JP2008096969A - トナー、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂と、ワックスと、荷電制御剤と、色材とからなり、転写ベルト上におけるトナー帯電量Q(μC/g)と、円錐ロータを用いたトルク測定法によって測定される空間率58%におけるトルクT(mNm)が、
0.15×Q−2≦T≦0.15×Q−0.5
1.0≦T≦2.5
であるトナー、前記トナーを使用した画像形成装置及び画像形成方法である。
【選択図】図2
Description
さらには小型化のために定着媒体のパス経路を短くする必要があり、そのために両面時、転写し定着された後、裏面を転写するまでの時間が短くなり定着時に定着媒体から水分が失われることにより紙抵抗が上昇し、裏面を転写する際にトナーを十分に転写することができない。
また、低コストを達成するためには低コスト化/コンパクト化のためにはオイル塗布機構を必要としない、2ローラ定着が必須であり、そのためにはオイルの代替として、トナー中に離型剤を入れる必要があるが、離型剤を入れると付着性が増大し、転写不良、文字中抜けなどの問題を生じる。
特許文献2には、像担持体の表面にトナー像を形成するトナー像形成工程と、前記像担持体上のトナー像を記録体の両面に転写する両面転写工程とを実施して、記録体の両面に画像を形成する画像形成方法において、記録体の特性情報を取得する特性情報取得工程と、上記両面転写手段の転写条件を前記特性情報取得工程における特性情報の取得結果に基づいて変更する転写条件変更工程とを実施することを特徴とする画像形成方法が、開示されている。これにより、転写紙の厚みに起因する転写不良を抑えて、転写紙の両面にそれぞれ良好な画像を形成することができる画像形成装置を提供することができる。しかしながら、含水量の減少に対しては十分な対応ができていないという問題点があった。
本発明は、トナーにより形成されるトナー像を担持する像担持体を備えた画像形成手段と、転写ベルト構成を用いて前記像担持体に形成されたトナー像を転写する転写手段と、定着媒体上のトナーを定着する定着手段と、前記定着媒体の第1面と第2面の両面に定着するための両面印刷ユニットと、を有する画像形成装置に使用するトナーにおいて、前記トナーは、少なくとも樹脂と、ワックスと、荷電制御剤と、色材とを含有し、前記転写手段上におけるトナー帯電量Q(μC/g)と、円錐ロータを用いたトルク測定法によって測定される空間率58%におけるトルクT(mNm)が、
0.15×Q−2≦T≦0.15×Q−0.5
1.0≦T≦2.5
であることを特徴とするトナーである。
本発明は、前記外添剤の一次粒子径は、10〜50nmであることを特徴とする。
本発明は、前記外添剤は、シリカであり、前記トナーに対する前記外添剤の付着強度は、30〜80%であることを特徴とする。
本発明は、前記トナーのワックス含有量は、トナー100質量部に対して3〜10質量部であることを特徴とする。
本発明は、前記トナーは、非磁性一成分現像用トナーであることを特徴とする。
本発明は、前記トナーは、非磁性二成分現像用トナーであることを特徴とする。
本発明は、トナーにより形成されるトナー像を担持する像担持体を備えた画像形成手段と、転写ベルト構成を用いて前記像担持体に形成されたトナー像を転写する転写手段と、定着媒体上のトナーを定着する定着手段と、前記定着媒体の第1面と第2面の両面に定着するための両面印刷ユニットと、を有する画像形成装置において、第1面に画像定着直後の前記定着媒体の含水率は、5%以下であり、トナーは、前記記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
本発明は、第1面に画像定着前の前記定着媒体の抵抗が、109〜1011Ω・cmであり、第1面に画像定着直後の前記定着媒体の抵抗が、1011〜1013Ω・cmであることを特徴とする画像形成装置である。ここで、前記定着媒体としては、紙などが好ましい。
本発明は、前記定着手段が、オイルレス2ローラ加圧加熱定着機構であることを特徴とする画像形成装置である。
本発明は、前記転写構成は、中間転写ベルトを備えた1次転写手段と、前記中間転写ベルトに転写された現像剤像を前記定着媒体に転写する2次転写手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
0.15×Q−2≦T≦0.15×Q−0.5
1.0≦T≦2.5
とすることを特徴とする画像形成方法である。
本発明は、第1面に画像定着前の前記定着媒体の抵抗を109〜1011Ω・cmとし、第1面に画像定着直後の前記定着媒体の抵抗を1011〜1013Ω・cmとすることを特徴とする。
本発明は、前記外添剤の一次粒子径を10〜50nmとすることを特徴とする。
本発明は、前記外添剤としてシリカを有し、トナーに対する前記外添剤の付着強度を30〜80%とすることを特徴とする。
本発明は、前記トナーのワックス含有量をトナー100質量部に対して3〜10質量部とすることを特徴とする。
本発明は、前記トナーを非磁性一成分現像用トナーとすることを特徴とする。
本発明は、前記トナーを非磁性二成分現像用トナーとすることを特徴とする。
本発明は、オイルレス2ローラ加圧加熱定着機構である前記定着手段を有することを特徴とする。
本発明は、中間転写ベルトを備えた1次転写手段と、前記中間転写ベルトに転写された現像剤像を前記定着媒体に転写する2次転写手段と、を備えた前記転写構成を有することを特徴とする。
両面印刷時は、定着ユニット16より出てきた用紙がスイッチバックし、第1面と第2面の両面に定着するための両面ユニット部19に入りレジストローラ14を通って再び転写、定着工程を繰り返す構成となる。
また、本発明の定着手段は、オイルレス2ローラ加圧加熱定着機構であることが好ましい。
0.15×Q−2≦T≦0.15×Q−0.5
1.0≦T≦2.5
である。この条件を満たすことにより、両面印刷時の第2面である裏面でのボソツキが改善され、良好な印刷が可能となる。
図2は、トナー帯電量QとトルクTの関係を示す図である。図2において、網掛け部分が上記式の条件を満たし、両面印刷時の第2面である裏面でのボソツキが改善され、良好な印刷が可能である。一方、網掛け領域外においては、ボソツキが現れ、良好な印刷ができない。
また定着媒体上に形成されたトナー画像を定着する際に、定着媒体と定着装置との分離性能を維持・向上させるため、トナー母材中に離型成分を含ませている。
本発明のフルカラー画像形成用トナーを構成するトナー粒子は、後で詳述する、炭化水素系ワックスが内添されている第1バインダー樹脂、第2バインダー樹脂、及び着色剤、荷電制御剤、外添剤を用いる。
また、本発明のトナーは、好ましくは、非磁性一成分現像用トナー、あるいは非磁性二成分現像用トナーである。
さらに、第1面に画像定着直後の定着媒体の含水率は、5%以下であることが好ましい。また、第1面に画像定着前の定着媒体の抵抗が、109〜1011Ω・cmであり、第1面に画像定着直後の定着媒体の抵抗が、1011〜1013Ω・cmであることが好ましい。
第1バインダー樹脂および第2バインダー樹脂の種類は特に制限されず、フルカラートナーの分野で公知のバインダー樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、エポキシ系樹脂、COC(環状オレフィン樹脂(例えば、TOPAS−COC(Ticona社製)))等であってよいが、オイルレス定着の観点から、第1バインダー樹脂および第2バインダー樹脂はいずれもポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。
より好ましい第1バインダー樹脂は、上述した多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させて得られたポリエステル樹脂、特に多価アルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を用い、多価カルボン酸成分としてテレフタル酸およびフマル酸を用いて得られたポリエステル樹脂である。
より好ましい第2バインダー樹脂はビニル系ポリエステル樹脂、特にポリエステル樹脂の原料モノマーとしてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、テレフタル酸、トリメリット酸およびコハク酸を用い、ビニル系樹脂の原料モノマーとしてスチレンおよびブチルアクリレートを用い、両反応性モノマーとしてフマル酸を用いて得られたビニル系ポリエステル樹脂である。
本発明においては上述したように第1バインダー樹脂の合成時に炭化水素系ワックスが内添される。第1バインダー樹脂に炭化水素系ワックスを予め内添するには、第1バインダー樹脂を合成する際に、第1バインダー樹脂を合成するためのモノマー中に炭化水素系ワックスを添加した状態で第1バインダー樹脂の合成を行えば良い。例えば、第1バインダー樹脂としてのポリエステル系樹脂を構成する酸モノマーおよびアルコールモノマーに炭化水素系ワックスを添加した状態で縮重合反応を行えば良い。第1バインダー樹脂がビニル系ポリエステル樹脂の場合には、ポリエステル樹脂の原料モノマーに炭化水素系ワックスを添加した状態で、当前記モノマーを撹拌および加熱しながら、これにビニル系樹脂の原料モノマーを滴下して重縮合反応およびラジカル重合反応を行えばよい。
炭化水素系ワックスとは、炭素原子と水素原子のみからなるワックスであり、エステル基、アルコール基、アミド基などを含まない。具体的な炭化水素系ワックスとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンの共重合体、などのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油ワックス、フィッシャートロプシュワックス、などの合成ワックスなどが挙げられる。このうち、本発明において好ましいものは、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスであり、さらに好ましくはポリエチレンワックス、パラフィンワックスである。
ワックス分散剤について説明する。本発明のトナーには、ワックスの分散を助けるワックス分散剤を含有させても良い。ワックス分散剤としては特に限定はなく、公知のものを使用することができ、ワックスとの相溶性の高いユニットと樹脂との相溶性の高いユニットがブロック体として存在するポリマーやオリゴマー、ワックスとの相溶性の高いユニットと樹脂との相溶性の高いユニットのうち一方に他方がグラフトしているポリマーもしくはオリゴマー、エチレン・プロピレン・ブテン・スチレン・α−スチレンなどの不飽和炭化水素と、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸などのα,β−不飽和カルボン酸やそのエステルもしくはその無水物との共重合体、ビニル系樹脂とポリエステルとのブロック、もしくはグラフト体などが挙げられる。
上記のワックスとの相溶性の高いユニットとしては、炭素数が12以上の長鎖アルキル基や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエンとそれらの共重合体があり、樹脂との相溶性の高いユニットとしては、ポリエステル、ビニル系樹脂などが挙げられる。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、通常、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5質量部の範囲がよい。10質量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。
カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%である。
着色剤のマスターバッチ化について説明する。本発明で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげたポリエステル、ビニル系の樹脂のほかに、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
無機微粒子のBET法による比表面積としては、30m2/g〜300m2/gであることが好ましく、1次粒子径として10nm〜50nmが好ましい。また、トナーに対する外添剤の付着強度は、30〜80%であることが、好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えば酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、酸化チタン、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
外添剤の一次粒子径が10nm以下の場合はトナーへの外添剤埋まりこみが悪化し、画質劣化変動が大きくなり耐久により悪化する。外添剤の一次粒子径が50nm以上の場合は、トナーから外添剤の離脱が多くなり、感光体にフィルミングが発生する。
(第1バインダー樹脂の作成)
ビニル系モノマーとして、スチレン600g、アクリル酸ブチル110g、アクリル酸30g及び重合開始剤としてジクミルパーオキサイド30gを滴下ロートに入れた。ポリエステルの単量体のうち、ポリオールとして、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1230g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン290g、イソドデセニル無水コハク酸250g、テレフタル酸310g、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸180g及びエステル化触媒としてジブチル錫オキシド7g、ワックスとしてパラフィンワックス(融点73.3℃、示差走査型熱量計で測定される昇温時の吸熱ピークの半値幅は4℃)を仕込モノマー100質量部に対して4質量部、温度計、ステンレス製攪拌機、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下に、160℃の温度で撹拌しつつ、滴下ロートよりビニル系モノマー樹脂と重合開始剤の混合液を一時間かけて滴下した。160℃に保持したまま2時間付加重合反応を熟成させた後、230℃に昇温して縮重合反応を行わせた。重合度は、定荷重押出し形細管式レオメータを用いて測定した軟化点により追跡を行い、所望の軟化点に達したときに反応を終了させ、樹脂H1を得た。樹脂軟化点は130℃であった。
ポリオールとして、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2210g、テレフタル酸850g、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸120g及びエステル化触媒としてジブチル錫オキシド0.5gを、温度計、ステンレス製攪拌機、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下230℃に昇温して縮重合反応を行わせた。重合度は、定荷重押出し形細管式レオメータを用いて測定した軟化点により追跡を行い、所望の軟化点に達したときに反応を終了させ、樹脂L1を得た。樹脂軟化点は115℃であった。
第1および第2バインダー樹脂からなるバインダー樹脂100質量部(内添ワックスの質量を含む)に対して、C.I.Pigment Red 57−1を4質量部含有相当のマスターバッチをヘンシェルミキサーで十分混合した後、2軸押し出し混練機(PCM−30:池貝鉄工社製)を使用して、溶融混練し、得られた混練物を冷却プレスローラーで2mm厚に圧延し、冷却ベルトで冷却した後、フェザーミルで粗粉砕した。その後、機械式粉砕機(KTM:川崎重工業社製)で平均粒径10〜12μmまで粉砕し、さらに、ジェット粉砕機(IDS:日本ニューマチックエ業社製)で粗粉分級しながら粉砕した後、微粉分級をロータ型分級機(ティープレックス型分級機タイプ:100ATP:ホソカワミクロン社製)を使用して分級を行い、所望の粒径、円形度の着色樹脂粒子1を得た。
この着色樹脂粒子1 100質量部に対して無機微粒子であるキャボジル社製TS530およびチタン工業社製STT30Aを所望の量(質量部)添加し、ヘンシェルミキサーで混合処理しマゼンタトナー粒子を得た。
図3は、本発明に用いられる評価装置の例を示すものである。本評価装置は、圧密ゾーン20と測定ゾーン30からなるものである。
圧密ゾーン20は、粉体を入れる容器216、その容器を上下させる昇降ステージ218、圧密させるピストン215、そのピストンに荷重を加えるおもり214等から構成される。
この構成例では、粉体を入れた試料容器216を上昇させ、圧密用のピストン215に接触させ、さらに上昇させてピストン215におもり214の荷重が全てかかるようなおもり214が支持板219より浮いた状態になるようにし、一定時間放置する。その後、粉体を入れた容器216が載せてある昇降ステージ218を下げて、ピストン215を粉体表面から離す。
ピストン215は、どんな材質でも良いが、粉体を押付ける表面の表面性がスムーズである必要がある。そのため、加工しやすくて、表面が固く、変質しない材質が良い。また、帯電による粉体付着がないようにする必要があり、導電性の材質が適している。この材質の一例としては、SUS、Al、Cu、Au、Ag、黄銅等がある。
本発明では、粉体を入れる容器216は、内径φ60mmで、圧密を完了した粉体の高さが、25〜28mmとなるようにした。
円錐ロータ212をシャフトの先端に取り付け、そのシャフト自体を上下方向に移動しないように固定する。
粉体を入れた試料容器ステージ218は、昇降機によって上下できるようにして、試料容器ステージ218の中央部に粉体を入れた容器216を置くようにし、容器216を上げることによって、容器216の中央に円錐ロータ212が回転しながら侵入してくるようにする。
円錐ロータ212にかかるトルクを上部にあるトルクメータ211によって検出し、また粉体の入った容器216にかかる荷重を容器216の下にあるロードセル213によって検出し、さらに円錐ロータ212の移動量は、位置検出器で行なう。
この構成は一例であり、シャフト自体を昇降ステージ218により上下させたりするなどできるような他の構成でも適用できる。
円錐ロータ212の材質面とトナー粒子との摩擦成分を測定するのではなく、トナー粒子とトナー粒子との摩擦成分を測定している。
円錐ロータ212材質面とトナー粒子との接触は、三角溝の山の先端部分のみとなる。ほとんどが溝に入り込んだトナー粒子とその周辺のトナー粒子との接触となる。
円錐ロータ212の材質としては、特に限定的でなく、加工しやすくて、表面が固く、変質しないものが好ましく、さらに帯電性を帯びない材質が適している。具体例として、SUS、Al、Cu、Au、Ag、黄銅等を挙げることができる。
円錐ロータの回転数 :0.1〜100rpm
円錐ロータの侵入速度:0.5〜150mm/min
そして、本発明では以下の条件で測定を行った。
・円錐ロータの回転数 1.0rpm
・円錐ロータの侵入速度 1.0mm/min
・トナー層の加圧 0.1kg/cm2以上で60秒以上加圧
・円錐ロータ形状 円錐ロータI
円錐ロータの侵入距離は、浅いとトルクや荷重の値が小さく、データの再現性等に問題が生じるため、データの再現性のある領域まで深く侵入させた方が良い。発明者による実験結果では5mm以上侵入させればほぼ安定した測定が可能である。
また、トナーの粉体層の空間率も重要である。空間率は以下の式より求める。
ε=(V−M/ρ)/V
(ここで、εは空間率、Mは測定容器に充填したトナー粉体の質量、ρはトナー粉体の真比重、そしてVはトナー層の容積である。)
通常、トナーはトナー粒子だけでなく、シリカや酸化チタン等の無機有機添加剤を適宜混合して使用される。前述の母体トナーの特性だけでなく、添加剤混合後の特性を調整するとクリーニング特性がより安定する。通常、シリカなどの添加剤はトナーの流動性向上のために使用される。流動性の向上はすなわち、トナー間の摩擦係数を低減することであり、本発明で使用する円錐ロータ212によるトルクの低減となる。
本発明では、トナー回収装置に空間率が50〜60%のトナーであって、その時の上記トルク測定法で、円錐ロータ212が20mm進入した時点で、回転トルクが1.0〜2.5mNmの範囲内であれば、良好なクリーニング性を示す。この理由は明らかではないが、クリーニングブレードの動作状態ではブレードと感光体の接触部付近にトナーが滞留しており、感光体に乗って新たに運ばれてきたトナーと接触したときにトナーどうしの摩擦力が強いとトナーが感光体から引き剥がされやすいと考えられる。回転トルクが1.0mNm未満では、トナーの凝集力が小さいために浮遊しやすくなって、画像形成装置内を汚すことがある。回転トルクが2.5mNmを越えると、トナーの凝集力が大きくなり、クリーニングしにくくなり、前の画像が残る等の異常画像が発生することがある。
トルクメータ211は高感度タイプのものが良く、非接触方式のものが適している。ロードセル213は荷重レンジが広く、分解能の高いものが適している。位置検出器はリニアスケール、光を用いた変位センサ等があるが、精度的に0.1mm以下の仕様が適している。昇降機は、サーボモータやステッピングモータを用いて、精度良く駆動できるものが良い。
リコー社製Ipsio CX3000を改造した機械にて縦10mm×横100mmのベタ画像を印刷し、転写ベルト上にトナー像が出ているタイミングで機械動作を強制的に止め、吸引式小型帯電量測定装置Model 210HS−2A(トレック社製)を用いて転写ベルト上トナー像の初期帯電量を評価した。
第1面定着直後の定着媒体である紙を紙水分計MX−5000(ケット科学社製)にて水分量を評価した。
リコー社製Ipsio CX3000を改造した機械にてベタ画像を両面印字させ、画像裏面のボソツキの評価を行った。
○:画像上問題ないレベル
×:裏面ボソツキが発生し、画像上問題のあるレベル
0.15×Q−2≦T≦0.15×Q−0.5
1.0≦T≦2.5
である実施例1〜6では、両面印刷時の第2面である裏面でのボソツキが改善され、良好な結果であった。一方、比較例1〜10では、両面印刷時の第2面である裏面でのボソツキがあり、良好な印刷ができなかった。
5、6、7、8 1次転写ローラ
10 中間転写ベルト
11 ベルト駆動ローラ
12 2次転写対向ローラ
13 2次転写ローラ
14 レジストローラ
15a、15b 定着ローラ
16 定着ユニット
17 給紙ローラ
18 クリーナユニット
19 両面ユニット部
20 圧密ゾーン
30 測定ゾーン
211 トルクメータ
212 円錐ロータ
213 ロードセル
214 おもり
215 ピストン
216 試料容器
218 昇降ステージ
219 支持板
Claims (19)
- トナーにより形成されるトナー像を担持する像担持体を備えた画像形成手段と、
転写ベルト構成を用いて前記像担持体に形成されたトナー像を転写する転写手段と、
定着媒体上のトナーを定着する定着手段と、
前記定着媒体の第1面と第2面の両面に定着するための両面印刷ユニットと、を有する画像形成装置に使用するトナーにおいて、
前記トナーは、少なくとも樹脂と、ワックスと、荷電制御剤と、色材とを含有し、
前記転写手段上におけるトナー帯電量Q(μC/g)と、円錐ロータを用いたトルク測定法によって測定される空間率58%におけるトルクT(mNm)が、
0.15×Q−2≦T≦0.15×Q−0.5
1.0≦T≦2.5
である
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1に記載のトナーにおいて、
前記外添剤の一次粒子径は、10〜50nmである
ことを特徴とするトナー。 - 請求項2に記載のトナーにおいて、
前記外添剤は、シリカであり、
前記トナーに対する前記外添剤の付着強度は、30〜80%である
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーのワックス含有量は、トナー100質量部に対して3〜10質量部である
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーは、非磁性一成分現像用トナーである
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーは、非磁性二成分現像用トナーである
ことを特徴とするトナー。 - トナーにより形成されるトナー像を担持する像担持体を備えた画像形成手段と、
転写ベルト構成を用いて前記像担持体に形成されたトナー像を転写する転写手段と、
定着媒体上のトナーを定着する定着手段と、
前記定着媒体の第1面と第2面の両面に定着するための両面印刷ユニットと、を有する画像形成装置において、
第1面に画像定着直後の前記定着媒体の含水率は、5%以下であり、
トナーは、請求項1乃至6のいずれかに記載のトナーである
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項7に記載の画像形成装置において、
第1面に画像定着前の前記定着媒体の抵抗が、109〜1011Ω・cmであり、
第1面に画像定着直後の前記定着媒体の抵抗が、1011〜1013Ω・cmである
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項7又は8のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記定着手段が、オイルレス2ローラ加圧加熱定着機構である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項7乃至9のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記転写構成は、
中間転写ベルトを備えた1次転写手段と、
前記中間転写ベルトに転写された現像剤像を前記定着媒体に転写する2次転写手段と、
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。 - トナーにより形成されるトナー像を担持する像担持体を備えた画像形成手段と、
転写ベルト構成を用いて前記像担持体に形成されたトナー像を転写する転写手段と、
定着媒体上のトナーを定着する定着手段と、
記定着媒体の第1面と第2面の両面に定着するための両面印刷ユニットと、を有する画像形成装置の画像形成方法において、
第1面に定着直後の前記定着媒体の含水率を5%以下とし、
少なくとも樹脂と、ワックスと、荷電制御剤と、色材とを含有するトナーを有し、
前記転写手段上におけるトナー帯電量Q(μC/g)と、円錐ロータを用いたトルク測定法によって測定される空間率58%におけるトルクT(mNm)を
0.15×Q−2≦T≦0.15×Q−0.5
1.0≦T≦2.5
とする
ことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項11に記載の画像形成方法において、
第1面に画像定着前の前記定着媒体の抵抗を109〜1011Ω・cmとし、
第1面に画像定着直後の前記定着媒体の抵抗を1011〜1013Ω・cmとする
ことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項11又は12に記載の画像形成方法において、
前記外添剤の一次粒子径を10〜50nmとする
ことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項11乃至13のいずれかに記載の画像形成方法において、
前記外添剤としてシリカを有し、
トナーに対する前記外添剤の付着強度を30〜80%とする
ことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項11乃至14のいずれかに記載の画像形成方法において、
前記トナーのワックス含有量をトナー100質量部に対して3〜10質量部とする
ことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項11乃至15のいずれかに記載の画像形成方法において、
前記トナーを非磁性一成分現像用トナーとする
ことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項11乃至15のいずれかに記載の画像形成方法において、
前記トナーを非磁性二成分現像用トナーとする
ことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項11乃至17のいずれかに記載の画像形成方法において、
オイルレス2ローラ加圧加熱定着機構である前記定着手段を有する
ことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項11乃至18のいずれかに記載の画像形成方法において、
中間転写ベルトを備えた1次転写手段と、前記中間転写ベルトに転写された現像剤像を前記定着媒体に転写する2次転写手段と、を備えた前記転写構成を有する
ことを特徴とする画像形成方法。
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