JP2008001322A - パワーステアリング装置及び振動状態検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】逆入力による操舵系の振動を検出可能とする。
【解決手段】操舵トルクの微分値τとモータ回転角速度ωとの符号若しくは位相に基づき、車輪側からの逆入力によって操舵系に振動が発生しているか否かを判定する。振動発生状態を検知した場合には、操舵補助トルクTaを、振動を抑制するように補正する。
【選択図】 図2
【解決手段】操舵トルクの微分値τとモータ回転角速度ωとの符号若しくは位相に基づき、車輪側からの逆入力によって操舵系に振動が発生しているか否かを判定する。振動発生状態を検知した場合には、操舵補助トルクTaを、振動を抑制するように補正する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、操舵トルクに応じた操舵補助トルクをモータで発生し、その操舵補助トルクを操舵系に入力する車両のパワーステアリング装置に関するものである。
従来の電動式パワーステアリング装置としては、例えば特許文献1に記載の装置がある。この従来技術には、車体の速度と操舵トルクとに基づき求めたアシスト特性に基づき、操舵補助トルクを出力するためのモータ電流値を決定すると共に、車体速度や車輪加速度から路面状況を検出し、路面状況に応じて上記モータに流すモータ電流値を補正する。これによって、悪路及び突起乗り越しなどによって操舵輪が路面により動き、ステアリングホイールが取られるような場合には、アシスト特性を変更、つまり操舵補助トルクを抑える方向に補正して、ステアリングホイールが取られ難くすることが、上記従来技術に開示されている。
特開2004−114910号公報
ここで、回転方向の振動を打ち消す手法としては、モータの回転角速度に応じてモータの回転を抑える方向にアシスト補正を加えるダンピング制御を強くする等の手法がある。しかし、ダンピング制御をただ強めてしまうと、振動が発生していない通常転舵時においてもダンピング制御が強くなってしまうことから、操舵フィーリングをあまり悪化させないレベルまでしか補正制御ができず、十分な振動抑制効果が期待できない。
これに対し、上記従来技術では、路面の粗さやうねりを車輪加速度から推定することで、路面が荒れていると推定したときには、モータの回転を抑制する制御を強めて振動を抑えるようにしている。しかし、操舵系の振動は路面が荒れていない状況でも発生する。すなわち、ホイールの質量バランスを起振源とするアンバランスシミーや、ブレーキの肉厚変動を起振源とするブレーキシミー等によって発生する逆入力による振動現象もあるが、上記のような車輪加速度から路面状況を推定する方法ではこれらの振動現象を検出することができない。
また、路面が荒れているかどうかの判断をするために、車輪の回転数センサを用いる構成になっていることから、路面による振動を周波数解析処理によって判断しなければならず、電動式パワーステアリング装置が複雑化するという問題もある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、上記シミーによる振動も検出可能とすることを課題としている。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、上記シミーによる振動も検出可能とすることを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、操舵系に操舵補助トルクを入力するモータと、操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、その操舵トルク検出手段の検出した操舵トルクに基づき操舵補助トルクを演算し、その操舵補助トルクとなるようにモータを駆動制御する制御コントローラと、を備えるパワーステアリング装置において、
上記操舵トルクの微分値と上記モータの回転角速度の両方の符号若しくは位相に基づき、操舵系に所定以上の振動が発生しているか否かを判定する。
上記操舵トルクの微分値と上記モータの回転角速度の両方の符号若しくは位相に基づき、操舵系に所定以上の振動が発生しているか否かを判定する。
本発明によれば、簡易な手段によってシミーなどによる逆入力で生じる操舵系の振動を推定できる。この結果、通常転舵時における操舵フィーリングを悪化させることなく、振動発生時にだけ振動を抑えるように、操舵系に入力する操舵補助トルクの大きさを補正することが可能となる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1は、本実施形態に係る電動式パワーステアリング装置のシステム概要構成図である。
すなわち、ステアリングホイール1の回転がステアリングシャフト2を介してステアリングギア3に伝達され、更に、水平に延びるラック4及びタイロッド(不図示)を介して操向輪である左右の前輪5に伝達されることで当該前輪5が転舵する。また、操舵系には、トルクセンサ6、及び補助トルク発生手段であるアシストモータ7が接続されている。
すなわち、トルクセンサ6は、操舵トルクTを検出するものであって、例えば、ステアリングシャフト2に設けられたトーションバー(不図示)の捻れ量から操舵トルクTを検出し、その検出した操舵トルクTの大きさ及び向きの信号をEPSコントローラ8に出力する。
(構成)
図1は、本実施形態に係る電動式パワーステアリング装置のシステム概要構成図である。
すなわち、ステアリングホイール1の回転がステアリングシャフト2を介してステアリングギア3に伝達され、更に、水平に延びるラック4及びタイロッド(不図示)を介して操向輪である左右の前輪5に伝達されることで当該前輪5が転舵する。また、操舵系には、トルクセンサ6、及び補助トルク発生手段であるアシストモータ7が接続されている。
すなわち、トルクセンサ6は、操舵トルクTを検出するものであって、例えば、ステアリングシャフト2に設けられたトーションバー(不図示)の捻れ量から操舵トルクTを検出し、その検出した操舵トルクTの大きさ及び向きの信号をEPSコントローラ8に出力する。
また、上記ラック4には、補助トルク付加機構を構成するアシストモータ7が設けられている。アシストモータ7は、EPSコントローラ8からの指令に基づき、その指令に基づく回転方向の目標補助トルクを上記ラック4に入力する。また、アシストモータ7の回転角θmが、回転角センサ9で検出されて上記EPSコントローラ8に出力される。
また、各輪5の車輪速が車速センサ13で検出され、検出された車速信号がEPSコントローラ8に供給される。
EPSコントローラ8は、図2に示すように、基本電流指令値演算部8A、回転角速度演算部8B、ダンピング補正量演算部8C、トルク微分値演算部8D、振動検出部8E、誤検知防止部8F、加減部8G、及びモータ駆動部8Hを備える。
また、各輪5の車輪速が車速センサ13で検出され、検出された車速信号がEPSコントローラ8に供給される。
EPSコントローラ8は、図2に示すように、基本電流指令値演算部8A、回転角速度演算部8B、ダンピング補正量演算部8C、トルク微分値演算部8D、振動検出部8E、誤検知防止部8F、加減部8G、及びモータ駆動部8Hを備える。
基本電流指令値演算部8Aは、車速V(若しくは車輪速)及び操舵トルクTに基づき、図3に示すマップを参照して、運転者によるステアリングホイール1の操舵を補助する基本の操舵補助トルクTaに応じた基本電流指令値Ctを演算し、その基本電流指令値Ctを加減部8Gに出力する。
回転角速度演算部8Bは、モータ7の回転角θmの変化量から回転角速度ωを演算してダンピング補正量演算部8Cに出力する。
トルク微分値演算部8Dは、操舵トルクTの変化量からトルク微分値τを演算して振動検出部8Eに出力する。
回転角速度演算部8Bは、モータ7の回転角θmの変化量から回転角速度ωを演算してダンピング補正量演算部8Cに出力する。
トルク微分値演算部8Dは、操舵トルクTの変化量からトルク微分値τを演算して振動検出部8Eに出力する。
次に、振動検出部8Eの処理を、図4を参照しながら説明する。
まずステップS10で、所定サンプリング周期毎に、回転角速度演算部8B及びトルク微分値演算部8Dから回転角速度ω及びトルク微分値τを入力し、(回転角速度ω×トルク微分値τ)=乗算値Gを求めて記憶し、ステップS20に移行する。
ステップS20では、上記乗算値Gの所定の一定時間(例えば、0.1〜0.5秒)の平均値Hを演算して、ステップS30に移行する。上記一定時間は、後述の位相遅れを吸収できるだけの一定時間とする(図7参照)。
まずステップS10で、所定サンプリング周期毎に、回転角速度演算部8B及びトルク微分値演算部8Dから回転角速度ω及びトルク微分値τを入力し、(回転角速度ω×トルク微分値τ)=乗算値Gを求めて記憶し、ステップS20に移行する。
ステップS20では、上記乗算値Gの所定の一定時間(例えば、0.1〜0.5秒)の平均値Hを演算して、ステップS30に移行する。上記一定時間は、後述の位相遅れを吸収できるだけの一定時間とする(図7参照)。
ステップS30では、上記平均値Hが所定閾値より小さいか否かを判定し、所定閾値(例えばゼロ)未満と判定した場合には、ブレーキシミー、路面からの逆入力、ステアリングホイール切り返し時などと推定してステップS40に移行する。
一方平均値Hが所定閾値以上であれば、ステップS50に移行し、通常転舵若しくは振動が微小と判定して、振動検出信号Wをオフにして終了する。
一方平均値Hが所定閾値以上であれば、ステップS50に移行し、通常転舵若しくは振動が微小と判定して、振動検出信号Wをオフにして終了する。
ステップS40では、モータ7の回転の周波数が共振周波数(例えば14〜17)と判定すれば、ブレーキシミー、アンバランスシミー、若しくは他の振動現象で、操舵系に振動が発生していると推定して、ステップS60に移行して、振動検出信号Hをオンにして終了する。
また、モータ7の回転の周波数が共振周波数(例えば14〜17)以外と判定した場合には、共振点以外で起きている振動若しくは誤検知と判定してステップS50に移行する。
また、モータ7の回転の周波数が共振周波数(例えば14〜17)以外と判定した場合には、共振点以外で起きている振動若しくは誤検知と判定してステップS50に移行する。
次に、誤検知防止部8Fの処理について図5を参照しつつ説明する。
まず、ステップS100にて、振動検知信号Wがオフであれば、そのまま終了し、振動検知信号WがオンならばステップS110に移行する。
ステップS110では、車速が、ブレーキシミーが発生すると推定される車速域(例えば100〜120km/h)か否かを判定し、当該車速域と判定した場合には、タイヤの回転周波数と、操舵系が共振することによる振動がある、つまりブレーキシミーやアンバランスシミーによる振動としてステップS120に移行する。
まず、ステップS100にて、振動検知信号Wがオフであれば、そのまま終了し、振動検知信号WがオンならばステップS110に移行する。
ステップS110では、車速が、ブレーキシミーが発生すると推定される車速域(例えば100〜120km/h)か否かを判定し、当該車速域と判定した場合には、タイヤの回転周波数と、操舵系が共振することによる振動がある、つまりブレーキシミーやアンバランスシミーによる振動としてステップS120に移行する。
一方、上記車速域以下の場合には、路面からの入力、切り返し時、若しくは誤検出として、ステップS130に移行して、振動検知信号Wをオフにして終了する。
また、ステップS120では、ブレーキスイッチからの信号に基づきブレーキが作動中か否かを判定し、ブレーキ作動中と判定した場合には、ブレーキシミーであるとして、振動検知信号Wをオンのまま処理を終了する。ここで、このステップS120の処理は、ブレーキシミー判定手段を構成する。
一方、ブレーキが作動中でない場合には、アンバランスシミー若しくは誤検知と判定して振動検知信号Wをオフにして処理を終了する。ここで、振動検出部8E及び誤検知判定部8Fは振動判定手段を構成する。
また、ダンピング補正量演算部8Cは、図4に示すように、車速ゲイン演算部8Ca及び乗算部8Cbから構成される。
また、ステップS120では、ブレーキスイッチからの信号に基づきブレーキが作動中か否かを判定し、ブレーキ作動中と判定した場合には、ブレーキシミーであるとして、振動検知信号Wをオンのまま処理を終了する。ここで、このステップS120の処理は、ブレーキシミー判定手段を構成する。
一方、ブレーキが作動中でない場合には、アンバランスシミー若しくは誤検知と判定して振動検知信号Wをオフにして処理を終了する。ここで、振動検出部8E及び誤検知判定部8Fは振動判定手段を構成する。
また、ダンピング補正量演算部8Cは、図4に示すように、車速ゲイン演算部8Ca及び乗算部8Cbから構成される。
車速ゲイン演算部8Caは、図4中に示すようなマップを参照して、車速Vに応じた車速ゲインKωを求め、求めた車速ゲインKωを乗算部8Cbに出力する。また、上記車速ゲインKωを求める際に、振動検出信号Wによって上記ゲインKωを補正する。具体的には、振動検出信号Wがオン場合には、上記車速ゲインKωを増大させる。ここで、振動検知振動Wがオンによる補正(補正の増大)がトルク補正手段を構成する。
また、上記乗算部8Cは、車速ゲインKωに、回転角速度ω演算部8Bから入力した回転角速度ωを乗算してダンピング補正量に相当するダンピング補正電流値Cωを演算し、加減部8Gに出力する。
ここで、上記説明では、振動検出信号Wがオンの場合に、車速ゲインKωを増大するように補正して、ダンピング補正電流値Cωを強めているが、これ限定されない。振動検出信号Wがオンの場合に、ダンピング補正電流値Cωに1よりも大きなゲインを乗算して、ダンピング補正電流値Cωを増大するように補正しても良い。
そして、加減部8Gは、基本電流指令値Ctからダンピング補正電流値Cωを減算してモータ駆動部8Hに出力する。
モータ駆動部8Hは、入力した電流指令値となるようにモータ7をフィードバック制御する。
ここで、上記説明では、振動検出信号Wがオンの場合に、車速ゲインKωを増大するように補正して、ダンピング補正電流値Cωを強めているが、これ限定されない。振動検出信号Wがオンの場合に、ダンピング補正電流値Cωに1よりも大きなゲインを乗算して、ダンピング補正電流値Cωを増大するように補正しても良い。
そして、加減部8Gは、基本電流指令値Ctからダンピング補正電流値Cωを減算してモータ駆動部8Hに出力する。
モータ駆動部8Hは、入力した電流指令値となるようにモータ7をフィードバック制御する。
(作用効果)
検出した操舵トルクT及び車速Vに応じて操舵補助トルクTaを演算すると共に、モータ7の回転角速度ωに応じて回転を抑える方向の補正するダンピング制御分だけ、上記操舵補助トルクTaを補正し、補正後の操舵補助トルクTaとなるようにアシストモータ7の電流値が制御される。
このとき、振動検出部8Eで、逆入力による回転方向の振動が操舵系に発生していると判定した場合には、上記ダンピング制御による補正分を大きくして、上記振動が小さくなるように操舵補助トルクTaを抑える。
検出した操舵トルクT及び車速Vに応じて操舵補助トルクTaを演算すると共に、モータ7の回転角速度ωに応じて回転を抑える方向の補正するダンピング制御分だけ、上記操舵補助トルクTaを補正し、補正後の操舵補助トルクTaとなるようにアシストモータ7の電流値が制御される。
このとき、振動検出部8Eで、逆入力による回転方向の振動が操舵系に発生していると判定した場合には、上記ダンピング制御による補正分を大きくして、上記振動が小さくなるように操舵補助トルクTaを抑える。
これによって、車輪側からの逆入力によって振動が発生しているときには、振動が小さくなるように操舵補助トルクTaが補正される結果、振動によってステアリングホイール1が取られることが防止され、また、後述のように振動が発生している場合にのみ振動が抑えられるようにダンピング補正量を増大させることで、通常転舵時の操舵フィーリングを悪化させることが抑えられる。
次に、上記振動検出部8Eの作用・効果について説明する。
車輪側からの逆入力によって操舵系に振動が発生している状態では、モータ7の回転角速度ωと操舵トルクTの微分値τとは、図7のように位相若しくは符号が反転している。本実施形態は、このことを利用して、モータ7の回転角速度ωと操舵トルクTの微分値τとの乗算値Gが負の値の場合には、振動状態であると判定して、上述のような振動を抑える制御(例えばモータ7の回転数角速度ωに応じてモータの回転をとめる方向にアシスト補正をするダンビング制御)を強めて振動を抑える。
車輪側からの逆入力によって操舵系に振動が発生している状態では、モータ7の回転角速度ωと操舵トルクTの微分値τとは、図7のように位相若しくは符号が反転している。本実施形態は、このことを利用して、モータ7の回転角速度ωと操舵トルクTの微分値τとの乗算値Gが負の値の場合には、振動状態であると判定して、上述のような振動を抑える制御(例えばモータ7の回転数角速度ωに応じてモータの回転をとめる方向にアシスト補正をするダンビング制御)を強めて振動を抑える。
この処理は、ステップS30に相当する。だたし、本実施形態のステップS30では、振動検出の精度向上のために正負の判定に平均値Hを用いている。すなわち、この平均値Hを利用して誤検知を防ぐという狙いは、実際の振動発生時には位相の遅れにより、モータ7の回転角速度ωと操舵トルクTの微分値τと符号が逆転しない時間が存在するため(図7参照)、モータ7の回転角速度ωと操舵トルクT微分値τの乗算値Gの一定時間(例えば0.5sec)の平均値Hを算出することで、この平均値Hが閾値以下(例えばゼロ以下)であるかという判定をすることにより、確実に振動状態を検出するためである。
また、上記平均値Hを利用して精度を向上するもう一つの狙いは、通常転舵時の誤検知の防止にある。通常転舵時であっても、操舵トルクTとモータ角度θmの位相に遅れがあるため、符号が逆転する瞬間がある(図8)。このような場合に振動が発生していると誤検知しないように、一定時間の平均値Hを用いている。もっとも、ステップS30にて、精度は落ちるものの、モータ7の回転角速度ωと操舵トルクTの微分値τの乗算値Gそのものが負であるか否かによって判定しても良い。
また、本実施形態では、ステップS40にて、モータ7の回転の周波数が共振周波数帯か否かを判定することで、更に確実に所定以上の振動状態の場合にのみ振動状態としている。すなわち、振動現象は共振周波数などの決まった周波数帯で発生しやすいので、例えば周波数フィルターでモータ7の回転角速度ωを分析し、14Hz-17Hzの周波数の振動が大きいときに所定以上の振動が発生していると検出している。もっとも、精度が落ちるもののステップS40の処理を省略しても良い。
なお、振動検出の精度向上のために、平均値Hを用いる方法以外に位相差を利用しても良い。例えば、振動発生時の周波数と位相遅れの特性がわかっている場合、その特性を狙った位相遅れ要素や位相進み要素を用いて同様の手法を用いることで、さらに精度を上げることができる。
また、本実施形態では、さらに振動検知の精度向上のために誤検知防止部8Fを備えている。もっとも、精度は落ちるものの、この誤検知防止部8Fを省略しても良い。
また、本実施形態では、さらに振動検知の精度向上のために誤検知防止部8Fを備えている。もっとも、精度は落ちるものの、この誤検知防止部8Fを省略しても良い。
この誤検知防止部8Fの作用効果を説明する。
すなわち、ブレーキシミーと呼ばれる振動現象は、決まった車速(例えば100〜120km/h)でブレーキを踏んだときにしか発生しない。この性質を利用して、特定の車速でブレーキ信号を検知したときにのみ振動状態を検出するようにしている。
ここで、上記実施形態では、振動検出の精度を向上させるために、ステップS30にて、モータ7の回転角速度ωと操舵トルクTの微分値τの乗算値Gの所定時間当たりの平均値Hを使用しているが、平均値Hの代わりに所定時間単位の積分値が所定閾値(例えばゼロ)以下か否かで判定しても良い。
すなわち、ブレーキシミーと呼ばれる振動現象は、決まった車速(例えば100〜120km/h)でブレーキを踏んだときにしか発生しない。この性質を利用して、特定の車速でブレーキ信号を検知したときにのみ振動状態を検出するようにしている。
ここで、上記実施形態では、振動検出の精度を向上させるために、ステップS30にて、モータ7の回転角速度ωと操舵トルクTの微分値τの乗算値Gの所定時間当たりの平均値Hを使用しているが、平均値Hの代わりに所定時間単位の積分値が所定閾値(例えばゼロ)以下か否かで判定しても良い。
また、上記実施形態では、振動検知部で振動状態と判定した場合に、振動を抑える制御として、モータ7の回転角速度ωに応じてモータの回転を止める方向にアシスト補正をするダンピング制御のダンピング制御の補正量を増大しているがこれに限定されない。操舵補助トルクTaを補正する他の制御の補正量を振動抑制方向に変更させるように補正しても良い。例えば、モータ7の回転角加速度に応じてモータの回転を止める方向にアシスト補正をする制御、操舵トルクTの微分値τに応じてトルク方向にアシスト補正をするブースター制御、またはモータ角θm、操舵トルクTの値からセルフアライニングトルクを演算しそれを打ち消す方向にアシスト補正をする制御などのアシスト補正量を、振動抑制方向に補正するようにしても良い。
また、振動を抑える制御として、振動検出部8Eで演算した平均値Hを利用して制御をしても良い。例えば正負の判定で算出した平均値Hに応じて回転を止める方向にアシスト補正する補正量を演算して加減部8Gで減算することで、振動を抑制する。
また、振動を抑える制御として、振動検出部8Eで用いたモータ7の回転の周波数を利用して制御をしても良い。例えばモータ7の回転角速度ωを周波数フィルターで分析した共振周波数成分(14-17Hz成分)に応じて、回転を止める方向にアシスト補正する補正量を演算して加減部8Gで減算することで、特定の周波数帯の振動のみを抑制する。
また、上記実施形態では、操舵トルクTとモータ角θmに着目して振動状態を検出しているが、これら以外の操舵系にかかわる諸元値であっても、例えばバネ要素(トルクセンサ6のトーションバー等)を挟み位相や符号が通常転舵と車輪側からの逆入力がある状態とでは異なる値を利用して、振動状態を検出するようにしても良い。
また、振動を抑える制御として、振動検出部8Eで用いたモータ7の回転の周波数を利用して制御をしても良い。例えばモータ7の回転角速度ωを周波数フィルターで分析した共振周波数成分(14-17Hz成分)に応じて、回転を止める方向にアシスト補正する補正量を演算して加減部8Gで減算することで、特定の周波数帯の振動のみを抑制する。
また、上記実施形態では、操舵トルクTとモータ角θmに着目して振動状態を検出しているが、これら以外の操舵系にかかわる諸元値であっても、例えばバネ要素(トルクセンサ6のトーションバー等)を挟み位相や符号が通常転舵と車輪側からの逆入力がある状態とでは異なる値を利用して、振動状態を検出するようにしても良い。
1 ステアリングホイール
6 トルクセンサ
7 アシストモータ
8 EPSコントローラ
8A 基本電流指令値演算部
8B 回転角速度演算部
8C ダンピング補正量演算部
8D トルク微分値演算部
8E 振動検出部
8F 誤検知防止部
8H モータ駆動部
T 操舵トルク
τ トルク微分値
V 車速
θm 回転角
ω 回転角速度
W 振動検知信号
H 平均値
6 トルクセンサ
7 アシストモータ
8 EPSコントローラ
8A 基本電流指令値演算部
8B 回転角速度演算部
8C ダンピング補正量演算部
8D トルク微分値演算部
8E 振動検出部
8F 誤検知防止部
8H モータ駆動部
T 操舵トルク
τ トルク微分値
V 車速
θm 回転角
ω 回転角速度
W 振動検知信号
H 平均値
Claims (6)
- 操舵系に操舵補助トルクを入力するモータと、操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、その操舵トルク検出手段の検出した操舵トルクに基づき操舵補助トルクを演算し、その操舵補助トルクとなるようにモータを駆動制御する制御コントローラと、を備えるパワーステアリング装置において、
上記操舵トルクの微分値と上記モータの回転角速度の両方の符号若しくは位相に基づき、操舵系に所定以上の振動が発生しているか否かを判定する振動判定手段を備え、
上記制御コントローラは、振動判定手段によって所定以上の振動が発生していると判定すると、上記演算した操舵補助トルクを、振動を抑制するように補正するトルク補正手段を備えることを特徴とするパワーステアリング装置。 - 上記振動判定手段は、操舵トルクの微分値とモータの回転角速度の符号または位相が異なるときに振動が発生していると判定することを特徴する請求項1に記載したパワーステアリング装置。
- 上記振動判定手段は、操舵トルク微分値とモータの回転角速度との積の一定時間当たりの平均値若しくは積分値が、所定閾値より小さい場合に振動が発生していると判定することを特徴とする請求項1に記載したパワーステアリング装置。
- 上記振動判定手段は、操舵トルクの微分値若しくはモータの回転角速度の周波数が特定の周波数の場合にのみ、振動発生の判定を行うことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載したパワーステアリング装置。
- ブレーキが作動中か否かを判定するブレーキ作動判定手段を備え、
上記振動判定手段は、ブレーキ作動判定手段の判定に基づき、ブレーキ作動中の振動が発生しているか否かの判定を行うことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載したパワーステアリング装置。 - 操舵系の操舵トルクに応じた操舵補助トルクをモータで発生するパワーステアリング装置における振動状態検出方法であって、
操舵トルクの微分値とモータの回転角速度との符号が異なると、車輪側からの逆入力により操舵系に振動が発生していると検出することを特徴とする振動状態検出方法。
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- 2006-06-26 JP JP2006175404A patent/JP2008001322A/ja active Pending
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