JP2009046114A - 車両用乗員検知システム - Google Patents
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Abstract
【課題】荷重検出手段の的確な基準値補正の実施回数を増加させ、荷重検出手段の検出精度を向上させることができる車両用乗員検知システムを提供すること。
【解決手段】車両に設けられたシート2に作用する荷重を検出する複数の荷重センサ(荷重検出手段)3a〜3dと、これらの荷重センサ3a〜3dの検出結果に基づいてシート2に乗員が着座しているか否かを判定する着座判定部(着座検知手段)5と、この着座判定部5の検知結果に基づいて複数の荷重センサ3a〜3dの基準値補正を行う基準補正部(基準補正手段)6とを備え、基準補正部6は、着座判定部5からシート2に乗員が着座していないとの検知結果が入力された後に、複数の荷重センサ3a〜3dのそれぞれの検出結果の変動量の絶対値の総和が、あらかじめ定めた閾値よりも小さければ、そのときの複数の荷重センサ3a〜3dの検出結果を基準値として基準値補正を行う。
【選択図】図3
【解決手段】車両に設けられたシート2に作用する荷重を検出する複数の荷重センサ(荷重検出手段)3a〜3dと、これらの荷重センサ3a〜3dの検出結果に基づいてシート2に乗員が着座しているか否かを判定する着座判定部(着座検知手段)5と、この着座判定部5の検知結果に基づいて複数の荷重センサ3a〜3dの基準値補正を行う基準補正部(基準補正手段)6とを備え、基準補正部6は、着座判定部5からシート2に乗員が着座していないとの検知結果が入力された後に、複数の荷重センサ3a〜3dのそれぞれの検出結果の変動量の絶対値の総和が、あらかじめ定めた閾値よりも小さければ、そのときの複数の荷重センサ3a〜3dの検出結果を基準値として基準値補正を行う。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両用シートに乗員が着座しているか否かを判定する車両用乗員検知システムに関し、詳しくはシートに作用する荷重を検出する荷重検出手段の基準値補正に関するものである。
従来から、車両用シートに作用する荷重に基づき、このシートに乗員が着座しているか否かを判断する乗員検知システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この乗員検知システムでは、ドアが閉状態から開状態に変化したか否かを検知してから荷重検出手段の基準値補正を行っている。
特開2002−341052号公報
ところで、上述の乗員検知システムでは、ドアの状態変化を検知しないと荷重検出手段の基準値補正を行うことがなかった。
そのため、補正回数が限られてしまい、例えば走行中の振動等によって基準値にズレが生じた場合であっても車両走行中に補正することができず、荷重検出手段の検出精度が低下する恐れがあった。
また、この荷重検出手段の基準値補正は、車両が不安定な状態であると正確に行うことができないという問題もあった。
そこで、この発明は、荷重検出手段の的確な基準値補正の実施回数を増加させ、荷重検出手段の検出精度を向上させることができる車両用乗員検知システムを提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、この発明に係る車両用乗員検知システムは、車両に設けられたシートに作用する荷重を検出する複数の荷重検出手段と、これらの荷重検出手段の検出結果に基づいて前記シートに乗員が着座しているか否かを判定する着座検知手段と、この着座検知手段の検知結果に基づいて前記複数の荷重検出手段の基準値補正を行う基準補正手段とを備え、前記基準補正手段は、前記着座検知手段から前記シートに乗員が着座していないとの検知結果が入力された後に、前記複数の荷重検出手段のそれぞれの検出結果の変動量の絶対値の総和が、あらかじめ定めた閾値よりも小さければ、そのときの前記複数の荷重検出手段の検出結果を基準値として基準値補正を行うことを特徴としている。
また、この発明に係る車両用乗員検知システムは、車両に設けられたシートに作用する荷重を検出する複数の荷重検出手段と、これらの荷重検出手段の検出結果に基づいて前記シートに乗員が着座しているか否かを判定する着座検知手段と、この着座検知手段の検知結果に基づいて前記複数の荷重検出手段の基準値補正を行う基準補正手段とを備え、前記基準補正手段は、前記複数の荷重検出手段の検出結果に基づいて前記車両の状態を判定する車両状態判定部を有し、前記着座検知手段から前記シートに乗員が着座していないとの検知結果が入力された後に、前記車両状態判定部により前記車両が安定していると判定されると、そのときの前記複数の荷重検出手段の検出結果を基準値として基準値補正を行うことを特徴としている。
そして、前記車両状態判定部は、前記複数の荷重検出手段の検出結果の総和の変動量の絶対値が、あらかじめ定めた閾値よりも小さければ、前記車両が安定していると判定するものであってもよい。
さらに、前記基準補正手段は、前記複数の荷重検出手段のそれぞれの検出結果をあらかじめ定めた回数を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された複数の検出結果の平均値を算出する平均値算出手段とを有し、この平均値算出手段により算出された値を基準値として基準値補正を行ってもよい。
基準補正手段が複数の荷重検出手段のそれぞれの検出結果の変動量の絶対値の総和があらかじめ定めた閾値よりも小さければ、複数の荷重検出手段の基準値補正を行うものにあっては、荷重検出手段のそれぞれの検出結果の変動量の絶対値の総和に基づいて車両の安定状態を判別することができるので、車両が安定状態であるときを選んで荷重検出手段の基準値補正を行うことができる。すなわち、車両走行時であっても、車両が安定して比較的ノイズの入力が少ない状態であれば基準値補正を行うことが可能である。
これにより、的確な基準値補正の実施回数を増加して、荷重検出手段の検出精度を向上させることができる。
また、基準補正手段が複数の荷重検出手段の検出結果に基づいて車両の状態を判定する車両状態判定部を有し、この車両状態判定部により車両が安定していると判定されると複数の荷重検出手段の基準値補正を行うものにあっては、車両が安定状態であるときを的確に選んで荷重検出手段の基準値補正を行うことができる。すなわち、車両走行時であっても、車両が安定して比較的ノイズの入力が少ない状態を選別して基準値補正を行うことが可能である。
これにより、的確な基準値補正の実施回数を増加して、荷重検出手段の検出精度を向上させることができる。
そして、車両状態判定部が、複数の荷重検出手段の検出結果の総和の変動量の絶対値があらかじめ定めた閾値よりも小さければ車両が安定していると判定するものにあっては、車両状態の判定処理を簡素化することができ、演算ソフトへの負荷を低減することができる。そのため、小型のCPU等で制御することができ、製造コストの上昇を抑制することが可能となる。
さらに、基準補正手段が荷重検出手段の検出結果を複数回記憶し、算出した平均値を基準値として基準値補正を行うものにあっては、基準値補正の精度を高めることができ、さらに荷重検出手段の検出精度を向上させることが可能となる。
本発明に係る車両用乗員検知システムの最良の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
この最良の実施の形態に係る車両用乗員検知システムAは、車両に搭載されたエアバッグシステムBに組み込まれるものである。
このエアバッグシステムBは、図1に示すように、エアバッグECU1、車両用乗員検知システムA、乗員状態表示ランプ6、エアバッグ7、ワーニングランプ8により主に構成されている。
エアバッグECU1は、CPU1aを内蔵し、車両用乗員検知システムAから得られる乗員情報に基づいてエアバッグ7の展開制御を行うものである。ここでは、乗員がいない場合には展開しない、大人が乗車している場合には全展開する、チャイルドシートを利用して子供が乗車している場合には展開しない等の展開制御を行うようになっている。
また、乗員状態表示ランプ6は、例えば、乗員なし、大人着座、チャイルドシート設置という乗員情報を表示する表示灯である。
エアバッグ7は、車両衝突時に乗員保護のために展開して緩衝機能を発揮するものである。なお、エアバッグECU1の制御により、乗員情報に応じて展開の大きさを変更することができる。
ワーニングランプ8は、エアバッグ系における故障を検知した場合に、警告表示を行うための表示灯である。
車両用乗員検知装置Aは、車両に設けられたシート2に取り付けられた複数の荷重センサ(荷重検出手段)3a〜3dと、乗員検知用ECU4とを備えている。
複数の荷重センサ3a〜3dは、シート2の異なる位置にそれぞれ取り付けられており、このシート2の異なる4点の位置の荷重を検出するようになっている。
なお、各荷重センサ3a〜3dは、図2(a)〜(c)示すように、例えば、シートレール2a上を移動可能に取り付けられた助手席のシート2の右前側脚部、左前側脚部、右後側脚部、左後側脚部にそれぞれ設けられている。これにより、各脚部へ作用した荷重が個々に検出される。
乗員検知用ECU4は、メモリ部4aと、着座判定部(着座検知手段)5と、基準補正部(基準補正手段)6と、図示しない乗員判定部等を有している。
メモリ部4aは、荷重センサ3a〜3dがそれぞれ検出した検出値が入力される記憶装置であり、入力された検出値は着座判定部5、基準補正部6等によって適宜呼び出し可能となっている。
着座判定部5は、荷重センサ3a〜3dからの検出値に基づいてシート2上の乗員の有無を判定するものである。ここでは、検出値の総和をあらかじめ定められた閾値と比較し、総和がこの閾値よりも小さい場合に乗員なしと判定するようになっている。
基準補正部6は、荷重センサ3a〜3dからの検出値に基づいて荷重センサ3a〜3dの基準値補正を行うものである。
なお、基準値補正とは、車体やシート2の歪み等により、シート2に乗員が着座していないときの荷重センサ3a〜3dの検出値が変化してしまった場合に、検出値が所定の基準値もしくはゼロになるように補正を行うことである。
この基準値補正が適正に行われないと、荷重センサ3a〜3dの検出精度が低下してしまうこととなる。
そして、この基準補正部6は、着座判定部5から乗員なしとの判定結果が入力された後に、各荷重センサ3a〜3dの検出値の変化量の絶対値を求める。そして、これらの変化量の総和とあらかじめ定められた閾値とを比較し、変化量の総和がこの閾値よりも小さい場合に基準値補正が可能であると判定する。
また、基準補正部6は、バッファメモリ(記憶手段)6aと、平均算出部(平均算出手段)6bとを有している。
バッファメモリ6aは、基準補正部6によって基準値補正が可能であると判定された場合に、荷重センサ3a〜3dによって検出された検出値を一時的に記憶する記憶装置である。なお、記憶する検出値はメモリ部4aから呼び出されて入力するようになっている。
平均算出部6bは、バッファメモリ6aに入力され記憶された検出値(以下、バッファデータという)が所定の数になったら、すなわちバッファメモリ6aへのデータ書き込みが所定回数行われたら、バッファデータの平均値を算出するものである。
算出された平均値は、新たな基準値として基準補正部6から各荷重センサ3a〜3dに入力されるようになっている。
なお、図示しない乗員判定部は、着座判定部5によって乗員ありと判定された場合に、荷重センサ3a〜3dからの検出値に基づいてシート2上の乗員状態を判定するものである。
次に、この最良の実施の形態に係る車両用乗員検知システムAの基準値補正処理を図3に示すフローチャートに沿って説明する。
まず、運転乗員が運転席に着座して図示しないイグニッションキーをオン操作すると、例えば助手席のシート2の各荷重センサ3a〜3dは、シート2に作用している荷重をそれぞれ検出する。そして、乗員検知用ECU4は、この検出された検出値をメモリ部4aに入力する(ステップ1)。
ここで、荷重センサ3aの検出値をFi、荷重センサ3bの検出値をFo、荷重センサ3cの検出値をRi、荷重センサ3dの検出値をRoとし、図4において検出値Fi、Fo、Ri、Roの変動をグラフに示す。
また、ある所定時間Tnにおける検出値は、Fi(n)、Fo(n)、Ri(n)、Ro(n)と示す。
次に、着座判定部5は、メモリ部4aに入力された検出値Fi、Fo、Ri、Roのうち、ある所定時間Tnにおける検出値Fi(n)、Fo(n)、Ri(n)、Ro(n)を呼び出し、この所定時間Tnにおける総和W(n)を式(1)により算出する(ステップ2)。
W(n)=Fi(n)+Fo(n)+Ri(n)+Ro(n) ・・・(1)
そして、この算出結果W(n)に基づいて荷重センサ3a〜3dの基準値補正が可能であるか否かを判定する(ステップ3)。
そして、この算出結果W(n)に基づいて荷重センサ3a〜3dの基準値補正が可能であるか否かを判定する(ステップ3)。
なお、この判定は、あらかじめ定めた閾値TH/L(β)よりも総和W(n)が小さければシート2に乗員が着座していないとして補正可能と判定し、総和W(n)がこの閾値TH/L(β)以上であればシート2に乗員が着座しているとして補正不可能と判定することにより行う。
そして、総和W(n)が閾値TH/L(β)以上の場合、すなわちステップ3においてNOの場合には、ステップ1へ戻る。
一方、総和W(n)が閾値TH/L(β)よりも小さい場合、すなわちステップ3においてYESの場合には、基準補正部6によって、各荷重センサ3a〜3dにおける所定時間前に検出された検出値と、現在検出された検出値との変動量の絶対値ΔFi、ΔFo、ΔRi、ΔRoを算出する(ステップ4)。
この変動量の絶対値ΔFi、ΔFo、ΔRi、ΔRoの算出は、まず、メモリ部4aに入力された時間Tn-1(所定時間前)における検出値Fi(n−1)、Fo(n−1)、Ri(n−1)、Ro(n−1)をそれぞれ呼び出す。
次に、時間Tn(現在)における検出値Fi(n)、Fo(n)、Ri(n)、Ro(n)から時間Tn−1における検出値Fi(n−1)、Fo(n−1)、Ri(n−1)、Ro(n−1)を引き、得られた結果の絶対値をとる(式(2)〜式(5)参照)。
ΔFi=ABS{Fi(n)−Fi(n−1)} ・・・(2)
ΔFo=ABS{Fo(n)−Fo(n−1)} ・・・(3)
ΔRi=ABS{Ri(n)−Ri(n−1)} ・・・(4)
ΔRo=ABS{Ro(n)−Ro(n−1)} ・・・(5)
なお、この変動量の絶対値ΔFi、ΔFo、ΔRi、ΔRoをグラフで示すと図4に拡大して示したようになる。
ΔFo=ABS{Fo(n)−Fo(n−1)} ・・・(3)
ΔRi=ABS{Ri(n)−Ri(n−1)} ・・・(4)
ΔRo=ABS{Ro(n)−Ro(n−1)} ・・・(5)
なお、この変動量の絶対値ΔFi、ΔFo、ΔRi、ΔRoをグラフで示すと図4に拡大して示したようになる。
その後、変動量の絶対値ΔFi、ΔFo、ΔRi、ΔRoの総和ΔWを式(6)により算出する(ステップ5)。
ΔW=ΔFi+ΔFo+ΔRi+ΔRo ・・・(6)
そして、この算出結果ΔWに基づいて車両が安定状態であるか否かを判定する(ステップ6)。
そして、この算出結果ΔWに基づいて車両が安定状態であるか否かを判定する(ステップ6)。
なお、この判定は、あらかじめ定めた閾値TH/L(α)よりも総和ΔWが小さければ車両が安定した状態であると判定し、総和ΔWがこの閾値TH/L(α)以上であれば車両が変動しており安定状態ではないと判定することにより行う。これにより、車両走行中であっても車両の安定状態を判別することができる。
ここで、「安定状態」とは、車両が平坦走行を行っているか停車している場合等が考えられ、「変動状態」とは車両が旋回、加減速走行等を行っていると考えられる。
そして、総和ΔWが閾値TH/L(α)以上である場合、すなわちステップ6においてNOの場合には、バッファメモリ6aに入力されたバッファデータを全てクリア(消去)し(ステップ7)、ステップ1へ戻る。
一方、総和ΔWが閾値TH/L(α)よりも小さい場合、すなわちステップ6においてYESの場合には、メモリ部4aから呼び出した検出値Fi(n)、Fo(n)、Ri(n)、Ro(n)をバッファメモリ6aに入力する(ステップ8)。
次に、バッファメモリ6aに入力され記憶された荷重センサ3a〜3dごとの検出値Fi、Fo、Ri、Roが、それぞれあらかじめ任意に定めた所定の数n個であるか否かを判定する(ステップ9)。
つまり、バッファメモリ6aへのバッファデータの書き込みがn回行われた否かを判定する。
そして、バッファデータがn個でない場合、すなわちステップ9においてNOの場合には、ステップ1へ戻る。
一方、バッファデータがn個の場合、すなわちステップ9においてYESの場合には、バッファメモリ6aに入力された全てのバッファデータを平均算出部6bに入力し、この平均算出部6bによってバッファデータの平均値が算出される(ステップ10)。
そして、この算出された平均値を各荷重センサ3a〜3dにおける基準値とし、各荷重センサ3a〜3dに入力されてこれらの基準値補正が行われる(ステップ11)。
なお、この基準値補正は、各荷重センサ3a〜3dの現在の検出値を、基準値である平均値に置き換えることで行われる。
また、この基準値補正処理は、イグニッションキーがオン操作されてからオフ操作されるまでの間、例えば100msecごとに定期的に行われる。そのため荷重センサ3a〜3dの基準値補正をすぐに行うことが可能である。
このように、この発明に係る車両用乗員検知システムAでは、荷重センサ3a〜3dの検出値の変動量の絶対値の総和ΔWに基づいて車両の安定状態を判別することができる。そのため、車両が走行中であっても、平坦走行をしている場合等のように車両が安定状態であるときを選んで基準値補正を行うことができる。
そして、的確な基準値補正の実施回数を増加することができ、走行中の振動等により荷重センサ3a〜3dの基準値にズレが生じた場合であっても、すぐに基準値の補正を行うことができる。そして、荷重センサ3a〜3dの検出精度の向上を図ることが可能となる。
また、上述の実施の形態では、あらかじめ定めた所定の数(n個)の検出値の平均値を基準値として荷重センサ3a〜3dの基準値補正を行っている。これにより、基準値補正の精度を高めることができ、荷重センサ3a〜3dの検出精度の向上をさらに図ることができる。
次に、本発明に係る車両用乗員検知システムの実施例1について、図面に基づいて説明する。
この実施例1に係る車両用乗員検知システムA1は、車両に搭載されたエアバッグシステムBに組み込まれるものである。ここで、このエアバッグシステムBは、上述の最良の実施の形態におけるエアバッグシステムBと同等であるので詳細な説明を省略する。
車両用乗員検知システムA1は、車両に設けられたシート2に取り付けられた複数の荷重センサ(荷重検出手段)3a〜3dと、乗員検知用ECU10とを備えている。ここで、各荷重センサ3a〜3dは、上述の最良の実施の形態における荷重センサ3a〜3dと同等であるので詳細な説明を省略する。
乗員検知用ECU10は、メモリ部10aと、着座判定部(着座検知手段)11と、基準補正部(基準補正手段)12と、図示しない乗員判定部等を有している。
メモリ部10aは、荷重センサ3a〜3dがそれぞれ検出した検出値が入力される記憶装置であり、入力された検出値は着座判定部11、基準補正部12等によって適宜呼び出し可能となっている。
着座判定部11は、荷重センサ3a〜3dからの検出値に基づいてシート2上の乗員の有無を判定するものである。ここでは、検出値の総和をあらかじめ定められた閾値と比較し、総和がこの閾値よりも小さい場合に乗員なしと判定するようになっている。
基準補正部12は、車両状態判定部13と、バッファメモリ(記憶手段)14と、平均算出部(平均算出手段)15とを有しており、荷重センサ3a〜3dからの検出値に基づいて車両が安定していると判定されたときに各荷重センサ3a〜3dの基準値補正を行うものである。
車両状態判定部13は、着座判定部11から乗員なしとの判定結果が入力された後に、各荷重センサ3a〜3dの検出値に基づいて車両の状態を判定するものである。ここでは、各荷重センサ3a〜3dの検出値の総和の変化量の絶対値を求め、この総和の変化量とあらかじめ定められた閾値とを比較し、総和の変化量がこの閾値よりも小さい場合に車両が安定していると判定する。
また、バッファメモリ14は、車両状態判定部13によって車両が安定していると判定された場合に、荷重センサ3a〜3dによって検出された検出値を一時的に記憶する記憶装置である。なお、記憶する検出値はメモリ部10aから呼び出されて入力するようになっている。
平均算出部15は、バッファメモリ14に入力され記憶された検出値(以下、バッファデータという)が所定の数になったら、すなわちバッファメモリ14へのデータ書き込みが所定回数行われたら、バッファデータの平均値を算出するものである。
算出された平均値は、新たな基準値として基準補正部12から各荷重センサ3a〜3dにそれぞれ入力されるようになっている。
なお、図示しない乗員判定部は、着座判定部11によって乗員ありと判定された場合に、荷重センサ3a〜3dからの検出値に基づいてシート2上の乗員状態を判定するものである。
次に、この実施例1に係る車両用乗員検知システムA1の基準値補正処理を図6に示すフローチャートに沿って説明する。
まず、運転乗員が運転席に着座して図示しないイグニッションキーをオン操作すると、例えば助手席のシート2の各荷重センサ3a〜3dは、シート2に作用している荷重をそれぞれ検出する。そして、乗員検知用ECU10は、この検出された検出値をメモリ部10aに入力する(ステップ20)。
ここで、荷重センサ3aの検出値をFi、荷重センサ3bの検出値をFo、荷重センサ3cの検出値をRi、荷重センサ3dの検出値をRoとし、ある所定時間Tnにおける検出値をFi(n)、Fo(n)、Ri(n)、Ro(n)とする。
次に、着座判定部11は、メモリ部10aに入力された検出値Fi、Fo、Ri、Roのうち、ある所定時間Tnにおける検出値Fi(n)、Fo(n)、Ri(n)、Ro(n)を呼び出し、この所定時間Tnにおける総和W(n)を式(1)により算出する(ステップ21)。また、この算出した総和W(n)はメモリ部10aに入力される。
W(n)=Fi(n)+Fo(n)+Ri(n)+Ro(n) ・・・(1)
そして、この算出結果W(n)に基づいて荷重センサ3a〜3dの基準値補正が可能であるか否かを判定する(ステップ22)。
そして、この算出結果W(n)に基づいて荷重センサ3a〜3dの基準値補正が可能であるか否かを判定する(ステップ22)。
なお、この判定は、あらかじめ定めた閾値TH/L(β)よりも総和W(n)が小さければシート2に乗員が着座していないとして補正可能と判定し、総和W(n)がこの閾値TH/L(β)以上であればシート2に乗員が着座しているとして補正不可能と判定することにより行う。
そして、総和W(n)が閾値TH/L(β)以上の場合、すなわちステップ22においてNOの場合には、ステップ20へ戻る。
一方、総和W(n)が閾値TH/L(β)よりも小さい場合、すなわちステップ22においてYESの場合には、車両状態判定部13によって、各荷重センサ3a〜3dにおける所定時間前に検出された検出値の総和と、現在検出された検出値の総和との変動量の絶対値ΔW1を算出する(ステップ23)。
この総和の変動量の絶対値ΔW1の算出は、まず、メモリ部10aに入力された時間Tn-1(所定時間前)における検出値Fi(n−1)、Fo(n−1)、Ri(n−1)、Ro(n−1)の総和W(n−1)と、時間Tn(現在)における検出値Fi(n)、Fo(n)、Ri(n)、Ro(n)の総和W(n)とをそれぞれ呼び出す。
なお、この総和W(n−1)及び総和W(n)は、それぞれメモリ部10aに入力されているので再度算出する必要はない。
次に、時間Tnにおける総和W(n)から時間Tn−1における総和W(n−1)を引き、得られた結果の絶対値をとる(式(2)参照)。
ΔW1=ABS{W(n)−W(n−1)} ・・・(2)
そして、この算出結果ΔW1に基づいて車両が安定状態であるか否かを判定する(ステップ24)。
そして、この算出結果ΔW1に基づいて車両が安定状態であるか否かを判定する(ステップ24)。
なお、この判定は、あらかじめ定めた閾値TH/L(α)よりも総和の変動量ΔW1が小さければ車両が安定した状態であると判定し、総和の変動量ΔW1がこの閾値TH/L(α)以上であれば車両が変動しており安定状態ではないと判定することにより行う。これにより、車両走行中であっても車両の安定状態を判別することができる。
そして、総和の変動量ΔW1が閾値TH/L(α)以上である場合、すなわちステップ24においてNOの場合には、車両が安定していないのでバッファメモリ14に入力されたバッファデータを全てクリア(消去)し(ステップ25)、ステップ20へ戻る。
一方、総和の変動量ΔW1が閾値TH/L(α)よりも小さい場合、すなわちステップ24においてYESの場合には、メモリ部10aから呼び出した検出値Fi(n)、Fo(n)、Ri(n)、Ro(n)をバッファメモリ14に入力する(ステップ26)。
次に、バッファメモリ14に入力され記憶された荷重センサ3a〜3dごとの検出値Fi、Fo、Ri、Roが、それぞれあらかじめ任意に定めた所定の数n個であるか否かを判定する(ステップ27)。つまり、バッファメモリ14へのバッファデータの書き込みがn回行われた否かを判定する。
そして、バッファデータがn個でない場合、すなわちステップ27においてNOの場合には、ステップ20へ戻る。
一方、バッファデータがn個の場合、すなわちステップ27においてYESの場合には、バッファメモリ14に入力された全てのバッファデータを平均算出部15に入力し、この平均算出部15によってバッファデータの平均値が算出される。なお、この平均値は、各荷重センサ3a〜3dの個々について算出される(ステップ28)。
そして、この算出された平均値を各荷重センサ3a〜3dにおけるそれぞれの基準値とし、この平均値が各荷重センサ3a〜3dに入力されてこれらの基準値補正が行われる(ステップ29)。
なお、この基準値補正は、各荷重センサ3a〜3dの現在の検出値を基準値である平均値に置き換えることで行われる。
このように、この実施例1に係る車両用乗員検知システムA1では、基準補正部12が車両状態判定部13を有し、この車両状態判定部13によって車両が安定しているか否かを判定し、車両の安定状態を的確に選択して荷重センサ3a〜3dのそれぞれの基準値補正を行うことができる。これにより、各荷重センサ3a〜3dの的確な基準値補正の実施回数を増加し、荷重検出手段の検出精度を向上させることができる。
特に上述の実施例1においては、車両状態判定部13が各荷重センサ3a〜3dの検出結果の総和の変動量ΔW1の絶対値があらかじめ定めた閾値TH/L(α)よりも小さければ車両が安定していると判定するようになっている。
そのため、車両状態の判定処理を簡素化することができ、演算ソフトへの負荷を低減することができる。そのため、小型のCPU等で制御することができ、製造コストの上昇を抑制することが可能となる。
以上、この発明にかかる実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施の形態に限らない。この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等はこの発明に含まれる。
例えば、上述の実施の形態では、あらかじめ定めた所定の数(n個)の検出値の平均値を基準値としているが、車両安定状態であると判定した際の検出値をそのまま基準値としてもよい。この場合、基準値の設定を短期間で行うことができ、基準値補正を短時間で行うことが可能となる。
A 車両用乗員検知システム
2 シート
3a〜3d 荷重センサ(荷重検知手段)
5 着座判定部(着座検知手段)
6 基準補正部(基準補正手段)
2 シート
3a〜3d 荷重センサ(荷重検知手段)
5 着座判定部(着座検知手段)
6 基準補正部(基準補正手段)
Claims (4)
- 車両に設けられたシートに作用する荷重を検出する複数の荷重検出手段と、これらの荷重検出手段の検出結果に基づいて前記シートに乗員が着座しているか否かを判定する着座検知手段と、この着座検知手段の検知結果に基づいて前記複数の荷重検出手段の基準値補正を行う基準補正手段とを備え、
前記基準補正手段は、前記着座検知手段から前記シートに乗員が着座していないとの検知結果が入力された後に、前記複数の荷重検出手段のそれぞれの検出結果の変動量の絶対値の総和が、あらかじめ定めた閾値よりも小さければ、そのときの前記複数の荷重検出手段の検出結果を基準値として基準値補正を行うことを特徴とする車両用乗員検知システム。 - 車両に設けられたシートに作用する荷重を検出する複数の荷重検出手段と、これらの荷重検出手段の検出結果に基づいて前記シートに乗員が着座しているか否かを判定する着座検知手段と、この着座検知手段の検知結果に基づいて前記複数の荷重検出手段の基準値補正を行う基準補正手段とを備え、
前記基準補正手段は、前記複数の荷重検出手段の検出結果に基づいて前記車両の状態を判定する車両状態判定部を有し、
前記着座検知手段から前記シートに乗員が着座していないとの検知結果が入力された後に、前記車両状態判定部により前記車両が安定していると判定されると、そのときの前記複数の荷重検出手段の検出結果を基準値として基準値補正を行うことを特徴とする車両用乗員検知システム。 - 前記車両状態判定部は、前記複数の荷重検出手段の検出結果の総和の変動量の絶対値が、あらかじめ定めた閾値よりも小さければ、前記車両が安定していると判定することを特徴とする請求項2に記載の車両用乗員検知システム。
- 前記基準補正手段は、前記複数の荷重検出手段のそれぞれの検出結果をあらかじめ定めた回数を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された複数の検出結果の平均値を算出する平均値算出手段とを有し、この平均値算出手段により算出された値を基準値として基準値補正を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の車両用乗員検知システム。
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---|---|---|---|
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