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JP2008239921A - 有機無機複合組成物および光学部品 - Google Patents

有機無機複合組成物および光学部品 Download PDF

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JP2008239921A JP2007086644A JP2007086644A JP2008239921A JP 2008239921 A JP2008239921 A JP 2008239921A JP 2007086644 A JP2007086644 A JP 2007086644A JP 2007086644 A JP2007086644 A JP 2007086644A JP 2008239921 A JP2008239921 A JP 2008239921A
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Abstract

【課題】高屈折性、透明性、軽量性を併せ持つ材料組成物を提供すること。
【解決手段】繰返し単位の主鎖中に一般式(I)で表される構造単位を有する繰返し単位を含む樹脂と、無機粒子を含むことを特徴とする有機無機複合組成物。
Figure 2008239921

[Rはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはヒドロキシ基;Aは酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、高屈折性、透明性、低複屈折性、軽量性、加工性に優れる有機無機複合組成物、および該組成物を含んで構成される光学部品(例えば、眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、オプトエレクトロニクス用レンズ、レーザー用レンズ、ピックアップ用レンズ、車載カメラ用レンズ、携帯カメラ用レンズ、デジタルカメラ用レンズ、OHP用レンズ等)に関する。
近年、光学材料の研究が盛んに行われており、特にレンズ材料の分野においては高屈折性、低分散性(すなわち高いアッベ数)、低複屈折性、耐熱性、透明性、易成形性、軽量性、耐薬品性・耐溶剤性等に優れた材料の開発が強く望まれている。
プラスチックレンズは、ガラスなどの無機材料に比べ軽量で割れにくく、様々な形状に加工できるため、眼鏡レンズのみならず近年では携帯カメラ用レンズやピックアップレンズ等の光学材料にも急速に普及しつつある。
それに伴い、レンズを薄肉化するために素材自体を高屈折率化することが求められるようになっており、例えば、硫黄原子をポリマー中に導入する技術(特許文献1、特許文献2参照)や、ハロゲン原子や芳香環をポリマー中に導入する技術(特許文献3)等が活発に研究されており、屈折率1.7を越えるプラスチック材料が報告されているが、前記光学材料としての充分な特性は有していない。
また、高屈折率を有する無機物を樹脂マトリックス中に分散させることによって高屈折率材料をつくる手法が報告されている(特許文献4参照)。レイリー散乱による透過光の減衰を低減するためには、粒子サイズが15nm以下の無機微粒子を樹脂マトリックス中に均一に分散させることが好ましい。しかし、粒子サイズが15nm以下の1次粒子は非常に凝集しやすいために、樹脂マトリックス中に均一に分散させることは極めて難しい。また、レンズの厚みに相当する光路長における透過光の減衰を考慮すると、無機微粒子の添加量を制限せざるを得ない。このため、微粒子を樹脂マトリックスに分散することによって、高屈折性(1.70超)と高透明性を両立するような材料を作成することは、これまでできなかった。
特開2002−131502号公報 特開平10−298287号公報 特開2004−244444号公報 特開2003−73564号公報
よって、高屈折性、透明性、および軽量性を併せ持つプラスチック材料、およびそれを含んで構成されるレンズ等の光学部品は未だ見出されておらず、その開発が望まれていた。
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、微粒子が樹脂マトリックス中に均一に分散していて、優れた透明性と高い屈折率を有する材料組成物を含有してなる光学部品を提供することにある。
本発明者らは上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、透明性に優れた特定の樹脂中に、高屈折率を有する無機微粒子を分散させた材料組成物が、微粒子の均一分散効果により、高屈折性と優れた透明性を有することを見出し、以下の[1]〜[9]に記載する本発明の完成に至った。
[1] 繰返し単位の主鎖中に下記一般式(I)で表される構造単位を有する繰返し単位を含む樹脂と、無機粒子を含むことを特徴とする有機無機複合組成物。
一般式(I)
Figure 2008239921
[一般式(I)中、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、またはヒドロキシ基を表す。Aは酸素原子、硫黄原子、もしくはセレン原子を表す。]
[2] 前記繰返し単位が下記一般式(II)で表されることを特徴とする[1]に記載の有機無機複合組成物。
一般式(II)
Figure 2008239921
[一般式(II)中、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、またはヒドロキシ基を表す。A1、A2、およびA3はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、もしくはセレン原子を表す。L1、L2は置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、またはこれらを組み合わせた連結基を表す。Xは炭素数2以上の連結基を表す。m、nはそれぞれ独立に0もしくは1を表す。]
[3] 前記無機粒子の数平均粒子サイズが1〜15nmであることを特徴とする[1]または[2]に記載の有機無機複合組成物。
[4] 前記無機粒子の屈折率が1.9以上であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
[5] 前記無機粒子が、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、またはこれら両方を含むことを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
[6] 波長589nmにおける厚さ1mm換算の光線透過率が70%以上であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物を含んで構成される光学部品。
[8] 光学部品がレンズであることを特徴とする[7]に記載の光学部品。
[9] 厚さが500μm以上であることを特徴とする[8]に記載の光学部品。
本発明の有機無機複合組成物、およびそれを含んで構成される光学部品は、微粒子が樹脂マトリックス中に均一に分散していて、優れた透明性と高い屈折率を併せもつ。また、本発明によれば、機械的強度や耐熱性が良好な光学部品も提供しやすい。
以下において、本発明の有機無機複合組成物、およびそれを含んで構成される光学部品について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[樹脂]
本発明で用いる樹脂は、繰返し単位の主鎖中に下記一般式(I)で表される構造単位を有する繰返し単位を含む。
一般式(I)
Figure 2008239921
一般式(I)中、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、またはヒドロキシ基を表す。Rは好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基である。Rが採りうるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜18、さらに好ましくは1〜15である。具体例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。Rが採りうるアリール基の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜18、さらに好ましくは6〜15である。具体例として、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などを挙げることができる。Rが採りうるアルコキシ基の炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜18、さらに好ましくは1〜15である。アルコキシ基のアルキル部分の具体例として、上記アルキル基の具体例として挙げたものを例示することができる。Rが採りうるアリールオキシ基の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜18、さらに好ましくは6〜15である。アルールオキシ基のアリール部分の具体例として、上記アリール基の具体例として挙げたものを例示することができる。
アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基に対して置換しうる置換基については特に制限はなく、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)、置換もしくは無置換のカルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル基)、アルキルカルボニル基(例えば、アセチル基)、アリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル基)、ニトロ基、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド基、エトキシカルボニルアミノ基)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基)、イミド基(例えば、スクシンイミド基、フタルイミド基)、イミノ基(例えば、ベンジリデンアミノ基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基)、アルキルスルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニリオキシ基)、アリールスルホニルオキシ基(例えば、ベンゼンスルホニルオキシ基)、スルホ基、置換もしくは無置換のスルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル基)、ヘテロ環類などを挙げることができる。
Rの置換基はさらに置換されていてもよく、置換基が複数ある場合は、各置換基が同一でも異なっていてもよい。また置換基は、Rと縮合環を形成していてもよい。置換基として好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基であり、さらに好ましくは、アルキル基、アリール基である。
Aは酸素原子、硫黄原子、もしくはセレン原子を表し、酸素原子、もしくは硫黄原子が好ましい。
繰返し単位の主鎖中に一般式(I)で表される構造単位を有する繰返し単位は、一般式(II)で表されるものであることが好ましい。
一般式(II)
Figure 2008239921
一般式(II)中、Rは一般式(I)のRと同義であり、好ましい範囲も同様である。A1、A2、およびA3はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、もしくはセレン原子を表し、酸素原子、もしくは硫黄原子が好ましい。L1、L2は置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、またはこれらを組み合わせた連結基を表す。L1、L2が採りうるアルキレン基の炭素数は、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜15、さらに好ましくは2〜12である。具体例として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、シクロヘキセン基などを挙げることができる。L1、L2が採りうるアリーレン基の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜15、さらに好ましくは6〜12である。具体例として、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基を挙げることができる。L1、L2が採りうるアルキレン基とアリーレン基を組み合わせた連結基の炭素数は、好ましくは7〜20、より好ましくは7〜15、さらに好ましくは7〜12である。具体例として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基およびシクロヘキセン基からなる群より選択される1以上の基と、フェニレン基、ビフェニレン基およびナフチレン基からなる群より選択される1以上の基とを組み合わせた基を挙げることができる。アルキレン基、アリーレン基、これらを組み合わせた連結基に対する置換基については特に制限はないが、一般式(I)のRの置換基として挙げたものを適用でき、好ましい範囲も同様である。Xは炭素数2以上の連結基を表し、好ましくは炭素数2〜40、より好ましくは炭素数2〜30の2価の連結基であり、さらに好ましくは下記構造式からなる群より選ばれる一種である。
Figure 2008239921
1、R2は水素原子、アルキル基、もしくはアリール基を表し、R1とR2で環構造を形成してもよい。R1とR2で形成される環構造の例としては以下のものが挙げられる。
Figure 2008239921
Xが採りうる連結基は置換基を有してもよく、該置換基に特に制限はないが、一般式(I)のRの置換基として挙げたものを適用でき、好ましい範囲も同様である。m、nはそれぞれ独立に0もしくは1を表す。mとnはいずれも0であることが好ましい。
上記一般式(II)で表される構造単位の中には、特に下記一般式(III)や下記一般式(IV)で表される構造単位も含まれる。これらの構造単位も本発明において好ましく採用することができる。
Figure 2008239921
一般式(III)および一般式(IV)において、Rは、一般式(I)のRと同義であり、好ましい範囲も同様である。A1、A2、A3、A4、A5はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、もしくはセレン原子を表し、好ましくは酸素原子、もしくは硫黄原子である。L1、L2は一般式(II)のL1、L2と同義であり、好ましい範囲も同様である。X1、X2、X3はそれぞれ独立に炭素数2以上の連結基を表し、好ましい範囲は一般式(II)のX1、X2と同様である。m、nはそれぞれ独立に0もしくは1を表す。
本発明で用いる樹脂は、1分子中に一般式(I)で表される構造単位を有する繰返し単位を1種類だけ有するものであってもよいし、さらに一般式(I)で表される構造単位を有する別の繰返し単位を1種類以上有するものであってもよい。1分子中に2種類以上の繰返し単位を含む共重合体である場合は、ブロック共重合体であっても、ランダム共重合体であっても、グラフト共重合体であってもよい。
以下に本発明で使用することができる樹脂に含まれる好ましい繰返し単位の具体例を挙げるが、本発明で用いることができる樹脂はこれらの繰返し単位を有するものに限定されるものではない。繰返し単位のa、b、c、d、x、yは共重合比(mol比)を表す。
Figure 2008239921
Figure 2008239921
Figure 2008239921
本発明で用いる樹脂は、公知の方法で合成することができる。例えば、新高分子実験学2、高分子の合成・反応(2)縮合系高分子の合成(高分子学会編)138項〜143項や、Journal of Polymer Science Part B, 38巻,2409項〜2421項(2000年)などに記載のリン酸誘導体と水酸基含有化合物の重縮合反応により合成することができる。
本発明の有機無機複合組成物には、一般式(I)で表される構造単位を有する樹脂を1種だけ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、一般式(I)で表される構造単位を有さない樹脂と混合して用いてもよい。例えば、繰返し単位にリン原子を有さない樹脂と混合して用いることができる。繰返し単位にリン原子を有さない樹脂の種類に特に制限はないが、下記の光学物性、熱物性、分子量を満たすものの中から選択して用いることが好ましい。
本発明で用いる樹脂は、屈折率が1.50より大きいことが好ましく、1.60より大きいことがより好ましい。なお、本発明における屈折率は、アッベ屈折計(アタゴ社DR−M4)にて波長589nmの光について測定した値である。
本発明で用いる樹脂は、ガラス転移温度が80℃〜400℃であることが好ましく、130℃〜380℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が80℃以上の樹脂を用いれば十分な耐熱性を有する光学部品が得られやすくなり、また、ガラス転移温度が400℃以下の樹脂を用いれば成形加工が行いやすくなる傾向がある。
本発明で用いる樹脂は、波長589nmにおける光線透過率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。光線透過率が80%以上であれば、より好ましい性質を有する光学部品を得やすい。
本発明で用いる樹脂は、好ましくは数平均分子量1,000〜500,000、より好ましくは数平均分子量3,000〜300,000、さらに好ましくは数平均分子量5,000〜200,000、特に好ましくは数平均分子量10,000〜100,000の樹脂である。数平均分子量が1,000以上であれば力学強度のある有機無機複合組成物が得られやすく、500,000以下であれば成形加工が容易である傾向がある。
[無機微粒子]
本発明において用いる無機微粒子として、例えば、酸化物微粒子、硫化物微粒子、セレン化物微粒子、テルル化物微粒子等が挙げられる。より具体的には、例えば、酸化チタン微粒子、酸化亜鉛微粒子、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化セリウム、硫化亜鉛微粒子等を挙げることができ、好ましくは酸化チタン微粒子、酸化ジルコニウム硫化亜鉛微粒子であり、より好ましくは酸化チタン微粒子、酸化ジルコニウム微粒子であるが、これらに限定されるものではない。本発明では、1種類の無機微粒子を単独で用いてもよいし、複数種の無機微粒子を併用してもよく、バリウム、コバルト、イットリウムなどの任意の金属元素でドープされていてもよい。また本発明において用いる無機微粒子は他の金属酸化物、例えば酸化アルミなどで表面被覆されていてもよい。
本発明において用いる無機微粒子の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のいずれの方法も用いることができる。ハロゲン化金属やアルコキシ金属を原料に用い、水を含有する反応系において加水分解することにより、所望の酸化物微粒子を得ることができる。
例えば酸化チタンナノ粒子の合成には硫酸チタニルが、酸化亜鉛ナノ粒子の合成には酢酸亜鉛や硝酸亜鉛等の亜鉛塩が、それぞれ例示される。テトラエトキシシランやチタニウムテトライソプロポキサイド等の金属アルコキシド類も原料として好適に使用可能である。例えば、ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス第37巻4603〜4608頁(1998年)やラングミュア第16巻第1号241〜246頁(2000年)に記載の公知の方法を用いることができる。特にゾル生成法により酸化物ナノ粒子を合成する場合においては、例えば硫酸チタニルを原料として用いる酸化チタンナノ粒子の合成のように、水酸化物等の前駆体を経由し次いで酸やアルカリによりこれを脱水縮合または解膠してヒドロゾルを生成させる手順も可能である。かかる前駆体を経由する手順では、該前駆体を、濾過や遠心分離等の任意の方法で単離精製することが最終製品の純度の点で好適である。該ヒドロゾルにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(略称DBS)やジアルキルスルホスクシネートモノナトリウム塩(三洋化成工業(株)製、商標名はエレミノールJS−2)等の適当な界面活性剤を加えて、ゾル粒子を非水溶化させて単離してもよい。例えば、色材,57巻6号,305〜308(1984)に記載の公知の方法を用いることができる。また、特開2006−16236号公報に記載の方法で、金属塩溶液に塩基性溶液を加えて部分中和させ、次いで該溶液に無機塩を添加して混合溶液とし、この混合溶液を加熱して金属微粒子を得ることもできる。
また、水中で加水分解させる方法以外には有機溶媒中や本発明に使用する樹脂が溶解した有機溶媒中で無機微粒子を作成してもよい。
これらの方法に用いられる溶媒としては、アセトン、2−ブタノン、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、アニソール等が例として挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよく、また複数種を混合して使用してもよい。
本発明で用いる無機微粒子の数平均粒子サイズは、小さすぎると該微粒子を構成する物質固有の特性が変化する場合があり、逆に該数平均粒子サイズが大きすぎるとレイリー散乱の影響が顕著となり、無機微粒子を含んでなる有機無機複合組成物の透明性が極端に低下する場合がある。従って、本発明で用いる無機微粒子の数平均粒子サイズの下限値は、好ましくは1nm、より好ましくは2nm、さらに好ましくは3nmであり、上限値は好ましくは15nm、より好ましくは10nm、さらに好ましくは5nmである。
本発明で用いる無機微粒子の屈折率の範囲は、1.90以上であることが好ましく、1.90〜3.00であることがより好ましく、1.90〜2.70であることがさらに好ましく、2.00〜2.70であることが特に好ましい。屈折率が1.90以上である無機微粒子を用いれば屈折率が1.70より大きい有機無機複合組成物を作成しやすくなり、屈折率が3.00以下の無機微粒子を用いれば透過率が80%以上の有機無機複合組成物を作成しやすくなる傾向がある。
[分散剤]
本発明に用いる微粒子は、分散剤を用いて樹脂中に分散されていてもよい。本発明に使用される分散剤の分子量は、通常100〜1000である。分子量が大きすぎると、有機無機複合組成物の屈折率を上げることが難しくなる傾向がある。
本発明に使用する前記微粒子は、前記樹脂を主体とする樹脂マトリックスへの相溶性を有する有機化合物(本発明では「分散剤」と称する)を配位あるいは修飾すると、該樹脂マトリックスへの微粒子の分散性が向上し、本発明の有機無機複合組成物の透明性や機械的強度が向上する場合がある。分散剤の効果は、微粒子同士の凝集が抑制される効果、上記樹脂マトリックスへの相溶性が向上する効果等の組み合わせによるものと考えられる。
かかる分散剤の好ましい構造は下記一般式(V)で表される。
一般式(V)
A−R
ただし、Aは微粒子の表面と任意の化学結合を形成しうる官能基を表し、Rは樹脂マトリックスとの相溶性または反応性を有する炭素数1〜30の1価の基またはポリマーを表す。化学結合とは、例えば共有結合、イオン結合、配位結合、水素結合等である
かかる無機微粒子への分散剤の配位方法および共有結合による修飾方法とこれに使用する有機物の分子構造に制限はないが、微粒子に配位する上記Aの具体例としてはチオールやスルホン酸類等の硫黄含有有機化合物、ホスフィンやホスフィンオキシド、ホスホン酸、リン酸エステル等を有するリン含有有機配位子、アルキルアミンや芳香族アミン等を有する窒素含有配位子、カルボン酸類を有する配位子が有効である。これら例示のうち、好ましく用いられるのはリン含有有機配位子であり、例えば、日本化薬製のKAYAMER PM−21、リン酸ジベンジル、リン酸ジフェニルなどが好適である。
また、共有結合で修飾する上記Aの具体例としては、シリカ、アルミナ、チタニア等の酸化物の表面処理に従来使用されているシランカップリング剤やチタネート系カップリング剤やアルミニウム系カップリング剤等の活性官能基である金属アルコキシド基が有効である。この中でもシランカップリング剤が好ましく、特開平5−221640号、特開平9−100111号、特開2002−187921号各公報などに記載の方法を用いることができる。
一方、上記Rが上記樹脂マトリックスとの相溶性または反応性を有する基である場合、その化学構造は、該樹脂マトリックスの主体である樹脂の化学構造の一部または全部と同一または類似であることが好ましい。
これらの分散剤は、1種類を単独で用いてもよく、また複数種を併用してもよい。
[可塑剤]
樹脂のガラス転移温度が高い場合、成形が必ずしも容易ではないことがある。このため、成形温度を下げるために可塑剤を使用してもよい。本発明で使用する可塑剤に特に制限はなく、ジカルボン酸エステル誘導体(フタル酸ジオクチル、フタル酸ジフェニル、アジピン酸ジオクチルなど)、リン酸エステル誘導体(トリクレジルホスフェート、レオフォスRDP(味の素ファインテクノ製)、レオフォスBAPP(味の素ファインテクノ製)など)、アクリル系高分子可塑剤(ARUFON UP−1010(東亜合成製)など)など可塑剤として公知のものを使用できる。本発明で使用する可塑剤としては、一般式(VI)で表される構造を有するものが好ましい。
一般式(VI)
Figure 2008239921
一般式(VI)中、B1およびB2は炭素数6〜18のアルキル基またはアリールアルキル基、mは0または1、Xは
Figure 2008239921
のうちのいずれかであり、R1およびR2は水素原子または炭素数4以下のアルキル基を示す。
また、一般式(VI)で表される化合物において、B1,B2は炭素数6〜18の範囲内において任意のアルキル基またはアリールアルキル基を選ぶことができる。炭素数が6未満では、分子量が低すぎてポリマーの溶融温度で沸騰し、気泡を生じたりする場合がある。また、炭素数が18を超えると、ポリマーとの相溶性が悪くなるので添加効果が不十分である。
1,B2の基としては、具体的には、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基等の直鎖アルキル基や、2−ヘキシルデシル基、メチル分岐オクタデシル基等の分岐アルキル基、またはベンジル基、2−フェニルエチル基等のアリールアルキル基が挙げられる。本発明に用いる一般式(VI)で示される化合物の具体例としては、次に示すものが挙げられ、中でも、W−1(花王株式会社製の商品名〔KP−L155〕)が好ましい。
Figure 2008239921
これらの可塑剤は、1種類を単独で用いてもよく、また複数種を併用してもよい。
[有機無機複合組成物]
本発明の有機無機複合組成物の作成方法は特に限定されるものではない。具体的には、樹脂と無機微粒子をそれぞれ独立に合成して両者を混合させる方法、予め合成した無機微粒子の存在下で樹脂を合成する方法、予め合成した樹脂の存在下で無機微粒子を合成する方法、樹脂と無機微粒子の両者を同時に合成する方法等を挙げることができ、これらのいずれの方法で作成してもよい。
例えば、樹脂中に無機微粒子をそれぞれ独立に合成して両者を混合させる方法を採用する場合は、無機微粒子と樹脂溶液を攪拌混合してもよいし、無機微粒子の分散液と樹脂溶液を攪拌混合してもよい。ここのとき、無機微粒子またはその分散液を一気に樹脂溶液と混合してもよいし、徐々に樹脂溶液に滴下してもよい。また、攪拌混合に際しては、可塑剤や分散剤を存在させておいてもよい。このような可塑剤や分散剤は、予め樹脂溶液や無機微粒子分散液に添加しておいてもよいし、樹脂溶液と無機微粒子の混合物に添加してもよい。
本発明の有機無機複合組成物は、波長589nmにおける光線透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。波長589nmにおける光線透過率が80%以上であればより好ましい性質を有するレンズ等の光学部品を得やすい。なお本発明における光線透過率は、樹脂を成形して厚さ1.0mmの基板を作成し、紫外可視吸収スペクトル測定用装置UV−3100(島津製作所)で測定した値である。
本発明の有機無機複合組成物は、ガラス転移温度が100℃〜400℃であることが好ましく、130℃〜380℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が100℃以上であれば十分な耐熱性が得られやすく、ガラス転移温度が400℃以下であれば成形加工を行いやすくなる傾向がある。
本発明の有機無機複合組成物は、高屈折性、低分散性(高いアッベ数)、光線透過性、低複屈折性、軽量性を併せ持ち、光学特性に優れた材料組成物である。また、本発明の有機無機複合組成物の屈折率は任意に調節することが可能である。
[光学部品]
本発明の光学部品は、上記の本発明の有機無機複合組成物を含むものである。本発明の光学部品の種類は、特に制限されない。特に、本発明の有機無機複合組成物の優れた光学特性を利用した光学部品、特に光を透過する光学部品(いわゆるパッシブ光学部品)に好適に利用される。かかる光学部品を備えた機能装置としては、各種ディスプレイ装置(液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等)、各種プロジェクタ装置(OHP、液晶プロジェクタ等)、光ファイバー通信装置(光導波路、光増幅器等)、カメラやビデオ等の撮影装置等が例示される。
かかる光学機能装置における上記パッシブ光学部品としては、レンズ、プリズム、パネル(板状成形体)、フィルム、光導波路(フィルム状やファイバー状等)、光ディスク等が例示される。これら例示の光学部品のうち、本発明の光学部品はレンズとして特に好ましく用いることができる。かかるパッシブ光学部品には、必要に応じて任意の被覆層、例えば摩擦や摩耗による塗布面の機械的損傷を防止する保護層、無機粒子や基材等の劣化原因となる望ましくない波長の光線を吸収する光線吸収層、水分や酸素ガス等の反応性低分子の透過を抑制あるいは防止する透過遮蔽層、防眩層、反射防止層、低屈折率層等や、任意の付加機能層を設けて多層構造としてもよい。かかる任意の被覆層の具体例としては、無機酸化物コーティング層からなる透明導電膜やガスバリア膜、有機物コーティング層からなるガスバリア膜やハードコート等が挙げられ、そのコーティング法としては真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、ディップコート法、スピンコート法等公知のコーティング法を用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[材料の合成]
(1)酸化チタン微粒子の塩化メチレン分散液の合成
0.1モル/Lの硫酸チタニル水溶液を攪拌しながら、同容量の1.5モル/Lの炭酸ナトリウム水溶液を室温で10分かけて滴下した。こうして得た白色の超微粒子の懸濁液を、3500rpmで遠心分離し、上澄み液のデカンテーションによる除去および水洗の工程を繰り返すことにより精製した。こうして得た白色沈殿を0.3モル/Lの希塩酸中に攪拌分散しながら50℃で約1時間加熱して、透明感のある酸性ヒドロゾルを得た。この酸性ヒドロゾルを氷冷し、リン酸ジフェニルの塩化メチレン溶液を加え8時間攪拌した。塩化メチレン溶液を抽出、水洗し、酸化チタン微粒子塩化メチレン溶液を得た。この溶液の一部濃縮し、残渣のXRDとTEMより、アナタース型酸化チタン微粒子(数平均粒子サイズは約5nm)の生成を確認した。TEMによる観察は、透過型電子顕微鏡(日立製作所(株)社製、H−9000UHR)により加速電圧200kV、観察時の真空度約7.6×10-9Paにて行った(以下同じ)。
(2)酸化ジルコニウム微粒子の合成
50g/Lの濃度のオキシ塩化ジルコニウム溶液を48%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、水和ジルコニウム懸濁液を得た。この懸濁液をろ過した後、イオン交換水で洗浄し、水和ジルコニウムケーキを得た。このケーキを、イオン交換水で溶媒として酸化ジルコニウム換算で濃度15重量%に調整して、オートクレーブに入れ、圧力150気圧、150℃で24時間水熱処理して酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を得た。TEMより数平均粒子サイズが5nmの酸化ジルコニウム微粒子の生成を確認した。
(3)酸化ジルコニウム微粒子塩化メチレン分散液の合成
上記(1)で合成した酸化ジルコニウム水分散液とリン酸ジベンジル(東京化成製)を溶解させた塩化メチレン溶液を混合後、室温で8時間攪拌した後、塩化メチレン溶液を抽出、水洗し、酸化ジルコニウム微粒子塩化メチレン分散液を作製した。
(4)例示化合物P−5の合成
1mol/Lの水酸化カリウム水溶液100mlにビスフェノールAを11.42g(50mmol)、塩化ベンジルトリフェニルホスホニウムを0.4g(1mmol)加えた。この溶液を0℃に冷却し、激しく攪拌しながら、塩化メチレン20mlにフェニルホスホン酸ジクロリド9.74g(50mmol)を溶かした溶液を20分間で滴下した。滴下ロート内に残ったフェニルホスホン酸ジクロリドを塩化メチレン5mlで洗浄し加えた。重合温度を0℃±3℃に保ち、2時間攪拌する。水相を傾斜により除き、有機相を数回水洗した。有機相を塩化メチレン200mlで希釈し、攪拌しながらメタノール中に注いだ。ポリマーを濾別した後、80℃で減圧乾燥した。ポリマーの収量は16.2g(収率92%)、数平均分子量は21,300、重量平均分子量は40,100であった。
(5)例示化合物P−6の合成
ビスフェノールAの変わりに、フルオレンビスフェノール17.52g(50mmol)用いる以外は例示化合物P−5と同様の方法で、例示化合物P−6を得た。収量は21.3g(収率90%)、数平均分子量は25,200、重量平均分子量は53,300であった。
(6)例示化合物P−19の合成
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン22.73g(50mmol)、塩化メチレン150ml、トリエチルアミン11.1g(110mmol)を混合し、この溶液を0℃に冷却した後、激しく攪拌しながら、塩化メチレン25mlに溶かしたフェニルリン酸ジクロリド12.5g(50mmol)を1時間掛けて滴下した。滴下終了後、室温に戻し、さらに4時間還流した。ポリマー溶液を1%希塩酸で洗浄後、水相が中性になるまで水で洗浄した。有機相をメタノール中の注ぎ、ポリマーを濾別した後、80℃で減圧乾燥した。ポリマーの収量は25.4g(収率88%)、数平均分子量は28,600、重量平均分子量は62,900であった。
(7)例示化合物P−22の合成
フルオレンビスフェノール7.0g(20mmol)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン16.1g(60mmol)、フェニルリン酸ジクロリド11.7g(60mmol)、トリホスゲン1.99g(6.7mmol)を用い、特開2004-269844号公報の実施例1に記載の方法に準じて合成した。ポリマーの収量は27.8g(収率90%)、数平均分子量は70,200、重量平均分子量は127,000であった。
[加熱成形による光学部品の製造]
実施例1〜7と比較例1〜6の各レンズを以下の手順で製造した。以下の手順において使用した樹脂の種類と無機微粒子の種類と使用量は表1に示す通りとした。但し、比較例1〜4では無機微粒子を添加せず樹脂のみを成形した。
塩化メチレンに分散させた酸化チタン微粒子、もしくは酸化ジルコニウム微粒子を、樹脂の塩化メチレン溶液に5分かけて滴下し、これを1時間攪拌した後、溶媒を除去した。得られた材料組成物を200℃で加熱圧縮成形し、厚さ1mmのレンズ用成形体を作成した。
成形体を切削し、断面をTEMで観察して、無機微粒子が樹脂中に均一に分散しているか否かを確認した。また、厚さ1mmのレンズ用成形体の光線透過率を、紫外可視吸収スペクトル測定用装置(島津製作所製、UV−3100)で測定した。さらに、屈折率をアッベ屈折計(アタゴ社製DR−M4)を用いて波長589nmの光について測定した。これらの結果は以下の表1に記載した。
その後、レンズ用成形体をレンズの形状に成形して、光学部品であるレンズを得た。
Figure 2008239921
表1から明らかなように、本発明により屈折率が1.70より大きくて透明性が良好な光学部品が得られた(実施例1〜7)。無機微粒子を使用せずに樹脂だけを用いた場合は、屈折率が低かった(比較例1〜4)。また、無機微粒子をポリカーボネート中に添加した場合は、無機微粒子を均一に分散することができずに白濁してしまい、透明なレンズが得られなかった(比較例5、6)。
本発明の有機無機複合組成物は、高屈折性、透明性、軽量性を併せ持ち、光学部品などの材料組成物として極めて有用である。本発明によれば、屈折率を任意に調節した光学部品を比較的容易に提供することができる。また、機械的強度や耐熱性が良好な光学部品も提供しやすい。このため、本発明は、高屈折レンズ等の広範な光学部品の提供に有用であり、産業上の利用可能性が高い。

Claims (9)

  1. 繰返し単位の主鎖中に下記一般式(I)で表される構造単位を有する繰返し単位を含む樹脂と、無機粒子を含むことを特徴とする有機無機複合組成物。
    一般式(I)
    Figure 2008239921
    [一般式(I)中、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、またはヒドロキシ基を表す。Aは酸素原子、硫黄原子、もしくはセレン原子を表す。]
  2. 前記繰返し単位が下記一般式(II)で表されることを特徴とする請求項1に記載の有機無機複合組成物。
    一般式(II)
    Figure 2008239921
    [一般式(II)中、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、またはヒドロキシ基を表す。A1、A2、およびA3はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、もしくはセレン原子を表す。L1、L2は置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、またはこれらを組み合わせた連結基を表す。Xは炭素数2以上の連結基を表す。m、nはそれぞれ独立に0もしくは1を表す。]
  3. 前記無機粒子の数平均粒子サイズが1〜15nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機無機複合組成物。
  4. 前記無機粒子の屈折率が1.9以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
  5. 前記無機粒子が、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、またはこれら両方を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
  6. 波長589nmにおける厚さ1mm換算の光線透過率が70%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物を含んで構成される光学部品。
  8. 光学部品がレンズであることを特徴とする請求項7に記載の光学部品。
  9. 厚さが500μm以上であることを特徴とする請求項8に記載の光学部品。
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