JP2008095874A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セクター歯車16、16で構成した同期手段65により、各キャビティ内に3個ずつ設けた各トラニオン9b、9bの揺動角度を同期させる。送りねじ杆67及び第一、第二の送りナット69、70で構成した変位駆動手段66により、両キャビティ毎に1個ずつのトラニオン9b、9bを、同期して揺動変位させる。これら各トラニオン9b、9bに対して各パワーローラ8a、8bを、揺動変位を可能に支持する。これら各パワーローラ8a、8bの揺動中心となる傾斜軸を、上記各トラニオン9b、9bの両端部に設けた各傾転軸の方向に対し傾斜させる。変速の為、これら各トラニオン9b、9bを先に傾斜させると、上記各パワーローラ8a、8bが、トラクション部のサイドスリップに基づいて、同じだけ傾斜する。
【選択図】図1
Description
このうちの各ディスクは、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持されている。
又、上記各トラニオンは、軸方向に関して上記各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の、これら各ディスクの回転方向に関して複数個所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられている。
又、上記各パワーローラは、上記各トラニオンに回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記各ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させている。
又、上記同期手段は、上記各トラニオンの揺動角度を機械的に同期させる為のものである。
更に、上記変位駆動手段は、上記各トラニオンのうちの少なくとも1個のトラニオンを、当該トラニオンの両端部に設けた上記傾転軸を中心として揺動変位させる為のものである。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記各パワーローラを上記各トラニオンに対し、これら各トラニオンの両端部に設けた上記各傾転軸の方向に対し傾斜した方向に配設された傾斜軸を中心とする揺動変位を可能に支持している。
言い換えれば、上記各パワーローラの揺動中心軸を、上記各トラニオンの揺動中心軸に対し、キャスタ角を持たせた状態で設けている。
そして、この様な請求項4に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した様に、上記各スラスト転がり軸受を構成する上記各外輪の外側面部分に上記各傾斜軸を、これら各外輪の直径方向に支持固定する。そして、これら各傾斜軸を上記各トラニオンに対し、上記各パワーローラで伝達する動力に見合うスラスト荷重に基づいて、軸方向の変位を可能に弾性支持する。この場合に、上記各パワーローラに最大伝達動力(最大伝達トルク)が加わった状態でも(各傾斜軸に最大伝達動力に見合うスラスト荷重が加わった状態でも)、上記各傾斜軸が軸方向に変位し切らない様にする{弾性支持する為の弾性材(例えば皿板ばね)が弾性変形し切らない様にする}。又、この様に各傾斜軸(延いては各パワーローラ)を弾性支持する事により、例えば取付位置(初期位置)のずれ等に基づいて上記各パワーローラで伝達するトルクに差が生じた場合に、このトルクの差に基づく上記スラスト荷重の違いに応じて当該傾斜軸を軸方向に変位させる。そして、上記トルクの差が低減する方向(各パワーローラで分担する伝達トルクが均等になる方向、取付位置のずれが低減する方向)に、上記各パワーローラを傾転させる(変速させる)。
これら両傾転軸は、これら各トラニオンの両端部に互いに同心に設けられたものとする。
又、上記支持梁部は、上記両傾転軸同士の間に存在する。そして、少なくとも上記各ディスクの径方向に関する内側の側面を、これら両傾転軸の中心軸と平行でこれら両傾転軸の中心軸よりも上記各ディスクの径方向に関して外側に存在する中心軸を有する、円筒状凸面とする。
又、上記各トラニオンの支持梁部と上記各スラスト転がり軸受を構成する外輪との間に、揺動ブロックを配置する。
この揺動ブロックは、外側面に設けられた部分円筒面状の凹部と上記支持梁部の円筒状凸面とを係合させる事により、上記各トラニオンに対し、上記各ディスクの軸方向に関する揺動変位を可能に支持する。
又、この場合に、例えば請求項7に記載した様に、上記傾斜軸と上記揺動ブロックの外側面に設けた凹部とを、ラジアルニードル軸受を介して係合させる。
このうちの送りねじ杆は、上記各ディスクの中心軸と平行に配置され、軸方向片半部に順方向のねじを、軸方向他半部に逆方向のねじを、それぞれ設けたものとする。
又、上記回転駆動手段は、上記送りねじ杆を、両方向に回転駆動する。
又、上記第一の送りナットはこの送りねじ杆の軸方向片半部に、上記第二の送りナットは同じく軸方向他半部に、それぞれ螺合させる。
更に、上記伝達機構には、上記送りねじ杆の軸方向に関するこれら両送りナットの動きを、それぞれのトラニオンに伝達する役目を持たせる。
そして、上記送りねじ杆の回転に基づいて上記各トラニオンを、それぞれ傾転軸を中心として揺動変位させる。
尚、上述の請求項9〜10に記載した発明を実施する場合に、2個の内側ディスクは、互いに独立したものを結合しても良いが、請求項11に記載した様に、軸方向両側面をトロイド曲面とした一体型のディスクとする事もできる。
又、請求項3に記載した様に、上記各パワーローラをスラスト転がり軸受により支持し、これら各スラスト転がり軸受を構成する各外輪を上記傾斜軸を中心とする揺動変位を可能に支持すれば、上記各パワーローラの回転及び揺動変位を円滑に行なわせる事ができる。
そして、この様な請求項4に記載した発明を実施する場合に、請求項5に記載した様に、各傾斜軸を上記各トラニオンに対し弾性支持すれば、前記各ディスクの回転方向に関する、上記各パワーローラの取付位置が多少ずれた場合にも、このずれを或る程度吸収できる。そして、一部のパワーローラが過大な動力を伝達し、当該パワーローラの耐久性が損なわれる事を防止できる。
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に、上記各ディスク、並びに、各パワーローラ等の弾性変形に基づき、これら各パワーローラをこれら各ディスクの軸方向に変位させる必要が生じると、これら各パワーローラを回転自在に支持している各スラスト転がり軸受の外輪が、揺動ブロックの外側面に設けた部分円筒面状の凹部と支持梁部の円筒状凸面との係合部を中心として揺動変位する。この揺動変位に基づき、上記各パワーローラの周面のうちで、上記各ディスクの軸方向片側面と転がり接触する部分が、これら各ディスクの軸方向に変位し、上記接触状態を適正に維持する。上記円筒状凸面の中心軸は、変速動作の際に各トラニオンの揺動中心となる傾転軸の中心軸よりも、上記各ディスクの径方向に関して外側に存在する。従って、上記円筒状凸面の中心軸を中心とする揺動変位の揺動半径は、上記変速動作の際の揺動半径よりも大きく、各ディスク同士の間の変速比の変動に及ぼす影響は少ない(無視できるか、容易に修正できる範囲に留まる)。
又、請求項7に記載した様に、上記傾斜軸と上記揺動ブロックの外側面に設けた凹部とをラジアルニードル軸受を介して係合させれば、前述した様な、本発明の構造による変速動作を、より円滑に行なわせる事ができる。この場合に、上記ラジアルニードル軸受により上記揺動ブロックと上記傾斜軸との揺動変位に対する抵抗を小さくする事で、変速に必要な力を低減でき、例えば各トラニオンを傾転軸を中心に揺動させる為の変位駆動手段、回転駆動手段、同期手段{例えはセクタ歯車、送りねじ(ボールねじ)、アクチュエータ(電動モータ)等}の小型化を図れる。
この様な請求項9に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項10に記載した様に、上記1対の変位駆動手段を、送りねじ杆と回転駆動手段と第一、第二の送りナットと伝達機構とを備えた構造とすれば、簡単且つ小型・軽量に構成できる構造で、各キャビティに設けた各パワーローラの揺動変位を確実に同期させる事ができる。
尚、上述の請求項9〜10に記載した構造を実施する場合に、請求項11に示した様に、上記2個の内側ディスクを一体型のディスクとすれば、ダブルキャビティ型の構造の小型・軽量化を図れる。
本例の場合には、上記同期手段65を構成する為、前述の図18〜19に示した従来構造の第2例と同様、図1〜10に示す様に、上記各トラニオン9b、9bの端部に設けた上記各傾転軸15、15に、それぞれセクター歯車16、16を固定している。そして、図1に示す様に、前記各ディスク1a、1b、6aの回転方向に関して互いに隣り合うトラニオン9b、9bの端部の各傾転軸15、15に設けたセクター歯車16、16同士を、互いに噛合させている。この構成により、同一キャビティ内に存在する3個ずつのトラニオン9b、9bを、互いに同方向に、同じ角度ずつ揺動変位させる、上記同期手段65を構成している。
即ち、トロイダル型無段変速機の運転時には、上記各ディスク1a、1b、6a及び上記各パワーローラ8b、8b等が弾性変形する。そして、上記トロイダル型無段変速機が伝達するトルクの大きさが変動すると、この弾性変形の量も変化する。従って、上記各トラクション部の面圧を適正に維持する為には、上記トルクの変動に伴って、上記各パワーローラ8b、8bを上記各ディスク1a、1b、6aの軸方向に変位させる必要がある。
この様に接触状態を適正に維持する為に必要とされる、上記凹部46と円筒状凸面45との加工は容易であり、又、別途特殊な部品が必要になる事もない。この為、簡単で低コストに構成できる。
2 入力回転軸
3 入力側側面
4 出力歯車
5 出力筒
6、6a 出力側ディスク
7 出力側側面
8、8a、8b パワーローラ
9、9a、9b トラニオン
10、10a 支持軸
11 駆動軸
12、12a 押圧装置
13 揺動フレーム
14 支持板部
15 傾転軸
16、16a セクター歯車
17 カム装置
18 アクチェータ
19 カムフォロア
20 ハウジング
21 カム部材
22 カム溝
23 ピストン
24 ピン
25 結合ブラケット
26 基部
27 支持軸部
28 円形凹部
29 クランク部材
30 円孔
31 長孔
32 ガイドロッド
33 抑えねじ筒
34 ボールスプライン
35 入力歯車
36 中心孔
37 出力歯車
38 支持フレーム
39 スラスト転がり軸受
40 ラジアルニードル軸受
41 パワーローラユニット
42 揺動ブロック
43 スラスト転がり軸受
44 支持梁部
45 円筒状凸面
46 凹部
47 隙間空間
48 外輪
49 傾斜軸
50 内輪軌道
51 外輪軌道
52 玉
53 支持軸
54 ラジアルニードル軸受
55 凹部
56 抑え部
57 給油パイプ
58 凹部
59 ラジアルニードル軸受
60 折れ曲がり部
61 鋼球
62 皿板ばね
63 支持環部
64 ラジアル転がり軸受
65 同期手段
66 変位駆動手段
67 送りねじ杆
68 従動歯車
69 第一の送りナット
70 第二の送りナット
71 包持部
72 係止切り欠き
73 揺動腕部
74 係止ピン
Claims (11)
- それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持された少なくとも1対のディスクと、軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の、これら各ディスクの回転方向に関して複数個所に、これら各ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある傾転軸を中心とする揺動変位を自在に設けられた複数のトラニオンと、これら各トラニオンに回転自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記各ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させた、上記各トラニオンと同数のパワーローラと、これら各トラニオンの揺動角度を機械的に同期させる為の同期手段と、少なくとも1個のトラニオンを当該トラニオンの両端部に設けた上記傾転軸を中心として揺動変位させる為の変位駆動手段とを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、上記各パワーローラを上記各トラニオンに対し、これら各トラニオンの両端部に設けた上記各傾転軸の方向に対し傾斜した方向に配設された傾斜軸を中心とする揺動変位を可能に支持した事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
- 同期手段は、各トラニオンの端部に設けた傾転軸に、この傾転軸と同期した傾転を自在に固定されたセクター歯車を含んで構成され、各ディスクの回転方向に関して互いに隣り合うトラニオンの端部に設けたセクター歯車同士を互いに噛合させて成る、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
- 各パワーローラはそれぞれ、スラスト転がり軸受により各トラニオンの中間部で各ディスクの径方向内側部分に回転自在に支持されており、上記各スラスト転がり軸受は、上記各パワーローラの軸方向両端面のうちで上記各ディスクの径方向外側の端面に設けた内輪軌道と、上記各トラニオンの中間部に支持された外輪の軸方向両端面のうちで上記各ディスクの径方向内側の端面に設けた外輪軌道との間に、複数個の転動体を設けて成るものであり、上記各外輪を、上記各トラニオンの中間部に配設した傾斜軸を中心とする揺動変位を可能に支持した、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
- 各スラスト転がり軸受を構成する外輪の内側面中央部に支持軸が突設されており、この支持軸の周囲に各パワーローラを、ラジアルニードル軸受により回転自在に支持している、請求項3に記載したトロイダル型無段変速機。
- 各スラスト転がり軸受を構成する各外輪の外側面部分に各傾斜軸を、これら各外輪の直径方向に支持固定し、これら各傾斜軸を各トラニオンに対し、各パワーローラで伝達する動力に見合うスラスト荷重に基づいて軸方向の変位を可能に弾性支持している、請求項4に記載したトロイダル型無段変速機。
- 各トラニオンは、両端部に互いに同心に設けられた1対の傾転軸と、これら両傾転軸同士の間に存在し、少なくとも各ディスクの径方向に関する内側の側面を、これら両傾転軸の中心軸と平行でこれら両傾転軸の中心軸よりも上記各ディスクの径方向に関して外側に存在する中心軸を有する、円筒状凸面とした支持梁部とを備えたものであり、この支持梁部とスラスト転がり軸受を構成する外輪との間に、揺動ブロックを配置しており、この揺動ブロックは、外側面に設けられた部分円筒面状の凹部と上記支持梁部の円筒状凸面とを係合させる事により上記各トラニオンに対し、上記各ディスクの軸方向に関する揺動変位を可能に支持されている、請求項3〜5のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
- 傾斜軸と揺動ブロックの外側面に設けた凹部とをラジアルニードル軸受を介して係合させている、請求項6に記載したトロイダル型無段変速機。
- 各トラニオンの傾転軸の仮想中心線と各トラニオンに設けた傾斜軸の仮想中心線とが交差する、請求項1〜7のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
- 軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持されたディスクを2対設けており、これら2対4個のディスクのうちで軸方向両端に配置した2個の外側ディスクを、回転軸を介して互いに同期した回転を自在に組み合わせており、同じく軸方向中央部に配置した2個の内側ディスクを上記回転軸の周囲に、互いに同期した回転及びこの回転軸に対する相対回転を自在に設けており、一方の対の外側ディスクと内側ディスクとの間に配置した複数個のトラニオンのうちの何れかのトラニオンを傾転軸を中心として揺動変位させる為の変位駆動手段と、他方の対の外側ディスクと内側ディスクとの間に配置した複数個のトラニオンのうちの何れかのトラニオンを傾転軸を中心として揺動変位させる為の変位駆動手段とを互いに同期させる、請求項1〜8のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
- 1対の変位駆動手段が、各ディスクの中心軸と平行に配置され、軸方向片半部に順方向のねじを、軸方向他半部に逆方向のねじを、それぞれ設けた送りねじ杆と、この送りねじ杆を両方向に回転駆動する回転駆動手段と、この送りねじ杆の軸方向片半部に螺合した第一の送りナットと、同じく軸方向他半部に螺合した第二の送りナットと、上記送りねじ杆の軸方向に関するこれら両送りナットの動きをそれぞれのトラニオンに伝達する伝達機構とを備え、上記送りねじ杆の回転に基づいてこれら各トラニオンを、それぞれ傾転軸を中心として揺動変位させる、請求項9に記載したトロイダル型無段変速機。
- 2個の内側ディスクが、軸方向両側面をトロイド曲面とした一体型のディスクである、請求項9〜10のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
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