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JP2008186507A - 光情報記録媒体 - Google Patents

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JP2008186507A
JP2008186507A JP2007018592A JP2007018592A JP2008186507A JP 2008186507 A JP2008186507 A JP 2008186507A JP 2007018592 A JP2007018592 A JP 2007018592A JP 2007018592 A JP2007018592 A JP 2007018592A JP 2008186507 A JP2008186507 A JP 2008186507A
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一平 前川
Tomoji Kobayashi
智司 小林
Hidenori Somei
秀徳 染井
Eiji Yamada
英二 山田
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

【課題】比較的低いパワーのレーザ光照射で高コントラストの描画を行うことが可能な光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】第1の透光性基板11と、第1の透光性基板の一方の面側に記録層12と半透過反射層13と反射層15と色素層17と保護層19とをこの順に有し、第1の透光性基板の他方の面側から前記記録層にレーザ光を照射することにより情報を記録及び/又は再生可能な光情報記録媒体20であって、色素層17は前記反射層15に隣接して設けられるとともに、色素層と保護層との間に色素層と隣接して色素層の変形を受容する変形受容層18を備える。このため、隣接する反射層からの伝熱に色素層が容易に変形して開口を生じることができるので、低いパワーのレーザ光照射においても高コントラストの視覚イメージを描画できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディスク状の光情報記録媒体に関し、レーベル面側から視認可能な描画をレーザ光照射によって形成することができる光情報記録媒体に関する。
CD−R、DVD±R、ブルーレイディスク等のディスク状の光情報記録媒体においては、透光性基板の一方の面側に記録層及び反射層を形成した構造を有し、前記基板の他方の面側からレーザ光が照射されて前記記録層にデータ記録されるように構成されている。また、前記光情報記録媒体のレーザ光が照射される面と反対側の面は、通常レーベル面として利用されており、その表面に文字、記号、図形、模様またはこれらの組合せ等が印刷等により表示される。
このような光情報記録媒体として、前記表示をレーザ光照射により行うものが各種提案されている。例えば特許文献1には、レーベル面側にレーザ光照射によって描画が可能な領域(層)を形成した光情報記録媒体が提案されている。具体的には、透明な第1の基板の一方の面側に誘電体層、記録層、誘電体層、反射層を順次成膜し、さらに反射層の上に貼り合わせ接着層によって第2の基板を貼り合わせ、第2の基板の表面には第2の反射層、中間層、可視光特性変化層、保護層が順次積層されている。上記記録層へのデータの記録は第1の基板の他方の面側からレーザ光を記録層に照射することにより行われ、レーベル面側の画像形成は、レーベル面側からレーザ光を可視光特性変化層に照射することにより行われる。また特許文献2には、データを記録する領域の一部を文字や画像を描画する領域に割り当てるものが提案されている。また、図6に示すように、特許文献3には、光透過性の基板1上に電子情報記録層2、反射層3、保護層4、有機物粒子を含有する可視情報記録層5、及びオーバーコート層6をこの順に有し、レーベル面125側からレーザ光が照射されることによりレーベル面125側から視認可能な描画が施される光情報記録媒体101が提案されている。
特開2002−203321号公報 特開2003−051118号公報 特開2004−247031号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の背景技術においては、描画領域がデータ記録面とは反対側からになるので、描画するときには光情報記録媒体を裏返しすることが不可欠であった。また、上記特許文献2に記載の背景技術においては、データ記録領域の一部を描画に用いるため、データ記録と描画が干渉しないようにする必要があり、データ記録領域及び描画領域が制限されるという課題があった。また、上記特許文献3に記載の背景技術においては、有機物粒子の加熱溶融により透明化させるために、加熱温度のバラツキにより透明化の程度が変動しやすく、コントラストの高い描画が安定して得られにくいという課題があった。
本発明の目的は、上記課題を解決して、低いパワーのレーザ光照射においても高コントラストの視覚イメージの描画を行うことが可能な光情報記録媒体を提案するものである。
前記目的を達成するため、本発明の光情報記録媒体は、(1)第1の透光性基板と、該第1の透光性基板の一方の面側に記録層と半透過反射層と反射層と色素層と保護層とをこの順に有し、前記第1の透光性基板の他方の面側から前記記録層にレーザ光を照射することにより情報を記録及び/又は再生可能な光情報記録媒体において、前記色素層は前記反射層に隣接して設けられるとともに、前記色素層と前記保護層との間に前記色素層と隣接して該色素層の変形を受容する変形受容層を備えるものである。(・・・以下、本発明の第1の課題解決手段と称する。)
また、上記光情報記録媒体の主要な形態の一つは、(2)前記変形受容層は、前記保護層よりも低い融点を有する透明樹脂材料からなるものである。(・・・以下、本発明の第2の課題解決手段と称する。)
また、上記光情報記録媒体の他の主要な形態の一つは、(3)前記色素層はレーザ光照射による隣接する反射層の発熱により分子構造の変化なしに溶融し、変形するものである。(・・・以下、本発明の第3の課題解決手段と称する。)
また、上記光情報記録媒体の他の主要な形態の一つは、(4)前記色素層はレーザ光照射による隣接する反射層の発熱により前記色素層中の有機物が溶融して該色素層を貫通する開口を生じることにより可視情報が記録されるものである。(・・・以下、本発明の第4の課題解決手段と称する。)
また、本発明の光情報記録媒体の他の主要な形態の一つは、(5)前記色素層は発熱物質を含有し、レーザ光照射による隣接する反射層の発熱により前記色素層中の発熱物質が発熱するものである。(・・・以下、本発明の第5の課題解決手段と称する。)
また、本発明の光情報記録媒体の他の主要な形態の一つは、(6)前記色素層はロイコ化合物からなる発色剤と顕色剤とを含有するものである。(・・・以下、本発明の第6の課題解決手段と称する。)
また、本発明の光情報記録媒体の他の主要な形態の一つは、(7)前記半透過反射層と前記反射層との間に透明な中間層(接着剤層及び/又は第2の透光性基板)を有するものである。(・・・以下、本発明の第7の課題解決手段と称する。)
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記色素層は前記反射層に隣接して設けられるとともに、前記色素層と前記保護層との間に前記色素層と隣接して該色素層の変形を受容する変形受容層を備えるので、熱により色素層が容易に変形して開口を生じさせることができるので、低いパワーのレーザ光照射においても高いコントラストの視覚イメージを描画することができる。
また、上記第2の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記変形受容層は、前記保護層よりも低い融点を有する透明樹脂材料からなるので、前記レーザー光照射により前記変形受容層に前記色素層とともに変形を生じても前記保護層に影響を及ぼすことがない。このため、レーベル面の傷付きや劣化を防止しつつ、保護層に変形を与えるような大きなパワーのレーザ光を照射しなくとも前記色素層に該色素層を厚み方向に貫通する開口を生じさせることができる。
また、上記第3の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記色素層はレーザ光照射による隣接する反射層の発熱により分子構造の実質な変化なしに溶融し、変形するので、より低いパワーのレーザ光照射で描画することができる。
また、上記第4の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記色素層はレーザ光照射による隣接する反射層の発熱により前記色素層中の有機物が溶融して該色素層を貫通する開口を生じることにより可視情報が記録されるので、加熱温度にバラツキが生じた場合であっても、高いコントラストの描画を得ることができる。
また、上記第5の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記色素層は発熱物質を含有し、レーザ光照射による隣接する反射層の発熱により前記色素層中の発熱物質が発熱するので、レーザー光照射により隣接する反射層から供給された熱に比較してより大きな発熱を得ることができるので、より低いレーザーパワーで描画することができる。
また、上記第6の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記色素層はロイコ化合物からなる発色剤と顕色剤とを含有するので、低いレーザーパワーであっても高いコントラストの描画を得ることができる。
また、上記第7の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記半透過反射層と前記反射層との間に透明な中間層(接着剤層及び/又は第2の透光性基板)を有するので、反射膜に描画記録用のレーザ光を照射する際に、データ記録部に影響が及ぶのを防止することができる。
本発明の光情報記録媒体によれば、低いパワーのレーザ光照射であっても前記色素層中の有機物が溶融して該色素層を貫通する開口を生じるために、高コントラストの視覚イメージを描画することができる。本発明の前記目的とそれ以外の目的、構成特徴、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなろう。
以下、本発明の光情報記録媒体の第1の実施形態について、図1を参照して説明する。図1は第1の実施形態の光情報記録媒体20の内部構造を示す部分拡大断面図である。
図1に示すように、本実施形態の光情報記録媒体20は、データ記録部Aと描画記録部Bとが接着剤層21により貼り合わされた構造を有する。
具体的には、第1の透光性基板11と、該第1の透光性基板11の一方の面側に記録層12と半透過反射層13と反射層15と色素層17と保護層19とをこの順に有し、前記第1の透光性基板11の他方の面側から前記記録層12にレーザ光を照射することにより情報を記録及び/又は再生可能な光情報記録媒体20であって、前記色素層17は前記反射層15に隣接して設けられるとともに、前記色素層17と前記保護層19との間に前記色素層17と隣接して該色素層17の変形を受容する変形受容層18を備えるものである。より具体的には、前記データ記録部Aは、中心に孔を有し一方の面にデータ記録及び/又は再生時のトラッキングガイド用の螺旋状溝22が設けられた円環状の第1の透光性基板11と、該第1の透光性基板11の一方の面側にデータ記録層12と半透過反射層13とをこの順に有する。また、前記描画記録部Bは、中心に孔を有し一方の面に描画記録時のトラッキングガイド用の螺旋状溝23が設けられた円環状の第2の透光性基板14と、該第2の透光性基板14の前記一方の面側に反射層15と色素層17と変形受容層18と保護層19とをこの順に有する。
また、本実施形態の光情報記録媒体20は、前記変形受容層18が前記保護層19よりも低い融点を有する透明樹脂材料からなる。
また、本実施形態の光情報記録媒体20は、前記色素層17がレーザ光照射による隣接する反射層15の発熱により分子構造の実質な変化なしに溶融し、変形する。
また、本実施形態の光情報記録媒体20は、前記色素層17がレーザ光照射による隣接する反射層15
の発熱により前記色素層17中の有機物が溶融して該色素層17を貫通する開口Oを生じることにより可視情報が記録される。
また、本実施形態の光情報記録媒体20は、前記色素層17がロイコ化合物からなる発色剤と顕色剤とを含有する。
また、本実施形態の光情報記録媒体20は、前記半透過反射層13と前記反射層15との間に透明な中間層を有する。具体的には、該中間層は接着剤層21及び/又は第2の透光性基板14である。本実施形態の光情報記録媒体20は、前記第2の透光性基板14上に反射層15、色素層17と保護層19とをこの順に有し、レーベル面側からは透明な保護層19を通して色素層17を望むことができる。
次に、上記第1の透光性基板11の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記第1の透光性基板11としては、例えばポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂等を用いることができ、ポリカーボネート系樹脂が透明性が高いためより好ましい。上記第1の透光性基板11の形成は、射出成形等の方法で所定の形状(光ディスクならドーナツ形状)の基板に成形されたものが好ましい。また、該基板の成形と同時に該基板の一方の面にデータ記録及び/又は再生時のトラッキングガイド用の螺旋状溝が設けられることが好ましい。また、これに限るものではなく、例えば紫外線硬化性樹脂を用いて、基台上に塗布し塗膜を硬化させて用いることもできる。
次に、上記データ記録層12の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記データ記録層12としては、有機色素を含むものであり、所定の波長のレーザ光の照射によりピットが形成されデータが記録される。前記有機色素としてはフタロシアニン、シアニン、アゾ系色素が好ましい。該記録層12には、色素層17を発熱させるレーザ光と同じかまたは異なる波長のレーザ光の照射により音楽や画像、コンピュータプログラム等のデータ情報を記録及び/又は再生することができる。上記データ記録層12は、上記第1の透光性基板11の一方の面側に上記螺旋状溝22を被覆するように、スピンコート法等により塗布形成されることが好ましい。
次に、上記半透過反射層13の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記半透過反射層13としては、上記第1の透光性基板11側から照射されたデータの記録および/または再生用のレーザ光を反射し、上記第1の透光性基板11側から照射された描画の記録用のレーザ光を通過させるものであり、金属(例えばAg,Ag合金、Al等)膜もしくは屈折率の異なる酸化膜を積層させた誘電体多層膜が用いられる。上記半透過反射層13は、上記データ記録層12上に該記録層12を被覆するように例えば蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、等により形成することができる。中でも、量産性、コストの面からスパッタリング法が特に好ましい。DVDのデータ記録用レーザ光の反射率および描画記録用レーザ光の透過率をより高めるため、金属膜の材質や厚みを制御した誘電体多層膜を適宜選択して用いることが好ましい。また、上記半透過反射層13と上記データ記録層12は、DVD+RのDual規格におけるL0層に相当する構成で実現することもできる。
次に、上記透明な中間層の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記透明な中間層としては、接着剤層21及び又は第2の透光性基板14により構成することが好ましい。上記透明な中間層の厚さは、前記第1の透光性基板11側から照射されるデータの記録及び/又は再生用のレーザ光と前記第1の透光性基板11側から照射される描画記録用のレーザ光との焦点距離による識別を容易するために、使用されるレーザ光に応じて適宜設定することが好ましい。
次に、上記接着剤層21の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記接着剤層21としては、上記中間層を接着剤層21と第2の透光性基板14とで構成する場合に、前記半透過反射層13と前記第2の透光性基板14とを接着する役割を果たすもので、エポキシ系接着剤及びアクリル系接着剤等が好ましく、スピンコート法等により形成されることが好ましい。
次に、上記第2の透光性基板14の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記第2の透光性基板14としては、前記第1の透光性基板11と同じ材質を用いることができる。これによりDVD−Rの貼り合わせ工程を流用して第1の透光性基板11上に作成したデータ記録部Aと第2の透光性基板14上に形成した描画記録部Bとを一体化できる。また第2の透光性基板14は、データ記録部Aの記録層12と描画記録部Bの反射層15との距離を確保する役割を果たす。このため、例えば該第2の透光性基板14の厚みは、レーザ光入射面である第1の透光性基板11から保護層19までの距離が例えばCD−R規格相当になるように調整することにより、データ記録部Aの記録層12および描画記録部Bの発熱層17に照射される各々のレーザ光が独立して良好に集光できる。また、レーザ光照射によりデータ記録部Aの記録層12および描画記録部Bの反射層17のそれぞれで発せられる熱の影響を分離することができる。また、上記第2の透光性基板14の一方の面には描画記録時のトラッキングガイド用の螺旋状溝23が設けられることが好ましい。
次に、上記反射層15の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記反射層15としては、例えばAu,Al,Ag,Cu,Ti,Cr,Ni,Pt等の金属を単独あるいは合金にして用いることが可能である。中でも、Ti、Niは熱伝導性が低く上記反射層として適する。上記反射層15は、上記第2の透光性基板14上に例えば蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、等により形成することができる。中でも、量産性、コストの面からスパッタリング法が特に好ましい。この反射層15に照射されたレーザ光のうち一部を反射して光記録装置に返すことにより、描画記録時の安定なフォーカス制御を可能にする。また、該反射層15は、この反射層15に照射されたレーザ光のうち一部を吸収して発熱し、発生した熱を該反射層15に隣接する色素層17に伝導させる。また、上記反射層15は、前記第2の透光性基板14の一方の面に描画記録時のトラッキングガイド用の螺旋状溝23が設けられている場合においては、該螺旋状溝23を被覆するように形成されることが好ましい。
次に、上記色素層17の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記色素層17としては、ロイコ化合物等の発色剤と顕色剤とを含有するアモルファス構造を有するものが好ましく、溶融した際に反射層15からの表面張力によるはじきが良好に生じるためには、ロイコ化合物からなる発色剤と顕色剤とを含有するものがより好ましい。また、上記色素層17の厚みは、200nm以下が好ましく、100nm程度がより好ましい。また、上記色素層17の形成は、前記反射層15上にスピンコート法により塗布して塗膜を形成するのが好ましい。また、上記色素層17としては、150℃前後の比較的低温で該色素層中の有機物が溶融するものが好ましい。該色素層17は、前記第1の透光性基板11側から照射された前記描画の記録用のレーザ光の一部を吸収して発熱した反射層からの熱伝導により溶融し、前記反射層15の表面張力等により該反射層表面からはじかれて開口を生じるように変形する。また、上記色素層は、発熱物質を含有し、レーザ光照射による隣接する反射層の発熱により前記色素層中の発熱物質が発熱するものであってもよい。前記色素層に含有させる発熱物質としては、物質の元の状態からレーザ光照射により隣接する前記反射層の発熱により活性化状態となって反応が生じ、これに伴って熱を発する物質が好ましく、例えば、アゾ化合物、アクリル系化合物、メタクリル系化合物、不飽和炭化水素化合物等が好ましい。
次に、上記変形受容層18の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記変形受容層18としては、保護層19よりも低い融点を有する透明樹脂材料からなるものが好ましい。具体的には、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリエステル等が好ましい。上記変形受容層18の厚みは100nm〜1500nmが好ましい。また、該変形受容層18は、前記色素層17上にスピンコート法により塗布して塗膜を形成するのが好ましい。また、上記変形受容層18は、前記保護層19に比べてその表面硬度が低いものが好ましい。また、上記変形受容層18は、前記保護層19に比べて弾力性に富むものが好ましい。また、上記変形受容層18として、多数の空隙を有するものを用いることもできる。上記変形受容層18は、上記色素層17中の有機物が熱により溶融した際に、該色素層17の変形を受容する。このため、該色素層17中の有機物が溶融し、前記反射層15の表面張力等により該反射層表面からはじかれて該色素層17を厚み方向に貫通する開口を生じるように変形するのを受容し、該色素層17の変形により生じた開口を上記透明な樹脂材料からなる変形受容層18で埋めるように働く。これにより、上記色素層17には、前記記録層12にデータ記録される音楽情報、画像情報、プログラム等に対応するタイトルやインデックス等を高いコントラストで視認可能な描画情報として記録することができる。また、上記変形は、開口を有するものに限定するものではなく、例えば、前記描画記録用に照射されるレーザ光のパワーを調整することにより、前記色素層17の表面の前記開口と異なる位置に凹凸を生じさせることができる。これにより、前記開口に基づく高いコントラストの描画中に前記凹凸に基づく中間トーンを設けることができる。上記色素層17の開口や凹凸等の変形は、該色素層17に隣接して変形受容層18が存在することにより可能となる。
次に、上記保護層19の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記保護層19としては、アクリル系紫外線硬化樹脂や溶剤可溶型高分子樹脂等の透明樹脂で構成され、前記色素層17や変形受容層18を有するレーベル面側の劣化等を防ぐ。また、上記保護層19は、前記変形受容層18を被覆するようにスピンコート法等により形成されることが好ましい。
次に、本実施形態の光情報記録媒体20の描画記録のメカニズムについて、図2を用いて説明する。図2は第1の実施形態の光情報記録媒体20の部分拡大断面図であり、図2(a)は描画記録用のレーザ光の照射前の状態を示し、図2(b)は描画記録用のレーザ光の照射により開口Oが生じた状態を示し、図2(c)はさらに描画記録用レーザ光を調整して前記開口Oに隣接して凹凸Rが生じた状態を示すものである。
本実施形態の光情報記録媒体20は、図2(a)に示されるように、描画記録部Bの第2の透光性基板14の一方の面側に反射層15とこれに隣接する変形受容層18と保護層19とをこの順に有する。そして、描画記録用のレーザ光が前記第1の透光性基板11の他方の面側からデータ記録層12、半透過反射層13、透明な接着剤層21、第2の透光性基板14をそれぞれ透過して前記反射層15に照射され、該反射層15が発熱する。該反射層15の発熱した部分からの熱が隣接する前記色素層17に伝導され、該色素層17が加熱されて該色素層17中の有機物である発色剤と顕色剤が溶融し、前記反射層15の表面ではじかれて前記色素層17に隣接する変形受容層18側に一部が突出するようにして開口を伴う変形が生じる。また、このとき、該色素層17の変形と並行して前記開口Oの内部に前記変形受容層18の一部が侵入する。このように、上記色素層17に開口Oを伴う変形を生じるので、開口部Oにおいてはレーベル面側から侵入した可視光が前記反射層15で反射され、周囲の前記色素層17が存在する部分と比較して明度の高い反射光が得られ、高コントラストの描画が形成される。
また、本実施形態の光情報記録媒体20は、前記描画記録用の
レーザ光のパワーを抑制する、もしくはレーザ光の照射時間を短縮することにより、図2(c)に示すように、前記色素層17の表面を凹凸にして該色素層の厚みが部分的に薄くなる凹凸Rを設けることもでき、これによれば、前記高コントラストの描画に加えて、中間トーンの領域を設けることができる。
尚、データ記録部Aの記録層12に照射されるデータ記録用レーザ光と描画記録部Bの反射層15に照射される描画記録用レーザ光は、焦点距離が異なるので、同じ波長のレーザ光を用いても、光記録装置の焦点制御によって互いに干渉しないようにすることができる。また、データ記録部Aの記録層12に照射されるデータ記録用レーザ光と描画記録部Bの反射層15に照射される描画記録用レーザ光の光吸収特性(吸光度)を異ならせても良い。具体的には、前記吸光度のピーク差が75nm、好ましくは100nm、より好ましくは125nmとしても良い。例えば、DVDであれば、記録用のレーザ光の波長は一般的に660nm前後であるから、描画記録用のレーザ光の波長は785nmのものが使用可能である。
また、DVD±RとCD−Rとの両方に記録できる光記録装置、所謂マルチドライブでは、DVD±R用のレーザ光源とCD−R用のレーザ光源との両方の光源を具備したものがある。このようなマルチドライブを用いる場合、両方の光源を利用することによりデータ記録部Aの記録層12へのデータ記録と同時に描画記録部Bの反射層15へのレーザ照射が可能になる。このようなことは、図示省略した光記録装置を制御するソフトウェアによって実施することが可能となる。
次に、本実施形態の光情報記録媒体20の描画記録の他の例について、図3を参照して説明する。図3は本実施形態の光情報記録媒体20の描画記録の他の例を説明するための部分拡大断面図である。
本実施形態の光情報記録媒体20の上述した描画記録においては、前記第1の透光性基板11の他方の面側から描画記録用のレーザ光を照射したが、本実施形態の光情報記録媒体20の描画記録はこれに限定するものではない。例えば、図3に示すように、描画記録部Bのレーベル面側から描画記録用のレーザ光を照射することにより、保護層19、変形受容層18及び色素層17を透過した前記レーザ光の一部が前記反射層15にて吸収され、該反射層15が発熱して隣接する色素層17にその熱が伝導される。これにより、前記と同様に該色素層17に開口Oを伴う変形が生じ、高コントラストの描画が得られる。
次に、本発明の第2の実施形態の光情報記録媒体40について、図4を参照して説明する。図4は第2の実施形態の光情報記録媒体40の内部構造を説明するための部分拡大断面図である。
本実施形態の光情報記録媒体40は、図4に示すように、データ記録部Aと描画記録部Bとが接着剤層41により貼り合わされた構造を有する。
具体的には、第1の透光性基板31と、該第1の透光性基板31の一方の面側に記録層32と半透過反射層33と反射層35と色素層37と保護層39とをこの順に有し、前記第1の透光性基板31の他方の面側から前記記録層32にレーザ光を照射することにより情報を記録及び/又は再生可能な光情報記録媒体40であって、前記色素層37は前記反射層35に隣接して設けられるとともに、前記色素層37と前記保護層39との間に前記色素層37と隣接して該色素層37の変形を受容する変形受容層38を備えるものである。より具体的には、前記データ記録部Aは、一方の面にデータ記録及び/又は再生時のトラッキングガイド用の螺旋状溝42が設けられた第1の透光性基板31と、該第1の透光性基板31の一方の面側にデータ記録層32と半透過反射層33とをこの順に有する。また、前記描画記録部Bは、一方の面に描画記録時のトラッキングガイド用の螺旋状溝43が設けられた第2の透光性基板34と、該第2の透光性基板34の前記一方の面側に反射層35と色素層37と変形受容層38と保護層39とをこの順に有する。
また、本実施形態の光情報記録媒体40は、前記変形受容層38が前記保護層39よりも低い融点を有する透明樹脂材料からなる。
また、本実施形態の光情報記録媒体40は、前記色素層37がレーザ光照射による隣接する反射層35の発熱により分子構造の実質的な変化なしに熱により溶融し、変形する。
また、本実施形態の光情報記録媒体40は、前記色素層37がレーザ光照射による隣接する反射層35の発熱により前記色素層37中の有機物が溶融して該色素層37を貫通する開口を生じることにより可視情報が記録される。
また、本実施形態の光情報記録媒体40は、前記色素層37が発熱物質を含有し、レーザ光照射による隣接する反射層の発熱により前記色素層37中の発熱物質が発熱する。
また、本実施形態の光情報記録媒体40は、前記色素層37はロイコ化合物からなる発色剤と顕色剤とを含有する。
また、本実施形態の光情報記録媒体40は、前記半透過反射層33と前記反射層35との間に透明な中間層を有する。具体的には、該中間層は接着剤層41及び/又は第2の透光性基板34である。本実施形態の光情報記録媒体40は、前記第2の透光性基板34上に反射層35、色素層37’(発熱物質含有)、変形受容層38と保護層39とをこの順に有し、レーベル面側から透明な保護層39を通して前記色素層37’を望むことができる。
本実施形態の光情報記録媒体40が先の第1の実施形態の光情報記録媒体20と異なる点は、前記色素層37’が発熱物質を含有する点にある。これによれば、レーザ光照射により隣接する反射層35から供給された熱に比較してより大きな発熱を得ることができるので、より低いパワーのレーザ光照射で描画することができる。その他の構成・作用効果は先の第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
次に、本発明の第3の実施形態の光情報記録媒体60について、図5を参照して説明する。図5は第3の実施形態の光情報記録媒体60の内部構造を説明するための部分拡大断面図である。
本実施形態の光情報記録媒体60は、図5に示すように、データ記録部Aと描画記録部Bとが接着剤層61により貼り合わされた構造を有する。
具体的には、第1の透光性基板51と、該第1の透光性基板51の一方の面側に記録層52と半透過反射層53と反射層55と色素層57と保護層59とをこの順に有し、前記第1の透光性基板51の他方の面側から前記記録層52にレーザ光を照射することにより情報を記録及び/又は再生可能な光情報記録媒体60であって、前記色素層57は前記反射層55に隣接して設けられるとともに、前記色素層57と前記保護層59との間に前記色素層57と隣接して該色素層57の変形を受容する変形受容層58を備えるものである。より具体的には、前記データ記録部Aは、一方の面にデータ記録及び/又は再生時のトラッキングガイド用の螺旋状溝62が設けられた第1の透光性基板51と、該第1の透光性基板51の一方の面側にデータ記録層52と半透過反射層53とをこの順に有する。また、前記描画記録部Bは、表面に描画記録時のトラッキングガイド用の螺旋状溝を有さない第2の透光性基板54と、該第2の透光性基板54の前記一方の面側に反射層55と色素層57と変形受容層58と保護層59とをこの順に有する。
また、本実施形態の光情報記録媒体60は、前記変形受容層58が前記保護層59よりも低い融点を有する透明樹脂材料からなる。
また、本実施形態の光情報記録媒体60は、前記色素層57がレーザ光照射による隣接する反射層55の発熱により分子構造の実質な変化なしに溶融し、変形する。
また、本実施形態の光情報記録媒体60は、前記色素層57がレーザ光照射による隣接する反射層の発熱により前記色素層57中の有機物が溶融して該色素層57を貫通する開口Oを生じることにより可視情報が記録される。
また、本実施形態の光情報記録媒体60は、前記色素層57はロイコ化合物からなる発色剤と顕色剤とを含有する。
また、本実施形態の光情報記録媒体60は、前記半透過反射層53と前記反射層55との間に透明な中間層を有する。具体的には、該中間層は接着剤層61及び/又は第2の透光性基板54である。本実施形態の光情報記録媒体60は、前記第2の透光性基板54上に反射層55、色素層57と保護層59とをこの順に有し、レーベル面側から透明な保護層59を通して色素層57を望むことができる。
本実施形態の光情報記録媒体60が先の第1の実施形態の光情報記録媒体20と異なる点は、前記第2の透光性基板54に描画記録時のトラッキングガイド用の螺旋状溝を有さない点である。本実施形態においては、データ記録部の記録・再生時のトラッキングガイド用の螺旋状溝を描画記録時のトラッキングガイド用に併用して位置検出を行うものである。その他の構成・作用効果は先の第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
(変形例)尚、上記各実施形態において、描画記録部Bの反射層を半透過反射層に変更するとともに、レーザ光を吸収して発熱する物質を前記色素層に含有させてもよい。こうすることにより、低いパワーのレーザ光照射で描画をすることができる。レーザ光を吸収して発熱する物質としては、アゾ系色素、シアニン系色素、フタロシアニン系色素等が好ましい。また、描画記録部Bへのレーザ光照射を前記レーベル面側から行うものにおいては、上記と同様に、レーザ光を吸収して発熱する物質を前記色素層に含有させてもよい。こうすることにより、レーベル面側から低いパワーのレーザ光照射で描画をすることができる。
尚、上記実施形態では、DVD±Rディスク構造の光情報記録媒体を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、CD−RやHD−DVD、ブルーレイディスクその他各種の光情報記録媒体に適用することができる。
本発明の光情報記録媒体の第1の実施形態の内部構造を示す部分拡大断面図である。 上記実施形態の光情報記録媒体の描画記録を説明するための部分拡大断面図である。 上記実施形態の光情報記録媒体の描画記録の他の例を説明するための部分拡大断面図である。 本発明の光情報記録媒体の第2の実施形態の内部構造を示す部分拡大断面図である。 本発明の光情報記録媒体の第3の実施形態の内部構造を示す部分拡大断面図である。 背景技術の一例を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
11:第1の透光性基板12:データ記録層13:半透過反射層14:第2の透光性基板15:反射層17:色素層(描画記録層)18:変形受容層19:保護層20:光情報記録媒体21:接着剤層22:螺旋状溝23:螺旋状溝31:第1の透光性基板32:データ記録層33:半透過反射層34:第2の透光性基板35:反射層37’:色素層(発熱物質含有)38:変形受容層39:保護層40:光情報記録媒体41:接着剤層42:螺旋状溝43:螺旋状溝51:第1の透光性基板52:データ記録層53:半透過反射層54:第2の透光性基板55:反射層57:色素層58:変形受容層59:保護層60:光情報記録媒体61:接着剤層62:螺旋状溝A:データ記録部B:描画記録部

Claims (7)

  1. 第1の透光性基板と、該第1の透光性基板の一方の面側に記録層と半透過反射層と反射層と色素層と保護層とをこの順に有し、前記第1の透光性基板の他方の面側から前記記録層にレーザ光を照射することにより情報を記録及び/又は再生可能な光情報記録媒体において、前記色素層は前記反射層に隣接して設けられるとともに、前記色素層と前記保護層との間に前記色素層と隣接して該色素層の変形を受容する変形受容層を備えることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 前記変形受容層は、前記保護層よりも低い融点を有する透明樹脂材料からなることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
  3. 前記色素層はレーザ光照射による隣接する反射層の発熱により分子構造の変化なしに溶融し、変形することを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
  4. 前記色素層はレーザ光照射による隣接する反射層の発熱により前記色素層中の有機物が溶融して該色素層を貫通する開口を生じることにより可視情報が記録されることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
  5. 前記色素層は発熱物質を含有し、レーザ光照射による隣接する反射層の発熱により前記色素層中の発熱物質が発熱することを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
  6. 前記色素層はロイコ化合物からなる発色剤と顕色剤とを含有することを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
  7. 前記半透過反射層と前記反射層との間に透明な中間層(接着剤層及び/又は第2の透光性基板)を有することを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
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