JP2008039750A - 高さ測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】3次元形状をもつ被測定物の表面高さを高速かつ高精度に、信頼性高く測定する。
【解決手段】互いに波長の異なる第1の光束と第2の光束とが対象物に関して異なる集光位置をもつように生成し、両光束を合成して対象物を照射する。その反射光を第1の光束の一部を成す第1の反射光と、第2の光束の一部を成す第2の反射光とに分離して検出し、両反射光の画像強度の比率に基づいて対象物の高さを求める。
【選択図】図4
【解決手段】互いに波長の異なる第1の光束と第2の光束とが対象物に関して異なる集光位置をもつように生成し、両光束を合成して対象物を照射する。その反射光を第1の光束の一部を成す第1の反射光と、第2の光束の一部を成す第2の反射光とに分離して検出し、両反射光の画像強度の比率に基づいて対象物の高さを求める。
【選択図】図4
Description
本発明は、被測定物の表面部分の高さを測定する技術に関するものである。
被測定物の表面の凹凸や高さを測定するために、従来、接触式変位計が広く用いられてきたが、接触子としてダイヤモンドなどの硬い材料を使用するので測定対象物の表面にキズをつける危険があること、測定速度が非常に遅いこと、スポット測定なので広い範囲を測定するには走査しなければならないなどの欠点があった。
レーザビームを測定対象面に斜め方向から照射し、反射してくる光を受光素子で検出し、三角測量の原理で高さを測定するレーザ変位計は、測定速度が接触式に比べて向上するが、レーザビームのスポット測定なので、広い測定対象物の表面を測定するには走査しなければならず、測定時間がかかりすぎる。
共焦点方式は、高さ側定に向いているものの、焦点位置に光学系を合わせるので、測定時間が長くなってしまう。
高速測定のできる方法として、BGAやCSPの半田ボールやバンプの高さなどを画像撮像によって測定する方法がある。例えば波長と照射角度を変えた2式の光源とカメラを用いて三角測量の原理により測定物の表面高さを測定する方法がある。この方法は、高速測定が可能になるが、測定対象物にキズが付いていたり、マークの無いフラットな部分の測定が難しい。
なおこの種の技術として関連するものには、例えば特許文献1に記載される技術などがある。
従来の画像撮像による測定装置は、不規則なキズやマークの無いフラット表面をもつ対象物の表面高さの測定が困難である。本発明は、3次元形状をもつ対象物表面の広い範囲について高速かつ高精度に高さを測定することを課題とする。
また本発明は、数10nmから数100nmの超微細な範囲から数mmから数10mmの範囲での広い範囲での対象物の高さを測定することを課題とする。
また本発明は、測定結果に死角が生じないような測定方式を用いることを課題とする。
検出波長範囲で連続する波長をもつ光束を、その波長に応じて被測定物の異なる高さに集光し照射すると、集光光線は高さ方向にその波長が異なった光となる。この光がある高さの被測定物に当たり反射すると、その反射高さに応じた波長の反射光となる。本発明は、この反射光を受光してその波長を検出することにより、反射面の高さを求めるものである。
また、互いに波長の異なる複数の光から成る光束を、その波長に応じて被測定物の異なる高さに集光し、かつ測定高さ範囲で各々の光が集光高さを中心に光の拡がり分布をもつように照射すると、照射光線は高さ方向にその波長に応じて混合割合が異なった光となる。この波長光の混合された光がある高さの被測定物に当たり反射すると、その反射高さに応じた波長光の混合割合をもつ。本発明は、この反射光を受光してその波長光の混合割合を検出することにより、反射面の高さを求めるものである。
また、互いに波長の異なる複数の光から成る光束を、その波長に応じて被測定物の異なる高さに集光し、かつ測定高さ範囲で各々の光が集光高さを中心に光の拡がり分布をもつように照射すると、照射光線は高さ方向にその波長に応じて混合割合が異なった光となる。この波長光の混合された光がある高さの被測定物に当たり反射すると、その反射高さに応じた波長光の混合割合をもつ。本発明は、この反射光を受光してその波長光の混合割合を検出することにより、反射面の高さを求めるものである。
本発明の実施例によれば、白色光源のように連続する波長をもつ光束を用いる場合に、その反射光は波長により反射位置が異なるので受光光学系は波長により物側距離が異なるから、波長依存性のあるレンズを使用してほぼ同一位置に結像することが出来る。その位置に反射光を検出する波長識別が出来る撮像装置を設けてもよいし、1台のカラー撮像装置を設けてもよいし、反射光を赤緑青等の波長帯域成分に分離し、波長帯域成分が集光する位置にそれぞれ配置された波長帯域成分検出センサによって検出してもよい。また互いに波長の異なる光を発射する複数の光源を用いる場合には、これら複数の光束を合成してから被測定物を照射し、各光束の反射光が結像する少なくとも1つの位置で反射光を検出することができる。
また他の実施例によれば、画像撮像装置の受光素子として、ライン受光素子又はエリア受光素子を用い、被測定物の複数箇所の反射光を同時に検出し、高さ測定を高速化する。
さらに他の実施例によれば、光源側の複数箇所に照射光を絞る手段を供えると共に、ライン受光素子又はエリア受光素子に対して被測定物の複数箇所に対応して反射光を絞る手段を供え、これらの受光素子を用いるときの分解能の向上と焦点深度を深くする。
本発明によれば、3次元形状をもつ被測定物の高さを高速かつ高精度に、また信頼性高く測定することができる。
図1に示すように、光軸上のz1で集光する光束とz2で集光する光束とが同じ角度をもってそれぞれの位置で集光する場合、両者の中間位置にあるzでの各光束の光強度は、各々z1、z2との距離の差が大きくなるほど減衰する関数とみなすことができ、zの位置により一義的に両者の混合比率が変わると考えられる。
レンズで集光(結像)された光束は、各種の収差によって光の拡がりをもつが、円形の絞りの無収差レンズの点像の強度分布断面は、図2に示すように、1次のベッセル関数で表され、その半径は、ra=1.22λF=0.61λ/NAであることが知られている。ここでλは波長、FはF値、NAは開口数である。
例えば、λ=0.635μm,NA=0.5の場合、ra=0.774μmとなる。分解能がε=0.774μmの場合、像の焦点深度δはδ=kε/NAと表され、kは評価定数であり、いまk=1とすると、δ=1.548μmとなる。
実際の光学系では、各種の収差と製作精度により光の強度分布は異なり、事前に測定可能であり、光学系で一義的に決まる値である。
図3は、横軸を高さ方向にとり、第1光強度分布31と第2光強度分布32の例を示すものである。第1光は高さz1で集光するものとし、第2光は高さz2で集光するものとする。第1光と第2光とは、互いに特性の異なる光とする。従って被測定物(対象物)の高さによって照射される第1光と第2光との強度比が異なるので、両者の合成光を受光して各光の特性の違いにより両者を分離し、その強度比を知れば照射された被測定物の反射高さを知ることができる。図示するように、高さ測定可能範囲は、第1光と第2光の反射光をともに検出可能な範囲となる。
光束が連続する波長をもつ光から成る場合には、被測定物の高さ方向に光の波長に応じて連続した集光位置を持たせる。高さ測定可能範囲は、検出波長範囲に依存し、検出波長範囲は光源の発光スペクトルおよび受光素子の波長による感度に依存する。
実施例1は、波長の異なる2つのレーザ光源にそれぞれ別々の集光位置をもたせ、両方の光を合成して被測定物を照射し、その反射光を波長フィルタで2種類の波長の反射光に分離するものである。
図4は、実施例1の高さ測定装置の構成図である。レーザ光源41は波長λ1をもつレーザ光を発射する光源、レーザ光源42はλ1とは異なる波長λ2をもつ光源である。絞り101,102は、光源から発射された光を絞るためのピンホールを備える。詳細は実施例7で説明する。レーザ光源41とレーザ光源42とは異なる結像位置をもつ。ビームスプリッタ43は、透過率50%、反射率50%をもつスプリッタであり、レーザ光源41からの光とレーザ光源42からの光とを合成する。ビームスプリッタ43を通過した合成光は、ハーフミラー44を通過して被測定物9に照射される。
尚ビームスプリッター43は波長λ1を透過し、波長λ2を反射するビームスプリッターを使用することも出来る。以上が照射光学系の構成である。
尚ビームスプリッター43は波長λ1を透過し、波長λ2を反射するビームスプリッターを使用することも出来る。以上が照射光学系の構成である。
波長λ1をもつ光は第2集光位置46となる面に結像し、波長λ2をもつ光は第1集光位置45となる面に結像する。これらの光の高さ方向に沿ったλ1波とλ2波との強度比率および図面に垂直なxy面における両波の強度比率はあらかじめ測定される必要がある。
被測定物9の表面では、ある混合比率をもったλ1波とλ2波の合成光が反射する。反射光は、ハーフミラー44で反射し、ミラー47で更に反射して対物レンズ48によってコリメータレンズ49の位置に結像する。反射光は、コリメータレンズ49によって平行光線に変えられる。平行光線は、ビームスプリッタ50により、50%の透過光と50%の反射光とに分けられる。透過光は、波長λ1をもつ光を通過させる波長フィルタ51と結像レンズ52を通過して一方の画像撮像装置の撮像素子53に結像する。反射光は、波長λ2をもつ光を通過させる波長フィルタ54と結像レンズ55を通過して他方の画像撮像装置の撮像素子56に結像する。絞り103,104は、各々撮像素子53,56に集光する光を絞るためのピンホールを備える。詳細は実施例7で説明する。
尚ビームスプリッター50は波長λ1を透過し、波長λ2を反射するビームスプリッターを使用することも出来る。その場合波長フィルタ51と波長フィルタ54とは不要になる。
尚ビームスプリッター50は波長λ1を透過し、波長λ2を反射するビームスプリッターを使用することも出来る。その場合波長フィルタ51と波長フィルタ54とは不要になる。
画像処理装置20は、これらの画像撮像装置と接続するインタフェース・ボードを備えたコンピュータである。画像処理装置20は、撮像素子53および撮像素子56が検出した画像データを入力してバッファメモリに一時記憶し、各画素について波長λ1反射光の画像強度と波長λ2反射光の画像強度との比率を求める。画像処理装置20は、メモリに格納された強度比率と高さとの対応を示すテーブルを参照して算出された強度比率から被測定物9の高さを求め、表示装置上に表示する。
実施例1によれば、被測定物9の表面高さが高さ測定可能範囲に入っていれば、その表面からの反射光を検出して被測定物9の表面高さを知ることができ、その際に画像撮像装置又は被測定物9を高さ方向に移動して被測定物9の表面に焦点を合わせる必要がないため、高速の高さ測定が可能となる。この効果は、全ての実施例に共通の効果である。
2種の偏光波を用いる実施例5の場合には、被測定物9に対して斜めに照射された入射光がその偏光角を変えることがあるが、実施例1の方式ではその心配がなく、被測定物9のフラットな頂点の高さだけでなく、斜めのプロファイルも測定可能である。
なお実施例1の受光光学系および撮像素子53,56の代わりに、適当なレンズ系を介して波長λ1反射光と波長λ2反射光とがほぼ同じ位置に結像するように構成されカラーCCDを備えた1台の画像撮像装置を設け、波長λ1反射光の画像強度と波長λ2反射光の画像強度との比率、あるいは赤緑青の各色の画像強度比率から被測定物9の高さを求めてもよい。
この場合の結像用レンズとして、第1集光位置45が短い方の波長、第2集光位置46が長い方の波長の場合には、カラーCCD上に両波長の反射光が結像する様に、いわゆる色消し補正過剰なレンズを使用する。
この場合の結像用レンズとして、第1集光位置45が短い方の波長、第2集光位置46が長い方の波長の場合には、カラーCCD上に両波長の反射光が結像する様に、いわゆる色消し補正過剰なレンズを使用する。
実施例1のレーザ光源41,42の代わりに、検出波長範囲で連続した波長帯をもつ光を発射する光源、例えばメタルハライド光源、ハロゲンランプなどの白色光源を用いる実施例2について説明する。
図5は、実施例2の高さ測定装置の構成図である。白色光源61は、連続する波長帯をもつ光を発射する光源である。絞り105については、実施例7で説明する。集光レンズ62は、絞り105を介して発射された光束を被測定物9に関して集光するためのレンズで、短い波長光と長い波長光とで焦点距離が異なる色収差をもつレンズである。
薄肉単一レンズの焦点距離は近軸領域で1/f=(n−1)(1/r1−1/r2)で表わされる。ここでfは焦点距離、nは屈折率、r1、r2はレンズ両面の曲率半径である。形状が決まったレンズではfは(n−1)に反比例して変る。通常のガラス材料ではnの屈折率は波長が小さいほど大きくなり、波長が大きくなるほど小さくなる。従って波長によって焦点距離が変る。
通常のレンズは球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲や歪曲の収差があり、これらは補正される。これらの補正をしても色収差を補正していない色収差を持つレンズでは上記に示すように焦点位置は波長により変化する。
被測定物9に照射される光束のうち、集光レンズ62が色収差を持ち、短い波長では長い波長よりも屈折率が大きくなって焦点位置が短くなるので、ある短い波長をもつ光は、短波長集光位置64となる面に集光し、ある長い波長をもつ光は長波長集光位置65となる面に集光するというように、波長に応じて連続した集光位置をもつように照射される。これら光の高さ方向に沿った波長分布は波長検出機能を持つ受光素子であらかじめ測定される必要がある。本例では波長検出用受光素子としてカラーCCD70を用いている。
通常のレンズは球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲や歪曲の収差があり、これらは補正される。これらの補正をしても色収差を補正していない色収差を持つレンズでは上記に示すように焦点位置は波長により変化する。
被測定物9に照射される光束のうち、集光レンズ62が色収差を持ち、短い波長では長い波長よりも屈折率が大きくなって焦点位置が短くなるので、ある短い波長をもつ光は、短波長集光位置64となる面に集光し、ある長い波長をもつ光は長波長集光位置65となる面に集光するというように、波長に応じて連続した集光位置をもつように照射される。これら光の高さ方向に沿った波長分布は波長検出機能を持つ受光素子であらかじめ測定される必要がある。本例では波長検出用受光素子としてカラーCCD70を用いている。
被測定物9の表面では、その高さに応じた波長光の光束が反射する。このとき、その高さに焦点が合った波長λの光が強く反射する。反射光は、ハーフミラー63とミラー66で反射し、対物レンズ67を通過し、結像レンズ68で集光され、絞り106を介してカラーCCD70に結像する。結像レンズ68は短い方の波長で長い焦点距離となり、長い方の波長で短い焦点距離となるいわゆる色消し補正過剰なレンズであり、被測定物9の短い方の波長光の集光位置64からの反射光、長い方の波長光の集光位置65からの反射光及びその他の波長成分の反射光は、光の成分波長によらずカラーCCD70のほぼ同じ位置で結像する。
色収差補正は屈折率の異なる2種類の材料を使用し、凸レンズでは屈折率の異なる凹レンズを組み合わせて設計・製作される。材料とレンズ形状との組み合わせにより色消し補正過剰なレンズを製作することが出来、この場合短波長側で焦点距離が長くなり、長波長側で焦点距離が短くすることが出来る。
なお本例では照射光束の短い方の波長をもつ光は短い波長集光位置64に、長い方の波長の光は長い波長集光位置65に集光させているが、前記の色消し補正過剰なレンズを集光レンズ62に用いて、長い方の波長の光を短い方の波長光集光位置に集光し、短い方の波長光を長い方の波長集光位置に集光させることも出来る。この場合結像レンズ68は短い方の波長で短い焦点距離、長い方の波長で長い焦点距離となる色収差を持つレンズを使用し、反射光の成分波長によらずカラーCCD70のほぼ同じ位置に結像する。
また本例では対物レンズ67は色収差補正のレンズを用いているが、これを色消し過剰な対物レンズとし、結像レンズ68は色収差補正レンズに替えることも出来る。
色収差補正は屈折率の異なる2種類の材料を使用し、凸レンズでは屈折率の異なる凹レンズを組み合わせて設計・製作される。材料とレンズ形状との組み合わせにより色消し補正過剰なレンズを製作することが出来、この場合短波長側で焦点距離が長くなり、長波長側で焦点距離が短くすることが出来る。
なお本例では照射光束の短い方の波長をもつ光は短い波長集光位置64に、長い方の波長の光は長い波長集光位置65に集光させているが、前記の色消し補正過剰なレンズを集光レンズ62に用いて、長い方の波長の光を短い方の波長光集光位置に集光し、短い方の波長光を長い方の波長集光位置に集光させることも出来る。この場合結像レンズ68は短い方の波長で短い焦点距離、長い方の波長で長い焦点距離となる色収差を持つレンズを使用し、反射光の成分波長によらずカラーCCD70のほぼ同じ位置に結像する。
また本例では対物レンズ67は色収差補正のレンズを用いているが、これを色消し過剰な対物レンズとし、結像レンズ68は色収差補正レンズに替えることも出来る。
画像処理装置20は、カラーCCD70が検出した赤緑青成分をもつ画像データを入力してバッファメモリに一時記憶し、各画素について反射光の全体強度に対する赤緑青(RGB)の各色の画像強度の比率から反射光の波長を求め、被測定物9の表面高さを求める。
カラーCCD70が検出する赤、緑、青の各色別強度をR,G,Bとし、
I=R+G+B、r=R/I、g=G/I、b=B/Iとし、更に
A×A=(6×((r−1/3)×(r−1/3)+(g−1/3)×(g−1/3)
+(b−1/3)×(b−1/3))とし、
cos T1=(2×r−g−b)/Aとした時、
g>=bの時T=T1、g<bの時T=2×π−T1とするTを色相といい、光の波長と対応することが知られている。
画像処理装置20は、メモリに格納された各色のR,G,B強度とその強度比率Tと高さとの対応を示すテーブルを参照して算出された強度比率から被測定物9の色相を知り高さを求める。この色相は装置ごとにデータを検証しておく。
カラーCCD70が検出する赤、緑、青の各色別強度をR,G,Bとし、
I=R+G+B、r=R/I、g=G/I、b=B/Iとし、更に
A×A=(6×((r−1/3)×(r−1/3)+(g−1/3)×(g−1/3)
+(b−1/3)×(b−1/3))とし、
cos T1=(2×r−g−b)/Aとした時、
g>=bの時T=T1、g<bの時T=2×π−T1とするTを色相といい、光の波長と対応することが知られている。
画像処理装置20は、メモリに格納された各色のR,G,B強度とその強度比率Tと高さとの対応を示すテーブルを参照して算出された強度比率から被測定物9の色相を知り高さを求める。この色相は装置ごとにデータを検証しておく。
実施例2は、反射光を各RGB成分にカメラ内部で分離している。RGB分解能のよいカラー撮像装置を用いることにより、白色光利用の測定装置としては構造が簡単になる。
実施例3は、実施例2における被測定物9で反射した反射光を2種類の波長成分に分離し、対応するセンサで検出する実施例である。
図6は、実施例3の高さ測定装置の構成図である。照射光学系は、実施例2と同じである。
色温度変換光フィルタ等はある波長領域で波長に対して単調に透過率が増加する(タイプAと呼ぶ)ものや、逆に単調に透過率が減少する(タイプBと呼ぶ)ものがある。これらのフィルタを通過した光はタイプA透過光の強度a、タイプB透過光の強度bとすると強度比a/(a+b)又はb/(a+b)又は(a−b)/(a+b)は波長毎に一義的に決まるから、これらタイプAとタイプBのフィルタを別々に備えた2台のカメラで撮像された画像の画素別のこれら強度比を計算すれば検出された波長が決まり、対象物から反射された波長がわかり、高さを知ることが出来る。実施例3はこれらのフィルターを用いた例である。
被測定物9からの反射光は、ハーフミラー63で反射し、ミラー66で反射し、対物レンズ71で集光しハーフミラー76表面近辺で結像する。ハーフミラー76で反射した1/2の反射光はタイプAのフィルタ(1)77と実施例2で述べた結像レンズ78を通過し、絞り(1)108を介して検出センサ(1)79に結像する。ハーフミラー76を通過した1/2の光は、タイプBのフィルタ(2)80と実施例2で述べた結像レンズ(2)81を通過し、絞り(2)109を介して検出センサ(2)82に結像する。これらで検出された画像の対応する画素の検出光強度からその比率を求めれば、検出波長を知ることが出来、高さを検出することが出来る。但し、あらかじめ検出比率と高さデータを取得しておく。
なお本例ではハーフミラー76は検査波長範囲で50%の透過率と50%の反射率を持つハーフミラーを用いているが、特定波長域を透過し、特定波長域を反射するビームスプリッターを使用することが出来、その場合フィルタ(1)77、フィルタ(2)80は不要となる。
被測定物9からの反射光は、ハーフミラー63で反射し、ミラー66で反射し、対物レンズ71で集光しハーフミラー76表面近辺で結像する。ハーフミラー76で反射した1/2の反射光はタイプAのフィルタ(1)77と実施例2で述べた結像レンズ78を通過し、絞り(1)108を介して検出センサ(1)79に結像する。ハーフミラー76を通過した1/2の光は、タイプBのフィルタ(2)80と実施例2で述べた結像レンズ(2)81を通過し、絞り(2)109を介して検出センサ(2)82に結像する。これらで検出された画像の対応する画素の検出光強度からその比率を求めれば、検出波長を知ることが出来、高さを検出することが出来る。但し、あらかじめ検出比率と高さデータを取得しておく。
なお本例ではハーフミラー76は検査波長範囲で50%の透過率と50%の反射率を持つハーフミラーを用いているが、特定波長域を透過し、特定波長域を反射するビームスプリッターを使用することが出来、その場合フィルタ(1)77、フィルタ(2)80は不要となる。
画像処理装置20の構成および動作は、実施例2と同様である。
3種類のカラーフィルターを別々に使用した3台のCCDカメラを用いた例を図11にて説明する。ハーフミラー72、76を用い、カラーBフィルター73,カラーGフィルター77,カラーRフィルタ80を用い、結像レンズ74、78、81を用い、絞り107,108、109を用い、B検出センサ75、G検出センサ79、R検出センサ82を用いている。動作は実施例2及び実施例3とほぼ同じである。
偏光角の異なる2種類の光を用い、ラインCCDを受光素子として用いる実施例5について説明する。
図7は、実施例5の高さ測定装置の構成図である。レーザ光源1は、レーザラインジェネレータモジュールであり、ほぼ均一なライン状の光を発射することができる。この光は直線偏光しているので、絞り110を介し、1/4波長板2を介して円偏光に変え、これを偏光ビームスプリッタ3によりp偏光波とs偏光波に分離し、p偏光波はミラー4によって90度進路を変える。偏光ビームスプリッタ3でその進路を変えられたs偏光波は、ミラー5でさらに反射し、レンズ6を通り、その結像位置が変更される。このようにしてp偏光波とs偏光波とは、被測定物9に関して異なる集光位置をもつように生成される。偏光ビームスプリッタ7によってミラー4から反射したp偏光波とレンズ6を通過したs偏光波とが合成され、ハーフミラー8を通過して被測定物9に照射される。以上が照射光学系の構成である。
p偏光波は第2集光位置11となる面に結像し、s偏光波は第1集光位置10となる面に結像する。これらの光の高さ方向に沿ったp偏光波とs偏光波との混合割合、すなわち強度比率はあらかじめ測定しておく必要がある。また図面に垂直なxy平面における両波の強度比率もあらかじめ測定しておく必要がある。
被測定物9の表面では、ある混合比率をもったp偏光波とs偏光波の合成光が反射する。反射光は、ハーフミラー8で反射し、ミラー12でさらに反射して対物レンズ13によってコリメータレンズ14の位置で結像する。反射光は、コリメータレンズ14によって平行光線に変えられる。平行光線は、偏光ビームスプリッタ15により、p偏光反射光とs偏光反射光とに分離され、p偏光反射光は結像レンズ16を通過し、s偏光反射光は結像レンズ18を通過する。以上が受光光学系の構成である。
結像レンズ16と絞り111を通過したp偏光反射光は一方の画像撮像装置のラインCCD17に結像し、結像レンズ18と絞り112を通過したs偏光反射光は他方の画像撮像装置のラインCCD19に結像する。
画像処理装置20の構成および動作は、p偏光反射光とs偏光反射光の強度比から高さを求めるが、その他は実施例1と同様である。
実施例1〜5の受光素子あるいは検出センサとして、ラインCCD、フォトダイオードや撮像管などのスポット受光素子、あるいはラインCMOS素子、エリアCCD、エリアCMOSなどの受光素子を用いてもよい。
ライン状光束又はエリア状光束によって被測定物9を照射し、その反射光をそれぞれライン受光素子又はエリア受光素子で受光すると、被測定物9の複数箇所の反射光を同時に検出することができ、スポット状光束で被測定物9をスキャンしながらスポットごとに反射光を検出する方式に比べてより高速の高さ測定が可能である。
図8(a)は、ライン状光束およびライン受光素子に適用される絞り101〜112の形状を示す図である。これらの絞りは、被測定物9の複数箇所に対応して複数のピンホールが設けられており、ピンホール外に拡がった光を遮る。これらのピンホールは、光源光を小さなスポットに絞り、分解能を向上させ、焦点深度を大きくする効果をもつ。またライン受光素子については、ライン方向に光の拡がりが大きくなって分解能が低下するのを防ぐ働きをする。
図8(b)は、エリア状光束およびエリア受光素子に適用される絞りの形状を示す図である。ピンホールの配置およびその効果は、ライン状光束の場合と同様である。
図8(c)は、ライン状光束およびライン受光素子に適用され、ピンホールが円環状(リング状)の形状をなす絞りを示す図である。この形状の絞りは、分解能の向上に貢献し、焦点深度も深くなる。エリア状光束およびエリア受光素子についても同様のものを適用できる。
図9は、光源側の絞り、被測定物9、受光素子側の絞りおよび受光素子の対応関係を説明する断面図である。光源側の絞りのピンホールは、被測定物9の測定箇所のピッチに合わせ、光束が各測定箇所に集光するように配置される。受光素子側の絞りの各ピンホールは、被測定物9の測定箇所のピッチに合わせるとともに受光素子の1つの画素に対応するように配置される。従ってライン受光素子又はエリア受光素子を構成する複数の画素のうち、画像データを検出するために有効な画素は、ピンホールに対応する飛び飛びの画素となる。
実施例1〜6では、被測定物9への照射光の光軸と反射光の光軸とが同軸に配置する例を示したが、測定高さ又は距離が大きい場合には、図10に示すようにほぼ平行に配置することができる。121は照射光学系、122は受光光学系を示す。図示するように、反射光は平行光線である必要はない。
20:画像処理装置、41:レーザ光源、42:レーザ光源、43:ビームスプリッタ、45:第1集光位置、46:第2集光位置、50:ビームスプリッタ、51:波長フィルタ、53:撮像素子、54:波長フィルタ、56:撮像素子、61:白色光源、62:集光レンズ、64:短波長集光位置、65:長波長集光位置、101〜112:絞り
Claims (6)
- 検出波長範囲で連続する波長をもつ光束を、対象物高さ測定範囲を含み、前記波長に応じて光軸上で連続した集光位置をもつように照射する光学系と、
前記対象物から反射した光を受光して、検出波長によらず光軸上のほぼ同一点に結像するようにする光学系と、
前記の反射光が結像する位置で前記反射光を、2種類以上の分光感度波長帯域別に撮像する画像撮像手段と、
前記画像撮像手段と接続され、前記反射光の波長を、2種類以上の分光感度波長帯域別の撮像画像画素受光強度の比率に基づいて検出し、前記対象物の高さを求める画像処理手段とを有することを特徴とする高さ測定装置。 - 前記画像撮像手段は、カラー撮像装置であることを特徴とする請求項1記載の高さ測定装置。
- 互いに波長の異なる第1の光束と第2の光束とを、対象物高さ測定範囲に関し、前記波長に応じて光軸上で異なる集光位置をもつように合成し照射する光学系と、
前記対象物から反射した前記第1の光束の一部を成す第1の反射光と、前記第2の光束の一部を成す第2の反射光とを受光して、前記波長によらず光軸上のほぼ同一点に結像するようにする光学系と、
前記第1の反射光と前記第2の反射光がともに集光する位置で、前記第1の反射光および前記第2の反射光を波長別に選択撮像する画像撮像手段と、
前記画像撮像手段と接続され、入力される前記第1の反射光波長の画像の画素受光強度と前記第2の反射光波長の画像の画素受光強度の比率に基づいて前記対象物の高さを求める画像処理手段とを有することを特徴とする高さ測定装置。 - 前記画像撮像手段は、カラー撮像装置であることを特徴とする請求項3記載の高さ測定装置。
- 前記画像撮像手段の受光素子は、ライン受光素子又はエリア受光素子であり、前記対象物の複数箇所に対応して前記反射光を絞る手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項3記載の高さ測定装置。
- 前記絞る手段は、ピンホールがリング状に形成されたものであることを特徴とする請求項5記載の高さ測定装置。
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