JP2008016284A - 自動車用電線導体 - Google Patents
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Abstract
【課題】端子挿入性、端子固着力、加工性に優れる自動車用電線導体を提供すること。
【解決手段】Mg:0.2質量%以上0.65質量%以下、Ag:0.2質量%以上1.0質量%未満、Sn:0.2質量%以上0.75質量%以下、および、Zn:0.2質量%以上1.0質量%未満、から選択されるいずれか1種を含有し、残部が実質的にCuおよび不可避的不純物よりなる銅合金が、99%以上の冷間加工度で伸線加工されてなる引張強度600MPa以上、縦弾性係数110GPa以上、導電率60%IACS以上の硬質素線を複数本撚り合わせてなる自動車用電線導体とする。前記銅合金は、O2を150ppm以上400ppm以下含有することが好ましい。電線導体の断面積は、0.03mm2以上0.22mm2以下であることが好ましい。電線導体は円形圧縮加工されていると良い。
【選択図】図1
【解決手段】Mg:0.2質量%以上0.65質量%以下、Ag:0.2質量%以上1.0質量%未満、Sn:0.2質量%以上0.75質量%以下、および、Zn:0.2質量%以上1.0質量%未満、から選択されるいずれか1種を含有し、残部が実質的にCuおよび不可避的不純物よりなる銅合金が、99%以上の冷間加工度で伸線加工されてなる引張強度600MPa以上、縦弾性係数110GPa以上、導電率60%IACS以上の硬質素線を複数本撚り合わせてなる自動車用電線導体とする。前記銅合金は、O2を150ppm以上400ppm以下含有することが好ましい。電線導体の断面積は、0.03mm2以上0.22mm2以下であることが好ましい。電線導体は円形圧縮加工されていると良い。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車の配線に用いられる自動車用電線導体に関するものである。
従来から、例えば自動車等の車両などに配線される絶縁電線は、加工性に優れるタフピッチ銅の軟質材からなる電線素線を複数本撚り合わせてなる電線導体が絶縁体で被覆されたものからなる。
ところが、絶縁電線を構成するタフピッチ銅の軟質材は、加工性に優れるものの、縦弾性係数の値が小さいため、導体の断面積が0.22mm2以下の絶縁電線においては、絶縁電線の端末に端子を接続してコネクタハウジングに挿入するときに絶縁電線が腰折れ(座屈)して、絶縁電線の端子挿入性が悪い。また、タフピッチ銅の軟質材は引張強度が低いため、また絶縁電線として高温で長時間使用されると電線端末における端子固着力が低下するため、導体の断面積が0.22mm2以下の絶縁電線においては、1本での使用やコネクタの端での使用など引張力が強く掛かるところなどでの使用が制限されるものであった。
そこで、上記問題を解消するため、Snなどの金属元素を含有させた銅合金を電線素線の材料に用いることが行なわれている。
例えば特許文献1には、Snを0.2〜2.5重量%含み、残部が本質的にCuよりなる銅合金からなる電線素線を撚り合わせ、180℃〜350℃の温度で10分以上熱処理した電線導体が開示されている。
しかしながら、従来の銅合金からなる電線導体は、電線の柔軟性を確保するために、熱処理を施した軟質材を用いているため、Snなどの添加元素の含有率が低い場合は導体の断面積が0.22mm2以下の絶縁電線においては、引張強度や縦弾性係数などの機械的特性が低く、端子挿入性、端子固着力が低下するという問題があり、引張強度などの機械的特性に優れる電線とするため、Snなどの添加元素の含有率を高くした場合は、銅合金の変形抵抗が大きくなり、熱間圧延工程や伸線工程において加工性が低下するという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、端子挿入性、端子固着力、加工性に優れる自動車用電線導体を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る自動車用電線導体は、
Mg:0.2質量%以上0.65質量%以下、
Ag:0.2質量%以上1.0質量%未満、
Sn:0.2質量%以上0.75質量%以下、および、
Zn:0.2質量%以上1.0質量%未満、
から選択されるいずれか1種を含有し、残部が実質的にCuおよび不可避的不純物よりなる銅合金が、99%以上の冷間加工度で伸線加工されてなる引張強度600MPa以上、縦弾性係数110GPa以上、導電率60%IACS以上の硬質素線を複数本撚り合わせてなることを要旨とするものである。
Mg:0.2質量%以上0.65質量%以下、
Ag:0.2質量%以上1.0質量%未満、
Sn:0.2質量%以上0.75質量%以下、および、
Zn:0.2質量%以上1.0質量%未満、
から選択されるいずれか1種を含有し、残部が実質的にCuおよび不可避的不純物よりなる銅合金が、99%以上の冷間加工度で伸線加工されてなる引張強度600MPa以上、縦弾性係数110GPa以上、導電率60%IACS以上の硬質素線を複数本撚り合わせてなることを要旨とするものである。
前記銅合金は、O2を150ppm以上400ppm以下含有していても良い。
この場合、前記導体は、円形圧縮加工されていても良い。
そして、前記導体の断面積は、0.03mm2以上0.22mm2以下であることが望ましい。
本発明に係る自動車用電線導体によれば、上記銅合金が含有する特定成分の量を特定範囲に抑えているので加工性に優れ、99%以上の冷間加工度で伸線加工しているので、端子挿入性、端子固着力に優れる。
このとき、前記銅合金が、Mg、Ag、Sn、Znから選択されるいずれか1種を上記範囲で含有するものは、導電率60%以上が確保されるので、ヒューズ下流の電力線にも適用可能となる。
また、前記銅合金が、O2を150ppm以上400ppm以下含有していれば、機械的強度が向上する。
このとき、前記導体が円形圧縮加工されていれば、撚線形状の安定性が高まる。
そして、前記導体の断面積が0.03mm2以上であれば、電線への端子圧着が確実になされ、例えばワイヤハーネスへの加工にも支障がない。また、前記電線導体の断面積が0.22mm2以下であれば、電線の軽量化を図ることができる。
次に、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
本発明に係る自動車用電線導体は、Mg、Ag、SnおよびZnから選択されるいずれか1種の元素を以下の範囲で含有し、残部が実質的にCuおよび不可避的不純物よりなる銅合金が、99%以上の冷間加工度で伸線加工されてなる引張強度600MPa以上、縦弾性係数110GPa以上、導電率60%IACS以上の硬質素線を複数本撚り合わせてなる。
Mg:0.2質量%以上0.65質量%以下、
Ag:0.2質量%以上1.0質量%未満、
Sn:0.2質量%以上0.75質量%以下、
Zn:0.2質量%以上1.0質量%未満。
Ag:0.2質量%以上1.0質量%未満、
Sn:0.2質量%以上0.75質量%以下、
Zn:0.2質量%以上1.0質量%未満。
Mg、Ag、SnおよびZnから選択されるいずれか1種の元素を含有させるのは、電線素線の引張強度や縦弾性係数の値を向上させることができるからである。このとき、含有率は、特定範囲に規定される。特定範囲に規定されるのは、含有率が特定範囲未満になると、引張強度や縦弾性係数の値の向上効果が少なくなり、特定範囲を超えると、変形抵抗が大きくなり、熱間圧延が困難となって加工性が低下するからである。また、上記特定範囲とすることで、引張強度および縦弾性係数の値の向上効果が得られつつ、導電率60%以上を確保することができるからである。これにより、従来のタフピッチ銅の軟質材による絶縁電線と同様にヒューズ下流の電力線として適用可能となる。
伸線加工において、99%以上の冷間加工度とするのは、冷間加工度が99%未満では、電線素線の十分な引張強度や縦弾性係数の値が得られないからである。
また、本発明に係る自動車用電線導体において、銅合金は、機械的強度向上のためにO2を150ppm以上400ppm以下含有することが好ましい。O2が150ppm未満では強度向上の効果が得られず、O2が400ppmを超えると水素脆化の問題が生じやすくなるからである。
電線導体の断面積は、0.03mm2以上0.22mm2以下とするのが好ましい。0.03mm2以上であれば、電線への端子圧着が確実になされ、ワイヤハーネスへの加工にも支障がないし、前記電線導体の断面積が0.22mm2以下であれば、電線の軽量化を図ることができるからである。
また、従来のタフピッチ銅の軟質材で構成される絶縁電線は、電線導体の断面積が0.22mm2以下の電線径の小さいところで適用箇所の制限が加えられていたが、本発明に係る電線導体は、電線導体の断面積が0.22mm2以下においても、適用制限を受けないで用いることができるという利点がある。
電線導体は、円形圧縮加工されていることが好ましい。撚線形状の安定性を高めるからである。
ここで、本発明に係る絶縁電線は、上記電線導体が絶縁体で被覆されてなる。断面図を用いて説明すると、図1(a)に示すように、一実施形態に係る絶縁電線10は、例えば上記電線素線14が7本撚り合わされて電線導体12が形成され、これが絶縁体16で被覆されてなる。
図1(b)は、上記電線導体が円形圧縮加工されているものである。絶縁電線10’は、例えば上記電線素線14’が7本撚り合わされた電線導体12’を有する。電線導体12’は、外側に位置する6本の電線素線14’の外周面が、全体がほぼ円形形状となるように圧縮加工されている。中心の電線素線14’は、周囲の電線素線からほぼ均等に圧縮されて、断面略六角形形状に圧縮加工されている。円形圧縮加工された電線導体12’は絶縁体16’で被覆される。
次に、本発明に係る電線素線および電線導体ならびに絶縁電線の製造方法の一例について説明する。
連続鋳造機にて鋳造する直前の保持炉において、銅の溶湯に、含有させる上記金属元素の小粒を、所望の含有濃度となるよう投入速度を調整して一定速度で投入する。次いで、合金溶湯を連続鋳造機にて鋳造し、キャストバーを作製する。次いで、タンデムに接続された熱間圧延機により、ワイヤロッドを作製する。次いで、ワイヤロッドに所望の線径になるまで冷間伸線を施して、電線素線を作製する。作製した電線素線を、所望の本数撚り合わせて電線導体とする。これを絶縁体で被覆し、絶縁電線とする。
以下、本発明を実施例を用いてより具体的に説明する。
初めに、表1に示す合金組成となるように、含有させる上記金属元素の小粒を保持炉に投入し、得られた合金溶湯を連続鋳造機により鋳造して、キャストバーを作製した。次いで、熱間圧延機によりφ8mmのワイヤロッドを作製し、得られたワイヤロッドに冷間伸線加工を施して、φ0.2mmの電線素線を作製した。次いで、電線素線7本を撚り合わせて電線導体とし、これを絶縁体で被覆して絶縁電線とした。
評価試験
上記キャストバーから電線素線を作製する際の加工性を評価した。また、上記電線素線の引張強度・縦弾性係数・導電率を測定した。これらの結果を表1に示す。なお、合金組成における含有元素の量は、銅合金全体に対する質量%で示している。
上記キャストバーから電線素線を作製する際の加工性を評価した。また、上記電線素線の引張強度・縦弾性係数・導電率を測定した。これらの結果を表1に示す。なお、合金組成における含有元素の量は、銅合金全体に対する質量%で示している。
次に、上記絶縁電線の導体破断荷重、端子固着力を測定した。併せて、端子挿入性を評価した。これらの結果を表2に示す。
測定方法および評価方法
加工性
熱間圧延加工時および冷間伸線加工時の加工性を評価した。熱間圧延加工時の加工性評価は、φ8mmワイヤロッドの探傷機による検出カウント数で評価した。また、冷間伸線加工時の加工性評価は、断線回数/伸線後線材長さの大小で評価した。それぞれ従来タフピッチ銅と同等以上の場合を「○」とし、それより劣る場合を「×」とした。
加工性
熱間圧延加工時および冷間伸線加工時の加工性を評価した。熱間圧延加工時の加工性評価は、φ8mmワイヤロッドの探傷機による検出カウント数で評価した。また、冷間伸線加工時の加工性評価は、断線回数/伸線後線材長さの大小で評価した。それぞれ従来タフピッチ銅と同等以上の場合を「○」とし、それより劣る場合を「×」とした。
引張強度および縦弾性係数
所定の冷間加工度まで伸線した素線において、汎用引張試験機にて測定した。引張強度600MPa以上、縦弾性係数110GPa以上を合格とした。
所定の冷間加工度まで伸線した素線において、汎用引張試験機にて測定した。引張強度600MPa以上、縦弾性係数110GPa以上を合格とした。
導電率
所定の冷間加工度まで伸線した素線において、ブリッジ法にて測定した。60%IACS以上を合格とした。ここで、IACSは、万国軟銅標準を示す。
所定の冷間加工度まで伸線した素線において、ブリッジ法にて測定した。60%IACS以上を合格とした。ここで、IACSは、万国軟銅標準を示す。
導体破断荷重
素線を複数本撚り合わせた導体において、汎用引張試験機にて測定した。導体断面積が0.05mm2以下の場合20N以上、0.05mm2 超え0.13mm2 以下の場合50N以上、0.13mm2 超え0.22mm2 以下の場合70N以上を合格とした。
素線を複数本撚り合わせた導体において、汎用引張試験機にて測定した。導体断面積が0.05mm2以下の場合20N以上、0.05mm2 超え0.13mm2 以下の場合50N以上、0.13mm2 超え0.22mm2 以下の場合70N以上を合格とした。
端子固着力
電線端末の絶縁体を剥ぎ端子を圧着し、端子と電線をチャッキングした状態で汎用引張試験機にて破断時の最大荷重を測定した。高温放置は、100℃×120Hrとした。高温放置後の端子固着力が初期の端子固着力に比べ、低下量が10N未満のものを合格とした。
電線端末の絶縁体を剥ぎ端子を圧着し、端子と電線をチャッキングした状態で汎用引張試験機にて破断時の最大荷重を測定した。高温放置は、100℃×120Hrとした。高温放置後の端子固着力が初期の端子固着力に比べ、低下量が10N未満のものを合格とした。
端子挿入性
電線端末に端子を圧着し、電線を持って端子をコネクタハウジングに挿入した時の電線の腰折れ発生率を評価した。電線の腰折れ発生率が5%以下の場合を「○」、電線の腰折れ発生率が5%超の場合を「×」とした。
電線端末に端子を圧着し、電線を持って端子をコネクタハウジングに挿入した時の電線の腰折れ発生率を評価した。電線の腰折れ発生率が5%以下の場合を「○」、電線の腰折れ発生率が5%超の場合を「×」とした。
表1より、Sn,Ag,Mg,Znいずれの元素においても、上記特定範囲における合金組成とし、伸線加工において冷間加工度99%以上とすることにより、引張強度600MPa以上、縦弾性係数110GPa以上となり、従来のタフピッチ銅の軟質材(比較例1)と比較して、格段に引張強度・縦弾性係数の値が向上した。また、いずれの場合においても導電率60%以上が達成された。
これに対し、従来のタフピッチ銅の軟質材では、比較例1に示すように、加工性に優れるものの、引張強度・縦弾性係数の値が不十分であった。
そして、特定元素を含有する銅合金であっても、上記特定範囲より低い含有率とした場合、比較例2に示すように、引張強度・縦弾性係数の値は、従来のタフピッチ銅の軟質材(比較例1)よりも高い値であったものの、不十分であった。
また、特定元素を含有する銅合金であっても、上記特定範囲より高い含有率とした場合、比較例3に示すように、引張強度600MPa以上、縦弾性係数110GPa以上であったが、加工性が悪くなった。このとき、導電率も60%未満となった。
さらに、特定元素を含有する銅合金であって、上記特定範囲の合金組成であっても、伸線加工において冷間加工度99%未満とした場合、比較例4に示すように、加工性には優れるものの、引張強度・縦弾性係数の値が不十分であった。
以上より、上記銅合金が含有する特定成分の量を特定範囲に抑え、99%以上の冷間加工度で伸線加工することにより、引張強度、縦弾性係数の値、および加工性に優れる電線素線とすることができることを確認した。
次に、この電線素線を用いた絶縁電線の特性について説明する。
表2より、本発明に係る電線導体を絶縁体で被覆してなる絶縁電線の場合、実施例6〜10に示すように、導体断面積が0.13mm2であるときに導体破断荷重は100N前後と高い値を示し、基準の50Nを大きく上回っていた。端子固着力についても、高温保持したときに低下する傾向はなく(初期と高温放置後でほぼ同じ値を示している)、端子挿入性も良好で絶縁電線が腰折れすることはなかった。
また、実施例11〜23に示すように、導体断面積が異なるものであっても、高温保持したときに端子固着力の値は低下していない(初期と高温放置後でほぼ同じ値を示している)。また、導体断面積に応じた導体破断荷重の値の基準を満たしている。つまり、例えば自動車用電線などのように長期間高温で使用し続けたときの接続信頼性が高いものと考える。よって、導体断面積が0.3mm2〜0.22mm2の範囲において、電線は確実に端子圧着され、例えばワイヤーハーネス加工するときにも支障がないと考える。そして、電線導体の断面積が0.22mm2以下においても使用可能であるので、電線の軽量化を図ることができる。
これに対し、従来のタフピッチ銅の軟質材(比較例5)を用いた絶縁電線の場合、実施例6〜10のものより導体断面積が大きくても、導体破断荷重が半分程度と低く、基準である70N以上を満たさなかった。また、高温保持したときに端子固着力は10N以上低下した(初期と高温放置後で値が10N以上変化している)。さらに、端子挿入性が悪く、電線の腰折れが生じた。
そして、特定元素を含有する銅合金であっても、上記特定範囲より低い含有率とした場合、比較例6に示すように、導体破断荷重が低くなり、高温保持したときに端子固着力は10N以上低下した(初期と高温放置後で値が10N以上変化している)。さらに、端子挿入性が悪く、電線の腰折れが生じた。
また、特定元素を含有する銅合金であって、上記特定範囲の合金組成であっても、伸線加工において冷間加工度99%未満とした場合、比較例8に示すように、導体破断荷重が実施例6〜10のものの半分以下となり、基準である50N以上を満たさなかった。
なお、特定元素を含有する銅合金であって、上記特定範囲より高い含有率とした場合、比較例7に示すように、導体破断荷重、端子固着力、端子挿入性は問題なかった。
以上より、本発明に係る自動車用電線導体によれば、これを絶縁体で被覆してなる絶縁電線について、導体破断荷重が高く、端子挿入性、端子固着力に優れることを確認した。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
本発明に係る自動車用電線導体は、自動車の絶縁電線に好適に用いられる。
10 絶縁電線
12 電線導体
14 電線素線
16 絶縁体
12 電線導体
14 電線素線
16 絶縁体
Claims (4)
- Mg:0.2質量%以上0.65質量%以下、
Ag:0.2質量%以上1.0質量%未満、
Sn:0.2質量%以上0.75質量%以下、および、
Zn:0.2質量%以上1.0質量%未満、
から選択されるいずれか1種を含有し、残部が実質的にCuおよび不可避的不純物よりなる銅合金が、99%以上の冷間加工度で伸線加工されてなる引張強度600MPa以上、縦弾性係数110GPa以上、導電率60%IACS以上の硬質素線を複数本撚り合わせてなることを特徴とする自動車用電線導体。 - 前記銅合金は、O2を150ppm以上400ppm以下含有することを特徴とする請求項1に記載の自動車用電線導体。
- 前記導体は、円形圧縮加工されていることを特徴とする請求項1または2に記載の自動車用電線導体。
- 前記導体の断面積は、0.03mm2以上0.22mm2以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の自動車用電線導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006185733A JP2008016284A (ja) | 2006-07-05 | 2006-07-05 | 自動車用電線導体 |
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