JP2008007065A - エアバッグ及びエアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車の側方の窓部を覆うカーテンエアバッグ装置について、ピラー部の部分での底付き感を抑制するとともに、乗員の車外放出を防止する。
【解決手段】車両のルーフサイド部5に細長く折り畳んで収納したエアバッグ1を窓部8及びセンターピラー12に沿って展開する。エアバッグ1に、センターピラー12を覆って展開するピラー被覆部44を設ける。ピラー被覆部44の下部に連続して、下部膨張部45を設ける。ピラー被覆部44に沿って、基布部33,34同士を連結する連結線部71を設ける。連結線部71は、センターピラー12に略沿った直線部72と、直線部72の下端部から滑らかに湾曲してセンターピラー12の一部に重なる交差部73とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】車両のルーフサイド部5に細長く折り畳んで収納したエアバッグ1を窓部8及びセンターピラー12に沿って展開する。エアバッグ1に、センターピラー12を覆って展開するピラー被覆部44を設ける。ピラー被覆部44の下部に連続して、下部膨張部45を設ける。ピラー被覆部44に沿って、基布部33,34同士を連結する連結線部71を設ける。連結線部71は、センターピラー12に略沿った直線部72と、直線部72の下端部から滑らかに湾曲してセンターピラー12の一部に重なる交差部73とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、自動車の側部の窓部に沿って展開するエアバッグ及びエアバッグ装置に関する。
従来、ガスを導入して膨張展開するエアバッグを備えたエアバッグ装置について、自動車の車室の側方のドアの窓部などに沿って展開するいわゆるカーテンエアバッグ装置が知られている。このようなエアバッグ装置は、通常時は、細長く折り畳まれ、車室側面の窓部の上縁部に沿って配置されている。そして、側面衝突や横転(ロールオーバー)などの衝撃を受けた際に、インフレータからガスが供給されてエアバッグが展開し、側部の窓部などに沿って下方に展開するようになっている。
この点、インフレータからガスが直接に導入されて展開する第1の室と、この第1の室に通気性パネルを介して隣接する第2の室とを備え、膨張したエアバッグにより、自動車の側面衝突や横転の際に、乗員がピラーや窓ガラスなどに直接当接することや車外に投げ出されること(車外放出)を防止する構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。さらに、この構成では、第1の室が乗員の頭部を受け止め、第1の室の内圧が所定圧以上に増大した際には、ガスが通気性パネルを透過して第2の室に流入し、圧力変動をなだらかにするとともに、長い時間にわたり乗員の頭部を保護することが図られている。しかしながら、この構成では、エアバッグの構成とピラーとの関係は示されず、ピラーの部分で底付き感が生じる可能性がある。また、車両の横転時などにも膨張したエアバッグが隙間を生じることなく窓部を閉塞した状態を維持するための維持構造は示されず、このような維持構造をエアバッグとは別個に設けると、エアバッグ装置が大型化、複雑化するとともに、車体への取り付け作業も煩雑になり、製造コストが上昇する。
また、このようなエアバッグについて、エアバッグの下端部に沿って前後に細長い筒状気室を設けるとともに、この筒状気室の前後の端部から延設部を延設する構成が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この構成では、エアバッグが膨張した状態で、前後の延設部が車体の内側に当接することにより、乗員の車外放出を効果的に防止できるようになっている。しかしながら、この構成では、エアバッグの構成とピラーとの関係は示されていない。また、前後の延設部の形状によっては、エアバッグの容積が大きくなり、インフレータを大型化する必要が生じる。
特開2004−210257号公報
特開2005−239038号公報
今日において、簡略な構成で窓部を閉塞した状態を維持して乗員の車外放出を防止できるとともに、ピラーの部分での底付き感を抑制する構成が求められている。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、エアバッグの展開位置及び展開形状が強固に保持され開口部を閉塞した状態を維持できるとともに、柱状部での底付き感を抑制できるエアバッグ及びエアバッグ装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のエアバッグは、開口可能な開口部及びこの開口部に隣接する柱状部を有する所定面に沿って展開するエアバッグであって、前記開口部を覆って展開する開口部用展開部と、前記柱状部を覆って柱状に展開する柱状部用展開部と、これら開口部用展開部及び柱状部用展開部に連結されるとともに少なくとも前記柱状部用展開部の下流側に連通し、この柱状部用展開部と交差する方向に柱状に展開する下流側展開部とを具備するものである。
そして、この構成では、エアバッグにガスが導入されると、開口部用展開部及び柱状部用展開部が展開して、開口部及び柱状部を覆う。さらに、ガスが少なくとも柱状部用展開部から下流側展開部に導入され下流側展開部が柱状部用展開部と交差する方向に柱状に展開する。柱状部を覆って展開する柱状部用展開部により、被保護物が柱状物側に向かった際の衝撃が緩和され、柱状部の部分での底付き感が防止される。さらに、柱状に展開する柱状部用展開部と、この柱状部用展開部と交差する方向に柱状に展開する下流側展開部とにより、開口部用展開部を含むエアバッグの展開位置及び展開形状が強固に保持され、エアバッグが開口部を覆って閉塞した状態が保持される。
請求項2記載のエアバッグは、請求項1記載のエアバッグにおいて、柱状部用展開部の外殻を構成する相対向する基布部と、前記柱状部用展開部のガスの流通方向に沿った直線部及びこの直線部から交差する方向に湾曲されて前記柱状部用展開部の一部に交差する交差部を有し前記基布部同士を連結する連結線部とを具備するものである。
そして、この構成では、連結線部の直線部により、ガスが案内されるとともに、柱状部用展開部の形状が規定される。さらに、直線部から交差する方向に湾曲され柱状部用展開部の一部に交差する交差部により、展開したエアバッグに被保護物が当接して力を受けた際に、連結線部の直線部に沿ってエアバッグが屈曲することが抑制され、開口部用展開部を含むエアバッグの展開形状が強固に保持され、エアバッグが開口部を覆って閉塞した状態が保持される。
請求項3記載のエアバッグは、請求項1または2記載のエアバッグにおいて、下流側展開部には、柱状部用展開部と連通する連通部分の下流側に位置し、ガスの流れを規制するガス規制部を設けたものである。
そして、この構成では、被保護物が柱状部用展開部に当接した際に、柱状部用展開部のガスが下流側展開部の下流側に移動することを抑制し、柱状部の部分での底付き感が効果的に防止される。
請求項4記載のエアバッグは、請求項3記載のエアバッグにおいて、ガス規制部は、ガスの流れを遮断するものである。
そして、この構成では、被保護物が柱状部用展開部に当接した際に、柱状部用展開部のガスが下流側展開部の下流側に移動することを阻止し、柱状部の部分での底付き感が効果的に防止される。
請求項5記載のエアバッグ装置は、ガスが導入されるガス導入部及びこのガス導入部に連通するガス案内部を備えた請求項1ないし4いずれか一記載のエアバッグと、このエアバッグのガス導入部にガスを供給するインフレ−タとを具備し、所定面は、車両の車室の開口可能な開口部である窓部及び柱状部であるセンターピラーに沿った面部であり、前記エアバッグは、前記所定面の上縁部に沿った収納位置に折り畳んで収納され、前記ガス案内部は、前記窓部の上縁部に沿って展開し、下流側展開部は、前記窓部の下縁部に沿って展開し、柱状部用展開部は、これらガス案内部と下流側展開部とに略直交する方向に展開するものである。
そして、この構成では、エアバッグを展開した状態で、柱状部用展開部によりセンターピラーの部分での底付き感が抑制されるとともに、柱状部用展開部と下流側展開部とによりエアバッグの展開位置及び展開形状が強固に保持され、車室の乗員の窓部からの車外放出が防止される。
本発明のエアバッグによれば、柱状部を覆って展開する柱状部用展開部により、被保護物が柱状物側に向かった際の衝撃が緩和され、柱状部の部分での底付き感を防止できる。さらに、柱状に展開する柱状部用展開部と、この柱状部用展開部と交差する方向に柱状に展開する下流側展開部とにより、開口部用展開部を含むエアバッグの展開位置及び展開形状が強固に保持され、エアバッグが開口部を覆って閉塞した状態を保持できる。
そして、本発明のエアバッグ装置によれば、エアバッグを展開した状態で、柱状部用展開部によりセンターピラーの部分での底付き感を抑制できるとともに、柱状部用展開部と下流側展開部とによりエアバッグの展開位置及び展開形状を強固に保持し、車室の乗員の窓部からの車外放出を防止できる。
以下、本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1ないし図3において、1はエアバッグで、このエアバッグ1を備えたエアバッグ装置2は、カーテンエアバッグ装置とも呼ばれるもので、車両である自動車の車体3の車室の収納位置としてのルーフサイド部5に配置されている。そして、このエアバッグ1は、カーテンエアバッグ、側突用エアバッグ、インフレータブルカーテン、あるいは頭部保護用エアバッグなどとも呼ばれるもので、側面衝突の衝撃を受けた際や横転(ロールオーバー)の際などに、乗員の側方にほぼ面状に展開し、被保護物である乗員を保護するようになっている。
そして、この自動車の車体3は、車室内に乗員が着座可能な前席及び後席を備え、これら前席及び後席に対応して、それぞれ上部に開口可能な開口部としての所定面を構成する窓部(サイドウィンドウ)8を備えた図示しないドアが設けられている。また、車室の両側には、前側(各図における右側)から順に、Aピラーとも呼ばれるフロントピラー11、柱状部であるピラー部としてのBピラーとも呼ばれるセンターピラー12、Cピラーとも呼ばれるリアピラー13が設けられている。そして、これら窓部8、ドア及び各ピラー11,12,13により、車室の両側部に所定面14が構成されている。また、これらピラー11,12,13の上側、すなわち窓部8の一縁部である上縁部に、ルーフサイドレールなどとも呼ばれる被取付部材を構成する車体パネルが設けられ、この車体パネルを介して天井部としての天井パネルが支持されている。また、両側のフロントピラー11の前側にはフロントガラス(フロントウインドシールド)が設けられ、両側のリアピラー13の後側にはリアガラスが設けられている。そして、収納位置としてのルーフサイド部5は、天井パネルの両側の縁部の部分から、この縁部の部分といわば交差する方向に伸びるフロントピラー11のほぼ全長にかかる部分にまで設定され、これら天井パネルの縁部の部分とフロントピラー11とで仮想的に構成される内角の側にエアバッグ1が展開する所定面14が設定される。
また、車体パネル及び天井パネルの車室側は、各ピラー11,12,13の一部とともに、軟質すなわち変形可能な天井板であり室内装飾パネルである図示しないヘッドライニング(ルーフライニング)により覆われている。また、各座席には、シートベルトが設けられ、センターピラー12には、これらシートベルトを支持する支持部12aが設けられている。また、各ピラー11,12,13の全長あるいは一部の車室側には、それぞれ内装材である第1ないし第3のピラーガーニッシュが取り付けられ、これらピラー11,12,13が覆われている。さらに、図示しないが、車体パネルの下端部には、軟質の樹脂などにて形成された弾性変形可能なパッキング体が取り付けられている。このパッキング体は、ウェルトあるいはボディシールなどとも呼ばれるもので、各ドアの上部が当接して密着するようになっている。
なお、ここで、センターピラー12とは、前後の端部のピラーではなく、展開したエアバッグ1に覆われるピラーを示す。また、車両の種類によっては、片側に例えば4本以上のピラーを備える場合があるが、前から3本目以後のピラーは、リアピラー13として説明する。
そして、エアバッグ装置2は、前後の座席の乗員を保護可能な、いわゆる前後席用エアバッグであり、車体パネルとヘッドライニングとなどに囲まれたルーフサイド部5に細長く折り畳んで収納されたエアバッグ1と、後席の後方あるいは上方に収納されこのエアバッグ1にガスを供給するガス発生器であるインフレータ25となどを備えている。また、このエアバッグ装置2は、必要に応じて、エアバッグ1を車体パネルに取り付ける金属板をプレス加工などして形成された取付ブラケット、折り畳んだエアバッグ1に沿って取り付けられて展開時にエアバッグ1を保護する樹脂製のプロテクタ、及び折り畳んだエアバッグ1の形状を保持する破断可能な筒状あるいはひも状の形状保持部材としてのスリーブ、エアバッグ1の前端部に連結されたテザーベルト29などが備えられている。さらに、この実施の形態では、取付ブラケットに、アシストグリップ30が取り付けられている。
そして、エアバッグ1は、単数あるいは複数の基布を組み合わせ、例えば1枚の基布を折り返し、あるいは2枚の基布を重ねて接合して、扁平な袋状に形成されたエアバッグ本体部31と、このエアバッグ本体部31の複数カ所から延設された取付部を構成する取付片部32となどを備え、細長く折り畳んでルーフサイド部5に収納される。
そして、エアバッグ本体部31は、車室側に配置される内側の基布部33と車体側である外側に配置される外側の基布部34とを重ね、接合部である所定の縫製部で縫い合わせ、ガスが流入して膨張展開する袋状の膨張部35と、エアバッグ本体部31の後端上部に位置して膨張部35を外部に連通するガス導入部36と、ガスが流入せず膨張展開しない非膨張部37となどが設けられている。
さらに、膨張部35は、中空部である気室であり、エアバッグ本体部31の上縁部に沿って位置するガス案内部41と、このガス案内部41の下流側である下側に連通する開口部用展開部としての第1の膨張部である前席保護部42及び第2の膨張部としての後席保護部43と、これら前席保護部42及び後席保護部43の間に位置する柱状部用展開部としてのピラー被覆部44と、これら保護部42,43及びピラー被覆部44の下流側である下側に連通しエアバッグ本体部31の下縁部に沿って位置する下流側展開部としての下部膨張部45とを備えている。そして、ガス案内部41は、エアバッグ本体部31の上縁部の略全長に沿って、すなわち前後方向を長手方向である軸方向として略水平な柱状に展開する。また、下部膨張部45は、エアバッグ本体部31の下縁部の略全長に沿って、すなわち前後方向を長手方向である軸方向として略水平な柱状に展開するが、所定の位置に設けたガス規制部47により前後に区画されている。さらに、ピラー被覆部44は、センターピラー12とほぼ等しい幅寸法か、あるいはセンターピラー12よりも大きい幅寸法を有している。
また、縫製部は、縫製、接着、あるいは縫製とシール手段との併用などにより略気密あるいは高度な気密に構成され、膨張部35の外周を縫製する外周連結部である外周縫製部51と、この外周縫製部51に囲まれた領域に位置し保護部42,43及びピラー被覆部44などを区画形成するとともに各部の展開時の幅寸法を規制する規制部52とを備えている。そして、この規制部52は、膨張部35の1カ所あるいは複数カ所に位置し、外周縫製部51と一体あるいは別体に形成されている。また、各規制部52は、線状をなす線部53と、この線部53の端末あるいはガスの上流側に位置して線部を保護する円環状の保護部54が形成されている。
そして、本実施の形態では、規制部52は、前席保護部42に位置する前側規制部56と、後席保護部43に位置する第1及び第2の後側規制部57,58と、ピラー被覆部44に略沿って形成された連結線部71とが形成されている。そして、前側規制部56と第2の後側規制部58は、上側すなわち上流側を開口した略U字状をなし、第1の後側規制部57は、環状に形成されて内部が非膨張部37となっている。
また、連結線部71は、本実施の形態では、ピラー被覆部44の後側部を区画形成するもので、エアバッグ1が展開した状態で、ピラー被覆部44すなわちセンターピラー12に略沿って垂直状すなわち上下方向を長手方向として形成され、センターピラー12の後縁部に沿った直線状の直線部72と、この直線部72の下端部に連続し下流側に滑らかに湾曲してセンターピラー12の一部に重なる位置まで延設された曲線状の交差部73とを備え、いわば略J字状あるいは略し字状に形成されている。
そして、この連結線部71の下端部は、各規制部56,57,58の下端部とほぼあるいは正確に位置合わせされており、ガス規制部47の部分を除いて、ガスの流れを遮ることのない空間が形成されるとともに、これら規制部56,57,58の下側に形成される下部膨張部45は、一部すなわちピラー被覆部44に連続する部分がセンターピラー12の下端部を覆うようになっている。
さらに、この実施の形態では、規制部52と一体に連続して、ガス規制部47が形成されている。このガス規制部47は、前側規制部56の後端部近傍から下方に垂直状に延設され、外周縫製部51に連続している。そこで、このガス規制部47は、ピラー被覆部44が下部膨張部45に連通する連通部分75の下流側で、下部膨張部45を気密に閉塞している。なお、このガス規制部47の位置は、ピラー被覆部44に近接する位置に限られず、前側規制部56と外周縫製部51とを連結する任意の位置に設けることができる。
また、内側の基布部と外側の基布部との間には、必要に応じて、ガスを案内し、あるいは、展開時の膨張部の幅寸法を規制する手段として、インナパイプ77、前側隔壁体、あるいは後側隔壁体などが縫合などして取り付けられている。また、この実施の形態では、エアバッグ本体部31の上端部の前端部及び後端部の下端部にそれぞれ若干の非膨張部37が形成され、これら非膨張部37に、車体に取り付けられる固定点79が形成されている。
また、エアバッグ1の取付片部32は、エアバッグ本体部31の上縁部の所定位置に複数形成されている。そして、各取付片部32は、エアバッグ本体部31を構成する基布部と一体に形成され、例えば、内側の基布部33と外側の基布部34とを重ね縫着して形成されている。そして、各取付片部32は、エアバッグ本体部31から舌片状に突設され、円孔状をなす取付孔32aが形成されている。
次に、このエアバッグ装置2の組み立て工程及び車体3への取付工程を説明する。
まず、エアバッグ1は、平面状に広げた状態から、エアバッグ本体部31を所定の細長い形状に折り畳み、スリーブなどを用いて折り畳み形状を保持し、プロテクタ及び取付ブラケットを取り付けるとともに、後端部のガス導入部36にインフレータ25の円柱状の本体部25aから延びる接続管25bを接続する。なお、エアバッグ本体部31の折畳方法は、種々の方法を採ることができるが、例えば、下側部をロール状に折り畳んで集積部を形成するとともに、上側部はこの集積部を両側から包むパラソル状の案内部として折り畳むことができる。
そして、このエアバッグ装置(カーテンエアバッグモジュール)2を車室内に持ち込み、ヘッドライニング及びピラーガーニッシュなどの内装部材が取り付けられる前に車体3への取付作業を行う。この取付作業は、エアバッグ1の複数の取付片部32、固定点79、インフレータ25に設けた取付部、及び、取付ブラケットをそれぞれボルトなどの固定具で車体に固定することにより行われる。また、インフレータ25から導出されたハーネスを車体3に備えた制御装置に接続する。次いで、車体3の天井パネルにヘッドライニングを取り付け、各ピラー11,12,13にピラーガーニッシュを取り付けて、エアバッグ装置2を覆うことにより、エアバッグ装置2の車体3への取付作業が完了する。
次に、エアバッグ1の展開動作を説明する。
車両の側面衝突あるいは横転などの際には、制御装置によりインフレータ25が作動し、このインフレータ25から噴射されるガスが接続管25bを介しガス導入部36からエアバッグ本体部31内の膨張部35に導入される。すると、エアバッグ本体部31の膨張部35は、ヘッドライニング及び前後のピラーガーニッシュを押しのけながら膨張展開し、所定面14に沿った所定方向である略下方に迅速にカーテン状に膨張展開して、窓部8及びセンターピラー12などを覆う。
この時、膨張部35では、ガス案内部41が後端部から前端部まで迅速に展開するとともに、このガス案内部41から、前席保護部42、後席保護部43、及びピラー被覆部44にガスが供給されてこれら前席保護部42、後席保護部43、及びピラー被覆部44が展開し、さらに、これら前席保護部42、後席保護部43、及びピラー被覆部44から下部膨張部45にガスが供給されて下部膨張部45が展開する。すなわち、この実施の形態では、基本的には、上側よりは下側、後側よりは前側が下流側となる。但し、下部膨張部45はガス規制部47により区画されているため、このガス規制部47より前側の部分は、前席保護部42の前部から後側に回り込んでくるガスにより膨張展開する。
そして、このエアバッグ1は、窓部8を覆って展開する前席保護部42及び後席保護部43により、窓部8の部分に当接する被保護物である乗員を保護できるとともに、専用の構造として、センターピラー12を覆うピラー被覆部44を設けたため、窓部8よりも車内側に膨らんだ部分である車体3のセンターピラー12の部分に当接する乗員についても、確実にエアバッグ1で拘束し、底付き感なく保護できる。
加えて、ピラー被覆部44が下部膨張部45に連通する連通部分75の下流側で、ガス規制部47が下部膨張部45を気密に閉塞するため、センターピラー12の部分に乗員が当接した際に、ガスが下流側に移動することを抑制し、ピラー被覆部44及び下部膨張部45のピラー被覆部44に近接する部分が膨張展開した状態を確保し、乗員を十分な反力で受け止めて、底付き感なく保護できる。
また、ピラー被覆部44は、上下方向を軸方向とする軸状に展開し、このピラー被覆部44の下端部に連続する下部膨張部45は前後方向を長手方向である軸方向として軸状に展開し、さらには、ピラー被覆部44の上端部に連続するガス案内部41が前後方向を長手方向である軸方向として軸状に展開する。そこで、ピラー被覆部44と下部膨張部45とにより構成される略T字状の膨出構造、さらには、ピラー被覆部44と下部膨張部45とガス案内部41とにより構成される略H字状の膨出構造により、前席保護部42及び後席保護部43を含むエアバッグ1のエアバッグ本体部31の展開形状を強固に保持できる。さらに、センターピラー12を覆う位置に下部膨張部45を設けたため、車両の横転時などにはこの下部膨張部45がセンターピラー12に当接し、展開位置を強固に保持できる。そこで、車両の横転時に乗員がエアバッグ1に当接した際にも、エアバッグ1と窓部8との間に隙間ができることを防止して、乗員の車外放出を効果的に防止できる。
さらに、ピラー被覆部44を区画形成する結合部である連結線部71は、直線部72の下端部に連続しセンターピラー12に一部が重なるように湾曲する交差部73を設けている。そこで、乗員がエアバッグ1に当接した際にも、エアバッグ1が直線部72に沿って折れ曲がるように変形することを防止して、隙間の発生を防止し、乗員の車外放出を効果的に防止できる。
なお、図1において、Aは模式的に示す前席の乗員の頭部、Bは模式的に示す後席の乗員の頭部であり、それぞれ通常の着席位置ではない。そして、これらA,Bで示す位置で膨張展開したエアバッグ1を押動した実験で、乗員の車外放出を効果的に防止できることが確認された。
このように、本実施の形態のカーテンエアバッグ装置によれば、ピラー被覆部44を設け、さらにはガス規制部47を設けたため、エアバッグ1の展開時に車体3、特にセンターピラー12の部分での底付き感を防止できる。また、ピラー被覆部44と下部膨張部45とにより膨出する部分をT字状としたため、横転時(ロールオーバー時)にも展開したエアバッグ1の位置及び形状を強固に保持して、乗員の車外放出を防止できる。
さらに、下部膨張部45には、センターピラー12の前方近傍すなわちガスの下流側に位置して、ガス規制部47を設けたため、乗員がピラー被覆部44に当接した場合に、乗員の押圧力によりピラー被覆部44内のガスが下部膨張部45を介してさらに前方の膨張部35に移動することがなくなり、ピラー被覆部44及び下部膨張部45のピラー被覆部44に近接する部分にガスを維持することができ、乗員の保護性能を向上できる。
また、ピラー被覆部44を構成する連結線部71は、全体がセンターピラー12の縁部に沿って設けられるのではなく、先端部を湾曲させた略J字状をなし、センターピラー12の縁部と交差するため、ピラー被覆部44の全体がセンターピラー12に沿って折れ曲がることがなく、エアバッグ1と窓部8の窓枠との間に隙間が生じることを防止して、乗員の車外放出を確実に防止できる。
また、このセンターピラー12近傍の拘束性能は、連結線部71の位置などの調整により、容易に調整できる。例えば、連結線部71を前後に移動させ、図2に示すように、連結線部71の前側すなわち下流側の寸法L1と、連結線部71の後側すなわち上流側の寸法L2とを調整することにより、連結線部71の前側のC部の展開形状と、連結線部71の後側のD部の展開形状とを調整でき、あるいは、連結線部71の後側のD部に流れ込むガスの流れについて、ガス案内部41から流れ込むガスG1と、下部膨張部45から流れ込むガスG2とのバランスを調整し、展開特性を調整することができる。
また、例えば、図4に示すように、連結線部71は、センターピラー12すなわちピラー被覆部44の幅方向の中心線に略沿って直線部72を形成するとともに、この直線部72の下端部に連続し車両後側である上流側に滑らかに湾曲してセンターピラー12の縁部に重なる位置まで延設された曲線状の交差部73を形成することもできる。
また、このように、簡略な構成で、センターピラー12の部分の拘束特性の向上と車外放出防止性能の確保とを両立でき、エアバッグ1の展開位置や展開形状を規制する別体の構造を備える必要がないとともに、インフレータ25の容量を大きくする必要もなく、製造コストを低減できる。
なお、上記の実施の形態では、ガス規制部47は、ガスの流れを完全に遮断する構成としたが、これに限られず、適宜の抵抗で通過可能とすることもできる。あるいは、ガス規制部47は、省略して設けないこともできる。
また、エアバッグ1の膨張部35、ガス導入部36、及び非膨張部37は適宜の配置を採ることが可能であり、例えば、ガス導入部36は、エアバッグ本体部31の前後方向の中央上部に位置させることもできる。また、ガス案内部41は、エアバッグ本体部31の全長に形成するほか、前席保護部42と後席保護部43とを連通する位置のみに形成することもできる。さらに、下部膨張部45も、エアバッグ本体部31の全長に形成するほか、少なくともピラー被覆部44に連通すれば、一部のみに形成することもできる。
また、エアバッグ1は、上側から下側に向かって展開して自動車の側方の窓部8を覆う構成に限られず、ピラーを有する所定面に沿って面状に膨張展開する必要がある適宜のエアバッグ装置に適用できる。
本発明は、例えば、自動車の側部の窓部に沿って展開するカーテンエアバッグと呼ばれるエアバッグ及びエアバッグ装置に適用できる。
1 エアバッグ
2 エアバッグ装置
5 収納位置としてのルーフサイド部
8 開口部としての窓部
12 柱状部としてのセンターピラー
14 所定面
25 インフレータ
33,34 基布部
36 ガス導入部
41 ガス案内部
42 開口部用展開部としての前席保護部
43 開口部用展開部としての後席保護部
44 柱状部用展開部としてのピラー被覆部
45 下流側展開部としての下部膨張部
47 ガス規制部
71 連結線部
72 直線部
73 交差部
75 連通部分
2 エアバッグ装置
5 収納位置としてのルーフサイド部
8 開口部としての窓部
12 柱状部としてのセンターピラー
14 所定面
25 インフレータ
33,34 基布部
36 ガス導入部
41 ガス案内部
42 開口部用展開部としての前席保護部
43 開口部用展開部としての後席保護部
44 柱状部用展開部としてのピラー被覆部
45 下流側展開部としての下部膨張部
47 ガス規制部
71 連結線部
72 直線部
73 交差部
75 連通部分
Claims (5)
- 開口可能な開口部及びこの開口部に隣接する柱状部を有する所定面に沿って展開するエアバッグであって、
前記開口部を覆って展開する開口部用展開部と、
前記柱状部を覆って柱状に展開する柱状部用展開部と、
これら開口部用展開部及び柱状部用展開部に連結されるとともに少なくとも前記柱状部用展開部の下流側に連通し、この柱状部用展開部と交差する方向に柱状に展開する下流側展開部とを具備する
ことを特徴とするエアバッグ。 - 柱状部用展開部の外殻を構成する相対向する基布部と、
前記柱状部用展開部のガスの流通方向に沿った直線部及びこの直線部から交差する方向に湾曲されて前記柱状部用展開部の一部に交差する交差部を有し前記基布部同士を連結する連結線部と
を具備することを特徴とする請求項1記載のエアバッグ。 - 下流側展開部には、柱状部用展開部と連通する連通部分の下流側に位置し、ガスの流れを規制するガス規制部を設けた
ことを特徴とする請求項1または2記載のエアバッグ。 - ガス規制部は、ガスの流れを遮断する
ことを特徴とする請求項3記載のエアバッグ。 - ガスが導入されるガス導入部及びこのガス導入部に連通するガス案内部を備えた請求項1ないし4いずれか一記載のエアバッグと、
このエアバッグのガス導入部にガスを供給するインフレ−タとを具備し、
所定面は、車両の車室の開口可能な開口部である窓部及び柱状部であるセンターピラーに沿った面部であり、
前記エアバッグは、前記所定面の上縁部に沿った収納位置に折り畳んで収納され、
前記ガス案内部は、前記窓部の上縁部に沿って展開し、
下流側展開部は、前記窓部の下縁部に沿って展開し、
柱状部用展開部は、これらガス案内部と下流側展開部とに略直交する方向に展開する
ことを特徴とするエアバッグ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006182267A JP2008007065A (ja) | 2006-06-30 | 2006-06-30 | エアバッグ及びエアバッグ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006182267A JP2008007065A (ja) | 2006-06-30 | 2006-06-30 | エアバッグ及びエアバッグ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008007065A true JP2008007065A (ja) | 2008-01-17 |
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ID=39065642
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2008007065A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2006
- 2006-06-30 JP JP2006182267A patent/JP2008007065A/ja active Pending
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