JP2008087409A - アルミ合金筐体構造及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルミ合金板材表面に湿式化学処理を行なうことなく、微細な凹凸を形成して積層するプラスチック材との密着性を向上する。
【解決手段】被加工アルミ合金の筐体表面にレーザー照射により微細孔31を有する凹陥3を多数形成し、該筺体を金型内でプラスチック射出成形によりプラスチック層を積層して結合する。
凹陥とその内面の微細孔により、アンカー効果を発揮してプラスチック層との密着性が向上する。また、物理的加工によるため、廃液処理などの環境負荷の大きい処理が不要となる。
【選択図】図1
【解決手段】被加工アルミ合金の筐体表面にレーザー照射により微細孔31を有する凹陥3を多数形成し、該筺体を金型内でプラスチック射出成形によりプラスチック層を積層して結合する。
凹陥とその内面の微細孔により、アンカー効果を発揮してプラスチック層との密着性が向上する。また、物理的加工によるため、廃液処理などの環境負荷の大きい処理が不要となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、アルミ合金筐体構造及びその製造方法に関するもので、機械加工方法で、特にアルミ合金材の表層に細微孔を具えた凹み部を成型し、続いてプラスチック材料の射出成形によりアルミ合金とプラスチックの複合体を形成する構造とその製造方法である。
アルミ合金は、比重が小さく、錆びにくく、加工が容易で且つ設置が簡単という特徴を具え、3C製品の外筐用、特にノート型パソコンの外筐と携帯電話の外筐体に広く応用されている。筐体はこの種の製品を保護する直接的な部品で、通常アルミ合金の筐体上には耐熱性、安定性及び成形性の高いプラスチック材を積層して強度を高める。
公知のプラスチック材でアルミ合金の強度を向上する方法は、通常先ずアルミ合金の表層に化学エッチングを行い、アルミ合金板材の表層に皺状の凹凸の凹紋を形成させる。続いてプラスチック材をアルミ合金板材上に流し込む。しかしながら、化学エッチングには致命的な欠点がある。それは処理過程に於いて、大量の強酸性と強アルカリ性のエッチング廃液が発生するため、加工後の板材を長時間洗浄しなければならず、更に再生できない洗浄廃液が発生する。このため、公知のエッチング技術はアルミ合金の加工はできても、工程上の手間と時間がかかり、且つエッチング後に発生する危険度の高い化学廃液が発生し、重複使用ができない。更に作業員に作業環境の負担を掛ける。環境保護の概念が高まっている今日、エッチング廃液の処理問題は、できるだけ早く解決しなければならない問題である。
特開2000−43205号公報
解決しようとする問題点は、公知のプラスチック材をアルミ合金材に積層して強度を向上するにはその密着性を確保するため化学のエッチングによる表面処理を行なうが、この種の方法は加工後にエッチング廃液が発生し、環境に対する負荷が大きい。
本発明は、加工したいアルミ合金の筐体を加工装置内に設置し、化学溶液を含まない機械加工方式でアルミ合金の筐体の表層に複数個の微細孔を具えた凹陥部を成形し、高流動性のプラスチック材を金型と共に射出成型方式で直接凹陥部に結合させる。これにより、アルミ合金の筐体上に環境を汚染せず、且つ結合性の高いアルミ合金とプラスチックの複合体が形成されることを最も主要な特徴とする。
本発明のアルミ合金筐体構造及びその製造方法は、上述の欠点を改善し、従来のエッチング加工後の合金を洗浄、乾燥させるステップを省き、直接機械加工したアルミ合金にプラスチック材を塗布し、一貫作業を達成し、時間と工程を省き、更に環境保護の要求に応えるという利点がある。
本発明の主な目的は、アルミ合金筐体構造及びその製造方法を提供することで、そのうち加工処理方法は、アルミ合金板材の表層に機械加工方式で、複数個の微細孔を具えた凹陥部を形成し、続いてプラスチック材の射出成型により該凹陥部を充填して積層し、アルミ合金とプラスチック複合体を形成する。
本発明の別の目的は、アルミ合金筐体構造及びその製造方法を提供し、そのうち製造過程では物理的加工方式を用い、公知の化学エッチング溶液の使用を必要でない。それによりエッチング終了後の板材を洗浄するために費やされる大量な時間を省き、アルミ合金板材の加工効率を高め、加工工程で発生する環境汚染を防ぐ。
図1、2に示すのは、本発明のアルミ合金筐体構造の断面図で、アルミ合金板材1及び複合プラスチック層(図未提示)を含む。そのうち、アルミ合金板材1は、物理的機械加工処理2、例としてマイクロ機械加工もしくはコンピュータ制御の高機能レーザ装置のレーザビームを使用し、接触式もしくは非接触式で、この板材1の表層11に一定の深さで、更にその表面に分布した複数個の深浅不等の微細孔31、31´を具えた凹陥部3を形成し、それによってこの凹陥部3内の表面の接触面積を大幅に増大する。
更に、予め加工済みのアルミ合金板材1をそれに合わせた金型(図未提示)にセットし、高流動性のプラスチック材であるPBTもしくはPBT+PCを射出方式で凹陥部3内に入れて成型し、アルミ合金とプラスチックの複合体を形成する。
上述に示した説明及び図に基づき、本発明はアルミ合金筐体構造及びその製造方法を提供する。その製造過程は、先ず加工するアルミ合金の表層に機械加工処理、例としてマイクロ機械加工もしくはコンピュータ制御のレーザ装置で、表面が平坦な板体に複数個の微細孔を具えた凹陥部を形成する。続いてプラスチック材(PBTもしくはPBT+PC)を金型内で射出成型により凹陥部内に充填して直接結合させる。プラスチックの冷却凝固を待って被加工板材を金型から取り出すと、その表面はアルミ合金とプラスチック材が結合したアルミ合金とプラスチックの複合体が形成される。
本発明の長所は下述のとおりである。
国内金型業及び3C産業の発展から見て、高速化、高生産効率の製造方式は、将来の発展に欠かせないものである。本発明は、アルミ合金板材を加工した後、即座にそれにあわせた金型に入れ、プラスチック材を射出方式でその上に成型し、公知の複雑な工程を省き、二段階のステップだけで完了する一貫生産作業であり、生産速度及びコストを大幅に縮小し、大きな経済利益を得ることができる。
国内金型業及び3C産業の発展から見て、高速化、高生産効率の製造方式は、将来の発展に欠かせないものである。本発明は、アルミ合金板材を加工した後、即座にそれにあわせた金型に入れ、プラスチック材を射出方式でその上に成型し、公知の複雑な工程を省き、二段階のステップだけで完了する一貫生産作業であり、生産速度及びコストを大幅に縮小し、大きな経済利益を得ることができる。
本発明は、コンピュータ制御の機械加工方式、例としてマイクロ機械加工もしくはレーザ加工を採用するため、複雑な形状のアルミ合金板材を正確でスピーディに処理でき、早く、安く、良好な複合成型技術は大きな競争力と発展潜在性を具える。
本発明では、公知の化学エッチング技術を使わず、物理性の機械加工方式を用いるため、大量の危険な化学廃液の発生を防ぎ、作業者に対して危険度を大幅に下げただけでなく、環境保護にも大いに役立つ。
1 アルミ合金材
11 表層
2 機械加工処理
3 凹陥部
31 細微孔
31´ 微細孔
11 表層
2 機械加工処理
3 凹陥部
31 細微孔
31´ 微細孔
Claims (10)
- アルミ合金筐体表面をプラスチック材料で覆うと共に、
板材の表層に物理的加工によって形成した複数の微細孔を備えた凹陥部に該プラスチック材料を充填して、結合性を向上したこと
を特徴とするアルミ合金筐体構造。 - 前記物理的加工処理は、マイクロ機械加工で、接触式加工方式でアルミ合金の表層に複数個の微細孔を具えた凹陥部を形成したものであることを特徴とする請求項1記載のアルミ合金筐体構造。
- 前記アルミ合金筐体構造は、アルミ合金板材の表層に複数個の微細孔を具えた凹陥部を斜めに形成したものであることを特徴とする請求項1記載のアルミ合金筐体構造。
- 前記複合プラスチック層は、高流動性のプラスチック材料で、射出成形により上記アルミ合金板材の凹陥部内に充填・結合したことを特徴とする請求項1記載のアルミ合金筐体構造。
- 前記高流動性のプラスチック材料は、PBTもしくはPBT+PCであることを特徴とする請求項4記載のアルミ合金筐体構造。
- 1.アルミ合金筐体表面に物理的加工により複数の微細孔を内面に形成した凹陥 部を形成し、
2.該アルミ合金筐体を金型内にセットして、プラスチック材料の射出成形によ り、該プラスチック材料を該アルミ合金筐体上に積層すると共に、該凹陥部 内に充填せしめて結合する、
ことを特徴するアルミ合金筐体の製造方法。 - 前記ステップ1の物理的加工処理は、コンピュータ制御のレーザ加工装置による、レーザー照射であることを特徴とする請求項6記載のアルミ合金筐体の製造方法。
- 前記ステップ1の物理的加工処理は、マイクロ機械処理で、接触式加工方式でアルミ合金板材の表層に複数個の微細孔を具えた凹陥部を形成することを特徴とする請求項6記載のアルミ合金筐体の製造方法。
- 前記ステップ1の物理的加工処理は、アルミ合金板材の表層に複数個の微細孔を具えた凹陥部を形成することを特徴とする請求項6記載のアルミ合金筐体の製造方法。
- 前記ステップ2のプラスチック材は、PBTもしくはPBT+PCの高流動性のプラスチック材とすることを特徴とする請求項6記載のアルミ合金筐体の製造方法。
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