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JP2009015289A - 反射防止フィルム及びそれを用いたディスプレイ用前面板 - Google Patents

反射防止フィルム及びそれを用いたディスプレイ用前面板 Download PDF

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JP2009015289A JP2007332739A JP2007332739A JP2009015289A JP 2009015289 A JP2009015289 A JP 2009015289A JP 2007332739 A JP2007332739 A JP 2007332739A JP 2007332739 A JP2007332739 A JP 2007332739A JP 2009015289 A JP2009015289 A JP 2009015289A
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智生 稲倉
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Abstract

【課題】ポリエステル基材とハードコート層の間に易接着化のためのプライマー層がなく、干渉斑が少なく、反射防止性能が優れ、高い耐傷性を有する反射防止層を備えた反射防止フィルム及びそれを用いたディスプレイ用前面板を提供する。
【解決手段】ポリエステル基材10と、該ポリエステル基材10の一方の主面側10aにウエットコーティング法で配置された反射防止層とを含む反射防止フィルムであって、前記反射防止層は、前記ポリエステル基材10側から、ハードコート層11と該ハードコート層よりも上側に配置された低屈折率層12とを含み、前記ハードコート層11は、前記ポリエステル基材10上に直接設けられており、前記ハードコート層は金属酸化物を含み、該金属酸化物の割合が20体積%〜42体積%である反射防止フィルム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、反射防止層を備えた反射防止フィルム及びそれを用いたディスプレイ用前面板に関する。
近年、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイパネル(PDP)等に代表される高精細かつ大画面ディスプレイの開発が急速に進んでいる。ディスプレイの表示面には、その視認性を高めるために、画面への蛍光灯など外光の映り込みを防止するため反射防止機能を有する反射防止層を表面に配置する必要がある。
反射防止層の形成方法としては、ディスプレイ表面に無機金属を蒸着又はスパッタリングする、いわゆるドライコーティング法、及び低屈折率材料等を溶液や分散液などの液状で基材に塗布し、乾燥させ、必要に応じて硬化させて反射防止機能を有するフィルムなどを製造するウエットコーティング法などが知られている。近年のディスプレイの大型化に伴い、Roll-to-Roll(ロールツウロール)で安価にかつ大型化にも対応しやすいウエットコーティング法が主流になりつつある。すなわち、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイパネル(PDP)等に代表される高精細かつ大画面ディスプレイを用いたテレビジョンなどの価格競争は国際的にも熾烈なものであり、無機金属の蒸着又はスパッタリングでは生産性も悪く、またコストが高くなる。安価にかつ大型化にも対応しやすいウエットコーティング法が主流になりつつあるが、ウエットコーティング法で製造した反射防止フィルムにおいても更なるコストの低減が常に要求されている。従ってウエットコーティング法においても、同じ機能を具備させた光学フィルム、例えば反射防止フィルムなどを製造する場合には、製造工程を少なくできる反射防止フィルム、具体的には、より形成する層や加工工程が少なくて製造可能でしかも必要な機能・品質を備えた反射防止フィルムの方がコスト低減で有利になる。
ウエットコーティング法で作られる反射防止層には、透明基材フィルム上に、基材自体の硬度を高めるためのハードコート層、その上に屈折率の異なる層を単層または複層をそれぞれ約100nm前後の膜厚で形成された、反射防止フィルムがある(特許文献1)。
また、透明基材フィルムとして、ポリエステル樹脂フィルム、特にポリエチレンテレフタレート(PET)の二軸延伸フィルムがよく用いられる。二軸延伸PETフィルムは、透明性を有し、優れた機械的性質、耐燃性または耐薬品性等を有するため上記の反射防止フィルムの基材フィルムとして、需要の伸びは著しい。
しかしながら、こうしたポリエステル基材は一般に反射防止層との密着性を良好に保つことは困難であり、例えば透明基材として二軸延伸PETフィルムを用いる際、PETフィルムと反射防止層との密着性を高めるため、PETフィルムの表面に易接着層とも言われている易接着性を付与するためのプライマー層(アンカーコート層とも言われる。以下、易接着性を付与するためのプライマー層を、特に断らない限り単に「プライマー層」と略称する)を設けることがほとんどである。すなわち、PETフィルム上にウエットコーティング法で反射防止層を形成する場合には、現実の生産では、例えば、後述する特許文献2の[0032]や特許文献3の[0077]〜[0079]、特許文献4の[0024]、特許文献5の[0004]、特許文献6の[0003]などに記載されたように、PETフィルムの少なくとも反射防止層を形成する主面側には、易接着層としてプライマー層を形成するか、それが形成されているPETフィルムが用いられているのが現状である。
しかしながら、基材上に設けられた各層の膜厚と屈折率の関係が非常に重要な反射防止層において、プライマー層も反射防止性能に大きく影響を及ぼしており、基材・プライマー層・反射防止層の3つの屈折率と膜厚を考慮して設計する必要がある(特許文献2乃至特許文献4)。
しかし、この光学設計は難しく、干渉斑の発生を抑えることが困難である。また、ハードコート層、低屈折率層以外にプライマー層を設けることは、製造工程が増えることになり、市場の低コスト要求への対応が難しくなる。
プライマー層を設ける以外の方法として、ポリエステル基材にコロナ処理、プラズマ処理などの易接着化表面前処理(「易接着化表面前処理」とは、別途プライマー層などの新たな層を形成するのでなく、基材の表面を改質することによって接着性を改良しようとする処理)を施すことも提案されているが、コロナ処理やプラズマ処理だけでは、十分な密着性を出すことは難しい(特許文献5)。
一方、ハードコート層形成に特定の樹脂を用いることで、プライマー層を設けずにポリステル樹脂基材との密着性を高めることが提案されている(特許文献6)。しかし、この方法では基材とハードコート層との接着性は十分とはいえない。
特開2002−200690号公報 特開2003−177209号公報 特開2004−345333号公報 特開2006−258897号公報 特開2006−235125号公報 特開2005−196065号公報
そこで、本発明は反射防止層が形成される主面側にプライマー層を有さないポリエステル基材を用いる場合であっても、ポリエステル基材と反射防止層との接着性を確保することができ、かつ干渉斑の発生を防ぐことで優れた反射防止性能を有する反射防止フィルム並びに前記反射防止フィルムを用いたディスプレイ用前面板を提供することを目的とする。
(1)前記課題を解決するために本発明の反射防止フィルムは、ポリエステル基材と、該ポリエステル基材の一方の主面側にウエットコーティング法で配置された反射防止層とを含む反射防止フィルムであって、
前記反射防止層は、前記ポリエステル基材側から、ハードコート層と該ハードコート層よりも上側に配置された低屈折率層とを含み、
前記ハードコート層は、前記ポリエステル基材上に直接設けられており、
前記ハードコート層は金属酸化物を含み、該金属酸化物の割合が20体積%〜42体積%である
ことを特徴とする。
(2)前記(1)項に記載の反射防止フィルムにおいては、前記反射防止層を配置する側の前記ポリエステル基材主面が、易接着化表面前処理がされていないポリエステル基材であることが好ましい。
(3)前記(1)又は(2)項に記載の反射防止フィルムにおいては、前記反射防止層が、JIS K5600−5−6に基づいて行う基盤目剥離試験において、前記ポリエステル基材から剥離が認められない反射防止フィルムであることが好ましい。
(4)前記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の反射防止フィルムにおいては、前記反射防止フィルムの380nm〜780nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1.0%以下であることが好ましい。
(5)前記(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の反射防止フィルムにおいては、前記ポリエステル基材の他方の主面側に、近赤外線吸収層が配置されていることが好ましい。
(6)また、本発明のディスプレイ用前面板は、基板上に、前記(1)〜(5)項のいずれか1項に記載された反射防止フィルムが配置されていることを特徴とする。
(1)本発明によれば、ポリエステル基材と反射防止層との密着性を確保でき、さらに干渉斑の発生を防ぐことが可能となり、反射性防止性能が優れる反射防止フィルムを提供することができ、しかも前記ハードコート層は、前記ポリエステル基材上に、易接着化のためのプライマー層を介することなく、直接設けられているので、プライマー層の形成を必要としないため安価な反射防止フィルムを提供することができる。しかも上記プライマー層がなくても、ポリエステル基材と反射防止層との密着性を確保できる。
(2)また、前記(1)項に記載の反射防止フィルムにおいて、前記反射防止層を配置する側の前記ポリエステル基材主面が、易接着化表面前処理がされていないポリエステル基材である本発明の好ましい態様とすることにより、易接着化表面前処理がされていなくてもポリエステル基材と反射防止層との密着性を確保できるので、易接着化表面前処理を省略してもよく、その分安価な反射防止フィルムを提供することができる。(尚、請求項1に係る本発明においては、易接着化表面前処理が施されたポリエステル基材を使用することを排除するものではない。)
(3)また、前記(1)又は(2)項に記載の反射防止フィルムにおいて、前記反射防止層が、JIS K5600−5−6に基づいて行う基盤目剥離試験において、前記ポリエステル基材から剥離が認められない本発明の好ましい態様とすることにより、反射防止層の剥離が生じない、品質信頼性の優れた反射防止フィルムを提供することができる。
(4)また、前記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の反射防止フィルムにおいて、前記反射防止フィルムの380nm〜780nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1.0%以下である本発明の好ましい態様とすることにより、干渉斑の発生が少ない反射防止フィルムを提供することができる。
(5)また、前記(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の反射防止フィルムにおいては、前記ポリエステル基材の他方の主面側に、近赤外線吸収層が配置されている本発明の好ましい態様とすることにより、この近赤外線吸収層が設けられている反射防止フィルムを大型テレビをはじめ種々の電子機器の表示パネルとして用いられているプラズマディスプレイパネル(PDP)の前面に設けることにより、これらの電子機器使用中にPDP前面から発生する不要な近赤外線を遮蔽するフィルターとしての機能を更に発揮でき、当該近赤外線が漏れることによる周辺の電子機器、例えば、テレビやエアコンなどの誤動作を生じさせるといった問題を防止するのに好適で且つ反射防止機能を有する反射防止フィルムを提供できる。
(6)また、本発明のディスプレイ用前面板は、基板上に、前記(1)〜(5)項のいずれか1項に記載された反射防止フィルムが配置されているので、よりコストが安いディスプレイ用前面板を提供でき、且つ、反射防止フィルム層に関し、前記(1)〜(5)項のそれぞれに対応した機能が発揮されるディスプレイ用前面板を提供できる。
本発明の反射防止フィルムにおいて用いるポリエステル基材は、可視光領域の光透過率が80%以上であることが好ましく、88%以上がより好ましい。また、ヘイズは2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがより好ましい。ポリエステル基材としては、代表的な例としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタリンジカルボキシレートなどが挙げられるが、特に、安価であるが、透明性を有し、優れた機械的性質、耐燃性(燃えにくい性質)並びに耐薬品性等を兼ね備えている点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)の二軸延伸フィルムが好ましい。上記基材の厚さは、通常10〜500μm程度である。なお、上記ポリエステル基材を構成する樹脂には、酸化防止剤、難燃剤、耐熱防止剤、紫外線吸収剤、易滑剤等の添加剤が添加されていてもよい。
上記ハードコート層を形成するための塗料は、次に挙げる電離放射線硬化型樹脂、導電性及び/又は非導電性金属酸化物微粒子、光開始剤、溶剤などを組み合わせて調整してもよいし、すでにこれらが混合されて調合されインキ化されたものを用いてもよい。下記成分を用いてハードコート層塗料を調整するには、塗工液の一般的な調整方法に従って分散処理すればよい。
ハードコート層の屈折率は基材との屈折率の関係を考慮して設計する必要がある。例えば、ポリエステル基材であるPET基材の屈折率は約1.66前後である。上に設けるハードコート層の屈折率がこれに対して大きく異なると干渉斑の発生原因となる。通常ハードコート層と基材フィルムとの屈折率の差が±0.03以上であると干渉斑が発生するとされている。そこで上記ハードコート層の屈折率を1.60〜1.70にすることが好ましい。屈折率の大きい金属酸化物を加えることでハードコート層の屈折率が基材フィルムに近くなる。金属酸化物は1種類でもよいし2種類以上用いてもよい。
また、本発明の反射防止フィルムにおいては、前記反射防止フィルムの380nm〜780nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1.0%以下とすることにより、干渉斑の発生が少ない反射防止フィルムを提供することができる。そのためには、上述したように、ポリエステル基材の屈折率とその上に設けられるハードコート層の屈折率との差が±0.03より小さくなるようにすることが好ましく、ポリエステル基材の屈折率は簡単に変えることはできないので、通常、ハードコート層を構成する材料、すなわち、電離放射線硬化型樹脂、金属酸化物微粒子を選定して組み合わせることにより、ハードコート層の屈折率を調整することによって、得られる反射防止フィルムの380nm〜780nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1.0%以下とすることができる。
ハードコート層に用いる金属酸化物に導電性金属酸化物を用いることで、反射防止フィルムに帯電防止性能を併せて持たせることができる。1種類の導電性金属酸化物のみで規定の屈折率にするには、ハードコート層中の金属酸化物の含有量が多くなる場合がある。よって、この場合は金属酸化物を2種類以上にすることで、金属酸化物の含有量が多くなりすぎずに屈折率を高くできる。
また、ハードコート層は、電離放射線硬化型樹脂を含む樹脂を用いて形成されている。これにより、合理的にハードコート層を形成できる。
上記ハードコート層に含まれる金属酸化物としては、例えば、アンチモンドープスズ酸化物(ATO)、インジウムドープスズ酸化物(ITO)、リンドープスズ酸化物(PTO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、アンチモン酸亜鉛(ZnSb26)等を使用できる。この金属酸化物は、微粒子状のものが好適に使用され、その平均粒子径は、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、20nm以下が特に好ましい。この範囲内であれば、電離放射線硬化型樹脂中における分散性が向上し、塗膜形成時のヘイズが小さくなるからである。金属酸化物の平均粒子径の下限は、特に制限はないが、導電性発現や高屈折率発現の観点から2.0nm以上が好ましい。
なお、これら金属酸化物粒子の平均粒子径の測定は、金属酸化物粒子を含有する反射防止フィルムをマイクロトーム(microtome)でカットし、カットされたフィルム断面片の倍率20万倍のTEM(透過型電子顕微鏡)写真を撮影し、粒子300個の平均値を平均粒子径とする。撮影された粒子が丸形ではなく、長径と短径がある場合には、1粒子ずつ長径と短径を測定し、これらの平均を算出する。この平均値を300個の粒子について測定・算出し、平均粒子径とする。
そして、本発明で重要なことは、ハードコート層に対する金属酸化物の含有割合を20体積%〜42体積%、より好ましくは、25〜35体積%とすることである。ハードコート層における金属酸化物の含有割合を上記範囲とすることにより、ポリエステル基材のハードコート層を設ける側の主面にプライマー層を形成することなく、ポリエステル基材主面へのハードコート層の接着性を実用可能な強固なものとすることができ、塗膜としての強度も高いものとすることができる。ハードコート層に対する金属酸化物の割合が小さすぎると、その際の体積収縮が大きく、ポリエステル基材から剥がれやすくなってしまうと推定され、一方、ハードコート層に対する金属酸化物の割合が大きすぎると、塗膜としての強度が低下してしまうばかりでなく、あまりに多すぎると塗膜を形成することさえも困難となるので上記の範囲とすることによりプライマー層を形成することなく、ポリエステル基材主面へのハードコート層の接着性を実用可能な強固なものとすることができ、また、ポリエステル基材のハードコート層を設ける側の主面にプライマー層を設けていないので、干渉斑の発生を防ぐことが可能となり、反射性防止性能が優れる反射防止フィルムを提供することができる。
なお、上記金属酸化物の割合とは、ハードコート層に含まれる金属酸化物と樹脂固形分との体積総和に対する金属酸化物の体積を指す。体積比は金属酸化物と樹脂固形分との重量比と、各材料の比重文献値から計算で求められる。
上記ハードコート層を形成する電離放射線硬化型樹脂としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基を有するモノマー、それらのプレポリマー、ポリマーを用いることができる。これらは単独でも二種類以上を組み合わせても用いることができる。生産性及び硬度の両立の観点より、多官能モノマーやオリゴマーを用いることが好ましい。多官能モノマーやオリゴマーとしては、不飽和基を2つ以上有する多官能アクリル系モノマーやそのオリゴマーが好ましく用いられる。さらに、モノマーやオリゴマー分子中に水素結合を形成するような結合基や官能基を多く有していると、ポリエステル基材との密着性が向上する。また、ビスフェノールA変性(メタ)アクリレート等の高屈折率なモノマーやオリゴマーを用いることにより、ハードコート層の屈折率を高くすることができる。
多官能アクリル系モノマーやオリゴマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサントリメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート等の、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とから生成されるエステル類、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン等のビニルベンゼンおよびその誘導体等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいが、2種以上を組み合せて用いてもよい。なかでも、耐擦傷性をより高める観点から、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサアクリレートから選ばれる少なくとも1種が好ましい。ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、およびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートについては、膜強度を高める観点からは好ましい。ここで、“・・・(メタ)アクリレート・・・”は、“・・・アクリレート・・・”及び/又は“・・・メタクリレート・・・”を意味している。
上記ハードコート層に含まれる電離放射線硬化型樹脂を硬化させる際に、紫外線照射を行う場合には、ハードコート層の塗布液に光重合開始剤を添加する。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、べンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物、2、3-ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物などが用いられる。これらは単独でも、二種以上を組み合わせても使用できる。光重合開始剤の使用量は、通常、用いる電離放射線硬化型樹脂の質量に対し、1〜15質量%程度が好ましい。
上記ハードコート層の組成物のその他の成分として、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤及びレベリング剤などの添加剤を添加してもよい。また、ウエットコーティング法で成膜後乾燥させる限りは、任意量の溶媒を添加することができる。
ポリエステル基材の上にハードコート層を形成する方法については特に制限はなく、上記材料を含む塗布液をポリエステル基材上に塗布することにより形成できる。塗布方法も特に制限されず、例えば、ロールコート、ダイコート、エアナイフコート、ブレードコート、スピンコート、リバースコート、グラビアコート等の塗工法、又はグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷等の印刷法等を用いることができる。
上記ハードコート層の表面硬度は、JIS K5600で規定する鉛筆硬度試験による評価で、H以上が好ましく、2H以上であることがより好ましい。
また、ハードコート層の厚さは、0.3〜3.0μmが好ましく、0.3〜2.0μm
がより好ましく、0.3〜1.5μmがより好ましい。
ハードコート層の厚さが0.3μm未満では、硬度の維持が困難となる傾向になる。また、ハードコート層の厚さが3.0μmを超えると、クラックが生じたり、カール(フィルムの反り)が発生したり、反射防止フィルムの全光線透過率が低下したりしやすくなる傾向になり、その上、電離放射線硬化型樹脂の体積収縮が大きくなりポリエステル基材からハードコート層が剥がれやすくなってしまう傾向がある。従ってハードコート層の厚さは、上記の範囲が好ましい。
上記ハードコート層の上に配置される低屈折率層は、屈折率と膜厚の積である光学膜厚がλ/4(λ:人間の可視光の波長。特に人間の目の視感度が高い光の波長550nmに設定されることが多い)近傍となるように設定されると、反射率がより低くなり好ましい。また、低屈折率層の屈折率とハードコート層の屈折率との差が大きいほど、反射防止性は向上する。さらに、低屈折率層は、本実施形態の反射防止フィルムの最表面に位置させた場合には(すなわち、低屈折率層上に更に他の機能性層を設けない場合には)、強度と防汚性を有していることが好ましく、これらの観点からは、パーフルオロ基やポリジメチルシロキサン部位を含む樹脂を含むと良い。
上記低屈折率層を形成するための塗料は、次に挙げるようなバインダー樹脂形成用材料、低屈折率微粒子、光開始剤、溶剤などを組み合わせて調整してもよいし、すでにこれらが混合されて調合されインキ化されたものを用いてもよい。下記成分を用いて低屈折塗料を調整するには、塗工液の一般的な調整方法に従って分散処理すればよい。
上記低屈折率層を形成する材料としては、一般的に用いられている低屈折率層を形成する公知の材料を用いてよい。例えば、空隙を有するシリカやフッ化マグネシウム等の低屈折率無機微粒子とバインダー樹脂形成用材料を含む塗工液、あるいはフッ素系樹脂等を含有する塗工液用いることができる。
上記低屈折率層を形成するバインダー樹脂形成用材料としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基を有するモノマー、これらのプレポリマー、ポリマーの電離放射線硬化型樹脂を用いることができる。ここで“(メタ)アクリロイル基”は、“アクリロイル基”及び/又は“メタクリロイル基”を示す。また、熱硬化型バインダーを用いる場合、無機バインダーを用いても良い。無機バインダーとしては、例えば、シリカゾル等が挙げられる。シリカゾルとしては、例えば、ケイ素アルコキシドと酸触媒またはアルカリ触媒とを出発原料とするシリカゾルが挙げられる。ケイ素アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシランやテトラエトキシシラン等が用いられる。
上記低屈折率層に含まれる電離放射線硬化型樹脂を硬化させる際に、紫外線照射を行う場合には、低屈折率層用の塗布液に光重合開始剤を添加する。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、べンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物、2、3-ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物などが用いられる。これらは単独でも、二種以上を組み合わせても使用できる。光重合開始剤の使用量は、通常、用いる電離放射線硬化型樹脂の質量に対し、1〜15質量%程度が好ましい。
上記低屈折率層の組成物のその他の成分として、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤及びレベリング剤などの添加剤を添加してもよい。また、ウエットコーティング法で成膜後乾燥させる限りは、任意量の溶媒を添加することができる。
ハードコート層の上に低屈折率層を形成する方法については特に制限はなく、前述のハードコート層と同様に、上記材料を含む塗布液をハードコート層上に塗布することにより形成できる。
また、本発明の反射防止フィルムにおいては、上記透ポリエステル基材の他方の主面側に近赤外線吸収層をさらに配置することができる。これにより、本実施形態の反射防止フィルムをPDPの表面に配置すれば、プラズマ放電を起こした際に放出される不要な近赤外線が遮断され、周辺の電子部品を用いる機器に悪影響を与えることがなく、特にテレビやエアコン等のリモコンの誤動作を生じさせるといった問題が解消できる。
上記近赤外線吸収層の材料は、近赤外線を吸収する透光性を有する材料であれば特に制限されず、通常は、近赤外線を吸収する化合物を分散させた樹脂が用いられる。
上記近赤外線を吸収する化合物は、850〜1100nmの波長領域に最大吸収波長を有する化合物であることが好ましい。近赤外線吸収層が上記化合物を含んでいると、波長400〜850nmの可視光の透過率を大きく低減させることなく、波長領域850〜1100nmの近赤外線の透過率を低減させることが可能となる。これにより、本実施形態の反射防止フィルムをPDP等の近赤外線吸収フィルターとしても好適に用いることができる。
上記850〜1100nmの波長領域に最大吸収波長を有する化合物としては、例えば、アミニウム系、アゾ系、アジン系、アントラキノン系、インジゴイド系、オキサジン系、キノフタロニン系、スクワリウム系、スチルベン系、トリフェニルメタン系、ナフトキノン系、ジイモニウム系、フタロシアニン系、シアニン系、ポリメチン系等の有機色素を用いることができる。
上記近赤外線を吸収する化合物を分散させる樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、セルロース樹脂、ポリブチラール樹脂等を用いることができ、またこれらの樹脂の2種以上を組み合わせてポリマーブレンドとしても用いることができる。
ポリエステル基材の上に近赤外線吸収層を形成する方法については特に制限はなく、前述のハードコート層の場合と同様に上記材料を含む塗布液を基材に塗布することにより形成できる。近赤外線吸収層の厚さは、1〜10μmが好ましく、2〜7μmがより好ましい。厚さが1μm未満では、近赤外線の吸収が困難となる傾向になり、10μmを超えるとクラックが生じたり、カール(フィルムの反り)が発生したりする傾向があるので、近赤外線吸収層の厚さは、上記範囲が好ましい。
近赤外線吸収層には、PDPのネオン輝線スペクトル(オレンジ色)をカットする化合物を適宜添加することも可能である。これにより、PDPにおいて赤色をより鮮やかに発色させることができる。ネオン輝線スペクトルをカットする化合物としては、580〜620nmの波長領域に最大吸収波長を有する有機色素が使用でき、例えば、シアニン系、アズレニウム系、スクワリウム系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、オキサジン系、アジン系、チオピリウム系、ビオローゲン系、アゾ系、アゾ金属錯塩系、アザポルフィリン系、ビスアゾ系、アントラキノン系、フタロシアニン系等の有機色素を用いることができる。
上記近赤外線吸収層の厚さ、材料の種類、含有率等は、波長850〜1100nmの全領域において、反射防止フィルムの分光透過率が20%以下となるように適宜定めればよい。尚、近赤外線吸収層が設けられる側のポリエステル基材の主面には、易接着化のためのプライマー層を設けておくことは何ら差し支えなく、また、通常、プライマー層を設けておくことが好ましい。また、必要に応じて、近赤外線吸収層が設けられる側のポリエステル基材の主面は、コロナ処理、プラズマ処理などの易接着化表面前処理がされていてもよい。
以下、図面に基づき本発明を説明するが、上記実施形態で説明した事項と共通する事項については、その説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の反射防止フィルムの一例を示す断面図である。図1において、反射防止フィルム1は、ポリエステル基材10と、ポリエステル基材10の一方の主面10aにハードコート層11が易接着化のためのプライマー層などの中間層を介することなく直接設けられており、また、ハードコート層11の上に、低屈折率層12が設けられている。ハードコート層11と低屈折率層12とにより、反射防止層を形成している。
また、図2は、本発明の反射防止フィルムの別の一例を示す断面図である。図2に示した反射防止フィルム2は、ポリエステル基材10の他方の主面10bにプライマー層13を介して近赤外線吸収層14が設けられている点を除いて、その他の部分は図1の反射防止フィルムと同一なので、図1の反射防止フィルムと同一部分には同一の符号を付して重複説明を省略している。
尚、本発明においては、ハードコート層は、前記ポリエステル基材上に、易接着化のためのプライマー層を介することなく直接設けられていることが必要であるが、前記ポリエステル基材のハードコート層が設けられる側とは反対側の主面側には、例えば図2に示したように必要に応じて易接着化のためのプライマー層が設けられていてもよい。本発明において「ハードコート層が、ポリエステル基材上に直接設けられている」とは、易接着化のためのプライマー層が設けられていないだけでなく、他の層もハードコート層とポリエステル基材との間には設けられていないことを意味している。
但し、ハードコート層は、前記ポリエステル基材上に直接設けられていると言う点を除いては、その他、帯電防止層、高屈折率層、防汚層などの適宜の機能性層を要求に応じて、ハードコート層と低屈折率層の間に設けたり、低屈折率層の上に設けたりすることは、本発明の目的を阻害しない限り任意である。前記ポリエステル基材のハードコート層が設けられる側とは反対側の主面側には、本発明の目的を阻害しない限り図2に示したような近赤外線吸収層その他の粘着層や電磁波遮蔽層などの適宜の機能性層を要求に応じて設けることは何ら差し支えない。
以上のような本発明の反射防止フィルムは、例えば、大型テレビをはじめ種々の電子機器の表示パネルとして用いられているブラズマディスプレイパネル(PDP)や液晶ディスプレイなどの前面に設けて使用されるが、その場合、反射防止フィルムの反射防止層と反対側の主面がディスプレイ側になるようにして用いられる。
また、本発明のディスプレイ用前面板は、基板上に、前述したような本発明の反射防止フィルムが配置されているものからなる。
本発明のディスプレイ用前面板の基板としては、光学的に透明であり、ディスプレイを保護するために十分な強度を備えたものであればよく、特に限定するものではないが、例えば、ガラス基材、プラスチック基材などが用いられる。
基板の厚さもディスプレイの種類や基板の材質によって異なり、特に限定するものではないが、通常0.2〜20mm、好ましくは0.2〜15mmのものが用いられる。
基板への本発明の反射防止フィルムの接着は、適宜、接着剤あるいは粘着剤などで基板上に貼り合わせればよい。この場合も上記と同様に、本発明の反射防止フィルムは、その反射防止層と反対側の主面がディスプレイ用前面板の基板側になるように、基板に貼り合わせられる。
本発明のディスプレイ用前面板は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイパネル(PDP)等のディスプレイの表示面前面側に適用され、用いられる反射防止フィルムの構成層の種類に応じ、反射防止機能や、反射防止機能と近赤外線を遮蔽するフィルターとしての機能を発揮できるディスプレイ用前面板を提供できる。
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例における「部」は重量部を意味する。体積含率は金属酸化物と樹脂固形分との重量比と、各材料の比重文献値から計算で求めた。
(実施例1)
図2に示した反射防止フィルムと同様の構造の評価用の反射防止フィルムを下記のとおり作製した。
ポリエステル基材として、片面のみにアクリル系樹脂からなるシリカ含有プライマー層が形成された、紫外線吸収剤が添加されている厚さ100μmの紫外線カット性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(全光線透過率:92.0% 屈折率1.66)を準備した。そして
アンチモンドープ酸化スズ微粒子(三菱マテリアル製、平均粒子径20nm) 5.5部
酸化ジルコニウム微粒子(第一希元素製、平均粒子径10nm) 4.5部
Disperbyk-180(ビックケミー社製分散剤) 1.0部
アセチルアセトン 5.0部
プロビレングリコールモノメチルエーテル 30部
と直径0.3 mmのジルコニアビーズを容器に入れ、ペイントシェーカーで3時間分散した後、ジルコニアビーズを取り除いて、ATO/ZrO2重量比55:45の分散液を作製した。
この分散液に
ペンタエリスリトールトリアクリレート 2部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 2.7部
IRGCURE907(チバスペシャルティケミカルズ製光重合開始剤) 0.3部
を添加してハードコート層形成用塗料(以下、単にハードコート層用塗料と略称する)を調製した。
このハードコート層用塗料を上記プライマー層付透光性PETフィルムのプライマー層の設けられていない面側に、上記ハードコート層用塗料をマイクログラビアコータ(康井精機社製)を用いて塗布し、その後乾燥させた。続いて、塗膜に紫外線を500mJ/cm2の線量で照射して塗膜を硬化させ、厚さ1.5μmのハードコート層を形成した(塗膜中の金属酸化物の割合29vol% 塗膜の屈折率1.64)。
その後、中空シリカ微粒子分散電離放射線硬化型低屈折率塗料(触媒化成(株)製"ELCOM P−5013”)を上記のハードコート層の上に、マイクログラビアコータを用いて塗布して乾燥させた。その後、塗膜に紫外線を800mJ/cm2の線量で照射して塗膜を硬化させ、厚さ107nmの低屈折率層を形成した。
<近赤外線吸収層用塗料の作製>
下記材料を混合・攪拌して、近赤外線吸収層用塗料を作製した。
(1)アクリル樹脂"ダイヤナール"(三菱レイヨン社製):100部
(2)芳香族ジイモニウム色素"CIR−1085"(日本カーリット社製):6部
(3)シアニン部位・ジチオール金属錯体部位含有近赤外線吸収化合物"SD50−E0
4N"(住友精化社製、最大吸収波長:877nm):1部
(4)シアニン部位・ジチオール金属錯体部位含有近赤外線吸収化合物"SD50−E0
5N"(住友精化社製、最大吸収波長:833nm):1部
(5)メチルエチルケトン:125部
(6)トルエン:460部
次に、上記PET基材のプライマー層の上に、上記近赤外線吸収層用塗料を上記マイクログラビアコータを用いて塗布し、厚さが4μmになるように近赤外線吸収層を形成し、評価用の反射防止フィルムを作製した。
(実施例2)
アンチモンドープ酸化スズ微粒子(三菱マテリアル製、平均粒子径20nm) 6部
酸化ジルコニウム微粒子(第一希元素製、平均粒子径10nm) 4部
Disperbyk-180(ビックケミー社製分散剤) 1.0部
アセチルアセトン 5.0部
プロビレングリコールモノメチルエーテル 30部
と直径0.3mmのジルコニアビーズを容器に入れ、ペイントシェーカーで3時間分散した後、ジルコニアビーズを取り除いて作製した、ATO/ZrO2重量比60:40の分散液を使用して調整した。
この分散液に
ペンタエリスリトールトリアクリレート 1.7部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 1.6部
IRGCURE907(チバスペシャルティケミカルズ製光重合開始剤) 0.3部
を添加してハードコート層用塗料を調製した。
このハードコート用塗料を用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止層と近赤外線吸収層を形成して評価用の反射防止フィルムを作製した(ハードコート層中の金属酸化物の割合36vol% ハードコート層の屈折率1.68)。
(実施例3)
アンチモンドープ酸化スズ微粒子(三菱マテリアル製、平均粒子径20nm) 4.5部
酸化ジルコニウム微粒子(第一希元素製、平均粒子径10nm) 5.5部
Disperbyk-180(ビックケミー社製分散剤) 1.0部
アセチルアセトン 5.0部
プロビレングリコールモノメチルエーテル 30部
と直径0.3mmのジルコニアビーズを容器に入れ、ペイントシェーカーで3時間分散した後、ジルコニアビーズを取り除いて作製した、ATO/ZrO2重量比45:55の分散液を使用して調整した。
この分散液に
ペンタエリスリトールトリアクリレート 3部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 3部
IRGCURE907(チバスペシャルティケミカルズ製光重合開始剤) 0.5部
を添加してハードコート層用塗料を調製した。
このハードコート用塗料を用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止層と近赤外線吸収層を形成して評価用の反射防止フィルムを作製した(ハードコート層中の金属酸化物の割合24vol% ハードコート層の屈折率1.63)。
(実施例4)
アンチモンドープ酸化スズ微粒子(三菱マテリアル製、平均粒子径20nm) 6部
酸化ジルコニウム微粒子(第一希元素製、平均粒子径10nm) 4部
Disperbyk-180(ビックケミー社製分散剤) 1.0部
アセチルアセトン 5.0部
プロビレングリコールモノメチルエーテル 30部
と直径0.3mmのジルコニアビーズを容器に入れ、ペイントシェーカーで3時間分散した後、ジルコニアビーズを取り除いて作製した、ATO/ZrO2重量比60:40の分散液を使用して調整した。
この分散液に
ペンタエリスリトールトリアクリレート 1.9部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 1.9部
IRGCURE907(チバスペシャルティケミカルズ製光重合開始剤) 0.3部
を添加してハードコート層用塗料を調製した。
このハードコート用塗料を用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止層と近赤外線吸収層を形成して評価用の反射防止フィルムを作製した(ハードコート層中の金属酸化物の割合31vol% ハードコート層の屈折率1.66)。
(比較例1)
アンチモンドープ酸化スズ微粒子(三菱マテリアル製、平均粒子径20nm) 6.5部
酸化ジルコニウム微粒子(第一希元素製、平均粒子径10nm) 3.5部
Disperbyk-180(ビックケミー社製分散剤) 1.0部
アセチルアセトン 5.0部
プロビレングリコールモノメチルエーテル 30部
と直径0.3mmのジルコニアビーズを容器に入れ、ペイントシェーカーで3時間分散した後、ジルコニアビーズを取り除いて作製した、ATO/ZrO2重量比65:35の分散液を使用して調整した。
この分散液に
ペンタエリスリトールトリアクリレート 5部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5部
IRGCURE907(チバスペシャルティケミカルズ製光重合開始剤) 0.7部
プロビレングリコールモノメチルエーテル 13部
を添加してハードコート層用塗料を調製した。
このハードコート層用塗料を用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止層と近赤外線吸収層を形成して評価用の反射防止フィルムを作製した(ハードコート層中の金属酸化物の割合16vol% ハードコート層の屈折率1.59)。
(比較例2)
基材として、両面にシリカ含有ポリエステル系樹脂からなるプライマー層(屈折率1.58)が形成された、厚さ100μmの紫外線カット性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(全光線透過率:92.1%)を用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止層と近赤外線吸収層を形成して評価用の反射防止フィルムを作製した。
(比較例3)
アンチモンドープ酸化スズ微粒子(三菱マテリアル製、平均粒子径20nm) 10部
Disperbyk-180(ビックケミー社製分散剤) 1.0部
アセチルアセトン 5.0部
プロビレングリコールモノメチルエーテル 30部
と直径0.3mmのジルコニアビーズを容器に入れ、ペイントシェーカーで3時間分散した後、ジルコニアビーズを取り除いて作成した、ATO分散液を使用して調整した。
この分散液に
ペンタエリスリトールトリアクリレート 1.1部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 1.1部
IRGCURE907(チバスペシャルティケミカルズ製光重合開始剤) 0.15部
を添加してハードコート層用塗料を調製した。このハードコート用塗料を用いた以外は、実施例1と同様にして反射防止層と近赤外線吸収層を形成して評価用の反射防止フィルムを作製した(ハードコート層中の金属酸化物の割合45vol% ハードコート層の屈折率1.69)。
上記実施例1〜4及び比較例1〜3の反射防止フィルムの特性を下記のように評価した。
<屈折率>
各評価用の反射防止フィルムのハードコート層の屈折率を、屈折率測定装置"FilmTek3000"(SCI社製)により測定した。
<引っかき硬度(鉛筆法)>
各評価用の反射防止フィルムのハードコート層の引っかき硬度(鉛筆法)をJIS K5600−5−4:1999に基づき測定した。
<付着性>
JIS K5600−5−6:1999に準じ、付着性(クロスカット法)試験を行い、PET基材と反射防止層との接着性を評価した(但し、クロスカットで生じる四角形のパターン(碁盤目)が100個となるように切込みを入れた)。その結果を表1に示すが、表1では具体的には100個の碁盤目から剥離した箇所がなかったものを○、それ以外を×で表示した。
<反射率・視感度反射率>
分光光度計"Ubest V−570型"(日本分光社製)を用い、反射防止フィルムの視感度反射率を、反射防止層側と反対面側を紙やすりで削った後、黒の油性フェルトペンで黒く塗りつぶしてから、分光光度計"Ubest V−570型"(日本分光社製)を用い測定した。
<近赤外線透過率>
上記分光光度計を用いて、近赤外線吸収層を設けた後の反射防止フィルムについて、近赤外線吸収層側を入射光側として、850〜1100nmの近赤外線波長領域における透過率の最大値を測定した。その結果、実施例1〜4及び比較例1〜3の評価用の反射防止フィルムの近赤外線透過率は、すべて12%以下であった。
<ヘイズ>
日本電色工業株式会社製ヘイズメーターを用い測定した。
<表面抵抗値>
表面高抵抗率計"ハイレスタHT−20"(三菱油化社製)を用い、近赤外線吸収層を設けた後の各評価用の反射防止フィルムを用い、低屈折率層側の表面抵抗値を測定した。
近赤外線透過率を除く上記測定結果を表1に示す。
Figure 2009015289
表1から明らかなように、実施例1〜4の反射防止フィルムは、請求項1の構成要件を具備しない比較例1〜3の反射防止フィルムに比較して、硬度も硬く、密着性が良好で、380nm〜780nmにおける反射率の振幅の差の最大値が小さいことがわかる。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、上記以外の形態としても実施が可能である。本出願に開示された実施形態は一例であって、これらに限定されない。本発明の範囲は、上述の明細書の記載よりも、添付されている請求の範囲の記載を優先して解釈され、請求の範囲と均等の範囲での全ての変更は、請求の範囲に含まれるものである。
以上説明したように本発明は、本発明によると、干渉斑が少なく、反射防止性能が優れ、さらに高い耐傷性を有する反射防止層を備えた反射防止フィルムを提供できる。本発明の反射防止フィルムないしは前記反射防止フィルムを用いたディスプレイ用前面板を用いることで、各種ディスプレイ、特にPDPに好適な前面フィルターを提供できる。
本発明の反射防止フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の反射防止フィルムの別の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 反射防止フィルム
10 ポリエステル基材
11 ハードコート層
12 低屈折率層
13 プライマー層
14 近赤外線吸収層

Claims (6)

  1. ポリエステル基材と、該ポリエステル基材の一方の主面側にウエットコーティング法で配置された反射防止層とを含む反射防止フィルムであって、
    前記反射防止層は、前記ポリエステル基材側から、ハードコート層と該ハードコート層よりも上側に配置された低屈折率層とを含み、
    前記ハードコート層は、前記ポリエステル基材上に直接設けられており、
    前記ハードコート層は金属酸化物を含み、該金属酸化物の割合が20体積%〜42体積%である
    ことを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 前記反射防止層を配置する側の前記ポリエステル基材主面が、易接着化表面前処理がされていないポリエステル基材である請求項1記載の反射防止フィルム。
  3. 前記反射防止層が、JIS K5600−5−6に基づいて行う基盤目剥離試験におい
    て、前記ポリエステル基材から剥離が認められない、請求項1又は請求項2記載の反射防止フィルム。
  4. 前記反射防止フィルムの380nm〜780nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1.0%以下である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  5. 前記ポリエステル基材の他方の主面側に、近赤外線吸収層が配置されている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  6. 基板上に、請求項1〜5のいずれか1項に記載された反射防止フィルムが配置されていることを特徴とするディスプレイ用前面板。
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