JP4075007B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光情報記録媒体にかかるもので、とくに従来より短波長のレーザー光を用いて高密度の光記録を可能とした光情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からの光情報記録媒体より高密度の光情報記録を行うことが要請されている。
高密度の光情報記録すなわち、大容量で、かつ高転送レートを実現するためには、記録のためのレーザー光のスポットサイズをより小さくするとともに、記録線速度を向上させることが有効である。
レーザー光のスポットサイズを小さくするためには、具体的に、その波長λを従来から使用されている赤色光側より短波長側とする方法、および、光情報記録媒体にレーザー光を集光させるための対物レンズの開口数N.A.を大きくする方法などがある。
【0003】
とくにレーザー光の波長λを短くする方法と、対物レンズの開口数N.A.を大きくする方法との双方を併用することにより、それぞれの方法を単独で適用した場合より、そのスポットサイズをさらに小さくすることができる。
たとえば、光源として、波長λ=400nm帯付近の青紫レーザー光を用いるとともに、開口数N.A.=0.85である対物レンズを用いることにより、さらなる高密度記録化を図ることが理論上可能となる。すなわち、記録密度を上げるためには、(N.A./λ)の値を上げることが必要である。
たとえば、8GBの記録容量を有する光情報記録媒体を得るためには、少なくとも対物レンズの開口数N.A.を0.7以上とするとともに、レーザー光の波長λを680nm以下にすることが必要であることが知られている。
【0004】
図10は、情報記録の高密度化を実現するために提案されている光情報記録媒体の一例を示す概略断面図であって、この光情報記録媒体1は、支持基板2と、光反射層3と、光記録層4と、光透過層5と、を順次積層した構造を有する。
【0005】
支持基板2は、耐衝撃性に優れた、たとえばガラス、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂などからこれを構成し、その厚さとして、たとえば1.2mm程度としてある。
【0006】
光反射層3は、レーザー光を全反射可能な金、銀、銅、アルミニウム、あるいはこれらを含む合金その他の金属を、蒸着法、スパッタ法等の手段により成膜してこれを構成し、その厚さは、たとえば50〜100nm程度である。
なお、光記録層4自体の特性により支持基板2との間の層界において所定レベルの反射率を得ることができれば、この光反射層3は必ずしも必要ではない。
【0007】
光記録層4は、レーザー光を吸収して、光情報を記録可能な層である。すなわち、光記録層4は光吸収性の物質(光吸収物質)からなる層で、レーザー光を照射することにより、発熱、溶融、昇華、変形または変性をともなう層である。この光記録層4は、たとえば溶剤により溶解したシアニン系色素等を、スピンコート法等の手段により、光反射層3の表面に一様にコーティングすることによってこれを形成する。
光記録層4を構成するために用いる材料は、任意の光記録材料を採用することができるが、光吸収性の有機色素が望ましい。光記録層4の厚さは、たとえば50〜100nm程度である。
【0008】
光透過層5は、光記録層4を外部から保護するとともに、この表面(主面)側から対物レンズ6を介してレーザー光7を照射することにより光記録層4に光記録およびその再生を行うための透明基材であって、基板2と同様の耐衝撃性に優れているとともに、たとえば紫外線硬化性樹脂などをスピンコート法により塗布し、これに紫外線を照射して硬化させることによりこれを形成する。
光透過層5の厚さは、たとえば100μm程度である。
とくに、記録光として、現状の赤色レーザーから青色レーザーまで対応する光情報記録媒体1について考慮すると、光透過層5の厚さは、10〜177μmであることが望ましい。
【0009】
基板2と光反射層3とは、第1の層界8により互いに接している。
光反射層3と光記録層4とは、第2の層界9により接している。
光記録層4と光透過層5とは、第3の層界10により接している。
【0010】
こうした構成の光情報記録媒体1において、従来より高密度の光情報記録を行うために、より短い波長のレーザー光7およびより大きな開口数N.A.の対物レンズ6を用いた場合には、その集光距離がより短くなるため、厚さが比較的厚い支持基板2側からのレーザー光7の照射では、光記録層4に記録用および再生用に必要なレーザースポットを集光することが困難であるため、厚さがより薄い光透過層5側から光記録層4にレーザー光7を直接照射することになる。
【0011】
しかして、光情報記録媒体1を作成する際に、この光記録層4が有機色素の膜である場合、その上に光透過層5を積層するためには、光記録層4を成膜した上に光透過層5の材料である紫外線硬化樹脂をスピンコートする必要があるが、有機色素の光記録層4に液状の紫外線硬化樹脂を直接積層すると、硬化が完了する前の液状の状態における紫外線硬化樹脂に光記録層4が溶解してしまう結果、光記録層4の成膜を適正に行うことができず、光記録への悪影響が考えられるという問題がある。
【0012】
図11は、光情報記録媒体1における光透過層5を作成するためのスピンコートの工程を示す断面図、図12は、スピンコートを終了した状態の断面図であって、支持基板2には、その周方向にスパイラル状にトラッキング用のプリグルーブ11およびその左右のランド12を形成してある。
光反射層3および光記録層4もこれらのプリグルーブ11およびランド12の形状に合わせて凹凸形状をなし、プリグルーブ11あるいはランド12における光記録層4にピット13を形成可能となっている。
【0013】
図11に示すように、成膜した光記録層4には、液状の紫外線硬化樹脂5Aを塗布するため、この液状の紫外線硬化樹脂5Aと光記録層4とが直接接触することになる。
したがって、光記録層4と光透過層5との間の第3の層界10において光記録層4が溶解し、液状の紫外線硬化樹脂5Aの滴下部位から抜けたり、スピンコート法におけるその回転によって外周方向に振り切られてゆく液状の紫外線硬化樹脂5Aとともに、溶解した光記録層4の材料(有機色素)が外周方向に流れ出す現象が発生し、図12に示すように、紫外線を照射することにより液状の紫外線硬化樹脂5Aを硬化させたときに、光記録層4と光透過層5との間には判然としない第3の層界10Aが形成されることになる。
すなわち、光記録層4および光透過層5の形成が適正に行われず、レーザー光7によるピット13の記録および再生に悪影響を及ぼすという問題がある。
【0014】
さらに、光透過層5の形成方法としては、上述のようなスピンコート法による方法のほかに、光記録層4の上に接着層を介してシート状の光透過性の材料膜を貼り合わせる方法もある。
図13は、光記録層4の上に接着層14を介してシート状の光透過性の材料膜15を貼り合わせる工程を示す断面図、図14は、貼り合わせを終了した状態の断面図であって、成膜した光記録層4上に、接着層14を塗布するため、接着層14と光記録層4とが直接接触することになる。
【0015】
したがって、光記録層4と接着層14との間の第3の層界16において光記録層4が溶解し、接着層14との接触部位から抜けたりする現象が発生して、図14に示すように、光記録層4と光透過層5との間には判然としない第3の層界16Aが形成されることになる。なお、接着層14とシート状の材料膜15との間は、第4の層界17により互いに接している。
すなわち、光記録層4の形成が適正に行われず、レーザー光7によるピット13の記録および再生に悪影響を及ぼすという問題がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、光透過層側から記録光あるいは再生光を照射する構造の光情報記録媒体であって、光透過層の形成時に、その材料あるいは接着層の材料による光記録層の溶解を抑制することができる光情報記録媒体を提供することを課題とする。
【0017】
また本発明は、光記録層および光透過層の成膜を適正に行い、信頼性が高い光情報記録媒体を提供することを課題とする。
【0018】
また本発明は、紫外線硬化樹脂を用いたスピンコート法による光透過層の成膜時に光記録層が溶解して光記録層の形成を阻害されることを防止可能な光情報記録媒体を提供することを課題とする。
【0019】
また本発明は、シート状の材料膜による光透過層の接着時に光記録層が溶解して光記録層の形成を阻害されることを防止可能な光情報記録媒体を提供することを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、光記録層と光透過層との間に光記録層を溶解から保護可能な保護層を設けることに着目したもので、支持基板と、この支持基板上に形成した光記録層と、この光記録層上に形成した光透過層と、を有し、この光透過層側の主面からレーザー光を照射することにより、上記光記録層の情報の再生あるいは記録を行う光情報記録媒体であって、上記光記録層と上記光透過層との間に、光透過性の樹脂からなる保護層を設けたことを特徴とする光情報記録媒体である。
【0021】
上記光記録層は、有機色素からこれを構成することができる。
【0022】
上記光記録層は、シアニン色素あるいはアゾ色素からこれを構成することができる。
【0023】
上記保護層は、紫外線硬化型ウレタンアクリレート、オリゴスチレンあるいはシリコン樹脂からこれを構成することができる。
【0024】
上記支持基板と上記光記録層との間に、光反射層を形成することができる。
【0025】
上記光透過層は、スピンコート法によりこれを形成可能とすることができる。
【0026】
上記光透過層は、シート状の材料膜からこれを構成することができる。
【0027】
上記保護層と上記光透過層との間に、接着層を設けてあることができる。
【0028】
上記接着層は、紫外線硬化性樹脂あるいは粘着性シートからこれを構成することができる。
【0029】
本発明による光情報記録媒体においては、光記録層と光透過層との間に光記録層を溶解から保護可能な保護層を設けたので、光透過層の形成時に、光透過層の材料による光記録層の溶解、あるいはシート状の材料膜から光透過層を形成する場合における接着層の材料による光記録層の溶解を防止し、光記録層および光透過層の成膜を適正に行うことができる。
したがって、光記録層および光透過層を設計とおりに形成可能であり、光透過層側からのレーザー光の照射による記録および再生を信頼性良好に実行し、高密度の光情報記録を実現することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の第1の実施の形態による光情報記録媒体20を図1ないし図3にもとづき説明する。ただし、図10ないし図14と同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。
図1は、光情報記録媒体20の一般的な構成を示す断面図、図2は、光情報記録媒体20における光透過層5を作成するためのスピンコートの工程を示す断面図、図3は、スピンコートを終了した状態の光情報記録媒体20の断面図である。
図1に示すように、光情報記録媒体20は、前述した光情報記録媒体1(図10)と同様に、支持基板2、光反射層3、光記録層4および光透過層5を有するとともに、光記録層4と光透過層5との間に保護層21を形成し、さらに図2および図3に具体的に示すように、支持基板2にプリグルーブ11およびランド12を形成している。
光記録層4と保護層21とは、第3の層界22により互いに接している。
保護層21と光透過層5とは、第4の層界23により互いに接している。
【0031】
光透過層5を形成するための液状の紫外線硬化樹脂5Aとして紫外線硬化型ウレタンアクリレートその他任意の紫外線硬化樹脂を採用し、スピンコート法により光記録層4(保護層21)上に光透過層5を積層形成している。
なお、光記録層4としては、シアニン色素、アゾ色素その他の有機色素が好ましい。
【0032】
保護層21の材料としては、光透過層5と同様に透明であって、光記録層4を溶解することなく、さらに、光透過層5のスピンコートにおいて液状の紫外線硬化樹脂5Aに溶解しない材料、たとえば紫外線硬化型ウレタンアクリレート、オリゴスチレンあるいはシリコン樹脂などから選択するものとする。
【0033】
また、支持基板2および光透過層5の半径を、光反射層3および光記録層4さらには保護層21を形成する半径より大きくすることにより、支持基板2および光透過層5を互いの外周部で直接接触して接着可能として、支持基板2および光透過層5の接着性を高めることもできる。
【0034】
こうした構成の光情報記録媒体20とすることにより、図2に示すように液状の紫外線硬化樹脂5Aを光記録層4に塗布し、スピンコートしても、光記録層4を保護層21が保護しているので、液状の紫外線硬化樹脂5Aと光記録層4とが直接接触することはなく、光記録層4の有機色素が液状の紫外線硬化樹脂5Aに溶解することがない。
もちろん、保護層21の材料による光記録層4の溶解もない。
さらに、紫外線を照射することにより液状の紫外線硬化樹脂5Aを硬化させれば、図3に示すように、光記録層4と保護層21との間の第3の層界22を明確に形成することができ、レーザー光7による記録および再生を正しく行うことができる。
【0035】
つぎに図4は、本発明の第2の実施の形態による光情報記録媒体30の一般的な構成を示す断面図、図5は、光情報記録媒体30の光透過層5を作成するため、光記録層4の上に接着層14を介してシート状の光透過性の材料膜15を貼り合わせる工程を示す断面図、図6は、貼り合わせを終了した状態の光情報記録媒体30の断面図である。
図4に示すように、光情報記録媒体30は、前述した光情報記録媒体20(図1)と同様に、支持基板2、光反射層3、光記録層4および光透過層5を有するとともに、光記録層4と光透過層5との間に保護層21および接着層14を形成し、かつ光透過層5をシート状の材料膜15から構成し、さらに図5および図6に具体的に示すように、支持基板2にプリグルーブ11およびランド12を形成している。
光記録層4と保護層21とは、第3の層界22により互いに接している。
保護層21と接着層14とは、第4の層界31により互いに接している。
接着層14とシート状の材料膜15(光透過層5)とは、第5の層界32により互いに接している。
【0036】
接着層14としては、透明であるとともに、保護層21および光透過層5を接着可能であることが必要である。たとえば、紫外線硬化性樹脂あるいは粘着性シートなどを採用可能である。
【0037】
光透過層5を形成するためのシート状の材料膜15としては、耐衝撃性に優れた、たとえばポリカーボネート樹脂やポリオレフィン樹脂などを採用し、接着層14により光記録層4に上に光透過層5を積層形成している。
【0038】
こうした構成の光情報記録媒体30とすることによって、図5に示すように、保護層21を光記録層4上に積層し、さらに接着層14およびシート状の材料膜15を積層しても、光記録層4を保護層21が保護しているので、光記録層4と接着層14とが直接接触することはなく、光記録層4の有機色素および接着層14の材料を選択することにより、有機色素が接着層14に溶解することがない。
さらに、接着層14を介してシート状の材料膜15を接着することにより光透過層5を形成すれば、図6に示すように、光記録層4と保護層21との間の第3の層界22を明確に形成することができ、レーザー光7による記録および再生を正しく行うことができる。
【0039】
【実施例】
つぎに本発明による光情報記録媒体の実施例を説明する。
(実施例1)
連続スパイラル状のプリグルーブ11を形成した厚さ1.1mmのポリカーボネート製の支持基板2を射出成形法により成形した。この支持基板2上に金(Au)をスパッタリングし、厚さ100nmの光反射層3を形成した。
この光反射層3の上に、記録色素として、図7に示した構造の有機色素(シアニン色素)による記録層塗布溶液を回転数2000rpmでスピンコートし、厚さ50nmの光記録層4を形成した。
【0040】
この光記録層4の上に、図8に示した構造の紫外線硬化型ウレタンアクリレートを回転数5000rpmでスピンコートし、紫外線を照射して硬化させ、厚さ30nmの保護層21を形成した。
この保護層21の表面に紫外線硬化型アクリレート樹脂(SD661、大日本インキ化学工業(株)製)を塗布し、紫外線を照射して硬化させ、光透過層5を形成して、光情報記録媒体20(図3)を作成した。
【0041】
このようにして得られた光情報記録媒体20について、以下のようにピット13の書き込みを行った。
まず、波長405nmの青色高調波変換レーザーヘッド(開口数N.A.=0.85)を搭載したパルステック工業(株)製の光ディスク評価装置(DDU−1000)を用いて、最短のピット13が0.2μmの信号を、レーザーパワー10mVで記録した。記録後、同評価装置を用いてレーザー出力を0.5mVにして信号を再生し、反射率、エラーレートおよびジッターを測定した結果、いずれも良好な値を示した。
【0042】
(実施例2)
実施例1と同様にして、保護層21まで積層し、この保護層21の上に、厚さ100μmのポリカーボネート製のシート状の材料膜15を紫外線硬化樹脂(SD661、大日本インキ化学工業(株)製)の接着層14により貼り合わせて光透過層5を作成して光情報記録媒体30(図6)とし、実施例1と同様に評価したところ、反射率、エラーレートおよびジッターを測定した結果、いずれも良好な値を示した。
【0043】
(実施例3)
実施例1における図8の紫外線硬化型ウレタンアクリレートに代えて、オリゴスチレン(SP−95、三洋化成工業(株)製)のシクロヘキサン溶液を塗布して保護層21を作成して光情報記録媒体20(図3)とし、実施例1と同様に評価したところ、反射率、エラーレートおよびジッターを測定した結果、いずれも良好な値を示した。
【0044】
(実施例4)
実施例2における図8の紫外線硬化型ウレタンアクリレートに代えて、オリゴスチレン(SP−95、三洋化成工業(株)製)のシクロヘキサン溶液を塗布して保護層21を作成して光情報記録媒体30(図6)とし、実施例1と同様に評価したところ、反射率、エラーレートおよびジッターを測定した結果、いずれも良好な値を示した。
【0045】
(実施例5)
実施例1における図8の紫外線硬化型ウレタンアクリレートに代えて、シリコン樹脂(KR220、信越化学工業(株)製)のイソプロピルエーテル溶液を塗布して保護層21を作成して光情報記録媒体20(図3)とし、実施例1と同様に評価したところ、反射率、エラーレートおよびジッターを測定した結果、いずれも良好な値を示した。
【0046】
(実施例6)
実施例2における図8の紫外線硬化型ウレタンアクリレートに代えて、シリコン樹脂(KR220、信越化学工業(株)製)のイソプロピルエーテル溶液を塗布して保護層21を作成して光情報記録媒体30(図6)とし、実施例1と同様に評価したところ、反射率、エラーレートおよびジッターを測定した結果、いずれも良好な値を示した。
【0047】
(実施例7)
実施例1における図7の記録色素(シアニン色素)に代えて、図9のアゾ色素を用いて、実施例1と同様に、光記録層4を形成した。
この光記録層4の上に、実施例1と同様に、図8に示した構造の紫外線硬化型ウレタンアクリレートによる保護層21まで形成し、保護層21の表面に紫外線硬化型アクリレート樹脂(SD661、大日本インキ化学工業(株)製)を塗布し、紫外線を照射して硬化させ、光透過層5を形成して、光情報記録媒体20(図3)とし、実施例1と同様に評価したところ、反射率、エラーレートおよびジッターを測定した結果、いずれも良好な値を示した。
【0048】
(実施例8)
実施例7と同様にして、保護層21まで積層し、この保護層21の上に、厚さ100μmのポリカーボネート製のシート状の材料膜15を紫外線硬化樹脂(SD661、大日本インキ化学工業(株)製)の接着層14により貼り合わせて光透過層5を作成して光情報記録媒体30(図6)とし、実施例1と同様に評価したところ、反射率、エラーレートおよびジッターを測定した結果、いずれも良好な値を示した。
【0049】
(実施例9)
実施例7における図8の紫外線硬化型ウレタンアクリレートに代えて、オリゴスチレン(SP−95、三洋化成工業(株)製)のシクロヘキサン溶液を塗布して保護層21を作成して光情報記録媒体20(図3)とし、実施例1と同様に評価したところ、反射率、エラーレートおよびジッターを測定した結果、いずれも良好な値を示した。
【0050】
(実施例10)
実施例8における図8の紫外線硬化型ウレタンアクリレートに代えて、オリゴスチレン(SP−95、三洋化成工業(株)製)のシクロヘキサン溶液を塗布して保護層21を作成して光情報記録媒体30(図6)とし、実施例1と同様に評価したところ、反射率、エラーレートおよびジッターを測定した結果、いずれも良好な値を示した。
【0051】
(実施例11)
実施例7における図8の紫外線硬化型ウレタンアクリレートに代えて、シリコン樹脂(KR220、信越化学工業(株)製)のイソプロピルエーテル溶液を塗布して保護層21を作成して光情報記録媒体20(図3)とし、実施例1と同様に評価したところ、反射率、エラーレートおよびジッターを測定した結果、いずれも良好な値を示した。
【0052】
(実施例12)
実施例8における図8の紫外線硬化型ウレタンアクリレートに代えて、シリコン樹脂(KR220、信越化学工業(株)製)のイソプロピルエーテル溶液を塗布して保護層21を作成して光情報記録媒体30(図6)とし、実施例1と同様に評価したところ、反射率、エラーレートおよびジッターを測定した結果、いずれも良好な値を示した。
【0053】
(比較例1)
実施例1における図8の紫外線硬化型ウレタンアクリレートを塗布せずに、すなわち、保護層21を形成せずに、紫外線硬化樹脂(SD661、大日本インキ化学工業(株)製)を塗布して光透過層5を形成しようとしたところ、樹脂の滴下部位に光記録層4の溶解による抜けは見られ、スピンコート終了時にディスク全面に光記録層4の溶解による変色がみられた。
【0054】
(比較例2)
実施例1における図8の紫外線硬化型ウレタンアクリレートを塗布せずに、すなわち、保護層21を形成せずに、紫外線硬化樹脂(DV003、日本化薬(株)製)を塗布して光透過層5を形成しようとしたところ、樹脂の滴下部位に光記録層4の溶解による抜けは見られ、スピンコート終了時にディスク全面に光記録層4の溶解による変色がみられた。
【0055】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、光記録層と光透過層との間に保護層を設けたので、光記録層の光透過層の材料あるいはその接着層による溶解を回避し、良好な特性の光情報記録媒体を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による光情報記録媒体20の一般的な構成を示す断面図である。
【図2】同、光情報記録媒体20における光透過層5を作成するためのスピンコートの工程を示す断面図である。
【図3】同、スピンコートを終了した状態の光情報記録媒体20の断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による光情報記録媒体30の一般的な構成を示す断面図である。
【図5】同、光情報記録媒体30の光透過層5を作成するため、光記録層4の上に接着層14を介してシート状の光透過性の材料膜15を貼り合わせる工程を示す断面図である。
【図6】同、貼り合わせを終了した状態の光情報記録媒体30の断面図である。
【図7】本発明の実施例1〜6、および比較例1、2において光記録層4の記録色素として使用した有機色素(シアニン色素)の構造式である。
【図8】本発明の実施例1、3、5、7、9、11において光透過層5の紫外線硬化樹脂として使用した紫外線硬化型ウレタンアクリレートの構造式である。
【図9】本発明の実施例7〜12において光記録層4の記録色素として使用した有機色素(アゾ色素)の構造式である。
【図10】情報記録の高密度化を実現するために提案されている光情報記録媒体の一例を示す概略断面図である。
【図11】同、光情報記録媒体1における光透過層5を作成するためのスピンコートの工程を示す断面図である。
【図12】同、スピンコートを終了した状態の断面図である。
【図13】光記録層4の上に接着層14を介してシート状の光透過性の材料膜15を貼り合わせる工程を示す断面図である。
【図14】同、貼り合わせを終了した状態の断面図である。
【符号の説明】
1 光情報記録媒体(図10)
2 支持基板
3 光反射層
4 光記録層
5 光透過層
5A 光透過層5を形成するための液状の紫外線硬化樹脂(図11)
6 対物レンズ
7 レーザー光(記録光、再生光)
8 基板2と光反射層3との間の第1の層界
9 光反射層3と光記録層4との間の第2の層界
10 光記録層4と光透過層5との間の第3の層界
10A 光記録層4と光透過層5との間の判然としない判然のしない第3の層界(図12)
11 プリグルーブ
12 ランド
13 ピット
14 接着層
15 シート状の材料膜
16 光記録層4と接着層14との間の第3の層界(図13)
16A 第3の層界16の間の判然としない第3の層界(図14)
17 接着層14とシート状の材料膜15との間の第4の層界(図14)
20 光情報記録媒体(第1の実施の形態、図1、図3)
21 保護層
22 光記録層4と保護層21との間の第3の層界
23 保護層21と光透過層5との間の第4の層界
30 光情報記録媒体(第2の実施の形態、図4、図6)
31 保護層21と接着層14との間の第4の層界
32 接着層14とシート状の材料膜15(光透過層5)との間の第5の層界
Claims (7)
- 支持基板と、
この支持基板上に形成した光記録層と、
この光記録層上に形成した光透過層と、を有し、
この光透過層側の主面からレーザー光を照射することにより、前記光記録層の情報の再生あるいは記録を行う光情報記録媒体であって、
前記光記録層と前記光透過層との間に、光透過性の樹脂からなる保護層を設けるとともに、
この保護層は、これを紫外線硬化型ウレタンアクリレート、オリゴスチレンあるいはシリコン樹脂から構成し、かつ、
前記光記録層は、これを有機色素から構成したことを特徴とする光情報記録媒体。 - 前記光記録層は、シアニン色素あるいはアゾ色素からこれを構成したことを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
- 前記支持基板と前記光記録層との間に、光反射層を形成したことを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
- 前記光透過層は、スピンコート法によりこれを形成可能としたことを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
- 前記光透過層は、シート状の材料膜からこれを構成したことを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
- 前記保護層と前記光透過層との間に、接着層を設けてあることを特徴とする請求項5記載の光情報記録媒体。
- 前記接着層は、紫外線硬化性樹脂あるいは粘着性シートからこれを構成したことを特徴とする請求項6記載の光情報記録媒体。
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