JP4410198B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents
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Description
この内燃機関用点火装置では、ケースの内面に導電層を形成することで、ギャップ部で放電した放電電流に含まれたノイズが、トランスから空中に放射され、車載電気機器が誤動作するのを防止している。
また、プラスチック製のケースの表面に、薄い金属を貼り付けて導電層を形成しているが、温度変化による導電層の膨張収縮作用で導電層に亀裂が入り、その結果亀裂が生じた導電層の内部で2次コイルの発生高電圧により放電が生じてしまい、放電に伴うノイズが発生するという問題点もあった。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る内燃機関用点火装置を示す断面図である。
この内燃機関用点火装置は、マイナス極放電の内燃機関用点火装置であり、トランス2がケース3内に収納されている。このトランス2は、薄板鋼板が積層された鉄芯1に1次コイル4及び2次コイル5が巻装されている。導電性プラスチックで構成されたケース3内には、トランス2を絶縁、固定した絶縁樹脂6が充填されている。ケース3を構成する導電性プラスチックには、金属繊維が練りこまれている。ケース3の底面部には、挿入孔8を有する高圧タワー7が嵌挿されている。ケース3の一方の側面には、1次コイル4と接続され1次コイル4に励磁電流を供給する入力端子9を有する低圧コネクタ10が設けられている。
高圧タワー7には、ゴム製のプラグブーツ12が嵌着されている。プラグブーツ12には、その中心軸線に沿って貫通孔13が形成されている。この貫通孔13には、点火プラグ14と電気的に接続されるスプリング15が設けられている。
なお、入力端子9の除いた低圧コネクタ10、及び高圧タワー7は、絶縁性プラスチックで構成されているが、入力端子9及び高圧出力端子11のそれぞれを囲う部位を絶縁体で絶縁してあれば、他は導電性プラスチックで形成してもよい。
先ず、高圧出力端子11が挿着された高圧タワー7をケース3に圧入する。
次に、このケース3内に、低圧コネクタ10の入力端子9と電気的に接続されたトランス2を高圧出力端子11と接続して配置する。
その後、絶縁樹脂6をケース3内に低圧コネクタ10側から注入硬化して、低圧コネクタ10、高圧出力端子11及びトランス2を絶縁、固定する。なお、高圧タワー7は、ケース3の嵌合部に圧入固定されており、絶縁樹脂6をケース3内に注入する際にケース3の外に流出しないようになっているが、必要に応じて、嵌合部にシール材を塗布しておいてもよい。
最後に、貫通孔13にスプリング15が挿入されたプラグブーツ12を高圧タワー7に組み付けることで内燃機関用点火装置の組み立てが完成する。
また、ケース3は、導電性プラスチックで構成されているので、ケース3が複雑な形状であっても特別な工数をかけることなく、トランスから外部へのノイズの放射を簡単に防止することができる。
また、金属を貼り付けて形成された導電層に生じた亀裂により新たな放電に伴うノイズが生じるといった、従来のものの不都合は生じない。
また、導電性プラスチックには、金属繊維が練りこまれているので、ケース3の物理的強度は増大し、また絶縁樹脂6の熱膨張、熱収縮に対する耐強度も増大する。
図2はこの発明の実施の形態2に係る内燃機関用点火装置を示す要部断面図である。
この実施の形態では、導電性プラスチックで構成されたケース3は、エンジン18に取り付けられるフランジ部19を有している。
他の構成は、実施の形態1と同様である。
また、トランス2の発生高電圧により帯電したケース3もフランジ部19を通じてGNDに逃がすことができ、トランス2とケース3との間での放電によるノイズの発生も防止することができる。
図3はこの発明の実施の形態3に係る内燃機関用点火装置を示す要部断面図である。
この実施の形態では、トランス2の鉄芯1がケース3の内壁面と面接触している。
他の構成は、実施の形態1と同様である。
図4はこの発明の実施の形態4に係る内燃機関用点火装置を示す断面図である。
この実施の形態では、絶縁樹脂6が充填されるケース3の開口部は、点火プラグ14に対向している。即ち、トランス2の周囲を囲む6面のうち、5面を導電性プラスチックで覆い、部品組立に必要な開口部が点火プラグ14に対向している。
その後、ケース3の開口部に高圧タワー7を例えば治具を用いて仮止めした状態で絶縁樹脂6を開口部からケース3内に注入硬化して、トランス2及び高圧タワー7を固定する。
最後に、内部にスプリング15が挿入されたプラグブーツ12を高圧タワー7に組み付けることで内燃機関用点火装置の組み立てが完成する。
図5はこの発明の実施の形態5に係る内燃機関用点火装置を示す断面図である。
この実施の形態では、トランス2は、薄板鋼板が積層された鉄芯1と、この鉄芯1を囲った一次コイル4と、この一次コイル4を囲った二次コイル5とから構成されている。トランス2の上端部は、導電性プラスチックで構成されたケース3の底面から突出している。ケース3の底面から突出した突出部3aには、筒状の高圧タワー7の上端部が嵌着されている。この高圧タワー7の上部には、1次コイル4に1次電流を通電した際に発生する磁束の通路となる外装鉄芯21が高圧タワー7を囲って設けられている。この外装鉄芯21の上端部は、ケース3の突出部3aを囲っている。
他の構成は、実施の形態1と同様である。
また、高価な導電性プラスチックは、ケース3のみに用いればよく、高コスト化を抑制することができる。
Claims (6)
- 1次コイル、2次コイル及び鉄芯からなるトランスと、
このトランスを収納した6面体のケースと、
このケース内に充填された絶縁樹脂と
を備え、前記1次コイルに1次電流を通電遮断した際に前記2次コイルの高圧側に発生した高電圧を点火プラグに印加する内燃機関用点火装置において、
前記ケースは、前記点火プラグの軸線上に配置されているとともに、この軸線と平行な面には、前記絶縁樹脂が充填される開口部が形成され、
またこの開口部には、前記1次コイルに電気的に接続された低圧コネクタが軸線に対して垂直方向に突出して設けられ、
また前記点火プラグに対向した、前記ケースの面には、前記2次コイルと電気的に接続された高圧出力端子が挿入された挿入孔を有する高圧タワーが嵌挿されており、
前記ケースは、前記開口部の前記面を除いた5面で前記トランスを囲っているとともに、導電性プラスチックで構成されていることを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 1次コイル、2次コイル及び鉄芯からなるトランスと、
このトランスを収納した6面体のケースと、
このケース内に充填された絶縁樹脂と
を備え、前記1次コイルに1次電流を通電遮断した際に前記2次コイルの高圧側に発生した高電圧を点火プラグに印加する内燃機関用点火装置において、
前記ケースは、前記点火プラグの軸線上に配置されているとともに、前記点火プラグに対向した面に、前記絶縁樹脂が充填される開口部が形成され、この開口部には、前記2次コイルと電気的に接続された高圧出力端子が挿入された挿入孔を有する高圧タワーが嵌挿されており、
また、前記軸線に平行な前記ケースの面には、前記1次コイルに電気的に接続された低圧コネクタが軸線に対して垂直方向に突出して設けられ、
前記ケースは、前記開口部を除いた5面で前記トランスを囲っているとともに、導電性プラスチックで構成されていることを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 1次コイル、2次コイル及び鉄芯からなるトランスと、
このトランスを囲って設けられ前記1次コイルに1次電流を通電した際に発生する磁束の通路となる外装鉄芯と、
この外装鉄芯から突出した前記トランスの端部を囲っているとともに前記1次コイルに励磁電流を供給する低圧コネクタと連結されたケースと
を備え、前記1次コイルに1次電流を通電遮断した際に前記2次コイルの高圧側に発生した高電圧を点火プラグに印加する内燃機関用点火装置において、
前記ケースは、導電性プラスチックで構成されているとともに、前記ケースの前記点火プラグ側に突出した突出部に前記外装鉄芯の端部が重合していることを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 前記ケースは、エンジンに取り付けられるフランジ部を有していることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火装置。
- 前記トランスは、前記ケースの内壁面と面接触していることを特徴とする請求項1または4に記載の内燃機関用点火装置。
- 前記導電性プラスチックは、金属繊維が混入して構成されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の内燃機関用点火装置。
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