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JP2008095860A - リンク部材 - Google Patents

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JP2008095860A
JP2008095860A JP2006279306A JP2006279306A JP2008095860A JP 2008095860 A JP2008095860 A JP 2008095860A JP 2006279306 A JP2006279306 A JP 2006279306A JP 2006279306 A JP2006279306 A JP 2006279306A JP 2008095860 A JP2008095860 A JP 2008095860A
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JP2006279306A
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Akira Suzuki
顕 鈴木
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Toyo Tire Corp
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2206/00Indexing codes related to the manufacturing of suspensions: constructional features, the materials used, procedures or tools
    • B60G2206/01Constructional features of suspension elements, e.g. arms, dampers, springs
    • B60G2206/10Constructional features of arms
    • B60G2206/11Constructional features of arms the arm being a radius or track or torque or steering rod or stabiliser end link

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Springs (AREA)

Abstract

【課題】こじり方向におけるバネ定数を十分に低減することができるとともに、軸方向におけるバネ定数を大きくすることができる防振ブッシュを備え、かつ、軽量化、低コスト化が図られるリンク部材を提供する。
【解決手段】アーム部12とその両端部に設けられた連結部14とからなるリンク本体16と、連結部14に設けられた防振ブッシュ18とを備えてなるリンク部材10において、防振ブッシュ18が、内筒20と、連結部14に設けられた筒状部22と、内筒20の外周面と筒状部22の内周面に一体成形された弾性部24とからなり、内筒20は、軸方向の中央部に軸直角方向Yに膨出する膨出部26を有し、その外周面が凸状球面28に形成されるとともに、凸状球面28を取り囲む筒状部22の内周面部分が凸状球面28と同心状の凹状球面30に形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車のサスペンション装置等に組み込まれて使用されるリンク部材に関するものである。
従来より、自動車のサスペンション装置等においては、防振ブッシュを備えるリンク部材が用いられている。かかるリンク部材は、一般に、アーム部とその両端に設けられた連結部とを備え、少なくとも一方の連結部に設けたゴム状弾性体からなる防振ブッシュを介して、両端の連結部をアクスル等の振動源側とサスペンションメンバー等の車体側とに連結して用いられる(下記特許文献1〜3参照)。
例えば、下記特許文献4には、リンク部材を備えるサスペンション装置として、図12及び図13に示すマルチリンク式リヤサスペンション装置が開示されている。このサスペンション装置は、車輪60を回転可能に支持するアクスル62と、一端部64a,66aがアクスル62に揺動可能に連結され、他端部64b,66bが車体側部材であるサスペンションメンバー68に揺動可能に連結された前後一対のアッパーリンク64,66と、一端部70a,72aがアクスル62に揺動可能に連結され、他端部70b,72bがサスペンションメンバー68に揺動可能に連結された前後一対のロアリンク70,72と、一端部74aがアクスル62に揺動可能に連結され、他端部74bがサスペンションメンバー68に揺動可能に連結されたトーコントロールリンク74とを備える。ここで、符号Fは車体前側を示し、符号Hは車体幅方向を示す。
そして、各リンク64,66,70,72,74の他端部64b,66b,70b,72b,74bとサスペンションメンバー68とは、それぞれ防振ブッシュ76,78,80,82,84を介して連結されており、各防振ブッシュの軸心p1,p2,p3,p4,p5が、平面視において、それぞれのリンクの長手方向r1,r2,r3,r4,r5と直交する方向に沿うように配置されている。
ところで、このようなリンク部材において、防振ブッシュは一般に、内筒と外筒との間にゴム状弾性体を加硫成形することで形成され、該防振ブッシュをリンク本体に設けられた筒状保持部に圧入することでリンク部材が形成されている。この場合、防振ブッシュを筒状保持部に圧入するための工程が必要であり、また、外筒を具備することでコストや重量の増加につながる。そのため、外筒を省略して、リンク本体の筒状部の内周面にゴム状弾性体を直接加硫接着させた構造が提案されている(下記特許文献3参照)。
また、上記のような防振ブッシュとして、軸直角方向におけるバネ定数を大きくしつつ、こじり方向におけるバネ定数を小さくするため、内筒の軸方向中央部に軸直角方向に膨出する膨出部を設けた、いわゆるバルジタイプの防振ブッシュも知られている(下記特許文献5参照)。
特開平11−166584号公報 特開平09−254621号公報 特開2000−337416号公報 特開2005−112258号公報 特開2004−144150号公報
上記マルチリンク式サスペンション装置では、図13に示すように、各リンク64,66,70,72,74が平面視で傾斜姿勢に設定されている。詳細には、前側のロアリンク70が、平面視において、車体幅方向Hで内方側ほど車体前側Fに位置する傾斜姿勢に設定され、後側のロアリンク72が、平面視において、車体幅方向Hで外方側ほど車体前側Fに位置する傾斜姿勢に設定され、トーコントロールリンク74が、平面視において、車体幅方向Hで外方側ほど車体前側Fに位置する傾斜姿勢に設定されている。
そのため、車両の走行中において、主としてロアリンク70,72及びトーコントロールリンク74に結合された防振ブッシュ80,82,84には、種々の方向の力が入力する。例えば、車体に対してサスペンション装置が上下方向に変位すると、防振ブッシュ80,82,84には、ねじり方向N(図3参照)の力のみならずこじり方向Z(図4参照)の力も加わる。また、車体に対してサスペンション装置が左右方向に変位すると、防振ブッシュ80,82,84には、軸直角方向Y(図4参照)の力のみならず軸方向X(図4参照)の力も加わる。
このような入力に対し、従来の一般的な防振ブッシュでは、内筒の径が一定のストレート筒状であるため、こじり方向のバネ定数が大きく、その結果、サスペンション装置の上下方向におけるバネ定数が大きくなるので、乗り心地を向上することが難しい。また、この従来の防振ブッシュでは、軸方向のバネ定数があまり大きくなく、そのため、サスペンション装置の左右方向におけるバネ定数を大きくすることできないことから、車両の操縦安定性を向上することが難しい。
これに対し、上記従来のバルジタイプの防振ブッシュであると、こじり方向におけるバネ定数を低減することができる。しかしながら、従来のバルジタイプのものでも、外筒が内径一定のストレート筒状であるため、こじり方向における変位時、ゴム状弾性体の軸方向両端部においては内筒と外筒との間でゴム状弾性体が圧縮されることになり、こじり方向におけるバネ定数が必ずしも十分に低減されていなかった。そのため、サスペンション装置の上下方向におけるバネ定数を低減する効果も不十分であり、乗り心地性向上のため、更なる改善が求められる。また、従来のバルジタイプの防振ブッシュでは、軸方向におけるバネ定数を大きくすることはできず、そのため、サスペンション装置の左右方向におけるバネ定数を高めて、車両の操縦安定性を向上することが困難であった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、こじり方向におけるバネ定数を十分に低減することができるとともに、軸方向におけるバネ定数を大きくすることができる防振ブッシュを備え、かつ、軽量化、低コスト化が図られるリンク部材を提供することを目的とする。
本発明に係るリンク部材は、アーム部と該アーム部の両端部に設けられた連結部とからなるリンク本体と、少なくとも一方の前記連結部に設けられた防振ブッシュとを備えてなるリンク部材であって、前記防振ブッシュが、軸部材と、前記連結部に設けられて前記軸部材を取り囲む筒状部と、前記軸部材と前記筒状部との間に介設されて前記軸部材の外周面と前記筒状部の内周面に一体成形されたゴム状弾性体からなる弾性部とを備え、前記軸部材は、軸方向の中央部に軸直角方向に膨出する膨出部を有し、該膨出部の外周面が凸状球面に形成されるとともに、該凸状球面を取り囲む前記筒状部の内周面部分が前記凸状球面と同心状の凹状球面に形成されたことを特徴とする。
この構成によれば、筒状部の内周面を内筒の膨出部の凸状球面と同心状の凹状球面としたことにより、こじり方向における変位時、凸状球面と凹状球面との間に介設された弾性部は実質的に剪断変形を受けるのみとなり、内筒と外筒との間で弾性部が圧縮されることを極力回避することができるので、こじり方向におけるバネ定数を効果的に低減することができる。また、軸方向における変位時には、凸状球面と凹状球面との間で弾性部が剪断変形だけでなく圧縮変形も受けるようになるので、軸方向におけるバネ定数を上げることができる。また、リンク本体の筒状部に弾性部を直接一体成形して、外筒を省略したことから、圧入工程が不要となり、低コスト化、軽量化が図られる。
本発明のリンク部材において、前記弾性部は、前記凹状球面によって定められる仮想球面の軸方向外方側では前記軸部材と筒状部との間に充填されないように前記凸状球面と前記凹状球面との間に介設されていることが好ましい。また、前記弾性部の軸方向両端面が軸方向内方側に膨らむ湾曲面状に形成され、前記軸部材の軸方向に沿う断面において、前記凹状球面によって定められる仮想球面が前記湾曲面状の軸方向端面と交差しており、前記仮想球面と前記軸方向端面との交点(J)が、前記軸方向端面における最も軸方向内側の点(K)よりも前記筒状部側に位置していることが好ましい。これにより、こじり方向における変位時に弾性部の軸方向端部で圧縮バネがかかることを確実に回避して、こじり方向でのバネ定数を一層低減することができる。
本発明のリンク部材においては、前記リンク本体の前記筒状部が前記弾性部の成形後に縮径方向に絞り加工されることで、成形後の収縮を取り除いて、耐久性を向上することができる。
本発明のリンク部材においては、前記リンク本体の外表面が前記弾性部から連なるゴム膜で被覆されていることが好ましい。上記のように弾性部をリンク本体に直接一体成形するので、製造工数を増やすことなく、該ゴム膜を形成することができ、防錆のためのカチオン塗装を省略することができる。また、ゴム膜であるので、砂利などの飛散によっても損傷しにくく、防錆効果の持続性に優れる。
本発明のリンク部材においては、前記アーム部に、質量体と、該質量体をアーム部に対して支持する弾性支持部とで構成されるダイナミックダンパが設けられ、前記弾性支持部が前記弾性部から連なるゴム状弾性体で形成されてもよい。上記のように弾性部をリンク本体に直接成形するので、同時にダイナミックダンパを形成することもでき、従って、工数増加を伴うことなく、ダイナミックダンパを組み込むことができる。
本発明のリンク部材であると、防振ブッシュのこじり方向におけるバネ定数を十分に低減することができるとともに、軸方向におけるバネ定数を大きくすることができ、しかも、軽量化、低コスト化を図ることができる。
以下に本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
本発明の一実施形態に係るリンク部材10は、上述した図12及び図13に示すマルチリンク式サスペンション装置に用いられるものであり、より詳細には、前側のロアリンク70、後側のロアリンク72、及びトーコントロールリンク74として用いられる。なお、リンク部材10は、前側のアッパーリンク64や後側のアッパーリンク66として用いることもできる。サスペンション装置の全体構成としては、上記の通りであり、説明は省略する。
リンク部材10は、図1,図2に示すように、アーム部12及びその両端部に設けられた一対の連結部14,14からなる概略棒状の金属製のリンク本体16と、両連結部14,14にそれぞれ設けられた防振ブッシュ18,18とで構成されている。
防振ブッシュ18は、図3,4に示すように、軸部材として内筒20と、これを取り囲むように外側に間隔をおいて同軸状に配置された筒状部22と、内筒20と筒状部22との間に介設された筒状のゴム状弾性体からなる弾性部24とを備えてなる。
内筒12は、鉄、鋼やアルミニウムなどの金属製の円筒状部材であり、軸方向Xの中央部に軸直角方向Yの外方に向けて全周にわたって膨出する膨出部26を備える。膨出部26の外周面は凸状球面28をなしている。凸状球面28は、軸心A上に中心Pを持つ球面の軸方向中央部を構成する球帯状に形成されており、内筒20の軸方向両端部における一般筒部(外径が一定のストレート筒状部)の外周面21からなだらかに連続して形成されている。
筒状部22は、リンク本体16の連結部14に一体に設けられた金属製の円筒状部である。筒状部22の内周面は、上記凸状球面28を取り囲む軸方向Xの中央部が、該凸状球面28と同心状(即ち、共通の中心Pを持つ)の凹状球面30をなしている。すなわち、膨出部26を囲む筒状部22の内周面部分が、凸状球面28と同心状の凹状球面30として形成されている。
この例では、筒状部22は、上記凸状球面28を取り囲む軸方向Xの中央部が、軸直角方向Yの外方に向けて全周にわたって球状に膨出した膨出部32に形成されている。そして、この膨出部22の内周面が、凸状球面28と同心状の上記凹状球面30に形成され、これに対応させて、膨出部22の外周面が、凸状球面28と同心状の凸状球面31をなしている。より詳細には、後述する絞り加工後の形状において、内筒20の凸状球面28に一定の間隔をおいて沿うように、膨出部32の内周面が上記凹状球面30として形成されている。該凹状球面30は、球面の中央部を構成する球帯状をなし、筒状部22の軸方向両端部における一般筒部(内径が一定のストレート筒状部)23の内周面23aからなだらかに連続して形成されている。
なお、図示しないが、絞り加工前の状態では、筒状部22の膨出部32の内周面は厳密な凹状球面30ではなく、中心Pが筒状部22の軸心A上から軸直角方向Yにずれた位置にあり、縮径方向に絞り加工することで、図4に示すように中心Pが軸心A上に位置する球帯状に形成される。
弾性部24は、内筒20の外周面と筒状部22の内周面とに一体に加硫接着されたものであって、内筒20の凸状球面28と筒状部22の凹状球面30との間を充填するように介設されており、図4に示すように、絞り加工後の形状において、略一定の肉厚を持つ球帯状に形成されている。
また、図5に示すように、筒状部22側の凹状球面30によって定められる仮想球面34の軸方向外方側X1では、内筒20と筒状部22との間に弾性部24が充填されないように形成されている。
より詳細には、弾性部24は、内筒12と筒状部22の軸方向両端部との間で露出した弾性部24の左右一対の軸方向両端面25が、軸方向内方側X2に膨らむ湾曲面状に形成されており、ここでは、図5に示す軸方向Xに沿う断面において円弧状に湾曲形成されている。そして、かかる軸方向に沿う断面において、凹状球面30によって定められる仮想球面34が上記湾曲面状の軸方向端面25と交点Jにて交差しており、この交点Jが、軸方向端面25における最も軸方向内側の点(即ち、軸方向端面25の最深部(底)に相当する点)Kよりも筒状部22側に位置している。この例では、軸方向端面25の最も軸方向内側の点Kは、内筒20と筒状部22との間隙を径方向に2等分する線36上にあり、この線36よりも径方向外方側に、上記交点Jが位置している。
また、図5に示すように、上記内筒20側の膨出部26の最外径(膨出部26の頂点における外径)D1は、筒状部22の一般筒部23の内径D2よりも小さく設定されており、また、凸状球面28と凹状球面30間の弾性部24の厚みEが、内筒20の膨出部26の最大膨出高さGよりも大に設定されている。これにより、軸方向Xにおける過大なバネ定数を回避しながら、軸直角方向Y、こじり方向Z及びねじり方向Nでの好ましいバネ定数が得られるように構成されている。
リンク本体16の連結部14には、上記のように防振ブッシュ18の一部を構成する筒状部22が一体に設けられており、この例では両端の連結部14,14の双方に筒状部22が設けられている。筒状部22は、防振ブッシュ18の軸心Aがリンク部材10の長手方向Rに対して直交する方向(図2に示す厚み方向T)に向くように、当該直交する方向に沿った軸心を持つ円筒状に形成されている。
アーム部12は、その幅方向Sの中央部に長手方向Rの略全体にわたって延びる中空部38を備える。また、幅方向Sの両側縁部には、厚み方向Tの両側に突出するフランジ40が設けられており、フランジ40は連結部34の周縁部にも連続しており、この例では、リンク本体16の全周にわたって設けられている。
リンク本体16は、金属板をプレス成形してなる第1部材42と第2部材44を接合することで形成されており、両部材42,44はこの例では同一形状に形成されている。
詳細には、筒状部22が、図4に示すように、膨出部32の頂部32aを境として該頂部32aより軸方向一方側の第1筒部22aと、該頂部32aより軸方向他方側の第2筒部22bとで構成されている。また、アーム部12は、図2,図6に示すように、上記厚み方向Tに2分割する第1アーム部12aと第2アーム部12bとで構成されている。そして、両端の第1筒部22a,22aとその間を連結する第1アーム部12aとで上記第1部材42が構成され、両端の第2筒部22b,22bとその間を連結する第2アーム部12bとで上記第2部材44が構成されている。
そして、第1部材42と第2部材44を重ね合わせ、該重ね合わせ部46を溶接などにより接合することで、リンク本体16が形成されて、第1筒部22aと第2筒部22bにより筒状部22が形成されている。また、第1アーム部12aと第2アーム部12bとの重ね合わせにより、図6に示すように、重ね合わせ部46の内側に上記中空部38を備えるアーム部12が形成され、これにより、補強しつつ軽量化が図られている。
図2,4,6に示されるように、リンク本体16の外表面は、全体にわたって、防振ブッシュ18の弾性部24から連なるゴム膜48で被覆されている。ゴム膜48は、リンク本体16の外表面に加硫接着されており、その厚みは特に限定されないが、通常1mm以下、この例では約0.5mmの薄膜状に形成されている。
以上のリンク部材10を製造するに際しては、上記第1部材42と第2部材44を固着してなるリンク本体16と、上記膨出部26を有する内筒20とを、内筒20がリンク本体16の両端の筒状部22,22により取り囲まれた状態となるようにして、不図示の成形型に配置し、該成形型内にゴム材料を注入することで弾性部24とゴム膜48とを加硫成形する。これにより、内筒20の外周面と筒状部22の内周面に弾性部24が一体に加硫接着される。このようにして弾性部24をリンク本体16に一体に加硫成形した後、不図示のダイスを用いて筒状部22を縮径方向に絞り加工を施すことで、上記リンク部材10が得られる。なお、図7は、絞り加工前の形状を示し、絞り加工により二点鎖線で示すように筒状部22が縮径される。
以上よりなるリンク部材10は、図8に示すように、連結部14において、内筒20の両端面がサスペンションメンバー68等のブラケット1に挟まれた状態で、ボルト2及びナット3などの締結部材で締め付けることにより該ブラケット1に固定され、これにより、サスペンションメンバー68とアクスル62との間を連結する。
本実施形態のリンク部材10であると、筒状部22に膨出部32を設けて、その内周面を内筒20の膨出部26の凸状球面28と同心状の凹状球面30としたことにより、こじり方向Zにおける変位時、凸状球面28と凹状球面30との間に介設された弾性部24が受ける力は剪断変形のみとなるので、こじり方向Zにおけるバネ定数を効果的に低減することができる。これにより、サスペンション装置の上下方向におけるバネ定数を小さくすることができるので、乗り心地性を向上することができる。
また、軸方向Xにおける変位時には、図5に示すように、凸状球面28と凹状球面30との間で弾性部24が剪断変形だけでなく圧縮変形も受けるようになるので、軸方向Xにおけるバネ定数を上げることができる。これにより、サスペンション装置の左右方向におけるバネ定数が大きくなり、操縦安定性を向上することができる。よって、乗り心地性と操縦安定性を両立することができる。
また、特に、上記仮想球面34の軸方向外方側X1では、内筒20と筒状部22との間に弾性部24が充填されないようにしており、更には、仮想球面34と弾性部24の軸方向両端面25との交点Jを、軸方向端面25の最も軸方向内側の点Kよりも筒状部22側に位置させたことにより、こじり方向Zにおける変位時に弾性部24の軸方向端部で圧縮バネがかかることを確実に回避して、こじり方向Zでのバネ定数を一層低減することができる。そのため、サスペンション装置の上下方向におけるバネ定数を一層小さくして、しなやかな足回りとすることができ、よって、乗員の目線高さを変えないように上下動を足回りで吸収するという、いわゆるフラット感を得ることができる。
また、リンク本体16の外表面が弾性部24から連なるゴム膜48で被覆されているため、防錆のためのカチオン塗装を省略することができ、また、ゴム膜48であるので砂利などの飛散によっても損傷しにくく、防錆効果の持続性に優れる。また、弾性部24をリンク本体16に成形する際にゴム膜48も設けるので、製造工数を増やすことなく、ゴム膜48を形成することができる。
図9〜11は、他の実施形態に係るリンク部材50を示したものである。この例では、リンク本体16のアーム部12に、ダイナミックダンパ52が設けられている。ダイナミックダンパ52は、質量体54と、該質量体54をアーム部12に対して支持する弾性支持部56とで構成されており、この例では、アーム部12の両側のフランジ40に取り付けられている。
質量体54は、アーム部12の長手方向Rに沿って延びる細長い板状をなし、その両端部に各別に設けられた弾性支持部56,56により支持されている。弾性支持部56は、この例では、弾性部24及びゴム膜48から連なるゴム状弾性体で形成されており、図11にも示されるように、質量体54も外表面がゴム膜58により全体にわたって覆われている。その他の構成は、上記の実施形態と同じであり、説明は省略する。
本実施形態では、上記のように、弾性部24をリンク本体16に直接加硫成形するので、同時にダイナミックダンパ52も形成することもでき、従って、工数増加を伴うことなく、ダイナミックダンパ52を組み込むことができる。
なお、上記実施形態では、リンク本体16を、第1筒部22aを有する第1部材44と第2筒部22bを有する第2部材44とを接合することで筒状部22を形成するように構成したが、筒状部22は軸方向Xにおいて単一の部材で形成することもできる。
また、上記実施形態では、防振ブッシュ18をリンク本体16の両端の連結部14,14に設けたが、防振ブッシュ18は一端の連結部14のみに形成されてもよい。その場合、サスペンションメンバー68側の連結部14に上記防振ブッシュ18を設けることが好ましい。
また、上記実施形態では、バルジタイプのブッシュとするために、内筒20に設ける膨出部26を金属材料により一体に形成したが、内筒の外周面に樹脂製の環状被覆体を設けるなどして膨出部を形成してもよい。
本発明の一実施形態に係るリンク部材の平面図である。 図1のII−II線断面図である。 同リンク部材の要部拡大平面図である 同リンク部材の要部拡大断面図である。 同リンク部材における防振ブッシュの要部拡大断面図である。 図1のVI−VI線断面図である。 防振ブッシュの絞り加工前の要部断面図である。 同リンク部材の組み付け状態を示す要部断面図である。 他の実施形態に係るリンク部材の平面図である 図9のX−X線断面図である。 図9のXI−XI線断面図である。 サスペンション装置の斜視図である。 サスペンション装置の平面図である。
符号の説明
10,50…リンク部材、12…アーム部材、14…連結部、16…リンク本体、18…防振ブッシュ、20…内筒(軸部材)、22…筒状部、24…弾性部、25…弾性部の軸方向端面、26…膨出部、28…凸状球面、30…凹状球面、34…仮想球面、48…ゴム膜、52…ダイナミックダンパ、54…質量体、56…弾性支持部、J…仮想球面と軸方向端面の交点、K…軸方向端面における最も軸方向内側の点、X…軸方向、X1…軸方向外方側、X2…軸方向内方側、Y…軸直角方向、Z…こじり方向

Claims (6)

  1. アーム部と該アーム部の両端部に設けられた連結部とからなるリンク本体と、少なくとも一方の前記連結部に設けられた防振ブッシュとを備えてなるリンク部材であって、
    前記防振ブッシュが、軸部材と、前記連結部に設けられて前記軸部材を取り囲む筒状部と、前記軸部材と前記筒状部との間に介設されて前記軸部材の外周面と前記筒状部の内周面に一体成形されたゴム状弾性体からなる弾性部とを備え、
    前記軸部材は、軸方向の中央部に軸直角方向に膨出する膨出部を有し、該膨出部の外周面が凸状球面に形成されるとともに、該凸状球面を取り囲む前記筒状部の内周面部分が前記凸状球面と同心状の凹状球面に形成された
    ことを特徴とするリンク部材。
  2. 前記弾性部は、前記凹状球面によって定められる仮想球面の軸方向外方側では前記軸部材と筒状部との間に充填されないように前記凸状球面と前記凹状球面との間に介設されたことを特徴とする請求項1記載のリンク部材。
  3. 前記弾性部の軸方向両端面が軸方向内方側に膨らむ湾曲面状に形成され、
    前記軸部材の軸方向に沿う断面において、前記凹状球面によって定められる仮想球面が前記湾曲面状の軸方向端面と交差しており、前記仮想球面と前記軸方向端面との交点(J)が、前記軸方向端面における最も軸方向内側の点(K)よりも前記筒状部側に位置していることを特徴とする請求項1又は2記載のリンク部材。
  4. 前記リンク本体の前記筒状部が前記弾性部の成形後に縮径方向に絞り加工されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリンク部材。
  5. 前記リンク本体の外表面が前記弾性部から連なるゴム膜で被覆されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のリンク部材。
  6. 前記アーム部に、質量体と、該質量体をアーム部に対して支持する弾性支持部とで構成されるダイナミックダンパが設けられ、前記弾性支持部が前記弾性部から連なるゴム状弾性体で形成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリンク部材。
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