JP2009091304A - アミン化合物混合体、電子写真感光体、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、複写機やプリンターの分野で用いられる電子写真方式の画像形成に用いる電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びこれに用いるアミン化合物混合体に関する。
現在、レーザプリンター等に代表される、光源としてレーザを用いる電子写真装置が用いられている。光源のレーザとしては、主に780〜800nmまたは680nmの波長の光を出す半導体レーザが用いられている。しかし、近年、出力画像の高画質、高解像度化の要望が強くなっており、これに対応すべく種々の試みがなされている。書き込み光のスポット径の小径化はその1つである。スポット径の小径化には、書き込み光源を短波長化することで理論上かなり小さくすることが可能であり、潜像の書き込み密度、すなわち解像度を上げることに非常に有利である。そのため、350〜500nmの領域のLDもしくはLED発振光源に対応した高感度、高安定な電子写真感光体の開発が望まれている。
この短波長光源に対応した電子写真感光体の開発要件の1つとしては、書き込み光源の350〜500nmの領域付近に吸収を持たない電荷輸送物質の開発が挙げられる。現在、電子写真感光体に用いられている電荷輸送物質の多くは短波長側に吸収を有しているので、短波長の光源で露光する電子写真感光体にこのような電荷輸送物質を用いると、感度が低下する。
この課題に対して、短波長の光源で露光する電子写真感光体に好適な電荷輸送物質としてトリアリールアミン化合物が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、この化合物は、通常の溶媒に対する溶解性が低く、バインダーとの相溶性も悪いため、電子写真感光体の感光層形成用塗布液は、保存安定性が悪く、保存中に結晶を析出しやすいので、この化合物を電子写真感光体に十分な濃度で充填することができず感度不良が発生したり、結晶性が高いためクラックが発生しやすく、耐久試験において膜欠陥の発生等による画質不良が発生したりする問題があった。
この対策として、数種類の化学構造の異なる電荷輸送物質を混合する方法が提案されている(例えば、特許文献3、4参照)。しかし、この方法は、溶解性は高められるものの、感度、高速応答性が低下する問題があった。化学構造が異なるため、化合物間の電荷の授受がスムーズでなく、電気特性の悪化を招いたものと考えられる。
特開2000−105475号公報
特開2001−350282号公報
特開2004−78147号公報
特開2002−40688号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、高速複写や低温低湿環境下で発生しやすい感度低下を防止し、電子写真感光体の表面汚染により発生しやすい黒ポチを防止し、また、クラック等の破断傷等の発生を起こさず、高解像性の鮮明な電子写真画像が安定して得られる電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びこれに用いるアミン化合物混合体を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
1.下記一般式(1)において、Ar1〜Ar4が下記式(1)を満たすアミン化合物と、下記式(2)を満たすアミン化合物を含有することを特徴とするアミン化合物混合体。
(式中、R1、R2はアルキル基またはアリール基を表し、R1、R2は連結して環状構造を形成してもよい。Ar5、Ar6は置換基を有してもよいアリーレン基を表す。)
式(1) Ar1=Ar2=Ar3=Ar4
式(2) Ar1=Ar2=Ar3≠Ar4
2.下記一般式(2)で表されるアミン化合物と、下記一般式(3)で表される2種以上のハロゲン化アリール化合物を反応させて得られることを特徴とするアミン化合物混合体。
式(1) Ar1=Ar2=Ar3=Ar4
式(2) Ar1=Ar2=Ar3≠Ar4
2.下記一般式(2)で表されるアミン化合物と、下記一般式(3)で表される2種以上のハロゲン化アリール化合物を反応させて得られることを特徴とするアミン化合物混合体。
(式中、R1、R2はアルキル基またはアリール基を表し、R1、R2は連結して環状構造を形成してもよい。Ar5、Ar6は置換基を有してもよいアリーレン基を表す。)
(式中、Arは置換基を有してもよいアリール基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)
3.前記一般式(2)で表されるアミン化合物と、前記一般式(3)で表される2種のハロゲン化アリール化合物を反応させて得られることを特徴とする前記2に記載のアミン化合物混合体。
3.前記一般式(2)で表されるアミン化合物と、前記一般式(3)で表される2種のハロゲン化アリール化合物を反応させて得られることを特徴とする前記2に記載のアミン化合物混合体。
4.前記式(1)、式(2)を満たすアミン化合物の含有量(質量%)をそれぞれX1、X2とするとき、X1、X2が下記式(3)〜(5)を満たすことを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のアミン化合物混合体。
式(3) 30≦X1+X2<100
式(4) 20≦X1≦95
式(5) 5≦X2≦45
5.導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が前記1〜4のいずれか1項に記載のアミン化合物混合体を含有することを特徴とする電子写真感光体。
式(4) 20≦X1≦95
式(5) 5≦X2≦45
5.導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が前記1〜4のいずれか1項に記載のアミン化合物混合体を含有することを特徴とする電子写真感光体。
6.前記感光層が、電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有することを特徴とする前記5に記載の電子写真感光体。
7.電子写真感光体上に発振波長が350〜500nmの半導体レーザまたは発光ダイオードの書込み光源を用いて静電潜像を形成する露光工程、及び該静電潜像をトナー像に顕像化する現像工程を有する画像形成方法において、電子写真感光体が前記5または6に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法。
8.電子写真感光体上に発振波長が350〜500nmの半導体レーザまたは発光ダイオードの書込み光源を用いて静電潜像を形成する露光手段、及び該静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段を有する画像形成装置において、電子写真感光体が前記5または6に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、高速複写や低温低湿環境下で発生しやすい感度低下を防止し、電子写真感光体の表面汚染により発生しやすい黒ポチを防止し、また、クラック等の破断傷等の発生を起こさず、高解像性の鮮明な電子写真画像が安定して得られる電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びこれに用いるアミン化合物混合体を提供することができる。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、前記一般式(1)において、Ar1〜Ar4が前記式(1)を満たすアミン化合物と、前記式(2)を満たすアミン化合物を含有するアミン化合物混合体を電荷輸送物質として用いることにより、高速複写や低温低湿環境下で発生しやすい感度低下を防止し、電子写真感光体の表面汚染により発生しやすい黒ポチを防止し、また、クラック等の破断傷等の発生を起こさず、高解像性の鮮明な電子写真画像が安定して得られる電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びこれに用いるアミン化合物混合体が得られることを見出し、本発明に至った次第である。
溶解性に乏しいが、感度特性が良好なアミン化合物を用いて作製した電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう)に対し、同一のアミン化合物とアミノ部位の片方の構造を変えたアミン化合物の混合体を用いた感光体は、電気特性を損なうことなく、溶解性を改善し、耐久試験後の画質劣化を防止することができる。これに対して、全く構造が異なるアミン化合物の混合体を用いた感光体は、感度不良を起こし、初期特性が悪化した。
表1に本発明のアミン化合物の混合組合せパターンと溶解性及び電子写真感光体特性との関係を示す。
このような効果が得られる理由としては、電気特性が良好なアミン化合物に対し、一方のアミノ部位の構造が同じでかつ、2価の結合基も同じとすることで、混合するアミン化合物は同等の電気特性を持つため、この化合物間の電荷の授受は容易で、かつ、溶解性を飛躍的に高められるものと考えられる。これに対し、電気特性は良好だが、構造の異なる2種以上のアミン化合物を用いた場合は、溶解性は高められるものの、化合物間の電荷の授受がスムーズでないため、電気特性の悪化を招くものと考えられる。
前記一般式(1)において、Ar1〜Ar4が前記式(1)を満たすアミン化合物(混合体ができない)を数種合成した後、混合することも可能であるが、本発明のように、アミン化合物と2種以上のハロゲン化アリール化合物との反応により、一度に合成する方がコスト面で有利であり、技術的に容易である。
以下、本発明を詳細に説明する。
《アミン化合物混合体》
本発明では、電荷輸送物質として、前記一般式(1)において、Ar1〜Ar4が前記式(1)を満たすアミン化合物と、前記式(2)を満たすアミン化合物を併用する。
本発明では、電荷輸送物質として、前記一般式(1)において、Ar1〜Ar4が前記式(1)を満たすアミン化合物と、前記式(2)を満たすアミン化合物を併用する。
一般式(1)において、R1、R2はアルキル基またはアリール基を表し、R1、R2は連結して環状構造を形成してもよい。Ar5、Ar6は置換基を有してもよいアリーレン基を表す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、2−メチルプロピル基、n−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、トリル基等が挙げられる。R1、R2は連結して炭素数4〜8の飽和炭化水素環を形成してもよく、環上にメチル基またはエチル基を有していてもよいシクロヘキサン環を形成するのが好ましい。
置換基を有してもよいアリーレン基としては、フェニレン基またはトリレン基が好ましく、フェニレン基が特に好ましい。アリーレン基の置換基は、炭素数1〜4のアルキル基またはアルコキシ基が挙げられる。
また、本発明では、電荷輸送物質として、前記一般式(2)で表されるアミン化合物と、前記一般式(3)で表される2種以上のハロゲン化アリール化合物を反応させて得られるアミン化合物混合体を用いる。
一般式(2)において、R1、R2はアルキル基またはアリール基を表し、R1、R2は連結して環状構造を形成してもよい。Ar5、Ar6は置換基を有してもよいアリーレン基を表す。これらのアルキル基、アリール基、環状構造、置換基を有してもよいアリーレン基は、前記一般式(1)で説明した基、環状構造と同義である。
一般式(3)において、Arは置換基を有してもよいアリール基を表し、Xはハロゲン原子を表す。置換基を有してもよいアリーレン基としては、フェニレン基、トリレン基が好ましく、フェニレン基が特に好ましい。アリーレン基の置換基は、炭素数1〜4のアルキル基またはアルコキシ基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、ヨウ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
これらの一般式(2)で表されるアミン化合物と、一般式(3)で表される2種以上のハロゲン化アリール化合物を反応させて得られるアミン化合物混合体は、合成時に、一般式(2)で表されるアミン化合物が1種であっても、前記一般式(3)で表されるハロゲン化アリール化合物の種類が増えると、アミン化合物混合体の種類が急激に増加し、その含有量の調整が困難になることから、一般式(3)で表されるハロゲン化アリール化合物は2種にすることが好ましい。
本発明は、少なくとも前記式(1)を満たすアミン化合物と、前記式(2)を満たすアミン化合物のそれぞれ1種ずつを併用することが特徴であるが、合成時に副製する類似化合物を併用してもよい。その場合には、式(1)、式(2)を満たすアミン化合物の含有量(質量%)をそれぞれX1、X2とするとき、X1、X2が下記式(3)〜(5)を満たすことが好ましい。
式(3) 30≦X1+X2<100
式(4) 20≦X1≦95
式(5) 5≦X2≦45
すなわち、主成分は20質量%以上が好ましく、20質量%より少なくなると、塗布液の安定性が悪くなるおそれがある。また、主成分と第2主成分の合計は30質量%以上が好ましい。合成時のハロゲン化アリールアミン化合物の量比及び反応条件を選択することにより、アミン化合物混合体の含有量を上記式(3)〜(5)を満たすように調製することができる。また、分取クロマト処理により上記式(3)〜(5)を満たすように調製することもできる。また、前記式(1)を満たすアミン化合物を単独で別途合成し、これを加えて上記式(3)〜(5)を満たすように調製することもできる。
式(4) 20≦X1≦95
式(5) 5≦X2≦45
すなわち、主成分は20質量%以上が好ましく、20質量%より少なくなると、塗布液の安定性が悪くなるおそれがある。また、主成分と第2主成分の合計は30質量%以上が好ましい。合成時のハロゲン化アリールアミン化合物の量比及び反応条件を選択することにより、アミン化合物混合体の含有量を上記式(3)〜(5)を満たすように調製することができる。また、分取クロマト処理により上記式(3)〜(5)を満たすように調製することもできる。また、前記式(1)を満たすアミン化合物を単独で別途合成し、これを加えて上記式(3)〜(5)を満たすように調製することもできる。
また、これらのアミン化合物混合体以外の電荷輸送物質も併用することもできるが、通常は式(1)を満たすアミン化合物、式(2)を満たすアミン化合物及び合成時に副製する化合物のみを用いる。
以下、本発明のアミン化合物混合体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
前記一般式(2)で表されるアミン化合物1種と、前記一般式(3)で表される2種のハロゲン化アリール化合物を反応させると、一般に6種のアミン化合物の混合体が得られる。上記化合物の配列(化4、化5)で、例えば、アミン化合物混合体C−1は、同列のアミン化合物1〜6の混合体であることを示す。
アミン化合物混合体中の各アミン化合物含有率は、合成時の前記一般式(3)で表される2種のハロゲン化アリール化合物のモル比を調整することで変えることができる。ハロゲン化アリール化合物のモル比を3水準変えて合成したアミン化合物混合体の各アミン化合物1〜6の含有率(質量%)を表2に示す。
表2において、例えば、アミン化合物混合体C−1−1は、2種のハロゲン化アリール化合物を等モル比で合成したもので、化4のアミン化合物混合体C−1列のアミン化合物1〜6の混合体であることを示す。アミン化合物混合体C−1−2、C−1−2は、2種のハロゲン化アリール化合物のモル比を変えて合成したもので、この場合はアミン化合物1または2が合成されなかったことを示す。
アミン化合物混合体のアミン化合物含有率(質量%)は、下記高速液体クロマトグラフィーの面積比より求めた。本発明においては、下記条件で測定した各成分の面積比を質量%と定義する。測定器、カラム、移動相は、混合物の分離が明確にできれば、この条件を変更してもよい。
高速液体クロマトグラフィーの測定条件は下記の通りである。
測定器(高速液体クロマトグラフィー):日立L−2000シリーズ3次元システム(日立 ハイテクノロジーズ社製)
カラム:CLC−ODS(島津製作所製)
検出波長:290nm
移動相:メタノール/テトラヒドロフラン=3/1
移動相の流速:1ml/min
本発明のアミン化合物混合体の合成に用いられるアミン化合物(A−1〜10)とハロゲン化アリール化合物(H−1〜22)を以下に例示する。
カラム:CLC−ODS(島津製作所製)
検出波長:290nm
移動相:メタノール/テトラヒドロフラン=3/1
移動相の流速:1ml/min
本発明のアミン化合物混合体の合成に用いられるアミン化合物(A−1〜10)とハロゲン化アリール化合物(H−1〜22)を以下に例示する。
《アミン化合物混合体の合成》
合成例1(C−1−1の合成)
本発明のアミン化合物混合体C−1−1を下記の反応式に従い、合成した。
合成例1(C−1−1の合成)
本発明のアミン化合物混合体C−1−1を下記の反応式に従い、合成した。
200ml 4頭コルベンに冷却管、温度計、窒素導入管、塩化カルシウム管を装着し、マグネチックスターラーをセットし、この系内を減圧し、完全に窒素置換を行った。このコルベンを50℃にして窒素フロー下酢酸パラジウム0.3g、トリ−tert−ブチルホスフィン1.09gを加え50℃で褐色均一系になるまで攪拌した。これに脱水トルエン54mlを添加し、さらに、(a)3.0g、(b)4.62g、(c)4.62gとtert−ブトキシナトリウムを5.19g加えた。
これを加熱還流して5時間反応を行った。内温が室温まで下がったら、水25ml、テトラヒドロフラン25ml、珪藻土5gを加え、ロ過した。ロ液を中性になるまで水洗し、乾燥後濃縮した。これをヘキサン/トルエン(体積比4/1)の展開溶媒を用いて、カラムクロマトグラフィーにて分離精製を行ない、目的物のC−1−1を6.6g得た。個々の化合物の同定は、高速液体クロマトグラフィーにより分取した試料を質量分析行った。
アミン化合物混合体C−1−1のアミン化合物含有率(質量%)は、高速液体クロマトグラム(図4)の面積比より求めた。図4において、ピーク5は上記化合物の配列(化4)のアミン化合物6、ピーク6はアミン化合物5、ピーク7はアミン化合物3+4、ピーク8はアミン化合物2、ピーク9はアミン化合物15を表す。ピーク7はアミン化合物3と4が重なっているので、高速液体クロマトグラフィーの測定条件を変更して分離し定量した。測定の結果、表2に示すように、アミン化合物1(7質量%)、アミン化合物2(25質量%)、アミン化合物3(18質量%)、アミン化合物4(18質量%)、アミン化合物5(25質量%)、アミン化合物6(7質量%)からなるアミン化合物混合体であった。
合成例2(C−10−3の合成)
本発明のアミン化合物混合体C−10−3を下記の反応式に従い、合成した。
本発明のアミン化合物混合体C−10−3を下記の反応式に従い、合成した。
300ml 4頭コルベンに冷却管、温度計、窒素導入管、塩化カルシウム管を装着し、マグネチックスターラーをセットし、この系内を減圧し、完全に窒素置換を行った。このコルベンを50℃にして窒素フロー下酢酸パラジウム0.36g、トリ−tert−ブチルホスフィン1.29gを加え50℃で褐色均一系になるまで攪拌した。これに脱水トルエン54mlを添加し、さらに、(d)3.0g、(e)7.62g、(f)1.90gとtert−ブトキシナトリウムを6.12g加えた。
これを加熱還流させ5時間反応を行った。内温が室温まで下がったら、水25ml、テトラヒドロフラン25ml、珪藻土5gを加え、ロ過した。ロ液を中性になるまで水洗し、乾燥後濃縮した。これをヘキサン/トルエン(4/1)の展開溶媒を用いて、カラムクロマトグラフィにて、分離精製を行ない目的物のC−10−3を6.2g得た。
その他の例示化合物も同様にして合成できる。
《感光体》
本発明の感光体は、前記一般式(1)において、Ar1〜Ar4が前記式(1)を満たすアミン化合物と、前記式(2)を満たすアミン化合物を含有するアミン化合物混合体を電荷輸送物質として含有する感光体であるが、これらの電荷輸送物質を含有する感光体の構成について以下に記載する。
本発明の感光体は、前記一般式(1)において、Ar1〜Ar4が前記式(1)を満たすアミン化合物と、前記式(2)を満たすアミン化合物を含有するアミン化合物混合体を電荷輸送物質として含有する感光体であるが、これらの電荷輸送物質を含有する感光体の構成について以下に記載する。
本発明において、感光体とは感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された感光体を意味し、公知の電荷発生物質または電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の感光体全てを含有する。
本発明の感光体の構成は、本発明の前記アミン化合物混合体(電荷輸送物質)を含有する限り特に制限されるものではなく、例えば、以下に示すような構成が挙げられる;
1)導電性支持体上に感光層として電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層した構成;
2)導電性支持体上に感光層として電荷発生層、第1電荷輸送層及び第2電荷輸送層を順次積層した構成;
3)導電性支持体上に感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層を形成した構成;
4)導電性支持体上に感光層として電荷輸送層及び電荷発生層を順次積層した構成;
5)上記1)〜5)の感光体の感光層上にさらに表面保護層を形成した構成。
1)導電性支持体上に感光層として電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層した構成;
2)導電性支持体上に感光層として電荷発生層、第1電荷輸送層及び第2電荷輸送層を順次積層した構成;
3)導電性支持体上に感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層を形成した構成;
4)導電性支持体上に感光層として電荷輸送層及び電荷発生層を順次積層した構成;
5)上記1)〜5)の感光体の感光層上にさらに表面保護層を形成した構成。
感光体が上記いずれの構成を有する場合であってもよい。感光体の表面層とは、感光体が空気界面と接触する層であり、導電性支持体上に単層式の感光層のみが形成されている場合は当該感光層が表面層であり、導電性支持体上に単層式または積層式感光層と表面保護層とが積層されている場合は表面保護層が最表面層である。本発明では上記2)の構成が最も好ましく用いられる。なお、本発明の感光体はいずれの構成を有する場合であっても、導電性支持体上、感光層の形成に先だって、下引層(中間層)が形成されていてもよい。
電荷輸送層とは、光露光により電荷発生層で発生した電荷キャリアを感光体の表面に輸送する機能を有する層を意味し、該電荷輸送機能の具体的な検出は、電荷発生層と電荷輸送層を導電性支持体上に積層し、光導伝性を検知することにより確認することができる。
次に、感光体の層構成を上記1)の構成を中心にして記載する。
(導電性支持体)
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いてもよいが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いてもよいが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
円筒状導電性支持体とは、回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケル等の金属ドラム、またはアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウム等を蒸着したプラスチックドラム、または導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。本発明に用いられる導電性支持体としては、アルミニウム支持体が最も好ましい。該アルミニウム支持体は、主成分のアルミニウム以外にマンガン、亜鉛、マグネシウム等の成分が混合したものも用いられる。
(中間層)
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、中間層を設けることが好ましい。
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、中間層を設けることが好ましい。
本発明に用いられる中間層にはN型半導性粒子を含有することが好ましい。該N型半導性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子である粒子を意味する。すなわち、主たる電荷キャリアが電子であることから、該N型半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性が少ない性質を有する。
N型半導性粒子としては、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)が好ましく、特に酸化チタンが特に好ましく用いられる。
N型半導性粒子は数平均一次粒径が3.0〜200nmの範囲の微粒子を用いる。特に、5〜100nmが好ましい。数平均一次粒径とは、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。数平均一次粒径が3.0nm未満のN型半導性粒子は中間層バインダー中での均一な分散ができにくく、凝集粒子を形成しやすく、該凝集粒子が電荷トラップとなって残電上昇が発生しやすい。一方、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は中間層の表面に大きな凹凸を作りやすく、これらの大きな凹凸を通してドット画像が劣化しやすい。また、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は分散液中で沈澱しやすく、凝集物が発生しやすく、その結果、ドット画像が劣化しやすい。
前記酸化チタン粒子は、結晶形としては、アナターゼ形、ルチル形、ブルッカイト形及びアモルファス形等があるが、中でもルチル形酸化チタン顔料またはアナターゼ形酸化チタン顔料は、中間層を通過する電荷の整流性を高め、即ち、電子の移動性を高め、帯電電位を安定させ、残留電位の増大を防止すると共に、ドット画像の劣化を防止することができ、本発明のN型半導性粒子として最も好ましい。
N型半導性粒子はメチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理されたものが好ましい。該メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体の分子量は1000〜20000のものが表面処理効果が高く、その結果、N型半導性粒子の整流性を高め、このN型半導性粒子を含有する中間層を用いることにより、黒ポチ発生が防止され、また、良好なドット画像の再現性に効果がある。
メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体とは−(HSi(CH3)O)−の構造単位とこれ以外の構造単位(他のシロキサン単位のこと)の共重合体が好ましい。他のシロキサン単位としては、ジメチルシロキサン単位、メチルエチルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位及びジエチルシロキサン単位等が好ましく、特にジメチルシロキサンが好ましい。共重合体中のメチルハイドロジェンシロキサン単位の割合は10〜99モル%、好ましくは20〜90モル%である。
メチルハイドロジェンシロキサン共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいがランダム共重合体及びブロック共重合体が好ましい。また、共重合成分としてはメチルハイドロジェンシロキサン以外に、一成分でも二成分以上でもよい。
本発明に用いられる中間層を形成するために作製する中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等のN型半導性粒子の他にバインダー樹脂、分散溶媒等から構成される。
N型半導性粒子の中間層中での比率は、中間層のバインダー樹脂との体積比(バインダー樹脂の体積を1とすると)で1.0〜2.0倍が好ましい。中間層中でこのような高密度で本発明のN型半導性粒子を用いることにより、中間層の整流性が高まり、膜厚を厚くしても残留電位の上昇やドット画像の劣化を効果的に防止でき、良好な感光体を形成することができる。また、このような中間層はバインダー樹脂100体積部に対し、N型半導性粒子を100〜200体積部を用いることが好ましい。
一方、これらの粒子を分散し、中間層の層構造を形成するバインダー樹脂としては、粒子の良好な分散性を得るためにポリアミド樹脂が好ましいが、特に以下に示すポリアミド樹脂が好ましい。
中間層のバインダー樹脂としてはアルコール可溶性ポリアミド樹脂が好ましい。感光体の中間層のバインダー樹脂としては、中間層を均一な膜厚で形成するために、溶媒溶解性の優れた樹脂が必要とされている。このようなアルコール可溶性のポリアミド樹脂としては、前記した6−ナイロン等のアミド結合間の炭素鎖の少ない化学構造から構成される共重合ポリアミド樹脂やメトキシメチル化ポリアミド樹脂が知られているが、これらの樹脂以外にも下記のような化学構造のポリアミド樹脂が好ましく用いられる。
また、上記ポリアミド樹脂の分子量は数平均分子量で5,000〜80,000が好ましく、10,000〜60,000がより好ましい。数平均分子量が5,000以下だと中間層の膜厚の均一性が劣化し、本発明の効果が十分に発揮されにくい。一方、80,000より大きいと、樹脂の溶媒溶解性が低下しやすく、中間層中に凝集樹脂が発生しやすく、黒ポチの発生やドット画像の劣化を起こしやすい。
上記ポリアミド樹脂はその一部が既に市販されており、例えばダイセル・デグサ(株)社製のベスタメルトX1010、X4685等の商品名で販売されて、一般的なポリアミドの合成法で作製することができるが、以下に合成例の一例を挙げる。
上記ポリアミド樹脂を溶解し、塗布液を作製する溶媒としては、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が好ましく、ポリアミドの溶解性と作製された塗布液の塗布性の点で優れている。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、さらには50〜100質量%が好ましい。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
中間層の膜厚は0.3〜10μmが好ましい。膜厚が0.5μm未満では、黒ポチ等が発生しやすく、ドット画像の劣化を起こしやすい。10μmを超えると、残留電位の上昇が発生しやすく、ドット画像が劣化しやすい。中間層の膜厚は0.5〜5μmがより好ましい。
また、上記中間層は実質的に絶縁層であることが好ましい。ここで絶縁層とは、体積抵抗が1×108Ω・cm以上である。本発明の中間層及び保護層の体積抵抗は1×108〜1015Ω・cmが好ましく、1×109〜1014Ω・cmがより好ましく、さらに好ましくは、2×109〜1×1013Ω・cmである。体積抵抗は下記のようにして測定できる。
測定条件;JIS:C2318−1975に準ずる。
測定器:三菱油化社製Hiresta IP
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:30±2℃、80±5RH%
体積抵抗が1×108Ω・cm未満では中間層の電荷ブロッキング性が低下し、黒ポチの発生が増大し、感光体の電位保持性も劣化し、良好な画質が得られない。一方1×1015Ω・cmより大きいと繰り返し画像形成で残留電位が増大しやすく、良好な画質が得られない。
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:30±2℃、80±5RH%
体積抵抗が1×108Ω・cm未満では中間層の電荷ブロッキング性が低下し、黒ポチの発生が増大し、感光体の電位保持性も劣化し、良好な画質が得られない。一方1×1015Ω・cmより大きいと繰り返し画像形成で残留電位が増大しやすく、良好な画質が得られない。
(感光層)
本発明の感光体の感光層構成は、前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でもよいが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。
本発明の感光体の感光層構成は、前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でもよいが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
(電荷発生層)
本発明の感光体には、電荷発生物質として350〜500nmの波長領域に高感度特性を有する電荷発生物質を用いることが好ましい。本発明では、このような電荷発生物質としてはフタロシアニン化合物、ペリレン化合物、多環キノン化合物、アゾ化合物等が好ましく用いられる。また、これらの化合物を併用して用いることができる。
本発明の感光体には、電荷発生物質として350〜500nmの波長領域に高感度特性を有する電荷発生物質を用いることが好ましい。本発明では、このような電荷発生物質としてはフタロシアニン化合物、ペリレン化合物、多環キノン化合物、アゾ化合物等が好ましく用いられる。また、これらの化合物を併用して用いることができる。
フタロシアニン化合物としては、長波長のLEDやレーザ光に対し、高感度特性を有するチタニルフタロシアニン顔料、例えばヒドロキシガリウムフタロシアニン(特開平5−263007号公報)、クロルガリウムフタロシアニン等のガリウムフタロシアニン類、X線回折スペクトル(±0.2度の許容範囲)で26.3度に最大ピークを持つA型チタニルフタロシアニン(特開昭62−97064号公報)、7.6、28.6度に特徴的なピークを有するB型チタニルフタロシアニン(特開昭61−239248号公報)、27.3度に最大ピークを有するY型チタニルフタロシアニン(特開平3−35245号公報)及び立体規則性をもった2,3−ブタンジオールのチタニルフタロシアニン付加体(特開平8−82942号公報)等として知られるチタニルフタロシアニン類を使用できる。中でも、Y型チタニルフタロシアニン(y−TiOPc)が好ましい。
電荷発生物質としては、下記で示される化合物が挙げられる。
本発明では、フタロシアニン化合物、多環キノン化合物またはアゾ化合物が好ましい。これらの化合物は、複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる結晶構造を有するものであり、繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.3〜2μmが好ましい。
(電荷輸送層)
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては、必要により前記した無機微粒子の他に酸化防止剤等の添加剤を含有してもよい。
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては、必要により前記した無機微粒子の他に酸化防止剤等の添加剤を含有してもよい。
電荷輸送物質(CTM)としては、前記一般式(1)及び一般式(2)で表される電荷輸送物質が用いられるが、これ以外に、公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質(CTM)を併用してもよい。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物等を用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。またこれらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
電荷輸送層の合計膜厚は、10〜25μmが好ましい。該合計膜厚が10μm未満では、現像時の潜像電位を十分に獲得しにくく、画像濃度の低下やドット再現性の劣化が発生しやすく、また、25μmを超えると、電荷キャリアの拡散(電荷発生層で発生した電荷キャリアの拡散)が大きくなり、ドット再現性が劣化しやすい。また、表面層となる電荷輸送層の膜厚は1.0〜8.0μmが好ましい。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒または分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等の地球環境に優しい溶媒が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独あるいは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
次に感光体を製造するための塗布加工方法としては、スライドホッパー型塗布装置の他に、浸漬塗布、スプレー塗布等の塗布加工法が用いられる。表面層の形成には円形スライドホッパー型塗布装置を用いるのが最も好ましい。
上記塗布液供給型の塗布装置の中でもスライドホッパー型塗布装置を用いた塗布加方法は、前記した低沸点溶媒を用いた分散液を塗布液として用いる場合に最も適しており、円筒状の感光体の場合は特開昭58−189061号公報等に詳細に記載されている円形スライドホッパー型塗布装置等を用いて塗布することが好ましい。
円形スライドホッパー型塗布装置を用いる塗布方法では、スライド面終端と基材は、ある間隙(約2μm〜2mm)を持って配置されているため基材を傷つけることなく、また性質の異なる層を多層形成させる場合においても、既に塗布された層を損傷することなく塗布できる。さらに性質が異なり同一溶媒に溶解する層を多層形成させる際にも、浸漬塗布方法と比べて溶媒中に存在する時間がはるかに短いので、下層成分が上層側へほとんど溶出せず、塗布槽にも溶出することなく塗布できるので、無機微粒子の分散性を劣化させずに塗布することができる。
また、本発明の感光体の表面層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。表面層は感光体の帯電時の活性ガス、例えばNOxやオゾン等で酸化されやすく、画像ボケが発生しやすいが、酸化防止剤を共存させることにより、画像ボケの発生を防止することができる。該酸化防止剤とは、その代表的なものは感光体中ないしは感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。代表的には下記の化合物群が挙げられる。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒または分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独あるいは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
次に、本発明の感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理等の処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26及び光除電手段(光徐電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明の感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、発振波長が350〜500nmの半導体レーザまたは発光ダイオードを像露光光源として用いる。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜50μmに絞り込み、感光体上にデジタル露光を行うことにより、600dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像を得ることができる。
前記露光ドット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e2以上の領域の主走査方向にそった露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2以上の領域を本発明に係わる露光ドット径とする。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明の画像形成方法では、該現像手段に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明の感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、感光体側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって、転写紙Pは一時停止を行った後、再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写紙Pに転写され、該転写紙Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
さらに、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。また、帯電器、像露光器、現像器、転写または分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレール等の案内手段を用いて着脱自在の構成としてもよい。
図2は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系等が用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。また、帯電器、像露光器、現像器、転写または分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレール等の案内手段を用いて着脱自在の構成としてもよい。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
次に、図3は本発明の感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザビームプリンター)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段(帯電工程)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段(像露光工程)3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段:現像工程(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(一次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
二次転写ローラ5bで、二次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の一次転写工程において、二次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、二次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに二次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。二次転写バイアスがバイアス電源から二次転写ローラ5bに印加される。この二次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(二次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
本発明の画像形成装置は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、さらに、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
実施例1
《感光体1の作製》
下記のようにして感光体1を作製した。
《感光体1の作製》
下記のようにして感光体1を作製した。
〔中間層〕
洗浄済み円筒状アルミニウム基体(切削加工により十点表面粗さRz:0.81μmに加工した)上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃30分で乾燥し、乾燥膜厚5μmの中間層を形成した。
洗浄済み円筒状アルミニウム基体(切削加工により十点表面粗さRz:0.81μmに加工した)上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃30分で乾燥し、乾燥膜厚5μmの中間層を形成した。
(中間層塗布液の調製)
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて2倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を調製した。
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて2倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を調製した。
(中間層分散液の調製)
バインダー樹脂(例示ポリアミドN−1) 1部
ルチル形酸化チタン(一次粒径35nm;末端に水酸基を有するジメチルポリシロキサンで表面処理を行い、疎水化度を33に調製した酸化チタン顔料) 5.6部
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(45/20/30質量比) 10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を調製した。
バインダー樹脂(例示ポリアミドN−1) 1部
ルチル形酸化チタン(一次粒径35nm;末端に水酸基を有するジメチルポリシロキサンで表面処理を行い、疎水化度を33に調製した酸化チタン顔料) 5.6部
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(45/20/30質量比) 10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を調製した。
〔電荷発生層:CGL〕
(電荷発生層塗布液の調製)
電荷発生物質(CGM):例示化合物CGM−1 24部
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBL−1:積水化学社製) 12部
2−ブタノン/シクロヘキサノン(4/1体積比) 300部
上記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。
(電荷発生層塗布液の調製)
電荷発生物質(CGM):例示化合物CGM−1 24部
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBL−1:積水化学社製) 12部
2−ブタノン/シクロヘキサノン(4/1体積比) 300部
上記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。
この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
〔電荷輸送層:CTL〕
(電荷輸送層塗布液の調製)
電荷輸送物質(例示化合物C−1−1) 225部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(例示化合物AO−1) 3部
テトラヒドロフラン/トルエン(4/1体積比) 2000部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
上記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚20.0μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。
(電荷輸送層塗布液の調製)
電荷輸送物質(例示化合物C−1−1) 225部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(例示化合物AO−1) 3部
テトラヒドロフラン/トルエン(4/1体積比) 2000部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
上記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚20.0μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。
《感光体2〜15の作製》
感光体1の作製において、電荷輸送層の電荷輸送物質の種類を表2のように変更した以外は感光体1の作製と同様にして感光体2〜15を作製した。また、感光体15に用いたC−R−1は下記のベンジシン化合物の電荷輸送物質である。
感光体1の作製において、電荷輸送層の電荷輸送物質の種類を表2のように変更した以外は感光体1の作製と同様にして感光体2〜15を作製した。また、感光体15に用いたC−R−1は下記のベンジシン化合物の電荷輸送物質である。
《感光体の評価》
作製した感光体について、下記のようにして、感度、繰り返し特性及び画像評価(1ドットライン、2ドットライン)の評価を行った。
作製した感光体について、下記のようにして、感度、繰り返し特性及び画像評価(1ドットライン、2ドットライン)の評価を行った。
(感度)
基本的に図1の構成を有するデジタル複写機Sitios7085(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)改造機(像露光光源に405nmの半導体レーザを使用、ビーム径30μmで、1200dpiの露光を行うプロセス条件に改造、さらに表面電位計にて感光体表面の電位を測定可能なように改造した。)を用い、感光体の表面電位を−700Vになるように帯電し、露光して、表面電位が−350Vまで減衰するのに必要な光量を測定し、感度(E1/2)を求めた。なお、dpiは2.54cm当たりのドット数を表す。
基本的に図1の構成を有するデジタル複写機Sitios7085(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)改造機(像露光光源に405nmの半導体レーザを使用、ビーム径30μmで、1200dpiの露光を行うプロセス条件に改造、さらに表面電位計にて感光体表面の電位を測定可能なように改造した。)を用い、感光体の表面電位を−700Vになるように帯電し、露光して、表面電位が−350Vまで減衰するのに必要な光量を測定し、感度(E1/2)を求めた。なお、dpiは2.54cm当たりのドット数を表す。
同様に、露光光源に450nm、500nmの半導体レーザに変更して感度を測定した。
(繰り返し特性)
感度測定に用いた改造機(405nmの半導体レーザを使用)を用いて、初期暗部電位(Vd)及び初期明部電位(Vl)をそれぞれ−700V、−200V付近に設定し、帯電、露光を3000回繰り返し、Vd、Vlの変動量(ΔVd、ΔVl)を測定した。なお、マイナスは電位の低下を表し、プラスは電位の上昇を表す。
感度測定に用いた改造機(405nmの半導体レーザを使用)を用いて、初期暗部電位(Vd)及び初期明部電位(Vl)をそれぞれ−700V、−200V付近に設定し、帯電、露光を3000回繰り返し、Vd、Vlの変動量(ΔVd、ΔVl)を測定した。なお、マイナスは電位の低下を表し、プラスは電位の上昇を表す。
(画像評価)
感度測定に用いた改造機(405nmの半導体レーザを使用)を用いて、該複写機に感光体1〜15を搭載し評価した。評価項目と評価基準を下記に示す。
感度測定に用いた改造機(405nmの半導体レーザを使用)を用いて、該複写機に感光体1〜15を搭載し評価した。評価項目と評価基準を下記に示す。
〈1ドットライン〉
白地のA4紙に1ドットラインと黒べた画像を作成し、下記基準で評価した。
白地のA4紙に1ドットラインと黒べた画像を作成し、下記基準で評価した。
◎:1ドットラインが連続して再現されており、黒べたの画像濃度が1.2以上(良好)
○:1ドットラインは連続して再現されているが、黒べたの画像濃度が1.2未満〜1.0以上(実用性に問題なし)
×:1ドットラインが切断されて再現されているか、または1ドットラインが連続して再現されていても、黒べたの画像濃度が1.0未満(実用性に問題有り)
〈2ドットライン〉
黒べたの画像の中に、2ドットラインの白線を作成し、下記基準で評価した。
○:1ドットラインは連続して再現されているが、黒べたの画像濃度が1.2未満〜1.0以上(実用性に問題なし)
×:1ドットラインが切断されて再現されているか、または1ドットラインが連続して再現されていても、黒べたの画像濃度が1.0未満(実用性に問題有り)
〈2ドットライン〉
黒べたの画像の中に、2ドットラインの白線を作成し、下記基準で評価した。
◎:2ドットラインの白線が連続して再現されており、黒べたの画像濃度が1.2以上(良好)
○:2ドットラインの白線は連続して再現されているが、黒べたの画像濃度が1.2未満〜1.0以上(実用性に問題なし)
×:2ドットラインの白線が切断されて再現されているか、または2ドットラインの白線は連続して再現されていても、黒べたの画像濃度が1.0未満(実用性に問題有り)
上記のべた画像濃度は、マクベス社製RD−918を使用し、紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。
○:2ドットラインの白線は連続して再現されているが、黒べたの画像濃度が1.2未満〜1.0以上(実用性に問題なし)
×:2ドットラインの白線が切断されて再現されているか、または2ドットラインの白線は連続して再現されていても、黒べたの画像濃度が1.0未満(実用性に問題有り)
上記のべた画像濃度は、マクベス社製RD−918を使用し、紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。
以上の評価の結果を表3に示す。
表3より明らかなように、本発明のアミン化合物混合体を電荷輸送物質に用いた感光体1〜14は、短波長レーザ光等の400〜500nmの照射光に対して、優れた感度及び繰り返し特性を有し、450nmの短波長レーザ光を用いた画像評価においても1ドットライン及び2ドットラインの再現性が優れている。一方、比較例の電荷輸送物質を用いた感光体15は、感度及び繰り返し特性の評価においても、本発明の感光体1〜14に比し劣っており、画像評価においても1ドットラインの再現性の劣化が大きい。
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
Claims (8)
- 前記一般式(2)で表されるアミン化合物と、前記一般式(3)で表される2種のハロゲン化アリール化合物を反応させて得られることを特徴とする請求項2に記載のアミン化合物混合体。
- 前記式(1)、式(2)を満たすアミン化合物の含有量(質量%)をそれぞれX1、X2とするとき、X1、X2が下記式(3)〜(5)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアミン化合物混合体。
式(3) 30≦X1+X2<100
式(4) 20≦X1≦95
式(5) 5≦X2≦45 - 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が請求項1〜4のいずれか1項に記載のアミン化合物混合体を含有することを特徴とする電子写真感光体。
- 前記感光層が、電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有することを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体上に発振波長が350〜500nmの半導体レーザまたは発光ダイオードの書込み光源を用いて静電潜像を形成する露光工程、及び該静電潜像をトナー像に顕像化する現像工程を有する画像形成方法において、電子写真感光体が請求項5または6に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法。
- 電子写真感光体上に発振波長が350〜500nmの半導体レーザまたは発光ダイオードの書込み光源を用いて静電潜像を形成する露光手段、及び該静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段を有する画像形成装置において、電子写真感光体が請求項5または6に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
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