JP4108713B2 - 電動式パワーステアリング制御装置 - Google Patents
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Description
左右輪制御手段は、駆動力または制動力を左右輪に対してそれぞれ独立して制御する。トルクステア防止補助トルク決定手段は、左右輪制御手段による駆動力または制動力における左右輪間の制御値に差が生じたら、当該制御値の差により発生するトルクステアを打ち消す向きに操向輪を転舵させるトルクステア防止補助トルク信号(付加指令トルク)を出力する。
ここで、モータは、補助操舵トルク信号とトルクステア防止補助トルク信号とを加算した信号によって制御されている(例えば、特許文献1参照)。
制動力推定手段は、車両の各車輪に付与される制動力を推定する。左右制動力差推定手段は、制動力推定手段が推定した制動力に基づき左右の車輪に付与される制動力の差を推定する。アシスト操舵トルク付与手段は、左右制動力差推定手段が推定した左右制動力差に応じて操舵トルク制御手段に対しアシスト操舵トルク(付加指令トルク)を付与している(例えば、特許文献2参照)。
走行レーン検出手段は、撮像手段によって路面を連続して撮像した画像から走行レーンを検出する。車両状態推定手段は、車両運動モデルおよび道路モデルを有し、車両運動モデルおよび道路モデルに基づき、走行レーン検出手段の検出結果と車両の操舵状態および走行状態に応じて、走行レーン内における車両の横方向位置を含む状態量を推定する。目標状態量設定手段は、車両の操舵状態および走行状態に基づき車両に対する目標状態量を設定する。外乱推定手段は、車両状態推定手段が推定した状態量に基づき車両に対する外乱量を推定する。
ここで、目標状態量設定手段が設定した目標状態量と車両状態推定手段が推定した状態量との偏差、および外乱推定手段が推定した外乱量に基づいて付加ステアリングトルク指令値(付加指令トルク)を操舵制御手段に付与して、車両の走行レーン内の走行を支援している(例えば、特許文献3参照)。
また、操舵補助トルクは、操舵補助トルク演算部において、車速に応じたゲインを操舵トルクに乗じて演算されている。車速および操舵トルクは、操舵補助トルク演算部にそれぞれ接続された車速検出器および操舵トルク検出器から入力される。
車両の直進走行中において、付加指令トルクが「0」から「1」に変更され、ドライバがハンドルを保持して直進走行を継続した場合には、操舵トルク、操舵補助トルク、付加指令トルク、および目標補助トルクは、図6のように時間変化する。
なお、付加指令トルクは、経過時間0[sec]〜1[sec]で「0」に設定され、経過時間1[sec]で「0」から「1」に変更され、経過時間1[sec]以降で「1」に設定される。
車両は、直進走行中なので、操舵トルクは、「0」になる。また、操舵補助トルクは、車速に応じたゲインを操舵トルクに乗じて演算されるので、「0」になる。
また、付加指令トルクは、経過時間0[sec]〜1[sec]で「0」に設定される。目標補助トルクは、操舵補助トルクと付加指令トルクとを加算して演算されるので、「0」になる。
このとき、目標補助トルクが「1」としてモータが駆動され、モータトルク「1」がステアリング系に作用する。
ドライバは、ハンドルを保持して直進走行を継続するので、操舵補助トルクは、モータトルク「1」の反力に等しくなり、「−1」になる。また、操舵補助トルクは、車速に応じたゲインを操舵トルクに乗じて演算されるので、「0」ではない値になる。
また、付加指令トルクは、経過時間1[sec]以降で「1」に設定されるので、「1」になる。目標補助トルクは、操舵補助トルクと付加指令トルクとを加算して演算されるので、「1」ではない値になる。モータは、「1」ではない目標補助トルクで駆動され、この目標補助トルクに対応したモータトルクがステアリング系に作用する。
ドライバは、ハンドルを保持して直進走行を継続し、操舵補助トルクは、モータトルクの反力に等しい値になるので、「−1」ではない値になる。
以下、同様の動作が繰り返されて、操舵トルク、操舵補助トルクおよび付加指令トルクは、(操舵トルク+操舵補助トルク)=−(付加指令トルク)の関係を満たす値に収束する。
そのため、最終的な目標補助トルク(図6における経過時間1[sec]以降の目標補助トルク)が「1」にならない。
そのため、外部装置で付加指令トルクを設定する際に、必要な付加トルク量を調整する作業と、その付加トルク量を実際に発生させるために必要な実付加トルク量(付加指令トルク)を調整する作業との、2つの付加トルク量の調整作業を実施する必要があった。
なお、上記特許文献2および3についても、同様のことがいえる。
図1は、この発明の実施の形態1に係る電動式パワーステアリング制御装置を示すブロック図である。
図1において、電動式パワーステアリング制御装置は、モータ1と、操舵トルク検出器2(操舵トルク検出手段)と、車速検出器3(車速検出手段)と、付加指令トルク受信部4(付加指令トルク受信手段)と、操舵補助トルク演算部5(操舵補助トルク演算手段)と、目標補助トルク演算部6(目標補助トルク演算手段)と、モータ駆動部7(モータ駆動手段)とを備えている。
操舵トルク検出器2は、操舵トルクを検出して操舵トルク信号を操舵補助トルク演算部5に出力する。車速検出器3は、車両の速度を検出して車速信号を操舵補助トルク演算部5に出力する。
ここで、付加指令トルク信号は、前述の特許文献1〜3に示した各トルクの他に、例えば外部装置である車両周辺監視装置が車両前方の障害物を検出した場合に、障害物との衝突を回避するために、車両周辺監視装置から電動式パワーステアリング制御装置に出力されるトルク等を含む。
なお、ゲインは、車速信号に対応してあらかじめメモリ(後述する)に記憶されている。
また、目標補助トルク演算部6は、操舵補助トルク信号と付加指令トルク信号とを加算する加算部10を有している。
ここで、操舵補助トルク演算部5および目標補助トルク演算部6は、CPUとプログラムを格納したメモリとを有するマイクロプロセッサ(図示せず)で構成されている。
なお、この動作は、周期的に繰り返して実行されている。
また、本実施の形態の特徴は、付加指令トルク信号が操舵補助トルク演算部5および目標補助トルク演算部6の双方に入力されることにある。また、モータ駆動部7およびモータ1の動作は従来の動作と同様である。
そこで、以下の説明では、簡単のためにモータ駆動部7およびモータ1の動作については、説明を省略する。
また、車速検出器3で検出された車速信号を読み込んでメモリに記憶する(ステップS22)。
続いて、付加指令トルク受信部4で受信した付加指令トルク信号を読み込んでメモリに記憶する(ステップS23)。
続いて、目標補助トルク演算部6は、操舵補助トルク信号と付加指令トルク信号とを加算して目標補助トルク信号を演算し、メモリに記憶して(ステップS25)、図2の処理を終了する。
車両の直進走行中において、付加指令トルクが「0」から「1」に変更され、ドライバがハンドルを保持して直進走行を継続した場合には、操舵トルク、操舵補助トルク、付加指令トルク、および目標補助トルクは、図3のように時間変化する。
なお、付加指令トルクは、経過時間0[sec]〜1[sec]で「0」に設定され、経過時間1[sec]で「0」から「1」に変更され、経過時間1[sec]以降で「1」に設定される。
車両は、直進走行中なので、操舵トルクは、「0」になる。また、操舵補助トルクは、車速に応じたゲインを操舵トルクと付加指令トルクとの加算値に乗じて演算されるので、「0」になる。
また、付加指令トルクは、経過時間0[sec]〜1[sec]で「0」に設定される。目標補助トルクは、操舵補助トルクと付加指令トルクとを加算して演算されるので、「0」になる。
このとき、目標補助トルクが「1」としてモータ1が駆動され、モータトルク「1」がステアリング系に作用する。
ドライバは、ハンドルを保持して直進走行を継続するので、操舵補助トルクは、モータトルク「1」の反力に等しくなり、「−1」になる。
このとき、操舵補助トルクは、車速に応じたゲインを操舵トルクと付加指令トルクとの加算値に乗じて演算されるので、「0」になる。
目標補助トルクは、操舵補助トルクと付加指令トルクとを加算して演算されるので、「1」となる。
モータ1は、目標補助トルクが「1」として駆動され、モータトルク「1」がステアリング系に作用する。
ドライバは、ハンドルを保持して直進走行を継続し、操舵補助トルクは、モータトルクの反力に等しい値になるので、「−1」になる。
以下、同様の動作が繰り返される。
そのため、操舵補助トルクが「0」の状態に付加指令トルク「1」を加算して、最終的な目標補助トルク(図3における経過時間1[sec]以降の目標補助トルク)を「1」にすることができるので、ドライバがハンドルを保持して直進走行を継続した場合に、付加指令トルクを付加したことによって操舵補助トルクが変化することがなく、付加指令トルクの変化量とモータトルクの変化量とを一致させることができる。
従って、前述の2つの付加トルク量の調整作業のうち、付加トルク量を実際に発生させるために必要な実付加トルク量を調整する作業を省略することができ、付加トルク量の調整作業に要する時間を短縮することができる。
そのため、厳密にいえば、付加指令トルクが「0」から「1」に変更されたのち、付加指令トルク信号の影響で操舵トルク信号が変動するまでの間は、付加指令トルク信号が操舵トルク信号と操舵補助トルク信号とに二重に加算される。しかし、これは瞬間的な事象なので、ドライバの操舵フィーリングに影響を与えるほどではない。
すなわち、目標補助トルク演算部6は、付加指令トルク信号が「0」から「1」に変更された際に、操舵補助トルク信号と変更された付加指令トルク信号とを加算して目標補助トルク信号を演算する。また、操舵補助トルク演算部5は、付加指令トルクが「0」から「1」に変更されてから、付加指令トルク信号の影響で操舵トルク信号が変動するまでの時間を実験結果等から求めた所定時間の後に、操舵トルク信号に加算する付加指令トルク信号値を変更する。
この場合、ドライバの操舵フィーリングに対する影響を完全に除去することができる。
上記実施の形態1では、操舵補助トルク演算部5が、車速信号に応じたゲインを、操舵トルク信号と付加指令トルク信号との加算値に乗じることで操舵補助トルク信号を演算することにより、操舵補助トルクを「0」に保つことができ、最終的な目標補助トルクを「1」にすることができるので、ドライバがハンドルを保持して直進走行を継続した場合に、付加指令トルク信号を付加したことによって操舵補助トルク信号が変化することがない、と説明した。
しかしながら、ドライバがハンドルを保持していない場合には、付加指令トルク信号が操舵補助トルク演算部5および目標補助トルク演算部6で二重に加算されるので、この場合には、目標補助トルク信号が大きくなるという可能性がある。
以下に、ハンドルの手放し状態に応じて、付加指令トルク信号の加算を禁止する処理について説明する。
ここでは、実施の形態1と同種のものについては、同一符号の後に「A」を付して、詳述は省略する。
図4において、電動式パワーステアリング制御装置は、ドライバのハンドルの手放し状態を検出するハンドル手放し検出部15(手放し状態検出手段)を備えている。また、操舵補助トルク演算部5に代えて、ハンドルの手放し状態が検出された場合に、付加指令トルク信号の加算を禁止する加算禁止部(加算禁止手段)(図示せず)を含む操舵補助トルク演算部5Aを備えている。
その他の構成については、実施の形態1と同様であり、その説明は省略する。
ここで、ハンドル手放し検出部15は、CPUとプログラムを格納したメモリとを有するマイクロプロセッサ(図示せず)で構成されている。
すなわち、モータ1が第1所定トルクよりも大きいトルクを発生しているにも関わらず、操舵トルク信号がほぼ「0」である場合に、ハンドルが手放し状態であると判断する。
なお、目標補助トルク信号は、前回の演算によってメモリに記憶された値であってもよい。
なお、この動作は、周期的に繰り返して実行されている。また、実施の形態1と同様の動作については、説明を省略する。
続いて、操舵補助トルク演算部5Aは、ハンドル手放し検出部15の検出結果を取り込み、ハンドルが手放し状態であるか否かを判定する(ステップS32)。
そのため、ハンドルの手放し状態あるいは保持状態に関わらず、付加指令トルクの変化量とモータトルクの変化量とを一致させることができる。
従って、前述の2つの付加トルク量の調整作業のうち、付加トルク量を実際に発生させるために必要な実付加トルク量を調整する作業を省略することができ、付加トルク量の調整作業に要する時間をさらに短縮することができる。
ハンドル手放し検出部は、操舵トルク信号がほぼ「0」に設定される第2所定トルクよりも小さい状態のみが、任意に設定される所定時間継続した場合に、ハンドルが手放し状態であると判断してもよい。
また、ハンドル角検出器をさらに備え、ハンドル角検出器の検出値が任意に設定される所定角よりも大きく、かつ操舵トルク信号がほぼ「0」に設定される第2所定トルクよりも小さい状態になった場合に、ハンドルが手放し状態であると判断してもよい。
これらの場合も、上記実施の形態2と同様の効果を奏することができる。
この場合も、上記実施の形態1および2と同様の効果を奏することができる。
Claims (3)
- 車両のドライバによる操舵トルクを補助するための補助トルクを発生するモータと、
前記操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
前記車両の速度を検出する車速検出手段と、
外部装置から入力される付加指令トルクを受信する付加指令トルク受信手段と、
前記操舵トルクを補助するための操舵補助トルクを演算する操舵補助トルク演算手段と、
前記操舵補助トルクと前記付加指令トルクとを加算して、前記モータの目標補助トルクを演算する目標補助トルク演算手段と、
前記目標補助トルクに基づいて前記モータを駆動するモータ駆動手段とを備え、
前記操舵補助トルク演算手段は、
前記操舵トルクと前記付加指令トルクとの加算値を演算し、前記車速に応じたゲインを前記加算値に乗じることで前記操舵補助トルクを演算すること
を特徴とする電動式パワーステアリング制御装置。 - 前記車両のハンドルの手放し状態を検出する手放し状態検出手段をさらに備え、
前記操舵補助トルク演算手段は、加算禁止手段を含み、
前記加算禁止手段は、
前記ハンドルの手放し状態が検出された場合に、前記操舵トルクに対する前記付加指令トルクの加算を禁止すること
を特徴とする請求項1に記載の電動式パワーステアリング制御装置。 - 前記手放し状態検出手段は、前記操舵トルクおよび前記目標補助トルクに基づいて、前記目標補助トルクが第1所定トルクよりも大きく、かつ前記操舵トルクが第2所定トルクよりも小さい状態が所定時間継続した場合に、前記ハンドルが手放し状態であると判断することを特徴とする請求項2に記載の電動式パワーステアリング制御装置。
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