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JP2008253228A - ダイエット中の体重減少停滞の抑制 - Google Patents

ダイエット中の体重減少停滞の抑制 Download PDF

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Abstract

【課題】ダイエット中の体重減少停滞を抑制あるいは緩和することが出来る経口組成物を提供する。
【解決手段】体重減少停滞抑制を目的としたL−カルニチン含有経口組成物を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、L−カルニチン若しくはアシルL−カルニチン又はその塩を含有することを特徴とする組成物の、ダイエット中の体重減少停滞を抑制するための使用に関する。
L−カルニチンは、B群ビタミン類縁のビタミン様栄養素であり、エネルギー産生および脂質代謝に不可欠な生体分子である。L−カルニチンは、体内での合成および食物摂取の両方によって生体に供給される。近年、このL−カルニチンを用いた、脂質代謝の改善(促進)を目的としたサプリメントや飲料が多く開発されており、特許出願もされている(例えば特許文献1〜3)。
近年、食生活の欧米化等により肥満及びそれに伴う生活習慣病の問題が深刻化しつつある。例えば、肥満は、糖尿病をはじめ、動脈硬化、高血圧、高脂血症等のさまざまな疾患の原因となることが知られており、このような問題に対処するため、種々のダイエット方法(食事療法)が提案されている。また、肥満を防止又は緩和するためのダイエット食品、ダイエット補助食品等も開発され、実用化されている。
ダイエット中には、体重減少が認められなくなる時期、いわゆる“体重減少停滞期(以下「停滞期」とも称する)”が一時的に現われることが良く知られている。この停滞期は、摂取エネルギーの低下に対する生態の適応現象であると考えられている。停滞期が長引くと、ダイエット実施者の意欲が低下し、ダイエットからのドロップアウトにつながりやすいと考えられる。従って、停滞期の抑制・短縮が望まれている。
特開平10−66515号公報 特開平10−66542号公報 特開2001−57869号公報
ダイエット中に現われる体重減少停滞期は、ダイエット実施者の意欲の低下を招き、ダイエットの完遂を困難とする。
従って、本発明は、ダイエット中の体重減少停滞を緩和・抑制するための組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、L−カルニチン若しくはアシルL−カルニチン又はその塩を含有する組成物を摂取することによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)L−カルニチン若しくはアシルL−カルニチン又はその塩を含むことを特徴とする、ダイエット中の体重減少停滞を抑制するための組成物;
(2)ダイエット中の体重減少停滞期直前及び/又は体重減少停滞期中に摂取するための、(1)に記載の組成物;
(3)飲食品である、(1)又は(2)に記載の組成物;
(4)ダイエット食品である、(3)に記載の組成物;
(5)医薬組成物である、(1)又は(2)に記載の組成物;
(6)ダイエット中の体重減少停滞を抑制するための組成物を製造するための、L−カルニチン若しくはアシルL−カルニチン又はその塩の使用;
である。
本発明によれば、体重減少停滞が緩和又は抑制された理想的なダイエットを実施することができる。
本発明を実施するにあたっては、L−カルニチン若しくはアシルL−カルニチン又はその塩を用いることにより、目的とする体重減少停滞を緩和あるいは抑制する作用を有する組成物を調製することができる。
L−カルニチン及びアシルL−カルニチン及びそれらの塩
L−カルニチンは、体内において必須アミノ酸のリジン及びメチオニンから生合成される他、牛肉、豚肉、羊肉等から、日常的に摂取されている物質である。また、医薬品においては、塩化物であるL−塩化カルニチンの使用が認められており、安全性の高い成分とされている。L−カルニチンは、化学合成及び光学分割されたものや微生物などを用いて発酵し精製・抽出したもの;カルニチンが豊富に含まれる牛肉や羊肉などからアルコール、水や熱水などで抽出したエキス;当該抽出エキスをデキストリンなどを用いてスプレードライで粉末化したもの、またはそれに準ずる製法により得られるもの等、多種の経路で得られたものが存在するが、本発明組成物においてはいずれも使用可能である。また、本発明において用いられるL−カルニチンは、遊離体であっても、その食品学的若しくは薬学的に許容可能な塩の形態であっても、アセチルL−カルニチンのようなアシルL−カルニチンおよびその食品学的若しくは薬学的に許容可能な塩でもよい。そのようなL−カルニチンもしくはアシルL−カルニチンの塩には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の金属との塩、アンモニウム塩、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩等があるが、これらに限定されるものではない。
体重減少停滞(期)及びその抑制
本願明細書における「ダイエット中の体重減少停滞」との用語は、ダイエット開始の一定期間後に現われることの多い、体重減少が止まるか又はその速度が著しく遅くなる現象をいう。また、そのような現象が現われる特定の期間のことを「ダイエット中の体重減少停滞期」又は「停滞期」と称する。停滞期は、通常、ダイエット開始日から約4週間以内に、典型的にはダイエット開始から数日〜1週間経過後に現われるが、出現時期には個人差がある。
停滞期が現われたか否かは、例えば、1〜7日ごとに体重測定を行い、各期間の体重減少量を比較することにより判断することができる。特定の期間の体重減少量が他の期間の体重減少量と比較して著しく低い場合には、当該体重減少量が少ない期間が停滞期であると判断できる。例えば、特定期間内の体重減少量が0.2kg/週以下、好ましくは0kg/週以下である場合、又は特定期間の体重減少量が他の期間の体重減少量の50%以下、好ましくは25%以下である場合には、当該体重減少量が少ない期間が停滞期であると判断できる。
本願発明の組成物は、このような体重減少停滞を抑制することができる。本願明細書における「体重減少停滞の抑制」との用語の意味には、体重減少停滞を防止又は緩和すること(停滞期の途中から体重減少停滞を防止又は緩和することも含まれる)が含まれる。体重減少停滞が抑制されたか否かは、例えば、停滞期が生じたか否かを確認することにより判断することができる。
体重減少停滞を抑制するためには、少なくとも停滞期直前及び/又は停滞期中に本発明組成物を投与する必要がある。典型的には、ダイエット開始後約1日目〜約21日目に、好ましくはダイエット開始日から約8日目〜約14日目に毎日投与を行なう。或いは、毎日の体重測定により体重減少が停滞し始めたと判断されてから(例えば、特定期間内の体重減少量が、週あたりの体重減少量に換算して0.2kg/週以下、好ましくは0kg/週以下である場合)投与を開始してもよい。この場合には、好ましくは、投与を少なくとも1週間毎日行なう。或いは、本願発明組成物は、ダイエット開始時からダイエット終了まで継続的に毎日投与されうる。
飲食品及び医薬組成物
本発明に係る組成物は、停滞期緩和あるいは抑制作用を有する飲食品や医薬組成物等として用いることができるが、気軽に日常的に摂取できる飲食品として、特にダイエット食品として用いることが好ましい。この場合には、ダイエット中に用いることを考慮すると、熱量の高い食品の形態とすることは避けるべきである。従って、飲食品として用いる場合には、低カロリー食品の形態とすることが好ましい。本発明組成物は、体重減少停滞緩和あるいは抑制作用を有する健康食品として実施することが特に好ましい。ここでいう健康食品には、体重減少停滞緩和あるいは抑制作用を有する旨の表示を容器や説明書に付した飲食品(例えば、特定保健用食品や条件付き特定保健用食品のような機能性食品)も含まれる。なお、食品としての使用の態様には、本発明の組成物を食品添加剤として用いる場合も含まれるものとする。
ダイエット食品
ダイエット食品としては、こんにゃく、寒天、キノコ類、海藻類のような多くの低カロリー食が知られているが、典型的なダイエット食品は、低カロリーでありながらタンパク質、ビタミン、ミネラルを十分に含むように規格化されたフォーミュラ食である。フォーミュラ食は、脂肪以外の筋肉などの組織を維持しつつ減量できるように設計されている。低カロリー食のカロリーは、1食あたり200kcal以下が好ましく、さらに好ましくは170〜200kcal程度である。本発明においては、ダイエット食品には、L−カルニチン若しくはアシルL−カルニチン又はそれらの塩に加えて、必要により機能成分を添加してもよい。例えば、整腸作用の知られているキシロオリゴ糖等を添加してもよい。
投与形態
本発明組成物は経口用組成物であることが好ましく、その形態は特に限定されない。例えば、錠剤、顆粒剤、液剤、カプセル剤、丸剤、粉末剤、キャンデー、ドロップ、トローチ、ガム、ジュース(ジュースを調製するための粉末も含む)、ドリンク剤、調味料、加工食品等の形態で提供することが可能である。
本発明の組成物を経口用製剤として調製する場合、必要に応じて、各種添加剤を適宜選択して配合することができる。そのような添加剤としては、例えば、錠剤として製造する場合には、(1)乳糖、デンプン、部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、D−マンニトール、ブドウ糖、炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウムなどの賦形剤、(2)デンプン、クロスカルメロースナトリウムのような崩壊剤、(3)ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースなどの結合剤、(4)ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、含水二酸化ケイ素のような滑沢剤があげられる。また、さらに必要により、安定化剤、矯味剤、着色剤などを配合することができる。これらの添加剤の種類および配合割合は、本発明組成物が求められている特性を考慮して、適宜選択し、設定することができる。
本発明の経口組成物は、L−カルニチン又はアシルL−カルニチンの1日の摂取量が(単回で投与されるか又は複数回に分けて投与される)0.01〜1g、好ましくは0.1〜0.5gとなるように組成物中に適宜含有させるとよいが、このような範囲は限定的なものではない。
〔実施例〕
次に本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明の範囲は実施例により制限されるものではない。
試験食品の製造
L−カルニチン含有食品として、以下のような低カロリーのフォーミュラ食を調製した。
体重減少停滞抑制を目的としてL−カルニチン(ロンザジャパン株式会社)、整腸作用の知られているキシロオリゴ糖(サントリー株式会社)、タンパク質、ビタミン類、およびミネラルに、その他の賦形剤や香料などを適量加えて、常法に従って混合・造粒することによって、表1に示す処方を有する低カロリー食品の試験サンプルA(フォーミュラ食)を製造した。その1食分である50gの熱量は179kcalであった。摂取の際はこれを約350mLの水に溶解させた。
Figure 2008253228
体重減少停滞抑制効果確認試験
実施例1で製造した試験サンプルAおよび対照群として試験サンプルAからL-カルニチンを除いたもの(試験サンプルB)を用いて以下の試験を行った。
健常成人女性20名を被験者とし、10名ずつランダムにカルニチン摂取群とカルニチン非摂取群の2群に分けた。カルニチン摂取群には試験サンプルAを、カルニチン非摂取群には試験サンプルBを28日間毎日夕食として摂取させた。被験者は試験期間中毎日一定時間内に体重を測定した。
本試験では、試験期間を各ブロックが1週間からなる4つのブロックにわけ、各ブロックの体重減少量を比較した。データの統計処理には、SPSS(SPSS for Windows ver. 13.0, SPSS Inc., Chicago, IL)を用いた。カルニチン摂取群とカルニチン非摂取群の2群間における量的変数の比較には、対応のないt検定を用いた。統計的有意水準は5%とした。
図1に各群の1週間毎の体重変化を示した。この図から明らかなように、L−カルニチン非摂取群においては、第2ブロック(第2週目)に顕著な体重減少停滞が認められた。即ち、この期間が停滞期であると判断された。一方、L−カルニチン摂取群では、そのような停滞期は認められなかった。
L-カルニチンを含む組成物は、ダイエット中に見られる停滞期を抑制あるいは緩和することができるので、本発明は有用である。
L-カルニチン摂取群(試験サンプルA摂取群)とL-カルニチン非摂取摂取群(試験サンプルB摂取群)の、各週の平均体重減少量の比較を示す。

Claims (6)

  1. L−カルニチン若しくはアシルL−カルニチン又はその塩を含むことを特徴とする、ダイエット中の体重減少停滞を抑制するための組成物。
  2. ダイエット中の体重減少停滞期直前及び/又は体重減少停滞期中に摂取するための、請求項1に記載の組成物。
  3. 飲食品である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. ダイエット食品である、請求項3に記載の組成物。
  5. 医薬組成物である、請求項1又は2に記載の組成物。
  6. ダイエット中の体重減少停滞を抑制するための組成物を製造するための、L−カルニチン若しくはアシルL−カルニチン又はその塩の使用。
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