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JP2008308444A - 毛髪処理用組成物 - Google Patents

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JP2008308444A JP2007157781A JP2007157781A JP2008308444A JP 2008308444 A JP2008308444 A JP 2008308444A JP 2007157781 A JP2007157781 A JP 2007157781A JP 2007157781 A JP2007157781 A JP 2007157781A JP 2008308444 A JP2008308444 A JP 2008308444A
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Abstract

【課題】毛髪に対してうるおい感を付与しながら、毛髪の根元付近の弾力性を向上させることができる毛髪処理用組成物を提供する。
【解決手段】毛髪処理用組成物において、(A)L−テアニン、(B)炭素数12〜18の高級脂肪酸、並びに(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする。さらに(D)カチオン性界面活性剤を含有してもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、高級脂肪酸を含有する毛髪処理用組成物に関するものである。
毛髪処理用組成物、例えば、ヘアトリートメント、シャンプー、リンス、染毛用組成物において一般に、毛髪に対してうるおい感を付与するために油性成分、例えば高級脂肪酸が配合されている。高級脂肪酸は、その塩類がアニオン性界面活性剤となる。そのため、高級脂肪酸は、アニオン性界面活性剤として、例えば乳化剤、分散剤及び泡立て剤としても使用されている。例えば、特許文献1には、高級脂肪酸塩と高級脂肪酸を配合した毛髪処理用組成物について開示する。特許文献1には、高級脂肪酸塩と高級脂肪酸を特定の比率で配合することにより、洗浄力及び起泡力を向上させることができる。
特開平10−176194号公報 特開平10−87448号公報
ところが、特許文献1に開示される高級脂肪酸は、高い保湿効果を有するため毛髪のうるおい感が過剰になる場合があるといった問題があった。そのため、毛髪全体が重くなり毛髪、特に毛髪の根元付近の弾力性が低下し、ボリューム感のある髪型を作ることが困難であるといった問題があった。
ところで、特許文献2には、整髪性を付与する化合物として、合成高分子、例えばポリビニルピロリドンを配合する整髪剤について開示されている。しかしながら、このような合成高分子は、毛髪に適用された際、毛髪の柔軟性が低下するとともに毛髪の感触が劣るという問題があった。したがって、合成高分子を使用したとしても、毛髪に対してうるおい感を付与しながら、ボリューム感のある髪型を作ることは困難であった。
本発明は、本発明者らの鋭意研究の結果、高級脂肪酸が使用される毛髪処理用組成物において、毛髪処理用組成物にL−テアニン及び特定の有機酸を配合することにより上記問題が解決されることを見出したことによりなされたものである。本発明の目的は、毛髪に対してうるおい感を付与しながら、毛髪の根元付近の弾力性を向上させることができる毛髪処理用組成物を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の毛髪処理用組成物は、(A)L−テアニン、(B)炭素数12〜18の高級脂肪酸、並びに(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の毛髪処理用組成物において、前記有機酸は、カルボン酸類及びホスホン酸類から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の毛髪処理用組成物において、さらに(D)カチオン性界面活性剤を含有することを特徴とする。
本発明によれば、毛髪に対してうるおい感を付与しながら、毛髪の根元付近の弾力性を向上させることができる。
以下、本発明を毛髪処理用組成物に具体化した実施形態について詳細に説明する。本実施形態に係る毛髪処理用組成物は、(A)L−テアニン、(B)炭素数12〜18の高級脂肪酸、並びに(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類から選ばれる少なくとも一種を含有しており、例えば(D)カチオン性界面活性剤を更に含有してもよい。
(A)L−テアニンは、(B)炭素数12〜18の高級脂肪酸、並びに(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類から選ばれる少なくとも一種との併用により、毛髪に対してうるおい感を付与しながら、毛髪の根元付近の弾力性を向上させる効果を発揮する。(A)L−テアニンは、それ単独で毛髪の修復効果も有する。(A)L−テアニンは、L−グルタミン酸の誘導体であり、アミノ酸の一種である。L−テアニンは、茶葉、特に玉露に多く含まれる成分であり、緑茶の旨味成分として知られている。L−テアニンは茶葉から常法によって抽出して得られる他、化学的な合成によっても得ることができる。毛髪処理用組成物には、そうした天然由来及び合成由来のいずれのL−テアニンも使用することができる。
毛髪処理用組成物中における(A)L−テアニンの含有量は、好ましくは0.001〜5質量%、より好ましくは0.01〜3質量%である。(A)L−テアニンの含有量が0.001質量%未満であると、毛髪に対して弾力性を向上させる効果を十分に発揮することができない。(A)L−テアニンの含有量が5質量%を超えて配合しても、それ以上の毛髪に対する弾力性の向上効果は得られない。
(B)炭素数12〜18の高級脂肪酸は、(A)L−テアニン、並びに(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類から選ばれる少なくとも一種との併用により、毛髪に対してうるおい感を付与しながら、毛髪の根元付近の弾力性を向上させる効果を発揮する。(B)高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、及びリノレン酸が挙げられる。これらの高級脂肪酸の具体例は単独で使用されてもよく、2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
毛髪処理用組成物中における(B)炭素数12〜18の高級脂肪酸の含有量は、好ましくは0.05〜30質量%、より好ましくは0.1〜20質量%である。(B)炭素数12〜18の高級脂肪酸の含有量が0.05質量%未満であると、毛髪に対し保湿性の向上効果を十分に発揮することができない。(B)炭素数12〜18の高級脂肪酸の含有量が30質量%を超えて配合しても、それ以上の毛髪に対する保湿性の向上効果は得られず、毛髪にべたつき感を生じさせるおそれがある。
(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類から選ばれる少なくとも一種は、(A)L−テアニン及び(B)炭素数12〜18の高級脂肪酸との併用により、毛髪に対してうるおい感を付与しながら、毛髪の根元付近の弾力性を向上させる効果を発揮する。有機酸とは、酸性の官能基を持ち、酸性を示す有機化合物を示す。有機酸としては、例えばカルボン酸類及びホスホン酸類が挙げられる。炭素数6以下のカルボン酸類としては、例えばクエン酸、酢酸、グリコール酸、ギ酸、レブリン酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸、及びピロリドンカルボン酸が挙げられる。炭素数6以下のホスホン酸類として、例えばエチドロン酸(ヒドロキシエタンジホスホン酸とも呼ばれる)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、及びエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)が挙げられる。これらの有機酸の具体例は単独で使用されてもよく、2種以上を組み合わせて使用されてもよい。また、それらの有機酸の塩類が使用されてもよい。
毛髪処理用組成物中における(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類から選ばれる少なくとも一種の含有量は、好ましくは0.001〜5質量%、より好ましくは0.002〜2質量%である。(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類から選ばれる少なくとも一種の含有量が0.001質量%未満であると、毛髪に対して弾力性の向上効果を十分に発揮することができない。(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類から選ばれる少なくとも一種の含有量が5質量%を超えて配合しても、それ以上の毛髪に対する弾力性の向上効果はえられず、毛髪に損傷を与えるおそれがある。
(D)カチオン性界面活性剤は、毛髪の根元付近の弾力性をさらに向上させる効果を発揮するために好適に配合される。(D)カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルケニルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ジアルケニルジメチルアンモニウム塩、ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、及びアルキロイルアミドプロピルジメチルアミンが挙げられる。アルキルトリメチルアンモニウム塩としては、例えば塩化ステアリルトリメチルアンモニウムが挙げられる。ジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムが挙げられる。これらの界面活性剤のカチオン基の対イオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、アルキル硫酸イオン、及びサッカリンが挙げられる。これらの(D)カチオン性界面活性剤の具体例は単独で使用されてもよく、2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
毛髪処理用組成物中における(D)カチオン性界面活性剤の含有量は、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%である。(D)カチオン性界面活性剤の含有量が0.01質量%未満であると、毛髪に対して弾力性の向上効果を十分に発揮することができない。(D)カチオン性界面活性剤の含有量が10質量%を超えて配合しても、それ以上の毛髪に対する弾力性の向上効果は得られず、毛髪にべたつき感を生じさせるおそれがある。
毛髪処理用組成物は、必要に応じて、例えば水、水溶性高分子化合物、上記以外の油性成分、多価アルコール、上記以外の界面活性剤、糖類、防腐剤、キレート剤、安定剤、pH調整剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、及び紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも一種を含有してもよい。
水は、各成分の溶媒又は分散媒として使用される。水は界面活性剤とともに適量配合されて、毛髪処理用組成物を乳化させる。毛髪処理用組成物中における水の含有量は、好ましくは50〜95質量%、さらに好ましくは70〜90質量%である。水の含有量が50質量%未満であると、毛髪処理用組成物の乳化が不十分となるおそれがある。水の含有量が95質量%を超えて配合すると、毛髪処理用組成物の均一性及び安定性を確保しにくくなる。
水溶性高分子化合物としては、例えばアラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、セルロース誘導体、架橋ポリアクリル酸、及びポリ塩化ジメチルメチレンピペリジウムが挙げられる。架橋ポリアクリル酸としては、例えばカルボマーが挙げられる。
油性成分は、毛髪にうるおい感を付与する。そのため、毛髪処理用組成物は、好ましくは油性成分を含有する。油性成分としては、例えば油脂類、ロウ類、高級アルコール、炭化水素類、上記以外の高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、及びシリコーン類が挙げられる。
油脂類としては、例えばオリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、及び月見草油が挙げられる。ロウ類としては、例えばミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、及びラノリンが挙げられる。
高級アルコールとしては、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、及びラノリンアルコールが挙げられる。
炭化水素としては、例えばパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、及びワセリンが挙げられる。高級脂肪酸としては、例えば、ベヘニン酸、及びラノリン脂肪酸が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルとしては、例えばバチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、及びイソステアリルグリセリルエーテルが挙げられる。
エステル類としては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、脂肪酸(C10−30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、及びコハク酸ジオクチルが挙げられる。
シリコーン類としては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、平均重合度が650〜10000の高重合シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、及びフッ素変性シリコーンが挙げられる。ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えばPEG−12ジメチコンが挙げられる。これらの油性成分の具体例は単独で使用されてもよく、2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
多価アルコールとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、イソペンチルジオール、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、及び1,3−ブチレングリコール(BG)が挙げられる。
界面活性剤は、組成物の乳化剤又は組成物中の各成分の可溶化剤として毛髪処理用組成物の安定性を保持するために好適に配合される。界面活性剤としては、イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。イオン性界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステルが挙げられる。アルキルエーテル硫酸塩としては、例えばラウレス硫酸ナトリウムが挙げられる。N−アシルアミノ酸型界面活性剤としては、例えばN−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウムが挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンとしては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、及びココアンホ酢酸ナトリウムが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルサッカライド界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミド、及びアルキルアミンオキサイドが挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えばラウレス、セテス、ステアレス、及びパレスが挙げられる。これらの界面活性剤の具体例は、単独で使用されてもよく、二種以上を組み合わせて使用されてもよい。
糖類としては、例えばソルビトール、及びマルトースが挙げられる。防腐剤としては、例えばパラベンが挙げられる。キレート剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA−2Na)が挙げられる。安定剤としては、例えばフェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、及びタンニン酸が挙げられる。pH調整剤としては、例えば2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、トリエタノールアミン(TEA)、及びアルギニンが挙げられる。
毛髪処理用組成物は、液状、ミスト状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等の剤型にすることが可能である。この毛髪処理用組成物は、保湿効果を付与するためのヘアケア剤、例えばシャンプー、リンス、及びヘアトリートメント剤として使用することができる。この毛髪処理用組成物は、毛髪に適用した後に水や温水で洗い流すようにして使用してもよく、毛髪に付着した同組成物を水や温水で洗い流さないようにして使用してもよい。より好ましくは、シャンプー後に使用する形態のリンス、ヘアトリートメント剤として使用される。この毛髪処理用組成物は、毛髪に適用した後に水や温水で洗い流すようにして使用してもよく、毛髪に付着した同組成物を水や温水で洗い流さないようにして使用してもよい。この毛髪処理用組成物は、整髪剤として使用してもよい。この毛髪処理用組成物は、毛髪に適用した後に水や温水で洗い流すようにして使用してもよく、毛髪に付着した同組成物を水や温水で洗い流さないようにして使用してもよい。この毛髪処理用組成物は、例えば染料をさらに配合することにより染毛処理剤、例えば酸化染毛剤及び酸性染毛料として使用してもよい。この毛髪処理用組成物は、例えば酸化剤を配合することにより、ブリーチ剤として適用してもよい。この毛髪処理用組成物は、例えば還元剤を配合することによりパーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤及び脱染剤として使用してもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)本実施形態では、毛髪処理用組成物に(A)L−テアニン、(B)炭素数12〜18の高級脂肪酸、並びに(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類から選ばれる少なくとも一種を配合した。したがって、毛髪に対してうるおい感を付与しながら、毛髪の根元付近の弾力性を向上させることができる。
(2)本実施形態において、毛髪処理用組成物に(A)L−テアニン、(B)炭素数12〜18の高級脂肪酸、並びに(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類から選ばれる少なくとも一種を配合した。したがって、化学的な処理剤、例えば染毛処理剤により繰り返し処理されることによって損傷を受け、毛髪が本来持つはり及びこしが低下した毛髪に対しても、ボリューム感のある髪型を作ることができる。
(3)本実施形態では、毛髪処理用組成物に(A)L−テアニン、(B)炭素数12〜18の高級脂肪酸、並びに(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類から選ばれる少なくとも一種を配合した。したがって、毛髪に対して付与されるうるおい感の持続性も向上させることができる。
(4)本実施形態において、(B)炭素数12〜18の高級脂肪酸が配合される毛髪処理用組成物に(A)L−テアニン、並びに(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類から選ばれる少なくとも一種を配合した。したがって、高級脂肪酸に由来する使用時におけるべたつき感を抑制することができる。
(5)本実施形態において、毛髪処理用組成物に(D)カチオン性界面活性剤を配合した。したがって、毛髪に対してボリューム感をさらに向上させることができる。
(6)本実施形態において、毛髪処理用組成物中に(A)L−テアニンが配合される。したがって、毛髪処理用組成物は、例えば染毛処理、脱色処理、パーマネント処理及び紫外線照射により損傷を受けた毛髪に対して損傷の修復効果を発揮する。また、その修復効果の持続性も良好である。
なお、上記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・上記実施形態において、毛髪処理用組成物に配合される各成分を分割し、複数剤型として構成してもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(ヘアトリートメント剤)
表1,2に示す各例において、各成分を混合することにより、ヘアトリートメント剤としての毛髪処理用組成物を調製した。各組成物をヒト黒毛束又はストレートボブスタイルのかつら(ウイッグ:図1参照)に塗布し、毛髪になじませた。次に、毛髪を3分間放置した後、温水ですすぎ、ドライヤーで乾燥させた。表1,2において、各成分の配合量を示す数値の単位は質量%である。
(毛髪のボリューム感(量感))
毛髪のボリューム感は、各例の毛髪処理用組成物で処理したかつらについて、目視にて観察することにより判断した。毛髪のボリューム感の評価について、毛髪の根元付近の弾力性が十分にあることにより、ボリューム感が十分にある場合を「優れる」とし、毛髪の根元付近の弾力性があり、ボリューム感がある場合を「良好」とし、毛髪の根元付近の弾力性がやや失われ、ボリューム感がやや劣る場合を「やや悪い」とし、及毛髪の根元付近の弾力性が失われ、ボリューム感がない場合を「悪い」とした。
尚、図1において、毛髪のボリューム感の評価を参考に示す。図1の毛髪(かつら)において、頭頂部より左側の毛髪が、毛髪の根元付近の弾力性が十分にあることにより、ボリューム感が十分にある(「優れる」)と評価した。頭頂部より右側に毛髪が、毛髪の根元付近の弾力性が失われ、ボリューム感がない(「悪い」)と評価した。
(使用時のべたつき感)
各例の毛髪処理用組成物を毛髪に塗布する際のべたつき感について、5名のパネラーが官能試験により評価した。各組成物を手のひらに適量とり、毛髪に塗布した後の手のひらについて、べたつき感が一切残らない場合を4点、べたつき感があまり感じられない場合を3点、ややべたつき感が残る場合を2点、及びべたつき感が残り不快である場合を1点とする4段階で採点した。そしてべたつき感の評価として、5名のパネラーの採点結果について平均点を算出し、その平均点が3.6点以上の場合を「優れる」とし、2.6点以上3.6点未満の場合を「良好」とし、1.6点以上2.6点未満の場合を「やや悪い」とし、及び1.6点未満の場合を「悪い」とした。
(毛髪の引っ張り強度)
各例の毛髪処理用組成物で処理する前後のヒト黒毛束について、引張試験機(テンシロン(商品名)UTM−II、東洋ボールドウィン社製)を用いて破断応力値を測定し、その値の増加率を強度増加率(%)とした。
そして、求めた強度増加率から毛髪の強度について、次の基準で評価した。強度増加率が9%以上を「優れる」とし、強度増加率が7%以上9%未満を「良好」とし、強度増加率が5%以上7%未満を「やや悪い」とし、強度増加率が5%未満を「悪い」とした。
(毛髪のうるおい感)
各例の毛髪処理用組成物で処理したヒト黒毛束について、5名のパネラーが手で触れることにより、うるおい感が非常に良い場合を4点、良い場合を3点、やや悪い場合を2点、及び悪い場合を1点とする4段階で採点した。そして、うるおい感の評価として、5名のパネラーの採点結果について平均点を算出し、その平均点が3.6点以上の場合を「優れる」とし、2.6点以上3.6点未満の場合を「良好」とし、1.6点以上2.6点未満の場合を「やや悪い」とし、及び1.6点未満の場合を「悪い」とした。
表1に示されるように、(A)L−テアニン、(B)炭素数12〜18の高級脂肪酸、並びに(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類を含有する実施例1〜12では、毛髪のボリューム感、引っ張り強度、うるおい感、及び使用時のべたつき感について、いずれの評価も「優れる」又は「良好」であることが確認された。特に、(D)カチオン性界面活性剤が配合される実施例1〜8では、毛髪のボリューム感、引っ張り強度、うるおい感、及び使用時のべたつき感のいずれの評価も「優れる」であることが確認された。
一方、(A)L−テアニンを含有しない比較例1では、表2に示されるように、ボリューム感が低下する結果となった。(A)L−テアニンの代わりにアミノ酸としてのグルタミンとを配合する比較例2では、毛髪のボリューム感は改善されないことが確認された。尚、比較例1,2は、使用時のべたつき感も改善されないことが確認された。
(A)L−テアニンと(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類を含有する比較例3は、ボリューム感及びうるおい感のいずれも改善されないことが確認された。(A)L−テアニンと(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類、並びに高級脂肪酸エステルを配合する比較例4は、ボリューム感及び使用時のべたつき感のいずれも改善されないことが確認された。(A)L−テアニンと(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類、並びに炭素数22の高級脂肪酸を配合する比較例5は、ボリューム感及び使用時のべたつき感のいずれも改善されないことが確認された。
尚、表中における(A)〜(D)の表記は、本願請求項記載の各成分に対応する化合物を示す(以下、同様)。一方、表中におけるa〜dの表記は、本願請求項記載の各成分の対比化合物を示す。
(シャンプー)
表3に示す各例において、各成分を混合することにより、シャンプーとしての毛髪処理用組成物を調製した。各組成物をヒト黒毛束又はストレートボブスタイルのかつら(ウイッグ:図1参照)に塗布し、洗髪し、温水で洗い流した。次に、その毛髪をドライヤーで乾燥させて、乾燥後の毛髪について、ボリューム感、引っ張り強度、及びうるおい感を評価した。ボリューム感、引っ張り強度、うるおい感及び使用時のべたつき感の評価は、ヘアトリートメント剤欄に記載の方法にしたがった。表3において、各成分の配合量を示す数値の単位は質量%である。
表3に示されるように、(A)L−テアニン、(B)炭素数12〜18の高級脂肪酸、及び(C)炭素数6以下の有機酸の塩類を含有する実施例13〜15では、毛髪のボリューム感、引っ張り強度、うるおい感、及び使用時のべたつき感のいずれの評価も「優れる」又は「良好」であることが確認された。
(アウトバストリートメント剤)
表4に示す各例において、各成分を混合することにより、アウトバストリートメント剤としての毛髪処理用組成物を調製した。各組成物を水洗後のヒト黒毛束又はストレートボブスタイルのかつら(ウイッグ:図1参照)に適量を塗布した。次に、毛髪をドライヤーを用いて乾燥させた。乾燥後の毛髪について、毛髪のボリューム感、引っ張り強度、及びうるおい感について評価した。ボリューム感、引っ張り強度、うるおい感及び使用時のべたつき感の評価は、ヘアトリートメント剤欄に記載の方法にしたがった。表4において、各成分の配合量を示す数値の単位は質量%である。
表4に示されるように、(A)L−テアニン、(B)炭素数12〜18の高級脂肪酸、(C)炭素数6以下の有機酸、及び(D)カチオン性界面活性剤を含有する実施例16〜19では、毛髪のボリューム感、引っ張り強度、うるおい感、及び使用時のべたつき感のいずれの評価も「優れる」であることが確認された。
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(a)シャンプー後に用いられるリンス及びヘアトリートメント剤として使用される前記毛髪処理用組成物。
(b)前記(A)L−テアニンの含有量は、0.001〜5質量%であることを特徴とする前記毛髪処理用組成物。
毛髪のボリューム感の評価を示す参考図。頭頂部より左側の毛髪が、毛髪の根元付近の弾力性が十分にあることにより、ボリューム感が十分にある場合(「優れる」)を示す。頭頂部より右側に毛髪が、毛髪の根元付近の弾力性が失われ、ボリューム感がない場合(「悪い」)を示す。

Claims (3)

  1. (A)L−テアニン、(B)炭素数12〜18の高級脂肪酸、並びに(C)炭素数6以下の有機酸及びその塩類から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする毛髪処理用組成物。
  2. 前記有機酸は、カルボン酸類及びホスホン酸類から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪処理用組成物。
  3. さらに(D)カチオン性界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪処理用組成物。
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