JP2009051272A - カーテンサイドエアバッグ用トリム等のトリムクリップ - Google Patents

Abstract

【課題】トリム内側の狭い空間であっても取付作業が容易なトリムクリップを提供する。
【解決手段】トリムクリップ１５は、トリム固定部１７とボデー固定部１８とが一定長さのテザー２３によって連結され、テザー２３は、トリム固定部１７とボデー固定部１８とが直接連結されていない製品状態ではトリム固定部１７の一方の側部からこの一方の側部に対向するボデー固定部の一方の側部に延びており、テザー２３は、トリム固定部１７とボデー固定部１８とが直接連結されている状態ではテザー２３の中間部３５において折畳まれてトリム固定部とボデー固定部の間のスペース３７に収容される。
【選択図】図６

Description

本発明は、カーテンサイドエアバッグ用トリム等のトリムを保持するトリムクリップに関する。

カーテンサイドエアバッグを覆って収容するトリムを保持するトリムクリップが、特開２００６−１１８６７９号公報（特許文献１）に記載されている。カーテンサイドエアバッグは、衝突やロールオーバ（転倒）等の場合に乗員の頭部を保護するように急激に展開する。カーテンサイドエアバッグは、通常、カバー等のトリムに収納、保持される。トリムは、カーテンサイドエアバッグの急激な展開時に乗員に飛び出してはならない。そのため、一定長さのストラップ形状のテザーを有するトリムクリップを用いてトリムがボデーパネルに連結される。

図１及び図２に、従来のトリムクリップ１を示す。トリムクリップ１は、トリム固定部２とボデー固定部３とが一定長さのストラップ形状のテザー５によって連結された、プラスチックの一体成形品で成る。トリム固定部２は、上部にトリム支持部６を有し、トリムの支持部に取付けられる。ボデー固定部３は、ボデーパネルの取付穴に挿入して取付けられる脚部７を有する。テザー５は、その長さ９が一定に定められ、カーテンサイドエアバッグの展開の際には、ボデー固定部３から離れたトリム固定部２に支持されたトリムが、カーテンサイドエアバッグの展開を邪魔しないように大きく移動するが、そのトリムが、乗員の頭部等の身体に接しないように、ボデー固定部２からの移動長さを制限する長さに選定される。図１のトリムクリップ１は、製造した時の状態である。製品状態では、図２に図示のように、トリム固定部２の連結部１０がボデー固定部３の連結部１１に連結されてトリム固定部２とボデー固定部３とが直接連結された状態にある。この製品状態で、トリムクリップ１は、トリムの内側に連結される。次に、トリムクリップ１が取付けられたトリムは、車のボデーパネルの取付穴に、トリムとともにボデー固定部３の脚部７を挿入することでそのボデーパネルに取付けられる。

特開２００６−１１８６７９号公報 実開平７−０２０４０２号公報 特開２００１−２７７９８５号公報

図２に図示のように、トリムクリップ１は、製品状態において、テザー５がその全長９の約半分の張り出し長さ１３で、トリム固定部２及びボデー固定部３の片側に張り出し、製品全体の横方向長さ１３Ａと長くなっている。製品状態のトリムクリップ１をトリムの内側に取付ける作業において、トリムの内側空間は狭く、自由度が低いので取付け作業は容易ではない。図２に図示のように、テザー５の張り出し長さ１３がテザー５の全長９の半分にもなる長いものであるため、トリム内側の狭い空間でのトリムクリップ１の取付け位置の自由度が更に制限される。また、トリム固定部２及びボデー固定部３の片側だけに張り出してアンバランスであるため、取付け位置の自由度が更に低くなる。

特許文献２は、トリムクリップ１を示すものではなく、パンタグラフ形状のスペーサクリップを開示している。このスペーサクリップにおいて、パンタグラフ形状部分は押込みによって基盤の両側に張り出すのでバランスがとれている。図１、２に示すトリムクリップ１のテザー５を、特許文献２のパンタグラフ形状のように、両側に張り出すように形成すれば、製品状態においてバランスがとれた状態になるが、テザーの張り出し長さが、図２のトリムクリップ１の２倍になって全体が大きくなり、トリムクリップ１をトリムに取付ける作業が更に面倒になるおそれがある。

特許文献３の図２６〜図３１に示されているトリムクリップは、テザーに相当する伸張規制体が、トリム固定部及びボデー固定部の両側に張り出すように形成されている。製品状態においてバランスがとれた状態になるが、テザーの張り出し長さが２倍になって全体が大きくなり、トリムクリップをトリムに取付ける作業が更に面倒になるおそれがある。

従って、本発明の目的は、トリムの内側の狭い空間であっても取付け作業が容易なトリムクリップを提供することにある。

かかる目的を達成するため、本発明によれば、トリム固定部とボデー固定部とが一定長さのストラップ形状のテザーによって連結されており、使用前の製品状態ではトリム固定部がボデー固定部に直接連結されており、トリム固定部がボデー固定部から外れて離れるときのトリム固定部の移動長さがテザーによって制限されている、カーテンサイドエアバッグ用トリム等のためのトリムを保持するトリムクリップであって、テザーは、トリム固定部とボデー固定部とが直接連結されていない状態ではトリム固定部の一方の側部から該一方の側部に対向するボデー固定部の一方の側部に延びて連結される形状に形成され、テザーは、トリム固定部とボデー固定部とが直接連結されている製品状態では該テザーの中間部において折畳まれてトリム固定部とボデー固定部の間のスペースに収容されている、ことを特徴とするトリムクリップが提供される。

上記トリムクリップによって、トリム固定部とボデー固定部とが直接連結されている製品状態ではテザーはトリム固定部とボデー固定部の間のスペースに収容されて、トリム固定部及びボデー固定部の両側からは殆ど張り出さないので、トリムクリップが小さいままに維持されて、トリムの内側の狭い空間であっても取付け作業が容易にできる。

上記トリムクリップにおいて、テザーは、ボデー固定部から離れたトリム固定部に支持されたトリムがカーテンサイドエアバッグの展開を邪魔しないように大きく移動するが、該トリムが乗員の頭部等の身体に接しないようにボデー固定部からの移動長さを制限する長さに選定されている。

また、上記トリムクリップにおいて、トリム固定部とボデー固定部とに、両者を相互に直接連結するロック爪が設けられており、両ロック爪が連結された状態において、折畳まれたテザーを収容するスペースをトリム固定部と前記ボデー固定部との間に形成されている。テザーは、トリム固定部の両側部と該トリム固定部の両側部に対向するボデー固定部の両側部とを連結するように、一対形成されており、両テザーは、折畳まれたとき相互に干渉しないように、トリム固定部の両側部及びボデー固定部の両側部に沿って位置をずらして設けられている。更に、テザーは、中間部がくの字又はＣ字形状に湾曲しており、この中間部がテザーが折畳まれるときの折曲げ点となる。テザーの中間部は、トリム固定部及びボデー固定部の連結側部から反対側の側部へ向かうように湾曲して形成されている。

以下、本発明の１実施形態に係るトリムクリップ１５について、図３〜図８を参照して説明する。図３〜図５には、製造された状態であるが製品状態にする前のトリムクリップ１５が示されている。図６及び図７には、トリム固定部１７及びボデー固定部１８が相互に直接連結された、製品状態のトリムクリップ１５が示されている。図８は、例えば、カーテンサイドエアバッグ等のためのトリム１９を、トリムクリップ１５によってボデーパネル２２に取付けた状態を示している。

図３〜図５において、トリムクリップ１５は、トリム固定部１７とボデー固定部１８とが一定長さのテザー２３によって連結された、プラスチックの一体成形品で成る。トリム固定部１７は、上部にトリム支持部２５を有し、図８に示すトリム１９の内側の支持フレーム２６に取付けられる。ボデー固定部１８は、図８のボデーパネル２２の取付穴に挿入して取付けられる脚部２７を有する。

トリム固定部１７のトリム支持部２５は、図示の例では、トリム１９の一対の支持フレーム２６を受入れる、一対の係止溝形状に形成されている。トリム支持部２５は、トリム１９に取付けられる限り、任意の形状また構成でよい。ボデー固定部１８の脚部２７は、一対の弾性係止爪２９を有し、脚部２７の上部に形成されたフランジ３０と協働して、ボデー固定部１８をボデーパネル２２に固定する。ボデー固定部１８をボデーパネル２２に固定するのであれば、他の任意の形状又は構成にできる。

トリム固定部１７とボデー固定部１８とには、両者を相互に直接連結する連結手段が設けられている。トリム固定部１７の連結手段は、トリム固定部１７の両側の側面から下方に延びる一対の第１ロック爪３１である。ボデー固定部１８の連結手段は、一対の第１ロック爪３１に対応する位置に向けて立設されて、第１ロック爪３１に係合するように形成された、一対の第２ロック爪３３である。かかる第２ロック爪３３と第１ロック爪３１の連結は、カーテンサイドエアバッグの展開時には外れて、トリム固定部１７がトリム１９とともに、ボデー固定部１８から、テザー２３の長さの範囲で離れる。第１ロック爪３１と第２ロック爪３３とによって連結されたボデー固定部１８の上面とトリム固定部１７の下面の間には、後述のように、テザー２３を折畳んで収容するスペースが形成される。このスペースを形成するように、第２ロック爪３３と第１ロック爪３１の高さ方向の長さが定められている。

テザー２３は、図４に示されるように一対形成されており、各テザー２３が、図１のテザー長さ９と同じ長さ３４を有する。各テザー２３は、可撓性で靱性のある細長い板状のストラップの形状に形成されて、その長さ３４は一定に定められている。長さ３４は、図１の従来のトリムクリップ１のテザー５の長さ９とほぼ同じ長さに選定されている。すなわち、カーテンサイドエアバッグの展開の際には、ボデー固定部１８から離れたトリム固定部１７に支持されたトリム１９が、カーテンサイドエアバッグの展開を邪魔しないように大きく移動するが、そのトリム１９が、乗員の頭部等の身体に接しないように、ボデー固定部１８からの移動長さを制限する長さに選定される。なお、テザー２３は、図示のように、一対形成されれば、その強度が向上し、バランスするので好ましい。しかし、十分な強度が維持できるのであれば、トリム固定部１７及びボデー固定部１８の片側を連結する１つのテザーであってもよい。

各テザー２３は、図４に図示のように、中間部３５において「くの字」又はＣ字形に湾曲した細長い可撓性で靱性のあるストラップとして形成される。中間部３５は、テザー２３の折曲げ点として機能して、第１ロック爪３１と第２ロック爪３３を係止させてトリム固定部１７をボデー固定部１８に直接連結した場合に、テザー２３は、中間部３５を中心にして２つに折畳まれる。折畳みの方向は、テザー２３が連結されたトリム固定部１７及びボデー固定部１８の一方の側から、連結されていない他方の側に張り出す方向に定められる。従って、図示のように、中間部３５の位置は、テザー２３が連結されたトリム固定部１７及びボデー固定部１８の一方の側から他方の側に向けて「くの字」又はＣ字形に湾曲しており、トリム固定部１７をボデー固定部１８に直接連結するように近づけると中間部３５が他方の側に移動しつつ２つに折畳まれる。なお、図４に図示のように、テザー２３が一対設けられる場合には、図５に図示のように、折畳まれたときに相互に干渉しないように、２つのテザー２３は、側部に平行な側部に沿って位置がずらされて形成される。また、テザー２３が１本の場合には、テザー２３の幅を図５の２本のテザー幅に形成することができる。

上記のように、トリムクリップ１５は、図４〜図５の製造時の状態から、トリム固定部１７とボデー固定部１８とが第１ロック爪３１及び第２ロック爪３３で連結された、図６及び図７の製品状態でトリムに組み付けられる。製品状態において、トリム固定部１７の下面側とボデー固定部１８の上面側との間には、２つに折畳まれたテザー２３が収容されるスペース３７が、第１ロック爪３１と第２ロック爪３３の係止によって形成される。図６及び図７に図示のように、２つに折畳まれた、一対のテザー２３は、トリム固定部１７の下面側とボデー固定部１８の上面側との間に形成されたスペース３７にすっぽりと収容される。従って、図２の従来のトリムクリップ１のように、テザーが一方の側に大きく張り出すことがなくなる。このように、テザー２３は、トリム固定部１７とボデー固定部１８とが連結された製品状態において、トリム固定部１７とボデー固定部１８の両側からはテザー２３が殆ど張り出さない。また、テザー２３は、張り出したとしてもその張り出し長さは非常に短い。すなわち、図１、図２に示す従来のトリムクリップ１と違って、トリム１９の内側の狭い空間であっても、トリムクリップ１５を、トリム１９内において容易に位置決めでき、取付けることができる。トリムクリップ１５が取付けられたトリム１９は、ボデーパネル２２のところへ搬送されて、ボデーパネル２２の取付穴にボデー固定部１８の脚部２７が挿入されると、トリム１９がボデーパネル２２に取付けられる。

図８は、トリムクリップ１５を用いてトリム１９をボデーパネル２２に取付けた様子を示している。トリムクリップ１５において、トリム固定部１７がボデー固定部１８に連結され、トリム１９の支持フレーム２６は、トリム固定部１７のトリム支持部２５に連結され、ボデー固定部１８の脚部２７はボデーパネル２２の取付穴に挿入されて、弾性係止爪２９とフランジ３０によってボデー固定部１８がボデーパネル２２に連結されている。図示していないが、折畳まれたカーテンサイドエアバッグが、トリム１９の内側とボデーパネル２２の間に収容されている。カーテンサイドエアバッグは、自動車の衝突等の場合に乗員の頭部を保護するように急激に展開する。この展開によって、トリム１９がボデーパネル２２から離れる力が作用してトリム１９とともにトリム固定部１７がボデー固定部１８から離れ（第１ロック爪３１と第２ロック爪３３との係止が強制的に解除され）、ボデー固定部１８から離れたトリム固定部１７に支持されたトリム１９が、カーテンサイドエアバッグの展開を邪魔しないように大きく移動する。このトリム１９の移動は、テザー２３の一定長さによって制限され、そのトリム１９が乗員の頭部等の身体に接するのを阻止する。

従来のトリムクリップの製造時の正面図である。 従来のトリムクリップの製品状態の正面図である。 本発明の実施形態に係るトリムクリップの製造時の平面図である。 図３のトリムクリップの正面図である。 図４のトリムクリップの左側面図である。 本発明の実施形態に係るトリムクリップの製品状態の正面図である。 図６のトリムクリップのＡ−Ａ線断面図である。 図７のトリムクリップを用いてトリムをボデーパネルに取付けた様子を示す断面図である。

符号の説明

１ 従来のトリムクリップ
２ トリム固定部
３ ボデー固定部
５ テザー
６ トリム支持部
７ 脚部
１０、１１ 連結部
１３ テザー張り出し長さ
１５ 本発明に係るトリムクリップ
１７ トリム固定部
１８ ボデー固定部
１９ トリム
２２ ボデーパネル
２３ テザー
２５ トリム支持部
２６ 支持フレーム
２７ 脚部
２９ 弾性係止爪
３０ フランジ
３１ 第１ロック爪
３３ 第２ロック爪
３４ テザーの長さ
３５ テザーの中間部

Claims (6)

1. トリム固定部とボデー固定部とが一定長さのストラップ形状のテザーによって連結されており、使用前の製品状態ではトリム固定部がボデー固定部に直接連結されており、トリム固定部がボデー固定部から外れて離れるときのトリム固定部の移動長さがテザーによって制限されている、カーテンサイドエアバッグ用トリム等のトリムを保持するトリムクリップであって、
   前記テザーは、トリム固定部とボデー固定部とが直接連結されていない状態では前記トリム固定部の一方の側部から該一方の側部に対向する前記ボデー固定部の一方の側部に延びて連結されるストラップ形状に形成されており、該テザーは、トリム固定部とボデー固定部とが直接連結されている前記製品状態では該テザーの中間部において折畳まれて前記トリム固定部と前記ボデー固定部の間のスペースに収容されている、
   ことを特徴とするトリムクリップ。
2. 請求項１に記載のトリムクリップにおいて、前記テザーは、ボデー固定部から離れたトリム固定部に支持されたトリムがカーテンサイドエアバッグの展開を邪魔しないように大きく移動するが、該トリムが乗員の頭部等の身体に接しないようにボデー固定部からの移動長さを制限する長さに選定されている、ことを特徴とするトリムクリップ。
3. 請求項１又は２に記載のトリムクリップにおいて、トリム固定部とボデー固定部とに、両者を相互に直接連結するロック爪が設けられており、両ロック爪が連結された状態において、前記折畳まれたテザーを収容するスペースが前記トリム固定部と前記ボデー固定部との間に形成されている、ことを特徴とするトリムクリップ。
4. 請求項１〜３のいずれか１項に記載のトリムクリップにおいて、前記テザーは、前記トリム固定部の両側部と該トリム固定部の両側部に対向する前記ボデー固定部の両側部とを連結するように、一対形成されており、両テザーは、折畳まれたとき相互に干渉しないように、前記トリム固定部の両側部及び前記ボデー固定部の両側部に沿って位置をずらして設けられている、ことを特徴とするトリムクリップ。
5. 請求項１〜４のいずれか１項に記載のトリムクリップにおいて、前記テザーは、中間部がくの字又はＣ字形状に湾曲しており、該中間部がテザーが折畳まれるときの折曲げ点となる、ことを特徴とするトリムクリップ。
6. 請求項５に記載のトリムクリップにおいて、前記テザーの中間部は、前記トリム固定部及び前記ボデー固定部の連結側部から反対側の側部へ向かうように湾曲して形成されている、ことを特徴とするトリムクリップ。

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