JP2009044021A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固体電解コンデンサは、ニオブからなる陽極体1と、この陽極体1の表面に形成された主として酸化ニオブからなる誘電体層2と、誘電体層2の上に形成された導電性高分子層3と、この導電性高分子層3の上に形成された陰極層4と、を備える。ここで、誘電体層2内には、陽極側に偏在してフッ素(F)がドープされるとともに、アルミニウム(Al)とタンタル(Ta)の少なくとも一方の金属が固溶されている。
【選択図】図1
Description
たはニオブ合金からなる陽極の表面を、フッ素イオンを含む電解質中で陽極酸化することにより、酸化ニオブを含む誘電体層を形成するとともに、誘電体層中にフッ素をドープする第1の工程と、イオン注入法を用いて酸化ニオブを含む領域にアルミニウムとタンタルの少なくとも一方の金属を導入して固溶する第2の工程と、誘電体層上に陰極層を形成する第3の工程と、を備えることを特徴とする。
図1は第1実施形態に係る固体電解コンデンサの構成を示す概略断面図である。
次に、図1に示す第1実施形態の固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
第2実施形態の固体電解コンデンサは、第1実施形態と同様、陽極体1と、この陽極体1の表面に形成された誘電体層2と、誘電体層2の上に形成された導電性高分子層3と、この導電性高分子層3の上に形成された陰極層4と、を備えている。そして、誘電体層2内には、フッ素が陽極側に偏在して含有されているとともに、アルミニウムとタンタルの少なくとも一方の金属が固溶されている。第1実施形態と異なる箇所は、誘電体層2内に窒素(N)がさらに含有されていることである。それ以外については第1実施形態と同様
である。
実施例1では、以下の工程を経てコンデンサA1を作製した。
実施例2では、工程3Aにおいて注入するアルミニウムに代えてタンタルを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサA2を作製した。なお、タンタルの注入条件は、加速電圧300kV、ドーズ量7×1015/cm2である。
実施例3では、工程3Aにおいてアルミニウムを注入した後、さらにタンタルを注入したこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサA3を作製した。タンタルの注入条件は、実施例2と同様の条件である。
比較例1では、工程2Aにおいて0.05重量%のフッ化アンモニウム水溶液に代えて0.1重量%の硝酸水溶液を採用したこと、工程3Aにおいてイオン注入を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサX1を作製した。
比較例2では、以下の工程を経てコンデンサX2を作製した。
比較例3では、以下の工程を経てコンデンサX3を作製した。
比較例4では、工程3Aにおいてイオン注入を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサX4を作製した。
比較例5では、工程2Aにおいて0.05重量%のフッ化アンモニウム水溶液に代えて0.1重量%の硝酸水溶液を採用したこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサX5を作製した。
まず、イオン注入により誘電体層内に導入された金属(アルミニウム)の状態を評価するために、各コンデンサの電子線マイクロアナリシス(EPMA:Electron Probe Micro-Analysis)による分析を行った。図2は各コンデンサのEPMAによる状態分析結果を示す図である。図2(A)は比較例5におけるコンデンサX5のAl−Kαスペクトル、図2(B)は比較例3におけるコンデンサX3のEPMAによるAl−Kαスペクトルである。
実施例4〜8では、工程3Aにおけるアルミニウムのドーズ量を、4×1015/cm2から1×1014/cm2、3×1014/cm2、3×1015/cm2、7×1015/cm2、1×1016/cm2に代えて注入を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサB1〜B5を作製した。
実施例9〜14では、タンタルのドーズ量を、7×1015/cm2から1×1014/cm2、3×1014/cm2、3×1015/cm2、6×1015/cm2、1×1016/cm2、2×1016/cm2に代えて注入を行ったこと以外は、実施例2と同様にしてコンデンサB6〜B11を作製した。
まず、EPMAの定量分析により、各コンデンサの誘電体層に固溶されたアルミニウムまたはタンタルの固溶量を評価した。表2にアルミニウムの固溶量の結果、表3にタンタルの固溶量の結果を示す。
実施例15〜21では、工程1Aと工程2Aとの間において、陽極体1に対して、窒素雰囲気中において温度200℃、300℃、500℃、700℃、800℃、900℃、1000℃で30分間の熱処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサC1〜C7を作製した。
比較例6では、工程1Aと工程2Aとの間において、陽極体1に対して、窒素雰囲気中において温度550℃で30分間の熱処理を行ったこと、工程2Aにおいて0.05重量%のフッ化アンモニウム水溶液に代えて0.1重量%のリン酸水溶液を採用したこと、工程3Aにおいてイオン注入を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサX6を作製した。
まず、アンモニア蒸留分離アミド硫酸滴定法により、各コンデンサの誘電体層内に添加された窒素の含有量を評価した。表4に窒素の含有量の結果を示す。
実施例22〜27では、工程2Aにおいて陽極酸化電圧を、50Vから10V、20V100V、150V、175V、200Vに代えて陽極酸化を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサD1〜D6を作製した。
上記の各コンデンサについて漏れ電流および耐電圧を評価した。表5に各コンデンサの漏れ電流および耐電圧の評価結果に示す。漏れ電流および耐電圧は、先の評価と同様にして測定したが、漏れ電流測定時の電圧は、それぞれの陽極酸化電圧の1/10の電圧を印加して行った。なお、各漏れ電流の測定値は比較例1(コンデンサX1)における漏れ電
流の測定結果を100として規格化している。
実施例28〜31では、工程2Aにおける電解質を、0.05重量%のフッ化アンモニウム水溶液から0.1重量%のフッ化カリウム水溶液、0.1重量%のフッ化ナトリウム水溶液、0.1重量%のフッ酸水溶液、0.05重量%のフッ化アンモニウム+0.05重量%のフッ化カリウム水溶液に代えて陽極酸化を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサE1〜E4を作製した。
上記の各コンデンサについて漏れ電流および耐電圧を評価した。表6に各コンデンサの漏れ電流および耐電圧の評価結果に示す。漏れ電流および耐電圧は、先の評価と同様にして測定した。なお、各漏れ電流の測定値は比較例1(コンデンサX1)における漏れ電流の測定結果を100として規格化している。
はタンタル)を注入したことで、従来のようにアルミニウム(またはタンタル)が酸化されることはなくなり、誘電体層2中にアルミニウム(またはタンタル)を固溶した状態で存在させることができる。したがって、熱負荷による漏れ電流の増大が抑制され、耐電圧が向上した固体電解コンデンサを容易に製造することができる。
Claims (6)
- ニオブまたはニオブ合金からなる陽極と、
前記陽極の表面に形成された酸化ニオブを含む誘電体層と、
前記誘電体層上に形成された陰極と、
を備え、
前記酸化ニオブを含む領域には、フッ素が含有されているとともに、アルミニウムとタンタルの少なくとも一方の金属が固溶されていることを特徴とした固体電解コンデンサ。 - 前記金属がアルミニウムであり、その含有量が前記誘電体層中のニオブの含有量に対して1原子%〜15原子%の範囲であることを特徴とした請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記金属がタンタルであり、その含有量が前記誘電体層中のニオブの含有量に対して1原子%〜50原子%の範囲であることを特徴とした請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記誘電体層は窒素をさらに含むことを特徴とした請求項1〜3のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサ。
- ニオブまたはニオブ合金からなる陽極の表面を、フッ素イオンを含む電解質中で陽極酸化することにより、酸化ニオブを含む誘電体層を形成するとともに、前記誘電体層中にフッ素をドープする第1の工程と、
イオン注入法を用いて前記酸化ニオブを含む領域にアルミニウムとタンタルの少なくとも一方の金属を導入して固溶する第2の工程と、
前記誘電体層上に陰極を形成する第3の工程と、
を備えることを特徴とした固体電解コンデンサの製造方法。 - 前記第1の工程の前に、前記陽極に対して窒素雰囲気中で熱処理を施すことによりこの陽極を窒化する第4の工程をさらに備えることを特徴とした請求項5に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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JP2014531139A (ja) * | 2011-10-26 | 2014-11-20 | ハー.ツェー.スタルク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングH.C. Starck GmbH | Taシート/Nbシートにステンシル印刷された歪みのない陽極 |
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