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JP2007327448A - 車室構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車室のオーバル変形抑制及び/又はフランジ面圧増加により、フランジ面からの流体のリークを抑制もしくは防止することができる車室構造を提供する。
【解決手段】内部にロータが貫挿され、上部車室11と下部車室12とに上下2分割され、それぞれの分割面を相互の接続フランジ部11a,12aとしてボルトで締結するようにした車室構造において、前記相互の接続フランジ部におけるフランジ面の口開きにより車室内の流体が外部にリークするのを防止する周方向リブ13等の流体リーク防止手段を設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、蒸気タービン、及びガスタービンとその圧縮機等における車室構造に関する。
蒸気タービン、及びガスタービンとその圧縮機等の軸流タービン機械は、作動流体が軸方向から入り軸方向に出るものであり、代表的な流体機械としてよく使用されている。そして、これらの一般的なタービン車室は、通常、ロータの中心軸回りに概ね対称的に2分割して構成され、上部車室と下部車室とをそれぞれの上下接続フランジ部でボルトによって締結した構造となっている(特許文献1参照)。
特開2001−271606号公報
しかしながら、上述したようなタービン車室にあっては、以下のような問題点があった。即ち、タービン車室は内部高温ガスにより熱膨張するが、上下接続フランジ部は外気温により冷却されるため、車室断面はオーバル状に変形する。このオーバル変形により上下接続フランジ部のフランジ面に口開きが生じて内部の高圧ガスが車室外にリークする可能性がある。
高圧ガスのリークは、タービンの性能を低下させるので、設計上防止するべき重要なポイントとなっている。従来技術では、フランジボルトの配置を最適化して適切な初期締め付け力を付与することにより、高圧(高温)ガスのリークが生じない構造としているが、近年のタービンの大型化・高温化・高圧化により、上下接続フランジ部のフランジ面圧不足が懸念されている。この問題は、蒸気タービン、ガスタービンともに同様であり、タービン部の車室のみならず、ガスタービンにおける圧縮機側の車室においても同様である。
そこで本発明は、車室のオーバル変形抑制及び/又はフランジ面圧増加により、フランジ面からの流体のリークを抑制もしくは防止することができる車室構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る車室構造は、下記のように構成される。
(1)内部にロータが貫挿され、上部車室と下部車室とに上下2分割され、それぞれの分割面を相互の接続フランジ部としてボルトで締結するようにした車室構造において、前記相互の接続フランジ部におけるフランジ面の口開きにより車室内の流体が外部にリークするのを防止する流体リーク防止手段を設けたことを特徴とする。
(2)流体リーク防止手段として、前記上,下部車室の外面に周方向リブを複数個付設したことを特徴とする。
(3)流体リーク防止手段として、前記上,下部車室の外面にフィンを付設すると共に、前記相互の接続フランジ部の検出温度データを基に、前記上,下部車室をファンで冷却するようにしたことを特徴とする。
(4)流体リーク防止手段として、前記相互の接続フランジ部に前記ボルトの間に位置して外部側からスリットを入れたことを特徴とする。
(5)流体リーク防止手段として、前記相互の接続フランジ部にフランジ側面から複数の非貫通穴を空けたことを特徴とする。
(6)流体リーク防止手段として、前記相互の接続フランジ部にフランジ面から鉛直方向に複数の非貫通穴を空けたことを特徴とする。
(7)流体リーク防止手段として、前記相互の接続フランジ部のフランジ面に当該相互の接続フランジ部より熱膨張率の大きい部材を挟持させたことを特徴とする。
(8)流体リーク防止手段として、前記上,下部車室のそれぞれの外面にワイヤを巻回し、前記相互の接続フランジ部の位置でテンションをかけ、たが締めするようにしたことを特徴とする。
(9)流体リーク防止手段として、前記相互の接続フランジ部のフランジ面に内部側から自緊蓋を設置したことを特徴とする。
(10)流体リーク防止手段として、前記相互の接続フランジ部とその近傍にフランジ面に通じる斜孔をそれぞれ対をなして設けると共に、これら両斜孔に跨がって挿入されたワイヤにプレテンションを付与するようにしたことを特徴とする。
本発明に係る車室構造によれば、車室のオーバル変形抑制及び/又はフランジ面圧増加により、フランジ面からの流体のリークを防止することができ、タービン性能等機器の性能向上が図れる。
以下、本発明に係る車室構造を実施例により図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1に係る車室構造を適用したガスタービンの概略構成図、図2は同じく車室構造の説明図である。
図1に示すように、ガスタービン1においては、空気取り入れ口2から取り込まれた空気は、圧縮機3によって圧縮されて高温・高圧の圧縮空気となって燃焼器4へ送り込まれる。燃焼器4では、この圧縮空気に天然ガス等のガス燃料、あるいは軽油や軽重油等の液体燃料を供給して燃料を燃焼させ、作動流体である高温・高圧の燃焼ガスを生成させる。そして、この高温・高圧の燃焼ガスはタービン5に供給され、当該タービン5を駆動する。そしてタービン5を流れ終わった燃焼ガスは、ガスタービン1の外部へ排出される。
そこで、前記圧縮機3及び/又はタービン5に本発明に係る車室構造が適用される。
即ち、図2に示すように、本車室構造は、内部に図示しないロータが貫挿され、上部車室11と下部車室12とにロータの中心軸を通る面で上下方向(左右方向でも良い)に2分割され、それぞれの分割面を相互の接続フランジ部11a,12aとして図示しないボルトで締結するようになっている。
そして、前記相互の接続フランジ部11a,12aにおけるフランジ面の口開きにより車室内の流体が外部にリークするのを防止する流体リーク防止手段として、前記上,下部車室11a,12aの外面に周方向リブ13がロータ軸方向へ所定間隔離間して複数個付設される。
このように構成されるため、前記上,下部車室11,12が内部の高温ガスによる熱膨張でオーバル変形し、相互の接続フランジ部11a,12aにおけるフランジ面の内部側における口開きにより、高温ガスが外部へリークする虞が生じたとしても、本実施例では、前述した流体リーク防止手段により効果的に防止される。
即ち、上,下部車室11,12の外面に周方向リブ13を付設することにより、車室の周方向断面剛性を向上させると共に、フィン効果で車室シェル部を冷却して相互の接続フランジ部11a,12aとの温度差を軽減し、オーバル変形を抑制することができるのである。
これにより、口開きを抑制して、フランジ面からの高温ガスのリークを防止することができ、タービン性能等機器の性能向上が図れる。
図3は本発明の実施例2に係る車室構造の説明図である。
これは、実施例1における流体リーク防止手段として、上,下部車室11,12の外面にロータの軸方向に延びるフィン14を複数個付設すると共に、相互の接続フランジ部11a,12aの検出温度データを基に、上,下部車室11,12(車室シェル部)をファン17で冷却するようにした例である。
図示例では、フィン14部と相互の接続フランジ部11a,12aに温度計15が設置され、その検出温度がマイクロコンピュータ等からなる制御装置16に入力される。制御装置16はこれらの検出温度の差の絶対値が小さくなるようにファン17を駆動制御するようになっている。
これによれば、実施例1と同様に、フィン効果で車室シェル部を冷却して相互の接続フランジ部11a,12aとの温度差を軽減し、オーバル変形を抑制することができる。
図4は本発明の実施例3に係る車室構造の説明図である。
これは、実施例1における流体リーク防止手段として、相互の接続フランジ部11a,12aに、当該相互の接続フランジ部11a,12aを締結する複数のボルトがそれぞれ螺合するボルト穴11b,12bの間に位置して外部側から複数のスリット18を入れた例である。
これによれば、相互の接続フランジ部11a,12aの剛性を低減して車室シェル部(一般部)との剛性差を軽減し、オーバル変形を抑制することができる。
図5は本発明の実施例4に係る車室構造の説明図である。
これは、実施例1における流体リーク防止手段として、相互の接続フランジ部11a,12aに、当該相互の接続フランジ部11a,12aを締結する複数のボルトがそれぞれ螺合するボルト穴11b,12b以外に、フランジ側面から複数の非貫通穴11c,12cを空けた例である。
これによれば、実施例3と同様に、相互の接続フランジ部11a,12aの剛性を低減して車室シェル部(一般部)との剛性差を軽減し、オーバル変形を抑制することができる。
図6は本発明の実施例5に係る車室構造の説明図である。
これは、実施例1における流体リーク防止手段として、相互の接続フランジ部11a,12aに、当該相互の接続フランジ部11a,12aを締結する複数のボルトがそれぞれ螺合するボルト穴11b,12b以外に、フランジ面から鉛直方向に複数の非貫通穴11d,12dを空けた例である。
これによれば、実施例3と同様に、相互の接続フランジ部11a,12aの剛性を低減して車室シェル部(一般部)との剛性差を軽減し、オーバル変形を抑制することができる。また、本実施例では、フランジ面の接触面積を少なくすることができるため、同じボルト締め付け力でフランジ面圧を増加することが可能となり、前述したオーバル変形の抑制効果と相俟って、より一層口開きを抑制してフランジ面からの高温ガスのリークを防止することができる。
図7は本発明の実施例6に係る車室構造の説明図である。
これは、実施例1における流体リーク防止手段として、相互の接続フランジ部11a,12aのフランジ面に当該相互の接続フランジ部11a,12aより熱膨張率の大きいブロック状の高膨張材19を挟持させた例である。
これによれば、運転時に高温となった場合には、高膨張材19が相互の接続フランジ部11a,12aより大きく熱膨張するため、オーバル変形により口開きが生じたとしても、フランジ面の面圧を十分に確保してシール性を保持することができ、フランジ面からの高温ガスのリークを防止することができる。
図8は本発明の実施例7に係る車室構造の説明図である。
これは、実施例1における流体リーク防止手段として、相互の接続フランジ部11a,12aのフランジ面に内部側からくさび機能を有する自緊蓋21を設置した例である。
これによれば、車室内部から圧力が作用した場合には、自緊蓋21自らがフランジ面と積極的に接触する方向に作用するため、オーバル変形により口開きが生じたとしても、フランジ面の面圧を十分に確保してシール性を保持することができ、フランジ面からの高温ガスのリークを防止することができる。
図9は本発明の実施例8に係る車室構造の説明図である。
これは、実施例1における流体リーク防止手段として、上,下部車室11,12のそれぞれの外面にワイヤ20a,20bをロータ軸方向の複数箇所に亙って巻回し(掛け回し)、相互の接続フランジ部11a,12aの位置でテンションをかけ、たが締めするようにした例である。
これによれば、熱変形でオーバル変形しようとする車室をワイヤ20a,20bで強制的に真円に保持することができ、口開きを抑制して、フランジ面からの高温ガスのリークを防止することができる。
図10は本発明の実施例9に係る車室構造の説明図である。
これは、実施例1における流体リーク防止手段として、相互の接続フランジ部11a,12aとその近傍に亙って、フランジ面に通じる斜孔11e,12eを上下方向に対をなすようにロータ軸方向の複数箇所にそれぞれ設けると共に、これら上,下両斜孔11e,12eに跨がって挿入されたワイヤ22にプレテンションを付与するようにした例である。
これによれば、斜孔11e,12eのフランジ面側開口部を車室内面付近に可及的に近づけて開口することにより、従来ボルト設置が不可能であった車室内面付近にワイヤ22により面圧を付与することが可能となり、オーバル変形による口開きを抑制して、フランジ面からの高温ガスのリークを防止することができる。
尚、本発明は上記各実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、幾つかの実施例を組み合わせる等各種変更が可能であることはいうまでもない。
本発明の実施例1に係る車室構造を適用したガスタービンの概略構成図である。 同じく車室構造の説明図である。 本発明の実施例2に係る車室構造の説明図である。 本発明の実施例3に係る車室構造の説明図である。 本発明の実施例4に係る車室構造の説明図である。 本発明の実施例5に係る車室構造の説明図である。 本発明の実施例6に係る車室構造の説明図である。 本発明の実施例7に係る車室構造の説明図である。 本発明の実施例8に係る車室構造の説明図である。 本発明の実施例9に係る車室構造の説明図である。
符号の説明
1 ガスタービン、2 空気取り入れ口、3 圧縮機、4 燃焼器、5 タービン、11 上部車室、11a 接続フランジ部、11b ボルト穴、11c 非貫通穴、11d 非貫通穴、11e 斜孔、12 下部車室、12a 接続フランジ部、12b ボルト穴、12c 非貫通穴、12d 非貫通穴、12e 斜孔、13 周方向リブ、14 フィン、15 温度計、16 制御装置、17 ファン、18 スリット、19 高膨張材、20a,20b ワイヤ、21 自緊蓋、22 ワイヤ。

Claims (10)

  1. 内部にロータが貫挿され、上部車室と下部車室とに上下2分割され、それぞれの分割面を相互の接続フランジ部としてボルトで締結するようにした車室構造において、前記相互の接続フランジ部におけるフランジ面の口開きにより車室内の流体が外部にリークするのを防止する流体リーク防止手段を設けたことを特徴とする車室構造。
  2. 前記流体リーク防止手段として、前記上,下部車室の外面に周方向リブを複数個付設したことを特徴とする請求項1記載の車室構造。
  3. 前記流体リーク防止手段として、前記上,下部車室の外面にフィンを付設すると共に、前記相互の接続フランジ部の検出温度データを基に、前記上,下部車室をファンで冷却するようにしたことを特徴とする請求項1記載の車室構造。
  4. 前記流体リーク防止手段として、前記相互の接続フランジ部に前記ボルトの間に位置して外部側からスリットを入れたことを特徴とする請求項1記載の車室構造。
  5. 前記流体リーク防止手段として、前記相互の接続フランジ部にフランジ側面から複数の非貫通穴を空けたことを特徴とする請求項1記載の車室構造。
  6. 前記流体リーク防止手段として、前記相互の接続フランジ部にフランジ面から鉛直方向に複数の非貫通穴を空けたことを特徴とする請求項1記載の車室構造。
  7. 前記流体リーク防止手段として、前記相互の接続フランジ部のフランジ面に当該相互の接続フランジ部より熱膨張率の大きい部材を挟持させたことを特徴とする請求項1記載の車室構造。
  8. 前記流体リーク防止手段として、前記上,下部車室のそれぞれの外面にワイヤを巻回し、前記相互の接続フランジ部の位置でテンションをかけ、たが締めするようにしたことを特徴とする請求項1記載の車室構造。
  9. 前記流体リーク防止手段として、前記相互の接続フランジ部のフランジ面に内部側から自緊蓋を設置したことを特徴とする請求項1記載の車室構造。
  10. 前記流体リーク防止手段として、前記相互の接続フランジ部とその近傍にフランジ面に通じる斜孔をそれぞれ対をなして設けると共に、これら両斜孔に跨がって挿入されたワイヤにプレテンションを付与するようにしたことを特徴とする請求項1記載の車室構造。
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