JP2009021017A - 蓄電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも1つのガスフィルターを介し排気せしめるガス排出口を具備し、更に、各セル室内の電解液が外部へ漏れ出ることを防止するエアロック機構を具備した蓄電池において、各排気筒3の外周に複数個の電解液環流孔31を穿設し、更に該排気筒と該還流孔を囲繞し且つ該蓋板から下垂突出する筒体を設けると共に、該排気筒の該蓋板の裏面より下方の下部筒体を透孔や切欠きのない周側壁20bに形成したことを特徴とする蓄電池。
【選択図】図5
Description
即ち、該特許文献1に記載の蓄電池は、電槽に施される蓋本体に、電槽のセル室に対応してガス排気筒が蓋本体を貫通して形成され、その排気筒の外周にこれを囲む隔壁に上蓋の裏面に設けた囲繞隔壁を当接されて成るエアロック機構を具備しており、これにより、横転時、各セル室から上蓋裏面に流出した電解液が該囲繞隔壁内から外部に漏れ出ないようにし、その転倒状態から該蓄電池を正立状態に戻した時は、該囲繞隔壁内の電解液は該排気筒外周の開口部を介し各セル室内へ還流するように構成されている。
本発明は、かゝる課題を解消し、上記の要望を満足した蓄電池を提供する。
更に、本発明は、上記の蓄電池において、請求項2に記載の通り、該排気筒は、そのガス排出側の上端の開口面は傾斜面に形成すると共に、そのガス流入側の下端の開口面を傾斜面に形成したことを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、該排気筒のガス排出側の上端開口面を傾斜面に形成し、そのガス流入側の下端開口面を傾斜開口面に形成したので、エアロック効果が向上する。また、ガス流側の下端開口面を傾斜開口面とすることにより、該下端に液膜の形成が防止されるので、正立時の排気や倒立から正立状態に戻したときの液還流が支障なく円滑に行うことができる。
図1は、合成樹脂成形体から成る方形箱形の蓋本体の上面図を示す。参照符号1で示す該蓋本体の蓋板1aの上面の一部を、該蓋本体1が施される電槽の内部を仕切壁により区画形成されセル室の数に相当する数の、図示の例では、6個のセル室に跨る面域を底面とする長方形の凹面1a1に成形し、その凹面の空間内に、次のような排気構造を構成する。即ち、その長方形の凹面1a1空間内に、その四周内側壁面に沿い、且つその凹面空間1a1の底面、即ち、該蓋板1aの上面から所望の高さの方形の四周囲枠2を突設する。その高さは、その上端が図示の例では、該凹部空間1a1の左右に形成した後述する筒状のガス排出口を嵌装するための凹溝1b,1bの底面と同じ或いはそれより高い高さとした。更に、該蓋板1aの上面に、該四周囲枠2で囲繞される凹部空間内に、該電槽の内部を区画形成された6個のセル室40b,40b,…に対応する位置で、該蓋板1aに、各セル室に連通する排気孔3a及び注液口4を穿設し、その夫々の外周に、該蓋板1aを貫通する排気筒3と該蓋板1aの底面から突出する注液筒4aの一組ずつを配設する。各排気筒3は、該四周囲枠2の高さよりも高い適当な高さに突設せしめ、各注液筒4aは、該四周囲枠2の高さと同じ高さに突設せしめた。
更に、該四周囲枠2内には、下記するように6つの夫々独立した排気通路を形成した。即ち、該四周囲枠2内に、各相隣る排気筒3,3間を隔離すると共に各排気筒3を囲繞する隔壁5a,5a,…を該四周囲枠2と同じ高さに突設し、6個の排気筒3,3,…の夫々が互いに連通することなく独立した6個の排気通路6a,6a,…を区画形成した。更に、各独立した排気通路6a内に、各独立した注液筒4aの側面から該排気筒3の側方を横切り、該四周囲枠2の一方の長辺側枠2aの近傍まで延び、且つ該四周囲枠2aと同じ高さの隔壁7aを突設し、これにより、各該排気通路6aを該排気筒3側に、これを囲繞する小室に形成された内側通路6a1と該隔壁7aと該長辺側枠2aの内側面との間に存せしめた間隙8aを介して該内側通路6a1と連通する外側の通路6a2とに区分した。更に、その小室に形成された内側通路6a1内に、該長辺側枠2aの内側面から該排気筒3と該隔壁7aとの間に延び且つ該四周囲枠2と同じ高さの隔壁9aを突設し、これにより、電槽内の各セル室から該排気筒3を介し内側通路6a1に進入したガスが、直接、該間隙8aから該外側通路6a2へ排出されることが妨げられ、該隔壁9aと該隔壁7aとの間に形成された通路6a3を通過した後、該間隙8aから該外側通路6a2に排出せしめるように、その通過距離を延長して、電解液ミストの捕集効果を高めるようにした。尚また、該隔壁7aの外側面から側面に該外側通路6a2内へ突設して、該隔壁7aと同じ高さの防沫壁10aを突設した。該防沫壁10aは、外側通路6a2内に突出するようにその複数枚を配設してもよい。
図面で、11は該蓋本体1が施される電槽の仕切壁に対応して該蓋本体1の裏面から下垂突出させた仕切壁、12は正極端子、13は負極端子、14は比重液面表示栓を示す。
該上蓋20は、蓋板20aとその四周縁から所望高さ下向きに延びる四周側壁20bとから成り、その四周側壁20bの下端は、該上蓋20を該蓋本体1の該四周囲枠2に施されるとき、該四周囲枠2とその外側の該凹面1a1の四周内面との間の空隙に挿入される外側壁20b1と、該四周囲枠2の上端に当接する内側の四周側壁20b2とから成る嵌合係止用段差を有する下端に形成されている。かくして、該上蓋20は、該蓋本体1の該四周囲枠2の上端部に当接係合し、熱融着、接着により互いに結着されるようにした。該蓋板20aには、該蓋本体1上に載せたときに、該蓋本体1の夫々の注液筒4a,4a,…に対応する位置に6個の注液口が穿設されており、更に、該上蓋の裏面の凹状空間内に、蓋本体1の裏面に設けた6つの夫々独立した排気通路6a,6a,…に対応する夫々独立した排気通路を下記のように形成した。
即ち、更に詳細には、その蓋板20aの裏面には、該蓋本体1の該四周囲枠2内に配設した6つの注液口4,4,…と注液筒4a,4a,…に対応する位置に、6つの注液口4,4,…とその外周縁に6つの注液筒4b,4b,…を該四周側壁20b1と同じ高さに突出せしめて配設し、更に、該蓋本体1の該四周囲枠2内で該蓋板1aの上面から突出せしめた囲繞隔壁5a,5a,…に対応する位置に囲繞隔壁5b,5b,…を該四周側壁20b2と同じ高さに突出せしめて配設し、これにより、該蓋本体1に形成された夫々独立した排気通路6a,6a,…に対応する夫々独立した排気通路6b,6b,…が形成されるようにした。更に、該蓋本体1に配設した該隔壁7aに対応する位置に隔壁7b、該隔壁9aに対応する位置に隔壁9b及び該隔壁7aの側面に付設した防沫壁10aに対応する位置に防沫壁10bを夫々その蓋板20aの裏面から該四周側壁20b2と同じ高さに突出して配設し、これにより、蓋本体1に形成された間隙8a、小室に形成された内側通路6a1及び外側通路6a2に対応する位置に、間隙8b、小室に形成された内側通路6b1及び外側通路6b2を夫々形成せしめた。
即ち、該蓋本体1の該蓋板1aに、該蓋板1aを貫通し、電槽40の各セル室40b内と該上蓋20の裏面の凹面空間内に連通する該排気筒3の外周にこれを囲むように複数個の電解液の液還流孔を、図示の例では4個の液還流孔31,31,…を穿設した。
かくして、各排気通路6aの各小室に形成された内側通路6a1は、該環状隔壁33aをめぐる迂回通路に形成される。而して、図1、図5に明示のように、夫々の環状隔壁33a,33a,…の該切欠口34,34,…を該長辺側壁2a,2a,…に向けて配設したときは、該排気筒3から排出されるガスは、その長辺側壁2a,2aに衝突後、夫々の環状隔壁33a,33a,…の周側壁に沿い迂回した後、夫々の外側通路6a2,6a2,…に進入するようになるので、ミストの捕集性能を更に向上せしめることができるようにした。
また、該蓋本体1の蓋板1aから上面に突設した環状隔壁33aの高さ、従って、該環状隔壁33aに上端を開口して切り欠いた矩形状などの切欠口34の上面開口端34aの高さは、該排気筒3の該排気孔3aの上端の傾斜開口面3a11の下端と同じ高さ或いはそれより低い位置に設定することが好ましい。尚又、該排気筒3の下端の開口面3a21を傾斜面とすることが好ましい。このようにして、蓄電池にエアロック機構を具備せしめた。
また、該排気筒3の小径の上部筒体3Aの上端開口面3a11と大径の下部筒体3Bの下端開口面3a21を夫々傾斜開口面に形成し、該上部筒体3Aと該下部筒体3Bの中間部3Cの外周面は、図5に明示のように、下向きの傾斜面に形成することにより、エアロック効果を向上する。また、特に該下部筒体3Bの下端を傾斜開口面3a21とすることにより、該下端面に液膜形成が防止できるので、蓄電池の正立状態における排気及び横倒しや倒立状態から成立状態に戻したときの液還流が支障なく円滑に行うことができる。
図面で32は、図4及び図6に示すように、前記の該排気筒3と液還流孔31,31,…を囲繞し、且つ該蓋本体1の蓋板1aからセル室40b内に下垂する筒体を示し、該筒体32により防沫効果をもたらす。尚、該下垂筒体32の一部には、下端に開口する切欠口32aを設けてもよい。
図示の実施形態に示す本発明の蓄電池と、比較のため、本発明の該蓄電池の該排気筒3の下部筒体3Bに、その長さ全長に亘り下端に開口する長矩形状の切欠部を形成して作製した従来型の蓄電池とを用意し、その両蓄電池を倒立させ、その倒立状態に30分放置した後、正立状態に戻し、その時点から該上蓋の凹部空間に溜まっている電解液がセル室に還流して空となるまでの時間を測ったところ、従来型の蓄電池では30秒かかったが、本発明の蓄電池では10秒と3分の1に短縮することができた。
1a 蓋板
3 排気筒
3a 排気孔
20 上蓋
23 ガス排気口
33a 環状隔壁
33b 環状隔壁
34 切欠口
35 コップ状被覆部
S1 環状空間
S2 空隙
S3 コップ状空間
3b 排気筒の下部の周側壁
3a1 上端開口
3a2 下端開口
Claims (2)
- 内部を仕切壁により区画された複数のセル室を有する電槽の上面に、蓋板を貫通して形成したその夫々のセル室に連通する夫々の排気筒と相隣る排気筒間を隔離し且つ囲繞する囲繞隔壁により夫々独立した排気通路を形成した蓋本体を気密に施し、該蓋本体の上面に、該蓋本体の夫々の独立した排気通路に対応して夫々独立した排気通路を裏面に設けた上蓋を気密に施して成る二重蓋構造から成ると共に、少なくとも1つのガスフィルターを介し排気せしめるガス排出口を具備し、更に、各セル室内の電解液が外部へ漏れ出ることを防止するエアロック機構を具備した蓄電池において、各排気筒の外周に複数個の電解液環流孔を穿設し、更に該排気筒と該還流孔を囲繞し且つ該蓋板から下垂突出する筒体を設けると共に、該排気筒の該蓋板の裏面より下方の下部筒体を透孔や切欠きのない周側壁に形成したことを特徴とする蓄電池。
- 該排気筒は、そのガス排出側の上端の開口面は傾斜面に形成すると共に、そのガス流入側の下端の開口面を傾斜面に形成したことを特徴とする請求項1に記載の蓄電池。
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