JP2007327938A - 画像処理装置及びその処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】時系列的に撮影した一連の撮影画像を取得し、撮影画像から特徴点を抽出し、特徴点を追跡して相互に対応付け、相互に対応付けられた一連の撮影画像からステレオ画像を選択し、標定および三次元計測を行ない、三次元計測により求められた対応点の誤差範囲を算出し、算出された誤差範囲に基づいて、対応点の三次元計測への適否を判定し、不適切と判定された対応点を削除し、削除された対応点を除いて再度標定および三次元計測を行なうことにより、計測精度を向上できる。
【選択図】図8
Description
図1は本実施の形態における概念を説明するための図である。自動車にカメラを装着し、時間すなわち自動車の位置を少しずつ変えて対象物である市街地を撮影し、これら複数の撮影画像における追跡結果から、カメラの位置座標すなわち自動車の軌跡を求める例である。これによりカーナビゲーションに自動車の位置を連続的に表示可能になるが、GPS電波を受信できない区間で補完的に利用される意義も大きい。以下の実施の形態では、撮影画像において、誤って対応付けされた特徴点、動きのある特徴点、揺らぎの大きい特徴点等の誤対応点については、カメラの位置座標を求めるのに不適当であるため除去する。なお、第1の実施の形態では、許容範囲と誤差範囲との重複の有無に基づいて特徴点の適否を判定する例を説明する。
図5は偏位修正処理を説明するための図である。偏位修正処理とは、標定処理で求められた撮影装置の撮影位置と傾きを用いて、計測対象物に対して撮影画像をステレオ法の幾何学が成立するように被写体に対して並行にかつエピポーララインが左右の水平ライン上に一致するように画像を修正する処理である。したがって左右画像の倍率や傾き等の歪が補正され、倍率や高さの位置が同一となる。
まず、誤差範囲算定部81で、ステレオ画像について三次元計測工程で求められた対応特徴点の三次元座標について、撮影された画像における撮影条件に基づき設定されるステレオ画像ごとに誤差範囲を求める(S170:誤差範囲算定工程)。誤差範囲は、撮影距離H、撮影基線長B、焦点距離f及び画素分解能Δpに基づいて定められる。次に、許容範囲設定部82で、複数の異なるステレオ画像の対応特徴点について求められた誤差範囲の重複部分を許容範囲として設定する(S175:許容範囲設定工程)。次に、対応点適否判定部83で、各対応特徴点の誤差範囲が許容範囲設定部82で設定された許容範囲と重複部分を有するか否かにより各対応特徴点の適否を判定する(S185:対応点適否判定工程)。すなわち、重複部分を有する場合には許容対応点であり、重複部分を有さない場合には非許容対応点であると判定する。次に、誤対応点削除部84で、対応点適否判定部83で不適切と判定された対応特徴点を削除する(S190:誤対応点削除工程)。
以下に、必要に応じ、各工程について説明する。
特徴抽出部3では各撮影画像から特徴点を抽出する(S110、図6参照)。典型的には初期フレームでは全画面から抽出を行い、次のフレームからは、初期フレームと重複しない新たな画面領域から抽出が行われる。初期フレームにおける特徴点の抽出には、例えばMORAVECオペレータ(H. P. Moravec. Towards Automatic Visual Obstacle Avoidance. Proc. 5th International Joint Conference on Artificial Intelligence, pp. 584, 1977.)や、Hariss,Pressy,Susanなどのオペレータを適宜採用できる。
図6に特徴点追跡の処理フロー例を示す。特徴点追跡部4では、特徴抽出処理により選点された各特徴点を追跡処理する(S120)。すなわち、特徴点に対応する候補対応点を求め、特徴点の移動ベクトル及び画面相対移動量を求め、さらに、これらを連結して移動軌跡を求める。画面相対移動量とは撮影カメラと撮影対象間の画面上での相対的移動量であり、移動ベクトルとは二次元の撮影画像上における各特徴点の相対的移動ベクトルをいう。特徴点の追跡にあたり、まず、隣接撮影画像についてテンプレートマッチングを行い(S13)、特徴点に対応する候補対応点を求める。これにより各特徴点の移動ベクトルが求められる。また、隣接撮影画像を用いて射影変換することにより(S15)、撮影カメラに対する画面相対移動量が求められる。すなわち、フレーム間の全体的な移動は、時間的に非常に短いことから、射影変換によりほぼ近似できるものとの仮定をおき、射影変換により画面相対移動量を推定する。次に、各特徴点の移動ベクトルをフレーム間の画面相対移動量と比較し、移動ベクトルの良否を判断する(S14)。そして、異常な動きを示す誤対応と思われる候補対応点を除去する(S16)。工程S15とS16を繰り返すことにより射影変換の精度が向上する。
標定処理・三次元計測部7で相互標定、偏位修正処理と三次元計測が行なわれる。ステレオペア選択された各画像について、特徴点と対応点の座標を用いて、標定計算処理を行う。標定計算処理により、撮影したカメラの位置、傾きが求められる。そして、対応点の三次元位置を求めることができる。標定計算処理は、ステレオペア選択された撮影画像の対応付けに関しては相互標定で行ない、複数または全画像間の標定に関しては接続標定やバンドル調整にて行う。このステレオペア選択を行う場合には、標定処理・三次元計測部において、撮影画像取得部で得られた複数の画像から、適切な基線長と推定される画像の組を選択することにより、適切な標定処理や三次元測定を行うことができる。
次に、標定計算について説明する。この計算により、左右それぞれのカメラの位置、傾き等が求められる。
図7は相互標定を説明するための図である。モデル座標系の原点を左側の投影中心にとり、右側の投影中心を結ぶ線をX軸にとるようにする。縮尺は、基線長を単位長さにとる。このとき求めるパラメータは、左側のカメラのZ軸の回転角κ1、Y軸の回転角φ1、右側のカメラのZ軸の回転角κ2、Y軸の回転角φ2、X軸の回転角ω2の5つの回転角となる。この場合左側のカメラのX軸の回転角ω1は0なので、考慮する必要はない。
(i)パラメータ(κ1、φ1、κ2、φ2、ω2)の初期近似値は通常0とする。
(ii)共面条件式(2)を近似値のまわりにテーラー展開し、線形化したときの微分係数の値を式(3)、(4)により求め、観測方程式をたてる。
(iii)最小二乗法を適用して、近似値に対する補正量を求める。
(iv)近似値を補正する。
(v)補正された近似値を用いて(ii)〜(v)までの操作を収束するまで繰り返す。
収束した場合、更に接続標定を行なう。これは、各モデル間の傾き、縮尺を統一して同一座標系とする処理である。
ΔXj=(Xjr−Xjl)/(Z0−Zjl)
ΔYj=(Yjr−Yjl)/(Z0−Zjl)
ΔZj=(Zjr−Zjl)/(Z0−Zjl)
ΔDj=√(ΔXj2+ΔYj2)
(ΔXjlΔYjlΔZjl):統一された座標系の第j番目の左モデル
(ΔXjrΔYjrΔZjr):統一された座標系の第j番目の右モデル
ΔZjおよびΔDjが0.0005(1/2000)以下なら接続標定が正常に行われたとみなされる。正常に行われなかった場合は、標定結果表示でエラーを出力しどこの画像が悪いか表示する。この場合、画像上に別の標定点があれば変更して(ii)〜(v)までの上記計算を繰り返す。だめなら標定点の配置変更を行なう。
また、偏位修正処理により、エピポーララインが左右の水平ライン上に一致するように画像が修正され、ステレオ法が成立する画像に変換される。また、標定処理及び偏位修正処理で得られた画像データを用いて三次元計測がなされる。
次に各特徴点(候補対応点)の三次元座標を算出する。例えばステレオ法から三次元座標を算出する。
物体上の点P1(x1、y1)、P2(x2、y2)の座標の間には、以下のような関係がある。
x1=cx/z −−−(5)
y1=y2=cy/z −−−(6)
x2−x1=cB/z −−−(7)
但し、全体の座標系(x、y、z)の原点をカメラC1のレンズ主点にとるものとする。
(7)式よりzを求め、これを用いて(5)式、(6)式よりx、yが求められる。
ステレオ法の説明からわかるように、カメラC1、カメラC2の撮影距離(倍率)や撮影の向き、基線長Bが変わると、幾何学的に本原理が成立しづらくなり、結果として安定した精度の解を求め難くなる。
2枚の撮影画像から計測する場合、通常以下に示す式により1画素の理論分解能が得られる。
平面分解能:Δxy=H×Δp/f (8)
奥行き分解能:Δz =H×H×Δp/(B×f)(9)
誤差範囲(σxy,σz)は、σxy=k1Δxy,σz=k2Δz で表される。
ここに、H:撮影距離、Δp:画素分解能、f:焦点距離、B:基線長、k1,k2:係数である。k1,k2は典型的には1とする。撮影距離Hが、予め想定されている撮影距離(標準撮影距離)よりも短い場合で、精度を高くできるときは1より小さくしてもよく、また撮影距離Hが標準撮影距離よりも長い場合で精度を低くすべきときは1より大きくし、例えば2,3とする。
これら計算式からも、撮影距離H、基線長Bが1画素の分解能に重要なパラメータであることがわかる。
実際の標定や三次元計測ではこれら撮影距離、基線長、撮影向きなどのパラメータは、全て考慮に入れて補正・調整を行って計算をしているので、問題なく算出できる。
しかしながら、安定した精度良い解を得る、という観点からは、その基本原理から、ステレオ画像にこれらのパラメータが異なるものを使用すると精度が不安定になる要因となる。従ってステレオ画像を選択する際には、カメラの撮影位置から、撮影距離や倍率、カメラの向きを求めることができるので、それらパラメータがほぼ同一のものを選択する。
次に、対応点評価除去部8において、三次元計測結果を用いて、誤って対応付けられた特徴点、移動や揺らぎを伴う不安定な特徴点等の誤対応点を除去する。
平面分解能: Δxy=H×Δp/f (8)
奥行き分解能:Δz =H×H×Δp/(B×f) (9)
H:撮影距離、Δp:画素分解能、f:画面距離、B:撮影基線長
カメラの焦点距離fと画素分解能Δpは既知である。
これにより、誤差範囲E(σxy=k1Δxy,σz=k2Δz)を求めることができる。
次に、対応点評価除去部8で削除された対応特徴点を除いて、再度、ステレオ画像選択(S140)、標定(S150:第2の標定工程)、偏位修正処理(S155:第2の偏位修正処理工程)、三次元計測が行なわれる(S160:第2の三次元計測工程)。これらの工程では、検出された誤対応点、すなわち不適切な対応特徴点を除いて処理が行なわれ、不適切と判定される対応特徴点がなくなるまで繰り返されるので、高精度の三次元座標が算出される。
以上より、本実施の形態によれば、三次元計測に不適切な特徴点や対応点を特定し削除する処理が必要とされるような動画像等の時系列的に変化する撮影画像の場合においても、不適切な特徴点や対応点を除去して三次元計測ができるので、動画像等の時系列的に変化する撮影画像から、撮影装置の撮影位置、姿勢又は対象物の座標を精度良く計測できる画像処理装置及びその処理方法を提供できる。
第1の実施の形態では、許容範囲と誤差範囲との重複の有無に基づいて特徴点の適否を判定する例を説明したが、第2の実施の形態では、対応特徴点が許容範囲内に存在するか否かで特徴点の適否を判定する例を示す。すなわち、許容範囲内に存在する対応特徴点を適切と判定し、許容範囲外に存在する対応特徴点を不適切と判定する。その他の点については第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態によれば、図13の例では、すべての計測点P11〜P13が許容範囲Gに含まれ、許容対応点として残される。図14の例では、計測点P11およびP12の重複範囲を許容範囲Gに設定すると、計測点P11及び計測点P12は許容範囲Gに含まれるので許容対応点として残されるが、計測点P13は許容範囲Gから離れて存在するので、非許容対応点として削除される。図15の例では、図14の例と同様に計測点P11及び計測点P12は許容対応点として残されるが、計測点P13は非許容対応点として削除される。本実施の形態によれば、確度の高い対応特徴点を選んで三次元計測ができ、三次元座標精度を向上できる。
第1の実施の形態では、許容範囲と誤差範囲との重複の有無に基づいて特徴点の適否を判定する例を説明したが、第3の実施の形態では、対応点適否判定部83は、例えば式(8)(9)から求めた誤差範囲が所定の閾値を越えるステレオ画像の対応特徴点を不適切と判定する例を示す。その他の点については第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態によれば、図12の例で誤差範囲に閾値を設け、誤差範囲が閾値を越える対応特徴点を削除することも可能である。例えば、計測点P11の誤差範囲E11が閾値を越える場合には、対応特徴点P11を不適切と判定し、非許容対応点として除外する。この場合図2の許容範囲設定部82及び図3の許容範囲設定工程を省略可能である。
なお、本実施の形態を第1、第2の実施の形態と組み合わせ、まず、計測点の誤差範囲が閾値を越えるものを削除してから、許容範囲と誤差範囲との重複の有無に基づいて特徴点の適否を判定したり、対応特徴点が許容範囲内に存在か否かで特徴点の適否を判定しても良い。本実施の形態によれば、誤差範囲の小さいステレオ画像を用いて三次元計測を行なえるので、三次元座標を高精度化できる。また、不適切な対応特徴点を所定の閾値を用いて自動的に除去できる。
第1の実施の形態では、許容範囲と誤差範囲との重複の有無に基づいて特徴点の適否を判定する例を説明したが、第4の実施の形態では、さらに許容範囲を利用して対応点の位置座標を求める例を示す。その他の点については第1の実施の形態と同様である。すなわち、許容範囲と重複する誤差範囲を有する対応特徴点は真の対応点である可能性が高いので、これら許容範囲と重複する誤差範囲を有する全ての対応特徴点の重心を重み係数を用いて求め、その重心を前記対応特徴点の位置座標と算定する。重み係数は1又は誤差範囲の減少関数とし、例えば誤差範囲の逆数(1/σxy、1/σz)とする。本実施の形態によれば、対応特徴点の位置座標をほぼ高い確度で算定できる。なお、誤差範囲が所定の閾値を越える対応特徴点を不適切と判定する第3の実施の形態と組み合わせる場合には、誤差範囲が一定の大きさ以内になるので、重み係数を1として重心を求めても良い。
第1の実施の形態では、画像の偏位修正処理を行っているが、第5の実施の形態は、偏位修正処理を省略する例を示す。その他の点については第1の実施の形態と同様である。
図16に第5の実施の形態における誤対応点除去の処理フロー例を示す。図3及び図10に示す第1の実施の形態の処理フロー例に比して、偏位修正処理(S155)がなく、標定処理(S150)の後に三次元座標算出(S160)が行なわれる。標定により、カメラ位置の変位及び傾きが求められるので、この値を用いれば実際に画像を変換せずとも、対応特徴点の三次元座標を求めることができる。他の工程は第1の実施の形態と同様である。この場合、精度式にカメラの回転分を考慮するようにしてもよい。あるいは、許容誤差範囲内であれば、厳密には精度式は異なるものとなるが、そのまま(8)、(9)の精度式を利用して誤差、許容範囲としてもよい。また、これらの一連の処理の三次元座標は、絶対座標系でも、カメラだけの相対座標系でもかまわない。
第1の実施の形態では、対応点の追跡処理から撮影位置を計測する例を説明したが、第6の実施の形態では、GPSからなる撮影位置測定部を有し、他の手段により撮影地点を計測するものである。その他の点については第1の実施の形態と同様である。
図17に第6の実施の形態における誤対応点除去の処理フロー例を示す。図10に示す第1の実施の形態の処理フロー例に比して、撮影位置測定部12が追加され、撮影画像に基づかないで撮影位置を計測可能である。したがって、撮影画像の追跡処理なしに、或は撮影画像とは独立に撮影位置を計測でき、リアルタイム処理に便宜である。また、撮影画像の追跡処理による撮影位置の計測結果を補完できる。他の工程は第1の実施の形態と同様である。また撮影装置13が追加され、現場での撮影が可能である。
撮影位置測定部12として、GPS(Global Positioning System)センサ等を採用可能である。たとえば撮影位置測定部12をGPSとした場合、撮影地点の三次元座標がGPSから出力される。誤差範囲算定処理(S170)において、GPSの出力データを用いて基線長Bを算出し、三次元座標算出工程(S160)で算出された対応特徴点の三次元座標値とGPSから出力された撮影位置データから撮影距離Hを算出し、式(8)、(9)から誤差範囲を算出する。
第7の実施の形態では、第6の実施の形態における撮影位置測定部12に慣性センサを用いる例である。慣性センサにて撮影位置を追跡したデータから基線長を求めることができる。慣性センサとして例えば、位置、速度、加速度、角度又は角速度を計測可能なセンサを用いることができる。また、センサから計算した値と撮影画像の追跡から計算した値を比較することにより撮影位置の座標精度を高めることも可能となる。
第1の実施の形態では、図3に示すようにステレオ画像選択(S140)から誤対応点削除(S190)のループ処理が行われるが、本実施の形態では対応点適否の判定の精度がループ回数により変化する例を説明する。すなわち、ループ回数を増すにつれて三次元座標の評価すなわち対応点適否の判定の精度を高めることが可能である。例えば誤差範囲(σxy,σz)は基線長Bを大にするようにステレオ画像を選択すれば小さくなり、また係数k1,k2を小さくとれば小さくなる。例えば2回目のループの基線長を1回目のループの2倍にする、2回目のループの係数k1、k2を1回目のループの1/2にする等である。その他の点では第1の実施の形態と同様である。
第1の実施の形態では、ステレオ画像情報メモリ9B内にステレオペア候補リストが作成され、ステレオ画像と誤差範囲の対応関係を表す誤差範囲データを形成できる旨を説明したが、第9の実施の形態では、記憶部9はステレオ画像情報メモリ9B内にステレオ画像と誤差範囲の対応関係を表す式(8)(9)に必要な測定要素(H:撮影距離、Δp:画素分解能、f:焦点距離、B:基線長、k1,k2:係数など)を代入して求められた想定される測定における誤差範囲を示すデータを有し、ステレオ画像選択部6は、誤差範囲データから誤差範囲が所定の閾値以下、又は誤差範囲が所定の範囲内のステレオ画像を選択する例を説明する。ステレオ画像選択部6は、ステレオ画像と誤差範囲の対応関係を表す誤差範囲データから、誤差範囲が所定の閾値以下のステレオ画像或いは誤差範囲が所定の範囲内のステレオ画像を選択することが可能である。前者では誤差範囲の小さいステレオ画像を選択して三次元計測ができ、三次元座標を高精度化できる。また後者では誤差範囲が均質な(例えば撮影距離がほぼ等しい)ステレオ画像を用いて、均質な測定ができる。その他の点では第1の実施の形態と同様である。
第10の実施の形態では、第9の実施の形態では、記憶部9は対応点情報メモリ9A内に対応特徴点と許容範囲の対応関係を表す式(8)(9)に必要な測定要素(H:撮影距離、Δp:画素分解能、f:焦点距離、B:基線長、k1,k2:係数など)を代入して求められた想定される測定における誤差範囲を示すデータを有し、ステレオ画像選択部6は、誤差範囲が許容範囲と重複するステレオ画像を選択する例を説明する。一度対応点適否判定が行なわれると、各対応特徴点の誤差範囲が許容範囲と重複するか否かが判定され、その結果が対応点情報メモリ9Aに記憶されると、対応点情報メモリ9Aは対応特徴点と許容範囲の対応関係を表す誤差範囲データを有することになり、ステレオ画像選択部6はこの誤差範囲データを参照して誤差範囲が許容範囲と重複するステレオ画像を選択することが可能になる。これにより、真の特徴点である確度の高い対応特徴点を選んで三次元計測ができ、高精度の三次元座標を得られるようになる。その他の点では第1の実施の形態と同様である。
第11の実施の形態では、記憶部9(図2参照)は、ステレオ画像の基線長と三次元座標の測定精度との関係を表す式(9)を利用して、測定で求められる測定精度と、必要な測定要素(H:撮影距離、Δp:画素分解能、f:焦点距離、k1,k2:係数など)を代入して要求精度を満たす基線長のデータが求められて、記憶される。ステレオ画像選択部6は、要求精度を満たす基線長となるようにステレオ画像を選択する例を示す。測定精度は基線長に依存するので、要求精度に合わせてステレオ画像の基線長を決めることにより、要求に合った三次元計測結果を提供できる。その他の点では第1の実施の形態と同様である。
第1の実施の形態では、撮影対象が静止状態で、撮影装置が移動する例について説明したが、第12の実施の形態は撮影装置が静止状態で、撮影対象が移動する例である。この場合においても、本来の対象物の他に、撮影装置と対象物の間に動くものが割り込んだり、撮影装置に揺動が生じる場合があり、特徴点を追跡し、動画像等の順次少しずつ変化する撮影画像における対象物に係る特徴点の三次元座標を求めることができる。また、対象物自体が回転するようなものであれば、その特徴点が消失と復活を繰り返すので、本発明を適用可能である。また、複数の対象物が異なる動きをする場合もあり、このような場合についてもそれぞれの対象物について本発明を適用可能である。
第13の実施の形態では、移動している物体を判別する例を説明する。各対応特徴点は、時系列に推移していることから、これらの処理の結果の三次元座標値から移動している物体を判別することが可能となる。すなわち、時系列にした三次元座標リストを作成すれば、対応特徴点が時系列中のある三次元座標値から変わり、移動する場合は移動体であると判定できる。
2 撮影画像取得部
3 特徴抽出部
4 特徴点追跡部
5 演算処理部
6 ステレオ画像選択部
7 標定処理・三次元計測部
8 対応点評価除去部
9 記憶部
9A 対応点情報メモリ
9B ステレオ画像情報メモリ
10 画像メモリ
11 表示部
12 撮影位置測定部
13 撮影部
81 誤差範囲算定部
82 許容範囲設定部
83 対応点適否判定部
84 誤対応点削除部
100 画像処理装置
A 対象物
B 基線長
C 画面距離
C1〜C6 第1〜第6の撮影位置
E11〜E13,E21〜E23 誤差範囲
f 焦点距離
G 許容範囲
H 撮影距離
I 撮影画像
M,M1〜M3 偏位修正画像
P,P1,P2 対応点
P11〜P13,P21〜P23 計測点
Claims (18)
- 相対的に移動する対象物を、隣り合う3以上の画像が重複部分を共有するように時系列的に撮影した一連の撮影画像を取得する撮影画像取得部と;
前記時系列的に撮影されたいずれかの撮影画像から特徴点を抽出する特徴抽出部と、
前記一連の撮影画像について前記特徴点を追跡し、特徴点を相互に対応付ける特徴点追跡部と;
前記一連の撮影画像から対をなす画像であるステレオ画像を選択するステレオ画像選択部と;
前記ステレオ画像選択部で選択されたステレオ画像の前記相互に対応付けられた特徴点である対応特徴点を用いて、標定および三次元計測を行なう標定処理・三次元計測部と;
前記ステレオ画像から三次元計測により求められた前記対応特徴点の三次元座標の誤差範囲を算定する誤差範囲算定部と;
前記誤差範囲算定部で算定された前記対応特徴点の三次元座標の誤差範囲に基づいて、前記対応特徴点の三次元計測への適否を判定する対応点適否判定部と;
前記対応点適否判定部で不適切と判定された対応特徴点を削除する誤対応点削除部とを備える;
画像処理装置。 - 前記標定処理・三次元計測部は、前記対応特徴点から前記誤対応点削除部により削除された対応特徴点を除いて、再度標定および三次元計測を行なう;
請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記対応点適否判定部は、前記誤差範囲が所定の閾値を越えるステレオ画像の対応特徴点を不適切と判定する;
請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。 - 複数の異なるステレオ画像の誤差範囲の重複部分を前記対応特徴点の許容範囲として設定する許容範囲設定部を備え;
前記対応点適否判定部は、前記誤差範囲が前記許容範囲と重複部分を有するステレオ画像の対応特徴点を適切と判定し、前記重複部分を有さないステレオ画像の対応特徴点を不適切と判定する;
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 複数の異なるステレオ画像の誤差範囲の重複部分を前記対応特徴点の許容範囲として設定する許容範囲設定部を備え;
前記対応点適否判定部は、前記許容範囲内に存在する対応特徴点を適切と判定し、前記許容範囲外に存在する対応特徴点を不適切と判定する;
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記許容範囲設定部は、大部分のステレオ画像の誤差範囲の重複部分を前記対応特徴点の許容範囲として設定する、又は所定数以上のステレオ画像の誤差範囲の重複部分を前記対応特徴点の許容範囲として設定する;
請求項4又は請求項5に記載の画像処理装置。 - 前記許容範囲と重複部分を有するステレオ画像の対応特徴点について、1又は誤差範囲の減少関数となる重み係数を用いて重心を求め、前記重心を前記対応特徴点の位置座標と算定する;
請求項6に記載の画像処理装置。 - 前記標定処理・三次元計測部は、前記ステレオ画像を偏位修正処理した偏位修正画像を形成し、前記偏位修正画像に基づいて三次元計測を行う;
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記誤差範囲は、基線長、撮影距離、焦点距離と画素サイズの関数として算定される;
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記ステレオ画像と誤差範囲の対応関係に基づき想定される測定における誤差範囲を示すデータを有する記憶部を備え;
前記ステレオ画像選択部は前記誤差範囲データに基づき誤差範囲が所定の閾値以下のステレオ画像を選択する;
請求項3乃至請求項9のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記ステレオ画像と誤差範囲の対応関係に基づき想定される測定における誤差範囲を示すデータを有する記憶部を備え;
前記ステレオ画像選択部は、前記誤差範囲データに基づき誤差範囲が所定の範囲内のステレオ画像を選択する;
請求項3乃至請求項9のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記対応特徴点と許容範囲の対応関係に基づき想定される測定における誤差範囲を示すデータを有する記憶部を備え;
前記ステレオ画像選択部は、前記誤差範囲データに基づき誤差範囲が許容範囲と重複するステレオ画像を選択する;
請求項4乃至請求項11のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記ステレオ画像の基線長と三次元座標の測定精度との関係式を利用して、測定で求められる測定精度と、必要な測定要素を用いて求められた要求精度を満たす基線長のデータを有する記憶部を備え;
前記ステレオ画像選択部は、前記基線長のデータから要求精度を満たす基線長となるようにステレオ画像を選択する;
請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 撮影画像に基づかないで撮影位置を計測可能な撮影位置測定部を備える;
請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記誤差範囲又は前記許容範囲を立体的二次元表示する表示装置を備え;
前記撮影画像取得部は一連の撮影画像を撮影する撮影装置を有する;
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 相対的に移動する対象物を、隣り合う3以上の画像が重複部分を共有するように時系列的に撮影した一連の撮影画像を取得する撮影画像取得工程と;
前記時系列的に撮影されたいずれかの撮影画像から特徴点を抽出する特徴抽出工程と、
前記一連の撮影画像について前記特徴点を追跡し、特徴点を相互に対応付ける特徴点追跡工程と;
前記一連の撮影画像から対をなす画像であるステレオ画像を選択するステレオ画像選択工程と;
前記ステレオ画像選択工程で選択されたステレオ画像の前記相互に対応付けられた特徴点である対応特徴点を用いて、標定を行なう第1の標定工程と;
前記第1の標定工程の標定結果を用いて三次元計測を行なう第1の三次元計測工程と;
前記ステレオ画像から三次元計測により求められた前記対応特徴点の三次元座標の誤差範囲を算定する誤差範囲算定工程と;
前記誤差範囲算定工程で算定された前記対応特徴点の三次元座標の誤差範囲に基づいて、前記対応特徴点の三次元計測への適否を判定する対応点適否判定工程と;
前記対応点適否判定工程で不適切と判定された対応特徴点を削除する誤対応点削除工程とを備える;
画像処理方法。 - 前記対応特徴点から前記誤対応点削除工程で削除された対応特徴点を除いて、再度標定を行なう第2の標定工程と;
前記第2の標定工程の標定結果を用いて三次元計測を行なう第2の三次元計測工程とを備える;
請求項16に記載の画像処理方法。 - 請求項16又は請求項17に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
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