JP2008143857A - ベンゾフルオレン誘導体の製造方法およびその中間体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記工程1〜3により、ベンゾフルオレン誘導体を製造する。[工程1] 遷移金属触媒及び塩基の存在下、ボロン酸誘導体とナフタレン誘導体とを反応させ、フェニルナフタレン誘導体を得る工程、[工程2] 該フェニルナフタレン誘導体とグリニヤール試薬とを反応させ、第三級アルコール誘導体を得る工程、[工程3] 酸触媒存在下、該第三級アルコール誘導体を環化させる工程
【選択図】なし
Description
[工程1] 遷移金属触媒及び塩基の存在下、下記一般式(3)で表されるボロン酸誘導体と下記一般式(4)で表されるナフタレン誘導体
とを反応させ、下記一般式(5)で表されるフェニルナフタレン誘導体
を得る工程、
[工程2] 該フェニルナフタレン誘導体とグリニヤール試薬とを反応させ、下記一般式(6)で表される第三級アルコール誘導体
を得る工程、
[工程3] 酸触媒存在下、該第三級アルコール誘導体を環化させる工程
以下、本発明について具体的に説明する。
上記一般式(3)、(4)又は(5)におけるR6,R7,R9,R10のアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、アミル基等である。アリール基としては、炭素数6〜20の置換若しくは無置換のアリール基であり、具体的には、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。ヘテロアリール基としては、ピリジル基、フェニルピリジル基等が挙げられる。
上記一般式(6)において、アルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、アミル基等である。アリール基としては、炭素数6〜20の置換若しくは無置換のアリール基であり、具体的には、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。ヘテロアリール基としては、ピリジル基、フェニルピリジル基等が挙げられる。
6−ブロモ−2−ナフトール 35.9g(161モル)、トルエン300mL、ピリジン64g(5倍モル量)を窒素置換した1Lセパラブルフラスコに加え、0℃に冷却した。同温度を保持しながら、トリフルオロメタンスルホン酸無水物 50g(177ミリモル)を30分かけて滴下した。滴下終了後、室温でさらに4時間攪拌した後、水を200mL滴下し、反応を終了した。反応液を分液した後、得られた有機層は、水、5%塩酸で洗浄し、さらに、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた有機層を濃縮することで、2−ブロモ−6−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−ナフタレンを52g(収率=90%)得た。
実施例1
<工程1>
2−ブロモ−6−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−ナフタレン 50.9g(143ミリモル)、2−エトキシカルボニルフェニルボロン酸 33.3g(172ミリモル)、ジメトキシエタン800mL、20%炭酸ナトリウム水溶液(2−ブロモ−6−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−ナフタレンに対し4.5倍モル)を2Lセパラブルフラスコに加えた後、窒素雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.65g(1モル%)を添加して、還流条件下、4時間攪拌した。室温まで冷却後、反応液を分液ロートに移し、有機層を分液した。有機層は、純水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後に得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエン)で精製し、化合物1を淡黄色油状物として43.1g(収率=84.8%)得た。
FDMS:354(M+)
化合物1 29.3g(82.5ミリモル)、脱水テトラハイドロフラン230mLを窒素置換した1Lセパラブルフラスコに入れ、50℃まで昇温した。この反応器にメチルマグネシウムブロマイド溶液(1.4モル/L トルエン/テトラハイドロフラン=3/1溶液)177mLを窒素気流下で1時間かけて滴下し、さらに3時間50℃で攪拌した。室温まで冷却後、反応液に注意深く純水を滴下し、反応を終了した。酢酸エチル300mLを添加し、10%塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。化合物2を黄色油状物として26.7g(クルード品収率=95%)得た。クルード品の1H−NMR(CDCl3)を測定し、原料である化合物1のエチルエステル基プロトンピークの完全消失を確認した。
化合物2のクルード品 26.7g(78.2ミリモル)、クロロホルム570mLを窒素置換した1L3つ口フラスコに入れ、この溶液に窒素気流下で三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体14.5g(102ミリモル)を10分間かけて滴下した。滴下終了後、50℃まで昇温し、さらに2時間攪拌した。室温まで冷却後、純水にて分液・洗浄し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後に得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエン)で精製後、さらにヘキサン/トルエンで再結晶することにより、化合物3を黄色粉末として11.8g(収率=46%)得た。得られた黄色粉末のHPLC分析を行ったところ、純度は99.8%であった。同定は1H−NMR及びFDMSにより行った。
FDMS:354(M+)
<工程1>
2−ブロモ−6−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−ナフタレン 48.3g(136ミリモル)、2−アセトキシフェニルボロン酸 22.3g(136ミリモル)、ジメトキシエタン700mL、20%炭酸ナトリウム水溶液(2−ブロモ−6−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−ナフタレンに対し4.5倍モル)を1Lセパラブルフラスコに加えた後、窒素雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.59g(1モル%)を添加して、還流条件下、一晩攪拌した。室温まで冷却後、反応液を分液ロートに移し、有機層を分液した。有機層は、純水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後に得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエン)で精製し、化合物4を白色粉末として35.1g(収率=79%)得た。同定は、1H−NMR及びFDMSにより行った。
FDMS:325(M+)
窒素置換した500mL4つ口フラスコに、メチルマグネシウムブロマイド溶液(1.4モル/L トルエン/テトラハイドロフラン=3/1溶液)96.0mL(134ミリモル)を入れ、0℃に冷却した。この溶液に窒素気流下、化合物4 29.0gをトルエン180mLに溶かした溶液を一時間かけて滴下した。滴下終了後、0℃から室温になるまで放置し、そのまま一晩攪拌した。反応液に注意深く純水を滴下し、反応を終了した。10%塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。化合物5を黄色油状物として29.3g(クルード品収率=96%)得た。クルード品の1H−NMR(CDCl3)を測定し、原料である化合物4のアセチル基プロトンピークの完全消失を確認した。
1−クロロ−4−ナフトール 35.9g(0.201モル)、トルエン400mL、ピリジン160g(5倍モル量)を窒素置換した1Lセパラブルフラスコに加え、0℃に冷却した。同温度を保持しながら、トリフルオロメタンスルホン酸無水物62.4g(0.221モル)を50分かけて滴下した。滴下終了後、室温でさらに3時間攪拌した後、水を200mL滴下し、反応を終了した。反応液を分液した後、得られた有機層は、水、5%塩酸で洗浄し、さらに、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後に得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエン)で精製し、1−クロロ−4−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−ナフタレンを淡黄色油状物として53.5g(収率=86%)得た。同定は、1H−NMRにより行った。
実施例3
<工程1>
1−クロロ−4−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−ナフタレン 2.07g(6.66ミリモル)、2−エトキシカルボニルフェニルボロン酸 1.55g(7.99ミリモル)、ジメトキシエタン35mL、20%炭酸ナトリウム水溶液(1−クロロ−4−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−ナフタレンに対し4.5倍モル)を窒素置換した100mL4つ口フラスコに加えた後、窒素雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム77mg(1モル%)を添加して、60℃で一晩攪拌した。室温まで冷却後、反応液を分液ロートに移し、酢酸エチルを50mL加え、有機層を分液した。有機層は、純水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後に得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物5を透明油状物として1.86g(収率=90%)得た。同定は1H−NMR及びFDMSにより行った。
FDMS:310(M+)
化合物5 0.46g(1.48ミリモル)、脱水テトラハイドロフラン5mLを窒素置換した20mLシュレンクフラスコに入れ、この反応器にメチルマグネシウムブロマイド溶液(1.4モル/L トルエン/テトラハイドロフラン=3/1溶液)3.2mLを窒素気流下、室温で10分かけて滴下し、さらに一晩室温で攪拌した。反応液に注意深く純水を滴下し、反応を終了した。酢酸エチル10mLを添加し、純水、10%塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を濃縮することで化合物6のクルード品を白色固体として0.35g(収率=80%)得た。同定は1H−NMRにより行った。
化合物6のクルード品 0.35g(1.18ミリモル)、クロロホルム5mLを窒素置換した50mL3つ口フラスコに入れ、この溶液に窒素気流下、室温で三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体0.22g(1.55ミリモル)を5分かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間攪拌した。純水にて分液・洗浄し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後に得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエン)で精製後、さらにヘキサン/トルエンで再結晶することにより化合物7を白色粉末として0.23g(収率=70%)得た。得られた白色粉末のHPLC分析を行ったところ、純度は99.9%であった。同定は1H−NMR及びFDMSにより行った。
FDMS:278(M+)
Claims (7)
- 下記の工程1〜3を経てなることを特徴とする、下記一般式(1)又は(2)で表されるベンゾフルオレン誘導体の製造方法。
[工程1] 遷移金属触媒及び塩基の存在下、下記一般式(3)で表されるボロン酸誘導体と下記一般式(4)で表されるナフタレン誘導体
とを反応させ、下記一般式(5)で表されるフェニルナフタレン誘導体
を得る工程、
[工程2] 該フェニルナフタレン誘導体とグリニヤール試薬とを反応させ、下記一般式(6)で表される第三級アルコール誘導体
を得る工程、
[工程3] 酸触媒存在下、該第三級アルコール誘導体を環化させる工程 - 遷移金属触媒が、パラジウム触媒であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 一般式(5)において、X2が臭素原子、塩素原子、又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 酸触媒がルイス酸であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 酸触媒がトリフルオロボラン又はその誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
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