JP2008297947A - コモンレール端末のシール構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 軸心内部に高圧燃料を蓄圧するための流通路を有する厚肉管からなる本管レールの少なくとも一端部に、シール部材が接続され、前記高圧燃料が高圧ポンプを介して供給されると共に、噴射ノズルに分岐供給するコモンレールにおいて、前記本管レールの少なくとも一端部の外周面に、外周の一端部に係合壁が設けられた略円筒形状の保持用スリーブが螺合し、さらに該保持用スリーブに、外周の一端部に係合壁が設けられたナット状若しくはボルト状の押圧部材が螺合し、該押圧部材と前記本管レールの端末に形成されたシート面間に介在させたシール部材が、前記押圧部材の前記保持用スリーブとの螺合に伴う軸力によって前記シート面に押圧されて締結された構成となしたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、上記特許文献1および2に開示されたシール構造においては、本管レール端末の内周部に形成したシート面にシール部材を当接し、端末の螺子部に螺合した押圧部材の締め付けによって軸力を与えるか、カシメによって係圧してシールする構造であるため、本管レールに対して相当程度の締め付けトルクや衝撃を与えることとなる。ところが上記従来の本管レールにおいては、内径が10mm程度であってもその外径が20mm以上に設定されていて、肉厚鋼管としての強度が十分に確保されているが、軽量化に対する斯界の要望が一層の高まりを見せる現状においては、本管レールの外径を16mm以下の小径に設定する必要に迫られ、かかる本管レールにおいてはその内径とシール面を共に確保すると共に、本管レール端末には雄螺子もしくは雌螺子を形成することが必須の要件となり、管体そのものの内外径比に従来の数値0.3程度を確保するように受圧面積を設定すれば、シール部材に対する軸力が小さくなり、端末の螺子部に対する負荷が可及的に減少するが、締結方法に若干の不適切な部分があった場合においても、本管レールに対する捩れや取付け不良を来たし、その外表面にかじりなどの傷が生じ、それに由来して応力集中を招いて折損や破損に至ることが懸念されるなど、早急に解決を迫られる未解決な課題が残されていた。
また、本発明によるコモンレール端末のシール構造は、単にシール栓を取着するに止まらず、本管レールの端末に、前記シール部材に代えてフィードパイプや燃料噴射管等の分岐管を接続することによって流路としても活用することが可能である。一方、本発明によるコモンレール端末のシール構造は、用いられる前記保持用スリーブおよび押圧部材の形状が、肉厚鋼管からなる本管レールの外径に対してやや大径の略円筒形状であり、鍛造、引抜き、プレス成形等に加えて機械的切削加工など、量産が容易な生産性の高い加工方法を任意に選択できるところから、その製造コストが大幅に削減できると同時に、それらの各部材が極めてコンパクトでかつ軽量であり、省スペース、省資源の見地においても大きく寄与し、振動や衝撃など過酷な条件に対しても十分に耐えることができ、その耐久性の面においても高度な信頼性を有するコモンレール端末のシール構造を、極めて安価に市場に提供することができる。
図1は本発明に係る第1実施例によるコモンレール端末のシール構造を示す要部縦断側面図、図2は同実施例において組込まれる保持用スリーブ単体の2面図で、(a)はその縦断側面図、(b)はその正面図、図3は同実施例において組込まれる押圧部材単体の2面図で、(a)はその縦断側面図、(b)はその背面図、図4は本発明に係る第2実施例のコモンレール端末のシール構造を示す要部縦断側面図、図5は同実施例において組込まれる保持用スリーブ単体の2面図で、(a)はその縦断側面図、(b)はその背面図、図6は同実施例において組込まれる押圧部材単体の2面図で、(a)はその縦断側面図、(b)はその背面図、(c)は同実施例に用いられる他の押圧部材単体を示す背面図、図7は本発明に係る第4実施例によるコモンレール端末のシール構造を示す要部縦断側面図、図8は本発明に係る第5実施例によるコモンレール端末の接続構造を示す縦断側面図である。
この螺合による締結に際し、保持用スリーブ2に形成された前記係合壁2−4と、押圧部材3の外周の一端部に形成された前記係合壁3−4とに、それぞれスパナ等の着脱用工具を係合し、保持用スリーブ2の係合壁2−4に係合した工具を固定し、押圧部材3の係合壁3−4に係合した工具を回動させて締め付けることにより、本管レール1に対して捩り力を加えることなく、押圧部材3による軸力によって前記シール球4が、本管レール端末の前記シート面1−3と、袋ナット形状の前記押圧部材内側の押圧壁3−2とに強固に係圧され、コモンレール端末におけるシール構造が、健全な状態で保持される。すなわち、本管レール1に対して捩り力を加えることなく端末部のシールが可能となることによって、本管レール1および本管レール1と一体または別体の構成部材(図示せず)に変形力が伝播されることがなく、締付けによる各部の寸法精度の変化、燃料噴射管やブラケットの変形を無くし、それによってもたらされる構成部材への応力の残留や外表面の損傷、取付け不具合やエンジン運転中の折損や破損等を未然に防止し得ると同時に、振動や衝撃など過酷な条件に対しても十分に耐えることができる。
なお、本実施例において用いられる前記保持用スリーブ2および押圧部材3は、本実施例によっても明らかなように、その形状が本管レール1の外径に対してやや大径の円筒状形状であり、鍛造、引抜き、プレス成形等に加えて機械的切削加工など、量産が容易な生産性の高い加工方法を任意に選択できるところから、その製造コストが大幅に削減できると同時に、それらの各部材が極めてコンパクトでかつ軽量であり、省スペース、省資源の見地においても優れた効果が期待できる。
一方、本実施例による押圧部材3aは、図4、図6(a)および(b)に示すように後方の外周壁の一端部に6角形状の係合壁3a−4が形成され、該係合壁3a−4に連なる前方に雄螺子3a−1が形成されたボルト状あるいは棒状の部材であって、その先端部には垂直の係合壁3a−2が形成されている。本実施例におけるコモンレール端末のシール構造は、本管レール1の流通路1−1先端のシート面に、実施例1で用いたものと実質的に同一のシール球4を当接しながら、予め本管レール1の端末に組込んだ前記保持用スリーブ2aの前方の雌螺子2a−5に、押圧部材3aを螺合してその先端に形成した押圧壁3a−2を、保持用スリーブ2aを固定した状態で押圧部材3aを回動させて本管レール1に捩り力を加えることなく前記シール球4に当接してその軸力によって締結し、図4に示すような本実施例によるコモンレール端末のシール構造を得ることができる。得られた本実施例によるコモンレール端末のシール構造は、実施例1と同様、本管レール1に対して捩り力を加えることなく端末部のシールが可能となることによって、本管レール1および本管レール1と一体または別体の構成部材(図示せず)に変形力が伝播されることがなく、締付けによる各部の寸法精度の変化、燃料噴射管やブラケットの変形を無くし、それによってもたらされる構成部材への応力の残留や外表面の損傷、取付け不具合やエンジン運転中の折損や破損等を未然に防止し得ると同時に、振動や衝撃など過酷な条件に対しても十分に耐えることができる。したがって、本実施例においても、その生産性並びにシール構造体としての信頼性において実施例1と同様の優れた効果が期待できる。
すなわち、本実施例の具体的構成は、押圧部材3aや3bに代えて継手部材6を、シール球4に代えて接続部材5をそれぞれ用いて構成したもので、本管レール1の端末に組込まれた保持用スリーブ2aの雌螺子2a−5に、継手部材6の前方円筒部6−2に形成された雄螺子6−3を螺合して一体として組込むと共に、該前方円筒部6−2の内周面に形成された大径室6−4に、軸心に流路5−1が穿設され、その前後の両端面に円錐形の押圧座面5−2が設けられた接続部材5を嵌挿し、前方の押圧座面5−2を本管レール1先端のシート面1−3に、後方の押圧座面を5−2を継手部材6の小径室6−5の端面に設けられたシート面6−10にそれぞれ当接して、前記保持用スリーブ2aを固定した状態で継手部材6を回動させて本管レール1に捩り力を加えることなくその軸力によって締結されることにより、本管レールの流通路1−1から接続部材の流路5−1を経て継手部材6に至るルートが、高い機密性を維持した状態で強固に締結されたコモンレール端末の接続構造を得ることができる。なお、本実施例の継手部材6には同図に示すように、フランジ部6−1に隔てられる後方円筒部6−6に、さらにその下流側に接続される分岐枝管(図示を省略)用の雄螺子6−7が設けられ、その内周面には前記接続部材5の流路5−1に連なる小径室6−5と、該小径室6−5の下流側には外側に円錐形に開口する受圧座面6−8が設けられ、図示を省略する前記分岐枝管との接続に備えている。
この図8に示すコモンレール端末の接続構造の場合も、その生産性並びに接続構造体としての信頼性において、上記各実施例によるシール構造と同様の優れた効果が期待できる。
このように、本発明のコモンレール端末のシール構造は、本管レールそれ自体に対して捩り力を加えることなく、強固な組付けが完了するために、本管レールに対する捩れや締付けトルクを生ずることがなく、締付けによる寸法精度の変化や取付け不良を招いてその外表面にかじりなどの傷が生じ、それに由来して応力集中を招いて折損や破損に至るという懸念は未然に解消される。また、本発明によるコモンレール端末のシール構造は、単にシール栓を取着するに止まらず、本管レールの端末に、前記シール部材に代えて分岐管を接続することによって流路としても活用することが可能である。
一方、本発明によるコモンレール端末のシール構造は、用いられる前記保持用スリーブおよび押圧部材の形状が、肉厚鋼管からなる本管レールの外径に対してやや大径の略円筒形状であり、鍛造、引抜き、プレス成形等に加えて機械的切削加工など、量産が容易な生産性の高い加工方法を任意に選択できるところから、その製造コストを大幅に削減することができる。加えてそれらの各部材が極めてコンパクトでかつ軽量であり、省スペース、省資源の見地においても大きく寄与し、振動や衝撃など過酷な条件に対しても十分に耐えることができ、その耐久性の面においても高度な信頼性を有するコモンレール端末のシール構造を、極めて安価に市場に提供することができるところから、当該産業分野において幅広く採用されることが期待される。
1−1 流通路
1−2 雄螺子 凸部
1−3、6−10 シート面
1−4 受圧座面
2、2a 保持用スリーブ
2−1、2a−1 雌螺子
2−2、2a−2 段部
2−3、2a−3 円筒部
2−4、2a−4 係合壁
2−5 雄螺子
2a−5 雌螺子
3、3a、3b 押圧部材
3−1 雌螺子
3a−1 雄螺子
3−2、3a−2 押圧壁
3−3 外周部
3a−3、3b−3 後壁部
3−4、3a−4、3b−4、6−9 係合壁
4 シール球
4a シール駒
5 接続部材
5−1 流路
5−2 押圧座面
6 継手部材
6−1 フランジ部
6−2 前方円筒部
6−3 雄螺子
6−4 大径室
6−5 小径室
6−6 後方円筒部
6−7 雄螺子
6−8 受圧座面
Claims (8)
- 軸心内部に高圧燃料を蓄圧するための流通路を有する厚肉管からなる本管レールの少なくとも一端部に、シール部材が接続され、前記高圧燃料が高圧ポンプを介して供給されると共に、噴射ノズルに分岐供給するコモンレールにおいて、前記本管レールの少なくとも一端部の外周面に、外周の一端部に係合壁が設けられた略円筒形状の保持用スリーブが螺合し、さらに該保持用スリーブに、外周の一端部に係合壁が設けられたナット状若しくはボルト状の押圧部材が螺合し、該押圧部材と前記本管レールの端末に形成されたシート面間に介在させたシール部材が、前記押圧部材の前記保持用スリーブとの螺合に伴う軸力によって前記シート面に押圧されて締結された構成となしたことを特徴とするコモンレール端末のシール構造。
- 前記保持用スリーブ並びに押圧部材の外周の一端部に設けられる係合壁が、着脱用工具に係合可能な平行な2面を一対もしくは複数対有することを特徴とする請求項1に記載のコモンレール端末のシール構造。
- 前記保持用スリーブの外周の一端部に、雄螺子が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載のコモンレール端末のシール構造。
- 前記保持用スリーブの内周の一端部に、雌螺子が設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコモンレール端末のシール構造。
- 前記押圧部材が、その内側に押圧壁面を有する袋ナット状、もしくはその先端に押圧壁面を有する棒状あるいはボルト状に形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコモンレール端末のシール構造。
- 前記押圧壁面が平坦面、円錐面、回転湾曲面のいずれかの形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコモンレール端末のシール構造。
- 前記シール部材が球状、あるいは垂直の背面と略球形もしくは略円錐形の先端面を有する駒部材の、いずれかであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のコモンレール端末のシール構造。
- 前記シール部材に代え、分岐接続体が接続されることを特徴とする請求項1または2に記載のコモンレール端末のシール構造。
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