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JP2008272915A - ツルーイング砥石、ツルーイング装置および溝加工装置 - Google Patents

ツルーイング砥石、ツルーイング装置および溝加工装置 Download PDF

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JP2008272915A
JP2008272915A JP2007122743A JP2007122743A JP2008272915A JP 2008272915 A JP2008272915 A JP 2008272915A JP 2007122743 A JP2007122743 A JP 2007122743A JP 2007122743 A JP2007122743 A JP 2007122743A JP 2008272915 A JP2008272915 A JP 2008272915A
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Abstract

【課題】研削砥石における研削部の両面を同時に且つ高精度にツルーイング処理することができるツルーイング砥石を提供する。
【解決手段】切刃となる山形研削部31aが断面山形に形成された円盤状の研削砥石31に対し、回転接触してツルーイングを行うツルーイング砥石41であって、中心部に軸着部を有しドラム形状に形成した砥石本体74と、砥石本体74の外周面から傾斜周面に倣う角度で且つ放射状に延びる修正研削面75aを有する複数の修正研削部75と、をそれぞれが備えた一対の片面修正砥石71,71を、各修正研削面75a同士が軸方向に交差するように抱き合わせて構成した。
【選択図】図3

Description

本発明は、切刃となる研削部が断面山形に形成された研削砥石に対し、ツルーイングを行うツルーイング砥石、ツルーイング装置および溝加工装置に関するものである。
従来、この種のツルーイング砥石として、円筒状に形成されたものが知られている(特許文献1参照)。このツルーイング砥石を用いたツルーイングでは、ツルーイング砥石を固定とし、回転するツルーイング砥石に回転する研削砥石を接触させてツルーイング処理を行っている。すなわち、研削砥石の切刃となる断面山形の研削部を、ツルーイング砥石に片面ずつ接触させてツルーイングすることで、研削砥石のツルーイング処理を行う。
特開2001−246561号公報
ところで、このようなツルーイング砥石では、研削部を片面ずつツルーイングする必要があるため、作業効率が低くなってしまう。これに対する解決策として、一対の板状のツルーイング砥石を用い、これを研削部の両面にそれぞれ摺接させて、両面のツルーイングを同時に行うことが考えられる。また、別の解決策として、V字状の環状溝が形成されたツルーイング砥石により、研削部の両面を同時に処理することが考えられる。
しかしながら、一対のツルーイング砥石により両面をツルーイングするものでは、ツルーイング砥石同士が軸方向で干渉してしまうことが想定される。また、V字状の環状溝を有したツルーイング砥石によりツルーイング処理を行うものでは、ダイヤモンドチップの大きさに起因して、研削部の頂部を鋭利かつ精度良く形成することは不可能であることが想定される。
本発明は、研削砥石における研削部の両面を同時に且つ高精度にツルーイング処理することができるツルーイング砥石、ツルーイング装置および溝加工装置を提供することを課題としている。
本発明のツルーイング砥石は、切刃となる研削部が断面山形に形成された円盤状の研削砥石に対し、回転接触してツルーイングを行うツルーイング砥石であって、中心部に軸着部を有しドラム形状に形成した砥石本体と、砥石本体の外周面から研削部の傾斜周面に倣う角度で且つ放射状に延びる修正研削面を有する複数の修正研削部と、をそれぞれが備えた一対の片面修正砥石を、各修正研削面同士が軸方向に交差するように抱き合わせて構成したことを特徴とする。
上記のツルーイング砥石において、各片面修正砥石は、自身の側から見て裏側となる傾斜周面を研削することを特徴とする。
上記のツルーイング砥石において、各片面修正砥石は、自身の側から見て表側となる傾斜周面を研削することを特徴とする。
これらの構成によれば、傾斜周面に倣う角度で且つ放射状に延びた複数の修正研削部を備えた一対の片面修正砥石により、研削砥石における研削部の両面を同時にツルーイング処理することができ、ツルーイング処理を効率良く行うことができる。また、一対の片面修正砥石を、各修正研削面同士が軸方向に交差するように抱き合わせて構成しているため、一体性のあるツルーイング砥石となり、断面山形の研削部を鋭利にツルーイングすることができる。そのため、精度の高いツルーイング処理を行うことができる。しかも、ツルーイングにより生ずる遊離研粉を修正研削部の間隙から逃がすことができるため、目詰まりを抑制することができる。
これらの場合、各砥石本体の抱合せ側の端部は、各修正研削部の部分を軸方向に凸とする王冠状に形成され、一対の片面修正砥石は、砥石本体同士を噛み合わせて構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、各砥石本体の端部における各修正研削部の部分が、凸状に形成されているため、各修正研削部と砥石本体の接合部分を大きくとることができ、剛性の高い片面修正砥石を構成することができる。また、王冠状に形成した砥石本体同士を噛み合わせて構成されているため、一対の片面修正砥石の一体性を向上させることができる。
本発明のツルーイング装置は、上記のツルーイング砥石と、一対の片面修正砥石を軸方向にスライド自在に軸着した砥石軸と、砥石軸を回転させる砥石回転機構と、一対の片面修正砥石を離接方向に同時に微小移動させる研削深さ調整機構と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、研削部の両面を同時にツルーイングできると共に精度の高いツルーイングを行うことができるツルーイング砥石を使用することにより、ツルーイング機構として、研削砥石に対し、効率良く且つ精度の高いツルーイング処理を行うことができる。なお、このツルーイング機構では、研削深さ調整機構により、一対の片面修正砥石を離接方向に同時に微小移動させることにより、研削深さの調整を行う。すなわち、一対の片面修正砥石を離接方向に同時に微小移動させると、交差した修正研削部の交差箇所が、ツルーイング砥石の径方向に移動する。この交差箇所が研削砥石に対するツルーイング箇所となるため、ツルーイング箇所が研削砥石方向で移動し、研削深さを調整することができる。
本発明のツルーイング装置は、上記のツルーイング砥石と、ツルーイング砥石を軸着した砥石軸と、砥石軸を回転させる砥石回転機構と、ツルーイング砥石と研削砥石とを相対的に切込み方向に微小移動させる研削深さ調整機構と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、研削部の両面を同時にツルーリングできると共に、精度の高いツルーイングを行うことができるツルーイング砥石を使用することにより、ツルーイング機構として、研削砥石に対し、効率良く且つ精度の高いツルーイング処理を行うことができる。また、ツルーイング砥石(修正研削部)を研削部に均一に接触させることができる。
本発明の溝加工装置は、上記のツルーイング装置と、ワークの表面に溝加工を行う前記研削砥石と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、効率良く且つ精度の高いツルーイング処理を行うことのできるツルーイング装置を使用することにより、精度の高い溝加工処理を行うことができると共に、作業効率を向上させることができる。
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係るツルーイング砥石を適用した溝加工装置について説明する。溝加工装置は、ワイヤーソーを巻き掛けるセラミックローラ等の円筒状の加工対象ローラR(ワーク)の外周面に対し、断面V字状の溝を周設するものである。
図1に示すように、溝加工装置1は、機台となるベッド部2と、ベッド部2の上面前方において左右に延在する加工テーブル3と、加工テーブル3とベッド部2の間に介設され、加工テーブル3をX軸方向に移動させるX軸テーブル4と、加工テーブル3に搭載されると共に加工対象ローラRを装着した対象物回転機構8と、ベッド部2の上面後方に立設したコラム5と、を備えている。また、コラム5には、コラム5から前方に突出するように設けられ、加工対象ローラRに溝加工を行う研削ユニット6と、コラム5から前方に突出するよう且つ研削ユニット6の上方に設けられたツルーイングユニット(ツルーイング装置)10と、コラム5の前面に設けられ、研削ユニット6およびツルーイングユニット10を搭載してZ軸方向に移動するZ軸テーブル7と、が配設されている。研削ユニット6に設けられた研削砥石31により加工対象ローラRを溝加工しつつ、ツルーイングユニット10に設けられたツルーイング砥石41により研削砥石31をツルーイングすることで溝加工処理を行う。なお、これら構成装置は、制御装置12によりNC制御されている。
Z軸テーブル7は、コラム5の前面に突設され、互いに平行な一対のZ軸ガイドレール21,21と、研削ユニット6およびツルーイングユニット10を支持すると共に、Z軸ガイドレール21,21に案内されてZ軸方向に移動自在に構成されたモータ駆動のZ軸スライダ22と、を備えている。Z軸テーブル7は、制御装置12の制御に基づいて、研削ユニット6を加工対象ローラRの近傍まで高速で昇降させ、加工対象ローラRの近傍からは低速で下降させて、切込み深さを微調整できる構成となっている。
研削ユニット6は、Z軸テーブル7に支持された研削砥石回転機構32と、研削砥石回転機構32の先端部に装着した研削砥石31と、から構成されている。研削砥石回転機構32は、ケーシング33の内部に砥石モータおよび減速機を組み込んで構成され(いずれも図示省略)、減速機から延びる砥石回転軸34の先端部に研削砥石31が着脱自在に取り付けられている。
研削砥石31は、ダイヤモンド砥粒をメタルボンドやレジンボンド等の結合剤で固めたダイヤモンド砥石で構成されており、円盤状に成形されている。研削砥石31の外周縁に位置には、断面山形の山形研削部(研削部)31aが形成されており(図3参照)、加工対象ローラRの表面にV型溝を形成することが可能である。
X軸テーブル4は、ベッド部2に設けられた一対のX軸ガイドレールと、一対のX軸ガイドレール上をX軸方向に移動するモータ駆動のX軸スライダ45と、から構成されている。X軸テーブル4は、主として、加工対象ローラRに形成される複数のV型溝が等ピッチで形成されるよう、加工テーブル3を介して加工対象ローラRをX軸方向に移動させるものである。すなわち、加工対象ローラRへの溝加工は、上記のZ軸テーブル7による研削砥石31の昇降と、X軸テーブル42による加工対象ローラRの溝ピッチ分の後退と、を繰り返すことにより行われる。
対象物回転機構8は、加工テーブル3上の中央に搭載され、ギアードモータ81と、ギアードモータ81から延出し、加工対象ローラRを片持ちまたは両持ちで回転支持する装着軸(図示省略)とから構成されている。装着軸には、例えば、エアーチャックが設けられており、円筒状の加工対象ローラRを内側から強固にチャッキングできるようになっている。また、対象物回転機構8は、制御装置12によりNC制御されており、加工対象ローラRをその材質を考慮し、研削砥石31と異なる周速(研削砥石31より遅い)で回転させる。なお、対象物回転機構8は、ギアードモータ81以外でも加工対象ローラRを回転しながら研削砥石31に臨ませる構成であればよい。
図2に示すように、ツルーイングユニット10は、研削砥石31に上方から接触するツルーイング砥石41と、先端部にツルーイング砥石41が軸着された修正砥石回転軸(砥石軸)61と、修正砥石回転軸61を支持する共に、修正砥石回転軸61を介してツルーイング砥石41を回転させる修正砥石回転機構(砥石回転機構)62と、修正砥石回転機構62を支持すると共に、ツルーイング砥石41を研削砥石31側にスライドする修正砥石スライド機構63と、を備えている。
修正砥石回転機構62は、ツルーイング砥石41を回転させるものである。ツルーイング砥石41の回転速度は、研削砥石31の回転速度より遅く、また、加工対象ローラRの回転速度より速くなるように設定されている。修正砥石スライド機構63は、ツルーイング砥石41を研削砥石31側にスライド移動し、ツルーイング砥石41を研削砥石31に臨ませるものである。修正砥石回転機構62および修正砥石スライド機構63は、駆動源となる単一のモータ64に接続されている。
図3および図4に示すように、ツルーイング砥石41は、修正砥石回転軸61に軸方向でスライド自在に軸着された一対の片面修正砥石71,71により構成されている。すなわち、一対の片面修正砥石71,71と修正砥石回転軸61とは、ボールスプライン等によりスプライン係合し、軸方向でスライド自在に且つ回転を伝達可能に構成されている。また、一対の片面修正砥石71,71には、これらを互いに離接させる修正砥石離接機構(研削深さ調整機構)72が内蔵されている。
一対の片面修正砥石71,71は、中心部に軸着部を有しドラム形状に形成した砥石本体74と、砥石本体74の外周面から、研削砥石31における山形研削部31aの傾斜周面に倣う角度で且つ放射状に延びる複数の修正研削部75と、を備えている。各修正研削部75は、砥石本体74の端部から他方の片面修正砥石71側に斜めに延びる角棒状に形成されている。各片面修正砥石71の修正研削部75は、自身の側から見て裏側となる傾斜周面を研削するよう、裏側となる傾斜周面に倣って形成されてため、同様に修正研削部75における修正研削面75aが裏側となる傾斜周面に倣って形成されている。また、ツルーイング砥石41は、この放射状に延びた修正研削部75同士が軸方向に交差するように抱き合わせて構成されている。ツルーイング砥石41は、この修正研削部75(修正研削面75a)の交差箇所を、研削砥石31の山形研削部31aに回転接触させて山形研削部31a両面のツルーイングを行う(図3(b)参照)。
このような構成により、傾斜周面に倣う角度で且つ放射状に延びた複数の修正研削部75を備えた一対の片面修正砥石71によって、研削砥石31における山形研削部31aの両面を同時にツルーイング処理することができ、ツルーイング処理を効率良く行うことができる。また、一対の片面修正砥石71,71を、各修正研削面75a,75a同士が軸方向に交差するように抱き合わせて構成しているため、一体性のあるツルーイング砥石41となり、山形研削部31aを鋭利にツルーイングすることができる。そのため、精度の高いツルーイング処理を行うことができる。しかも、ツルーイングにより生ずる遊離研粉を修正研削部75の間隙から逃がすことができるため、目詰まりを抑制することができる。
図3に示すように、修正砥石離接機構72は、修正砥石回転軸61に軸支された駆動モータ91と、駆動モータ91の主軸に軸着したピニオン92と、各片面修正砥石71,71の取り付けられると共に、ピニオン92に対し、ピニオン92を挟み込むように噛み合う一対のラック93,93と、を備えている。駆動モータ91を正転駆動すると、主軸に軸着したピニオン92を正転させて、一対のラック93,93を介して、一対の片面修正砥石71,71を互いに接近させる。また、駆動モータ91を逆転駆動すると、主軸に軸着したピニオン92を逆転させて、一対のラック93,93を介して、一対の片面修正砥石71,71を互いに離間させる。
修正砥石離接機構72により、一対の片面修正砥石71,71を離接方向に同期して微小移動させることにより、研削深さの調整を行う。すなわち、一対の片面修正砥石71,71を離接方向に同時に微小移動させると、交差した修正研削部75(修正研削面75a)の交差箇所が、ツルーイング砥石41の径方向に移動する。この交差箇所が研削砥石31に対するツルーイング箇所となるため、ツルーイング箇所が研削砥石31方向で移動し、研削深さを調整することができる。
なお、ツルーイングユニット10のほかにドレッシングユニットを設けてもよい。これにより溝加工処理の精度を向上させることができる。
さらに、上記構成の他に各片面修正砥石71,71の周縁部から加工液が染み出すような構成を加えても良い。例えば、各片面修正砥石71,71の内部に加工液の貯留空間を形成すると共に、修正砥石回転軸61の軸心に貯留空間に連なる内部流路を形成し、修正砥石回転軸61に巻回したスリップリングから加工液を供給するようにする。このようにすれば、片面修正砥石71,71が回転することで、遠心力により片面修正砥石71,71内の加工液が片面修正砥石71,71の周縁部から染み出し、遊離砥粉が接触部に滞留しやすくなる。
ここで、本装置による溝加工動作について説明する。なお、この動作は、制御装置12により、各動力系を駆動制御して行われる。まず、研削砥石31が加工対象ローラRから、各片面修正砥石71,71が研削砥石31から離間している状態で、各回転機構8,32,62により、加工対象ローラR、研削砥石31およびツルーイング砥石41を回転させる。
次に、Z軸テーブル7により、研削砥石31をZ方向に移動し、加工対象ローラRに接触させる。これにより、加工対象ローラRに研削砥石31の山形研削部31aが接触する。研削砥石31の砥粉が、加工対象ローラRの周面を摺接しながら削り取ることで所望の形状のV字溝が形成される。
この際、修正砥石スライド機構63により、回転状態のツルーイング砥石41を研削砥石31に接触させてツルーリング処理を行う。このツルーリング処理は、修正砥石離接機構72により、各片面修正砥石71,71を離接させてツルーリングにおける切込み深さを調整しつつ行われる。すなわち、研削砥石31の山形研削部31aは、下方の加工対象ローラRとの接触部にて溝加工を行うと共に、上方のツルーイング砥石41との接触部にてツルーイングが行われている。
次に、所望の形状のV字溝が形成されたら、研削ユニット6を上昇させて(この場合には、加工対象ローラRの周面から研削砥石31が僅かに離れる程度)研削砥石31を加工対象ローラRから離間させると共に、加工テーブル3を溝ピッチ分、X軸方向に移動させる。その後、再び研削ユニット6を加工対象ローラRに臨ませて同様の動作を行う。このように溝加工を繰り返し行うことで加工対象ローラRの表面に複数のV型溝が相互に等しい間隙を有して平行に加工される。
ここで、図5ないし図8を参照して、一対の片面修正砥石71の第1、第2変形例および修正砥石離接機構72の第1、第2変形例について説明する。図5に示すように、第1変形例の一対の片面修正砥石71は、中心部に軸着部を有しドラム形状に形成した砥石本体74と、砥石本体74の外周面から、研削砥石31における山形研削部31aの傾斜周面に倣う角度で且つ放射状に延びる修正研削面75aを有した略三角形形状の複数の修正研削部75と、を備えている。各片面修正砥石71の修正研削面75aは、自身の側から見て表側となる傾斜周面を研削するよう、表側となる傾斜周面に倣って形成されている。
図6に示すように、第2変形例の一対の片面修正砥石71は、中心部に軸着部を有しドラム形状に形成した砥石本体74と、砥石本体74の外周面から、研削砥石31における山形研削部31aの傾斜周面に倣う角度で且つ放射状に延びる修正研削面75aを有した略三角形形状の複数の修正研削部75と、を備えている。各片面修正砥石71の修正研削面75aは、自身の側から見て裏側となる傾斜周面を研削するよう、裏側となる傾斜周面に倣って形成されている。
さらに、砥石本体74は、各砥石本体74の抱合せ側の端部が、各修正研削部75の部分を軸方向に凸とする王冠状に形成されている。そのため、一対の片面修正砥石71,71は、砥石本体74同士を噛み合わせて構成されている。
このような構成により、各砥石本体74の端部における各修正研削部75の部分が、凸状に形成されているため、各修正研削部75と砥石本体74の接合部分を大きくとることができ、剛性の高い片面修正砥石71,71を構成することができる。また、王冠状に形成した砥石本体74同士を噛み合わせて構成されているため、一対の片面修正砥石71,71の一体性を向上させることができる。
図7に示すように、第1変形例の修正砥石離接機構72は、修正砥石回転軸61に軸支された駆動モータ91と、駆動モータ91の主軸に軸着すると共に、主軸の径方向に延在した一対のクランクピン94a付きの回転板94と、各片面修正砥石71,71の内面と、回転板94の両端部を接続し、クランクピン94aに連結された一対のリンク95と、を備えている(スライダクランク機構)。駆動モータ91を正転駆動すると、主軸に軸着した回転板94を正転し、一対のリンク95,95を介して、一対の片面修正砥石71,71が互いに接近する。また、駆動モータ91を逆転駆動すると、主軸に軸着した回転板94を逆転し、一対のリンク95,95を介して、一対の片面修正砥石71,71を互いに離間させる。
図8に示すように、第2変形例の修正砥石離接機構72は、修正砥石回転軸61に軸支された駆動モータ91と、駆動モータ91の主軸に軸着したウォームギヤ97と、中間部に、ウォームギヤ97に連動するウォームホイール98が螺設された離間回転軸99と、を備えている。離間回転軸99の両端部には、互いに逆ねじで形成された一対のねじ部100,100が螺設されており、また、各片面修正砥石71,71(砥石本体74)には、この一対のねじ部100,100にそれぞれ螺合するねじ孔101が形成されている(組みねじ機構)。これにより、離間回転軸99が回転すると、一対のねじ部100,100に螺合した各片面修正砥石71,71が、互いに離接する方向に移動する。すなわち、駆動モータ91を正転駆動すると、主軸に軸着したウォームギヤ97を正転し、ウォームホイール98を介して離間回転軸99を正転する。その結果、一対のねじ部100,100により一対の片面修正砥石71,71が互いに接近する。また、駆動モータ91を逆転駆動すると、主軸に軸着したウォームギヤ97を逆転し、ウォームホイール98を介して離間回転軸99を逆転する。その結果、一対のねじ部100,100により一対の片面修正砥石71,71が互いに離間する。
以上のような構成によれば、傾斜周面に倣う角度で且つ放射状に延びた複数の修正研削部75を備えた一対の片面修正砥石71,71により、研削砥石31における山形研削部31aの両面を同時にツルーイング処理することができ、ツルーイング処理を効率良く行うことができる。また、一対の片面修正砥石71,71を、各修正研削部75,75同士が軸方向に交差するように抱き合わせて構成しているため、一体性のあるツルーイング砥石41となり、山形研削部31aを鋭利にツルーイングすることができる。そのため、精度の高いツルーイング処理を行うことができる。しかも、ツルーイングにより生ずる遊離研粉を修正研削部75の間隙から逃がすことができるため、目詰まりを抑制することができる。
なお、本実施形態においては、請求項にいう研削深さ調整機構として、修正砥石離間機構72を用い、一対の片面修正砥石71,71を互いに離間させて研削砥石31に対する切込み深さを調整しているが、修正砥石スライド機構63を用い、一対の片面修正砥石71,71を研削砥石31側に移動して切込み深さを調整してもよい。かかる場合、修正砥石スライド機構63は、切込み深さが調整できる程度に微小且つ精度の良い調整移動が可能である必要がある。さらに、本実施形態では、ツルーイング砥石41を研削中の研削砥石31に接触させるようにしたが、ツルーイングユニット10を加工テーブル3上に設け、研削作業の前後でツルーイングを行うようにしてもよい。
本実施形態に係る溝加工装置を示した斜視図である ツルーイングユニットを示した説明図である。 ツルーイング砥石周りを模式的に示した断面図である。 ツルーイング砥石周りを示した斜視図である。 第1変形例のツルーイング砥石周りを示した斜視図である。 第2変形例のツルーイング砥石周りを示した斜視図である。 第1変形例の修正砥石離間機構周りを模式的に示した断面図である。 第2変形例の修正砥石離間機構周りを模式的に示した断面図である。
符号の説明
1:溝加工装置、 10:ツルーイングユニット、 31:研削砥石、 31a:山形研削部、 41:ツルーイング砥石、 61:修正砥石回転軸、 62:修正砥石回転機構、 71:片面修正砥石、 72:修正砥石離間機構、 74:砥石本体、 75:修正研削部、 75a:修正研削面、 R:加工対象ローラ

Claims (7)

  1. 切刃となる研削部が断面山形に形成された円盤状の研削砥石に対し、回転接触してツルーイングを行うツルーイング砥石であって、
    中心部に軸着部を有しドラム形状に形成した砥石本体と、前記砥石本体の外周面から前記研削部の傾斜周面に倣う角度で且つ放射状に延びる修正研削面を有する複数の修正研削部と、をそれぞれが備えた一対の片面修正砥石を、
    各修正研削面同士が軸方向に交差するように抱き合わせて構成したことを特徴とするツルーイング砥石。
  2. 前記各片面修正砥石は、自身の側から見て裏側となる前記傾斜周面を研削することを特徴とする請求項1に記載のツルーイング砥石。
  3. 前記各片面修正砥石は、自身の側から見て表側となる前記傾斜周面を研削することを特徴とする請求項1に記載のツルーイング砥石。
  4. 前記各砥石本体の抱合せ側の端部は、前記各修正研削部の部分を軸方向に凸とする王冠状に形成され、
    前記一対の片面修正砥石は、前記砥石本体同士を噛み合わせて構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のツルーイング砥石。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のツルーイング砥石と、
    前記一対の片面修正砥石を軸方向にスライド自在に軸着した砥石軸と、
    前記砥石軸を回転させる砥石回転機構と、
    前記一対の片面修正砥石を離接方向に同時に微小移動させる研削深さ調整機構と、を備えたことを特徴とするツルーイング装置。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載のツルーイング砥石と、
    前記ツルーイング砥石を軸着した砥石軸と、
    前記砥石軸を回転させる砥石回転機構と、
    前記ツルーイング砥石と前記研削砥石とを相対的に切込み方向に微小移動させる研削深さ調整機構と、を備えたことを特徴とするツルーイング装置。
  7. 請求項5または6に記載のツルーイング装置と、
    ワークの表面に溝加工を行う前記研削砥石と、を備えたことを特徴とする溝加工装置。
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