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JP2008198431A - 燃料電池におけるセル電圧算出方法およびその装置 - Google Patents

燃料電池におけるセル電圧算出方法およびその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】断熱層が形成されているセル積層体におけるセル電圧を正確に算出することを可能とする。
【解決手段】セル積層体に断熱層4が形成されている場合に、算出対象とするセルCのセル電圧を、断熱層4の接触抵抗による低下分を補正して算出する。例えばセル積層体の端セルCNから1セル分中央寄りに断熱層4が形成されている場合のセル電圧算出に適用することができる。この場合、当該燃料電池が搭載された車両の走行時間、走行距離、当該燃料電池の温度等をパラメータとして接触抵抗による低下分を予測し、当該予測した低下分を補正してセル電圧を算出することが好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池におけるセル電圧算出方法およびその装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、燃料電池における発電状況を監視するための手段の改良に関する。
一般に、燃料電池(例えば高分子電解質形燃料電池)は電解質をセパレータで挟んだセルを複数積層することによって構成されている。このようにセルが積層されることによって構成されるセル積層体(セルスタック)の端部は、一般に大気との熱交換により温度が低くなりやすいため、当該端部やその近傍に断熱層を設ける構成が知られている。
また、このような燃料電池(燃料電池システム)が電気自動車等に搭載され動力源(発電源)として用いられる場合には、運転時、燃料電池スタックを構成している各セルの発電状況に異常が生じていないことが重要である。従来、各セルの電圧を算出して正常に発電していることを監視するためのモニタ装置として、例えばセル毎に電圧センサを装備し、各セル電圧を順次検出するようにした装置が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2006−179338号公報 特開2006−236803号公報 特開2005−19223号公報
しかしながら、従来のセル電圧検出装置あるいはそこで利用されているセル電圧検出方法によっては、上述のように断熱層が形成されているセル積層体におけるセル電圧を正確に求めることができない場合がある。
そこで、本発明は、断熱層が形成されているセル積層体におけるセル電圧を正確に算出することが可能な燃料電池におけるセル電圧算出方法およびその装置を提供することを目的とする。
セル積層体端部の温度低下を抑えるべく設けられる断熱層は、例えば発電セルに対応したセル(断熱セル)の一対のセパレータ間に、膜−電極アッセンブリの代わりに導電板を挟むこと等により構成される。この場合の導電板は断熱性に優れるものが好ましく、一例として導電性多孔質シートなどが利用されている。さらに、反応ガスや冷媒が流通するマニホールドの部分は封止されることによって空気層が形成されていることもある。ところが、このような断熱層が介在している部分のセルの電圧は、他の部位におけるセルとは異なり、当該断熱層(断熱セル)を含んでいることから正確に算出することが困難となっている。
このような点に着目してさらに検討を重ねた本発明者は、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。本発明はかかる知見に基づくもので、燃料電池を構成するセル積層体における各セルの電圧を算出するためのセル電圧算出方法において、前記セル積層体に断熱層が形成されている場合に、算出対象とするセルのセル電圧を、前記断熱層の接触抵抗による低下分を補正して算出するというものである。
上述のように、セル積層体の端部における温度低下を抑える等の観点からすれば断熱層を設けることは重要である。本発明においては、このような構造であることを前提に、断熱層が形成されているセルにおいては当該断熱層の影響を考慮し適宜補正を行ってセル電圧を算出する。したがって、このセル電圧算出方法によれば、断熱層が形成されたセルについてもセル電圧をより正確に算出することが可能である。
このようなセル電圧算出方法は、前記セル積層体の端セルから1セル分中央寄りに前記断熱層が形成されている場合のセル電圧算出に適用して好適である。一般的な燃料電池においては、例えば、セル積層体の負極(本明細書ではこれを総マイナス極ともいう)側の端セル(総マイナスセルともいう)の含水量低減をも目的として当該総マイナスセルの正極(空気極)寄りに断熱層が形成される場合がある。こうした場合、当該断熱層にて生じるIRドロップ(抵抗による電圧降下)の影響でセル電圧が低下して正確なセル電圧の検出が困難になるが、本発明によればこの場合の影響を考慮し必要な補正を行ってセル電圧を正確に算出することが可能である。
また、本発明にかかるセル電圧算出方法においては、当該燃料電池が搭載された車両の走行時間をパラメータとして前記接触抵抗による低下分を予測し、当該予測した低下分を補正して前記セル電圧を算出することができる。
または、当該燃料電池が搭載された車両の走行距離をパラメータとして前記接触抵抗による低下分を予測し、当該予測した低下分を補正して前記セル電圧を算出することもできる。
あるいは、当該燃料電池の温度をパラメータとして前記接触抵抗による低下分を予測し、当該予測した低下分を補正して前記セル電圧を算出することとしてもよい。
さらに、本発明は、燃料電池を構成するセル積層体における各セルの電圧を算出するためのセル電圧算出装置において、前記各セルの電圧を検出する電圧センサと、該電圧センサによって検出された前記各セルの電圧値に対応する補正値を格納するメモリと、該メモリに格納された当該補正値を参照し、前記電圧センサによって検出された電圧値に所要の補正を行う補正手段と、を備え、前記補正手段は、前記セル積層体に断熱層が形成されている場合に、算出対象とするセルのセル電圧を、前記断熱層の接触抵抗による低下分を補正して算出するというものである。
本発明によれば、断熱層が形成されているセル積層体におけるセル電圧を正確に算出することが可能となる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4に本発明の実施形態を示す。本発明にかかるセル電圧算出装置は、燃料電池1を構成するセル積層体3における各セルCの電圧を算出するための装置であり、各セルCの電圧を検出する電圧センサSと、電圧値に対応する補正値を格納するEEPROM(メモリ)24と、当該電圧値に所要の補正を行う補正手段としてのCPU21とを備えている(図2参照)。以下においてはまず燃料電池1を構成するセル積層体3等の構成について説明し、その後、このセル電圧算出装置および当該装置によるセル電圧算出方法の内容について説明することとする。
図1に本実施形態における燃料電池1の概略構成を示す。なお、このような燃料電池1は、例えば燃料電池車両(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)の車載発電システムにおいて利用可能なものであるがこれに限られることはなく、各種移動体(例えば船舶や飛行機など)やロボットなどといった自走可能なものに搭載される発電システム、さらには定置の発電システムにおいても利用することが可能である。
燃料電池1は、複数のセル(以下、発電セルともいう)2が積層されてなるセル積層体(セルスタック)3を備えているもので、当該セル積層体3の両端に位置する端セルCの積層方向外側には、出力端子5a付のターミナルプレート5、インシュレータ(絶縁プレート)6およびエンドプレート7がさらに設けられている。セル積層体3に対しては、両エンドプレート7をつなぐように架け渡されたテンションプレート8によって積層方向への所定の圧縮力が加えられている。さらに、セル積層体3の一端側のエンドプレート7とインシュレータ6との間にはプレッシャプレート9とばね機構9aとが設けられており、発電セルCに作用する荷重の変動が吸収されるようになっている。
発電セルCは、イオン交換膜からなる電解質膜およびこれを両面から挟んだ一対の電極からなる膜−電極アッセンブリ(MEA;Membrane Electrode Assembly)と、この膜−電極アッセンブリを外側から挟持する一対のセパレータ(図3において符号2で示す)と、で構成されている。セパレータ2は例えば金属を基材とする導通体であり、各電極に空気等の酸化ガスおよび水素ガス等の燃料ガスを供給するための流体流路を有し、互いに隣接する発電セルCに供給される異種流体の混合を遮断する役割を果たす。かかる構成により、発電セルCの膜−電極アッセンブリ内において電気化学反応が生じて起電力が得られることとなる。なお、この電気化学反応は発熱反応であることから、セパレータ2には燃料電池冷却用の冷媒(例えば冷却水)を流すための流体流路が設けられている。
さらに、当該セパレータ2の例えば両端には、酸化ガス、燃料ガス、冷媒のそれぞれをセル積層方向に流すためのマニホールド(酸化ガスマニホールド、燃料ガスマニホールド、冷媒マニホールド)が形成されている(図示せず)。本実施形態の燃料電池1において、各流体(酸化ガス、燃料ガス、冷媒)は当該燃料電池1の一端にあるエンドプレート7に設けられた各流体供給用の配管(図示せず)から入口側の各マニホールドに供給され、各セルCのセパレータ2に設けられた各流体流路を流れる。さらに、各流体は出口側の各マニホールドから燃料電池1の他端にあるエンドプレート7に設けられた各流体排出用の配管(図示せず)へと排出される。
断熱セル4は例えば2枚のセパレータ2とシール部材とで断熱層が形成されているもので、発電に伴い生じる熱が大気等に放熱されるのを抑える役割を果たす。すなわち、一般に、セル積層体3の端部は大気との熱交換により温度が低くなりやすいことから、当該セル積層体3の端部に断熱層を形成することによって熱交換(放熱)を抑えることが行われている。このような断熱層としては、例えば、発電セルCにおけるものと同様の一対のセパレータ2に、膜−電極アッセンブリの代わりとして導電板などの断熱部材10を挟み込んだ構成のものがある(図1参照)。この場合に用いられる断熱部材10は断熱性に優れるほど好適であり、具体的には例えば導電性多孔質シートなどが用いられる。
ここで、本実施形態では、セル積層体3の端セルCから1セル分中央寄りに断熱セル4を設けている(図1参照)。この場合の断熱セル4(あるいはその内部の断熱部材10)は、当該端セルCの含水量を低減させる断熱層として機能しうる。なお、端セルCとは、例えば複数のセルCが直列に積層した状態の本実施形態の燃料電池1の場合、ターミナルプレート5に接している両端のセルCが該当する。
なお、シール部材には、隣接する部材(例えばセパレータ2)との物理的な密着により流体を封止する弾性体(ガスケット)や、隣接する部材との化学的な結合により接着する接着剤などを用いることができる。例えば本実施形態ではシール部材として弾性により物理的にシールする部材を採用しているが、この代わりに上述した接着剤のような化学結合によってシールする部材を採用することもできる。ただし具体例がこのようなものに特に限定されることはなく、これ以外にも例えばシーラントと呼ばれるシール部材はもちろんのこと、ゲル状の封止材や液状パッキンなどを用いることも可能である。
ターミナルプレート5は集電板として機能する部材であり、例えば鉄、ステンレス、銅、アルミニウム等の金属で板状に形成されている。ターミナルプレート5のうち断熱セル4側の表面には、めっき処理等の表面処理が施されており、かかる表面処理により断熱セル4との接触抵抗が確保されている。めっきとしては、金、銀、アルミ、ニッケル、亜鉛、すず等を挙げることができ、例えば本実施形態では導電性、加工性および低廉性を勘案してすずめっき処理を施している。
インシュレータ6は、ターミナルプレート5とエンドプレート7とを電気的に絶縁する機能を果たす部材である。このような機能を果たすため、かかるインシュレータ6は例えばポリカーボネートなどの樹脂材料により板状に形成されている。また、インシュレータ6の材料として耐熱性に優れるエンジニアリングプラスチックを採用した場合には堅牢性の面でも有利であるし、また燃料電池1の軽量化を図るうえでも好適である。
エンドプレート7は、ターミナルプレート5と同様、各種金属(鉄、ステンレス、銅、アルミニウム等)で板状に形成されている。例えば本実施形態では銅を用いてこのエンドプレート7を形成しているがこれは一例に過ぎず、他の金属で形成されていても構わない。
続いて、本発明にかかるセル電圧算出装置を含むシステム(以下、燃料電池システムという)11について説明する。図2に燃料電池システム11のシステム全体図を示す。図2に示すように、この燃料電池システム11は、上述した燃料電池1のほか、モニタ装置12、燃料電池制御部13、ガス供給系14を備え、さらに、電圧センサS、EEPROM(メモリ)24、CPU(補正手段)21を備えた構成となっている。
燃料電池1のセル積層体3は、それぞれが所定起電力で発電するセルC1〜CN(Nは任意の自然数)が積層(スタック)されて構成されている(なお、図2においては上述の断熱セル4は示していない)。セルCn(1≦n≦N)のそれぞれは、膜−電極アッセンブリを、水素ガス、空気、冷媒(例えば冷却水)の流路が設けられた一対のセパレータ2で挟み込んで構成されている。膜−電極アッセンブリは、高分子電解質膜等をアノードおよびカソードの二つの電極で狭み込んだ構造体である。アノードにはアノード用触媒層が多孔質支持層上に設けられ、カソードにはカソード用触媒層が多孔質支持層上に設けられている。
燃料電池1の運転時には、各セルCnにおける電気化学反応によって、一定のセル電圧がアノード−カソード間に生ずる。各セルCnにおいて発電される電圧Vn(1≦n≦N)は電圧センサSによって検出され、検出信号Svとしてモニタ装置12に供給されるようになっている。例えば本実施形態における複数のセルCnは直列接続されており、ターミナルプレート5の出力端子5aには所定の高圧電圧が発生するようになっている。
ガス供給系14は、この燃料電池1の各セルCnのアノード(燃料極)側に燃料ガスである水素ガスを供給して化学反応を生じさせ、さらに水素オフガスを排出するように構成されている。また、燃料電池1の各セルCnのカソード(空気極)側には酸化ガスである空気を供給して化学反応を生じさせ、酸化オフガスを排出する。より具体的に説明すると、ガス供給系14は、燃料ガスの供給側では、燃料ガス源である水素タンクや各種遮断弁、調整弁、気液分離器、水素ポンプ、パージ遮断弁等を備えている。また、酸化ガスの供給側では、コンプレッサや加湿器等を備えている。燃料オフガスは、酸化オフガスによって酸化レベル以下に水素ガス濃度が下がるように希釈され、外部へと排出される。
燃料電池制御部(FC制御部)13は、上述のモニタ装置12とは独立して動作するコンピュータ装置であり、当該モニタ装置2が補正したセル電圧の補正値Dcの入力に応じ、その補正値Dcに対応させてシステムに必要な各種制御を行うものである。本実施形態の燃料電池制御部3は、ガス供給系14のコンプレッサやモータといった補機類41の動作を制御したり、燃料ガス系や酸化ガス系のガス流通を制御する制御弁類42の開閉を制御したりするもので、例えばセル電圧の補正値Dcが示すセル電圧に対応した補機類41や制御弁類42を制御し、適切な燃料電池1の運転を継続させる。
また、特に図示してはいないが、当該燃料電池システム11には、冷媒を循環させて燃料電池1を冷却するための冷却系、燃料電池1の発電電力を充電したり負荷に供給したりする電力系が設けられている。
モニタ装置12は燃料電池1の状態を監視するための装置で、例えば本実施形態の場合にはコンピュータ装置としての構成をとり、内部バス20、CPU21、RAM22、ROM23、EEPROM24、インターフェース(I/F)回路25,26を備えている(図2参照)。これらのうちCPU21は中央演算処理装置であり、ROM23に格納された制御プログラムを順次読み出して実行することにより、当該装置をモニタ装置12として機能させる。RAM22はCPU21の処理実行時における記憶領域として利用され、ROM23は制御プログラムの格納領域を提供する。インターフェース回路25,26は、アウトプットとして機能する場合にはCPU21から供給されたデータをラッチして電力増幅して外部に供給し、インプットとして機能する場合には外部から受信したデータをラッチし、適当なタイミングでそのデータを内部バス20に出力する。EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)24は、セル電圧値に対する所用の補正値を格納している。このEEPROM24はデータを電気的に消去(書き換え)できるROMであって、電源を切っただけではデータは消えない。データの消去には読み出し電圧より高い電圧が必要だが、EEPROM内部で電源電圧を昇圧しているため、基板に実装したままデータを消去して書き換えることができる。
また、CPU(補正手段)21は、上述したEEPROM24に格納された補正値を参照し、電圧センサSによって検出された電圧値に所要の補正を行う。本実施形態のCPU21は、断熱セル(断熱層)4が形成されているセル積層体3において、算出対象とするセルCnのセル電圧を、断熱セル4の接触抵抗による低下分を補正して算出するようにしている。
ここで、「補正値」とは、あるセルCnで検出された電圧値に関し、断熱セル4の接触抵抗による低下分を補正して算出するための値である。すなわち、上述したように本実施形態においては、端セルCから1セル分中央寄りに断熱セル4を設けている関係上(図1参照)、当該断熱セル4を挟んだ箇所で検出されるセル電圧値はその影響を受けるから、当該影響を考慮した補正値をあらかじめ設定することとしている。より詳しくは、断熱セル4が介在した箇所ではIRドロップ(断熱セル4の抵抗による電圧降下)が生じるため、その影響でセル電圧が低下して正確な値を算出することが困難なのが一般的である。この点、本実施形態においては適宜補正を行うことによってセル電圧を正確に算出することを可能としている。例えば、負極(つまり燃料極)側の端セル(総マイナスセル)CNから1セル分だけ正極(空気極)寄りに断熱セル4が設けられている場合、当該総マイナスセルCNと次のセルCN-1との間の電圧センサSによって検出されたセル電圧は、接触抵抗による低下分を補正することによってより正確な値を算出することが可能となる(図3参照)。このような補正値は、少なくとも断熱セル4の影響を受ける箇所のセル電圧値についてセルCnとの対比でマッピングされている。
また、上述した補正値を設定するにあたっては、各種パラメータを適宜用いて接触抵抗によるセル電圧の低下分を予測することが好ましい。例えば、断熱セル4の特性として、クリープ時間(クリープ現象を生じさせうる荷重が作用している時間)が経つにつれて接触抵抗が増えることが挙げられる(図4参照)。そこで、燃料電池1が例えば車両(燃料電池車)に搭載されるのであれば、当該車両の走行時間をパラメータとして接触抵抗による低下分を予測し、当該予測した低下分を補正してセル電圧を算出することができる。あるいは、当該燃料電池1が搭載された車両の走行距離をパラメータとして接触抵抗による低下分を予測することもできる。さらには、車両に搭載されるか否かにかかわらず、当該燃料電池1の温度をパラメータとして接触抵抗による低下分を予測し、当該予測した低下分を補正してセル電圧を算出することとしてもよい。すなわち、電圧センサSによって検出したセル電圧値をE、時間(走行距離に応じて得られる時間を含む)をt、温度をTとおけば、補正後のセル電圧値E’は
E’=E+IR(t,T)
で表される数式(ただしI,Rは断熱セル3における電圧降下分の計算に用いられる電流および抵抗値)で求めることができる。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば図1および図3においては端セルCから1セル分中央寄りに断熱セル4が設けられている燃料電池1を示したが、これは断熱層の一形態例に過ぎず、これ以外の箇所に断熱セル4等が設けられている場合にも本発明を適用してセル電圧値を正確に算出することが可能である。
本実施形態における燃料電池の構造例を示す側面図である。 燃料電池システム(セル電圧算出装置)の構成例を示すブロック図である。 断熱層(断熱セル)が設けられたセル積層体の一部を概略的に示す図である。 クリープ時間に対応する接触抵抗の変化の概略例を示す断熱セルの特性図である。
符号の説明
1…燃料電池、3…セル積層体、4…断熱セル(断熱層)、10…断熱部材(断熱層)、11…燃料電池システム(セル電圧算出装置)、21…CPU(補正手段)、24…EEPROM(メモリ)、C…発電セル(セル)、S…電圧センサ

Claims (6)

  1. 燃料電池を構成するセル積層体における各セルの電圧を算出するためのセル電圧算出方法において、
    前記セル積層体に断熱層が形成されている場合に、算出対象とするセルのセル電圧を、前記断熱層の接触抵抗による低下分を補正して算出する
    ことを特徴とする燃料電池におけるセル電圧算出方法。
  2. 前記セル積層体の端セルから1セル分中央寄りに前記断熱層が形成されている場合のセル電圧算出に適用される請求項1に記載の燃料電池におけるセル電圧算出方法。
  3. 当該燃料電池が搭載された車両の走行時間をパラメータとして前記接触抵抗による低下分を予測し、当該予測した低下分を補正して前記セル電圧を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池におけるセル電圧算出方法。
  4. 当該燃料電池が搭載された車両の走行距離をパラメータとして前記接触抵抗による低下分を予測し、当該予測した低下分を補正して前記セル電圧を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池におけるセル電圧算出方法。
  5. 当該燃料電池の温度をパラメータとして前記接触抵抗による低下分を予測し、当該予測した低下分を補正して前記セル電圧を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池におけるセル電圧算出方法。
  6. 燃料電池を構成するセル積層体における各セルの電圧を算出するためのセル電圧算出装置において、
    前記各セルの電圧を検出する電圧センサと、
    該電圧センサによって検出された前記各セルの電圧値に対応する補正値を格納するメモリと、
    該メモリに格納された当該補正値を参照し、前記電圧センサによって検出された電圧値に所要の補正を行う補正手段と、
    を備え、
    前記補正手段は、前記セル積層体に断熱層が形成されている場合に、算出対象とするセルのセル電圧を、前記断熱層の接触抵抗による低下分を補正して算出するものである
    ことを特徴とする燃料電池におけるセル電圧算出装置。
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