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JP4405308B2 - アルコール吸収抑制剤 - Google Patents

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Description

本発明は、アルコール吸収抑制剤およびアルコール吸収抑制用飲食品に関する。
アルコール飲料の摂取は、適量であれば身体的、精神的に良い効果を奏し得るとも言われているが、アルコールには特有の嗜好性もあり、過度の摂取により、酩酊状態や、急性および慢性の中毒症状を呈する場合もある。
このようなアルコールの摂取による好ましくない症状を予防または軽減するために、従来、アルコール摂取後の血中アルコール濃度上昇を抑える薬剤または飲食品が提案されている。例えば、グリセロールを有効成分とする血中アルコール濃度上昇阻害飲料(特許文献1)、配糖体を有効成分とするアルコール吸収抑制剤(特許文献2)、カフェインを有効成分とするアルコール吸収抑制剤(特許文献3)、生薬粉末、生薬エキス、および塩化カルニチンから選ばれる1種以上を有効成分とするアルコール吸収抑制剤(特許文献4)、グリシル・グリシンを有効成分とするアルコール吸収抑制剤(特許文献5)等が挙げられる。
ところで、ラクチュロースは、ミルクオリゴ糖の一種で、難消化性であって、ビフィズス菌増殖作用、非齲蝕原性を有することが知られている。例えば高アンモニア血症薬等の医薬品にも応用されている。また、マルチトールやラクチトールはオリゴ糖であり、非齲蝕原性、難消化性を有することが知られている。例えば、糖尿病患者や肥満症患者のカロリーコントロール食として、既に幅広く用いられている。
糖とアルコール吸収との関連性について、非特許文献1では、グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)の糖混合物によってアルコール吸収抑制効果が得られることが報告されている。一方、非特許文献2では、単糖および二糖類によってアルコール吸収が高められることが報告されている。
特開平6−14751号公報 特開平7−53385号公報 特開平8−277221号公報 特許第2891738号公報 特許第2905231号公報 Acta Pharmacol.et Toxicol.1979年,45,p.345−351 Gastroenterology,第70巻,1976年、p.1101−1107
本発明は、アルコールの摂取により生じる好ましくない症状を予防または軽減するのに有効な、新規なアルコール吸収抑制剤およびアルコール吸収抑制用飲食品を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、ラクチュロース、マルチトール、及びラクチトールからなる群より選択される1種又は2種以上を有効成分として含有するアルコール吸収抑制剤を提供する
本発明のアルコール吸収抑制剤によれば、これをアルコール摂取前に投与しておくことにより、アルコール摂取後の血中アルコール濃度の上昇を効果的に抑制することができる。
本発明の飲食品によれば、これをアルコール摂取前に摂取しておくことにより、アルコール摂取後の血中アルコール濃度の上昇を効果的に抑制することができる。
その結果、アルコールの摂取により生じる好ましくない症状を予防または軽減することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で変更することができる。
<アルコール吸収抑制剤>
本発明のアルコール吸収抑制剤は、例えばラクチュロース、マルチトール、及びラクチトールからなる群より選択される1種又は2種以上を、薬学的に許容され得る賦形剤その他任意の添加剤を用い、公知の方法によって製剤化することにより製造することができる。
アルコール吸収抑制剤の製造に用いるラクチュロースは、公知の製造方法で得られるものを適宜使用することができ、市販品からも容易に入手できる。
例えば乳糖をアルカリ性条件下で異性化した後、未反応の乳糖を結晶化させて分離、除去することにより得られるシロップ状のラクチュロース製品をアルコール吸収抑制剤の製造に用いることができる。また、さらに該ラクチュロースシロップから公知の工程を経て製造された粉末状のラクチュロース製品をアルコール吸収抑制剤の製造に用いてもよい。
尚、ラクチュロースの具体的な製造方法としては、特許第2848721号公報、特許第2834807号公報、特許第2977654号公報、特許第3013954号公報、特許第3022699号公報等に記載された方法が例示され、これらの方法によって製造された粉末状又はシロップ状のラクチュロースは、本発明のアルコール吸収抑制剤又はアルコール吸収抑制用飲食品に好適に使用することが可能である。また、市販のラクチュロース製品としては、森永乳業社製、純度97%のラクチュロースを例示することができる。
マルチトールは、公知の製造方法で得られるものを適宜使用することができ、市販品からも容易に入手できる。
例えば麦芽糖水飴を触媒の存在下で高圧接触還元(水素添加)した後、生成濃縮することにより得られる液状のマルチトール製品をアルコール吸収抑制剤の製造に用いることができる。また、さらに該液状のマルチトール製品から公知の工程を経て製造された粉末状のマルチトール製品をアルコール吸収抑制剤の製造に用いてもよい。尚、市販のマルチトール製品としては、東和化成工業社製アマルティシロップ、アマルティMRを例示することができる。
ラクチトールは、公知の製造方法で得られるものを適宜使用することができ、市販品からも容易に入手できる。
例えば乳糖を高温高圧下で接触還元した後、生成濃縮することにより得られる液状のラクチトール製品をアルコール吸収抑制剤の製造に用いることができる。また、さらに該液状のラクチトール製品から公知の工程を経て製造された粉末状のラクチトール製品をアルコール吸収抑制剤の製造に用いてもよい。尚、市販のラクチトール製品としては、日研化成社製ラクチトール「日研」を例示することができる。
本発明のアルコール吸収抑制剤の投与形態は、アルコールの摂取前、又はアルコールの摂取時、摂取後のいずれであっても投与することができ、経口投与又は経腸投与等の非経口投与等の各種形態に適用することが可能である。尚、アルコール摂取前、特に30分前〜1時間前に、本発明のアルコール吸収抑制剤を投与すれば、アルコール摂取後の血中アルコール濃度の上昇を初期段階から効果的に抑制することが可能であり、本発明によるアルコール吸収抑制効果を最大限享受することができる。この場合、アルコールの摂取時において、該アルコール吸収抑制剤の有効成分が消化管内に存在している状態であることが好ましい。
また、本発明のアルコール吸収抑制剤は、有効量を一度に投与しても良く、間隔を置いて数回に分けて投与することもできる。数回に分けて投与する場合は、一日の合計量が有効量となればよい。
本発明のアルコール吸収抑制剤におけるラクチュロース等の含有量(有効量)は、一日に投与されるアルコール吸収抑制剤に含まれているラクチュロース、マルチトール、及びラクチトールの合計量が、100mg以上、好ましくは500mg以上となるように調製されることが好ましい。また、日常の飲食品に本発明のアルコール吸収抑制剤を添加して摂取する形態を想定した場合、本発明のアルコール吸収抑制剤に含まれるラクチュロース等の含有量(有効量)は、日常の飲食品に含まれるラクチュロース、マルチトール、又はラクチトールの含有量を考慮して適宜設定することができ、この場合、少なくとも10mg以上となるように調製することが好ましい。
尚、ラクチュロース等は安全性は高いものの、難消化性であるために、投与量(摂取量)が多すぎると下痢等の症状を引き起こす恐れがあるので、一日に投与されるアルコール吸収抑制剤に含まれるラクチュロース等の合計量は20g以下とすることが好ましい。
経口投与に適用されるアルコール吸収抑制剤(特に、経口アルコール吸収抑制剤と記載することがある。)の例としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等が挙げられる。また、固体状に限らず、懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤等の各種液剤とすることもできる。
非経口投与に適用されるアルコール吸収抑制剤(特に、非経口アルコール吸収抑制剤と記載することがある。)の例としては、注射剤、坐剤等が挙げられる。
経口アルコール吸収抑制剤の場合、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等の賦形剤を用いて常法に従って製造することができる。また前記賦形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、矯臭剤、着色剤、香料等を含有させることができる。
具体的には、結合剤として、デンプン、デキストリン、アラビアゴム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等が例示される。
崩壊剤としては、デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース等が例示される。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート80等が例示される。
滑沢剤としては、タルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレングリコール等が例示される。
流動性促進剤としては、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等が例示される。
<アルコール吸収抑制用飲食品>
本発明のアルコール吸収抑制用飲食品は、各種飲食品を製造する際に、ラクチュロース等を含有させることによって製造することができる。
ラクチュロース等としては、上述したアルコール吸収抑制剤の製造に用いられるラクチュロース等と同様のものを用いることができる。
本発明のアルコール吸収抑制用食品の摂取形態は、アルコールの摂取前、又はアルコールの摂取時、摂取後のいずれであっても摂取することができる。尚、アルコール摂取前、特に30分前〜1時間前に、本発明のアルコール吸収抑制用飲食品を摂取すれば、アルコール摂取後の血中アルコール濃度の上昇を初期段階から効果的に抑制することが可能であり、本発明によるアルコール吸収抑制効果を最大限享受することができる。この場合、アルコールの摂取時において、該アルコール吸収抑制用飲食品の有効成分が消化管内に存在している状態であることが好ましい。
また、本発明のアルコール吸収抑制用食品は、有効量を一度に摂取しても良く、間隔を置いて数回に分けて摂取することもできる。数回に分けて摂取する場合は、一日の合計量が有効量となればよい。
本発明のアルコール吸収抑制用飲食品におけるラクチュロース等の含有量(有効量)は、一日に投与されるアルコール吸収抑制用飲食品に含まれているラクチュロース、マルチトール、及びラクチトールの合計量が、100mg以上、好ましくは500mg以上となるように調製されることが好ましい。また、日常の飲食品とともに摂取する形態を想定した場合、本発明のアルコール吸収抑制用飲食品に含まれるラクチュロース等の含有量(有効量)は、日常の飲食品に含まれるラクチュロース、マルチトール、又はラクチトールの含有量を考慮して適宜設定すればよく、この場合、少なくとも10mg以上となるように調製されることが好ましい。尚、前記のいずれの場合であっても、ラクチュロース等が原因による下痢等を引き起こさないためにも、一日に摂取されるラクチュロース等の合計量は20g以下とすることが好ましい。
本発明のアルコール吸収抑制用飲食品には、有効成分である前記ラクチュロース等の他に、例えば、ラクチュロース、マルチトール、及びラクチトール以外の糖類、例えばデキストリン、デンプン等;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類等を含有させることができる。
アルコール吸収抑制用飲食品の具体例としては、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸菌飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調製用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;惣菜、パン類;経腸栄養食品、特定保健用食品、健康補助食品等の機能性食品等が挙げられる。
機能性食品の形態としては、タブレット状又は液状のサプリメントであることが、有効成分の摂取量を把握し易いという点で好ましい。
尚、本発明のアルコール吸収抑制用飲食品は、アルコール吸収抑制用との用途が表示された飲食品、例えば、「アルコール吸収抑制用と表示された、ラクチュロース、マルチトール、及びラクチトールからなる群より選択される1種又は2種以上を有効成分として含有する飲食品」として販売することが好ましい。
ここに、「表示」とは、需要者に対して上記用途を知らしめるための全ての行為を意味し、例えば、本発明の飲食品に係る商品又は商品の包装に上記用途を記載する行為、商品又は商品の包装に上記用途を記載したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引き渡しのために展示し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に上記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載して電磁的方法により提供する行為、等が例示できる。
しかしながら、表示としては、行政等によって認可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示)であることが好ましく、例えば特定保健用食品〔健康増進法施行規則(平成十五年四月三十日 日本国厚生労働省令第八十六号)としての表示(特に保健の用途の表示)が最も好適である。
なお、以上のような用途の表示を行うために使用する文言は、「アルコール吸収抑制用」という文言に限られるものでなく、それ以外の文言であっても、アルコール吸収抑制用の効果を表現する文言であれば、本発明の範囲に包含されることは言うまでもない。
本発明のアルコール吸収抑制剤およびアルコール吸収抑制用飲食品は、飲用アルコールの摂取前に投与または摂取しておくことにより、アルコール摂取後の血中アルコール濃度の上昇を効果的に抑制することができる。これは消化管からのアルコールの吸収が抑制されたものと考えられる。
したがって、本発明のアルコール吸収抑制剤およびアルコール吸収抑制用飲食品は、アルコールの摂取による酩酊の予防、酔い覚まし促進、アルコール中毒の予防等に有効である。
前述したように、従来は、糖混合物によってアルコール吸収抑制効果が得られるという報告(非特許文献1)がある一方で、単糖および二糖類によってアルコール吸収が高められるという報告(非特許文献2)もあり、糖とアルコール吸収との関連性は明らかになっていなかった。まして、マルチトールやラクチトール等の糖アルコールによるアルコール吸収抑制効果については全く知られていなかった。
さらに後述の試験例に示すように、糖類の中でも、本発明で得られるようなアルコール吸収抑制効果を奏さない単糖類、二糖類、三糖類もある。
してみると、本発明にかかる特定の糖および糖アルコールがアルコール吸収抑制効果を有することは、従来技術からは予測できない、驚くべき知見である。
また、本発明のアルコール吸収抑制剤およびアルコール吸収抑制用飲食品は、ラクチュロース、マルチトール、及びラクチトールからなる群より選択される1種又は2種以上を有効成分とするものであるので、非常に安全性が高い。また、これらの有効成分はいずれも甘味を呈するものであるので、経口投与または摂取がし易く、また、安定性が優れているので、飲食品への添加も容易である。
次に試験例を示して本発明の効果を明らかにする。
(試験例1)
(1)試験動物
10週齢のWistar系雄性ラット(日本SLC社から購入)を、ほぼ一定した環境下(気温22±2℃、相対湿度55±5%)で、1週間以上予備飼育した後、無作為に7群(各群2乃至4匹)に分けて使用した。
(2)試料の調製
被験物質として、本発明にかかる各有効成分(ラクチュロース、マルチトール、ラクチトール)を注射用水(大塚製薬社製)に所定の含有量となるように溶解させて試験試料とした。陰性試料は注射用水とした。被験物質の投与量は、体重1kg当たり200mgと500mgの2通りとした。
本試験では、試料の投与量を体重1kg当たり5mlとしたので、試料5ml中に被験物質が200mgまたは500mg含まれるように調製した。
ラクチュロースとしては、和光純薬工業社製、製品コード番号126-63732を用いた。
マルチトールとしては、東和化成工業社製、製品コード番号636-00461を用いた。
ラクチトールとしては、和光純薬工業社製、製品コード番号120-04092を用いた。
(3)試験方法
ラットは、摂餌した餌などの胃内容物の試験系への影響を排除するために、24時間絶食、4時間絶水し、胃内を空の状態とした後、各群のラットに試験試料、陰性試料をそれぞれ体重1kg当たり5mlずつ経口投与した。試料を投与してから30分後に、濃度が20容量%のエタノール水溶液を体重1kg当たり5mlとなる量で経口投与した。
エタノール水溶液を投与してから所定時間毎に尾静脈から25μlの血液を採取して血中エタノール濃度を測定した。血液の採取は、エタノール水溶液を投与してから15分後、30分後、60分後、120分後、240分後にそれぞれ行った。
血中エタノール濃度の測定は、血液に対して9倍量の、3質量%濃度の過塩素酸溶液を加えて除蛋白処理した後、F−キット・エタノール(ロッシュダイアグノスティックス社製)を用いて行った。有意差の検定にはMann−WhitneyのU検定を用いた。
血中エタノール濃度測定の結果として、下記表1に、平均値±標準誤差(単位:mg/ml)を示す。表中の*は危険率5%未満で有意差があることを示している。
Figure 0004405308
(試験例2)
上記試験例1において、各有効成分(ラクチュロース、マルチトール、ラクチトール)に代えて、表2に示す単糖類、二糖類、および三糖類を用いた他は同様の手順で、血中エタノール濃度の経時変化を調べた。なお、単糖類、二糖類、および三糖類の投与量は、いずれも体重1kg当たり500mgとした。また測定に用いたラットの数(例数)は表2に示すとおりとした。
血中エタノール濃度測定の結果として、下記表2に、平均値±標準誤差(単位:mg/ml)を示す。
Figure 0004405308
表1の結果より、エタノールを摂取させる前に、ラクチュロース、マルチトール、およびラクチトールを、それぞれ体重1kg当たり500mgを投与すると、陰性試料である注射用水を投与した場合に比べて、明らかに血中エタノール濃度が低下することが認められた。
尚、表2の結果より、フルクトース(果糖)、ガラクトース、グルコース(ブドウ糖)、イノシトール、およびソルビトールの単糖類;セロビオース、ラクトース(乳糖)、マルトース(麦芽糖)、パラチノース、およびスクロース(ショ糖)の二糖類;ラクトシルフルクトシドおよびラフィノースの三糖類のいずれにおいても、体重1kg当たり500mgを投与しても、明快な効果は認められなかった。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
以下の成分を混和し、散剤100gを製造した。
ラクチュロース(森永乳業社製、純度:97%) 90g
乳糖(メグレ社製) 10g
得られた散剤1g当たりのラクチュロース含有量は0.9gであった。
[実施例2]
以下の成分を混和し、散剤100gを製造した。
マルチトール(東和化成工業社製、製品名アマルティMR) 90g
乳糖(メグレ社製) 10g
得られた散剤1g当たりのマルチトール含有量は0.9gであった。
[実施例3]
以下の成分を混和し、散剤100gを製造した。
ラクチトール(日研化成社製、製品名ラクチトール「日研」) 90g
乳糖(メグレ社製) 10g
得られた散剤1g当たりのラクチトール含有量は0.9gであった。
[実施例4]
次の示すラクチュロース、マルチトール及びアロエ粉末を含むアルコール吸収抑制錠剤を製造した。すなわち、ラクチュロース(森永乳業社製、純度:97%)45kg、マルチトール(東和化成工業社製、製品名アマルティMR)5kg、コーンスターチ(王子コーンスターチ社製)25kg、アロエ粉末(サノ企業社製。UP200)15kg、エリスリトール(日研化成社製)6.5kg、ステビア(日本製紙社製)0.1kg、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン社製)3kg、及びヨーグルトフレーバー(長谷川香料社製)0.4kgを均一に混合し、回転テーブル型打錠機(畑鐵工所製)により打錠圧力2トンで打錠し、1錠当たり0.5gの三角形錠剤195,000錠を得た。
得られた錠剤1錠当たりのラクチュロースおよびマルチトールの含有量は、それぞれ0.22gおよび0.02gであった。
[実施例5]
以下の成分を常法に従って混和し、顆粒剤を製造した。
ラクチュロース(森永乳業社製、純度:97%) 50g
コーンスターチ(王子コーンスターチ社製) 20g
ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業社製) 5g
乳糖(メグレ社製) 75g
得られた顆粒剤1g当たりのラクチュロース含有量は0.32gであった。
参考例6]
脱脂粉乳(森永乳業社製)85gを50℃の温湯860mlに溶解し、ラクチュロース(森永乳業社製、純度:97%)3g、ラクチトール(日研化成社製、製品名ラクチトール「日研」)1g、インスタントコーヒー粉末(ネスレ社製)13g、カラメル(昭和化工社製)2g、及びコーヒーフレーバー(三栄化学社製)0.01gを攪拌しながら順次添加して溶解し、10℃に冷却して乳飲料を調製した。
得られた乳飲料100ml当たりのラクチュロースおよびラクチトールの含有量は、それぞれ0.33gおよび0.11gであった。
参考例7]
1回分の組成として次に示す各成分の配合量のスポーツ用粉末飲料を常法により調製した。
ラクチュロース(森永乳業社製、純度:97%) 2.0g
サンスウィート(ステビア・ソーマチン混合物:三栄源FFI社製) 0.1g
アスパルテーム(味の素社製) 0.06g
クエン酸(三栄源FFI社製) 1.51g
リンゴ酸(理研化学社製) 0.49g
グルコン酸(藤沢薬品工業社製) 1.02g
シトラスフレーバー(三栄源FFI社製) 0.3g
グレープフルーツフレーバー(三栄源FFI社製) 0.5g
大豆レシチン(太陽化学社製) 0.003g
尚、前記スポーツ用粉末飲料1袋を、水200mlに溶解し、ラクチュロースを約1.0%濃度で含むスポーツ飲料として調製した。

Claims (1)

  1. ラクチュロース、マルチトール、及びラクチトールからなる群より選択される1種又は2種以上を有効成分として含有するアルコール吸収抑制剤。
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