電性高分子、導電性窒化物、導電性炭化物、導電性炭窒化物、導電性酸化物等を表面コーティングとして用いることができる。これにより、燃料電池の寿命を延ばすことができる。
アノード集電層104は、層厚方向に貫通している貫通孔109を有する。アノード触媒層102で生成した二酸化炭素等の反応生成物は気泡となり、大きくなったところで貫通孔109から外部に排出される。当該貫通孔により、反応生成物が燃料電池外に最短の距離で排出されるため、反応生成物の排出効率を向上させることができる。また、反応生成物の排出経路が液体によって塞がれることがなく、排出経路は確保されるため、アノード集電層を薄くすることができる。
貫通孔109の断面形状は、特に制限されず、たとえば円状、楕円状、四角状、三角状等とすることができる。貫通孔の内径は、10μm〜1mmの範囲とすることが好ましい。また、貫通孔間の距離(ピッチ)は、100μm〜10mmの範囲とすることが好ましい。燃料であるメタノール水溶液の漏れを防止する観点からは、貫通孔の内径は、500μm未満とすることが好ましい。また、二酸化炭素の排出効率の観点からは、貫通孔の内径は100μm以上であり、貫通孔間の距離は1mm未満であることが好ましい。貫通孔の数およびその断面積は、アノード集電体110の電気抵抗およびアノード集電体110とアノード触媒層102との接触面積等を考慮して決定することが好ましい。貫通孔は、たとえば上記した材質からなる板あるいは箔に、エッチング等により貫通する穴を設けることにより形成することができる。なお、複数の貫通孔は、互いに連通していてもよい。
燃料流路108は、アノード触媒層102に燃料を供給するための流路であり、上記貫通孔109とは別途に形成されている。これにより、燃料の供給と二酸化炭素の排出とを分離して行なうことができる。また、本発明において、アノード集電層104は、燃料の供給および二酸化炭素の排出の両機能を兼ね備えている。このことは、燃料電池の小型化、薄型化、および軽量化に寄与する。
燃料流路108の形状は特に制限されず、たとえばその断面形状は、図1に示されるように四角形状である。燃料流路108は、アノード集電層104の、アノード触媒層102側の面に1または2以上の溝を形成することにより形成することができる。燃料流路の幅および断面積は、好ましくは0.1〜1mmの幅で、断面積が0.01〜1mm2であり、アノード集電体110の電気抵抗およびアノード集電体110とアノード触媒層102との接触面積等を考慮して決定することが好ましい。
アノード触媒層102と、アノード集電層104のアノード集電体110とが接触していない領域の長さは、最大で1mm未満であることが好ましい。また、アノード触媒層102と、アノード集電層104のアノード集電体110とが接触する面積は、アノード触媒層のアノード集電層104側表面積の20%以上であることが好ましい。アノード触媒層102とアノード集電層104との間に別の層を介在させる場合においても同様である。
本発明においては、燃料流路108をアノード集電体110上に網目状に形成することができる。そして、網目状に形成された燃料流路108によって囲まれた領域に貫通孔109が形成される。二酸化炭素の排出口である貫通孔を穴形状とすることにより、微細で複雑な燃料流路を作製することができ、これにより、メタノール水溶液をアノード触媒層102に均一に供給することができ、したがって、発電ムラを少なくすることができる。発電ムラが生じると、局所的な発熱や燃料不足による高分子の分解など、燃料電池の寿命を短くする問題が生じるが、本発明においてはこのような問題も解消され得る。
<カソードガス拡散層>
カソードガス拡散層105は、導電性の多孔質体からなることが好ましく、たとえばカーボンペーパー、カーボンクロス、金属発泡体、金属焼結体、金属繊維の不織布などを用いることができる。
カソードガス拡散層105は、導電性の多孔質体からなることが好ましく、たとえばカーボンペーパー、カーボンクロス、金属発泡体、金属焼結体、金属繊維の不織布などを用いることができる。
<カソード集電層>
カソード集電層106は、カソード触媒層103と電子の授受を行なう機能を有し、カソード集電体111に、燃料電池の外部とカソードガス拡散層105とを連通する貫通孔107を形成してなる。一般的に、燃料電池の発電時においては、カソード集電層106は、アノード集電層104よりも高い電位に保たれるため、カソード集電体111の材質は、アノード集電体110と同等またはそれ以上の耐腐食性を備えていることが好ましい。
カソード集電層106は、カソード触媒層103と電子の授受を行なう機能を有し、カソード集電体111に、燃料電池の外部とカソードガス拡散層105とを連通する貫通孔107を形成してなる。一般的に、燃料電池の発電時においては、カソード集電層106は、アノード集電層104よりも高い電位に保たれるため、カソード集電体111の材質は、アノード集電体110と同等またはそれ以上の耐腐食性を備えていることが好ましい。
カソード集電体111の材質は、アノード集電体110と同様の材質とされてもよいが、好ましくは、たとえば、カーボン材料、導電性高分子、Au、Pt、Pd等の貴金属、Ti、Ta、W、Nb、Cr等の金属およびこれらの金属の窒化物、炭化物等、ならびにステンレス、Cu−Cr、Ni−Cr、Ti−Ptの合金等を用いる。また、Cu、Ag、Zn、Ni等の酸性雰囲気下で耐腐食性に乏しい金属を用いる場合には、耐腐食性を有する貴金属および金属材質や、導電性高分子、導電性酸化物、導電性窒化物、導電性炭化物等、導電性炭窒化物を表面コーティングとして用いることができる。
カソード集電層106の形状は、燃料電池周囲の空気中の酸素をカソードガス拡散層105まで供給することが可能な貫通孔を有していれば特に限定はない。ただし、燃料電池を積層して燃料電池スタックとする場合には、積層される燃料電池層同士の接触部位に位置するカソード触媒層まで酸素を供給させるために、カソード集電層106内部に、積層方向および積層方向に対して垂直方向に連通している孔を有していることが好ましい。このようなものとしては、たとえば発泡金属、金属織物、金属焼結体、カーボンペーパー、カーボンクロスなどを挙げることができる。なお、本発明の燃料電池および燃料電池スタックにおいては、カソード集電層106が省略されてもよい。
以上のような構造を有する燃料電池において、アノード側では、燃料が燃料流路108を通じてアノード触媒層102に到達し、アノード触媒層102で燃料の酸化反応が起き、プロトンおよび電子を生成する。生成した電子は、アノード集電層104へ流れ、プロトンは電解質膜101を介して、カソード触媒層103へと移動する。一方、カソード側では、燃料電池内部へ供給された空気が、カソード集電層106およびカソードガス拡散層105を介してカソード触媒層103に供給される。カソード触媒層103にて、酸素とプロトンと電子により還元反応が起き、水が生成される。
本発明の燃料電池においては、カソード集電層、カソードガス拡散層、カソード触媒層、電解質膜、アノード触媒層、アノード集電層が一体化されて積層されていることが好ましい。一体化することにより、外部からの押さえ圧がなくても、各層の密接な接触が確保され、隣接する層間での良好な電子または物質の輸送を行なうことが可能となる。これにより、燃料電池の構成部材を締結する部材が必要でなくなるため、燃料電池を小型化、薄型化、軽量化することができる。ここで、本発明における「一体化」とは、燃料電池の各部材が外部から圧力を加えなくとも分離しない状態のことをいい、具体的には化学結合やアンカー効果や粘着力等により接合された状態のことをいう。また、カソード集電層106とカソードガス拡散層105とは、接着層120を介して積層されていることが一体化の上ではより好ましい。接着層120は導電性であることが好ましく、導電性粒子と高分子接着剤との混合物からなることが好ましい。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の燃料電池の別の好ましい一例を模式的に示す断面図である。図2に示される燃料電池は、燃料透過層212を設けたこと以外は、上記第1の実施形態と同様の構成を有している。以下、燃料透過層について詳細に説明する。
図2は、本発明の燃料電池の別の好ましい一例を模式的に示す断面図である。図2に示される燃料電池は、燃料透過層212を設けたこと以外は、上記第1の実施形態と同様の構成を有している。以下、燃料透過層について詳細に説明する。
<燃料透過層>
燃料透過層212は、燃料を透過し得る層であって、その厚さ方向に燃料の拡散抵抗を有し、燃料の透過流束を制限する機能を有している。燃料透過層212は、図2に示されるように、燃料流路208の開口部を覆うように、アノード集電層204とアノード触媒層202との間に形成される。燃料透過層を設けることにより、たとえば次のような効果を得ることができる。
燃料透過層212は、燃料を透過し得る層であって、その厚さ方向に燃料の拡散抵抗を有し、燃料の透過流束を制限する機能を有している。燃料透過層212は、図2に示されるように、燃料流路208の開口部を覆うように、アノード集電層204とアノード触媒層202との間に形成される。燃料透過層を設けることにより、たとえば次のような効果を得ることができる。
第1に、アノード集電層204を薄くすることができ、これにより、燃料電池の小型化、薄型化が達成される。燃料電池の小型化、薄型化のためには、ポンプ等の補機を用いることなく、毛細管力を利用して燃料を供給できるようにすることが好ましい。ポンプを用いる場合、燃料であるメタノール水溶液を送液する際の圧力損失を低減するために、燃料流路径を大きくせざるを得ず、燃料電池の小型化を図ることが困難である。あるいは燃料流路径を小さくした場合には、ポンプ自体の大型化や消費電力の増加を避けることができず、同様に燃料電池の小型化を図ることは困難である。アノード集電層に設ける燃料流路を細くし、毛細管力によりメタノール水溶液を供給することにより、アノード集電層を薄くすることができ、これにより燃料電池の小型化、薄型化が達成できる。ここで、毛細管力によりメタノール水溶液を供給するためには、高濃度(水:メタノールのモル比=1:1程度)のメタノール水溶液を供給しなければならない。低濃度では、すぐにメタノール不足となり、水ばかりが残存することとなるからである。ところが、高濃度のメタノール水溶液を供給すると、アノード側のメタノールがカソード側に拡散するクロスオーバー現象が生じてしまい、カソード側でメタノールの酸化反応が生じることにより、燃料電池の出力特性が低下する問題が生じる。また、カソードで酸化されるメタノールは発電されないため、メタノールの利用効率が低下するという問題も生じる。
燃料透過層を図2に示されるような位置に設けると、毛細管力によってアノード触媒層近傍まで到達した高濃度のメタノール水溶液は、燃料透過層によって透過流束が制限される。アノード触媒層においては、メタノールは発電により消費されるから、それらの結果、アノード触媒層でのメタノール濃度を低くすることができる。すなわち、燃料透過層を設けることにより、上記問題を生じさせることなく、燃料としての高濃度のメタノール水溶液を毛細管力により供給することが可能となり、燃料電池の小型化、薄型化を図ることが可能となる。さらに、燃料流路の深さが浅いと、燃料流路上に配置されるアノード触媒層などの材料が燃料流路内に埋まってしまい燃料が供給されにくくなるので、燃料流路の深さを確保するようにアノード集電体の厚みを厚くしなければならないという問題が生じる。この燃料透過層によれば、アノード触媒層などの材料が燃料流路内を塞いでしまうという問題を回避できるので、アノード集電体の厚みを薄くすることができる。
第2に、高濃度のメタノール水溶液を燃料として用いることができることから、燃料タンクを小さくすることができる。なお、カソード側で生成した水を利用する場合は、燃料として100%のメタノールを供給することもできる。すなわち、カソード側で生成した水は、電解質膜を通ってアノード触媒層に拡散するため、当該水と、燃料透過層を介して供給されたメタノールとの反応により発電させることができる。
第3に、燃料透過層を介して燃料が供給されることにより、二酸化炭素が燃料流路に溜まることがなく、燃料を安定して供給することができる。これにより、燃料流路に二酸化炭素が溜まり、メタノール水溶液のアノード触媒層への供給が阻害されることにより燃料電池の出力が低下するという問題を回避することができる。第4に、燃料の透過流束が制限されるため、燃料漏れを生じにくくすることができる。
燃料透過層は、上記したように、その厚さ方向に燃料の拡散抵抗を有し、燃料の透過流束を制限する機能を有し、より好ましくは、気体を透過しない材料からなる。燃料透過層は、このような機能を有していれば形状面において特に限定されず、たとえば、その厚さ方向に貫通した微細孔を設けることにより燃料の透過機能を付与してもよい。燃料がメタノール水溶液の場合、燃料透過層は、高分子膜、無機膜またはコンポジット膜にて形成されることが好ましい。高分子膜としては、たとえばシリコンゴム、パーフルオロスルホン酸系電解質膜(ナフィオン(デュポン社製)、ダウ膜(ダウ・ケミカル社製)、アシプレックス(旭化成社製)、フレミオン(旭硝子社製))やスルホン化ポリイミド、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエーテルエーテルケトンなどの炭化水素系電解質膜などが例示できる。無機膜としては、たとえば多孔質ガラス、多孔質ジルコニア、多孔質アルミナなどが例示できる。コンポジット膜としては、たとえばゴアセレクト膜(ゴア社製)が例示できる。また、貫通した微細孔を設けた燃料透過層としては、感光性樹脂からなる燃料透過層が例示できる。感光性樹脂としては、耐酸性、耐メタノール性を有するネガ型の感光性樹脂が好ましく、エポキシ系の感光性樹脂、ポリイミド系の感光性樹脂、ポリアクリル系の感光性樹脂などが好ましい。紫外線もしくはX線によって重合、硬化する感光性樹脂を用いる場合、紫外線もしくはX線不透過性のマスクを利用して、層圧方向に円柱形の貫通孔、もしくはスリット状の貫通孔を設けることができる。
図3は、図2に示される燃料電池におけるアノード集電層の概略上面図である。網目状に形成された燃料流路(図示せず)上に、燃料透過層212が形成されている。また、燃料流路で囲まれた領域には二酸化炭素を排出するための貫通孔209が形成されている。燃料透過層に感光性樹脂を用いることにより、フォトリソグラフィにより、数10〜数100μm程度の幅を有し、数10〜数100μm程度の微細なピッチの燃料流路であっても、該燃料流路上に容易に燃料透過層を形成することができる。燃料の透過量を制御するために、燃料透過層の厚み方向に貫通した、数μm〜数100μm程度の微細孔を感光性樹脂に設ける場合も、同様に遮光マスクを用いることで形成できる。
以上のように、燃料透過層をパターニングすることで微細な燃料流路であっても、アノード集電体の表面を露出させることができ、アノード触媒層とアノード集電体との間の導電経路を確保することができる。これにより、集電層の厚み方向に燃料電池を積層しても、導電経路を最短にした状態でスタック化することができる。ここで、燃料透過層がアノード集電体上全面を覆う場合、二酸化炭素の排出経路や電子の導電経路は、アノード触媒層の面方向になるため、二酸化炭素排出のために燃料電池の厚みが厚くなったり、電子の導電経路が長くなることによる抵抗損失で燃料電池の出力密度が低下するという問題が生じるが、上述した燃料透過層のパターニングによりこれを回避することができる。また、二酸化炭素の排出経路をアノード集電体に貫通孔として形成することにより、図3のように燃料流路を網目状に微細に形成できると共に、その流路を覆う燃料透過層の膜も網目状に形成することができるため、燃料透過層の強度や燃料透過層とアノード集電体との間の接着強度を向上させることもできる。
なお、燃料の供給を外部動力のポンプを使用せずに行なう場合、形成した燃料流路の燃料の流れ方向に対し下流となる燃料流路片端部は開口状態となり得る。燃料流路片端部からの燃料の流出を抑制するため、該開口部は閉口処理されることが好ましい。閉口処理に用いられる材料としては、たとえば、PTFE(polytetrafluoroethylene)やPVDF(Polyvinylidenfluolide)等のフッ素系高分子と炭素材料との混合物からなる多孔質層を挙げることができる。
(第3の実施形態)
図4は、本発明の燃料電池の別の好ましい一例を模式的に示す断面図である。図4(a)に示される燃料電池は、アノード触媒層402とアノード集電層404との間に親水性多孔質層420を設けたこと以外は、上記第1の実施形態と同様の構成を有している。また、図4(b)に示される燃料電池は、アノード触媒層402と燃料透過層412との間に親水性多孔質層420を設けたこと以外は、上記第2の実施形態と同様の構成を有している。以下、親水性多孔質層について詳細に説明する。
図4は、本発明の燃料電池の別の好ましい一例を模式的に示す断面図である。図4(a)に示される燃料電池は、アノード触媒層402とアノード集電層404との間に親水性多孔質層420を設けたこと以外は、上記第1の実施形態と同様の構成を有している。また、図4(b)に示される燃料電池は、アノード触媒層402と燃料透過層412との間に親水性多孔質層420を設けたこと以外は、上記第2の実施形態と同様の構成を有している。以下、親水性多孔質層について詳細に説明する。
<親水性多孔質層>
親水性多孔質層420は、燃料であるメタノール水溶液を保持し、アノード触媒層402に燃料の濃度をできる限り均一にして、燃料を供給するバッファとしての役割を果たし、これにより、アノード触媒層402に均一に燃料を供給することが可能となる。また、空気中の酸素がアノード触媒層402に到達するのを防ぐ役割を果たし、これにより、燃料電池の発電特性の低下を防ぐことができる。すなわち、メタノール水溶液は親水性多孔質層420を介してアノード触媒層402に供給されるが、アノード集電体410に形成された二酸化炭素を排出するための貫通孔409を介して透過してくる空気は、親水性多孔質層420がメタノール水溶液で満たされているため、空気が拡散するのに十分な空孔がなく透過できない。そのため、空気がアノード触媒層402に供給されることはなく、アノード触媒層402におけるメタノールの酸化反応は阻害されず、燃料電池の発電特性の低下を防ぐことができる。
親水性多孔質層420は、燃料であるメタノール水溶液を保持し、アノード触媒層402に燃料の濃度をできる限り均一にして、燃料を供給するバッファとしての役割を果たし、これにより、アノード触媒層402に均一に燃料を供給することが可能となる。また、空気中の酸素がアノード触媒層402に到達するのを防ぐ役割を果たし、これにより、燃料電池の発電特性の低下を防ぐことができる。すなわち、メタノール水溶液は親水性多孔質層420を介してアノード触媒層402に供給されるが、アノード集電体410に形成された二酸化炭素を排出するための貫通孔409を介して透過してくる空気は、親水性多孔質層420がメタノール水溶液で満たされているため、空気が拡散するのに十分な空孔がなく透過できない。そのため、空気がアノード触媒層402に供給されることはなく、アノード触媒層402におけるメタノールの酸化反応は阻害されず、燃料電池の発電特性の低下を防ぐことができる。
親水性多孔質層420は導電性を有しており、したがって、アノード触媒層402から親水性多孔質層420を通って、アノード集電層410に電子が流れ、外部に取り出される。
発電反応により生成した副生成物の気体、たとえば二酸化炭素は常温で気体であり、反応物のメタノールおよび水と比較してその体積は非常に大きいため、アノード触媒層402内は昇圧される。この昇圧により、二酸化炭素は親水性多孔質層420を透過し、アノード集電層404に設けられた貫通孔409を経て大気に排出される。親水性多孔質層420を介して、アノード集電層404から二酸化炭素の排出が良好に行なわれることから、従来のように流路内に発生した二酸化炭素を燃料とともに排出する必要がなくなり、ポンプなどの補機を使用しなくても安定して燃料を供給することができる。
親水性多孔質層420に用いられる好ましい一例としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の炭素粒子の表面がOH基やCOOH基等の極性官能基(親水性)で化学修飾されている導電性粒子と、それらをバインダーとして機能させる親水性の高分子(たとえば、Nafion117、Nafion112、フレミオン、スルホン化ポリイミド等)との混合物を挙げることができる。また、カーボンペーパーやカーボンクロスなどの炭素の表面が同様に化学修飾されているものや、カーボンペーパーやカーボンクロスの細孔内に親水性の高分子を充填したものを用いてもよい。ここで、親水性多孔質層420は、アノード触媒層402とアノード集電体410とを低い電気抵抗にて接続することが好ましい。このような観点から、親水性多孔質層420に接する側におけるアノード触媒層402の触媒担持カーボンの表面をOHもしくはCOOHなどの極性(親水性)官能基で化学修飾することによって親水化することが好ましい。これにより、両者の間での濡れ性が良好となる。ここで、アノード触媒層402の表面のみを親水処理する代わりに、アノード触媒層内をも親水処理して、これを親水性多孔質層420としてもよい。
(第4の実施形態)
図5は、本発明の燃料電池の別の好ましい一例を模式的に示す断面図である。図5に示される燃料電池は、アノード集電層504に設けられた貫通孔内に撥水性多孔質層530が形成されていること以外は、上記図4(b)に示される燃料電池と同様の構成を有している。以下、撥水性多孔質層について詳細に説明する。
図5は、本発明の燃料電池の別の好ましい一例を模式的に示す断面図である。図5に示される燃料電池は、アノード集電層504に設けられた貫通孔内に撥水性多孔質層530が形成されていること以外は、上記図4(b)に示される燃料電池と同様の構成を有している。以下、撥水性多孔質層について詳細に説明する。
<撥水性多孔質層>
撥水性多孔質層530は、アノード集電層504の貫通孔内に充填された撥水性多孔質材料からなり、燃料電池の外部にメタノール水溶液が漏洩することを抑止するために設けられる。また、貫通孔内の充填だけに限らず、アノード集電層504のアノード触媒層側とは反対側の面に撥水性多孔質層が備えられてもよいし、貫通孔内及びアノード集電層504のアノード触媒層側とは反対側の面の両方に具備されてもよい。撥水性多孔質層530は、水、メタノール水溶液等の液体に対して不透過性であり、気体に対して透過性であって気液分離能を有する。撥水性多孔質層530は、導電性を有していることが好ましい。
撥水性多孔質層530は、アノード集電層504の貫通孔内に充填された撥水性多孔質材料からなり、燃料電池の外部にメタノール水溶液が漏洩することを抑止するために設けられる。また、貫通孔内の充填だけに限らず、アノード集電層504のアノード触媒層側とは反対側の面に撥水性多孔質層が備えられてもよいし、貫通孔内及びアノード集電層504のアノード触媒層側とは反対側の面の両方に具備されてもよい。撥水性多孔質層530は、水、メタノール水溶液等の液体に対して不透過性であり、気体に対して透過性であって気液分離能を有する。撥水性多孔質層530は、導電性を有していることが好ましい。
撥水性多孔質層530に用いる材料としては、気液分離能を有する材料と、導電性を有する材料との混合物を用いることができる。このような混合材料としては、PTFE(Polytetrafluoroethylene)、PVDF(Polyvinylidenfluolide)等のフッ素系高分子と、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、アモルファスカーボン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどとの混合物を挙げることができる。撥水性多孔質層は、図5に示されるように、アノード集電層504の貫通孔内部に形成してもよいし、または該貫通孔を塞ぐように、アノード集電層504表面に形成してもよい。
次に、本発明の燃料電池の製造方法について説明する。本発明の燃料電池は、上述したような構造を備えるものであれば、その製造方法は特に制限されるものではないが、本発明の燃料電池の製造方法によって製造されたものであることが好ましい。本発明の燃料電池の製造方法は、以下の工程を備える。
(1)集電体に燃料流路と貫通孔とを形成して、アノード集電層を得る第1工程、
(2)アノード触媒層およびカソード触媒層を形成する第2工程、
(3)少なくともアノード集電層、アノード触媒層、電解質膜、およびカソード触媒層をこの順で積層し、一体化させる第3工程。
(1)集電体に燃料流路と貫通孔とを形成して、アノード集電層を得る第1工程、
(2)アノード触媒層およびカソード触媒層を形成する第2工程、
(3)少なくともアノード集電層、アノード触媒層、電解質膜、およびカソード触媒層をこの順で積層し、一体化させる第3工程。
第1工程は、アノード集電体に燃料流路および貫通孔を形成して、アノード集電層を形成する工程である。アノード集電体に燃料流路および貫通孔を形成する方法としては、金属板または金属箔を集電体として用いる場合には、ウエットエッチング法を用いた孔加工を好ましく用いることができる。カソード集電層を設ける場合、カソード集電層は、燃料流路を設けないこと以外はアノード集電層と同様にして形成することができる。
エッチング法は、プリント配線技術などに用いられるフォトエッチング工程を用いることができる。集電体のどちらか一方の面に、感光性のレジストを塗布またはラミネートして感光層を形成し、露光により残すべき集電体のレジストパターンを形成し、現像、エッチングすることで、燃料流路および貫通孔を形成することができる。このような製造方法では、複数の燃料流路および貫通孔を一度に形成することができるとともに、微細な開口パターンを加工することが可能となる。
なお、燃料透過層を設ける場合には、上記第1工程の後に、燃料透過層を形成する工程が設けられる。燃料透過層としては、上記したように感光性樹脂が好ましく用いられ、より好ましくはUV硬化型の感光性樹脂が用いられる。さらに好ましくは耐酸性および耐メタノール性に優れた感光性樹脂が用いられる。たとえば、感光性エポキシ樹脂、感光性ポリイミド樹脂などが挙げられる。感光性樹脂を用いることにより、燃料流路と貫通孔を有する集電体の上に、該感光性樹脂のドライフィルムをラミネートすることにより感光層を形成し、現像後の感光性樹脂が燃料流路を覆う形状となるようにフォトレジスト用マスクを作製して、露光、現像を行なって、燃料流路上の感光性樹脂以外の感光性樹脂を除去し、キュアーにより完全に樹脂を硬化させる、微細な流路にも対応できる燃料透過層を形成することが可能となる。
第2工程は、アノード触媒層およびカソード触媒層を形成する工程である。これらの触媒層を形成する方法として、たとえば、触媒粒子と導電性粒子と電解質とを有機溶媒に分散させてなるペーストを、バーコート法、スクリーン印刷法またはスプレーコーティング法などを用いて均一に塗布し、ペースト中の有機溶媒を除去して形成する工法を採用することができる。このような製造方法では、多数の細孔を有した触媒層を形成することができ、有効な触媒粒子の表面積を増加させることが可能となる。
アノード触媒層は、電解質膜やアノード集電層(あるいは燃料透過層)上に直接形成することができる。また、カソード触媒層は、電解質膜やカソードガス拡散層上に直接形成することができる。これにより、あらかじめ電解質膜、集電体またはカソードガス拡散層に触媒層が一体形成されるため、密着性の良い界面を得ることが可能となる。あるいは、プラスチックフィルム等の基材に触媒層を形成した後に、電解質膜、アノード集電層またはカソードガス拡散層に転写するようにしてもよい。このような製造方法では、あらかじめ触媒層を別に形成しておくことができ、触媒粒子および導電性粒子の分散性を向上させるために用いられる有機溶媒がアノード集電層またはカソードガス拡散層の表面に絶縁層を形成させてしまうような有機溶媒であっても、上記ペーストの溶媒として用いることが可能となる。
第3工程は、少なくとも集電層、アノード触媒層、電解質膜、およびカソード触媒層をこの順で積層し、一体化させる工程である。上記のように、アノード集電層は、燃料透過層を含み得る。カソード触媒層上には、カソードガス拡散層が積層される。また、カソードガス拡散層上には、必要に応じて、カソード集電層が積層される。なお、カソードガス拡散層とカソード集電層の積層順序は、逆になってもよい。これらの積層体を一体化させる方法としては、ホットプレス機を用いて、電解質膜や触媒層中の電解質の軟化温度やガラス転移温度を超える温度で熱圧着する工程を採用することができる。これにより各層が化学結合やアンカー効果や粘着力等により接合された状態となり、各層間の界面の電子伝導抵抗やイオン伝導抵抗を低減することができる。この工程により、カソードガス拡散層、カソード集電層(または、カソード集電層、カソードガス拡散層)、カソード触媒層、電解質膜、アノード触媒層、アノード集電層がこの順に燃料電池の層厚方向に積層されて一体化される。熱圧着時の圧力により、アノード集電層やカソード集電層が電解質膜や触媒層を突き破ったり、アノード触媒層や親水性多孔質層が燃料透過層を破って燃料流路を埋めてしまわない様に、適切なスペーサを用意し圧力がかかり過ぎないように熱圧着をすることが好ましい。
また、カソード集電層とカソードガス拡散層とを接着させる場合は、カソード集電体とカソードガス拡散層との間に接着層を設けることがより好ましい。接着層を介して接合させることにより、ボルトやナット、押さえ板などの締結部材を不要とすることができ、燃料電池を小型化、軽量化、薄型化することができる。ここで、接着層は導電性であることが好ましい。これにより、カソード集電層とカソードガス拡散層との接触面が増加するため接触抵抗を低減することができ、また導電経路が最短となるため、抵抗による損失を低減させることができる。また、接着層は撥水性を有する多孔質層であることがより好ましい。これにより、カソード触媒層で生成した水が結露して、酸素が触媒層に到達することが阻害されることなく、酸素が透過できる通気孔を確保することができる。このような導電性を有し、撥水性を有する多孔質層である接着層としては、PTFE(Polytetrafluoroethylene)、PVDF(Polyvinylidenfluolide)等のフッ素系高分子と、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、アモルファスカーボン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどとの混合物が挙げられる。カソード集電層とカソードガス拡散層との間の接着層が多孔質材料でない場合には、酸素の通気が可能なように、カソード集電層の貫通孔を塞がないように部分的に接着層を形成することが好ましい。また、カソードガス拡散層とカソード触媒層とを接着させる場合にも、上記接着層を介して接着することが好ましい。当該接着層は導電性であることがさらに好ましく、また、撥水性を有する多孔質層であることがより好ましい。
また、アノード集電層とアノード触媒層とを接着させる場合は、アノード触媒層に含まれる電解質樹脂がホットプレス機の温度で軟化し、アノード集電層の貫通孔内に入り込み、アンカー効果で接着される。アノード集電層の貫通孔は熱圧着時によるアンカー効果で接着力を向上させる効果も有する。また、アノード集電層とアノード触媒層とを接着させるために、両層の間に接着層を設けて接着してもよい。この場合、接着層は導電性であることが好ましく、また親水性を有する多孔質層であることがより好ましい。親水性を有する多孔質層である接着層は、上述した親水性多孔質層(たとえば第4の実施形態の420等)として形成され、酸素バリアと燃料のバッファの機能をも果たす。接着層を備える場合も同様に、熱圧着により接着層に含まれる樹脂成分の軟化し、アノード集電層の貫通孔に入り込むアンカー効果で、アノード集電層とアノード触媒層との接着力が向上する。また、接着層とアノード触媒層との間も、熱圧着により、両者の高分子成分が軟化され、アンカー効果で接着することができる。
なお、複数の燃料電池を積層して燃料電池スタックとする場合には、上記第3工程の後、複数の燃料電池を一体化する工程が設けられる。この際、燃料電池と燃料電池、燃料電池と後述の介在層等とを導電性の接着剤を用いた接着層により接着することが好ましい。アノード集電層の貫通孔は同様にアンカー効果としての接着力を向上する効果を有する。カソード集電層の貫通孔やカソードガス拡散層の開孔によっても、同様にアンカー効果として接着力を向上させることができる。導電性接着剤において、フッ素系高分子材料などの撥水性を有する多孔質層を用いることがさらに好ましい。撥水性を有する多孔質層を用いることにより、生成水などによる水蒸気が接着層で結露しても、水をはじき、多孔質の開孔が塞がれないようにすることができる。
<<燃料電池スタック>>
次に、本発明の燃料電池スタックについて説明する。ここで、燃料電池スタックとは、複数の燃料電池を積層してなる燃料電池のことをいう。図6は、本発明の燃料電池スタックの好ましい一例を模式的に示す断面図である。図6に示される燃料電池スタックは、第1の燃料電池600bと、第2の燃料電池600aとを第1の介在層600cを介して積層してなる。第1の燃料電池600bと第2の燃料電池600aとは、第1の燃料電池600bのアノード極側と、第2の燃料電池600aのカソード極側とが対向するように積層されている。第1の燃料電池600bおよび第2の燃料電池600aの構造はともに、カソード集電層を有しないこと以外は、図5に示される燃料電池と同様の構造を有しており、ともに本発明に係る燃料電池である。
次に、本発明の燃料電池スタックについて説明する。ここで、燃料電池スタックとは、複数の燃料電池を積層してなる燃料電池のことをいう。図6は、本発明の燃料電池スタックの好ましい一例を模式的に示す断面図である。図6に示される燃料電池スタックは、第1の燃料電池600bと、第2の燃料電池600aとを第1の介在層600cを介して積層してなる。第1の燃料電池600bと第2の燃料電池600aとは、第1の燃料電池600bのアノード極側と、第2の燃料電池600aのカソード極側とが対向するように積層されている。第1の燃料電池600bおよび第2の燃料電池600aの構造はともに、カソード集電層を有しないこと以外は、図5に示される燃料電池と同様の構造を有しており、ともに本発明に係る燃料電池である。
第1の介在層600cは、第1の燃料電池600bのアノード集電体610および第2の燃料電池600aのカソードガス拡散層605に接して形成された複数の柱状スペーサ640と、柱状スペーサ間に形成される複数の空洞部650とから構成される。空洞部650は、第1の燃料電池600bの貫通孔630と連通している。また、空洞部650は、第2の燃料電池600aのカソードガス拡散層605に接しているため、第1の燃料電池600bの貫通孔630は、空洞部650を介して、第2の燃料電池600aのカソードガス拡散層605内の流路と連通することとなる。
かかる構成により、第2の燃料電池600aのカソード側で生成した水が蒸発して水蒸気となり、第1の燃料電池600bの貫通孔630から侵入して、親水性多孔質層620にて温度差により冷却され、トラップされる。その後、第1の燃料電池600bのアノード触媒層602にまで到達する。これにより、カソードで生成した水をアノードの反応に再利用できるため、高濃度のメタノールを燃料として使用することができる。これにより、燃料容器の体積が小さくても長時間発電することが可能となり、燃料電池のエネルギー密度を高めることができる。さらに、第1の燃料電池600bのアノード触媒層602から生成する二酸化炭素と共に排出される微量のメタノール蒸気は、第2の燃料電池600aのカソード触媒層603に到達し、燃焼される。これにより、燃料電池の外部に排出されるメタノールの蒸気の量を従来技術に比べ減少することができる。さらに燃焼時に発生する熱を利用して、隣接する燃料電池の温度を上昇させ、発電効率を向上させることもできる。また、有機化合物が燃焼した際に生成する水をアノードの反応に利用することもできる。
ここで、柱状スペーサ640の断面形状は特に制限されず、たとえば、円状、楕円状、四角状等とすることができる。柱状スペーサ640は、導電性材料から形成されることが好ましい。これにより、積層方向に電気的に直列に配線することができる。また、柱状スペーサ640は、多孔質体からなることが好ましい。これにより柱状スペーサ640の中を、第1の燃料電池600bの貫通孔から排出される二酸化炭素や空気が通り抜けることができる。また、柱状スペーサ640は、図6に示すように、第1の燃料電池600bのアノード集電体610および第2の燃料電池600aのカソードガス拡散層605と、接着層660を介して積層されていることがより好ましい。
柱状スペーサ640の燃料電池への接着には、導電性の接着剤を用いることが好ましく、該導電性の接着剤は熱硬化性の高分子接着剤と、導電性良好な粉末との混合物であることがより好ましい。熱硬化性の高分子接着剤としては、株式会社スリーボンドの1152Bのポリオレフィン系高分子が挙げられ、その他にも、株式会社スリーボンド製の導電性接着剤である3373C(スクリーン印刷型導電性接着剤)、3315(一液性常温乾燥型接着剤)などが挙げられる。また、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂が挙げられる。熱硬化性の高分子接着剤は、熱圧着時に圧力を掛けた状態で加熱重合し、その後、加圧したまま、室温まで冷却することにより、各燃料電池を良好に接合させるため、締め付け部材等を要しない。導電性良好な粉末としては、たとえば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、アモルファスカーボン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどのカーボン系材料、Au、Pt、Pd等の貴金属、Ti、Ta、W、Nb、Ni、Al、Cr、Ag、Cu、Zn、Su等の金属、Si、およびこれらの窒化物、炭化物、炭窒化物等、さらにステンレス、Cu−Cr、Ni−Cr、Ti−Pt等の合金の耐腐食性のある材料の粉末を挙げることができる。導電性良好な粉末は、燃料電池間を低い電子伝導抵抗で接続するのに加え、アノード触媒層から生成する二酸化炭素を、粉末と粉末の間に形成される空隙から隣接する燃料電池のカソードガス拡散層方向へ逃がし、カソードガス拡散層を通じて空洞部650に排出することができる。
図7は、本発明の燃料電池スタックの別の一例を模式的に示す断面図である。図7に示される燃料電池スタックは、第1の燃料電池700bと第2の燃料電池700aとが、第1の燃料電池700bのアノード極側と、第2の燃料電池700aのカソード極側とが対向するように接着して積層されている。第1の燃料電池700bおよび第2の燃料電池700aの構造はともに、カソード集電層および接着層を有しないこと以外は、図5に示される燃料電池と同様の構造を有しており、ともに本発明に係る燃料電池である。
本実施形態においては、カソードガス拡散層705とアノード集電層704との間に接着層760を設けることが好ましく、上記した導電性接着剤を用いることが好ましい。本実施形態では、撥水性多孔質層を介してアノード集電層とカソードガス拡散層とが接合されており、撥水性多孔質層は導電性接着層として機能している。上述した一体化工程と同様に、撥水性多孔質層に含まれる樹脂成分が、熱圧着により軟化して、アンカー効果によりカソードガス拡散層がアノード集電層に接着されている。また、本実施形態においては、カソードガス拡散層は、十分に空気が供給されるように十分な厚みと、十分に高い空隙率を有することが好ましい。
なお、本実施形態の燃料電池スタックにおいて、第1の燃料電池および第2の燃料電池として用いられる燃料電池は、図6および図7に示される構造のものに限定されるものではなく、上述してきた本発明の燃料電池のいずれを用いてもよい。その際、各燃料電池は、カソード集電層を有していてもよく、有していなくてもよい。また、第2の燃料電池に関しては、必ずしも本発明の燃料電池である必要はない。さらに、本発明の燃料電池スタックが3以上の燃料電池から構成され得ることはいうまでもない。
図8は、本発明の燃料電池スタックの別の好ましい一例を模式的に示す断面図である。図8に示される燃料電池スタックは、第1の燃料電池800aと、第2の燃料電池800bとを第2の介在層800cを介して積層してなる。第1の燃料電池800aと第2の燃料電池800bとは、第1の燃料電池800aのアノード極側と、第2の燃料電池800bのアノード極側とが対向するように積層されている。第1の燃料電池800aおよび第2の燃料電池800bの構造はともに、カソード集電層を有しないこと以外は、図5に示される燃料電池と同様の構造を有しており、ともに本発明に係る燃料電池である。
第2の介在層800cは、第1の燃料電池800aおよび第2の燃料電池800bのアノード集電体810に接して形成された複数の柱状スペーサ840と、柱状スペーサ間に形成される複数の空洞部850とから構成される。空洞部850は、第1の燃料電池800aおよび第2の燃料電池800bの貫通孔830とそれぞれ連通している。
かかる構成により、第1の燃料電池800aおよび第2の燃料電池800bの貫通孔830から排出された二酸化炭素や該二酸化炭素と共に排出される微量のメタノール等の有機化合物は、第2の介在層800cの空洞部850内に導かれることとなる。
ここで、第2の介在層800cを構成する柱状スペーサ840は、貫通孔から排出される二酸化炭素等の反応生成物中に含まれる有機化合物成分を吸着する材料を含有することが好ましい。これにより、空洞部850内に導かれた二酸化炭素中に含まれる主にメタノールからなる有機化合物を吸着除去し、外部に排出しないようにすることができる。具体的には、第2の介在層800c自体を有機化合物吸着フィルターとすることができる。有機化合物吸着フィルターとしては、活性炭、吸着力強化のため表面を改質した活性炭、などを用いることができる。
また、第2の介在層800cを構成する柱状スペーサ840は、貫通孔から排出される二酸化炭素等の反応生成物中に含まれる有機化合物成分を燃焼させるための触媒を含有することも好ましい。有機化合物燃焼触媒を備える場合は、排出された二酸化炭素に含まれる有機化合物を空気中の酸素と反応させ、燃焼させることができる。これにより、燃料電池の外部に主にメタノールの蒸気からなる有機化合物を排出させる量を減らすことができる。また、燃焼させた熱を燃料電池に伝えることにより、触媒反応を活性化させることができ、発電効率を向上させることができる。さらに、燃焼された有機化合物は二酸化炭素と水になるため、生成した水蒸気をアノード側の反応に利用することができる。これらの結果、従来に比べ、燃料電池外部へ有害な有機化合物を排出する量を減少させることができる。具体的には、第2の介在層800c自体を、有機化合物燃焼触媒を含有するフィルターとすることができる。有機化合物燃焼触媒としては、好ましくはPtの微粒子が用いられ、該触媒は担持体に担持されていることが好ましい。耐熱性向上のため、金属、金属酸化物などの多孔質体が担持体として用いられることが好ましい。なお、これらのフィルターが交換可能なように燃料電池を設計することが好ましい。
なお、本実施形態の燃料電池スタックにおいて、第1の燃料電池および第2の燃料電池として用いられる燃料電池は、図8に示される構造のものに限定されるものではなく、上述してきた本発明の燃料電池のいずれを用いてもよい。その際、各燃料電池は、カソード集電層を有していてもよく、有していなくてもよい。また、本発明の燃料電池スタックが3以上の燃料電池から構成され得ることはいうまでもない。ここで、3以上の燃料電池で構成される場合、図8の構造が繰り返されてもよいし、図8に示される構造と図6および/または図7に示される構造との両方が組み合わさった構造を用いてもよい。図示しないが、図8の800aの上に、図6の600cと600bとが積層されてもよい。図8の構造の場合、図8に示す積層構造がそのままの順序で繰り返されてもよい。この際、第1の介在層600cや第2の介在層800cを用いてもよいし、図7に示すように第1の介在層600c若しくは第2の介在層800cを用いなくてもよい。
本発明の燃料電池スタックは、本発明の燃料電池および必要に応じて他の燃料電池を積層し、一体化させることにより形成される。具体的には、アノード集電体と柱状スペーサ、および/または柱状スペーサとカソードガス拡散層(またはカソード集電体)、および/またはアノード集電体とカソードガス拡散層(またはカソード集電体)の接触部位に、上記した導電性の接着剤が塗布される。そして、これらの積層体を熱圧着することにより、燃料電池が積層して一体化された燃料電池スタックを作製することができる。
ここで、熱圧着による燃料電池の一体化において、燃料電池スタックを構成する全ての燃料電池および柱状スペーサを積層し、一度の熱圧着によって一体化された燃料電池スタックを製造してもよく、燃料電池スタックを構成する全ての燃料電池を複数組みに分けて、それぞれの組みを熱圧着によって一体化し、一体化した組みおよび柱状スペーサを積層して再び熱圧着することによって一体化された燃料電池スタックを製造してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
図9は、実施例1の燃料電池の分解斜視図を示している。まず、次のようにしてアノード集電層を作製した。外形25×30mm、厚さ300μmの耐硫酸性ステンレスSUS316L製平板に、エッチング加工により、300μm幅(直径)の貫通孔909を600μmピッチで一列に外形の長手方向に向かって空けた。同時にエッチング加工により、200μmの深さで、幅が500μmの溝を掘り、燃料流路908を形成した。貫通孔の端と、溝のエッジ間の間隔を左右それぞれ150μmずつ設け、溝と貫通孔のラインを1100μmピッチで平行にレイアウトした。
図9は、実施例1の燃料電池の分解斜視図を示している。まず、次のようにしてアノード集電層を作製した。外形25×30mm、厚さ300μmの耐硫酸性ステンレスSUS316L製平板に、エッチング加工により、300μm幅(直径)の貫通孔909を600μmピッチで一列に外形の長手方向に向かって空けた。同時にエッチング加工により、200μmの深さで、幅が500μmの溝を掘り、燃料流路908を形成した。貫通孔の端と、溝のエッジ間の間隔を左右それぞれ150μmずつ設け、溝と貫通孔のラインを1100μmピッチで平行にレイアウトした。
次に、厚さ45μmのレジスト樹脂からなるドライフィルムをアノード集電体810に全面ホットラミネートし、フォトレジストマスクを用いて、露光後、現像、350℃でキュアーすることにより燃料透過層を形成した。燃料透過層は、燃料流路908の幅500μmに対し、650μmの幅を有しており、燃料流路の溝を塞ぐように形成した。この際、燃料透過層が左右75μmずつ溝からはみ出るようにした。ついで、燃料透過層の真ん中に、10μm幅の複数の開孔を600μmピッチで、長手方向に一列に設けた。
次に、親水性多孔質層を次のようにして作製した。炭素粒子の表面にカルボン酸基がついた東海カーボン株式会社製のアクアブラック001と、20wt%のナフィオンのアルコール溶液(アルドリッチ社製)と、イオン交換水と、イソプロパノールと、ジルコニアビーズとを所定の割合で、PTFE製の容器に入れ、攪拌脱泡機を用いて50rpmで50分間の混合を行ない、ジルコニアビーズを除去して親水性多孔質用ペーストを作製した。このペーストを燃料透過層が形成されたアノード集電体910上に50μmの厚さで塗布し、80℃の乾燥機で乾燥させ、親水性多孔質層を形成した。
次に、Pt担持量32.5wt%、Ru担持量16.9wt%のPt−Ru粒子とカーボン粒子とからなる触媒担持カーボン粒子(TEC66E50、田中貴金属社製)と、20wt%のナフィオンのアルコール溶液(アルドリッチ社製)と、イオン交換水と、イソプロパノールと、ジルコニアビーズとを所定の割合で、PTFE製の容器に入れ、攪拌脱泡機を用いて50rpmで50分間の混合を行ない、ジルコニアビーズを除去し、アノード触媒ペーストを作製した。また、Pt担持量46.8wt%のPt粒子とカーボン粒子とからなる触媒担持カーボン粒子(TEC10E50E、田中貴金属社製)を用いて、アノード触媒ペーストと同様に、カソード触媒ペーストを作製した。
電解質膜901として25×25mm、厚み約175μmのナフィオン117膜(デュポン社製)を用い、当該電解質膜901に、転写法により、アノード触媒層(図示せず)とカソード触媒層(903)を23×23mmの大きさで形成した。アノード触媒層の厚みは100μmとし、カソード触媒層の厚みは50μmとした。
カソード集電体911としては線形70μm、80メッシュの平織り金メッシュを用いた。また、片面にフッ素系の樹脂と炭素粒子とからなる層で撥水処理された300μmの厚みのカーボンペーパーであるGDL35BC(SGLカーボンジャパン株式会社製)を23mm×23mmの大きさにし、カソードガス拡散層905として用いた。
下からアノード集電体910、燃料透過層、親水性多孔質層、アノード触媒層、電解質膜901、カソード触媒層903、カソード集電体911、カソードガス拡散層905の順に積層した。50mm×50mmの正方形型の貫通穴を有する100mm×100mm、厚さ0.75mmの額縁状のテフロンスペーサ(テフロン(登録商標))の該貫通穴に、この積層体を設置した。これらを100mm×100mm、厚み3mmのステンレス板で挟んだ後、ステンレス板の厚み方向に130℃、5kgf/cm2で2分間熱圧着し、積層体を一体化し、燃料電池を作製した。具体的には、積層した各層の界面はアンカー効果、または触媒層に含まれるナフィオンの粘着力などで接合されている。
次に、燃料供給チューブ920としての外径2.5mmφ(内径1.5mmφ)のシリコンチューブ(株式会社テックジャム製ST1.5−2.5)に25mmの切れ目を長手方向に入れ、該チューブの中心部までアノード集電体910の流路の端部が開いた面をそれぞれ差し込んだ。シリコン系樹脂のシール剤(コニシ株式会社製バスボンド)で隙間を埋め、乾燥させることで、燃料供給の接続部を形成した。こうして、燃料電池を作製した。
ポンプを用いて、10Mのメタノール水溶液を0.5cc/minの速度で供給して発電させたところ、最大出力密度35mW/cm2が得られた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
101,201,401,501,601,701,801,901 電解質膜、102,202,402,502,602,702,802 アノード触媒層、103,203,403,503,603,703,803,903 カソード触媒層、104,204,404,504,604,704,804 アノード集電層、105,205,405,505,605,705,805,905 カソードガス拡散層、106,206,406,506 カソード集電層、107,109,207,209,407,409,507,909 貫通孔、108,208,408,508,608,708,808,908 燃料流路、110,210,410,510,610,710,810,910 アノード集電体、111,211,411,511,911 カソード集電体、212,412,512,612,712,812 燃料透過層、420,520,620,720,820 親水性多孔質層、530,630,730,830 撥水性多孔質層、600a,800b 第2の燃料電池、600b,800a 第1の燃料電池、600c 第1の介在層、640,840 柱状スペーサ、650,850 空洞部、800c 第2の介在層、920 燃料供給チューブ、120,220,430,540,660,760,860 接着層。
Claims (22)
- 電解質膜と、前記電解質膜を狭持するアノード触媒層およびカソード触媒層とを備え、少なくともアノード極側にアノード集電層を備える燃料電池であって、
前記アノード集電層は、前記アノード触媒層に燃料を供給するための燃料流路と、前記アノード触媒層における反応により生じる反応生成物を排出するための貫通孔とを有する燃料電池。 - 前記燃料流路は、前記アノード集電層の、前記アノード触媒層側の面に形成された1または2以上の溝から構成される請求項1に記載の燃料電池。
- 前記燃料を透過し得る層であって、前記溝の開口部を覆うように形成される層を有する請求項2に記載の燃料電池。
- 前記燃料を透過し得る層は、感光性樹脂からなる請求項3に記載の燃料電池。
- 前記アノード触媒層と前記アノード集電層との間に、親水性を有する多孔質層をさらに備える請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池。
- 前記アノード触媒層と前記燃料を透過し得る層との間に、親水性を有する多孔質層を備える請求項5に記載の燃料電池。
- 前記アノード集電層の前記アノード触媒層側と反対側の面、および/または前記貫通孔内に撥水性を有する多孔質層を備える請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池。
- カソード極側にカソード集電層および/またはカソードガス拡散層をさらに備える請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池。
- 第1の燃料電池と第2の燃料電池とを少なくとも有する燃料電池スタックであって、
前記第1の燃料電池は、請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池であり、
前記第1の燃料電池と前記第2の燃料電池とは、前記第1の燃料電池のアノード極側と、前記第2の燃料電池のカソード極側とが対向するように積層されている燃料電池スタック。 - 前記第1の燃料電池と前記第2の燃料電池とは、第1の介在層を介して積層されており、
前記第1の介在層は、1または複数の空洞部を有し、
前記第1の燃料電池が有する少なくとも1つの前記貫通孔は、前記空洞部と連通している請求項9に記載の燃料電池スタック。 - 第1の燃料電池と第2の燃料電池とを少なくとも有する燃料電池スタックであって、
前記第1の燃料電池および前記第2の燃料電池は、請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池であり、
前記第1の燃料電池と前記第2の燃料電池とは、前記第1の燃料電池のアノード極側と、前記第2の燃料電池のアノード極側とが対向するように、かつ、第2の介在層を介して積層されており、
前記第2の介在層は、1または複数の空洞部を有し、
前記第1の燃料電池が有する少なくとも1つの前記貫通孔および前記第2の燃料電池が有する少なくとも1つの前記貫通孔は、それぞれ前記空洞部と連通している燃料電池スタック。 - 前記第2の介在層は、前記貫通孔から排出される前記反応生成物中の有機化合物成分を吸着する材料を含有する請求項11に記載の燃料電池スタック。
- 前記第2の介在層は、前記貫通孔から排出される前記反応生成物中の有機化合物成分を燃焼させるための触媒を含有する請求項11または12に記載の燃料電池スタック。
- 請求項1に記載の燃料電池の製造方法であって、
集電体に燃料流路と貫通孔とを形成して、アノード集電層を得る工程と、
アノード触媒層およびカソード触媒層を形成する工程と、
少なくとも前記アノード集電層、前記アノード触媒層、電解質膜、および前記カソード触媒層をこの順で積層し、一体化させる工程と、を含む燃料電池の製造方法。 - 前記一体化は、熱圧着により行われる請求項14に記載の燃料電池の製造方法。
- 請求項8に記載の燃料電池の製造方法であって、
集電体に燃料流路と貫通孔とを形成して、アノード集電層を得る工程と、
アノード触媒層およびカソード触媒層を形成する工程と、
少なくとも前記アノード集電層、前記アノード触媒層、電解質膜、前記カソード触媒層、ならびにカソードガス拡散層および/またはカソード集電層を積層し、一体化させる工程と、を含む燃料電池の製造方法。 - 前記一体化させる工程において、前記アノード集電層、前記カソード集電層、または前記カソードガス拡散層のうちのいずれかの層の少なくとも一方の面に接着層が形成され、熱圧着により前記接着層を介して前記いずれかの層とそれに隣接する層とが一体化される請求項16に記載の燃料電池の製造方法。
- 前記接着層は、親水性を有する多孔質層である請求項17に記載の燃料電池の製造方法。
- 前記接着層は、撥水性を有する多孔質層である請求項17に記載の燃料電池の製造方法。
- 前記接着層は、導電性を有する請求項17〜19のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
- 前記接着層は、高分子の接着剤と導電性粒子との混合物からなる請求項17〜20のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
- 前記アノード集電層を得る工程の後に、燃料を透過し得る層を形成する工程をさらに備え、
該工程は、感光性樹脂からなるフィルムを前記アノード集電層上に積層した後、前記燃料流路上の感光性樹脂以外の感光性樹脂のうち少なくとも一部を除去する工程を含む請求項14〜21のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
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