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JP5325412B2 - 毛髪処理剤組成物及びその使用方法 - Google Patents

毛髪処理剤組成物及びその使用方法 Download PDF

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JP5325412B2 JP2007284058A JP2007284058A JP5325412B2 JP 5325412 B2 JP5325412 B2 JP 5325412B2 JP 2007284058 A JP2007284058 A JP 2007284058A JP 2007284058 A JP2007284058 A JP 2007284058A JP 5325412 B2 JP5325412 B2 JP 5325412B2
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Description

本発明は、例えば毛髪を染色処理するための毛髪処理剤組成物に関する。さらに詳しくは、比較的多量のキレート化剤を含有する毛髪処理剤組成物の毛髪処理によって生ずる毛髪の感触低下を、特定成分が含有される後処理剤によって抑制した毛髪処理剤組成物及びその使用方法に関する。
近年、ヘアスタイルの多様化に伴って、毛髪を化学的な処理剤、例えば染毛剤、脱色剤で処理される機会が多くなっている。これらの処理剤は、例えばアルカリ剤、及び酸化剤が配合されるため、化学的な処理剤で繰り返し処理された毛髪は、損傷を受ける傾向にある。損傷を受けた毛髪は、毛髪の感触が低下するという問題があった。従来より、毛髪の感触低下を抑制する成分として油性成分、例えばシリコーンが使用されてきた。
ところで、特許文献1にはキレート化剤を染毛剤に配合する構成が開示されている。キレート化剤は、酸化剤の分解を抑制し、製剤安定性を向上させるために液剤中に通常少量添加されている。特許文献1の染毛剤は、均染性の向上を目的としてそれよりも多くのキレート化剤が配合されている。
特開2007−137828号公報
ところが、特許文献1に開示される染毛剤は、均染性向上のために添加されるキレート化剤によって、毛髪にゴワツキ及びかさつきが生じて、最終的に毛髪の感触が低下するという問題があった。また、毛髪の感触低下を抑制する成分として知られる油性成分、例えばシリコーンを含有するヘアトリートメントによる後処理を施しても、キレート化剤によって生ずる毛髪の感触低下を抑制する作用は一時的な効果しか認められず、持続性が期待できないという問題があった。その一方、染毛剤中のキレート化剤の配合量を低下させると均染性が低下するという問題があった。
本発明は、本発明者らの鋭意研究の結果、アミノエチルスルホン酸を含有する後処理剤を使用することによって上記問題が解決されることを見出したことによりなされたものである。本発明の目的は、キレート化剤によって生ずる毛髪の感触低下を抑制することができる毛髪処理剤組成物及びその使用方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明は、使用時に酸化染料、アルカリ剤及び酸化剤が混合するよう構成された染毛剤組成物、並びに該染毛剤組成物の処理後に使用される後処理剤からなる毛髪処理剤組成物において、前記染毛剤組成物は、混合時に0.3〜2.0質量%となるようにキレート化剤が含有され、前記後処理剤は、前記キレート化剤により生ずる毛髪の感触低下を抑制するために適用され、アミノエチルスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の毛髪処理剤組成物において、前記キレート化剤は、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、及びそれらの塩から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の毛髪処理剤組成物において、前記染毛剤組成物は、酸化染料及びアルカリ剤を含有する第1剤、酸化剤を含有する第2剤、並びにキレート化剤を含有する第3剤から構成されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、使用時に酸化染料、アルカリ剤及び酸化剤が混合するよう構成され、混合時に0.3〜2.0質量%となるようにキレート化剤が含有されている染毛剤組成物、並びに前記キレート化剤により生ずる毛髪の感触低下を抑制するために適用され、アミノエチルスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種を含有する後処理剤からなる毛髪処理剤組成物の使用方法において、まず、前記染毛剤組成物によって毛髪を処理する工程、次に、前記後処理剤によって毛髪が2回以上処理される工程からなることを特徴とする。
本発明によれば、キレート化剤によって生ずる毛髪の感触低下を抑制することができる。
以下、本発明を毛髪処理剤組成物に具体化した実施形態について詳細に説明する。本実施形態に係る毛髪処理剤組成物は、染毛剤組成物としての染毛剤組成物、及び該染毛剤組成物の処理後に使用される後処理剤から構成される。染毛剤組成物は、例えば、第1剤、第2剤及び第3剤から構成されている。
<染毛剤組成物の第1剤>
染毛剤組成物の第1剤は、例えば酸化染料、及びアルカリ剤を含有している。酸化染料は、染毛剤組成物の第2剤に含有される酸化剤による酸化重合に起因して発色可能な化合物であり、染料中間体及びカプラーに分類される。酸化染料は少なくとも染料中間体を含んでいる。
染料中間体としては、例えばp−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルアミン、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、o−クロル−p−フェニレンジアミン、4−アミノ−m−クレゾール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール、2,4−ジアミノフェノール、及びそれらの塩類が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
カプラーは、染料中間体と結合することにより発色する。カプラーとしては、例えば5−アミノ−o−クレゾール、m−アミノフェノール、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、トルエン−3,4−ジアミン、2,6−ジアミノピリジン、ジフェニルアミン、N,N−ジエチル−m−アミノフェノール、フェニルメチルピラゾロン、及びそれらの塩類が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。酸化染料は、毛髪の色調を様々に変化させることができることから、好ましくは、染料中間体の前記具体例の中から選ばれる少なくとも一種と、カプラーの前記具体例の中から選ばれる少なくとも一種とから構成される。
染毛剤組成物中における酸化染料の含有量は、好ましくは0.02〜25質量%であり、より好ましくは0.2〜15質量%である。酸化染料の含有量が0.02質量%未満の場合、十分な染色性が得られないおそれがある。酸化染料の含有量が25質量%を超えても染色性はそれ以上向上しないことから、染毛の経済性が低下するおそれがある。
染毛剤組成物中における染料中間体の含有量は、好ましくは0.01〜15質量%であり、より好ましくは0.1〜10質量%である。染料中間体の含有量が0.01質量%未満の場合、十分な染色性が得られないおそれがある。染料中間体の含有量が15質量%を超えても染色性はそれ以上向上しないことから、染毛の経済性が低下するおそれがある。
染毛剤組成物中におけるカプラーの含有量は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜5質量%である。カプラーの含有量が0.01質量%未満の場合、十分な染色性が得られないおそれがある。カプラーの含有量が10質量%を超えても染色性はそれ以上向上しないことから、染毛の経済性が低下するおそれがある。第1剤は、前記酸化染料以外の染料として、例えば「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載された酸化染料、及び直接染料から選ばれる少なくとも一種を適宜含有してもよい。
アルカリ剤は、染毛剤組成物の第2剤に含有される酸化剤の作用を促進するとともに、毛髪を膨潤させて毛髪への染料の浸透性を向上させることにより、染色性を向上させる。アルカリ剤としては、例えばアンモニア、アルカノールアミン、有機アミン類、無機アルカリ、塩基性アミノ酸、及びそれらの塩が挙げられる。有機アミン類としては、例えば2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、及びグアニジンが挙げられる。無機アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウムが挙げられる。塩基性アミノ酸としては、例えばアルギニン、及びリジンが挙げられる。塩としては、例えばアンモニウム塩が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
アルカリ剤の含有量は、好ましくは第1剤のpHが8〜12の範囲となる量である。第1剤のpHが8未満では、第1剤〜第3剤と混合されたときに、第2剤に含有される酸化剤としての過酸化水素の作用が十分に促進されない場合がある。第1剤のpHが12を超えると、染毛剤組成物が毛髪に塗布されたときに、毛髪に損傷等の不具合が発生しやすい。
第1剤は、必要に応じて、例えば水、水溶性高分子化合物、油性成分、多価アルコール、界面活性剤、糖類、防腐剤、安定剤、pH調整剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、紫外線吸収剤、及び酸化防止剤から選ばれる少なくとも一種を含有してもよい。
水は、各成分の溶媒又は分散媒として使用される。水は界面活性剤とともに適量配合されて、第1剤を乳化させる。水溶性高分子化合物としては、例えばアラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、セルロース誘導体、架橋ポリアクリル酸、及びポリ塩化ジメチルメチレンピペリジウムが挙げられる。架橋ポリアクリル酸としては、例えばカルボマーが挙げられる。
油性成分は、毛髪にうるおい感を付与する。そのため、第1剤は、好ましくは油性成分を含有する。油性成分としては、例えば油脂類、ロウ類、高級アルコール、炭化水素類、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、及びシリコーン類が挙げられる。
油脂類としては、例えばオリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、及び月見草油が挙げられる。ロウ類としては、例えばミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、及びラノリンが挙げられる。
高級アルコールとしては、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、及びラノリンアルコールが挙げられる。
炭化水素としては、例えばパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、及びワセリンが挙げられる。高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、及びラノリン脂肪酸が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルとしては、例えばバチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、及びイソステアリルグリセリルエーテルが挙げられる。
エステル類としては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、脂肪酸(C10−30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、及びコハク酸ジオクチルが挙げられる。
シリコーン類としては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、平均重合度が650〜10000の高重合シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、及びフッ素変性シリコーンが挙げられる。ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えばPEG−12ジメチコンが挙げられる。これらの油性成分の具体例は単独で使用されてもよく、2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
多価アルコールとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、イソペンチルジオール、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、及び1,3−ブチレングリコール(BG)が挙げられる。
界面活性剤は、組成物の乳化剤又は組成物中の各成分の可溶化剤として第1剤の安定性を保持するために好適に配合される。界面活性剤としては、イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。イオン性界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステルが挙げられる。アルキルエーテル硫酸塩としては、例えばラウレス硫酸ナトリウムが挙げられる。N−アシルアミノ酸型界面活性剤としては、例えばN−ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウムが挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンとしては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルケニルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ジアルケニルジメチルアンモニウム塩、ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、及びアルキロイルアミドプロピルジメチルアミンが挙げられる。アルキルトリメチルアンモニウム塩としては、例えば塩化ステアリルトリメチルアンモニウムが挙げられる。ジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムが挙げられる。これらの界面活性剤のカチオン基の対イオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、アルキル硫酸イオン、及びサッカリンが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、及びココアンホ酢酸ナトリウムが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルサッカライド界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミド、及びアルキルアミンオキサイドが挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えばラウレス、セテス、ステアレス、及びパレスが挙げられる。これらの界面活性剤の具体例は、単独で使用されてもよく、二種以上を組み合わせて使用されてもよい。
糖類としては、例えばソルビトール、及びマルトースが挙げられる。防腐剤としては、例えばパラベンが挙げられる。安定剤としては、例えばフェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、及びタンニン酸が挙げられる。pH調整剤としては、例えば乳酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、ピロリドンカルボン酸(PCA)、コハク酸、クエン酸、グルタミン酸、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、トリエタノールアミン(TEA)、及びアルギニンが挙げられる。酸化防止剤としては、例えばアスコルビン酸、及び亜硫酸塩が挙げられる。第1剤の剤型は特に限定されず、例えば粉末状、液状、ゲル状、フォーム状、及びクリーム状が挙げられる。液状としては、例えば水溶液、分散液、及び乳化液が挙げられる。
<染毛剤組成物の第2剤>
染毛剤組成物の第2剤は酸化剤を含有している。酸化剤は、毛髪に含まれるメラニンを脱色するとともに、染毛剤組成物の第1剤に含有される酸化染料を酸化して発色させる。酸化剤としては、例えば過ホウ酸塩、過炭酸塩、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物、過酸化尿素、過酸化メラミン、臭素酸塩、及び過酸化水素が挙げられる。第2剤中の酸化剤の含有量は、第2剤の全量が100質量%に設定されたときに、好ましくは0.1〜15.0質量%である。
第2剤は、酸化剤以外の成分として、酸化染毛剤組成物の第2剤に通常含有される成分を含有している。第2剤は、染毛剤組成物の第1剤に含有される、酸化染料及びアルカリ剤以外の成分を適宜含有してもよい。第2剤が酸化剤として過酸化水素を含有する場合、過酸化水素の分解を抑制するために、第2剤は好ましくは安定化剤を含有している。安定化剤としては、例えば尿素、フェナセチン、スズ酸ナトリウム、エチレングリコールフェニルエーテル、8−オキシキノリン、及びリン酸が挙げられる。第2剤の剤型は特に限定されず、例えば粉末状、液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状が挙げられる。液状としては、例えば水溶液、分散液、及び乳化液が挙げられる。
<染毛剤組成物の第3剤>
染毛剤組成物の第3剤はキレート化剤を含有している。キレート化剤は、均染性を向上させるために配合される。尚、キレート化剤を第1剤及び第2剤の少なくとも一方に含有する場合は、第3剤を構成する必要はない。キレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸(DHEDDA)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(1,3PDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIMDA)、L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸(ASDA)、アミノトリメチレンホスホン酸(NTMP)、ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)、それらの塩、それらの誘導体、及びそれらの誘導体の塩が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。これらのキレート化剤の中でも、均染性を向上する効果の高いEDTA、HEDTA、DTPA、HEDP、及びそれらの塩が好ましい。尚、上記に具体例として挙げられた化合物は、水和物が形成された状態の化合物で含有されてもよい。
キレート化剤の含有量は、第1剤〜第3剤が混合された染毛剤組成物中において0.3〜2.0質量%、より好ましくは0.5〜1.5質量%である。キレート化剤の含有量が0.3質量%未満の場合、均染性の向上効果を十分に発揮することができない。キレート化剤の含有量が2.0質量%を超えると、染まりの深さの低下を招くおそれがある。
第3剤は、キレート化剤以外の成分として、染毛剤組成物の第1剤に含有される、酸化染料及びアルカリ剤以外の成分を適宜含有してもよい。第3剤の剤型は特に限定されず、例えば粉末状、液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状が挙げられる。液状としては、例えば水溶液、分散液、及び乳化液が挙げられる。
<染毛剤組成物>
染毛剤組成物は、前記第1剤、第2剤及び第3剤が所定の割合で混合されることにより調製される。染毛剤組成物の剤型は特に限定されず、例えば液状、クリーム状、ゲル状、及びフォーム状が挙げられる。次に、後処理剤について説明する。
<後処理剤>
後処理剤は、アミノエチルスルホン酸(タウリン)及びその塩から選ばれる少なくとも一種を含有している。アミノエチルスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種は、キレート化剤によって生ずる毛髪の感触低下を抑制する。アミノエチルスルホン酸塩としては、公知の成分を適宜採用することができ、例えば、アルカリ金属塩、塩基性アミノ酸との塩が挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えばナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられる。塩基性アミノ酸としては、例えばトリエタノールアミン塩、キトサン塩、及びリシン・アルギニンが挙げられる。
後処理剤中におけるアミノエチルスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の含有量は、好ましくは0.005〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%である。含有量が0.005質量%未満の場合、毛髪の感触低下を抑制する効果を十分に発揮することができない。一方、含有量が10質量%を超えて配合してもそれ以上は効果の向上は期待できない。
後処理剤は、アミノエチルスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種以外の成分として、染毛剤組成物の第1剤に含有される、酸化染料及びアルカリ剤以外の成分を適宜含有してもよい。後処理剤の剤型は特に限定されず、例えば液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状が挙げられる。液状としては、例えば水溶液、分散液、及び乳化液が挙げられる。
この後処理剤は、染毛剤組成物による染毛処理後の毛髪に適用される。この後処理剤は、毛髪に適用した後に例えば水、温水又はシャンプーを使用しながら洗い流すようにして使用してもよく、毛髪に付着した同組成物を例えば水、温水又はシャンプーで洗い流さないようにして使用してもよい。例えば水、温水又はシャンプーを使用しながら洗い流すようにして使用する場合、再度後処理剤による処理作業を繰り返してもよい。この場合、キレート化剤による毛髪の感触低下を抑制する効果を向上させるために、好ましくは後処理剤による毛髪処理作業が2回以上繰り返して行われる。後処理剤による処理が2回以上繰り返される場合、同日に2回以上繰り返し使用してもよく、1日目に1回目の後処理剤による処理、2日目に2回目の処理等、1日以上間を空けながら使用してもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)本実施形態では、キレート化剤を含有する染毛剤組成物の処理後に使用される後処理剤において、アミノエチルスルホン酸を配合した。したがって、キレート化剤によって生ずる毛髪の感触低下を抑制することができる。アルカリ剤を含有する毛髪処理剤組成物において、キレート化剤はアルカリ性となっている。そのため、酸性成分であるアミノエチルスルホン酸との相乗効果により、毛髪の保湿性が向上し、毛髪の感触低下が抑制されるものと思料される。
(2)本実施形態では、染毛剤組成物中にキレート化剤が0.3〜2.0質量%含有される。したがって、均染性を向上させることができる。また、染毛処理後の毛髪を深みのある染まりに仕上げることができる。
(3)本実施形態では、キレート化剤として、好ましくはEDTA、HEDTA、DTPA、HEDP、及びそれらの塩が使用される。したがって、均染性をより向上させることができる。
(4)本実施形態では、染毛剤組成物として、酸化染料及びアルカリ剤を含有する第1剤、酸化剤を含有する第2剤、並びにキレート化剤を含有する第3剤からなる染毛剤組成物を構成した。したがって、各有効成分が別々に保存されることから、各有効成分の保存安定性を向上させることができる。
(5)本実施形態では、後処理剤の使用方法は、好ましくは後処理剤の毛髪への塗布及び洗い流し作業からなる一連の処理作業が2回以上繰り返して行われる。したがって、アミノエチルスルホン酸によって発揮される毛髪の感触低下抑制作用をより向上させることができる。
なお、上記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・上記実施形態において、染毛剤組成物の第1剤〜第3剤、及び後処理剤に配合される各成分をさらに分割して構成してもよい。
・上記実施形態において、キレート化剤を第1剤及び第2剤の少なくとも一方に含有させてもよい。また、第1剤及び第2剤の少なくとも一方にのみキレート化剤の全量を配合し、第3剤を構成しなくてもよい。
・上記実施形態において、酸化染料、アルカリ剤、酸化剤、及びキレート化剤をすべて含有する1剤式として適用してもよい。
次に、実施例等を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
表1に示す各成分を含有する、染毛剤組成物の第1剤、第2剤及び第3剤を調製した。表1に示される染毛剤組成物の第1剤、第2剤及び第3剤は、その他の成分として表2に示される各成分が、表4,5に示されるように各例に対応するように配合されている。表1,2における各成分を示す欄中の数値は当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量%である。そして、第1剤〜第3剤を10:10:1(第3剤を使用しない場合は、第1剤:第2剤を1:1)の質量比で混合して各染毛剤組成物を調製した。また、表3に示す各成分を含有する各後処理剤を調製した。表3における各成分を示す欄中の数値は当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量%である。
長さ15cmのビューラックス社製人毛毛束(以下、単に毛束という。)をまず(1)パウダーブリーチ(ホーユー株式会社製:ホーユーパウダーブリーチ)にて常法によりブリーチ処理し、乾燥した後一日間放置した。次に(2)前記ブリーチ処理毛束に、各染毛剤組成物を刷毛を用いて塗布、30分間放置後水洗した。次に、(3)シャンプー(ホーユー株式会社製:ビゲントリートメントシャンプー)を用いて2回処理した。次に(4)シャンプーを洗い流した後、各後処理剤を塗布した。尚、後処理剤は、表4,5に示されるように各例に対応するように、各毛髪に施される。後処理剤塗布後、1分間放置後水洗した。次に(5)リンス(ホーユー株式会社製:ビゲントリートメントリンス)を1回施し、毛束を温風で乾燥する。さらに後処理を複数回繰り返す場合は、まず(6)乾燥した毛束を水洗する。次に、(7)各後処理剤を塗布し、1分間放置後水洗する。次に(8)温風で乾燥する。次に(9)この一連の(6)〜(8)の処理工程をさらに4回繰り返した(工程(9)終了後、後処理剤の使用回数は全6回)。このように染毛剤組成物及び後処理剤で処理した各毛束を使用して、下記の均染性、染まりの深さ及び摩擦について評価を行い、それらの評価結果を表4,5に併記する。
Figure 0005325412
Figure 0005325412
Figure 0005325412
(均染性効果)
上記(5)の処理工程終了時に評価した。20名のパネラーが標準光源下で毛束の色調の均一性を目視にて観察することにより、毛髪全体が均一に染色されているか否かで評価し、均一であると評価した人数が18人以上の場合を「優れる」とし、11人〜17人の場合を「良好」とし、4人〜10人の場合を「やや悪い」とし、4人未満の場合を「悪い」とした。
(染まりの深さ)
上記(5)の処理工程終了時に評価した。20名のパネラーが標準光源下で毛束の色調を目視にて観察することにより、深みのある色調か否かで評価し、「深みのある色調である」と評価した人数が18人以上の場合を「優れる」とし、11人〜17人の場合を「良好」とし、4人〜10人の場合を「やや悪い」とし、4人未満の場合を「悪い」とした。
(染毛剤処理後の毛髪の摩擦)
上記(3)の処理工程終了時に濡れた状態で評価した。20名のパネラーが毛束に指を通し、ざらつき感があるかないかで評価し、ざらつきがないと評価した人数が18人以上の場合を「優れる」とし、11人〜17人の場合を「良好」とし、4人〜10人の場合を「やや悪い」とし、4人未満の場合を「悪い」とした。
(後処理剤後の毛髪の摩擦)
上記(5)の処理工程終了時に乾いた状態で評価した。20名のパネラーが毛束に指を通し、ざらつき感があるかないかで評価し、ざらつきがないと評価した人数が18人以上の場合を「優れる」とし、11人〜17人の場合を「良好」とし、4人〜10人の場合を「やや悪い」とし、4人未満の場合を「悪い」とした。
(後処理剤連用後の毛髪の摩擦)
上記(9)の処理工程終了時に乾いた状態で評価した。20名のパネラーが毛束に指を通し、ざらつき感があるかないかで評価し、ざらつきがないと評価した人数が18人以上の場合を「優れる」とし、11人〜17人の場合を「良好」とし、4人〜10人の場合を「やや悪い」とし、4人未満の場合を「悪い」とした。
Figure 0005325412
Figure 0005325412
表4に示されるように、キレート化剤を含有する染毛剤組成物で染毛処理し、アミノエチルスルホン酸を含有する後処理剤で複数回処理した実施例1〜17の毛髪では、均染性、染まりの深さ及び摩擦のいずれの評価も「優れる」ことが確認された。
一方、後処理剤で処理をしない比較例1では、表5に示されるように、摩擦の評価が低下する結果となった。アミノエチルスルホン酸を含有しない従来技術の後処理剤で処理した比較例2では、毛髪の摩擦は改善されないことが確認された。アミノエチルスルホン酸以外のスルホン酸成分を含有する後処理剤で処理した比較例3,4は、毛髪の摩擦は改善しないことが確認された。トリートメント成分であるジメチルポリシロキサンを含有する後処理剤で処理した比較例5は、毛髪の摩擦は改善しないことが確認された。染毛剤組成物中のキレート化剤の含有量が0.3質量%未満の比較例6は、均染性が向上しないことが確認された。染毛剤組成物中のキレート化剤の含有量が2.0質量%を超える比較例7は、染まりの深さが低下することが確認された。アミノエチルスルホン酸が染毛剤組成物の第1剤に予め含有されて処理された比較例8,9は、毛髪の摩擦は改善しないことが確認された。本発明のアミノエチルスルホン酸を用いた毛髪処理は、染毛処理後に用いられる後処理剤として適用されることが効果的であることが確認された。トリートメント成分であるジメチルポリシロキサンを含有する比較例10,11は、毛髪の摩擦は十分に改善しないことが確認された。ジメチルポリシロキサンは従来より毛髪の滑り作用を発揮する油性成分として知られている。しかしながら、キレート化剤を含有する染毛剤組成物を用いた場合に生ずる毛髪の摩擦の低下は、ジメチルポリシロキサンでは抑制することができないことが確認された。
参考例1に示されるように後処理剤を1回のみ使用した場合、染毛剤処理後の毛髪の摩擦の改善効果は認められた(摩擦評価欄)。しかしながら、その後、水による繰り返し処理によって、その効果は低下することが確認された(参考例1:連用後摩擦評価欄)。本発明のアミノエチルスルホン酸を用いた後処理は、各実施例に示されるように複数回の連用が効果的であることが確認された。参考例2に示されるように後処理剤を染毛処理の前に使用した場合、染毛処理後の毛髪の摩擦の改善は見られなかった。本発明の後処理は、染毛処理後に用いられることが効果的であることが確認された。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)アミノエチルスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種の含有量は、0.005〜10質量%であることを特徴とする毛髪処理剤組成物。

Claims (4)

  1. 使用時に酸化染料、アルカリ剤及び酸化剤が混合するよう構成された染毛剤組成物、並びに該染毛剤組成物の処理後に使用される後処理剤からなる毛髪処理剤組成物において、
    前記染毛剤組成物は、混合時に0.3〜2.0質量%となるようにキレート化剤が含有され、
    前記後処理剤は、前記キレート化剤により生ずる毛髪の感触低下を抑制するために適用され、アミノエチルスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする毛髪処理剤組成物。
  2. 前記キレート化剤は、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、及びそれらの塩から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪処理剤組成物。
  3. 前記染毛剤組成物は、酸化染料及びアルカリ剤を含有する第1剤、酸化剤を含有する第2剤、並びにキレート化剤を含有する第3剤から構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪処理剤組成物。
  4. 使用時に酸化染料、アルカリ剤及び酸化剤が混合するよう構成され、混合時に0.3〜2.0質量%となるようにキレート化剤が含有されている染毛剤組成物、並びに前記キレート化剤により生ずる毛髪の感触低下を抑制するために適用され、アミノエチルスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種を含有する後処理剤からなる毛髪処理剤組成物の使用方法において、
    まず、前記染毛剤組成物によって毛髪を処理する工程、
    次に、前記後処理剤によって毛髪が2回以上処理される工程からなることを特徴とする毛髪処理剤組成物の使用方法。
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