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JP2008060188A - 点火コイル - Google Patents

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JP2008060188A JP2006233051A JP2006233051A JP2008060188A JP 2008060188 A JP2008060188 A JP 2008060188A JP 2006233051 A JP2006233051 A JP 2006233051A JP 2006233051 A JP2006233051 A JP 2006233051A JP 2008060188 A JP2008060188 A JP 2008060188A
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Abstract

【課題】保水チャンバ内に水を留めることによってプラグホール内へ洗浄水等の水が浸入することを確実に防止でき、保水チャンバ内に留まった水を容易に排水できる点火コイルを提供すること。
【解決手段】点火コイル1は、一次コイル21及び二次コイル22を収容するコイルケース部3と、コイルケース部3に連結したコネクタケース部4とを有している。コネクタケース部4の側部には、コネクタケース部4の外部から浸入する水を留めることができる保水チャンバ41と、保水チャンバ41をプラグホール81内に連通させるための連通路42とが形成してある。保水チャンバ41は、コネクタケース部4の軸方向下端側D2に換気口411を有している。保水チャンバ41と連通路42とは、コネクタケース部4の軸方向上端側D1において連通してある。プラグホール81内と外部との換気は、連通路42、保水チャンバ41及び換気口411を経由して行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関において、スパークプラグにおける一対の電極間にスパークを発生させるために用いる点火コイルに関する。
ガソリン等を用いて燃焼を行う内燃機関においては、エンジンに設けたプラグホール内に点火コイルのコイル本体部を挿入配置し、このコイル本体部の軸方向先端部に装着したスパークプラグによって着火して、エンジンの燃焼を行っている。また、プラグホール内は、高電圧に伴うオゾンガス等が発生する。そのため、これらのガスをプラグホールの外部の外気と換気するために、点火コイルに換気通路を形成している。
また、内燃機関においては、プラグホール内の圧力は、エンジンが暖まった状態から冷やされていく過程においては、プラグホール内のガスが冷却されることにより負圧となる。このとき、点火コイルが被水した状態にあると、上記換気通路からプラグホール内へ水が浸入するおそれがある。そのため、水の浸入を防止するために、点火コイルとプラグホールの開口部との間に配置するシールラバー等において、換気通路の形成に工夫を行っている。
上記換気通路に工夫を行った点火コイル(点火装置)としては、例えば、特許文献1に開示された内燃機関用点火コイルがある。この点火コイルは、筒部をエンジンに設けたプラグホールに挿入すると共にプラグホールに配設したスパークプラグに装着し、頭部をプラグホールの外部に配置して用いる。また、頭部とエンジンヘッドカバーとの間には、プラグホールの上部をシールする環状のシール部材(シールラバー)を配置し、頭部及びシール部材に、プラグホール内と外部とを連通させる軸方向通路を形成している。また、軸方向通路に連通して径方向溝を形成しており、径方向溝をキャップによって覆っている。
そして、キャップによって、エンジンヘッドカバー上に溜まった水がプラグホール内に浸入することを防止している。
しかしながら、上記特許文献1の点火コイルにおける防水構造は、キャップによって点火コイルの頭部へ水が浸入することを防止するものである。そのため、キャップと頭部との間に形成された隙間から、頭部内へ水が浸入するおそれがある。
また、エンジンへの被水には、雨水や寒冷地の塩水の他、カーシャンプー等の洗浄水もある。特に、洗浄水には界面活性剤が含まれており、洗浄水が点火コイルに被水すると、毛細管現象で上記キャップと頭部との間の隙間に留まるおそれがある。そして、この状態において、プラグホール内のガスが冷却されることにより、プラグホール内が負圧になると、容易にプラグホール内へ洗浄水が浸入してしまうおそれがある。
特開平9−158820号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、保水チャンバ内に水を留めることによってプラグホール内へ洗浄水等の水が浸入することを確実に防止することができ、かつ、保水チャンバ内に留まった水を容易に排水することができる点火コイルを提供しようとするものである。
第1の発明は、一次コイル及び二次コイルを収容するコイルケース部と、該コイルケース部の軸方向上端側に連結した電気接続用のコネクタケース部とを有し、上記コイルケース部をエンジンのプラグホール内に挿入配置すると共に、上記コネクタケース部を上記プラグホールの外部に配置して用いる点火コイルにおいて、
上記コネクタケース部の側部には、該コネクタケース部の外部から浸入する水を留めることができる保水チャンバと、該保水チャンバを上記プラグホール内に連通させるための連通路とが形成してあり、
上記保水チャンバは、上記コネクタケース部における軸方向下端側に換気口を有しており、
上記保水チャンバと上記連通路とは、上記コネクタケース部における軸方向上端側において連通してあり、
上記プラグホール内と外部との換気は、上記連通路、上記保水チャンバ及び上記換気口を経由して行うよう構成してあることを特徴とする点火コイルにある(請求項1)。
本発明の点火コイルは、上記コネクタケース部の側部に、上記保水チャンバ及び連通路を形成してなる。また、保水チャンバは、コネクタケース部における軸方向下端側に換気口を有しており、保水チャンバと連通路とは、コネクタケース部における軸方向上端側において連通してある。
そして、プラグホール内のガスは、連通路から保水チャンバへと流れ、保水チャンバの換気口から点火コイルの外部へと排気することができる。これにより、プラグホール内と外部との換気を行うことができる。
また、点火コイルを用いた内燃機関において燃焼を行い、エンジンが暖まった状態から冷やされていく過程においては、プラグホール内が負圧になる。このとき、点火コイルのコネクタケース部が被水した状態にあると、コネクタケース部の外部の水は、換気口から保水チャンバ内へ浸入するものの、この水は、保水チャンバ内に留めることができる。
そして、保水チャンバと連通路とは、コネクタケース部における軸方向上端側において連通してあることにより、保水チャンバから連通路内へ水が浸入してしまうことを防止することができる。
さらに、コネクタケース部に被水した水が雨水や寒冷地の塩水である場合だけでなく、カーシャンプー等の洗浄水である場合でも、この洗浄水を保水チャンバ内に留めることができる。これにより、点火コイルが被水した状態にあっても、プラグホール内へ洗浄水等の水が浸入してしまうことを確実に防止することができる。
また、保水チャンバ内に留まった水は、エンジンが冷やされた状態から暖まっていく過程において、プラグホール内が正圧又は常圧に変わるときに、コネクタケース部における軸方向下端側に形成した換気口から容易に排水することができる。
それ故、本発明の点火コイルによれば、保水チャンバ内に水を留めることによってプラグホール内へ洗浄水等の水が浸入することを確実に防止することができ、保水チャンバ内に留まった水を容易に排水することができる。
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記保水チャンバの容積は、上記連通路の容積よりも大きくすることが好ましい(請求項2)。この場合には、コネクタケース部の外部から保水チャンバ内に浸入する水を一層容易に、保水チャンバ内に留めることができる。
また、上記換気口の開口面積は、上記保水チャンバの容積空間における横断面積よりも小さくすることが好ましい(請求項3)。この場合には、換気口付近に、水が勢い良くかかったとしても、保水チャンバへ浸入する水量を抑制することができる。
また、上記保水チャンバは、径方向に対して周方向に長い扁平形状に形成することができる(請求項4)。この場合には、点火コイルのコイルケース部が大型化することを抑制して、容易に容積が大きな保水チャンバを形成することができる。
また、上記保水チャンバは、上記コネクタケース部の側部の形状に沿って形成することができる(請求項5)。この場合には、点火コイルのコイルケース部が大型化することを抑制して、一層容易に容積が大きな保水チャンバを形成することができる。
また、上記連通路は、上記コネクタケース部における軸方向上端側から軸方向下端側に向けて形成することができる(請求項6)。この場合には、容易に連通路を形成することができる。
また、上記連通路は、上記保水チャンバ内に形成することができる(請求項7)。この場合には、コイルケース部が大型化することを抑制して、容易に連通路を形成することができる。
また、上記コイルケース部の外周には、上記コネクタケース部の軸方向下端側と上記プラグホールの開口部との間をシールするシールラバーが装着してあり、該シールラバーと上記コネクタケース部及び上記コイルケース部との間には、上記連通路の軸方向下端側と上記プラグホール内とを連通するラバー通路を形成することができる(請求項8)。この場合には、シールラバーによって、コネクタケース部とプラグホールの開口部との間から、プラグホール内へ水が浸入することを容易に防止することができる。また、プラグホール内と外部との換気は、ラバー通路、連通路、保水チャンバ及び換気口を経由して容易に行うことができる。
以下に、本発明の点火コイルにかかる実施例につき、図面と共に説明する。
(実施例1)
本例の点火コイル1は、図1に示すごとく、一次コイル21及び二次コイル22を収容するコイルケース部3と、このコイルケース部3の軸方向上端側D1に連結した電気接続用のコネクタケース部4とを有している。この点火コイル1は、スティックタイプのものであり、コイルケース部3をエンジンのシリンダヘッドカバー8のプラグホール81内に挿入配置すると共に、コネクタケース部4をプラグホール81の外部に配置して用いる。
図2〜図4に示すごとく、コネクタケース部4の側部には、このコネクタケース部4の外部から浸入する水を留めることができる保水チャンバ41と、この保水チャンバ41をプラグホール81内に連通させるための連通路42とが形成してある。保水チャンバ41は、コネクタケース部4における軸方向下端側D2に換気口411を有している。保水チャンバ41と連通路42とは、コネクタケース部4における軸方向上端側D1において連通してある。プラグホール81内と外部との換気は、連通路42、保水チャンバ41及び換気口411を経由して行うよう構成してある。
以下に、本例の点火コイル1につき、図1〜図4と共に詳説する。
図1、図2に示すごとく、本例の点火コイル1においては、コネクタケース部4によって、点火コイル1のコネクタ頭部12を形成し、コイルケース部3によって、点火コイル1のコイル本体部11を形成する。そして、点火コイル1は、コイル本体部11を、エンジンのシリンダヘッドカバー8のプラグホール81内に取り付けたスパークプラグに装着して用いる。
図1に示すごとく、上記一次コイル21は、断面円環状の熱可塑性樹脂からなる一次スプール211の外周に、絶縁被覆した一次巻線を巻回してなる。上記二次コイル22は、断面円環状の熱可塑性樹脂からなる二次スプール221の外周に、絶縁被覆した二次巻線を巻回してなる。また、二次巻線は、一次巻線よりも細径であり、二次スプール221には、一次巻線よりも多い巻回数で二次巻線が巻回してある。
一次コイル21及び二次コイル22の内周側には、磁性体からなる棒状の中心コア23が配置してあり、一次コイル21及び二次コイル22の外周側には、磁性体からなる筒状の外周コア24が配置してある。また、本例においては、一次コイル21の内周側に二次コイル22が挿通してあり、二次コイル22の内周側に中心コア23が挿通してある。
また、中心コア23、二次コイル22、一次コイル21及び外周コア24は、コイルケース部3内に収容してある。本例のコネクタケース部4は、樹脂の一体成形により、コイルケース部3から延長形成してある。
図1に示すごとく、コネクタケース部4内には、一次コイル21へ電力を供給する電力供給回路等を備えたイグナイタ431が配置してある。図2に示すごとく、本例のイグナイタ431は、コネクタケース部4と共にコネクタ頭部12を形成するイグナイタケース部43に配設してある。すなわち、コネクタ頭部12における側壁の一部は、イグナイタケース部43によって形成してあり、側壁の残部がコネクタケース部4によって形成してある。
本例の中心コア23は、平板状の電磁鋼板(珪素鋼板等)を点火コイル1の径方向に積層して、断面略円形状に形成してある。本例の外周コア24は、コイルケース部3の内周面の形状に沿って円筒状に形成した電磁鋼板(珪素鋼板等)を径方向に積層してなる。また、中心コア23の外周には、PET(ポリエチレンテレフタレート)等からなる応力緩和シートが巻き付けてある。
また、図2に示すごとく、イグナイタケース部43には、径方向外方に突出してコネクタ接続部432が形成してある。コネクタ接続部432は、ワイヤハーネスを介してエンジンの電子制御ユニット(ECU)に電気接続される。イグナイタ431における複数の導電ピンは、コネクタ接続部432内にインサート成形した導電ピンと導通されている。
また、コネクタケース部4には、点火コイル1をエンジンのシリンダヘッドカバー8に取り付けるためのフランジ部44が形成してある。
本例の保水チャンバ41は、コネクタケース部4の周方向において、コネクタ接続部432又はフランジ部44を形成していない側部の位置に形成している。本例においては、コネクタケース部4の平面(軸方向Dに直交する平面)において、コネクタ接続部432とフランジ部44とは、90°異なる側部の位置に形成してあり、保水チャンバ41は、コネクタ接続部432又はフランジ部44と90°又は180°異なる側部の位置に形成してある。
図2に示すごとく、本例の保水チャンバ41は、コネクタケース部4の側部において、フランジ部44の形成位置と180°異なる側部の位置に形成してある。また、保水チャンバ41は、コネクタケース部4の側部の形状に沿って、径方向に対して周方向に長い扁平形状(具体的には、長円形状)に形成してある。すなわち、保水チャンバ41の容積空間における横断面(軸方向Dに垂直な方向における断面の形状)が、上記扁平形状(長円形状)となっている。
なお、その保水チャンバ41の横断面形状は、長円形状に限らず、楕円形状や長方形形状であってもよく、コネクタケース部4の側部において、効果的に空間容積を確保できるよう適宜選択の上、設定してもよい。
本例の保水チャンバ41の容積は、プラグホール81内のガスが冷やされて、プラグホール81内が負圧になったときに生じる当該ガスの体積収縮量以上の大きさに形成してある。これにより、プラグホール81の負圧時に換気口411から吸い込む水が、保水チャンバ41を経由して連通路42まで到達してしまうことを防止することができる。
図1、図3、図4に示すごとく、本例の連通路42は、コネクタケース部4における軸方向上端側D1から軸方向下端側D2に向けて形成してある。本例の連通路42は、点火コイル1の軸方向Dに平行に形成してある。また、連通路42は、保水チャンバ41内に形成した通路用突起部421の上下に形成した貫通穴によって形成してある。また、連通路42は、通路用突起部421の上端面に形成した連通用溝422によって、保水チャンバ41に連通してある。また、保水チャンバ41の容積は、連通路42の容積よりも大きくなっている。
図2に示すごとく、換気口411は、保水チャンバ41の軸方向下端側D2において、複数箇所に形成してある。これにより、プラグホール81の負圧時において、換気口411から水を吸い込む以外にも空気を吸い込む可能性を高めることができる。そして、換気口411から空気を吸い込むことにより、容易にプラグホール81内の負圧化現象を緩和することができる。また、換気口411の開口面積は、保水チャンバ41の容積空間における横断面積よりも小さくなる大きさに設定してある。
図3に示すごとく、換気口411の一部は、保水チャンバ41の側壁に沿って形成してある。また、本例の換気口411は、保水チャンバ41から下方に向けて形成してある。これに対し、換気口411は、保水チャンバ41の軸方向下端側D2において、側方に開口して形成することもできる。
また、図3、図4に示すごとく、保水チャンバ41は、その軸方向下端側D2に底部を有して形成した後、その軸方向上端側D1にグロメット45(ゴム製の埋栓)を装着して、空間形状に形成してある。すなわち、グロメット45の断面形状は、保水チャンバ41の横断面形状と同じく、長円形状となっている。そして、このグロメット45が、保水チャンバ41内の上部位置に封入されることにより、保水チャンバ41の内周壁が外部に対してシールされている。
また、連通路42と保水チャンバ41とは、通路用突起部421の上端面に形成した連通用溝422と、グロメット45の下端面との間によって形成した孔によって連通してある。
また、コネクタケース部4の軸方向上端側D1には、グロメット45を含めコネクタケース部4の開口部の全体を覆うカバー46が配設してある。これにより、グロメット45が直接被水することを防止している。なお、グロメット45を用いる代わりに、保水チャンバ41の軸方向上端側D1に蓋をして、この蓋を接着又は溶着等によって固定することもできる。
また、図3、図4に示すごとく、コイルケース部3の外周には、コネクタケース部4の軸方向下端側D2とプラグホール81の開口部811との間をシールするシールラバー5が装着してある。このシールラバー5とコネクタケース部4及びコイルケース部3との間には、連通路42の軸方向下端側D2とプラグホール81内とを連通するラバー通路51が形成してある。
また、図1に示すごとく、ラバー通路51は、コネクタケース部4の軸方向下端側D2において、周方向に環状形成した環状通路部511と、この環状通路部511の周方向における一部からプラグホール81内に連通するよう軸方向Dに形成した軸方向通路部512とを有している。環状通路部511は、コネクタケース部4とシールラバー5とによって囲まれた空間によって形成してあり、軸方向通路部512は、シールラバー5に形成した溝とコイルケース部3との間に形成してある。
シールラバー5によって、コネクタケース部4とプラグホール81の開口部811との間から、プラグホール81内へ水が浸入することを容易に防止することができる。また、プラグホール81内と外部との換気は、ラバー通路51、連通路42、保水チャンバ41及び換気口411を経由して容易に行うことができる。
また、図示は省略するが、プラグホール81の底部には、スパークプラグが取り付けてあり、本例の点火コイル1は、コイルケース部3の軸方向下端側D2にスパークプラグに装着するためのプラグ装着部を有している。このプラグ装着部は、スパークプラグの碍子部を嵌入するゴム製のプラグキャップと、二次コイル22の高電圧巻線端部に導通させた高電圧端子と、この高電圧端子に導通させたコイルスプリングとを有している。コイルスプリングの軸方向下端側は、スパークプラグの碍子部の先端に形成した端子部と導通される。
また、図1に示すごとく、コイルケース部3及びコネクタケース部4等によって囲まれた点火コイル1の間隙内には、充填用樹脂15が充填してある。本例の充填用樹脂15は、熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂である。そして、点火コイル1における充填用樹脂15は、点火コイル1の各構成部品の組付を行った後、当該点火コイル1の間隙内を真空状態にし、この真空状態の間隙内に液状のエポキシ樹脂を充填し、その後エポキシ樹脂を硬化させて形成したものである。
上記点火コイル1において、ECUからのパルス状のスパーク発生信号によって、一次コイル21に電流を流したときには、中心コア23及び外周コア24を通過する磁界が形成される。次いで、一次コイル21に流す電流を遮断したときには、上記磁界の形成方向とは反対方向に向けて、中心コア23及び外周コア24を通過する誘導磁界が形成される。そして、この誘導磁界の形成により、二次コイル22に高電圧の誘導起電力(逆起電力)が発生し、点火コイル1に取り付けたスパークプラグにおける一対の電極間にスパークを発生させることができる。
本例の点火コイル1においては、プラグホール81内のガスは、ラバー通路51及び連通路42を経由して保水チャンバ41へと流れ、保水チャンバ41の換気口411から点火コイル1の外部へと排気することができる。これにより、プラグホール81内と外部との換気を行うことができる。
また、点火コイル1を用いた内燃機関において燃焼を行い、エンジンが暖まった状態から冷やされていく過程においては、プラグホール81内が負圧になる。このとき、点火コイル1のコネクタケース部4が被水した状態にあると、コネクタケース部4の外部の水は、換気口411から保水チャンバ41内へ浸入するものの、この水は、保水チャンバ41内に留めることができる。
そして、保水チャンバ41と連通路42とは、コネクタケース部4における軸方向上端側D1において連通してあることにより、保水チャンバ41から連通路42内へ水が浸入してしまうことを防止することができる。
また、保水チャンバ41の容積を十分に大きくしているため、たとえ複数の換気口411が水によって完全に塞がれている場合であっても、この水が保水チャンバ41から溢れて、連通路42まで到達することを防止することができる。
また、換気口411の開口面積を、保水チャンバ41の容積空間における横断面積よりも小さく設定しているため、たとえ換気口411の付近に水が勢い良くかかったとしても、保水チャンバ41へ浸入する水量を抑制することができる。
さらに、コネクタケース部4に被水した水が雨水や寒冷地の塩水である場合だけでなく、カーシャンプー等の洗浄水である場合でも、この洗浄水を保水チャンバ41内に留めることができる。これにより、仮に、点火コイル1のコネクタケース部4が水の中に浸水している場合でも、プラグホール81内へ洗浄水等の水が浸入してしまうことを確実に防止することができる。
また、保水チャンバ41内に留まった水は、エンジンが冷やされた状態から暖まっていく過程において、プラグホール81内が正圧又は常圧に変わるときに、コネクタケース部4における軸方向下端側D2に形成した換気口411から容易に排水することができる。また、換気口411は、保水チャンバ41の軸方向下端側D2に形成してあることにより、保水チャンバ41内に留まった水は、プラグホール81の内圧によって押し出されるまでもなく、自然排水することも可能である。
それ故、本例の点火コイル1によれば、保水チャンバ41内に水を留めることによってプラグホール81内へ洗浄水等の水が浸入することを確実に防止することができ、かつ、保水チャンバ41内に留まった水を容易に排水することができる。
実施例における、点火コイルのコネクタケース部の周辺を示す図で、図2におけるA−A線矢視断面説明図。 実施例における、点火コイルのコネクタケース部を示す平面説明図。 実施例における、コネクタケース部の保水チャンバの周辺を示す斜視断面説明図。 実施例における、コネクタケース部の保水チャンバの周辺を示す断面説明図。
符号の説明
1 点火コイル
21 一次コイル
22 二次コイル
23 中心コア
24 外周コア
3 コイルケース部
4 コネクタケース部
41 保水チャンバ
411 換気口
42 連通路
43 イグナイタケース部
5 シールラバー
51 ラバー通路
8 シリンダヘッドカバー
81 プラグホール
811 開口部
D 軸方向
D1 軸方向上端側
D2 軸方向下端側

Claims (8)

  1. 一次コイル及び二次コイルを収容するコイルケース部と、該コイルケース部の軸方向上端側に連結した電気接続用のコネクタケース部とを有し、上記コイルケース部をエンジンのプラグホール内に挿入配置すると共に、上記コネクタケース部を上記プラグホールの外部に配置して用いる点火コイルにおいて、
    上記コネクタケース部の側部には、該コネクタケース部の外部から浸入する水を留めることができる保水チャンバと、該保水チャンバを上記プラグホール内に連通させるための連通路とが形成してあり、
    上記保水チャンバは、上記コネクタケース部における軸方向下端側に換気口を有しており、
    上記保水チャンバと上記連通路とは、上記コネクタケース部における軸方向上端側において連通してあり、
    上記プラグホール内と外部との換気は、上記連通路、上記保水チャンバ及び上記換気口を経由して行うよう構成してあることを特徴とする点火コイル。
  2. 請求項1において、上記保水チャンバの容積は、上記連通路の容積よりも大きいことを特徴とする点火コイル。
  3. 請求項1又は2において、上記換気口の開口面積は、上記保水チャンバの容積空間における横断面積よりも小さいことを特徴とする点火コイル。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記保水チャンバは、径方向に対して周方向に長い扁平形状を有していることを特徴とする点火コイル。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記保水チャンバは、上記コネクタケース部の側部の形状に沿って形成してあることを特徴とする点火コイル。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記連通路は、上記コネクタケース部における軸方向上端側から軸方向下端側に向けて形成してあることを特徴とする点火コイル。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、上記連通路は、上記保水チャンバ内に形成してあることを特徴とする点火コイル。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項において、上記コイルケース部の外周には、上記コネクタケース部の軸方向下端側と上記プラグホールの開口部との間をシールするシールラバーが装着してあり、
    該シールラバーと上記コネクタケース部及び上記コイルケース部との間には、上記連通路の軸方向下端側と上記プラグホール内とを連通するラバー通路が形成してあることを特徴とする点火コイル。
JP2006233051A 2006-08-30 2006-08-30 点火コイル Active JP4464376B2 (ja)

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