JP2008088063A - 外用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題を解決するための手段】
一般式(1)で示される化合物の1種または2種以上からなる成分(A)を必須成分として含有してなる外用組成物である。
【化6】
式中、R1は炭素数6〜30の脂肪族または脂環式炭化水素基;XおよびYは水素原子または−CO−R2で示されるアシル基であり、R2は炭素数1〜30の脂肪族または脂環式炭化水素基であって、XおよびYのうちの少なくとも一方はアシル基であり;AOは炭素数2〜6のアルキレンオキシ基;mおよびnは0または1〜60の整数であり、少なくとも一方は0ではない。
【選択図】なし
Description
また、1,2−アルカンジオールを外用組成物等に用いることは、N−長鎖アシルグルタミン酸アルカリ金属塩と組合せて皮膚に対する作用の温和な乳化剤として用いた水中油型乳化組成物(特許文献−3)や、アニオン性界面活性剤の皮膚刺激を緩和した界面活性剤組成物(特許文献−4)で開示されており、さらに1,2−アルカンジオールの脂肪酸エステルが外用剤として提案されている(特許文献−5)。さらには、1,2−アルカンジオールのアルキレンオキサイド付加物が界面活性剤として有用であることも知られている(特許文献−6)。
しかしながら、1,2−アルカンジオールは皮膚刺激性が強いという問題があり、1,2−アルカンジオールの脂肪酸エステルや1,2−アルカンジオールのアルキレンオキサイド付加物は、外用剤に使用されるその他の成分と混合された場合に、低温(例えば0℃以下)での安定性が悪く、しばしば分離を起こすという問題があった。
即ち、本発明は、一般式(1)で示される化合物の1種または2種以上からなる成分(A)を必須成分として含有してなる外用組成物である。
R1のうちの脂肪族炭化水素基としては、直鎖または分岐のアルキル基(n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル、n−デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、アイコシル、ドコシル、3,5,7−トリメチルオクチル基等)および直鎖または分岐のアルケニル基(1−ヘキセニル、1−デセニル、6−ドデセニル、オレイル基等)などが挙げられる。
R1のうちの脂環式炭化水素基としては、シクロアルキル基(シクロヘキシル等)、アルキルシクロヘキシル基(プロピルシクロヘキシル基、オクチルシクロヘキシル基等)、シクロアルキルアルキル基(シクロヘキシルブチル基、シクロヘキシルオクチル基等)およびシクロアルケニル基(2−シクロヘキセニル基)などが挙げられる。
R1のうち好ましいのは、脂肪族炭化水素基であり、これらのうちの炭素数の異なる2種以上を併用してもよい。
−CO−R2におけるR2は、炭素数1〜30の脂肪族または脂環式炭化水素基であり、上記のR1で挙げられた基の他に、脂肪族炭化水素基としては炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等)および直鎖または分岐のアルケニル基(ビニル基、プロペニル基、アリル基など)が挙げられる。
R2のうち好ましいのは外用剤の低温安定性の観点から脂肪族炭化水素基である。
XおよびYがいずれもアシル基の場合の2個のR2は、いずれも同一の基であっても異なっていてもよいが、製造しやすさの観点から、好ましくは同一の基である。
なお、mおよびnの両方が0である化合物としては、従来から公知の1,2−アルカンジオールのエステル化物が挙げられるが、1,2−アルカンジオールのエステル化物単独では、皮膚刺激性と外用剤の成分として使用した場合の低温安定性において不十分である。
本発明における1,2−ジオールの1分子当たりのアルキレンオキサイドの平均付加モル数は、好ましくは0.5〜50、さらに好ましくは0.5〜40、特に好ましくは0.5〜30である。平均付加モル数が0.5以上であれば成分(A)を含む外用剤の低温安定性が発揮しやすく、かつ皮膚刺激性が低くなる。また、平均付加モル数が60以下、特に40以下であれば低温安定性十分に発揮し易い。また、混合物を構成するそれぞれの化合物におけるアルキレンオキサイドの付加モル数は、好ましくは1〜120、さらに好ましくは1〜60である。
機 種;島津製作所製 LC−10ADVP
カラム:μ−Porasil(Waters)
移動相;2%イソプロピルアルコール/ブチルクロライド〜
32%イソプロピルアルコール/ブチルクロライド
までグラディエント
検出器;UV(240nm)
温 度;40℃
各付加モル数のピークの面積をそれぞれ該当する付加モル数の化合物の分子量で割ったときの値の比から、各付加モル数の重量比を知ることができ、それに基づいて重量%を算出できる。
R2−COOH (3)
式中のR2は上記のR2で挙げた基と同様の基が挙げられる。
エステル形成性誘導体としては、カルボン酸ハロゲン化物(カルボン酸クロライドおよびカルボン酸ブロマイド等)、カルボン酸無水物およびカルボン酸低級アルキル(炭素数1〜4のアルキル基)エステルなどが挙げられる。
エステル化反応は、カルボン酸でエステル化する場合は、触媒として無機酸(硫酸、塩酸、硝酸、リン酸など)または有機酸(p−トルエンスルホン酸など)を使用して、80〜150℃で加熱攪拌して系外に水分を除去しながら進行させることができる。また、カルボン酸ハロゲン化物もしくはカルボン酸無水物でエステル化する場合は、無触媒もしくはピリジンなどの触媒を使用して、80〜150℃で加熱攪拌して進行させることができる。
エステル化反応終了後は、必要により触媒除去、脱酸および脱色などを行って精製してもよい。
例えば、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、油分、多価アルコール類、糖類、ビタミン類、植物抽出液、保湿剤、シリコーン、キレート剤、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、着色料およびフィラーなどの任意の添加剤が使用できる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の部は重量部、%は重量%を示す。
撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製オートクレーブに、1,2−n−ドデカンジオール202部(1モル部)、水酸化カリウム0.2部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(約20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでEO55部(1.25モル部)を150℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2となるように導入した。8時間後、所定量のEOが導入された1,2−n−ドデカンジオールEO付加物(A0−1)257部を得た。EOの付加モル数分布は表1に示した。
撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製コルベンに、上記(A0−1)を257部(1モル部)、ラウリン酸440部(2.2モル部)、トルエン700部およびp−トルエンスルホン酸5部を仕込み、115℃で環流下に水分を除去しながら8時間エステル化反応させた。反応終了後、20℃に冷却し、5%水酸化ナトリウム水溶液200部を攪拌しながら投入し、3時間静置したのち下層を分液除去して、上層は減圧下に80℃でトルエンを留去し、50℃で濾過して、エステル化物(A−1)を得た。
撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製オートクレーブに、1,2−ジヒドロキシ−n−デカン174部(1モル部)、過塩素酸アルミニウム9水塩0.2部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(約20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでEO110部(2.5モル部)を95℃にて、ゲージ圧が1〜2kgf/cm2となるように導入した。8時間後、所定量のEOが導入された1,2−n−デカンジオールEO付加物(A0−2)284部を得た。EOの付加モル数分布は表1に示した。
撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製コルベンに、上記(A0−2)を284部(1モル部)、n−オクタン酸316.8部(2.2モル部)、トルエン500部およびp−トルエンスルホン酸5部を仕込み、115℃で環流下に水分を除去しながら8時間エステル化反応させた。反応終了後、20℃に冷却し、5%水酸化ナトリウム水溶液200部を攪拌しながら投入し、3時間静置したのち下層を分液除去して、上層は減圧下に80℃でトルエンを留去し、50℃で濾過して、エステル化物(A−2)を得た。
原料の1,2−ジオールの種類と量、および触媒としての水酸化カリウムの量、およびアルキレンオキサイドの種類と量、カルボン酸の種類と量を表1に示したように代えたこと以外は製造例1と同様にして製造例3〜5の1,2−ジオールアルキレンオキサイド付加物のエステル化物(A−3)〜(A−6)を得た。これらの付加モル数分布は表1に示した。
撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製コルベンに、1,2−n−ドデカンジオール202部(1モル部)、n−ラウリン酸440部(2.2モル部)、トルエン600部およびp−トルエンスルホン酸5部を仕込み、115℃で環流下に水分を除去しながら8時間エステル化反応させた。反応終了後、20℃に冷却し、5%水酸化ナトリウム水溶液200部を攪拌しながら投入し、3時間静置したのち下層を分液除去して、上層は減圧下に80℃でトルエンを留去し、50℃で濾過して、エステル化物(X−1)を得た。
8D:1,2−n−オクタンジオール
10D:1,2−n−デカンジオール
12D:1,2−n−ドデカンジオール
16D:1,2−n−ヘキサデカンジオール
24D:1,2−n−テトラエイコサンジオール
EO:エチレンオキサイド
PO:1,2−プロピレンオキサイド
<油性クレンジング用組成物の製造>
上記の製造例で得られた(A−1)〜(A−5)、並びに比較品(A0−1)、(A0−2)および(X−1)を、表2に示した部数、並びに液状油として流動パラフィンおよびパルミチン酸オクチルを表2に示した部数を配合して、油性クレンジング用組成物を調製した。
(1)低温安定性の評価
各油性クレンジング用組成物について25℃および0℃で24時間、並びに−5℃で6ヶ月間、静置し、外観の変化を目視で観察した。結果を表2に示す。
評価基準
○; 透明液状
△; 若干濁りがある/若干分離傾向
×; 著しく濁りがある/分離
(2)皮膚刺激性の評価
各油性クレンジング組成物を調製し、男女各5名による人パッチテスト(クローズド、48時間、上腕内側)を行い、次の基準で評価しその合計点で表した。
評価基準
反応(紅斑)無し ; 3点
ごく軽度の紅斑 ; 2点
明瞭な紅斑 ; 1点
強度の紅斑 ; 0点
20名のパネラーがファンデーションを顔全体に塗布し約30分間乾燥させた後、各クレンジング用組成物3mLを手にとり、指を使って顔全体に伸ばしてファンデーションと良くなじませた後、約35℃のお湯で洗い流した。このときの洗い流しやすさ、洗い上がりのさっぱり感、および潤い感(湿潤性)を次の採点基準で表し、20名の平均点で評価した。
採点基準
非常に良い ;5点
良い ;4点
普通 ;3点
悪い ;2点
非常に悪い ;1点
50mLのスクリュー管に各クレンジング用組成物1gと水19gを入れ、30秒間振とう混合し、1時間静置後の外観を肉眼で観察し、次の基準で評価した。
評価基準
○; 均一に全体が乳白色(乳化状態良)
△; 均一であるが、薄い白濁(乳化状態やや悪)
×; 均一になっていない、油滴が分離(乳化状態悪)
前腕部にメイク(リップカラー赤、50mg/4cm2)を均一に塗布し、5分間室温
にて乾燥させた。その後、各クレンジング用組成物1.0gを、指を用いて通常のメイク落とし行為と同様に塗布部全体に約30秒間なじませ、その後35℃の水道水でこすらずに洗い流し、乾燥後のメイク残存率を求め、洗浄力を次の基準で評価した。なお、メイク残存率は分光測色計(Spectro Photometer SD5000、日本電色製)を用いてリップカラー塗布前後、クレンジング用組成物使用後の色を測定し、下式から洗浄力を求めた。
洗浄力(%)=100−[(E2−E0)/(E1−E0)}×100
E0; リップカラー塗布前の色
E1; リップカラー塗布後の色
E2; クレンジング料使用後の色
<ヘアーコンディショナーの製造>
上記の製造例で得られた(A−1)〜(A−5)、および比較品(A0−1)、(A0−2)、(X−1)を、下記に示した部数、並びにその他の成分として下記の成分を使用してヘアーコンディショナー(100部)を調製した。
2.0部
ポリオキシエチレン(平均10モル)セチルエーテル 1.0部
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0部
セチルアルコール 5.0部
グリセリン 5.0部
パラオキシ安息香酸メチル 0.1部
精製水 残余
各ヘアーコンディショナーについて25℃および0℃で24時間、並びに−5℃で6ヶ月間、静置し、外観の変化を目視で観察した。結果を表3に示す。
評価基準
○; 透明液状
△; 若干濁りがある/若干分離傾向
×; 著しく濁りがある/分離
(2)毛髪の柔軟性および潤い感の評価
各ヘアーコンディショナーについて、女性パネラー20名によって、1日1回、3日間使用して、毛髪の柔らかさ(柔軟性)、および潤い感(湿潤性)を次の採点基準で表し、20名の平均点で評価した。
採点基準
非常に良い ;5点
良い ;4点
普通 ;3点
悪い ;2点
非常に悪い ;1点
毛髪用組成物としてはシャンプー、リンス、ヘアートリートメント、ヘアーコンディショナー、ヘアクリーム等が挙げられる。
Claims (6)
- 一般式(1)で示される化合物の1種または2種以上からなる成分(A)を必須成分として含有してなる外用組成物。
- 成分(A)が、一般式(2)で示される1,2−ジオールにアルキレンオキサイドを付加反応させて得られるアルキレンオキサイド付加物と、カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とのエステル化物である請求項1記載の外用組成物。
- アルキレンオキサイド付加物が、1,2−ジオールにアルキレンオキサイドを平均付加モル数0.5〜50で付加させて得られた付加物である請求項2記載の外用組成物。
- アルキレンオキサイド付加物中の未反応1,2−ジオールの含有量が、アルキレンオキサイド付加物の重量に基づいて50重量%未満である請求項2または3記載の外用組成物。
- 外用組成物が化粧料である請求項1〜4のいずれか記載の外用組成物。
- 外用組成物が頭髪用である請求項1〜4のいずれか記載の外用組成物。
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