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JP5536458B2 - 6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体の製造方法 - Google Patents

6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体の製造方法 Download PDF

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JP5536458B2
JP5536458B2 JP2009547083A JP2009547083A JP5536458B2 JP 5536458 B2 JP5536458 B2 JP 5536458B2 JP 2009547083 A JP2009547083 A JP 2009547083A JP 2009547083 A JP2009547083 A JP 2009547083A JP 5536458 B2 JP5536458 B2 JP 5536458B2
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Description

本発明は6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体、特に、6−ハロゲノ−3,2’−ビピリジン誘導体の製造方法に関する。本発明により得られる6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体は、有機合成中間体として有用である。例えば、6−ハロゲノ−3,2’−ビピリジン誘導体は、神経性疾患治療薬の中間体として有用である(国際公開第2001/96308号パンフレットを参照)。
従来、6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体を製造する方法としては、1)2−ハロ−5−ピリジルホウ酸とアリールブロミドとを反応させる方法(ジャーナル オブ ジ オーガニック ケミストリー(J. Organic Chemistry)、2002年、67巻、7541頁を参照)、2)2−クロロ−5−ブロモピリジンとアリールホウ酸とを反応させる方法(ヘテロサイクルズ(Heterocycles)、1987年、26巻、2711頁を参照)、3)2−クロロ−5−シアノピリジンとヒドラジンとを反応させることにより調製した1,2,4−トリアジン化合物と、2,5−ノルボルナジエンとを反応させる方法(特開2000−355581号公報を参照)、4)5−アリールピリジンを塩素化する方法(ケミカル アンド ファーマシューティカル ブレティン(Chem. Pharm.Bull.)1988年、36巻、2244頁を参照)等が知られている。
しかし、1)および2)の方法では、原料となる2−ハロ−5−ピリジルホウ酸またはアリールホウ酸を調製する際に極低温が必要である。また、3)の方法は多段階の反応が必要である。そして、4)の方法は塩素化の位置の異なる異性体が副生するため、分離困難な異性体が生じる等の問題がある。このように、上記1)〜4)の方法はいずれも、工業的に有利な方法とはいえなかった。
また、従来、2つの芳香族化合物誘導体の交差カップリング法として、パラジウム化合物存在下にグリニャール化合物とハロゲン化合物を反応させる方法が知られている(ジャーナル オブ ジ オーガノメタリック ケミストリー(J. Organometaliic Chemistry)、1976年、118巻、349頁を参照)。しかしながら、ピリジン誘導体のグリニャール化合物とハロゲノアリール誘導体とを反応させてアリールピリジン誘導体を合成する反応例は少ない。一般的に反応性の高い置換位置である2位がハロゲン化されたピリジン誘導体をマグネシウム化剤と反応させて得られる2−ピリジルマグネシウムブロミド誘導体と、ハロゲノアリール誘導体とを反応させて、2−アリールピリジン誘導体を合成する方法は知られている(ジャーナル オブ ザ モレキュラー ストラクチャー(J. Molecular Structure)2000年、553巻、61頁を参照)が、2位に官能基を有する5−ハロゲノピリジン誘導体とマグネシウム化剤と反応させて5−ピリジルマグネシウムブロミド誘導体とハロゲノアリール誘導体を合成する方法は知られていない。
本発明の目的は、極低温の条件を必要とせず、短工程で、分離困難な異性体の副生のない、工業的に有利な6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体の製造方法を提供することにある。
本発明の一形態によれば、下記一般式(I):
式中、XおよびXは、それぞれ独立してハロゲン原子を表し、R、R、およびRは、それぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基を表し、RおよびRはそれらが結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成していてもよい、
で示される2,5−ジハロゲノピリジン誘導体(以下、「2,5−ジハロゲノピリジン誘導体(I)」とも称する)を、マグネシウム化剤と反応させる第一工程;および、
前記第一工程で得られた生成物を、パラジウム化合物の存在下で、下記一般式(II):
式中、Xはハロゲン原子を表し、Yはメチン基または窒素原子を表し、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基、または置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、nは0〜5の整数を表す、
で示されるハロゲノアリール誘導体(以下、「ハロゲノアリール誘導体(II)」とも称する)と反応させて、下記一般式(III):
式中、X、Y、R、R、R、Rおよびnは上記定義のとおりである、
で示される6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(以下、「6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)」とも称する)を得る第二工程;
を含む、6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)の製造方法が提供される。
また、本発明の他の形態によれば、6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)を、下記一般式(IV):
式中、Mは元素周期表の第1族または第2族の元素を表し、Rはアルキル基またはシクロアルキル基を表し、Mが第1族の元素である場合、mは1であり、Mが第2族の元素である場合、mは2である、
で示されるアルキルアルコールの塩(以下、「アルキルアルコールの塩(IV)」とも称する)と反応させて、下記一般式(V):
式中、Y、R、R、R、R、Rおよびnは上記定義のとおりである、
で示される6−アルコキシ−3−アリールピリジン誘導体(以下、「6−アルコキシ−3−アリールピリジン誘導体(V)」とも称する)を得る第三工程を含む、6−アルコキシ−3−アリールピリジン誘導体(V)の製造方法が提供される。
本発明によれば、6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)を工業的に有利に製造することができる。
[6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)の製造方法]
本発明の一形態は、6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)の製造方法である。この製造方法は、2,5−ジハロゲノピリジン誘導体(I)を、マグネシウム化剤と反応させる第一工程;および、当該第一工程で得られた生成物を、パラジウム化合物の存在下で、ハロゲノアリール誘導体(II)と反応させて、6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)を得る第二工程を含む点に特徴を有する。よって、これら以外の具体的な形態について特に制限はない。以下、本形態の製造方法の好ましい実施形態について、詳細に説明する。
上記の一般式中、R、R、R、R、およびRがそれぞれ表すアルキル基、ならびにRが表すアルコキシ基が有するアルキル基は、直鎖状または分岐状のいずれでもよく、その炭素数が1〜12であるものが好ましく、炭素数が1〜4であるものがより好ましい。アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などが挙げられる。また、R〜Rがそれぞれ表すシクロアルキル基、およびRが表すシクロアルコキシ基が有するシクロアルキル基は、炭素数が3〜12であるものが好ましく、炭素数が5〜7であるものがより好ましい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。また、RおよびRは、相互に結合してRおよびRがそれぞれ結合しているピリジン環の炭素原子と一緒になって環構造を形成していてもよい。RとRが、それらが結合する炭素原子と一緒になって形成していてもよい環の炭素数は4〜10であるものが好ましい。かかる環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。
上記のアルキル基、シクロアルキル基、および環構造は置換基を有していてもよい。かような置換基としては、例えば、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基などの、炭素数が4〜15であり、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を環構造に任意に含んでいてもよいアリール基;ビニル基、1−メチルビニル基などのアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、アリルオキシ基、ベンジルオキシ基などの直鎖状または分岐状の炭素数が1〜12であるアルコキシ基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などの炭素数が3〜12であるシクロアルコキシ基;フェノキシ基、ニトロフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基、ピリジルオキシ基、フリルオキシ基、チエニルオキシ基などの、炭素数が4〜15であり、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を環構造に任意に含んでいてもよいアリールオキシ基などが挙げられる。
が表す置換基を有していてもよいアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、アリルオキシ基、ベンジルオキシ基などが挙げられる。また、Rが表す置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基の例としては、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などが挙げられる。
、R、R、およびRがそれぞれ表すアリール基、ならびにRがそれぞれ表すアリールオキシ基が有するアリール基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を環構造に任意に含んでいてもよく、その炭素数は4〜15であるものが好ましい。アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基などが挙げられる。
上記のアリール基は置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などの直鎖状または分岐状の炭素数が1〜12であるアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数が3〜12であるシクロアルコキシ基;フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基などの、炭素数が4〜15であり、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を環構造に任意に含んでいてもよいアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、アリルオキシ基、ベンジルオキシ基などの直鎖状または分岐状の炭素数が1〜12であるアルコキシ基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などの炭素数が3〜12であるシクロアルコキシ基;フェノキシ基、ニトロフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基、ピリジルオキシ基、フリルオキシ基、チエニルオキシ基などの、炭素数が4〜15であり、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を環構造に任意に含んでいてもよいアリールオキシ基などが挙げられる。
が表すアリールオキシ基の代表例としては、フェノキシ基、ニトロフェノキシ基、ナフチルオキシ基、ピリジルオキシ基、フリルオキシ基、チエニルオキシ基などが挙げられる。
上記の一般式中、Mが表す元素周期表の第1族元素としては、ナトリウム原子、リチウム原子、カリウム原子などが挙げられる。また、Mが表す元素周期表の第2族元素としては、マグネシウム原子、カルシウム原子などが挙げられる。
本発明の製造方法は、2,5−ジハロゲノピリジン誘導体(I)をマグネシウム化剤と反応させる第一工程と、第一工程の生成物をパラジウム化合物の存在下で、ハロゲノアリール誘導体(II)と反応させて、6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)を得る第二工程とを含む。以下、各工程について説明する。
[第一工程]
第一工程では、2,5−ジハロゲノピリジン誘導体(I)をマグネシウム化剤と反応させる。
第一工程の反応原料である2,5−ジハロゲノピリジン誘導体(I)の入手経路は特に制限されない。市販品が上市されている場合には、当該市販品を購入したものを反応に用いることができる。一方、工業的に入手可能な原料から、2,5−ジハロゲノピリジン誘導体(I)を自ら調製したものを第一工程において用いてもよい。2,5−ジハロゲノピリジン誘導体(I)を自ら調製する手法としては、例えば、2−メトキシピリジンの5位を臭素化した後、2位のメトキシ基を塩素で置換するという手法が挙げられる(Tetrahedron Letters,1998年、39巻、2059頁を参照)。
第一工程において用いられるマグネシウム化剤としては、通常の有機化学において、有機ハロゲン化合物から有機マグネシウムハライド化合物を調製する際に用いられる化合物が使用されうる。例えば、マグネシウム金属;マグネシウムアントラセン錯体;エチルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムクロリド、t−ブチルマグネシウムクロリドなどのグリニャール試薬が挙げられる。これらの中で、反応性の観点からはグリニャール試薬が好ましい。マグネシウム化剤の使用量は、2,5−ジハロゲノピリジン誘導体(I)に対して0.1〜10モル当量の範囲であるのが好ましく、0.5〜3当量の範囲であるのがより好ましい。
反応は、溶媒の存在下に行なうのが好ましい。溶媒は、反応に悪影響を与えない限り特に制限されない。溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類などが挙げられる。これらのうち、エーテル類を溶媒として使用するのが好ましく、反応操作上の観点から特にテトラヒドロフランを使用するのが好ましい。溶媒は単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
第一工程の反応は、−20〜100℃の範囲で行なうのが好ましく、0〜40℃の範囲で行なうのがより好ましい。
第一工程の反応時間は、特に制限はないが、通常0.5〜24時間の範囲である。反応終了後、第一工程の反応生成物は、単離されて次工程において用いられてもよいし、反応混合物のまま次工程において用いられてもよいが、反応混合物のまま次工程において用いられるのが好ましい。第一工程の反応生成物を単離する場合は、反応混合物を静置し、固体として析出した反応生成物を濾取する方法;反応混合物から溶媒を留去して濃縮する等の方法が単離方法として使用されうる。
第一工程では、2,5−ジハロゲノピリジン誘導体(I)をマグネシウム化剤と反応させることによって、下記一般式(VI)で示される有機マグネシウム化合物(以下、「有機マグネシウム化合物(VI)」とも称する)が生成していることが推定される。そして、後述する第二工程では、有機マグネシウム化合物(VI)とハロゲノアリール誘導体(II)とのカップリング反応が進行しているものと理解される。ただし、これらのメカニズムに本発明の権利範囲が拘束されるわけではない。
式中、Xはハロゲン原子を表し、X、R、R、およびRは上記定義のとおりである。
[第二工程]
第二工程では、上述した第一工程の生成物(有機マグネシウム化合物(VI)と推定される)をパラジウム化合物の存在下で、ハロゲノアリール誘導体(II)と反応させる。これにより、6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)を得る。
第二工程の反応原料であるハロゲノアリール誘導体(II)の入手経路は特に制限されない。市販品が上市されている場合には、当該市販品を購入したものを反応に用いることができる。一方、工業的に入手可能な原料から、ハロゲノアリール誘導体(II)を自ら調製したものを第二工程において用いてもよい。ハロゲノアリール誘導体(II)を自ら調製する手法としては、例えば、2−アミノピリジンのアミノ基を臭素で置換するという手法が挙げられる(Organic Synthesis,Collective Volume 3,136頁,1955年を参照)。
ハロゲノアリール誘導体(II)の使用量は、第一工程で使用した2,5−ジハロゲノピリジン誘導体(I)1モルに対して0.1〜10モルの範囲であるのが好ましく、0.3〜2モル当量の範囲であるのがより好ましい。
第二工程の反応は、−20〜100℃の範囲で行なうのが好ましく、0〜40℃の範囲で行なうのがより好ましい。
第二工程において用いられるパラジウム化合物としては、炭素−炭素結合生成反応に一般的に使用されるものであれば特に限定はない。パラジウム化合物としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(0)、ビス[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム(0)、ビス[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム(0)、ビス[1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン]パラジウム(0)、ビス[1,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン]パラジウム(0)、ビス[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0)、パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)]ジパラジウム、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロパラジウム(II)、[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロパラジウム(II)、[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]ジクロロパラジウム(II)、[1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン]ジクロロパラジウム(II)、[1,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン]ジクロロパラジウム(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、パラジウム(II)アセチルアセトナート、ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)クロリド、ビス(アセタート)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム(II)等が挙げられる。安定性、反応性、入手の容易さなどの観点から、これらのうち、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(0)、ビス[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム(0)、ビス[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム(0)、ビス[1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン]パラジウム(0)、ビス[1,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン]パラジウム(0)、ビス[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0)、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)]ジパラジウム、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロパラジウム(II)、[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロパラジウム(II)、[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]ジクロロパラジウム(II)、[1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン]ジクロロパラジウム(II)、[1,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン]ジクロロパラジウム(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ビス(アセタート)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)等が好ましく、ジクロロビス[メチレンビス(ジフェニルホスフィン)]ジパラジウム、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロパラジウム(II)、[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロパラジウム(II)、[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]ジクロロパラジウム(II)、[1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン]ジクロロパラジウム(II)、[1,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン]ジクロロパラジウム(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)等の二座リン配位子を有するパラジウム錯体化合物がより好ましく、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)がさらに好ましい。第二工程において用いられるパラジウム化合物は、市販品であってもよいし、反応系中で生成させたものであってもよい。
必要に応じて適宜、上記パラジウム化合物に配位しうるリン配位子を使用してもよい。使用されるリン配位子は、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス[2−(ジフェニルホスフィノ)エチル]ホスフィン、ビス(2−メトキシフェニル)フェニルホスフィン、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、トリ−t−ブチルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(2−ジフェニルホスフィノエチル)フェニルホスフィン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル等が挙げられる。好適には、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(2−ジフェニルホスフィノエチル)フェニルホスフィン等の二座リン配位子が好ましく、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンがより好ましい。
パラジウム化合物の使用量は、ハロゲノアリール誘導体(II)に対して0.0001〜2当量の範囲であるのが好ましく、0.001〜0.1当量の範囲であるのがより好ましい。
反応操作としては、第一工程の反応生成物を含む反応混合物にハロゲノアリール誘導体(II)およびパラジウム化合物を添加するか、またはハロゲノアリール誘導体(II)およびパラジウム化合物の溶液中に第一工程の反応生成物を含む反応混合物を添加する。添加する際に、ハロゲノアリール誘導体(II)は上記の反応溶媒で希釈されていてもよい。希釈濃度は特に限定されないが、ハロゲノアリール誘導体(II)が1〜80重量%となる範囲であるのが好ましく、5〜50重量%となる範囲であるのがより好ましい。添加速度は特に制限されないが、好ましい反応成績を発現できる温度に制御しうる速度であるのが好ましい。
第二工程の反応時間は、特に制限はないが、通常0.5〜24時間の範囲である。このようにして製造される6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)は、通常の有機化合物の単離・精製に用いられる方法により単離・精製することができる。例えば、反応混合液を塩酸などで中和し、トルエンなどの有機溶媒で抽出した後、蒸留、シリガゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶などの処理を施すことにより、目的物である6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)が精製されうる。
[6−アルコキシ−3−アリールピリジン誘導体(V)の製造方法]
本発明の他の形態は、6−アルコキシ−3−アリールピリジン誘導体(V)の製造方法である。この製造方法は、6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)を、アルキルアルコールの塩(IV)と反応させて、6−アルコキシ−3−アリールピリジン誘導体(V)を得る第三工程を含む点に特徴を有する。よって、これら以外の具体的な形態について特に制限はない。以下、本形態の製造方法の好ましい実施形態について、詳細に説明する。
[第三工程]
第三工程では、6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)を、アルキルアルコールの塩(IV)と反応させる。これにより、6−アルコキシ−3−アリールピリジン誘導体(V)を得る。なお、第三工程における反応原料である6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)の入手経路は特に制限されない。例えば、上述した第一工程および第二工程を経て製造されたものであってもよいし、他の一般的な手法により自ら製造したものであってもよいし、市販品を購入したものであってもよい。
アルキルアルコールの塩(IV)の使用量は、6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)1モルに対して0.1〜10モルの範囲であるのが好ましく、0.5〜3モル当量の範囲であるのがより好ましい。
反応は、溶媒の存在下に行なうのが好ましい。溶媒は、反応に悪影響を与えない限り特に制限されない。溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類などが挙げられる。これらのうち、芳香族炭化水素を使用するのが好ましく、反応操作上の観点から特にトルエンを使用するのが好ましい。溶媒は単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
第三工程の反応は、0〜200℃の範囲で行なうのが好ましく、60〜100℃の範囲で行なうのがより好ましい。
第三工程の反応時間は、特に制限はないが、通常0.5〜24時間の範囲である。
このようにして製造される6−アルコキシ−3−アリールピリジン誘導体(V)は、通常の有機化合物の単離・精製に用いられる方法により単離・精製することができる。例えば、反応混合液を塩酸などで中和し、トルエンなどの有機溶媒で抽出した後、蒸留、シリガゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶などの処理を施すことにより、目的物である6−アルコキシ−3−アリールピリジン誘導体(V)が精製されうる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。なお、以下の実施例、比較例、および参考例において、パラジウム化合物およびイソプロピルマグネシウムクロリドは東京化成工業製の試薬を用い、それ以外の原料化合物、溶媒は和光純薬工業製の試薬を用いた。
[実施例1]
6−クロロ−3−フェニルピリジンの合成
窒素置換した内容積300mLのフラスコに、マグネシウム化剤であるイソプロピルマグネシウムクロリドの19.5重量%テトラヒドロフラン溶液30.3g(イソプロピルマグネシウムクロリドとして57.5ミリモル)を仕込み、10℃に冷却した後、2,5−ジハロゲノピリジン誘導体(I)である5−ブロモ−2−クロロピリジン(9.6g、50.0ミリモル)のテトラヒドロフラン(20g)溶液を10〜20℃の範囲で1.0時間かけて滴下した。滴下終了後、10〜20℃の範囲で1.5時間攪拌した後、反応混合物を、ハロゲノアリール誘導体(II)であるブロモベンゼン(7.9g、50.0ミリモル)およびパラジウム化合物である[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.20g、0.25mmol)のテトラヒドロフラン(20g)溶液に、10〜20℃の範囲で2.0時間かけて滴下した。滴下終了後、10〜20℃の範囲で4.0時間攪拌した後、飽和塩化アンモニア水溶液(50g)を加えた。反応混合物にトルエン(50g)を加え1.0時間攪拌した後、静置して有機層を分離した。有機層を飽和食塩水(10g)で洗浄した後、減圧下で濃縮して粗6−クロロ−3−フェニルピリジン6.5g(純度82%、収率60%)を得た。得られた粗6−クロロ−3−フェニルピリジン6.5gを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(200g)にて精製し、6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)である6−クロロ−3−フェニルピリジン4.5g(収率42%)を得た。
H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl、TMS、ppm)δ:7.37−7.58(m,6H)、7.84(dd,1H,J=8.3,2.5Hz)、8.61(d,1H,2.0Hz)
[実施例2]
6−クロロ−3−フェニルピリジンの合成
実施例1においてブロモベンゼンに代えてクロロベンゼン(5.6g、50.0ミリモル)を使用した点以外は実施例1と同様の操作を行ない、6−クロロ−3−フェニルピリジンを収率40%で得た。
[実施例3]
6−クロロ−3,2’−ビピリジンの合成
窒素置換した内容積300mLのフラスコに、マグネシウム化剤であるイソプロピルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(19.5重量%、30.3g、57.5ミリモル)を仕込み、10℃に冷却した後、2,5−ジハロゲノピリジン誘導体(I)である5−ブロモ−2−クロロピリジン(9.6g、50.0ミリモル)のテトラヒドロフラン(20g)溶液を10〜20℃の範囲で1.0時間かけて滴下した。滴下終了後、10〜20℃の範囲で1.5時間攪拌した後、反応混合物を、ハロゲノアリール誘導体(II)である2−ブロモピリジン(7.9g、50.0ミリモル)およびパラジウム化合物である[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.20g、0.25mmol)のテトラヒドロフラン(20g)溶液に、10〜20℃の範囲で2.0時間かけて滴下した。滴下終了後、10〜20℃の範囲で4.0時間攪拌した後、飽和塩化アンモニア水溶液(50g)を加えて反応を停止させた。反応混合物にトルエン(50g)を加え1.0時間攪拌した後、静置して有機層を分離した。有機層を飽和食塩水(10g)で洗浄した後、減圧下で濃縮して粗6−クロロ−3,2’−ビピリジン10.6g(純度81%、収率90%)を得た。得られた粗6−クロロ−3,2’−ビピリジン10.6gを、減圧下で単蒸留(0.9mmHg、124℃)して、6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)である6−クロロ−3,2’−ビピリジン8.0g(収率68%)を得た。
H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl、TMS、ppm)δ:7.27−7.33(m,1H)、7.42(d,1H,J=7.5Hz)、7.72(d,1H,J=7.9Hz)、7.77−7.82(m,1H)、8.25(dd,1H,J=2.0Hz,7.8Hz)、8.68−8.72(m,1H,J=Hz)、8.96(d,1H,J=2.0Hz)
[実施例4〜9]
ハロゲノアリール誘導体(II)、パラジウム化合物として下記の表1に記載の化合物を使用した点以外は実施例3と同様に操作を行なった。生成物および収率を併せて表1に示す。
[実施例10]
6−メトキシ−3,2’−ビピリジンの合成
内容積200mLのフラスコに、6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体(III)である6−クロロ−3,2’−ビピリジン(6.0g、31.5ミリモル)のトルエン(10g)溶液を仕込み、アルキルアルコールの塩(IV)であるナトリウムメトキシドのメタノール溶液(32.0重量%、8.0g、47.4ミリモル)を10〜20℃の範囲で0.5時間かけて滴下した。滴下終了後、70〜75℃の範囲で3.0時間攪拌した後、10〜20℃の範囲で水(30g)を加えて反応を停止させた。反応混合物にトルエン(20g)を加え1.0時間攪拌した後、静置して有機層を分離した。水層をトルエン(30g+30g)で2回抽出し、抽出液と上記の有機層を合わせた後、減圧下で濃縮して粗6−メトキシ−3,2’−ビピリジン6.2g(純度91%、収率95%)を得た。得られた粗6−メトキシ−3,2’−ビピリジン6.2gを、減圧下で単蒸留(1.0mmHg、104℃)して、6−アルコキシ−3−アリールピリジン誘導体(V)である6−メトキシ−3,2’−ビピリジン5.4g(収率83%)を得た。
H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl、TMS、ppm)δ:4.00(s,3H)、6.85(d,1H,J=8.9Hz)、7.20−7.24(m,1H)、7.66(d,1H,J=7.9Hz)、7.74(dt,1H,J=2.0Hz,7.9Hz)、8.25(dd,1H,J=2.0Hz,8.9Hz)、8.66−8.68(m,1H,)、8.74(d,1H,J=2.0Hz)
[比較例1]
ニッケル化合物存在下での6−クロロ−3,2’−ビピリジンの合成
窒素置換した内容積300mLのフラスコに、イソプロピルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(19.5重量%、30.3g、57.5ミリモル)を仕込み、10℃に冷却した後、5−ブロモ−2−クロロピリジン(9.6g、50.0ミリモル)のテトラヒドロフラン(20g)溶液を10〜20℃の範囲で1.0時間かけて滴下した。滴下終了後、10〜20℃の範囲で1.5時間攪拌した後、反応混合物を、2−ブロモピリジン(7.9g、50.0ミリモル)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスホノプロパン)]ニッケルジクロリド(0.14g、0.25ミリモル)のテトラヒドロフラン(20g)溶液に、10〜20℃の範囲で2.0時間かけて滴下した。滴下終了後、10〜20℃の範囲で4.0時間攪拌したが、6−クロロ−3,2’−ビピリジンは得られなかった。
[参考例1]
鈴木カップリングによる6−クロロ−3,2’−ビピリジンの合成(−78℃)
窒素置換したフラスコに5−ブロモ−2−クロロピリジン(9.6g、50.0ミリモル)のテトラヒドロフラン(80g)溶液を仕込み、−78℃に冷却した後、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(15重量%、24.6g、57.5ミリモル)を−78℃にて滴下した。次いで、−78℃にて、トリメトキシボラン(5.7g、55.0ミリモル)を滴下した。滴下終了から30分後、冷却バスをはずし、室温で終夜攪拌した。その後、氷冷下10重量%塩酸(50g)を加えて、1.5時間攪拌した後、40重量%水酸化ナトリウム水溶液(15g)を加えて中和した。反応混合物に酢酸エチル(50g)を加えて1.0時間攪拌した後、静置して有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮して6−クロロ−3−ピリジルボロン酸(6.9g、44.0ミリモル)を得た。
得られた6−クロロ−3−ピリジルボロン酸(6.9g、44.0ミリモル)に、2−ブロモピリジン(7.0g、44.0ミリモル)、酢酸パラジウム(0.5g、2.2ミリモル)、トリフェニルホスフィン(2.5g、9.5ミリモル)、炭酸カリウム(37.0g、267.0ミリモル)、1,2−ジメトキシエタン(60g)、水(80g)を添加し、攪拌後、6.0時間加熱還流した。反応液を冷却後、酢酸エチル(50g)を加えて1.0時間攪拌した後、静置して有機層を分離した。有機層を10重量%塩化アンモニア水溶液(20g)、10%アンモニア水(20g)、10%食塩水(20g)で洗浄した後、減圧下濃縮して6−クロロ−3,2’−ビピリジン(7.0g、38.3ミリモル)を得た。
[参考例2]
鈴木カップリングによる6−クロロ−3,2’−ビピリジンの合成(10℃)
窒素置換したフラスコに5−ブロモ−2−クロロピリジン(9.6g、50.0mmol)のテトラヒドロフラン(80g)溶液を仕込み、10℃に冷却した後、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(15重量%、24.6g、57.5ミリモル)を10℃にて滴下した。次いで、10℃にて、トリメトキシボラン(5.7g、55.0ミリモル)を滴下した。滴下終了から30分後、冷却バスをはずし、室温で終夜攪拌したが、6−クロロ−3−ピリジルボロン酸は得られなかった。
[比較例2]
6−メトキシ−3,2’−ビピリジンの合成
窒素置換した内容積300mLのフラスコにイソプロピルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(19.5重量%、30.3g、57.5ミリモル)を仕込み、10℃に冷却した後、5−ブロモ−2−メトキシピリジン(9.4g、50.0ミリモル)のテトラヒドロフラン(20g)溶液を10〜20℃の範囲で1.0時間かけて滴下した。滴下終了後、10〜20℃の範囲で1.5時間攪拌した後、反応混合物を、2−ブロモピリジン(7.9g、50.0ミリモル)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.14g、0.25ミリモル)のテトラヒドロフラン(20g)溶液に、10〜20℃の範囲で2.0時間かけて滴下した。滴下終了後、10〜20℃の範囲で4.0時間攪拌したが、6−メトキシ−3,2’−ビピリジンは得られなかった。
なお、本出願は、2007年12月21日に出願された日本国特許出願第2007−330516号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I):
    式中、X は塩素原子を表し、臭素原子を表し、R、R、およびRは、それぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基を表し、RおよびRはそれらが結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成していてもよい、
    で示される2,5−ジハロゲノピリジン誘導体を、エチルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムクロリド、t−ブチルマグネシウムクロリドからなる群より選択されるグリニャール試薬と反応させる第一工程;および、
    前記第一工程で得られた生成物を、パラジウム化合物の存在下で、下記一般式(II):
    式中、Xはハロゲン原子を表し、Yはメチン基または窒素原子を表し、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基、または置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、nは0〜5の整数を表す、
    で示されるハロゲノアリール誘導体と反応させて、下記一般式(III):
    式中、X、Y、R、R、R、Rおよびnは上記定義のとおりである、
    で示される6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体を得る第二工程;
    を含む、6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体の製造方法。
  2. が窒素原子を表す、請求項1に記載の製造方法。
  3. が塩素原子または臭素原子を表す、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 下記一般式(I):
    式中、X は塩素原子を表し、X は臭素原子を表し、R 、R 、およびR は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基を表し、R およびR はそれらが結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成していてもよい、
    で示される2,5−ジハロゲノピリジン誘導体を、エチルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムクロリド、t−ブチルマグネシウムクロリドからなる群より選択されるグリニャール試薬と反応させる第一工程;および、
    前記第一工程で得られた生成物を、パラジウム化合物の存在下で、下記一般式(II):
    式中、X はハロゲン原子を表し、Y はメチン基または窒素原子を表し、R は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基、または置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、nは0〜5の整数を表す、
    で示されるハロゲノアリール誘導体と反応させて、下記一般式(III):
    式中、X 、Y 、R 、R 、R 、R およびnは上記定義のとおりである、
    で示される6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体を得る第二工程;および
    前記第二工程で得られた6−ハロゲノ−3−アリールピリジン誘導体を、下記一般式(IV):
    式中、Mは元素周期表の第1族または第2族の元素を表し、Rはアルキル基またはシクロアルキル基を表し、Mが第1族の元素である場合、mは1であり、Mが第2族の元素である場合、mは2である、
    で示されるアルキルアルコールの塩と反応させて、一般式(V):
    式中、Y、R、R、R、R、Rおよびnは上記定義のとおりである、
    で示される6−アルコキシ−3−アリールピリジン誘導体を得る第三工程
    を含む、6−アルコキシ−3−アリールピリジン誘導体の製造方法。
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