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JP2008509123A - シトロネラおよびフローラル香料成分 - Google Patents

シトロネラおよびフローラル香料成分 Download PDF

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JP2008509123A JP2007524409A JP2007524409A JP2008509123A JP 2008509123 A JP2008509123 A JP 2008509123A JP 2007524409 A JP2007524409 A JP 2007524409A JP 2007524409 A JP2007524409 A JP 2007524409A JP 2008509123 A JP2008509123 A JP 2008509123A
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Abstract

本発明は、式(式I)の化合物の香料成分としての使用に関し、この場合、これは、その異性体のいずれか一つまたはこれらの混合物の形であって、かつ1013mbarの圧力で測定した場合に250℃を上回る沸点を有する。

Description

本発明は、香料分野に関する。より詳細には、式
Figure 2008509123
の香料成分としての使用に関し、この場合、これは、その異性体のいずれか一つまたはこれらの混合物の形であって、かつ、1013mbarの圧力で測定した場合に250℃を上廻る沸点を有するものである。
さらに本発明は、前記化合物に関連する組成物または製品に関する。
従来技術
ホワイトフラワーおよびシトロネラの型の強いテナシティおよび香気を有する化合物は極めて稀であり、かつパヒューマーにとっては極めて貴重なものである。さらに、このような香気を有する化合物は、特に機能性香料において、特に有用である。しかしながら、多くの場合において、前記化合物はテナシティーを欠き、この場合、これは、機能性香料中での前記化合物の使用を少量にする。
本発明の課題は、フローラルおよびシトラス/シトロネラの香気を有すると同時に、その機能性香料中における使用を可能にする十分なテナシティーを有する化合物を提供することによって解決される。
我々の知っている限りにおいて、本発明の化合物は、"S. Arctander, 'Perfume and Flavor Chemicals", 1969, Montclair, New Jersey, USAにおいてのみ報告されている。これにおいて、本発明の化合物は、参照番号825として、かつデカヒドロ−α−ナフチルアセトアルデヒドの名称で挙げられている。
しかしながら、Arctander'sにより挙げられた化合物は、沸点236℃および「セミドライのムスティーウッディーであり、アンバーグリースのノートに対する遠隔類似性(remote resemblance)を有する」および「テナシティーが極めて乏しい」型の香気を有するものとして記載されている。さらに「著者が、この材料は香料工業においてあまりか、あるいは、全く重要性を有しないものと信じている」と示されている。
したがって、Arctander'sの開示では、このような化合物の香気、テナシティーおよび重要性のみを示唆しており、これは、本願発明の目的とするものとは反対であって、かつ示唆とは全く異なり、式(I)の化合物が、フラワー/シトラスノートを付与するための香料成分として使用することができるというものである。
本発明の説明
驚くべきことに、式
Figure 2008509123
の化合物が開示され、この場合、これは、その異性体のいずれか一つまたはこれらの混合物の形であって、かつ、1013mbarの圧力で測定して245℃〜264℃の沸点を有し、極めて良好なテナシティを有する有用な香料成分であり、この場合、これらは予期しないことに、フローラルおよび/またはシトラス、シトロネラ型のノートを付与する。
式(I)の化合物は、3個の不斉炭素原子を有し、かつデカリン基は、シスまたはトランスコンフォメーションを有していてもよく、この場合、これは、以下:
Figure 2008509123
[式中、水素原子は相対配置である]の構造を有するものである。したがって、前記に示すように、式(I)の化合物は、そのジアステレオ異性体またはステレオ異性体のいずれか一つの形であってもよい。
本発明の好ましい実施態様によれば、式(I)の化合物は、1013mbarの圧力で測定する場合に246℃〜253℃の沸点を有する。
さらに、他の実施態様において、前記化合物(I)は、50質量%(w/w)を下回る異性体(I−トランス)および50質量%(w/w)を上回る異性体(I−シス)を含有する混合物の形である。より好ましくは、前記混合物は、30質量%(w/w)を下回る(I−トランス)および70質量%(w/w)を上回る(I−シス)を含有する。
前記に示すように、驚くべきことに、本発明の化合物の典型的な香気は、アルデヒド、ホワイトフラワーおよび/またはシトラス、シトロネラフレグランスのキャラクターまたは性質を有する組成物または香料のフレグランスに寄与する。
特に、異性体(I−シス)70〜80%および異性体(I−トランス)30〜20%を含有する本発明による混合物は、シトラスおよびシトロネラノートを一緒に有するアルデヒドおよびフラワーノートを有する。フラワーノートは、バレータイプのホワイトフワラー−リリーであり、かつさらにわずかにリンデン(linden)である。シトラスノートは、極めて自然なシトラスのホワイトピールの相を有する。
この混合物の全体的な香気は、かなり力強く、かつさらには、これらのノートに対して高いテナシティおよび長期持続性を有する。前記香料の性質は、機能性香料ならびにファインパヒュームの任意の分野における、本発明の混合物の容易な使用を可能にする。
本発明による純粋なシスまたはトランス異性体は、類似する香気およびキャラクターを有し、さらには固有のキャラクターを有する。異性体(シス体)は、前記混合物と比較して、わずかにフレッシュであり、かつより改善されたシトロネラノートを有するが、その一方で異性体(トランス体)は、あまり力強いものではない。
さらに本発明は、前記香料成分としての式(I)の化合物の使用に関し、この場合、この化合物は、特に香料組成物のアルデヒド、ホワイトフラワーおよび/またはシトラスのキャラクターを付与、増強、改善または改質化するものである。いいかえれば、これは、香料組成物または賦香製品の香気キャラクターを付与、増強、改善または改質化するための方法に関し、この場合、この方法は、前記組成物または製品に対して、式(I)の化合物の有効量を添加することを含む。前記方法は、アルデヒド、ホワイトフワラーおよび/またはシトラスノートを、前記香料組成物または賦香製品に付与、増強、改善または改質化するのに特に有用である。したがって、アルデヒド、ホワイトフワラーおよび/またはシトラスキャラクターを有する香料組成物または賦香製品のために特に有用である。
「式(I)の化合物の使用」とは、ここでは、式(I)の化合物を含有する任意の組成物の使用であると理解されるべきであり、かつ、この場合、これは、活性成分として香料工業中で有利に使用することができる。
実際に香料成分として有利に使用することができる香料組成物は、さらに本発明の対象である。したがって、本発明の他の対象は香料組成物であり、この場合、これらは:
i)香料成分として、前記に示す式(I)の化合物;
ii)香料キャリアおよび香料ベースから成る群から選択された少なくとも1種の成分;および
iii)場合によっては少なくとも1種の香料アジュバント
を含有する。
「香料キャリア」とは、ここでは香気の点において実際にニュートラルである材料を意味し、すなわち、香料成分の官能キャラクターを顕著に変更するものではない。前記キャリアは、液体または固体であってもよい。
液体キャリアとして、制限のない例として、乳化剤系、特に溶剤および界面活性剤系または香料分野において常用の溶剤が挙げられてもよい。香料分野において通常使用される溶剤の性質および型の詳細は、限定されるものではない。しかしながら、これらは制限のない例として、溶剤、たとえばジプロピレングリコール、ジエチルフタレート、イソプロピルミリステート、ベンジルベンゾエート、2−(2−エトキシエトキシ)−1−エタノールまたはエチルシトレートであり、この場合、これらは最も通常使用されるものである。
固体キャリアとして、制限のない例として、吸収ゴムまたはコポリマー、さらには封入材料が挙げられてもよい。このような材料の例は、たとえば、壁形成材料および可塑化材料、たとえばモノ、ジまたはトリサッカリド、天然または改質化澱粉、ヒドロコロイド、セルロース誘導体、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、蛋白質またはペクチン、さらには刊行物H. Scherz, Hydrokolloids:Stabilisatoren, Dickungs- und Gehermittel in Lebensmittel, Band 2 der Schriflenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitat, Behr's VerlagGmbH & Co., Hamburg, 1996で挙げられるような材料を含んでいてもよい。封入は、当業者に公知の方法であり、かつたとえば、噴霧乾燥、凝集またはさらに押出のような技術を使用してか、あるいは、コアセルベーションおよび複合コアセルベーション技術を含むコーティング封入からなる技術を使用して実施してもよい。
一般にいう「香料ベース」とは、ここでは、少なくとも1種の香料補助成分を含有する組成物を意味する。
前記香料補助成分は、式(I)のものではない。さらに「香料補助成分」とは、ここでは、香料製造において使用される化合物であるか、あるいは、快楽的効果(hedonic effect)を付与する組成物を意味する。いいかえれば、このような補助成分は香料の一つであると考えられるべきであり、当業者にとっては、積極的または好ましい方法で、組成物の香気を付与または改質化するものであって、単に香気を有するものではない、と理解されるべきである。
ベース中に存在する香料補助成分の性質および型は、ここでより詳細には説明しないが、これはいずれにせよ、限定的なものではなく、当業者がその一般的知識に基づいて、かつ意図する用途または適用および望ましい官能的効果にしたがって選択できるものである。一般的意味において、これらの香料補助成分は、アルコール、アルデヒド、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペン系炭化水素、窒素または硫黄含有複素環式化合物およびエッセンシャルオイルと多様な化学物質のクラスに属し、かつ前記香料補助成分は、天然または合成由来のものであってもよい。これらの補助成分の多くは、いずれにせよ、参考文献、たとえばS. Arctander, Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USAあるいはその最新の版、あるいは、同様の性質の他の文献ならびに香料分野における放棄された特許文献中に挙げられている。さらに、前記補助成分は、制御された方法で、種々の型の香料化合物を放出することが知られている化合物であってもよい。
香料キャリアおよび香料ベースの双方を含む組成物に関しては、従来示されているものに加えて他の適した香料キャリアが、さらにエタノール、水/エタノール混合物、リモネンまたは他のテルペン、イソパラフィン、たとえばIsopar(R)の商標で公知のもの(Exxon Chemical)、またはグリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステル、たとえばDowanol(R)の商標で公知もの(Dow Chemical Company)であってもよい。
一般にいわれる「香料アジュバント」とは、ここでは、付加的な効果、たとえば色、特に耐光性、化学的安定性等を付与する能力があるものを意味する。香料ベース中で通常使用されるアジュバントの性質および型の詳細については限定することはできないが、前記成分は当業者に公知であると示されるべきである。
好ましい香料組成物は、アルデヒド、ホワイトフラワーおよび/またはシトラスキャラクターを有するものである。
式(I)の化合物および少なくとも1種の香料キャリアから成る本発明による組成物は、本発明の好ましい実施態様ならびに式(I)の化合物、少なくとも1種の香料キャリア、少なくとも1種の香料ベースおよび場合によっては少なくとも1種の香料アジュバントを含有する香料組成物を示す。
さらにここでは、別記しない限りにおいて、化学合成から、たとえば適当な精製なしに直接的に生じる任意の混合物、この場合、出発中間産物または最終生成物として本発明の化合物が含まれうるもの、については、本発明の香料組成物として考慮することはできないであろう。
さらに、予期しないテナシティおよび香気キャラクターの点において、式(I)の化合物は、前記式(I)の化合物を添加する消費製品の香気を積極的に付与または改質化するために、現在の香料分野のすべてにおいて特に有用である。特に、前記消費製品のフレグランスに対してアルデヒド、ホワイトフラワーおよび/またはストラスキャラクターを付与する。
したがって、賦香製品は、
i)香料成分として、式(I)の化合物または本発明による組成物および
ii)消費製品ベースを含み、この場合、これは、さらに本発明の対象である。
明瞭にするために、「消費製品ベース」とは、ここでは、香料製品と相溶性の消費製品を意味するものと示すべきである。いいかえれば、本発明による賦香製品は、機能的配合物ならびに場合によっては付加的な効果を与える薬剤、この場合、これは、消費製品、たとえば洗剤またはエアフレッシュナーに相当するもの、および少なくとも1種の本発明による化合物の官能的有効量を含有する。
消費製品の成分の性質および型は、ここでは詳細には説明しないが、これはいずれにせよ限定的なものではなく、当業者が、その一般的知識に基づいて、かつ、前記生成物の性質および好ましい効果にしたがって選択することができるものである。
適した消費製品の例は、固体または液体洗剤および繊維柔軟剤ならびに香料中で常用の他の製品、すなわち香水、コロンまたはアフターシェイブローション、化粧石鹸、シャワーまたはバスソルト、ムース、オイルまたはジェル、衛生製品またはヘアケア製品、たとえばシャンプー、ボデイケア製品、デオドラントまたは制汗剤、エアフレッシュナーおよびさらには化粧品を含む。洗剤として、意図する適用、たとえば種々の表面を洗浄または清浄化するための洗剤組成物または清浄化製品、たとえばテキスタイル、皿または硬質表面の処理を意図するもの、であるが、いずれにせよ、これらは、家庭的使用または工業的使用を意図するものである。他の賦香製品は、ファブリックリフレッシュナー、アイロン水、紙、布または漂白剤である。
前記消費製品ベースのいくつかは、本発明の化合物のためのアグレッシブな媒体を示し、したがって、早期分解から本発明の化合物を、たとえば封入によって保護することが必要不可欠であってもよい。
本発明による式(I)の化合物の割合は、広範囲の値で、種々の前記製品または組成物中に混合することができる。これらの値は、賦香すべき製品の性質および好ましい官能性効果ならびに、本発明による化合物を香料補助成分、溶剤または技術分野において常用の添加剤と混合する場合にはベース中に存在する補助成分の性質に依存する。
たとえば、香料組成物の場合には、典型的な濃度は、組み込まれる組成物の質量に対して、本発明による化合物0.001〜10質量%またはそれ以上である。これよりも低い濃度、たとえば0.01〜5質量%の濃度は、これらの化合物が賦香された製品中に混合される場合に使用することができる。
式(I)の化合物は、以下の工程を含む方法によって得ることが可能である:
a)2−デカロンを、その異性体のいずれか一つまたはこれらの混合物の形で、適切なウイッティヒ試薬、たとえばMe3PCH2COOMeと反応させ;
b)工程2中で得られる不飽和エステルを、たとえば水素化によって、相当する飽和エステルに還元し、
c)飽和エステルを、たとえば水素化アルミニウムによって、飽和アルコールに還元し;かつ、
d)工程c)中で得られたアルコールを、たとえばTEMPOの誘導体化によって、好ましいアルデヒドに酸化する。
前記方法は、実施例中の特に好ましい実施態様において例証される。
ここで本発明は、以下の実施例によって、さらに詳細に記載されてもよいが、その際、略記は、技術分野における通常の意味を有し、温度は摂氏度(℃)で示され;NMRスペクトルデータは、360または400MHzの装置を用いてCDCl中で(別記しない場合には)Hおよび13Cに関して記録し、化学変位δはppmで、標準としてのTMSに対して示され、カップリング定数JはHzで示された。
実施例
例1
式(I)の化合物の合成
出発材料2−デカロンは、Aldrich SA (混合物、トランス/シス2−デカロン20/80)から入手した。
純粋なシスまたはトランス2−デカロンは、Fisherカラム上で、2−デカロンの蒸留によって得た(1.4mbar、浴93℃, b.p.トランスに対して58℃、シスに対して10〜15℃高い)。
一般的方法
a)不飽和エステル中間体の形成
1lの三首フラスコを、要求される2−デカロン(50g、328mmol)、メチル(ジメトキシホスホリル)アセテート(77.6g、426mmol)およびシクロヘキサン300mlで装填した。その後に、MeOH中30%w/wのMeONa溶液71gを、30分に亘って添加した。温度を、水浴で40℃前後で維持した。さらに30分後に、反応混合物を10mlの酢酸を含有する冷水(200ml)中に注ぎ入れた。有機相を、水で洗浄し、かつ溶剤を真空下で除去した。粗生成物(70g)を、さらに精製することなく次の工程のために使用した。
b)不飽和エステルの飽和エステルへの還元
工程a)中で得られた生成物(70g)およびPd−C5% 2gを、水素雰囲気下で、一晩に亘っておいた。濾過後に、このようにして得られた粗生成物を、さらに精製することなく次の工程のために使用した。
c)不飽和エステルの飽和アルコールへの還元
2lの三首フラスコを、水素化リチウムアルミニウム(8g、210mmol)および乾燥ジエチルエーテル800mlで装填した。この溶液に、工程b)(70g)で得られた生成物の溶液をエーテル100ml中に滴加し、その間、反応媒体の添加温度を、30℃前後に維持しながら滴加した。
その後に、反応を水60mlで、室温で1時間に亘って注意深く加水分解し、かつCelite(R)上で濾過した。溶剤を真空下で除去し、かつ生成物を減圧下で迅速に蒸留した(Kugelrohr distillation,bp:85℃〜90℃/0.2mbar)。
純粋な生成物52gが得られた(2−デカロンから約85%の全収率(3工程))。
d)不飽和アルコールの式(I)の化合物への酸化
1.5lの三首フラスコを、PIPO(1.17g、R.A. Sheldon et al., in Synlett 2001,102参照)、臭化ナトリウム(0.14g)、工程c)で得られたアルコール(24.5g、134mmol)および酢酸エチル170mlで装填した。PIPOを分離した後に、反応混合物に、90分に亘って、NaOCl(100g−12%溶液、約1.1等量)の水性溶液であって、さらに重炭酸ナトリウム2gを含有するもの、に添加した。添加中に、反応媒体温度を25℃前後に維持した。さらに30分後に、2相の反応混合物をデカントした。有機相を水で洗浄し、かつ溶剤を真空下で除去し、粗生成物22gを得た。減圧下での蒸留によって、好ましい化合物が得られた(GCにより測定された純度≧94〜95%)。
式の化合物(I−トランス)
純粋なトランス2−デカロンから出発して、好ましい化合物が、2種の異性体(65/35)の混合物の形で得られた:
沸点=1013mbarで261℃
Figure 2008509123
式の化合物(I−シス)
純粋なシス2−デカロンから出発して、好ましい化合物が2種の異性体(80/20)の混合物の形で得られた:
沸点=1013mbarで247℃
Figure 2008509123
(I−シス)/(I−トランス)(80/20)混合物の形の式(I)の化合物
純粋な市販の2−デカロン(Aldrich SA)から出発して、好ましい混合物が、異性体(シス)/(トランス)(80/20)混合物の形で得られた:
沸点=1013mbarで249℃
MS(最も重要なピーク):180(2)、136(100)(双方の異性体に関して同一)、13CNMRおよびHNMRスペクトルは、前記スペクトルの合計によって良好に示された。
例2
香料組成物の製造
液体洗剤のためのシトラス−ハーブ様の型の香料組成物は、以下の成分を混合することによって製造された:
Figure 2008509123
ジプロピレングリコール中
1)由来:Firmenich SA, Geneva, Switzerland
2)テトラヒドロ−4−メチル−2−フェニル−2H−ピラン:由来:Firmenich SA, Geneva, Switzerland
3)メチルジヒドロジャスモネート;由来:Firmenich SA, Geneva, Switzerland
4)2/3−トリデセンニトリルの混合物;由来:H&R,Germany
5)由来:International Flavors & Fragrances, USA
本発明による混合物を、80%(I−シス)および20%(I−トランス)を含有する混合物の形で、前記機能的組成物への100質量%の添加によって、当該組成物に、「クリーンな」アルデヒドおよびバレータイプリリーのコノテーションを付与した。本発明の化合物の添加によって得られた全体的な効果は、機能性組成物のシトラスノートの増強およびニトリルによってもたらされた脂肪様相の強い減少によって良好に示された。ドライではなく、ムスティーウッディまたはアンバーグリスのノートは、本発明による化合物の添加によって付与された。
例3
香料組成物の製造
石鹸のためのシトラス−フローラル型の香料組成物は、以下の成分を混合することによって製造された:
Figure 2008509123
Figure 2008509123
ジプロピレングリコール中
1)由来:Firmenich SA, Geneva, Switzerland
2)ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチル−ナフト[2,1−b]フラン;由来:Firmenich SA, Geneva, Switzerland
3)ペンタデセノリド;由来:Firmenich SA, Geneva, Switzerland
4)メチルジヒドロジャスモネート:由来:Firmenich SA, Geneva, Switzerland
5)メチルイオノン;由来:Firmenich SA, Geneva, Switzerland
6)3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナル;由来:Givaudan-Roure SA, Vernier, Suisse
例2に示された本発明による混合物50質量部の、前記フローラル−シトラス官能性組成物への添加は、当該組成物に、バレーノートの強いフレッシュリリー、わずかにシトラス、を付与し、この場合、これは、公知の香料アルデヒドの任意の添加によって得られるものではなかった。このようにして得られた組成物のフレグランスは、さらに、かなりクリーンなアルデヒド−シトロネラルのコノテーションを有する。前記例のように、ドライではなく、ムスティーウッディーまたはアンバーグリスのノートは、本発明による化合物の添加によって付与された。

Claims (8)


  1. Figure 2008509123
    の化合物であって、その異性体のいずれか一つまたはこれらの混合物の形であり、かつ1013mbarの圧力で測定した場合に、245℃〜264℃の沸点を有する、式Iの化合物。
  2. 1013mbarの圧力で測定した場合に、246℃〜253℃の沸点を有することを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  3. 50質量%(w/w)を下回る異性体(I−トランス)および50質量%(w/w)を上回る異性体(I−シス)を含む混合物の形であり、かつ、前記異性体が式
    Figure 2008509123
    [式中、水素原子は相対配置である]である、請求項1に記載の化合物。
  4. 香料組成物または賦香製品の香気キャラクターを付与、増強、改善または改質化するための方法において、前記組成物または製品に、式(I)の化合物の有効量を、請求項1から3までのいずれか1項に記載のようにして添加する、香料組成物または賦香製品の香気キャラクターを付与、増強、改善または改質化するための方法。
  5. 前記香料組成物または賦香製品のアルデヒド、ホワイトフラワーおよび/またはシトラスのキャラクターを付与、増強、改善または改質化する、請求項4に記載の方法。
  6. i)請求項1から3までのいずれか1項に記載の、少なくとも1種の式(I)の化合物;
    ii)香料キャリアおよび香料ベースから成る群から選択された、少なくとも1種の成分;および
    iii)場合によっては少なくとも1種の香料アジュバント
    を含有する、香料組成物。
  7. i)請求項1から3までのいずれか1項に記載の、少なくとも1種の式(I)の少なくとも1種の化合物、あるいは、請求項5に記載の組成物;および
    ii)消費製品ベースを含有する、賦香製品。
  8. 消費製品ベースが固体または液体洗剤、繊維柔軟剤、香水、コロンまたはアフターシェイブローション、化粧石鹸、シャワーまたはバスソルト、ムース、オイルまたはゲル、衛生製品、ヘアケア製品、シャンプー、ボディケア製品、デオドラントまたは制汗剤、エアフレッシュナー、化粧品、ファブリックリフレッシュナー、アイロン水、紙、布または漂白剤である、請求項7に記載の賦香製品。
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