JP2008030158A - 耐熱合金の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 - Google Patents
耐熱合金の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008030158A JP2008030158A JP2006207027A JP2006207027A JP2008030158A JP 2008030158 A JP2008030158 A JP 2008030158A JP 2006207027 A JP2006207027 A JP 2006207027A JP 2006207027 A JP2006207027 A JP 2006207027A JP 2008030158 A JP2008030158 A JP 2008030158A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- content point
- highest
- hard coating
- cutting
- coating layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Drilling Tools (AREA)
- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
【解決手段】炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面に、1〜8μmの平均層厚を有し、かつ、層厚方向にそって、Al最高含有点とB最高含有点とが所定間隔をおいて交互に繰り返し存在する組成変化(Al,Cr,B)N層を被覆した表面被覆切削工具において、Al最高含有点におけるAl、Cr、Bの含有割合は、それぞれ、0.4〜0.65、0.3〜0.50、0.05〜0.20であり、また、B最高含有点におけるAl、Cr、Bの含有割合は、それぞれ、0.15〜0.35、0.25〜0.4、0.40〜0.55である。
【選択図】 なし
Description
(イ)例えば図1(a)に概略平面図で、同(b)に概略正面図で示される構造の(Al,Cr)N蒸着用アークイオンプレーティング(AIP)装置とCr−B蒸着用マグネトロンスパッタリング(SP)装置を併設した蒸着装置を用い、装置中央部に工具基体(例えば、超硬基体)装着用回転テーブルを設け、前記回転テーブルを挟んで、一方側に、所定組成のAl−Cr合金からなるカソード電極(蒸発源)を備えた(Al,Cr)N蒸着用アークイオンプレーティング装置、他方側に、CrB2焼結体からなるターゲット(蒸発源)を備えたCr−B蒸着用マグネトロンスパッタリング装置を対向配設し、また工具基体装着用回転テーブル上に、これの中心軸から半径方向に所定距離離れた位置に複数の工具基体をリング状に装着し、この状態で装置内雰囲気を窒素雰囲気として、前記回転テーブルを回転させると共に、形成される硬質被覆層の層厚均一化を図る目的で工具基体自体も自転させながら、前記の(Al,Cr)N蒸着用アークイオンプレーティング装置のAl−Cr合金からなるカソード電極(蒸発源)とアノード電極との間にアーク放電を発生させ、それと同時に、対向配設したCr−B蒸着用マグネトロンスパッタリング装置のCrB2焼結体からなるターゲット(蒸発源)にパルス電圧を印加しCrB2をスパッタすると、アークイオンプレーティングとスパッタリングによってAlとCrとBの窒化物層(以下、(Al,Cr,B)N層で示す)が蒸着形成され、そして、上記窒化物層は、回転テーブル上に配置された工具基体が、上記一方側のAl−Cr合金のカソード電極(蒸発源)に最も接近した位置で、相対的に、蒸着層中のAlの含有割合が最大となりBの含有割合が最小となる領域(以下、Al最高含有点という)が形成され、また、前記工具基体が、上記他方側のCrB2焼結体ターゲット(蒸発源)に最も接近した位置で、相対的に、蒸着層中のBの含有割合が最大となって、Alの含有割合が最小となる領域(以下、B最高含有点という)が形成され、上記回転テーブルの回転によって層中には層厚方向に沿って、前記Al最高含有点とB最高含有点が回転テーブルの回転速度に応じた所定間隔をもって交互に繰り返し現れると共に、前記Al最高含有点から前記B最高含有点、前記B最高含有点から前記Al最高含有点へ、Al、Bの含有量がそれぞれ連続的に変化する成分濃度分布構造の蒸着層(以下、組成変化(Al,Cr,B)N層という)が形成されること。
以上(イ)、(ロ)に示される研究結果を得たのである。
炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体を、一方にカソード電極としてAl−Cr合金を、また、他方にターゲットのCrB2焼結材料を設けた蒸着装置の回転テーブル上に載置し、前記工具基体を回転テーブルで回転させながら、Al−Cr合金カソード電極側でのアークイオンプレーティングと、CrB2焼結材料ターゲット側でのスパッタリングにより、工具基体表面にAlとCrとBの窒化物層からなる硬質被覆層を蒸着形成した表面被覆切削工具において、
(a)前記硬質被覆層は1〜8μmの平均層厚を有し、硬質被覆層の層厚方向に沿って、前記Al−Cr合金カソード電極近傍で形成されるAl最高含有点と前記CrB2焼結材料ターゲット近傍で形成されるB最高含有点とが0.005〜0.1μmの間隔をおいて交互に繰り返し存在し、
(b)前記Al最高含有点から前記B最高含有点、前記B最高含有点から前記Al最高含有点へと、Al、Bの含有割合がそれぞれ連続的に変化する成分濃度分布構造を有し、
(c)前記Al−Cr合金カソード電極近傍で形成される前記Al最高含有点におけるAl成分、Cr成分およびB成分は、その含有割合(ただし、原子比)を、それぞれX、Y、Zで表したときに、Xは0.4〜0.65、Yは0.3〜0.50、Zは0.05〜0.20で、かつ、X+Y+Z=1を満足し、
(d)前記CrB2焼結材料ターゲット近傍で形成される前記B最高含有点におけるAl成分、Cr成分およびB成分は、その含有割合(ただし、原子比)を、それぞれX、Y、Zで表したときに、Xは0.15〜0.35、Yは0.25〜0.40、Zは0.40〜0.55で、かつ、X+Y+Z=1を満足する組成変化(Al,Cr,B)N層を蒸着形成してなる、
耐熱合金の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する被覆工具(表面被覆切削工具)に特徴を有するものである。
組成変化(Al,Cr,B)N層におけるAlは、高温硬さ、耐熱性および耐酸化性を向上させ、同Cr成分は高温強度を向上させるとともに、また、B成分は被削材との反応性を低下させると同時に潤滑性を高める作用がある。したがって相対的にAl成分の含有割合が高いAl最高含有点ではすぐれた高温硬さ、耐熱性、耐酸化性を備えるが、Alの含有割合(X値)が0.4未満の場合には、硬質被覆層として最小限要求される高温硬さ、耐熱性、耐酸化性を維持することはできず、一方、Alの含有割合(X値)が0.65を超えたりしたような場合には、Crの含有割合(Y値)およびBの含有割合(Z値)が少なくなりすぎて、硬質被覆層のすぐれた高温強度を維持することが困難になるばかりか、反応性の低減および潤滑性の向上を図ることができなくなることから、Alの含有割合(X値)を0.4〜0.65(ただし、原子比)とそれぞれ定めた。
なお、組成変化(Al,Cr,B)N層におけるCr成分は、アークイオンプレーティングとスパッタリングの双方で供給されるため、アークイオンプレーティングのカソード電極組成あるいはスパッタリング条件等によって影響を受けるものの、他の成分Al,Bに比較すれば、層の厚み方向で大きな含有割合の変化は少なく、しかも、Crは高温強度を向上させる成分であることから、組成変化(Al,Cr,B)N層はその厚み方向全体にわたり、すぐれた高温強度を備えたものとなり、その結果として、耐チッピング性が非常に優れたものとなるが、Al最高含有点におけるCr成分の含有割合(Y値)は、高温硬さ、耐熱性、耐酸化性を損なわずに所定の高温強度を保持するという点から、0.3≦Y≦0.50の範囲とする必要があり、さらに、Al最高含有点におけるB成分の含有割合(R値)は、耐熱合金の高速切削で要求される非反応性、潤滑性を発揮させるためには、0.05≦Z≦0.20の範囲とする必要があり、そして、X、Y、Zは、X+Y+Z=1を満たす数値である。
硬質被覆層のB最高含有点において、組成変化(Al,Cr,B)N層は所定の高温強度とすぐれた非反応性、潤滑性を備えるが、硬質被覆層は、耐熱合金の高速切削に耐えるに足る最低限の高温硬さ、耐熱性、耐酸化性、高温強度を備える必要があることから、B最高含有点におけるCr含有割合(Y値)およびB含有割合(Z値)を、Al,Cr,Bの合量に占める割合(原子比)で、それぞれ、0.25〜0.4、0.40〜0.55と定めた。
つまり、Cr含有割合(Y値)およびB含有割合(Z値)が、それぞれ0.4および0.55を超えると、(Al,Cr,B)N層中のCr含有割合、B含有割合が増大する反面、Al成分の含有量が減少し、その結果、高温硬さ、耐熱性、耐酸化性が不十分となり、耐摩耗性が低下し、一方、Cr含有割合(Y値)、B含有割合(Z値)が、それぞれ0.25未満および0.40未満になると、(Al,Cr,B)N層中のBの含有割合が少なくなり過ぎ、反応性の低減作用および潤滑性改善効果が期待できなくなり、また、Cr含有割合の減少により、一段と優れた高温強度の向上も望めなくなることから、B最高含有点におけるCrの含有割合(Y値)およびBの含有割合(Z値)を、それぞれ、0.25〜0.4、0.40〜0.55(いずれも、原子比)に定めた。
なお、B最高含有点におけるAl成分の含有割合(X値)は、耐熱合金の高速切削で最低限必要とされる高温硬さ、耐熱性、耐酸化性の点から、0.15≦X≦0.35の範囲であることが必要であり、そして、X、Y、Zは、X+Y+Z=1を満たす数値である。
この発明の硬質被覆層は、その層厚方向に亘って、窒化物を構成する成分の濃度が、Al最高含有点からB最高含有点へと、また、B最高含有点からAl最高含有点へと連続的に変化するものであるため、例えば、成分濃度が急激に不連続な変化をする複数層の積層構造からなる硬質被覆層に比べると、複数層間での剥離等の恐れは無く硬質被覆層自体の密着強度・接合強度は非常にすぐれたものである。しかし、Al最高含有点とB最高含有点間の間隔が0.005μm未満ではそれぞれの点を上記の組成で明確に形成することが困難であり、この結果それぞれの層に所望の高温硬さ、高温強度、耐熱性、耐酸化性、非反応性および潤滑性を確保することができなくなり、またその間隔が0.1μmを越えるとそれぞれの点がもつ欠点、すなわちB最高含有点であれば高温硬さ、耐酸化性および耐熱性の不足、また、Al最高含有点であれば非反応性および潤滑性の不足が層内に局部的に現れ、これが原因で摩耗進行が促進されるようになることから、その間隔を0.005〜0.1μmと定めた。
なお、Al最高含有点とB最高含有点間の間隔は、(Al,Cr)N蒸着用アークイオンプレーティング(AIP)装置とB蒸着用マグネトロンスパッタリング(SP)装置を併設した蒸着装置を用い、アークイオンプレーティングとスパッタリングを同時に行って蒸着膜を形成する際に、例えば、工具基体を装着した回転テーブルの回転速度を制御することによって調整することができるので、回転テーブルの回転速度を適宜に設定することにより、Al最高含有点とB最高含有点間の間隔が上記数値範囲内の所望の値となる組成変化(Al,Cr,B)N層を容易に形成することができる。
その平均層厚が1μm未満では、硬質被覆層が所望の高温硬さ、高温強度、耐熱性、耐酸化性、非反応性および潤滑性を長期に亘って確保することができず、その結果、耐熱合金の高速切削における耐チッピング性、耐摩耗性の向上を期待することができず、一方、その平均層厚が8μmを越えると、切刃にチッピングが発生し易くなることから、その平均層厚を1〜8μmと定めた。
(b)ついで、装置内に反応ガスとして窒素ガスを導入して2Paの反応雰囲気とすると共に、前記回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体に−100Vの直流バイアス電圧を印加して、カソード電極とアノード電極との間に90Aの電流を流してアーク放電を発生させ、
(c)また、それと同時に、CrB2焼結体のターゲットにパルス電源を用いて10A、430Vのパルス電圧を印加してCrB2をスパッタし、
(d)前記回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体の表面に、表3,4に示される目標組成のAl最高含有点とB最高含有点とが交互に、同じく表3、表4に示される目標間隔で繰り返し存在し、また、前記Al最高含有点から前記B最高含有点、前記B最高含有点から前記Al最高含有点へと、Al、Bの含有割合が連続的に変化する成分濃度分布構造を有し、さらに、同じく表3、表4に示される目標層厚の組成変化(Al,Cr,B)N層からなる硬質被覆層を蒸着することにより、ISO・CNMG120408に規定するスローアウエイチップ形状の本発明被覆工具1〜16をそれぞれ製造した。
なお、上記実施例では、Al最高含有点とB最高含有点との目標間隔は、回転テーブルの回転速度を0.5〜10rpmの範囲内で変化させることにより、所定の目標間隔値となるように調整した。
被削材:Ti−6wt%Al−4wt%Vの長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度: 70 m/min.、
切り込み: 1.2 mm、
送り: 0.3 mm/rev.、
切削時間: 5 分、
の条件(切削条件A)でのTi基合金の乾式高速断続切削加工試験(通常の切削速度は、30m/min.)、
被削材:Ni−19wt%Cr−18.5wt%Fe−5.2wt%Cd−5wt%Ta−3wt%Mo−0.9wt%Ti−0.5wt%Alの丸棒、
切削速度: 80 m/min.、
切り込み: 1.5 mm、
送り: 0.2 mm/rev.、
切削時間: 5 分、
の条件(切削条件B)でのNi基合金の乾式高速連続切削加工試験(通常の切削速度は、40m/min.)、
被削材:Co−23wt%Cr−6wt%Mo−2wt%Ni−1wt%Fe−0.6wt%Si−0.4wt%Cの長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度: 60 m/min.、
切り込み: 1.2 mm、
送り: 0.25 mm/rev.、
切削時間: 10 分、
の条件(切削条件C)でのCo基合金の乾式高速断続切削加工試験(通常の切削速度は、30m/min.)、を行い、いずれの切削加工試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。この測定結果を表7に示した。
本発明被覆エンドミル1〜3および従来被覆エンドミル1〜3については、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのNi−19wt%Cr−18.5wt%Fe−5.2wt%Cd−5wt%Ta−3wt%Mo−0.9wt%Ti−0.5wt%Alの板材、
切削速度: 50 m/min.、
溝深さ(切り込み): 3 mm、
テーブル送り: 300 mm/分、
の条件でのNi基合金の乾式高速溝切削加工試験(通常の切削速度は、30m/min.)、
本発明被覆エンドミル4〜6および従来被覆エンドミル4〜6については、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのCo−23wt%Cr−6wt%Mo−2wt%Ni−1wt%Fe−0.6wt%Si−0.4wt%Cの板材、
切削速度: 60 m/min.、
溝深さ(切り込み): 3.5 mm、
テーブル送り: 280 mm/分、
の条件でのCo基合金の乾式高速溝切削加工試験(通常の切削速度は、30m/min.)、
本発明被覆エンドミル7,8および従来被覆エンドミル7,8については、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのTi−6wt%Al−4wt%Vの板材、
切削速度: 50 m/min.、
溝深さ(切り込み): 6 mm、
テーブル送り: 270 mm/分、
の条件でのTi基合金の乾式高速溝切削加工試験(通常の切削速度は、25m/min.)
をそれぞれ行い、いずれの溝切削加工試験でも切刃部の外周刃の逃げ面摩耗幅が使用寿命の目安とされる0.1mmに至るまでの切削溝長を測定した。この測定結果を表9,10にそれぞれ示した。
本発明被覆ドリル1〜3および従来被覆ドリル1〜3については、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのCo−23wt%Cr−6wt%Mo−2wt%Ni−1wt%Fe−0.6wt%Si−0.4wt%Cの板材、
切削速度: 40 m/min.、
送り: 0.25 mm/rev、
穴深さ: 8 mm、
の条件でのCo基合金の湿式高速穴あけ切削加工試験(通常の切削速度は、20m/min.)、
本発明被覆ドリル4〜6および従来被覆ドリル4〜6については、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのTi−6wt%Al−4wt%Vの板材、
切削速度: 50 m/min.、
送り: 0.20 mm/rev、
穴深さ: 15 mm、
の条件でのTi基合金の湿式高速穴あけ切削加工試験(通常の切削速度は、25m/min.)、
本発明被覆ドリル7,8および従来被覆ドリル7,8については、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのNi−19wt%Cr−18.5wt%Fe−5.2wt%Cd−5wt%Ta−3wt%Mo−0.9wt%Ti−0.5wt%Alの板材、
切削速度: 65 m/min.、
送り: 0.25 mm/rev、
穴深さ: 20 mm、
の条件でのNi基合金の湿式高速穴あけ切削加工試験(通常の切削速度は、35m/min.)、
をそれぞれ行い、
いずれの湿式高速穴あけ切削加工試験(水溶性切削油使用)でも、先端切刃面の逃げ面摩耗幅が0.3mmに至るまでの穴あけ加工数を測定した。この測定結果を表11,12にそれぞれ示した。
Claims (1)
- 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体を、一方にカソード電極としてAl−Cr合金を、また、他方にターゲットとしてCrB2焼結材料を設けた蒸着装置の回転テーブル上に載置し、前記工具基体を回転テーブルで回転させながら、Al−Cr合金カソード電極側でのアークイオンプレーティングと、CrB2焼結材料ターゲット側でのスパッタリングにより、工具基体表面にAlとCrとBの窒化物層からなる硬質被覆層を蒸着形成した表面被覆切削工具において、
(a)前記硬質被覆層は1〜8μmの平均層厚を有し、硬質被覆層の層厚方向に沿って、前記Al−Cr合金カソード電極近傍で形成されるAl最高含有点と前記CrB2焼結材料ターゲット近傍で形成されるB最高含有点とが0.005〜0.1μmの間隔をおいて交互に繰り返し存在し、
(b)前記Al最高含有点から前記B最高含有点、前記B最高含有点から前記Al最高含有点へと、Al、Bの含有割合がそれぞれ連続的に変化する成分濃度分布構造を有し、
(c)前記Al−Cr合金カソード電極近傍で形成される前記Al最高含有点におけるAl成分、Cr成分およびB成分は、その含有割合(ただし、原子比)を、それぞれX、Y、Zで表したときに、Xは0.4〜0.65、Yは0.3〜0.50、Zは0.05〜0.20で、かつ、X+Y+Z=1を満足し、
(d)前記CrB2焼結材料ターゲット近傍で形成される前記B最高含有点におけるAl成分、Cr成分およびB成分は、その含有割合(ただし、原子比)を、それぞれX、Y、Zで表したときに、Xは0.15〜0.35、Yは0.25〜0.4、Zは0.40〜0.55で、かつ、X+Y+Z=1を満足する組成変化(Al,Cr,B)N層を蒸着形成してなる、
耐熱合金の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006207027A JP4844884B2 (ja) | 2006-07-28 | 2006-07-28 | 耐熱合金の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006207027A JP4844884B2 (ja) | 2006-07-28 | 2006-07-28 | 耐熱合金の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008030158A true JP2008030158A (ja) | 2008-02-14 |
JP4844884B2 JP4844884B2 (ja) | 2011-12-28 |
Family
ID=39120099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006207027A Expired - Fee Related JP4844884B2 (ja) | 2006-07-28 | 2006-07-28 | 耐熱合金の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4844884B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103212728A (zh) * | 2012-01-23 | 2013-07-24 | 三菱综合材料株式会社 | 硬质包覆层维持优异耐热性及耐磨性的表面包覆切削工具 |
US20150056431A1 (en) * | 2012-04-16 | 2015-02-26 | Oerlikon Trading Ag, Trubbach | High performance tools exhibiting reduced crater wear in particular by dry machining operations |
US20160040283A1 (en) * | 2013-03-22 | 2016-02-11 | Mitsubishi Materials Corporation | Surface-coated cutting tool |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005224868A (ja) * | 2004-02-10 | 2005-08-25 | Mitsubishi Materials Kobe Tools Corp | 高速重切削条件で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆サーメット製切削工具 |
JP2005330539A (ja) * | 2004-05-20 | 2005-12-02 | Tungaloy Corp | 耐摩耗性被覆部材 |
JP4756445B2 (ja) * | 2005-02-16 | 2011-08-24 | 三菱マテリアル株式会社 | 耐熱合金の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆サーメット製切削工具 |
-
2006
- 2006-07-28 JP JP2006207027A patent/JP4844884B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005224868A (ja) * | 2004-02-10 | 2005-08-25 | Mitsubishi Materials Kobe Tools Corp | 高速重切削条件で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆サーメット製切削工具 |
JP2005330539A (ja) * | 2004-05-20 | 2005-12-02 | Tungaloy Corp | 耐摩耗性被覆部材 |
JP4756445B2 (ja) * | 2005-02-16 | 2011-08-24 | 三菱マテリアル株式会社 | 耐熱合金の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆サーメット製切削工具 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103212728A (zh) * | 2012-01-23 | 2013-07-24 | 三菱综合材料株式会社 | 硬质包覆层维持优异耐热性及耐磨性的表面包覆切削工具 |
US20150056431A1 (en) * | 2012-04-16 | 2015-02-26 | Oerlikon Trading Ag, Trubbach | High performance tools exhibiting reduced crater wear in particular by dry machining operations |
US9464347B2 (en) * | 2012-04-16 | 2016-10-11 | Oerlikon Surface Solutions Ag, Pfaffikon | High performance tools exhibiting reduced crater wear in particular by dry machining operations |
US20160040283A1 (en) * | 2013-03-22 | 2016-02-11 | Mitsubishi Materials Corporation | Surface-coated cutting tool |
US9903014B2 (en) * | 2013-03-22 | 2018-02-27 | Mitsubishi Materials Corporation | Surface-coated cutting tool |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4844884B2 (ja) | 2011-12-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2008087114A (ja) | 耐熱合金の高速重切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP4844880B2 (ja) | 耐熱合金の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP4844884B2 (ja) | 耐熱合金の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP2008173756A (ja) | 耐熱合金の高速重切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP2008105107A (ja) | 高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP2008173751A (ja) | 高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP2008030159A (ja) | 耐熱合金の高速重切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP4844879B2 (ja) | 耐熱合金の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP2008173752A (ja) | 耐熱合金の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP2008105106A (ja) | 高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP2008049454A (ja) | 硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP4120500B2 (ja) | 高速切削加工で表面被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具 | |
JP2007307691A (ja) | 高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP4697389B2 (ja) | 高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具 | |
JP2008049455A (ja) | 硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP2008173750A (ja) | 高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP4120489B2 (ja) | 高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆サーメット製切削工具 | |
JP2008087113A (ja) | 耐熱合金の高速重切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP4120490B2 (ja) | 重切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆サーメット製切削工具 | |
JP2008173755A (ja) | 耐熱合金の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP4683266B2 (ja) | 耐熱合金の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具 | |
JP2008173701A (ja) | 高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP4244378B2 (ja) | 高速切削加工で表面被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具 | |
JP2008173703A (ja) | 高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 | |
JP2008023671A (ja) | 高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20071226 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090331 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110916 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110922 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110929 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141021 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |