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JP2008030527A - エアバッグ及びエアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ及びエアバッグ装置 Download PDF

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JP2008030527A JP2006203419A JP2006203419A JP2008030527A JP 2008030527 A JP2008030527 A JP 2008030527A JP 2006203419 A JP2006203419 A JP 2006203419A JP 2006203419 A JP2006203419 A JP 2006203419A JP 2008030527 A JP2008030527 A JP 2008030527A
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光宏 吉田
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Abstract

【課題】自動車の側方の窓部を覆うカーテンエアバッグ装置について、非膨張部37があっても、良好な展開特性を確保する。
【解決手段】エアバッグ1にガスを供給すると、パラソル状に折り畳んだ案内折畳部64が迅速に展開し、この案内折畳部64がロール状に折り畳んだ集積部61を所定の方向に案内して、エアバッグ1が迅速円滑に膨張展開する。案内折畳部64に隣接する非膨張部37は、蛇腹状に折り畳んで非膨張折畳部66を形成する。非膨張折畳部66は、集積部61と所定面14側の車体パネル10との間に配置する。案内折畳部64の展開時に、集積部61が所定面14から離間する方向に円滑迅速に移動し、エアバッグ1の膨張部35の全長を円滑迅速に膨張展開できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車の車室の側部の窓部に沿って展開するエアバッグ及びエアバッグ装置に関する。
従来、ガスを導入して膨張展開するエアバッグを備えたエアバッグ装置について、自動車の車室の側方のドアの窓部などに沿って面状に展開するいわゆるカーテンエアバッグ装置が知られている。このようなエアバッグ装置は、通常時は、前後方向を長手方向として細長く折り畳まれ、車室側面の窓部の上縁部に沿って配置されている。そして、側面衝突や横転(ロールオーバー)などの衝撃を受けた際に、インフレータから袋状をなす膨張部にガスが供給されてエアバッグが展開し、窓部などに沿って下方に膨張展開するようになっている。
このようなエアバッグの折り畳み方法について、エアバッグを下端部からロール状に集積して集積部を形成するとともに、ガスが導入される膨張部の上側の部分を両側に扁平に広げて腕部とし、これら腕部をロール状に集積した集積部の両側を囲むように折り畳んだ構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この構成では、エアバッグにガスを導入すると、まず腕部が迅速に展開して、集積部を案内しつつ下方に押し出し、この後、集積部が窓部に沿って展開し、好ましい展開特性の実現が可能となっている。
また、このようなカーテンエアバッグ装置のエアバッグについて、横転時の乗員の車外放出を防止し、また、エアバッグを車体に強固に取り付ける多数の取り付け点を確保するなどのために、車室の側部を広く覆う基布を備えたエアバッグが知られている。さらに、このようなエアバッグについて、ガスの圧力を有効に利用するために、エアバッグの一部に1枚の基布などにて構成されガスが導入されない非展開部を設ける構成が知られている(例えば、特許文献2参照。)。ここで、ガスが導入されない非展開部が、エアバッグの上部の前端部の一部などに設けられている構成では、非展開部の部分を扁平に広げるように折り畳むことができず、特許文献1の構成の適用は困難であり、この非展開部の部分を集積部と連続してロール状に折り畳むと、円滑迅速に展開する所望の展開特性の実現が容易でない問題を有している。
特開2003−160019号公報 (第1頁、図1) 特開2004−175225号公報 (図1、図3)
上記のように、カーテンエアバッグ装置のエアバッグについて、ガスが導入されない非展開部が、エアバッグの上部の一部に設けられている構成では、非展開部の部分を扁平に広げるように折り畳むことはできず、この非展開部の部分を集積部と連続してロール状に折り畳むと、円滑迅速に展開する所望の展開特性の実現が容易でない問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、円滑迅速に膨張展開可能に折り畳まれたエアバッグ及びエアバッグ装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のエアバッグは、所定面に沿って、この所定面を覆って膨張展開するエアバッグであって、ガスが導入されるガス導入部と、このガス導入部に連通する膨張部と、この膨張部に連通せずガスが導入されない非膨張部とを具備し、前記ガス導入部に連通する前記膨張部を含み、両側方に向かい扁平に折り畳まれた案内折畳部と、この案内折畳部に位置する前記膨張部に連通する前記膨張部を含んで折り畳まれ、前記案内折畳部に両側部が囲まれた集積部と、前記案内折畳部及び前記集積部に隣接する前記非膨張部を含んで蛇腹状に折り畳まれた非膨張折畳部とを備えたものである。
そして、この構成では、エアバッグのガス導入部にガスが導入されると、このガス導入部に連通する膨張部を折り畳んだ案内折畳部が展開し、折り畳んだ集積部を所定の方向に押し出すように案内する。次いで、集積部が所定面に沿って、この所定面を覆って膨張展開する。案内折畳部及び集積部に隣接する非膨張部は蛇腹状に折り畳んだ非膨張折畳部としたため、案内折畳部の展開に伴い集積部の円滑迅速な移動を許容し、エアバッグが円滑迅速に膨張展開する。
請求項2記載のエアバッグは、請求項1記載のエアバッグは、非膨張折畳部は、集積部と所定面との間に配置されるものである。
そして、この構成では、集積部と所定面との間に配置した非膨張折畳部により、案内折畳部の展開時に集積部が所定面から離間する方向の円滑迅速な移動が許容され、エアバッグが円滑迅速に膨張展開する。
請求項3記載のエアバッグ装置は、請求項1または2記載のエアバッグと、このエアバッグのガス導入部にガスを供給するインフレ−タとを具備し、所定面は、車両の車室の窓部に沿った面部であり、前記エアバッグは、前記所定面の上縁に沿って折り畳んで収納されたものである。
そして、この構成では、請求項1または2記載のエアバッグを備えたため、車両の衝突時などにインフレータからガスを供給することにより、車室の窓部に沿ってエアバッグが上側から下側に円滑迅速に展開し、車室の窓部がエアバッグにより円滑迅速に覆われる。
本発明によれば、案内折畳部及び集積部に隣接する非膨張部は蛇腹状に折り畳んだ非膨張折畳部としたため、案内折畳部の展開に伴い集積部の円滑迅速な移動を許容し、エアバッグを円滑迅速に膨張展開させることができる。
以下、本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1ないし図4において、1はエアバッグで、このエアバッグ1を備えたエアバッグ装置2は、カーテンエアバッグ装置とも呼ばれるもので、車両である自動車の車体3の車室の収納位置としてのドア開口部の上縁のルーフサイド部5に配置されている。そして、このエアバッグ1は、カーテンエアバッグ、側突用エアバッグ、インフレータブルカーテン、あるいは頭部保護用エアバッグなどとも呼ばれるもので、側面衝突の衝撃を受けた際や横転(ロールオーバー)の際などに、乗員の側方にほぼ面状に展開し、被保護物である乗員を保護するようになっている。なお、以下、前後、上下、両側などの方向は、車両の直進方向を基準とし、図1において、矢印Aで示す方向が車内側、矢印Bで示す方向が車外側、矢印Cで示す方向が上側Cであり、図2ないし図4において、矢印Fで示す方向が前方である。
そして、この自動車の車体3は、図示しないが、車室内に乗員が着座可能な前席及び後席を備え、これら前席及び後席に対応して、それぞれ上部に開口可能な開口部としての所定面を構成する窓部(サイドウィンドウ)8を備えた図示しないドアが設けられている。また、車室の両側には、前側から順に、Aピラーとも呼ばれるフロントピラー、柱状部であるピラー部としてのBピラーとも呼ばれるセンターピラー、Cピラーとも呼ばれるリアピラーが設けられている。また、これらピラーの上側、すなわち窓部8の一縁部である上縁部に、ルーフサイドレールなどとも呼ばれる被取付部材を構成する車体パネル10が設けられ、この車体パネル10を介して天井部としての天井パネルが支持されている。そして、これら窓部8、ドア及び各ピラー、及び車体パネル10の一部により、車室の両側部に所定面14が構成されている。また、両側のフロントピラーの前側にはフロントガラス(フロントウインドシールド)が設けられ、両側のリアピラーの後側にはリアガラスが設けられている。そして、収納位置としてのルーフサイド部5は、天井パネルの両側の縁部の部分から、この縁部の部分といわば交差する方向に伸びるフロントピラーのほぼ全長にかかる部分にまで設定され、これら天井パネルの縁部の部分とフロントピラーとで仮想的に構成される内角の側にエアバッグ1が展開する所定面14が設定される。
また、車体パネル及び天井パネルの車室側は、各ピラーの一部とともに、軟質すなわち変形可能な天井板であり室内装飾パネルであるルーフライニング(ヘッドライニング)15により覆われている。また、各座席には、シートベルトが設けられ、センターピラーには、これらシートベルトを支持する支持部が設けられている。また、各ピラーの全長あるいは一部の車室側には、それぞれ内装材である第1ないし第3のピラーガーニッシュが取り付けられ、各ピラーが覆われている。さらに、図示しないが、車体パネルの下端部には、軟質の樹脂などにて形成された弾性変形可能なパッキング体が取り付けられている。このパッキング体は、ウェルトあるいはボディシールなどとも呼ばれるもので、各ドアの上部が当接して密着するようになっている。
そして、エアバッグ装置2は、前後の座席の乗員を保護可能な、いわゆる前後席用エアバッグであり、車体パネルとルーフライニングとなどに囲まれたルーフサイド部5に細長く折り畳んで収納されたエアバッグ1と、後席の後方あるいは上方に収納されこのエアバッグ1にガスを供給するガス発生器であるインフレータ25となどを備えている。また、このエアバッグ装置2は、必要に応じて、エアバッグ1を車体パネルに取り付ける金属板をプレス加工などして形成された取付ブラケット、折り畳んだエアバッグ1に沿って取り付けられて展開時にエアバッグ1を保護する断面略L字状をなす樹脂製のプロテクタ27、及び折り畳んだエアバッグ1の形状を保持する破断可能な筒状あるいはひも状の形状保持部材としてのスリーブ28、エアバッグ1の前端部に連結されたテザーベルト29などが備えられている。
そして、エアバッグ1は、単数あるいは複数の基布を組み合わせ、例えば1枚の基布を折り返し、あるいは2枚の基布を重ねて接合して、扁平な袋状に形成されたエアバッグ本体部31と、このエアバッグ本体部31の複数カ所から延設された取付部を構成する取付片部32となどを備え、細長く折り畳んでルーフサイド部5に収納される。
そして、エアバッグ本体部31は、側面視で前後方向を長手方向とする略矩形状で、車室側に配置される内側の基布部33と車体側である外側に配置される外側の基布部34とを重ね、接合部である所定の縫製部で縫い合わせ、図2に示すように、ガスが流入して膨張展開する袋状の膨張部35と、エアバッグ本体部31の後端上部に位置して膨張部35を外部に連通するガス導入部36と、ガスが流入せず膨張展開しない非膨張部37となどが設けられている。
さらに、膨張部35は、中空部である気室であり、エアバッグ本体部31の上縁部に沿って位置するガス案内部41と、このガス案内部41の下流側である下側に連通する開口部用展開部としての第1の膨張部である前席保護部42及び第2の膨張部としての後席保護部43と、これら前席保護部42及び後席保護部43の間に位置する柱状部用展開部としてのピラー被覆部44と、これら保護部42,43及びピラー被覆部44の下流側である下側に連通しエアバッグ本体部31の下縁部に沿って位置する下流側展開部としての下部膨張部45とを備えている。そして、ガス案内部41は、エアバッグ本体部31の上縁部の略全長に沿って、すなわち前後方向を長手方向である軸方向として略水平な柱状に展開する。また、下部膨張部45は、エアバッグ本体部31の下縁部の略全長に沿って、すなわち前後方向を長手方向である軸方向として略水平な柱状に展開するが、所定の位置に設けたガス規制部47により前後に区画されている。さらに、ピラー被覆部44は、センターピラーとほぼ等しい幅寸法か、あるいはセンターピラーよりも大きい幅寸法を有している。
また、縫製部は、縫製、接着、あるいは縫製とシール手段との併用などにより略気密あるいは高度な気密に構成され、膨張部35の外周を縫製する外周連結部であり確認対象部となる外周縫製部51と、この外周縫製部51に囲まれた領域に位置し保護部42,43及びピラー被覆部44などを区画形成するとともに各部の展開時の幅寸法を規制する規制部52とを備えている。
そして、外周縫製部51は、エアバッグ本体部31の外周部の近傍に略沿って形成され、上端縁については、長手方向の中央部から後側部にかけて、エアバッグ本体部31の上端部に近接した直線状の直線部51aが形成されているが、上端縁の長手方向の前側部については、直線部51aの前端部に連続して、前方に向かって下方に向かう傾斜線部51bが形成されている。そこで、この傾斜線部51bの前側上方の部分、すなわち、膨張部35のガス案内部41の下流側である前側に隣接する部分、すなわち、膨張部35の前席保護部42の上側に隣接する部分については、基布は存在するがガスは流入しない非膨張部37が形成されている。なお、この非膨張部37は、内側あるいは外側のいずれか1枚の基布部33,34で構成しても良く、また、2枚の基布部33,34を重ねて形成することもできる。
また、この実施の形態では、外周縫製部51を含む縫製部は、糸、ここでは上糸と下糸を用いて構成されているが、この糸は、エアバッグ1を構成する基布とは異なる色で形成されている。例えば、基布は、白色あるいは淡赤色であるのに対し、上糸及び下糸の少なくとも一方の糸は、青色るあいは緑色となっている。
また、規制部52は、膨張部35の1カ所あるいは複数カ所に位置し、外周縫製部51と一体あるいは別体に形成されている。また、各規制部52は、線状をなす線部53と、この線部53の端末あるいはガスの上流側に位置して線部を保護する円環状の保護部54が形成されている。そして、本実施の形態では、規制部52は、前席保護部42に位置する前側規制部56と、後席保護部43に位置する第1及び第2の後側規制部57,58と、ピラー被覆部44に略沿って形成された連結線部71とが形成されている。そして、前側規制部56と第2の後側規制部58は、上側すなわち上流側を開口した略U字状をなし、第1の後側規制部57は、環状に形成されて内部が非膨張部37となっている。また、連結線部71は、本実施の形態では、ピラー被覆部44の後側部を区画形成するもので、エアバッグ1が展開した状態で、ピラー被覆部44すなわちセンターピラーに略沿って垂直状すなわち上下方向を長手方向として形成され、センターピラーの後縁部に沿った直線状の直線部72と、この直線部の下端部に連続し下流側に滑らかに湾曲してセンターピラーの一部に重なる位置まで延設された曲線状の交差部73とを備え、いわば略J字状あるいは略し字状に形成されている。そして、この連結線部71の下端部は、各規制部56,57,58の下端部とほぼあるいは正確に位置合わせされており、ガス規制部47の部分を除いて、ガスの流れを遮ることのない空間が形成されるとともに、これら規制部56,57,58の下側に形成される下部膨張部45は、一部すなわちピラー被覆部44に連続する部分がセンターピラーの下端部を覆うようになっている。
さらに、この実施の形態では、規制部52と一体に連続して、ガス規制部47が形成されている。このガス規制部47は、前側規制部56の後端部近傍から下方に垂直状に延設され、外周縫製部51に連続している。そこで、このガス規制部47は、ピラー被覆部44が下部膨張部45に連通する連通部分75の下流側で、下部膨張部45を気密に閉塞している。なお、このガス規制部47の位置は、ピラー被覆部44に近接する位置に限られず、前側規制部56と外周縫製部51とを連結する任意の位置に設けることができる。なお、ガス規制部47は省略することもできる。
また、内側の基布部33と外側の基布部34との間には、必要に応じて、ガスを案内し、あるいは、展開時の膨張部35の幅寸法を規制する手段として、インナパイプ、前側隔壁体、あるいは後側隔壁体などが縫合などして取り付けられている。
また、エアバッグ1の取付片部32は、エアバッグ本体部31の上縁部の所定位置に複数形成されている。そして、各取付片部32は、エアバッグ本体部31を構成する基布部33,34と一体に形成され、例えば、内側の基布部33と外側の基布部34とを重ね縫着して形成されている。そして、各取付片部32は、エアバッグ本体部31から舌片状に突設され、円孔状をなす取付孔32aが形成されている。
さらに、スリーブ28は、カバーあるいはサックなどとも呼ばれるもので、エアバッグ1を構成する基布と同様の、あるいはエアバッグ1を構成する基布よりも厚さ寸法が小さく若干の透光性を有する基布を円筒状とし、長手方向に沿って縫着して形成されている。また、このスリーブ28には、長手方向に沿って、エアバッグ1が展開する力が加わった時点で破断するテアライン28aが形成されている。そして、スリーブ28には、各取付片部32の位置に対応して、各取付片部32が挿通可能な切り込みであるスリット28bが形成されている。
さらに、図4及び図5に示すように、このスリーブ28には、印刷などにより、複数、本実施の形態では前後一対の位置確認部60が設けられている。各位置確認部60は、スリット28bに対して正確な位置に設けられ、それぞれ所定の間隔を介して上下に離間した一対のマーキング部60aを備えている。
次に、このエアバッグ1の折り畳み工程、エアバッグ装置2の組み立て工程、及び車体3への取付工程を説明する。
まず、エアバッグ1は、自動機により、あるいは、手動により折り畳まれ、まず、平面状に広げた状態から、エアバッグ本体部31の先端部すなわち下端部から膨張部35の部分を所定方向すなわち先端部から反所定面14側に巻回してロール状に折り畳み、集積部61を形成する。そして、図1(b)に示すように、この集積部61の上側に位置する膨張部35の部分、すなわち、主としてガス案内部41の部分は、ガス導入部36に直接的すなわち直線的に連通する通気位置62を中心として、両側方に扁平に広げ、両側に腕部64aを有する断面略十字状の案内折畳部64を形成する。そして、この案内折畳部64の両側の腕部64aで、集積部61の上側から両側の部分を被せるようにして囲み、いわばパラソル状に折り畳む。また、図1(a)に示すように、集積部61の上側に位置する非膨張部37の部分は、蛇腹状、例えば断面略W字状に折り畳んで、非膨張折畳部66を形成し、集積部61の一側に沿わせる。
そして、このようにエアバッグ本体部31を所定の形状に細長く折り畳んだエアバッグ1にスリーブ28を被せ、エアバッグ1の取付片部32をスリーブ28のスリット28bから引き出すことにより、図3及び図4に示すように、折り畳み形状が保持された状態となる。
ここで、スリーブ28は、若干の透光性を有するため、収納したエアバッグ1が若干透けて確認でき、特に、基布とは色が異なる外周縫製部51の位置は明確に確認できる。そこで、図4及び図5(a)に示すように、この外周縫製部51の直線部51aが、各位置確認部60において、上下のマーキング部60aの間に位置することを目視あるいは自動機により確認すれば、エアバッグ1が捻れることなく正確な状態でスリーブ28に収納されていることを確認できる。なお、図5(b)は、外周縫製部51の直線部51aが位置確認部60のマーキング部60aの間に位置しない不良の状態である。
そして、このように折り畳まれたエアバッグ1に、一側部と上側部とに沿うようにしてプロテクタ27を配置するとともに、取付片部32に取付ブラケットを取り付け、さらに、後端部のガス導入部36にインフレータ25の円柱状から延びる接続管を接続する。
そして、このエアバッグ装置(カーテンエアバッグモジュール)2を車室内に持ち込み、ルーフライニング15及びピラーガーニッシュなどの内装部材が取り付けられる前に車体3への取付作業を行う。この取付作業は、エアバッグ1の複数の取付片部32、インフレータ25に設けた取付部、及び、取付ブラケットをそれぞれボルトなどの固定具で車体に固定することにより行われる。また、インフレータ25から導出されたハーネスを車体3に備えた制御装置に接続する。次いで、車体3の天井パネルにルーフライニング15を取り付け、各ピラーにピラーガーニッシュを取り付けて、エアバッグ装置2を覆うことにより、エアバッグ装置2の車体3への取付作業が完了する。
そして、このようにエアバッグ1を車体3の所定位置に取り付け、すなわち、所定面14の上縁部に沿った収納位置に折り畳んで収納した状態で、集積部61は、下端部から所定面から離反する方向に巻回された状態となっている。さらに、非膨張折畳部66は、集積部61の車外側、すなわち集積部61と車体パネル10との間に位置するように配置されている。
次に、エアバッグ1の展開動作を説明する。
車両の側面衝突あるいは横転などの際には、制御装置によりインフレータ25が作動し、このインフレータ25から噴射されるガスが接続管を介しガス導入部36からエアバッグ本体部31内の膨張部35に導入される。すると、エアバッグ本体部31の膨張部35は、スリーブ28をテアライン28aに沿って破断し、ルーフライニング15及び前後のピラーガーニッシュを押しのけながら膨張展開し、所定面14に沿った所定方向である略下方に迅速にカーテン状に膨張展開して、窓部8及びセンターピラーなどを覆う。
より詳細には、膨張部35では、通気位置62に沿ってガスが後端部から前端部まで迅速に供給され、ガス案内部41が窓部8の上縁部に沿って後端部から前端部まで迅速に展開し、集積部61を案内して所定の方向に押圧する。そして、このガス案内部41が所定の大きさに膨張すると、ルーフライニング15から集積部61が車室内に押し出される。この状態で、ガス案内部41から、集積部61にガスが供給され、集積部61の膨張部35が所定面14上を転がりながら所定面14に沿って展開する。すなわち、膨張部35の前席保護部42、後席保護部43、及びピラー被覆部44にガスが供給されてこれら前席保護部42、後席保護部43、及びピラー被覆部44が展開し、さらに、これら前席保護部42、後席保護部43、及びピラー被覆部44から下部膨張部45にガスが供給されて下部膨張部45が展開する。すなわち、この実施の形態では、基本的には、上側よりは下側、後側よりは前側が下流側となる。但し、下部膨張部45はガス規制部47により区画されているため、このガス規制部47より前側の部分は、前席保護部42の前部から後側に回り込んでくるガスにより膨張展開する。
さらに、非膨張折畳部66は、ガスが供給される部分ではないため、積極的に展開する部位ではないが、蛇腹状に折り畳まれているため、後側に隣接するガス案内部41の展開時に小さい抵抗で展開し、この非膨張折畳部66に隣接する集積部61も、ガス案内部41に隣接する集積部61とともに、ルーフライニング15から飛び出し、集積部61の膨張部35が所定面14上を転がりながら所定面14に沿って展開する。
このようにして、エアバッグ1が、車両の前後方向に沿った長手方向の全長について、迅速円滑に安定して展開する。
このように、本実施の形態のエアバッグ1によれば、カーテンエアバッグのエアバッグ1の折り畳み方法について、車両の衝突時などにインフレータ25からガスを供給することにより、パラソル状に折り畳んだ案内折畳部64が展開し、ロール状に折り畳んだ集積部61を所定の方向ここでは下方に押し出すように案内し、集積部61を車室の窓部8などの所定面14に沿って、この所定面14を覆って、上側から下側に迅速円滑に膨張展開させることができる。また、ロール状に折り畳んだ集積部61は、所定面14上を転がるようにして、所定面14に沿って円滑に展開させることができる。
さらに、このエアバッグ1では、エアバッグ本体部31の前側の上部の、膨張部35の外周縁上方に、所定面積を有する非膨張部37が存在し、この非膨張部37については、パラソル状に折り畳んだ案内折畳部64を形成できないが、案内折畳部64の前側すなわち集積部61の上側に隣接する非膨張部37の基布について、ロール状ではなく、W字など蛇腹状に折り畳んで非膨張折畳部66を形成することにより、案内折畳部64の展開に伴い集積部61の全長について円滑迅速な移動を許容し、エアバッグ1の膨張部35の全長を円滑迅速に膨張展開させることができる。
また、この非膨張折畳部66は、蛇腹状に折り畳み、さらに、集積部61と所定面14側の車体パネル10との間、すなわち集積部61の車外側に配置したため、案内折畳部64の展開時に、集積部61が所定面14から離間する方向の円滑迅速な移動が許容され、ルーフライニング15のみならず所定面14に設けられたピラーなどの部品などに干渉されることなく、また、スリーブ28のテアライン28aの破断も円滑にして、エアバッグ1を所望の方向に安定して円滑迅速に膨張展開させることができる。
また、W字など蛇腹状に折り畳んで非膨張折畳部66については、スリーブ28が破断した状態で、折り畳んだ基布が復元する反力により、集積部61を押動する効果も期待できる。
さらに、上記のように、好適な展開特性を確保しつつ、エアバッグ本体部31の上部に所定の面積の非膨張部37を設けることができるため、エアバッグ本体部31の上部の所望の位置に所望の面積の非膨張部37を形成できる。そこで、エアバッグ1により広い面積を覆いつつ、膨張部35の容積の縮小によるインフレータ25の小形化を実現できるとともに、取付片部32などの固定点を所望の位置に確保して、エアバッグ1を強固に位置決め保持することができる。
また、このエアバッグ1は、窓部8を覆って展開する前席保護部42及び後席保護部43により、窓部8の部分に当接する被保護物である乗員を保護できるとともに、専用の構造として、センターピラーを覆うピラー被覆部44を設けたため、窓部8よりも車内側に膨らんだ部分である車体3のセンターピラーの部分に当接する乗員についても、エアバッグ1で拘束し、底付き感なく保護できる。加えて、ピラー被覆部44が下部膨張部45に連通する連通部分75の下流側で、ガス規制部47が下部膨張部45を気密に閉塞するため、センターピラーの部分に乗員が当接した際に、ガスが下流側に移動することを抑制し、ピラー被覆部44及び下部膨張部45のピラー被覆部44に近接する部分が膨張展開した状態を確保し、乗員を十分な反力で受け止めて、底付き感なく保護できる。
また、エアバッグ1のピラー被覆部44は、上下方向を軸方向とする軸状に展開し、このピラー被覆部44の下端部に連続する下部膨張部45は前後方向を長手方向である軸方向として軸状に展開し、さらには、ピラー被覆部44の上端部に連続するガス案内部41が前後方向を長手方向である軸方向として軸状に展開する。そこで、ピラー被覆部44と下部膨張部45とにより構成される略T字状の膨出構造、さらには、ピラー被覆部44と下部膨張部45とガス案内部41とにより構成される略H字状の膨出構造により、前席保護部42及び後席保護部43を含むエアバッグ1のエアバッグ本体部31の展開形状を強固に保持できる。さらに、センターピラーを覆う位置に下部膨張部45を設けたため、車両の横転時などにはこの下部膨張部45がセンターピラーに当接し、展開位置を強固に保持できる。そこで、車両の横転時に乗員がエアバッグ1に当接した際にも、エアバッグ1と窓部8との間に隙間ができることを防止して、乗員の車外放出を効果的に防止できる。
さらに、ピラー被覆部44を区画形成する結合部である連結線部71は、直線部72の下端部に連続しセンターピラーに一部が重なるように湾曲する交差部73を設けている。そこで、乗員がエアバッグ1に当接した際にも、エアバッグ1が直線部72に沿って折れ曲がるように変形することを防止して、隙間の発生を防止し、乗員の車外放出を効果的に防止できる。
また、スリーブ28は、半透明すなわち内部のエアバッグ1の外周縫製部51を確認できる程度の若干の透光性を有する素材で形成するとともに、印刷などにより位置確認部60を設けたため、目視あるいは自動機により、エアバッグ1が略全長について捻れることなく正確な状態でスリーブ28に収納されていることを容易に確認でき、作業性を向上できる。すなわち、展開特性に影響するねじれがなく安定した方向に転回するエアバッグ1を容易に提供できる。
なお、この位置確認部60により位置を確認する確認対象部については、外周縫製部51に代えて、適宜の色で直線状に印刷などして形成することもできる。また、位置確認部60は、少なくとも2カ所設ければ良いが、3カ所以上設けることもでき、あるいは、所定の長さ方向をもって、例えば、スリーブ28の略全長に沿って形成することもできる。さらに、位置確認部60は、印刷による他、スリーブ28の所定位置に透明な開口部として形成することもできる。この場合には、開口部は、上記のマーキング部60aと同じ位置に形成し、確認対象部がはっきりと見えたら不良とすることもでき、あるいは、確認対象部の正規の位置に沿って形成し、確認対象部がはっきりと見えていれば良好とすることもできる。
また、エアバッグ1の膨張部35、ガス導入部36、及び非膨張部37は適宜の配置を採ることが可能であり、例えば、ガス導入部36は、エアバッグ本体部31の前後方向の中央上部に位置させることもできる。そして、ガス導入部36をエアバッグ本体部31の前後方向の中央上部に配置した構成では、非膨張部37を蛇腹状に折り畳む非膨張折畳部66は、膨張部35の前側あるいは後側のいずれか、あるいは、前側及び後側の両方に設けることもできる。また、ガス案内部41は、エアバッグ本体部31の全長に形成するほか、前席保護部42と後席保護部43とを連通する位置のみに形成することもできる。さらに、下部膨張部45も、エアバッグ本体部31の全長に形成するほか、少なくともピラー被覆部44に連通すれば、一部のみに形成することもできる。
また、集積部61は、先端部から反所定面14側に巻回してロール状に折り畳む他、先端部から所定面14側に巻回してロール状に折り畳み、集積部61を形成することもできる。この構成では、エアバッグ1を所定面14に沿って所定面14上をこするようにして展開させることができる。さらに、集積部61は、ロール状に折り畳む構成に限られず、蛇腹状、あるいはその他の形状に折り畳んで集積することができる。
また、エアバッグ1は、上側から下側に向かって展開して自動車の側方の窓部8を覆う構成に限られず、所定面に沿って面状に膨張展開する必要がある適宜のエアバッグ装置に適用できる。
本発明は、例えば、自動車の側部の窓部に沿って展開するカーテンエアバッグと呼ばれるエアバッグ及びエアバッグ装置に適用できる。
本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置の一実施の形態を示す説明図であり、(a)は図3のI−I相当位置の車体に取り付けた状態の断面図、(b)は図3のII−II相当位置の断面図である。 同上エアバッグの平面状に広げた状態の説明図である。 同上エアバッグの折り畳んだ状態の側方から見た説明図である。 同上エアバッグの折り畳んだ状態の説明図である。 同上エアバッグの折畳工程を示す説明図であり、(a)は良好な状態、(b)は不良の状態である。
符号の説明
1 エアバッグ
2 エアバッグ装置
14 所定面
25 インフレータ
35 膨張部
37 非膨張部
61 集積部
64 案内折畳部
66 非膨張折畳部

Claims (3)

  1. 所定面に沿って、この所定面を覆って膨張展開するエアバッグであって、
    ガスが導入されるガス導入部と、
    このガス導入部に連通する膨張部と、
    この膨張部に連通せずガスが導入されない非膨張部とを具備し、
    前記ガス導入部に連通する前記膨張部を含み、両側方に向かい扁平に折り畳まれた案内折畳部と、
    この案内折畳部に位置する前記膨張部に連通する前記膨張部を含んで折り畳まれ、前記案内折畳部に両側部が囲まれた集積部と、
    前記案内折畳部及び前記集積部に隣接する前記非膨張部を含んで蛇腹状に折り畳まれた非膨張折畳部とを備えた
    ことを特徴とするエアバッグ。
  2. 非膨張折畳部は、集積部と所定面との間に配置される
    ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ。
  3. 請求項1または2記載のエアバッグと、
    このエアバッグのガス導入部にガスを供給するインフレ−タとを具備し、
    所定面は、車両の車室の窓部に沿った面部であり、
    前記エアバッグは、前記所定面の上縁に沿って折り畳んで収納された
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
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