JP2008165222A - 保護膜用熱硬化性組成物、硬化物、tftアクティブマトリックス基板、及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)エチレン性不飽和基を有する化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)HLB値が0.5以上5以下のノニオン性界面活性剤を含有する保護膜用熱硬化性組成物。成分(A)は、アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及びスチレン誘導体を共重合成分として含有するアルカリ可溶性樹脂であり、かつ酸価が80mg−KOH/g以上であることが好ましく、成分(D)は、ケイ素原子含有界面活性剤であり、更に、(E)熱架橋剤を含有することが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明はまた、この保護膜用熱硬化性組成物を用いて形成された硬化物、並びにこの硬化物を有するTFTアクティブマトリックス基板及び液晶表示装置に関する。
即ち、本発明の主たる目的は、均一な膜厚の塗布乾燥膜を形成可能であり、かつ熱硬化後の耐薬品性に優れた保護膜用熱硬化性組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、ハードベーク時の着色がなく、可視光領域での光透過率が良好な保護膜用熱硬化性組成物を提供することにある。更に、本発明の他の目的は、現像時の膨潤が無く、解像性及び基板との密着性に優れた保護層を形成することができる保護膜用熱硬化性組成物を提供することにある。また更に、本発明の他の目的は、そのような保護膜用熱硬化性組成物により形成された硬化物、かかる硬化物を保護膜として備えるTFTアクティブマトリックス基板、及び液晶表示装置を提供することにある。
(A)アルカリ可溶性樹脂
(B)エチレン性不飽和基を有する化合物
(C)光重合開始剤
(D)HLB値が0.5以上5以下のノニオン性界面活性剤
ここで、成分(A)は、アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及びスチレン誘導体を共重合成分として含有するアルカリ可溶性樹脂であり、かつ酸価が80mg−KOH/g以上であることが好ましい(請求項2)。
本実施の形態の保護膜用熱硬化性組成物(以下、単に「熱硬化性組成物」と称することがある。)は、次の(A)〜(D)の各成分を含有する組成物である。
即ち、本実施の形態においては、塗布乾燥膜の膜厚均一性が良好で、かつ耐薬品性に優れた保護膜を形成可能な保護膜用熱硬化性組成物を提供すべく、熱硬化性組成物に含まれる成分(D)のHLB値を一定範囲に規定する。
(A)アルカリ可溶性樹脂
(B)エチレン性不飽和基を有する化合物
(C)光重合開始剤
(D)HLB値が0.5以上5以下のノニオン性界面活性剤
(E)熱架橋剤
(F)接着助剤等のその他成分
(G)紫外線吸収剤等の添加剤
(H)有機溶剤
HLB値とは、界面活性剤の水又は水に不溶性の有機化合物への親和性の程度を表す値であり、本実施の形態における「HLB値」は、グリフィン法による定義の値である。
即ち、HLB値=20×[親水部の式量の総和]/[分子量]で定義する。
HLB値が、0に近いほど親油性が高く、20に近いほど親水性が高い。
本実施の形態における「酸価」は、JIS−K0070(基準油脂試験法)に準拠して測定される値である。
なお、本実施の形態において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味するものとする。「(メタ)アクリロ」「(メタ)アクリレート」についても同様である。
また、「全固形分」とは、溶剤を除く熱硬化性組成物の成分の全量を意味するものとする。
本実施の形態において使用されるアルカリ可溶性樹脂としては、アルカリ性の現像液に可溶な樹脂であれば特に限定されないが、カルボキシル基及び/又は水酸基を含む樹脂であることが好適である。
エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、マレイン酸、酢酸ビニル、マレイミド等といったカルボン酸誘導体を付加させることにより得られる、不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂;
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレイミド等に水酸基又はカルボキシル基を含有させた、水酸基又はカルボキシル基含有ビニル系樹脂;
並びに、
ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース;
等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂のα,β−不飽和モノカルボン酸付加体に、更に多価カルボン酸及び/又はその無水物が付加された、不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂が挙げられる。即ち、(a)エポキシ樹脂のエポキシ基に、(b)α,β−不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基が開環付加されて形成されたエステル結合(−COO−)を介してエチレン性不飽和結合が付加されていると共に、その際生じた水酸基に(c)多価カルボン酸若しくはその無水物のカルボキシル基が付加されたものが挙げられる。
以下、不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂の構成成分について説明する。
不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂に使用されるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、フェノールとジシクロペンタンとの重合エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、高い硬化膜強度の観点から、フェノールノボラックエポキシ樹脂、又はクレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールとジシクロペンタジエンとの重合エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレートとアルキル(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体等が好ましい。
α,β−不飽和モノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、桂皮酸、p−メトキシ桂皮酸、α―フェニル桂皮酸、1−シクロヘキセン−1−カルボン酸、2−ヘキセン酸、2−デセン酸、モノメチルマレイン酸、モノエチルフマル酸、3−(2−フリル)アクリル酸等が挙げられる。中でも、感度の観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
多価カルボン酸若しくはその無水物としては、例えば、琥珀酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、及びそれらの無水物等が挙げられる。
[機器]東ソー株式会社製 HLC−8020
[カラム]東ソー株式会社製 GMHXL−N 30cm×2本
[移動相]1.0ml/min
[カラム温度]40℃
[溶媒]約0.03%のブチルヒドロキシトルエンで安定化させたテトラヒドロフラン
[標準試料]ポリスチレン(PSt)標準試料
[検量線]5次
[検出]RI(装置内蔵)
[注入量]0.1wt% 100μL(試料は予め、GLサイエンス株式会社製
GLクロマトディスク13Pにて濾過)
本実施の形態に係るカルボキシル基含有ビニル系樹脂としては、例えば、不飽和カルボン酸とビニル化合物との共重合体等が挙げられる。
スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン等のスチレン誘導体;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−メチルアダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;
N−(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;
(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル等のビニル化合物;
等の1種又は2種以上が挙げられる。
V2/V3 ≧ 1.3
(V2:ポリスチレンを標準物質とするGPC法により微分分子量分布曲線を得た場合の、最大ピーク値に相当する分子量(M1)の101/2倍の分子量(M2)を有するアルカリ可溶性樹脂の重量含有率。
V3:ポリスチレンを標準物質とするGPC法により微分分子量分布曲線を得た場合の、最大ピーク値に相当する分子量(M1)の10−1/2倍の分子量(M3)を有するアルカリ可溶性樹脂の重量含有率。)
本実施の形態の熱硬化性組成物に使用される、エチレン性不飽和基を有する化合物(以下、「エチレン性不飽和化合物」と略記することがある。)とは、エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物を意味する。そして、本実施の形態の熱硬化性組成物は、エチレン性不飽和化合物としてエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を含有することが好ましい。
これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類としては、具体的には以下の化合物が例示できる。
なお、以下において、「上記不飽和カルボン酸」とは、エチレン性不飽和基を1個有する化合物として示した、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸の1種又は2種以上である。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等、及び同様のクロトネート、イソクロトネート、マレエート、イタコネート、シトラコネート等。
具体的には、新中村化学工業社製商品名「1G」「2G」「3G」「4G」「9G」「14G」「23G」「BG」「BD」「HD-N」「NOD」「IND」「BPE-100」「BPE-200」「BPE-300」「BPE-500」「BPE-900」「BPE-1300N」「NPG」「DCP」「1206PE」「701」「3PG」「9PG」「A-200」「A-400」「A-600」「A-1000」「ABE-300」「A-BPE-4」「A-BPE-10」「A-BPE-20」「A-BPE-30」「A-BPP-3」「A-DOD」「A-DCP」「A-IBD-2E」「A-NPG」「701A」「A-B1206PE」「A-HD-N」「A-NOD-N」「APG-100」「APG-200」「APG-400」「APG-700」、共栄社化学社製商品名「ライトエステルEG」「ライトエステル2EG」「ライトエステル1.4BG」「ライトエステル1.6HX」「ライトエステル1.9ND」「ライトエステル1.10DC」「ライトエステルTMP」「ライトエステルG-101P」「ライトエステルG-201P」「ライトエステルBP-2EM」「ライトエステルBP-4EM」「ライトエステルBP-6EM」「ライトエステル3EG」「ライトエステル4EG」「ライトエステル9EG」「ライトエステル14EG」「ライトエステルNP」「ライトアクリレート3EG-A」「ライトアクリレート4EG-A」「ライトアクリレート9EG-A」「ライトアクリレート14EG-A」「ライトアクリレートNP-A」「ライトアクリレートMPD-A」「ライトアクリレート1.6HX-A」「ライトアクリレートBEPG-A」「ライトアクリレート1.9ND-A」「ライトアクリレートMOD-A」「ライトアクリレートDCP-A」「ライトアクリレートBP-4EA」「ライトアクリレートBP-10EA」「ライトアクリレートTMP-A」「ライトアクリレートTMP-6EO-3A」「ライトアクリレートPE‐3A」「ライトアクリレートPE-4A」「ライトアクリレートDPE-6A」「ライトアクリレートBA-134」「ライトエステルG-201P」「ライトアクリレートHPP-A」「ライトアクリレートPTMGA-250」「ライトアクリレートTMP-3EO-A」、東亞合成社製商品名「アロニックスM-113」「アロニックスM-210」「アロニックスM-220」「アロニックスM-305」「アロニックスM-309」「アロニックスM-350」「アロニックスM-402」「アロニックスM-408」、日本化薬社製商品名「KAYARAD R-526」「KAYARAD NPGDA」「KAYARAD PEG400DA」「KAYARAD MANDA」「KAYARAD R-167」「KAYARAD HX-220」「KAYARAD HX-620」「KAYARAD R-551」「KAYARAD R-712」「KAYARAD R-604」「KAYARAD R-684」「KAYARAD GPO-3」「KAYARAD TMPTA」「KAYARAD THE-330」「KAYARAD TPA-320」「KAYARAD TPA-330」「KAYARAD PET-30」「KAYARAD T-1420」「KAYARAD RP-1040」「KAYARAD DPHA」「KAYARAD DPEA-12」「KAYARAD DPHA-2C」「KAYARAD D-310」「KAYARAD D-330」「KAYARAD DPCA-20」「KAYARAD DPCA-30」「KAYARAD DPCA-60」「KAYARAD DPCA-120」「KAYARAD DN-0075」などを挙げることができる。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を含有するホスフェート化合物であれば特に限定されないが、中でも、下記一般式(Ia)〜(Ic)で表されるものが好ましい。
ここで、p及びp´は、それぞれ1〜10、特に1〜4であることが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート類を構成するヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族ポリイソシアネート;
シクロヘキサンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族ポリイソシアネート;
イソシアヌレート等の複素環式ポリイソシアネート;
特開2001−26626号公報に記載の方法により製造されるアロファネート変性ポリイソシアヌレート;
等のポリイソシアネート化合物が挙げられる。
例えば、
ペンタエリスリトール、ポリグリセリン等の1分子中に4個以上の水酸基を有する化合物に、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物を反応させて得られた化合物(i−1);
或いは、
エチレングリコール等の1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物に、旭化成工業社製「デュラネート24A−100」、同「デュラネート22A−75PX」、同「デュラネート21S−75E」、同「デュラネート18H−70B」等ビウレットタイプ、同「デュラネートP−301−75E」、同「デュラネートE−402−90T」、同「デュラネートE−405−80T」等のアダクトタイプ、等の1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する化合物を反応させて得られた化合物(i−2);
或いは、
イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等を重合若しくは共重合させて得られた化合物(i−3)等;
が挙げられる。
例えば、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の、1分子中に1個以上の水酸基及び2個以上、好ましくは3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が挙げられる。
また、ウレタン(メタ)アクリレート類の分子量としては、600〜150,000であることが好ましい。
エポキシ(メタ)アクリレート類を構成するポリエポキシ化合物としては、例えば、
(ポリ)エチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ペンタメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ヘキサメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ソルビトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族ポリエポキシ化合物;
フェノールノボラックポリエポキシ化合物、ブロム化フェノールノボラックポリエポキシ化合物、(o−,m−,p−)クレゾールノボラックポリエポキシ化合物、ビスフェノールAポリエポキシ化合物、ビスフェノールFポリエポキシ化合物等の芳香族ポリエポキシ化合物;
ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリエポキシ化合物;
等のポリエポキシ化合物が挙げられる。
その他のエチレン性不飽和化合物としては、前記以外に、例えば、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエステル類、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物類、エーテル結合含有エチレン性不飽和化合物のエーテル結合を5硫化燐等により硫化してチオエーテル結合に変えることにより架橋速度を向上せしめたチオエーテル結合含有化合物類が挙げられる。
本実施の形態の熱硬化性組成物において使用される光重合開始剤は、公知のいずれのものも用いることができ、紫外線から可視光線によりエチレン性不飽和基を重合させるラジカルを発生させることのできる化合物が挙げられる。
(1) 2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロメチル化トリアジン誘導体。
(2) ハロメチル化オキサジアゾール誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス(3’−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メチルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体などのイミダゾール誘導体。
(3) ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル類。
(4) 2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなどのアントラキノン誘導体。
(5) ベンズアンスロン誘導体。
(6) ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体。
(7) 2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトンなどのアセトフェノン誘導体。
(8) チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体。
(9) p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸エステル誘導体。
(10) 9−フェニルアクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジンなどのアクリジン誘導体。
(11) 9,10−ジメチルベンズフェナジンなどのフェナジン誘導体。
(12) ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジ−フルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イルなどのチタノセン誘導体。
(13) 2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、4−ジメチルアミノエチルベンゾエート、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエート、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等のα−アミノアルキルフェノン系化合物。
(14) 2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合物。
(15) 1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)
(16) 特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特開2001−235858号公報、特開2005−182004号公報、特開2006−36750号公報、WO02/00903号明細書、及び特願2005−305074明細書に記載されている化合物に代表される、オキシム誘導体類等。
上記オキシム誘導体類として具体的には、以下に例示する化合物を用いることができる。
本実施の形態の熱硬化性組成物において、HLB値が0.5以上5以下のノニオン性界面活性剤としては、前述のグリフィン法による定義の値で0.5以上5以下であれば用いることができるが、HLB値の下限としては好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.8以上、上限としては好ましくは4.7以下、更に好ましくは4以下、特に好ましくは3以下である。
ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンペンタエリスリット脂肪酸エステルなどの脂肪酸エステル系界面活性剤;
脂肪酸アルカノールアミドなどの脂肪酸アミド系界面活性剤;
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのポリエーテル系界面活性剤;
などを挙げることができる。
ライオン社製脂肪酸エステル系界面活性剤、商品名カデナックスGS-90(HLB:4.3)、カデナックスSO-80C(HLB:5.3);
東レダウコーニング社製ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、商品名FZ-2110(HLB:1)、FZ-2166(HLB:5)、FZ-2191(HLB:5)、SS-2805(HLB:5);
信越シリコン社製ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、商品名KF-6015(HLB:4.5)、KF-6016(HLB:4.5)、KF-6017(HLB:4.5)、KF-6017P(HLB:4.5)、KF-6028(HLB:4.0)、KF-6028P(HLB:4.0)、KF-6038(HLB:3.0)
などを挙げることができる。
本実施の形態の熱硬化性組成物は、熱硬化後の膜の耐熱性及び耐薬品性を向上させる目的で、熱架橋剤を含有していてもよい。
熱架橋剤としては、露光・現像による画像形成後のベークにより、架橋反応をするものであれば、公知のものを用いることができる。具体的には、下記のものが挙げられる。
本実施の形態に使用される、分子内にエポキシ基を有する化合物としては、例えば、モノヒドロキシ化合物或いはポリヒドロキシ化合物とエピクロルヒドリンとを反応させて得られる(ポリ)グリシジルエーテル化合物、(ポリ)カルボン酸化合物とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエステル化合物、及び(ポリ)アミン化合物とエピクロルヒドリンを反応させて得られる(ポリ)グリシジルアミン化合物等の、低分子量物から高分子量物にわたる化合物が挙げられる。
ポリグリシジルエーテル化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル型エポキシ、ビス(4−ヒドロキシフェニル)のジグリシジルエーテル型エポキシ、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)のジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル型エポキシ、テトラメチルビスフェノールAのジグリシジルエーテル型エポキシ、エチレンオキシド付加ビスフェノールAのジグリシジルエーテル型エポキシ、ジハイドロオキシルフルオレン型エポキシ、ジハイドロオキシルアルキレンオキシルフルオレン型エポキシ、ビスフェノールA/アルデヒドノボラック型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシが挙げられる。
ポリグリシジルエステル化合物としては、例えば、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル型エポキシ、フタル酸のジグリシジルエステル型エポキシ等が挙げられる。
ポリグリシジルアミン化合物としては、例えば、ビス(4−アミノフェニル)メタンのジグリシジルアミン型エポキシ、イソシアヌル酸のトリグリシジルアミン型エポキシ等が挙げられる。
また、その他の例として、例えば(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−4,5−エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル等のエポキシ基を有する(メタ)アクリレート等を1種単独又は2種以上の組み合わせで反応させた重合体が挙げられる。或いは、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート構成単位に他の共重合用単量体を通常10〜70モル%、好ましくは15〜60モル%含有させた重合体が挙げられる。
本実施の形態に使用される含窒素熱架橋性化合物としては、メラミン、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、若しくは尿素に、ホルマリンを作用させた化合物、又はそれらのアルキル変性化合物を挙げることができる。
また、ベンゾグアナミンにホルマリンを作用させた化合物又はそのアルキル変性物の例として、「サイメル」(登録商標)1123、1125、1128、等を挙げることができる。
(F−1)接着助剤
本実施の形態の熱硬化性組成物には、基板との密着性を向上させる目的で、接着助剤を配合することができる。接着助剤としては、例えばシランカップリング剤を挙げることができる。
本実施の形態の熱硬化性組成物は、組成物の塗布液としての塗布性、及び熱硬化性組成物層の現像性の向上等を目的として、前記(D)ノニオン性界面活性剤以外のノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性界面活性剤或いは、フッ素系やシリコーン系等の界面活性剤を含有していても良い。
中でもシリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤が好ましく、(F−2)界面活性剤としてフッ素系界面活性剤、(D)ノニオン性界面活性剤としてHLB値0.5以上5以下のノニオン性シリコーン系界面活性剤を使用する組み合わせが更に好ましい。
本実施の形態の熱硬化性組成物は、硬化条件における時間の短縮や設定温度の変更のために、更に硬化剤を含有し、各々の素子の製造プロセスにより異なる硬化条件を適正に選択することができる。
安息香酸系化合物としては、安息香酸、安息香酸のベンゼン環上の2位から6位の位置に水酸基、ハロゲン基、アルキル基、アシル基、アシルオキシル基、アルコキシル基、アリール基、アリル基等の置換基を有するものを挙げることができる。中でも、エポキシに対する硬化能力の高い水酸基を置換基として有するものが好ましく、特には水酸基を2つ以上有するものが好ましい。このような安息香酸系化合物としては、例えば、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。
多価カルボン酸(無水物)としては、例えば、
無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等の脂環式多価カルボン酸(無水物);
無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノントリカルボン酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等の芳香族多価カルボン酸無水物;
コハク酸、トリメリット酸、マレイン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸等の脂環式酸無水物;
芳香族酸無水物の加水分解物;
等が挙げられる。
これらの中でも、トリメリット酸(無水物)、無水フタル酸が好ましい。
多価カルボン酸及び/又はその無水物を含有する重合体としては、(無水)マレイン酸(マレイン酸及び/又はその無水物)等の(無水)多価カルボン酸と、エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物との重合体や、そのような重合体中の多価カルボン酸(無水物)部分の部分ハーフエステル変成重合体、等が挙げられる。
熱酸発生剤としては、例えば芳香族ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、モノフェニルスルフォニウム塩、トリアリルスルフォニウム塩、トリアリルセレニウム塩等の各種オニウム塩系化合物、スルフォン酸エステル、ハロゲン化合物等が挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、
エチレジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、ピペリジン、ピロリジン、トリエチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、テトラメチルグアニジン、トリエタノールアミン、N,N‘−ジメチルピペラジン、ジシアンアミド、又はその誘導体;
DBU(1,8−ジアザビスシクロ(5,4,0)ウンデセン−1),DBU系テトラフェニルボレート塩等の脂肪族(第1、第2、第3)アミン;
メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノ−p−クレゾール、2−(ジメチルアミンジョメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ピリジン、ピコリン、DBU(1,8−ジアザビスシクロ(5,4,0)ウンデセン−1)、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールのトリ−2−エチルヘキシル酸塩等の芳香族(第1、第2、第3)アミン;
2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、2−メチルイミダゾリウム・イソシアヌレート、2−フェニルイミダゾリウム・イソシアヌレート、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2−エチルイミダゾリル−(1)]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2−ウンデシルイミダゾリル−(1)]−エチル−S−トリアジン、2−フェニル−4,5−ジヒドキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(シアノエトキシメチル)イミダゾール等のイミダゾール化合物;
ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン;
等が挙げられる。
ポリアミン化合物としては、例えばトリエチルテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、メンセンジアミン、イソフルオロジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等の脂肪族ポリアミン、m−キシレンジアミン、キシリレンジアミン、キシリレンジアミン誘導体、キシリレンジアミン三量体等の芳香族ポリアミンが挙げられる。これらの中でも、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンが好ましい。
ブロックカルボン酸としては、例えば前記(多価)カルボン酸およびそれらを含有する重合体のカルボン酸を、特開平4−218561号公報、特開2003−66223号公報、特開2004−339332号公報、特開2004−339333号公報などに記載の方法によりビニルエーテルを付加させたブロックカルボン酸等が挙げられる。
無水マレイン酸と、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜15のポリプロピレンオキシプロピレン基又は炭素数1〜15のポリエチレンオキシプロピレン基を含有するエチレン、ブチレン、又はプロピレン化合物、スチレンの中から選ばれる少なくとも1つ以上のエチレン化合物との多価カルボン酸共重合体;
トリメリット酸或いはマレイン酸とエチルビニルエーテルとの付加物からなるブロックカルボン酸化合物;
2,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸などの安息香系化合物;
ベンジル−p−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート、p−ヒドロキシフェニルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−アセトキシフェニルジメチルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−p−ヒドロキシフェニルメチルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート、前記一般式(II)に示す化合物等モノフェニルスルフォニウム塩タイプ、又はベンジルフェニルスルフォニウム塩タイプ等のモノフェニルスルホニウム塩等を挙げることができる。
本実施の形態の熱硬化性組成物には、前記成分の他にも、各種添加剤、例えば置換基を有していてもよいo−ハイドロキシベンゾフェノン、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の熱重合防止剤を配合することができる。これら化合物の配合割合としては、全固形分に対して、通常10重量%以下、好ましくは2重量%以下である。
スミソーブ130(住友化学製)、EVERSORB10、EVERSORB11、EVERSORB12(台湾永光化学工業製)、トミソーブ800(エーピーアイコーポレーション製)、SEESORB100、SEESORB101、SEESORB101S、SEESORB102、SEESORB103、SEESORB105、SEESORB106、SEESORB107、SEESORB151(シプロ化成製)などのベンゾフェノン化合物;
スミソーブ200、スミソーブ250、スミソーブ300、スミソーブ340、スミソーブ350(住友化学製)、JF77、JF78、JF79、JF80、JF83(城北化学工業製)、TINUVIN PS、TINUVIN99−2、TINUVIN109、TINUVIN384−2、TINUVIN900、TINUVIN928、TINUVIN1130(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、EVERSORB70、EVERSORB71、EVERSORB72、EVERSORB73、EVERSORB74、EVERSORB75、EVERSORB76、EVERSORB234、EVERSORB77、EVERSORB78、EVERSORB80、EVERSORB81(台湾永光化学工業製)、トミソーブ100、トミソーブ600(エーピーアイコーポレーション製)、SEESORB701、SEESORB702、SEESORB703、SEESORB704、SEESORB706、SEESORB707、SEESORB709(シプロ化成製)などのベンゾトリアゾール化合物;
スミソーブ400(住友化学製)、サリチル酸フェニルなどのベンゾエート化合物;
TINUVIN400、TINUVIN405、TINUVIN460、TINUVIN477DW、TINUVIN479(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)などのヒドロキシフェニルトリアジン化合物
などを挙げることができる。
上述した各成分は、通常、有機溶剤を用いて、固形分濃度が5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%の範囲となるように調液して使用される。
有機溶剤としては前述の各成分を溶解・分散させることができ、取り扱い性が良いものであれば特に限定されない。
次に、本実施の形態の熱硬化性組成物を用いた硬化物の形成方法について、TFTアレイを形成した基板上に本実施の形態の熱硬化性組成物を塗布して保護膜を形成する場合を例示して説明する。なお、本発明の熱硬化性組成物は、液晶ディスプレイ等の液晶パネルに用いられる、オーバーコートや有機絶縁膜(有機化合物を材料とする、層間絶縁膜)等の形成に有用であり、特に有機絶縁膜の形成に用いた際に、その効果が顕著である。
まず、TFTアレイを形成した基板上に、上述した本実施の形態の熱硬化性組成物をスピナー、ワイヤーバー、フローコーター、ダイコーター、ロールコーター、スプレー等の塗布装置を用いて塗布する。
熱硬化性組成物の塗布膜厚は通常0.5〜5μmである。
上記塗布膜を乾燥することにより揮発成分を除去して乾燥塗膜を形成する。乾燥には、真空乾燥、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いることができる。好ましい乾燥条件は温度40〜150℃、乾燥時間10秒〜60分の範囲である。また、真空乾燥後、ホットプレートによる加熱乾燥を行う方法が、より塗布ムラの少ない膜を形成できるため好ましい。この場合、好ましい真空乾燥条件は圧力10〜10000Pa、乾燥時間30秒〜10分の範囲であり、好ましい加熱乾燥条件は温度60〜120℃、時間30秒〜10分の範囲である。
次いで、熱硬化性組成物の乾燥塗膜上にフォトマスクを置き、該フォトマスクを介して画像露光する。露光後、未露光の未硬化部分を現像にて除去することにより、画素を形成する。
露光・現像工程により画像形成された硬化膜は、次いで、熱処理(ハードベーク)工程を経て硬化物(熱硬化膜)となる。なお、現像後、ハードベーク前にハードベーク時のアウトガスの発生を抑制する目的で、全面露光を行う場合もある。
次に、上述のようにして形成された保護膜を備える本実施の形態に係るTFTアクティブマトリックス基板、及び液晶表示装置(パネル)の製造法について説明する。本実施の形態に係る液晶表示装置は、通常、TFTアクティブマトリックス基板を備えるものである。
対向基板としては、通常、配向膜を備えるカラーフィルタ基板が好適に用いられる。
配向膜の形成には、通常、グラビア印刷法及び/又はフレキソ印刷法が採用され、配向膜の厚さは数10nmとされる。熱焼成によって配向膜の硬化処理を行なった後、紫外線の照射やラビング布による処理によって表面処理し、液晶の傾きを調整しうる表面状態に加工される。なお、配向膜上に更に上記と同様の保護膜を形成してもよい。
[構成成分]
以下の実施例及び比較例で熱硬化性組成物の調製に用いた成分は次の通りである。
S1: 東レ・ダウ・コーニング社製 FZ−2110
(ポリエーテル変性シリコーン HLB値:1)
S2: 信越シリコン社製 KF−6015
(ポリエーテル変性シリコーン HLB値:4.5)
S3: 信越シリコン社製 KF−6013
(ポリエーテル変性シリコーン HLB値:10)
Y1(接着助剤):γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
Y2:住友3M社製フッ素系界面活性剤 FC4432(HLB値:>5)
PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
以下の実施例及び比較例で得られた熱硬化性組成物、露光膜及び熱硬化膜の評価方法は次の通りである。
旭硝子社製カラーフィルタ用ガラス板「AN100」ガラス基板上に熱硬化性組成物を塗布し、ホットプレート上で90℃にて90秒間乾燥し、乾燥膜厚4μmの塗布膜を得た。その膜表面の塗布ムラをナトリウムランプ下で目視により下記基準で評価した。
A:塗布ムラ無し。
B:大きな周期の塗布ムラが有る。
C:細かい塗布ムラが全面に有る。
上記塗布性の評価の手順で得られた塗布膜を高圧水銀灯により30mW/cm2の照度で露光した。露光条件としては、露光エネルギー量として10mJ/cm2から320mJ/cm2までの範囲で、21/2倍毎の間隔で露光エネルギー量を設定して露光した。露光後、25℃の0.4wt%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に70秒間浸漬し、純水でリンスし、残存する硬化膜(露光膜)の膜厚を測定した。
得られた露光膜の膜厚を、露光量に対してプロットし、ある露光量と、その21/2倍の露光量とにおける露光膜の膜厚差が、10%以内となる最小露光量を、最適露光量(mJ/cm2)とした。
熱硬化膜の画像を光学顕微鏡により観察し、解像している最小の線幅(μm)を解像性とした。
熱硬化膜の20μmの線幅のラインパターン形状を走査電子顕微鏡にて観察することにより、そのパターン形状を下記基準にて評価した。
A:矩形性が良好であり、裾引き無し
B:矩形性は良好であるが、少し裾引き有り
C:矩形性不良、又は解像せず
熱硬化膜の30μmの線幅のスペースパターンを光学顕微鏡により観察し、そのスペース部分の残渣を下記基準にて評価した。
A:残渣無し
B:わずかにレジスト周辺部に残渣が見られる
C:スペース部分中央部にも残渣が見られる
熱硬化膜を、20重量%塩酸に40℃で20分間浸漬し、下記基準にて評価した。
○:光学顕微鏡による表面観察によっても、孔や表面荒れ(凹凸)が観察されなか った。
×:光学顕微鏡による表面観察により、孔や表面荒れ(凹凸)が観察された。又は 、目視により白濁が観察された。
マスクを使用せずに全面露光した以外は、同様にして形成した硬化膜の光透過率を、島津製作所製分光光度計UV3100PCにて測定し、波長600nm〜400nmの範囲における最少の透過率(%)を求めた。
表1に示す配合にて熱硬化性組成物を調製した。
Claims (7)
- 次の(A)〜(D)の各成分を含有することを特徴とする保護膜用熱硬化性組成物。
(A)アルカリ可溶性樹脂
(B)エチレン性不飽和基を有する化合物
(C)光重合開始剤
(D)HLB値が0.5以上5以下のノニオン性界面活性剤 - 前記成分(A)が、アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及びスチレン誘導体を共重合成分として含有するアルカリ可溶性樹脂であり、かつ酸価が80mg−KOH/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の保護膜用熱硬化性組成物。
- 前記成分(D)が、ケイ素原子含有界面活性剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の保護膜用熱硬化性組成物。
- 更に、次の成分(E)を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の保護膜用熱硬化性組成物。
(E)熱架橋剤 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の保護膜用熱硬化性組成物を用いて形成された硬化物。
- 請求項5に記載の硬化物を保護膜として備えるTFTアクティブマトリックス基板。
- 請求項5に記載の硬化物を保護膜として備える液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007317222A JP5067146B2 (ja) | 2006-12-08 | 2007-12-07 | 保護膜用熱硬化性組成物、硬化物、tftアクティブマトリックス基板、及び液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (3)
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