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JP2007217393A - 低粘度油中水型乳化化粧料 - Google Patents

低粘度油中水型乳化化粧料 Download PDF

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Abstract

【課題】色、臭いが変化しない経時保存安定性に優れながら、使用感に優れる水溶性紫外線吸収剤含有の低粘度油中水型化粧料を提供する。
【解決手段】(a)スルホン酸を有する紫外線吸収剤(例えばフェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびその塩、フェニレン−ビス−ベンゾイミダゾール−テトラスルホン酸およびその塩)、(b)二酸化チタンおよび/または酸化亜鉛、(c)シリコーン油を10質量%以上、および(d)水を配合し、スチールボールにより撹拌してから使用する低粘度油中水型乳化化粧料。
【選択図】なし

Description

本発明は、色、臭いが変化しないなど経時保存安定性に優れながら、使用感に優れる水溶性紫外線吸収剤含有の低粘度油中水型化粧料に関する。
紫外線により皮膚は炎症(紅斑)を起こし、黒化する。この変化を抑えるために紫外線吸収剤を配合した製剤が汎用されている。紫外線吸収剤としては、油溶性物質と水溶性物質がある。油溶性紫外線吸収剤は、皮膚への塗布時にべたつきがあり官能特性が悪く、さらに乳化製剤にしか配合できないといった製剤化における制限がある。一方、水溶性紫外線吸収剤は、べたつきがなく官能特性がよく、水へ溶解して配合できることから製剤化における制限が少ない。
水溶性紫外線吸収剤の多くは、アルカリ中和塩として水へ溶解する。水溶性紫外線吸収剤には、スルホン酸基を有するものが多く、その対イオンはアルカリイオンである。アルカリイオンとしては、アルカリ金属塩として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等、有機アミンとしてトリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパール、アミノヒドロキシメチルプロパンジオール等が適用される。
また一方で二酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物は、紫外線散乱剤として好適に用いられるが、比重が高いことから低粘度の化粧品基剤に配合した場合沈降してしまい不均一となり、軽く振っても均一となりにくいことが難点である。そこで、これら金属酸化物を配合した低粘度の化粧料においては、化粧品容器内に該低粘度の化粧料とともにスチールボール(撹拌球)を入れておき、使用する直前に容器を振ってスチールボールで効率的に内容物(化粧料)を撹拌・均一化してから塗布するという方法が一般的に用いられる。
しかし、スチールボールを配合した製剤にスルホン酸基を有する水溶性紫外線吸収剤を配合すると、スチールボールから溶出する鉄イオンによりスルホン酸基が悪影響を受け、製剤が高温域で黄変したり、変臭を起こすなど保存安定性が不十分である。また、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムといった塩を配合した場合、塩酸イオンや硫酸イオンによりさらに黄変・変臭が生じやすくなり、いっそう保存安定性が不十分となる。そのため従来、化粧品容器内にスチールボール(撹拌球)を配合した低粘度製剤にスルホン酸基を有する水溶性紫外線吸収剤を配合することができなかった。
なお、一般に低粘度のエナメルや分離型の日焼け止め化粧料にスチールボールを入れることは撹拌を容易にする手段として広く知られているが、スルホン酸基含有の水溶性紫外線吸収剤と水とスチールボールを入れた際に生じる変色・変臭など保存安定性についての問題については知られていなかった。
一方で油溶性の紫外線吸収剤は撹拌のためのスチールボールと組み合わせて入れても変色・変臭などは問題ないが、配合量を高めてもその量に見合った効果の向上は望めず、しかもべたつき・油っぽさといった日焼け止めとして好ましくない使用感になってしまう。
なお、特許第3608774号公報(特許文献1)において、油相と、少なくとも微粒子二酸化チタンおよび/または微粒子酸化亜鉛を含む粉末成分と、両親媒性分散剤を含有する二層液状日焼け止め化粧料が提案され、分散剤を用いて再分散性を高め、軽い振盪により粉末成分を分散する日焼け止め化粧料が提案されており、撹拌球を入れて再分散することも記載されているが、当該文献に記載の技術は本質的に水を含まない化粧料に関するものであり、スルホン酸基含有の水溶性紫外線吸収剤と水を配合した化粧料にスチールボールを入れた際に生じる変色・変臭など保存安定性についての問題は生じない。
特許第3608774号公報
本発明は、上記従来の問題点を解消し、色、臭いが変化せず経時保存安定性に優れ、軽い振盪で容易に均一となり、紫外線吸収剤によるべたつきが少ないながらも、非常に高い日焼け止め効果を有する低粘度油中水型乳化化粧料を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討を行ったところ、スルホン酸基を有する水溶性紫外線吸収剤と、二酸化チタンおよび/または酸化亜鉛と、水を含有し、スチールボールにより撹拌してから使用する低粘度油中水型乳化化粧料に、シリコーン油を10質量%以上配合することにより、色、臭いが変化せず経時保存安定性に優れ、軽い振盪で容易に均一となり、紫外線吸収剤によるべたつきが少ないながらも、非常に高い日焼け止め効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(a)スルホン酸基を有する水溶性紫外線吸収剤と、(b)二酸化チタンおよび/または酸化亜鉛と、(c)シリコーン油を10質量%以上と、(d)水を含有し、スチールボールにより撹拌してから使用する低粘度油中水型乳化化粧料を提供する。
また本発明は、(a)成分が、フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびその塩、フェニレン−ビス−ベンゾイミダゾール−テトラスルホン酸およびその塩の中から選ばれる1種または2種以上である、上記低粘度油中水型乳化化粧料を提供する。
また本発明は、(b)成分中の二酸化チタンの平均一次粒子径が5〜30nmである、上記低粘度油中水型乳化化粧料を提供する。
また本発明は、(b)成分中の酸化亜鉛の平均一次粒子径が10〜100nmである、上記低粘度油中水型乳化化粧料を提供する。
また本発明は、化粧料全量中に、(a)成分を0.01〜5質量%含有する、上記低粘度油中水型乳化化粧料を提供する。
また本発明は、化粧料全量中に、(b)成分を5〜30質量%含有する、上記低粘度油中水型乳化化粧料を提供する。
また本発明は、化粧料の粘度が5,000mPa・s以下(30℃におけるB型粘度計、回転数12rpm)である、上記低粘度油中水型乳化化粧料を提供する。
また本発明は、水相に(e)塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムから選ばれる1種または2種以上の無機塩を含む、上記低粘度油中水型乳化化粧料を提供する。
本発明により、色、臭いが変化しない経時保存安定性に優れながら、使用感に優れる水溶性紫外線吸収剤含有の低粘度油中水型化粧料が提供される。
以下、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料について詳述する。
本発明に用いられる(a)成分としての水溶性紫外線吸収剤は、スルホン酸基を有する水溶性の紫外線吸収剤であれば、特に限定されるものでないが、特にフェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびその塩、フェニレン−ビス−ベンゾイミダゾール−テトラスルホン酸およびその塩が好適に用いられる。塩(中和塩)としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、N−メチルタウリンナトリウム等が挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。中でもトリエタノールアミンが溶解性の観点から特に好ましい。(a)成分は1種または2種以上を用いることができる。
(a)成分は、例えば、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸は、「ネオ・ヘリパン・ハイドロ(Neo Heliopan Hydro)」(シムライズ(Symrise)社製)、「ユーソレックス232(Eusolex232)」(メルク(Merck)社製)等として、また、フェニレン−ビス−ベンゾイミダゾール−テトラスルホン酸はナトリウム中和されたものが「ネオ・ヘリパン・エイピー(Neo Heliopan AP)」(シムライズ(Symrise)社製)等として、それぞれ市販されており、これらを好適に用いることができる。
(a)成分の配合量は、化粧料全量中の総量として0.01〜5質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜3質量%である。0.01質量%未満では有効な紫外線吸収効果が得られ難く、一方、5質量%を超えた場合、経時による結晶析出のおそれがある上、配合量に見合った効果の向上は望めず、保存安定性が悪くなりやすく、製剤安定性を保持し難くなる。
本発明の(b)成分としての二酸化チタンおよび/または酸化亜鉛は、紫外線散乱剤であり、そのまま水相に分散しても、あるいは疎水化処理を施すことにより油中に分散してもよい。疎水化処理の方法は、特に制限されるものでなく、公知の方法にて処理することができる。例えばメチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン・ジメチルポリシロキサンコポリマー、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類を用いた処理;オクチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等のシラン化合物を用いた処理;パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸を用いた処理;前記脂肪酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩等を用いた金属セッケン処理;パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩、パーフルオロアルキルトリメトキシシラン等を用いたフッ素処理等が挙げられる。
疎水化処理を施した二酸化チタンとしては、例えば「TTO−S−4」、「TTO−V−4」(いずれも石原産業(株)製)、「MT−100TV」、「MT−500SAS」(いずれもテイカ(株)製)等が市販品として挙げられ、また、疎水化処理を施した酸化亜鉛としては、例えば「MZ−505S」(テイカ(株)製)、「Z−Cote HP−1」(バスフ(BASF)社製)等が市販品として挙げられ、これらを好適に用いることができる。
なお、(b)成分において、二酸化チタンは平均一次粒子径が5〜30nmのものが好ましく用いられる。また酸化亜鉛は平均一次粒子径が10〜100nmのものが好ましく用いられる。
(b)成分の配合量は、化粧料全量中の総量として5質量%以上が好ましく、さらに好ましくは10質量%以上である。上限は特に限定されるものでないが30質量%以下とするのが好ましい。5質量%未満では有効な紫外線吸収効果が得られ難い。また、5質量%未満であれば、スチールボールにより撹拌しなくとも十分に振盪すれば系を容易に均一とすることができるため、スチールボールを配合しなくてすみ、本発明における課題を考慮する必要がない。
(c)成分のシリコーン油としては、シリコーン鎖を骨格に持つ液状油分の1種または2種以上を混合して用いることができ、例えばジメチルポリシロキサン、オクタメチルシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が例示される。ただしこれら例示に限定されるものでない。
(c)成分の配合量は、本発明化粧料に対し10質量%以上であり、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。配合量の上限は特に限定されるものでないが、50質量%以下とするのが好ましい。配合量が10質量%未満では、水中油型乳化化粧料独特のべたつきを抑えきれず良好な使用感が得られないとともに十分な経時での安定化効果が得られない。また配合量が多すぎると油っぽい使用感となる傾向がみられ、好ましくない。
(d)成分は水である。
本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料は、油相(外相)を20〜80質量%、水相(内相)を80〜20質量%とするのが好ましい。
本発明では水相に、(e)成分として、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムから選ばれる1種または2種以上の無機塩を配合してもよい。(e)成分を配合することにより、乳化安定性をより向上させることができる。(e)成分を配合すると臭いを生じやすいが、本発明では(c)成分の配合により臭いを効果的に抑えることができる。なお(e)成分を配合する場合、配合量は本発明化粧料中に0.2〜3質量%程度にするのが好ましい。
本発明に用いられるスチールボールはステンレススチールなどのスチール合金製を含むスチールボールである。大きさは特に限定されるものでないが、撹拌のしやすさや化粧品容器への添加のしやすさから直径3mm〜7mm程度の球状であることが好ましい。スチールボールは通常、容器60mLに対し1個の割合で配合される。ただしこれに限定されるものでない。
また、化粧料の粘度が十分に高ければ、比重差による二酸化チタン、酸化亜鉛の沈降も非常に少なく、スチールボールを添加しなくてすみ、本発明のような課題を考慮しなくてもよい。
しかし、粘度が高いと塗布しにくく、べたつきも生じやすいことから本発明の化粧料は粘度が5,000mPa・s以下(30℃におけるB型粘度計、回転数12rpmでの値)、が好ましく、より好ましくは2,000mPa・s以下である。粘度の下限値は特に限定されるものでないが、概ね200mPa・s程度以上とするのが好ましい。
本発明の化粧料には、上記成分の他に、本発明の目的・効果を損なわない限りにおいて、通常化粧品に用いられる他の成分を必要に応じて適宜配合することができる。このような成分としては、水溶性高分子、油溶性高分子、高分子粉末、乳化剤、ロウ類、アルコール類、液体油脂、エステル油、炭化水素油、脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、薬剤、紫外線吸収剤(上記(a)成分以外)、紫外線散乱剤(上記(b)成分以外)、有機変性粘土鉱物等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
水溶性高分子としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(以下、「AMPS」と略記する)のホモポリマー、あるいはコポリマーが挙げられる。コポリマーは、ビニルピロリドン、アクリル酸アミド、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸ヒドロキシエチル等のコモノマーとからなるコポリマーである。すなわち、AMPSホモポリマー、ビニルピロリドン/AMPS共重合体、ジメチルアクリルアミド/AMPS共重合体、アクリル酸アミド/AMPS共重合体、アクリル酸ナトリウム/AMPS共重合体等が例示される。
さらには、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウム/アクリル酸アルキル/メタクリル酸ナトリウム/メタクリル酸アルキル共重合体、カラギーナン、ペクチン、マンナン、カードラン、コンドロイチン硫酸、デンプン、グリコーゲン、アラビアガム、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天等が例示される。
油溶性高分子としては、トリメチルシロキシケイ酸、アルキル変性シリコーン、ポリアミド変性シリコーンが例示される。
高分子粉末としてはジメチコンクロスポリマー、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリエチレン、ポリメタクリル酸メチル等が例示される。
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、カルナウバロウ、ラノリン、液状ラノリン、ジョジョバロウ等が例示される。
乳化剤としてはPOE・メチルポリシロキサン共重合体、シリコーン鎖分岐型POE・メチルポリシロキサン共重合体、架橋型POE・メチルポリシロキサン共重合体、アルキル・POE共変性メチルポリシロキサン共重合体、シリコーン鎖分岐型アルキル・POE共変性メチルポリシロキサン共重合体、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン等が例示される。本発明では長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(ABIL EM90TM;ゴールドシュミット社製)、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(KF6017、KF6026;信越化学工業社製)等のHLB6以下のシリコーン系乳化剤が好ましく用いられる。
アルコール類としては、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール等の高級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどの多価アルコール等が例示される。
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が例示される。
エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が例示される。
炭化水素油としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュワックス等が例示される。
脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、アラキドン酸等が例示される。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、アラキルアルコール、バチルアルコール、キミルアルコール、カルナービルアルコール、セリルアルコール、コリヤニルアルコール、ミリシルアルコール、ラクセリルアルコール、エライジルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル、オクチルアルコール、トリアコンチルアルコール、セラキルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルデカノール等が例示される。
脂肪酸エステルとしては、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸コレステリル、ミツロウ脂肪酸2−オクチルドデシル等が例示される。
薬剤としては、L−アスコルビン酸およびその誘導体の塩、グリチルリチン酸ジカリルム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等のグリチルリチン酸およびその誘導体、グリチルレチン酸ステアリルなどのグリチルレチン酸およびその誘導体、アラントイン、トラネキサム酸およびその誘導体の塩、アルコキシサリチル酸およびその誘導体の塩、グルタチオンおよびその誘導体の塩、アラントイン、アズレンなどが例示される。
紫外線吸収剤としては、例えば、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、メトキシケイ皮酸イソプロピル、メトキシケイ皮酸イソアミルなどの桂皮酸誘導体;パラ−アミノ安息香酸(以下、「PABA」と略記)、エチルPABA、エチル−ジヒドロキシプロピルPABA、エチルヘキシル−ジメチルPABA、グリセリルPABA等のPABA誘導体;ホモサラート(homosalate)、エチルヘキシルサリチラート、ジプロピレングリコールサリチラート、TEAサリチラート等のサリチル酸誘導体;ベンゾフェノン−1、ベンゾフェノン−2、ベンゾフェノン−3またはオキシベンゾン、ベンゾフェノン−4、ベンゾフェノン−5、ベンゾフェノン−6、ベンゾフェノン−8、ベンゾフェノン−9、ベンゾフェノン−12等のベンゾフェノン誘導体;3−ベンジリデンショウノウ、4−メチルベンジリデンショウノウ、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウ等のベンジリデンショウノウ誘導体;アニソトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6−トリス(ジイソブチル−4’−アミノベンザルマロナート)−s−トリアジン等のトリアジン誘導体;4−イミダゾールアクリル酸エチルエステル、5−メチルー2フェニルベンゾイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ドロメトリゾール(Drometrizole)トリシロキサン、メチレンビス(ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)等のフェニルベンゾトリアゾール誘導体;アントラニル酸メンチル等のアントラニル誘導体;エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオナート等のイミダゾリン誘導体;ベンザルマロナート官能基を有するポリオルガノシロキサン等のベンザルマロナート誘導体;1,1−ジカルボキシ(2,2’−ジメチルプロピル)−4,4−ジフェニルブタジエン等の4,4−ジアリールブタジエン誘導体などが例示される。
有機変性粘土鉱物としては、第4級アンモニウム塩型カチオン変性粘土鉱物などが例示される。
本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料は、乳液状製品やクリーム状の製品がある。これらの製品は、前記した必須成分および化粧料に通常配合される成分を混合して常法により製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、配合量はすべて質量%で示す。
実施例に先立ち、本発明で用いた試験法および評価法を説明する。
[粉末分散性]
化粧料(試料30g)に対してステンレスボール(直径5mm)を1個入れた容器を10回程度振盪し、化粧料の均一性を目視により評価した。
(評価基準)
○: 良好(均一に分散した)
△: やや不良(やや均一に分散しなかった)
×: 不良(均一に分散しなかった)
[保存安定性(外観)]
化粧料(試料)を50℃の恒温槽に入れて1ヶ月間放置した後の外観を目視により評価した。
(評価基準)
○: 異常なし
×: 黄変した
[保存安定性(臭い)]
50℃の恒温槽に入れて1ヶ月間放置した後の試料を女性パネル(10名)により実際に使用してもらい、塗布時の臭いを下記評価基準により評価した。なおここでの「臭いの異常」とは、製造直後と比べた場合の不快なにおいや、異臭がすることを示す。
(評価基準)
◎: 10名中、9名以上が臭いに異常がないと回答した
○: 10名中、6〜8名が臭いに異常がないと回答した
△: 10名中、3〜5名が臭いに異常がないと回答した
×: 10名中、2名以下が臭いに異常がないと回答した
[使用感]
50℃の恒温槽に入れて1ヶ月間放置した後の試料を女性パネル(10名)により実際に使用してもらい、塗布感を下記評価基準により評価した。
(評価基準)
◎: 10名中、9名以上がのびが軽く油っぽくないと回答した
○: 10名中、6〜8名がのびが軽く油っぽくないと回答した
△: 10名中、3〜5名がのびが軽く油っぽくないと回答した
×: 10名中、2名以下がのびが軽く油っぽくないと回答した
[SPF値]
表1〜2中、代表的な5品(実施例2、4および比較例4、5、6)につき、日本化粧品工業連合会による「SPF測定基準」(1992年1月制定)に基づき、SPF値を測定した。
(実施例1〜4、比較例1〜7)
下記表1に示す組成の化粧料(試料)を常法により調製した。これら試料を用いて、蒸気試験方法、評価基準に従い、各項目について評価を行った。結果を表1〜2に示す。なお表1〜2中、乳化型の項目において「W/O」は油中水型乳化型を、「O/W」は水中油型乳化型を、それぞれ示す。比較例6は油系化粧料である。
Figure 2007217393
Figure 2007217393
なお表1〜2の各試料の製造方法は以下のとおりである。
すなわち、実施例1〜4、比較例3〜7では、あらかじめ(9)〜(15)を混合・溶解して水相をつくる。(1)〜(3)に(4)、(5)の粉末を分散し、(6)〜(7)を加えた後、ホモミキサーで上記の水相をゆっくりと添加し、油中水型乳化化粧料(ただし比較例6は油系化粧料)を得た。
比較例1〜2では、あらかじめ(9)〜(15)を混合・溶解して水相を作り、70℃に加熱する。(1)〜(3)に(4)、(5)の粉末を分散し、(6)〜(7)を加えて70℃に加熱し、均一になったところで、上記水相にホモミキサーでゆっくりと添加し、乳化完了後、室温まで冷却して水中油型乳化化粧料を得た。
表1の結果に示すように、実施例1〜4の低粘度油中水型乳化化粧料は、経時で色、臭いに変化が無く、経時安定性に優れながら、使用感に優れ、高い紫外線防御効果を示した。
実施例2、4は、油溶性紫外線吸収剤(=(7)成分)が多い比較例4や、粉末を配合しない比較例5と比べて、非常に高いSPF値を示し、かつ、使用感や安定性についても優れていた。
(実施例5 日焼け防止ローション)
(処 方) (質量%)
(1)長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン
(ABIL EM90TM;ゴールドシュミット社製) 2
(2)デカメチルシクロペンタシロキサン 25
(3)オクトクリレン(ユビナールN539T;BASF社製) 5
(4)コハク酸ジエチルヘキシル 5
(5)イソノナン酸イソノニル 5
(6)アボベンゾン(Palsol 1789:DSMニュートリション社製) 0.8
(7)シリカカプリリルトリエトキシシラン処理超微粒子酸化亜鉛 8
(12)精製水 残 余
(13)グリセリン 3
(14)エタノール 5
(15)防腐剤 適 量
(16)トリエタノールアミン 1.9
(17)フェニレン−ビス−ベンゾイミダゾール−テトラスルホン酸二ナトリウム
(Neo Heliopan AP;シムライズ社製) 3
(18)香料 適 量
(製法)
A:(3)〜(6)を加熱混合する。
B:(1)〜(2)に粉体(7)〜(11)を混合分散し、上記Aを加える。
C:(12)〜(1)を混合し、(17)を加えて攪拌溶解する。
E:上記BにCと(13)を添加し、乳化する。
でき上がったローションをステンレスボール(直径6mm。1個)とともに容器に充填した。
50℃で30日間保存後の変臭の発生はなかった。また粘度は1,450mPa・s(30℃)であった。
本実施例の化粧料は、肌上での伸び広がりがよく、経時安定性に優れる日焼け止めローションであった。
(実施例6 油中水型日焼け止め乳液)
(処 方) (質量%)
(1)水 残 余
(2)フェニレン−ビス−ベンゾイミダゾール−テトラスルホン酸二ナトリウム
(Neo Heliopan AP;シムライズ社製) 2
(3)トリエタノールアミン 0.2
(4)1,3−ブチレングリコール 9
(5)グリセリン 2
(6)ラウロイルサルコシンイソプロピル 5
(エルデュウSL205;味の素株式会社製)
(7)イソノナン酸イソノニル 3
(8)オクトクリレン 10
(9)アボベンゾン 2
(10)酢酸トコフェロール 0.1
(11)セラミド 1
(12)脂肪酸ジグリセリド 0.8
(13)揮発性環状シリコーン 18
(14)ジメチコンコポリオール 1.5
(15)シリカジメチコン・メチコン処理微粒子酸化チタン 6
(14)シリカ粉末 3
(製法)
A:(6)〜(12)を加熱する。
B:(15)を(13)〜(14)に混合分散し、上記Aを加える。
C:(1)〜(5)を混合する。
E:上記CにBと(13)を添加し、乳化する。
冷却後、ステンレスボール(直径3mm。2個)とともに容器に充填した。
50℃で30日間保存後の変臭はなかった。また粘度は3,450mPa・s(30℃)であった。
本実施例の化粧料は、肌上での伸び広がりがよく、経時安定性に優れる日焼け止め乳液であった。

Claims (8)

  1. (a)スルホン酸基を有する水溶性紫外線吸収剤と、(b)二酸化チタンおよび/または酸化亜鉛と、(c)シリコーン油を10質量%以上と、(d)水を含有し、スチールボールにより撹拌してから使用する低粘度油中水型乳化化粧料。
  2. (a)成分が、フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびその塩、フェニレン−ビス−ベンゾイミダゾール−テトラスルホン酸およびその塩の中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1記載の低粘度油中水型乳化化粧料。
  3. (b)成分中の二酸化チタンの平均一次粒子径が5〜30nmである、請求項1または2記載の低粘度油中水型乳化化粧料。
  4. (b)成分中の酸化亜鉛の平均一次粒子径が10〜100nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の低粘度油中水型乳化化粧料。
  5. 化粧料全量中に、(a)成分を0.01〜5質量%含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の低粘度油中水型乳化化粧料。
  6. 化粧料全量中に、(b)成分を5〜30質量%含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の低粘度油中水型乳化化粧料。
  7. 化粧料の粘度が5,000mPa・s以下(30℃におけるB型粘度計、回転数12rpm)である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の低粘度油中水型乳化化粧料。
  8. 水相に(e)塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムから選ばれる1種または2種以上の無機塩を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の低粘度油中水型乳化化粧料。
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