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JP2007285897A - ガラス物品の製造方法及び光学素子の製造方法 - Google Patents

ガラス物品の製造方法及び光学素子の製造方法 Download PDF

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JP2007285897A JP2006113777A JP2006113777A JP2007285897A JP 2007285897 A JP2007285897 A JP 2007285897A JP 2006113777 A JP2006113777 A JP 2006113777A JP 2006113777 A JP2006113777 A JP 2006113777A JP 2007285897 A JP2007285897 A JP 2007285897A
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Abstract

【課題】熔融ガラス又は加熱し軟化させたガラスを成形して得られる曲面を含む表面を有するガラス塊の内部品質を効率よく検査できる検査工程を有し、高い内部品質が求められる種々のガラス物品、光学素子ブランク、レンズなど光学素子を高い生産性のもとに製造できるガラス物品及び光学素子の製造方法を提供する。
【解決手段】曲面を含む表面を有するガラス塊101を成形する成形工程と、ガラス塊101内に検査光を透過させてガラス塊101の内部品質を検査する検査工程とを有する。検査工程は、ガラス塊101の曲面を含む表面101aに少なくとも一の導光部材1の対向面1aを近接させ、もしくは、接触させ、この導光部材1内を経て対向面1a及び表面101aを介してガラス塊101内部へ検査光を導き及び/又はガラス塊101内部を透過した検査光を表面101a及び対向面1aを介して導光部材1内に導き、ガラス塊101を透過した検査光を検査する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高い内部品質が求められる種々のガラス物品、光学素子ブランクや、レンズなどの光学素子を製造するためのガラス物品の製造方法及び光学素子の製造方法に関する。
従来、高い内部品質が求められる種々のガラス物品、光学素子ブランクや、レンズなどの光学素子を製造するため、これらの素材となる種々のガラス塊の内部状態、品質を検査する検査工程を有する製造方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、検査対象となるガラス塊を液体内に浸漬させた状態で、このガラス塊に検査光を入射させ、このガラス塊内を透過してくる検査光を観察することにより、ガラス塊の内部状態を光学的に検査する技術が記載されている。
この検査技術においては、ガラス塊を液体内に浸漬させていることにより、曲面を含むガラス塊の表面における反射損失を低減しつつ、また、ガラス塊の向きを変えることにより、ガラス塊の内部状態をくまなく検査するようにしている。
特許第3698424号公報
前述した従来の検査技術においては、一方向からの検査光の入射によって検査することができる範囲を広げるために、ガラス塊の屈折率に近い屈折率を有する液体にガラス塊を浸漬させることが重要である。
ところで、近年、ガラスや透光性セラミックス、結晶材料として、従来よりも屈折率の高い材料が開発され、使用されるようになっている。このような屈折率の高いガラス塊について、前述した検査技術による検査を行うには、このガラス塊を浸漬させる液体の屈折率も高くしなければならない。
しかし、近年の透明材料の高屈折率化に伴い、これらガラス塊の屈折率に液体の屈折率を近づけることが困難となっている。液体の屈折率は、マッチングオイルと呼ばれる溶媒に臭化ヒ素を溶かし込むことにより、増加させることができる。しかし、臭化ヒ素は毒性を有するため、浸漬させたガラス塊を検査後に十分に洗浄しなければならず、そのたびに毒性を有する廃液が多量に生じたり、液体そのものも毒性を有する廃液として処理しなければならないという問題がある。また、臭化ヒ素を溶かし込んだ液体は黒色を呈するため、屈折率を増加させるために臭化ヒ素の濃度を増加させると、液体が検査光を通し難くなり、良好な検査が行えなくなるという問題もある。
そのため、特許文献1に記載のガラス塊のように表面が曲面となっている検査対象では、このガラス塊とマッチングオイルとの界面、すなわち、ガラス塊の表面における全反射の臨界角が減少し、検査光の不透過領域が拡大してしまう。すなわち、ガラス塊の内部からこのガラス塊の表面に対して垂直に近い方向からマッチングオイルへ向けて出射する検査光以外は、すべてガラス塊の表面で全反射されてしまい、検査光のもつ情報は失われてしまうことになる。
この状況では、ガラス塊を透過してくる検査光を観察するには、ガラス塊の向きを変えながら行わざるを得ず、極めて煩雑な作業となってしまう。まして、光学素子や光学素子の素材となるプレス成形用ガラス素材の製造工程では、多量の光学素子やガラス素材を検査しなければならないので、検査工程にかかる負担は大きいものになってしまう。
なお、熔融ガラスからガラスブロックを成形し、このガラスブロックを対面研磨して互いに平行な平面を形成し、この平面から検査光を透過させてガラスブロックの内部品質を検査する場合には、検査光を平面に対して垂直に入射させれば、全反射による不透過領域を生じさせることなく、ガラスブロックの内部をくまなく検査することができる。この場合には、検査によって内部品質に問題がないことを確認した後、このガラスブロックを切断し、研削、研磨して、光学素子やプレス成形用ガラス素材を作ればよい。すなわち、この場合には、検査工程後に内部品質を低下させる工程がないので、内部品質の良好な光学素子やプレス成形用ガラス素材を得ることができる。
しかし、熔融ガラスから曲面を含む表面を有するガラス物品を製造したり、加熱し、軟化させたガラスを成形してガラス物品を製造する場合には、このガラス物品は流動変形や塑性変形によって成形される。そのため、このようなガラス物品においては、成形の過程で光学的に不均質な部分が生じたり、または、高温の表面からガラス成分が揮発することによってガラス塊の表面と内部とで特定成分の濃度分布が生じ、この分布が光学的に不均質な部分を生じさせる虞れがある。
したがって、このようなガラス物品では、曲面を含む表面を有する形状に成形した後に、内部品質を検査する必要がある。
そこで、本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、熔融ガラス、または、加熱し、軟化させたガラスを成形して得られる曲面を含む表面を有するガラス塊の内部品質を効率よく検査できる検査工程を有することにより、高い内部品質が求められる種々のガラス物品、光学素子ブランクや、レンズなどの光学素子を高い生産性のもとに製造することができるガラス物品の製造方法及び光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、熔融ガラス、または、加熱し、軟化させたガラスを成形して得られる曲面を含む表面を有するガラス塊を効率よく検査する方法があれば、前述の課題が解決できるとの知見を得て、鋭意検討を重ねた結果、本発明をするに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の構成を有するものである。
〔構成1〕
本発明は、熔融ガラス、または、加熱し軟化させたガラスを成形してガラス物品を製造するガラス物品の製造方法において、曲面を含む表面を有するガラス塊を成形する成形工程と、ガラス塊内に検査光を透過させて該ガラス塊の少なくとも内部品質を検査する検査工程とを有し、検査工程は、ガラス塊の曲面を含む表面に、少なくとも一の導光部材の表面を近接させ、もしくは、接触させ、この導光部材内を経てこの導光部材の表面及びガラス塊の表面を介して該ガラス塊内部へ検査光を導き、及び/又は、ガラス塊内部を透過した検査光をこのガラス塊の表面及び導光部材の表面を介して該導光部材内に導いて、ガラス塊を透過した後の検査光を検査することによって行うことを特徴とするものである。
〔構成2〕
本発明は、構成1を有するガラス物品の製造方法において、ガラス塊は、プレス成形用ガラス素材であることを特徴とするものである。
〔構成3〕
本発明は、構成1を有するガラス物品の製造方法において、製造されるガラス物品は、光学素子、または、光学素子ブランクであることを特徴とするものである。
〔構成4〕
本発明は、構成1乃至構成3のいずれか一を有するガラス物品の製造方法において、検査工程における検査結果により、製造されるガラス物品の品質保証を行うことを特徴とするものである。
〔構成5〕
本発明は、構成1乃至構成3のいずれか一を有するガラス物品の製造方法において、検査工程における検査結果に基づき、成形工程における成形条件を設定、または、調整することを特徴とするものである。
〔構成6〕
本発明に係る光学素子の製造方法は、構成2を有するガラス物品の製造方法により製造されたガラス物品を加熱し、軟化させて、プレス成形を行うことを特徴とするものである。
〔構成7〕
本発明に係る光学素子の製造方法は、構成3を有するガラス物品の製造方法により製造された光学素子ブランクを研削し、研磨することを特徴とするものである。
構成1を有する本発明に係るガラス物品の製造方法においては、検査工程は、ガラス塊の曲面を含む表面に、少なくとも一の導光部材の表面を近接させ、もしくは、接触させ、この導光部材内を経てこの導光部材の表面及びガラス塊の表面を介して該ガラス塊内部へ検査光を導き、及び/又は、ガラス塊内部を透過した検査光をこのガラス塊の表面及び導光部材の表面を介して該導光部材内に導いて、ガラス塊を透過した後の検査光を検査することによって行うので、ガラス塊の表面及び導光部材の表面における検査光の屈折による偏向角を少なくすることができ、一方向からの検査光の入射により、ガラス塊の内部の広い範囲に亘って検査をすることができる。またガラス塊表面の品質、例えば光学的均質性を検査することもできる。
構成2を有する本発明に係るガラス物品の製造方法においては、ガラス塊は、プレス成形用ガラス素材であるので、プレス成形に供する前に光学的に不均質な部分を有するガラス物品を検査工程において不良品として検出することができる。その結果、不良品をプレス成形するという無駄をなくすことができる。
構成3を有する本発明に係るガラス物品の製造方法においては、製造されるガラス物品は、光学素子、または、光学素子ブランクであるので、内部品質の高い光学素子、または、光学素子ブランクを製造することができる。
構成4を有する本発明に係るガラス物品の製造方法においては、検査工程における検査結果により、製造されるガラス物品の品質保証を行うので、内部品質の高いガラス物品を製造することができる。
構成5を有する本発明に係るガラス物品の製造方法においては、検査工程における検査結果に基づき、成形工程における成形条件を設定、または、調整するので、内部品質の高いガラス物品を効率良く製造することができる。
構成6を有する本発明に係る光学素子の製造方法においては、構成2を有するガラス物品の製造方法により製造されたガラス物品を加熱し、軟化させて、プレス成形を行うので、内部品質の高い光学素子を製造することができる。
構成7を有する本発明に係る光学素子の製造方法においては、構成3を有するガラス物品の製造方法により製造された光学素子ブランクを研削し、研磨するので、内部品質の高い光学素子を製造することができる。
すなわち、本発明は、熔融ガラス、または、加熱し、軟化させたガラスを成形して得られる曲面を含む表面を有するガラス塊の内部品質を効率よく検査できる検査工程を有することにより、高い内部品質が求められる種々のガラス物品、光学素子ブランクや、レンズなどの光学素子を高い生産性のもとに製造することができるガラス物品の製造方法及び光学素子の製造方法を提供することができるものである。
以下、本発明に係るガラス物品の製造方法及び光学素子の製造方法の最良の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本発明に係るガラス物品の製造方法は、熔融ガラス、または、加熱し軟化させたガラスを成形してガラス物品を製造するガラス物品の製造方法であって、曲面を含む表面を有するガラス塊を成形する成形工程と、ガラス塊内に検査光を透過させてガラス塊の少なくとも内部品質を検査する検査工程とを有するものである。
〔ガラス物品について〕
本発明に係るガラス物品の製造方法により製造されるガラス物品は、大別すると、プレス成形用ガラス素材、光学素子及び光学素子ブランクとなる。
プレス成形用ガラス素材とは、プレス成形品1個分のガラスからなり、プレス成形に適した形状に予備成形されたガラス塊である。このプレス成形用ガラス素材は、プレス成形用プリフォーム(以下、プリフォームという。)とも呼ばれる。本発明の各方法は、光学ガラスよりなるガラス物品に適用することが望ましい。
〔検査工程について〕
図1は、本発明に係るガラス物品の製造方法における検査工程を示す側方から見た断面図である。
検査工程においては、図1に示すように、ガラス塊101の曲面を含む表面101aに、少なくとも一の導光部材1の一方側の表面、すなわち、対向面1aを近接させ、もしくは、接触させ、この導光部材1内を経て対向面1a及びガラス塊101の表面101aを介してガラス塊101内部へ検査光を導き、及び/又は、ガラス塊101内部を透過した検査光をこのガラス塊101の表面101a及び対向面1aを介して導光部材1内に導いて、ガラス塊101を透過した後の検査光を検査する。この工程によれば、ガラス塊の内部品質だけでなく、表面の品質、例えば表面が光学的に均質かどうか検査することもできる。
〔導光部材について〕
このガラス物品の製造方法の検査工程においては、図1に示すように、少なくとも一の導光部材1を用いる。この導光部材1の一方側の表面は、ガラス塊101の曲面を含む表面101aに対向される対向面1aとなされ、他方側の表面1bは、平面となされている。この導光部材1は、検査工程において、ガラス塊101の表面101aに対し、対向面1aを近接させ、もしくは、対向面1aを接触させて配置する。
この検査工程において、導光部材1は、検査光を透過させる材料、例えば、ガラス、プラスチック、透光性セラミック、結晶などから作られたものである。この導光部材1は、内部において検査光の屈折や散乱が生じないように、脈理、光散乱源を含まないように作製されたものを用いる。そして、導光部材1の対向面1aは、ガラス塊101の表面101aが凸面の場合には凹面に形成し、ガラス塊101の表面101aが凹面の場合には凸面に形成する。
この検査工程においては、光源2からの検査光を、導光部材1内を経て対向面1a及びガラス塊101の表面101aを介してガラス塊101内部へ導き、及び/又は、ガラス塊101内部を透過した検査光をこのガラス塊101の表面101a及び導光部材1の対向面1aを介して導光部材1内に導く。図1に示す実施の形態においては、ガラス塊101の両面側にそれぞれ導光部材1,1を配置し、これら導光部材1,1によってガラス塊101を挟むようにしている。
このガラス物品の製造方法は、このような光路を形成することにより、ガラス塊101の表面101aにおける全反射による検査光不透過領域を低減し、もしくは、解消する。
この検査工程の態様としては、態様1として、導光部材1内を経て対向面1a及びガラス塊101の表面101aを介してガラス塊101内部へ導く場合と、態様2として、ガラス塊101内部を透過した検査光をこのガラス塊101の表面101a及び導光部材1の対向面1aを介して導光部材1内に導く場合と、態様3として、導光部材1内を経て対向面1a及びガラス塊101の表面101aを介してガラス塊101内部へ導くとともに、このガラス塊101内部を透過した検査光をこのガラス塊101の表面101a及び導光部材1の対向面1aを介して導光部材1内に導く場合とが考えられる。
まず、態様1について説明する。導光部材1の対向面1aとガラス塊101の曲面を含む表面101aとを接触させて使用する場合、スネルの法則にしたがって、導光部材1とガラス塊101との接触面において検査光が屈折する。接触面における検査光の進行方向の変化は、屈折が生ずる面における入射角が一定であれば、導光部材1とガラス塊101の屈折率差が小さいほど少ない。導光部材1は固体によって形成されるため、検査光に対する透過性を維持しつつ、屈折率を高くすることができるので、ガラス塊101の屈折率が高い場合であっても、接触面における検査光の進行方向の変化を少なくすることができる。その結果、ガラス塊101の内部を通過した検査光がガラス塊101の外部へ出射する際の表面101aに対する入射角を減少させることができ、この検査光は、ガラス塊101の表面101aにおいて全反射することなく、ガラス塊101を透過する。
そして、導光部材1の対向面1aがガラス塊101の表面101aに近接した状態で対向している場合には、導光部材1とガラス塊101の間に空間(空気層)ができる。この場合には、検査光は、導光部材1の対向面1a及びガラス塊101の表面101aにおいてそれぞれスネルの法則にしたがって屈折するが、対向面1aと表面101aとが近接しているので、導光部材1とガラス塊101の屈折率差が小さければ、屈折による検査光の進行方向の変化は少ない。その結果、前述の場合と同様に、検査光は、ガラス塊101の表面101aにおいて全反射することなく、ガラス塊101を透過する。
このようにして、この検査工程においては、ガラス塊101の内部を広範囲に亘って、あるいは、ガラス塊101の内部の全域に亘って検査光を透過させることができ、ガラス塊101の内部の欠陥の有無を検査することができる。
そして、態様2については、前述の態様1の説明における導光部材1とガラス塊101とを逆にして考えればよい。また、態様3は、前述の態様1と態様2とが連続して行われるものである。
後述するように、ガラス塊101内部の欠陥は、ガラス塊101を透過した後の検査光を集束させたり、結像させることにより検出される。しかし、検査光がガラス塊101によって著しく集束されたり、著しく発散されてしまうと、検査光の集束や結像が実現できなくなってしまう。前述の態様1、態様2及び態様3のいずれの場合にも、導光部材1は、検査光がガラス塊101によって著しく集束されたり、著しく発散されることを防ぐ働きもする。したがって、導光部材1をガラス塊101に対向させた状態(検査時の状態)において、導光部材1及びガラス塊101が組合わせられた構成に検査光として平行光束を入射させ、透過する光束も平行光束になるように、公知の光学設計技術を用いて、導光部材1の形状を設定することが望ましい。
この検査工程においては、前述したように、対向面1aをガラス塊101の表面101a(曲率部分)を反転した形状(凹凸を反転した形状)とし、対向面1aと反対の面を平面とした導光部材1を2個用いることが好ましい。対向面1aと反対の面1bは、導光部材1内部を透過した検査光が対向面1aから出射する場合は入射面であり、検査光が対向面1aから導光部材1内部に入射する場合は出射面である。そして、これら2個の導光部材1により、ガラス塊101を挟む構成とすることが好ましい。
導光部材1を、ガラス塊101の屈折率と同じか、もしくは、近い屈折率の材料で作っておけば、検査光を平行光束として一方の導光部材1の平面部1bから入射させたときに、他方の導光部材1の平面部1bから検査光を平行光束、または、平行光束に近い状態で出射させることができる。ここで、導光部材1の光学的均質性が低いと、検出される光学的不均質性が、ガラス塊101に由来するものなのか、導光部材1に由来するものなのかが判らなくなる。そのため、導光部材1は、光学的に均質な材料を用いて作っておく必要がある。
このようにして、ガラス塊101の屈折率がガラス塊101の屈折率と同じか、あるいは、近い場合には、ガラス塊101の表面101aにおける曲面部分の曲率が大きい場合であっても、ガラス塊101の表面101aにおける全反射による検査光不透過領域を低減、もしくは、解消することができる。その結果、ガラス塊101の内部の品質、例えば、ガラス塊101の内部における脈理、光散乱源の有無の検査を、ガラス塊101の全域に亘って、効率よく行うことができる。
〔液体、または、緩衝材について〕
前述の態様1、態様2及び態様3のいずれの場合にも、対向面1aに対向する表面101aにおいて、検査光の全反射が起きる場合には、検査光を導くことができない。この場合には、導光部材1の対向面1aとガラス塊101の表面101aとを接触させるか、あるいは、対向面1aと表面101aとの間に検査光を透過する液体、または、緩衝材を導入し、ガラス塊101の表面101aにおける検査光の臨界角を増加させ、検査光が全反射することなくガラス塊101を透過するようにする。
このような液体、または、緩衝材を導入することにより、ガラス塊101の表面101aにおける屈折による検査光の進行方向の変化を小さくし、ガラス塊101の内部を広範囲に亘って、あるいは、全域に亘って検査することができる。
導光部材1の対向面1a及びガラス塊101の表面101aの間への液体や緩衝材の導入は、対向面1aの形状を表面101aの凹凸を反転した形状に精密に一致させることが困難な場合に有効である。また、一種類の導光部材1を使用して、複数個の同一仕様のガラス塊101を検査するに際しては、ガラス塊101の表面101aの形状精度が十分に高くなければ、導光部材1の対向面1aを各ガラス塊101の表面101aに全域にわたり接触させることは困難である。このような場合にも、導光部材1の対向面1a及びガラス塊101の表面101aの間へ液体や緩衝材を導入することが有効である。
なお、この検査工程においては、導光部材1を用いるため、これら液体や緩衝材の屈折率がガラス塊101の屈折率に一致していなくとも、ガラス塊101内部を広い範囲に亘って検査することが可能である。
導光部材1の対向面1a及びガラス塊101の表面101aの間に導入する液体は、検査光を透過するものを選択する。この液体としては、ガラス塊101の表面101aを変質させることがなく、また、侵蝕しない液体を用い、例えば、マッチングオイルやグリースなどを用いる。マッチングオイルとしては、砒素化合物など環境上好ましくない物質を含まないものが望ましい。
導光部材1の対向面1a及びガラス塊101の表面101aの間に液体を導入する場合における好適な態様としては、図1に示すように、ガラス塊101、導光部材1及び液体3aを容器4内に収容し、導光部材1の対向面1aとガラス塊101の表面101aとの間に液体3aを介在させるようにする。すなわち、容器4内にガラス塊101及び導光部材1を入れ、ガラス塊101の表面101aと導光部材1の対向面1aとを近接して対向させ、容器4内に液体3aを入れることにより、容易に、表面101aと導光部材1との間に液体3aを介在させることができる。
なお、液体3aとしてグリースを用いる場合には、この液体3aを収容するための容器を用いることなく、前述した効果を得ることができる。
容器4を用いる場合においては、この容器4は、検査光を透過させるとともに、光学的に均質性のよい材料により作ることが望ましい。このような容器であれば、容器4の外部から容器4を通して容器4内のガラス塊101に検査光を導入することができ、ガラス塊101を透過した検査光を容器4を通して外部に出射させることもできる。例えば、容器4の側壁から検査光を導入し、ガラス塊101を透過した検査光を容器の他方の側壁から出射させたり、また、容器4の底部から検査光を導入し、ガラス塊101を透過した検査光を容器4内の液体3aの液面から出射させたり、あるいは、容器4内の液体3aの液面から検査光を導入し、ガラス塊101を透過した検査光を容器4の底部から出射させたりすることができる。
また、容器4内の液体3aの液面に検査光を透過させる場合には、液面の波立ちによる影響を排除するため、液面の一部、もしくは、全部に、窓部5を設けるようにしてもよい。この窓部5は、検査光を透過するとともに、光学的に均質な材料により、平板状に形成されたものである。この窓部5を通して検査光の入射または出射を行うことにより、液面の波立ちの影響を排除することができる。
図2は、本発明に係るガラス物品の製造方法における検査工程の他の例を示す側方から見た断面図である。
あるいは、図2に示すように、導光部材1の検査光入射面、または、検査光出射面となる平面部1bを液体3aの外(液面よりも上方)に出せば、液面の波立ちの影響を受けることなく、導光部材1への検査光の入射、あるいは、導光部材1からの検査光の出射を行うことができる。
図3は、検査工程において、導光部材の対向面及びガラス塊の表面の間に緩衝材を導入した例を示す側方から見た断面図である。
また、導光部材1の対向面1a及びガラス塊101の表面101aの間に導入する緩衝材3bは、図3に示すように、検査光を透過し、光学的に均質な材料であるとともに、対向面1a及び表面101aの間の空隙を埋めるように、これら各面に沿って形状が変わり、これら各面との光学的な密着を可能にする材料、例えば、シリコンゴムなどからなることが望ましい。
この場合には、容器4は必要ではなく、導光部材1、緩衝材3b、ガラス塊101、緩衝材3b及び導光部材1を順次重ねたものを、例えば、移動ステージ上や、移動ステージ上に配置されたガラス平板上などに設置して、検査光を透過させることができる。
〔光源について〕
そして、ガラス塊101を透過した後の検査光に基づいて、ガラス塊101内部の脈理など光学的な均質性を損なう欠陥の有無を検査するには、検査光の光源2を点光源とすることが望ましい。点光源と見なせる光源としては、ランプ及びスリット、または、ランプ及びピンホールを組合せた光源ユニットや、レーザ光源などを挙げることができる。このような光源ユニットの構成例としては、ランプ(例えば、ハロゲンランプなど)及びスリット(あるいはピンホール)の間にランプ光を集束するためのレンズ(複数枚のレンズを組合せたレンズ系でもよい。)を配置し、スリット開口部に集束したランプ光を導く構造のものが挙げられる。また、レーザ光源を用いる場合にも、必要に応じて、レーザ光を集束したり、コリメートする光学系を組合せてもよい。
なお、この検査工程において、検査光は、検査対象物の用途上、使用される光の波長又は波長域の光とすることが好ましい。例えば、可視域の撮像光学系に使用する光学素子やその素子をプレス成形するためのガラス素材(プリフォーム)の場合、可視光を検査光とすることが好ましい。検査光が可視光であれば、各光学系を構成するレンズやミラー、撮像素子などの各部品として、汎用の素子や装置を使用することができる。
〔検査光の検出について〕
ガラス塊101を透過した後の検査光の検出には、図1に示すように、この検査光を結像させる結像光学系6を用いる。この結像光学系6により、ガラス塊101の像を撮像素子(イメージセンサ)7の受光面に結像させ、この像を画像情報として取り込んだり、また、この像を目視により観察するようにしてもよい。
ガラス塊101内部の欠陥は、検査光の光束断面内における二次元的な強度分布、すなわち、検査光の濃淡として検出される。
ガラス塊101内部の欠陥のサイズが小さい場合は、ガラス塊101を透過した検査光を顕微鏡などの拡大光学系に導入して、欠陥の有無を検査することが望ましい。この場合、ガラス塊101を検査光の進行方向(光軸)に対して直交する面内で移動するステージなどの機能を有することが好ましい。この機能を使用して、ガラス塊101を移動することにより、ガラス塊101の内部の異なる領域を詳細に観察することができる。液体3aを入れた容器4内にガラス塊101及び導光部材1を収容して検査を行う場合には、容器4ごと載せることができるステージを設けることが望ましい。
ガラス塊101内部の欠陥を顕著に視覚化する構成としては、シュリーレン方式によりガラス塊101内部を検査する構成が挙げられる。シュリーレン方式は、ガラス塊101中において屈折率が僅かでも異なる部分がある場合において、検査光の進行方向の変化を利用して、その部分を明瞭に認識可能なものとして捉える検査方式である。具体的には、点光源からの検査光をコリメートして平行光束とし、ガラス塊101に入射させ、このガラス塊101を透過した検査光を集束させる。そして、検査光の焦点位置8にナイフエッジを配置し、検出側から見た視野を絞る。すると、ナイフエッジに近づく方向に屈折した検査光は遮られて暗くなり、遠ざかる方向に屈折した検査光は遮られないので、明るい画像となって観察される。
シュリーレン方式では、ガラス塊101内部の欠陥が検査光の明暗のコントラストとして明瞭に認識できるので、欠陥の有無を明瞭に可視化することができ、作業者の負担を軽減することができる。
また、ナイフエッジに代えて、ロンキーと呼ばれる微小ピッチの格子を検査光の焦点位置8に配置することでも、欠陥の存在を可視化することができる。ロンキーは、光軸に直交する平面内に小さなナイフエッジが多数平行に配置されたものであると考えることができる。ロンキーをなす各ナイフエッジ間の間隔(格子間隔)を焦点上のスポット直径に合わせておけば、光軸に直交する方向については、ロンキーを配置する位置について調整の必要がない。ロンキーと焦点位置とが光軸方向にずれている場合には、ロンキーを経た検査光は、ロンキーの形状に応じた縞模様を形成する。この場合には、縞模様が現れないように、ロンキーを光軸方向に移動調整することにより、ロンキーと検査光の焦点位置8とを一致させることができる。
なお、ロンキーとしては、このロンキーをなす各ナイフエッジ間の間隔(格子間隔)の異なるものを複数種類、例えば、2種類程度用意しておくことが好ましい。
さらに、ロンキーに代えて、光軸に直交する平面内に小さなナイフエッジが多数縦横に配置された網状の部材を用いてもよい。この場合には、網状をなす各ナイフエッジ間の間隔を焦点上のスポット直径に合わせておけば、光軸に直交する方向について調整の必要がないこと、光軸方向については、検査光において網状の部材の形状に応じた網模様が現れないように調整すればよいことは、ロンキーの場合と同様である。
ガラス塊101内に線状の脈理がある場合において、この脈理が、ナイフエッジの縁部、または、ロンキーの格子方向に対して、直交する方向となっている場合には、この脈理は検出できない虞れがある。このような場合には、ナイフエッジ、または、ロンキーを光軸周りに回転させればよい。この場合において、ナイフエッジは、検査光の焦点位置8を中心として回転させる必要があるが、ロンキーを用いている場合には、回転中心が検査光の焦点位置8からずれていても問題がない。
さらに、ロンキーに代えて網状の部材を用いた場合には、ガラス塊101内の線状の脈理がどのような方向を向いていても、この網状の部材を回転させることなく、この脈理を検出することができる。
〔プリフォームを製造する場合の検査工程について〕
プリフォームを製造する場合には、前述の検査工程では、検査の効率化を図る目的で、プリフォーム表面の検査光を入射させる面(入射面)、もしくは、出射させる面(出射面)の少なくとも一方の面に対して、これらの表面の反転形状を有する対向面を備えた導光部材を用いる。この導光部材の対向面上にプリフォームを載せて、マッチングオイル中に浸漬させ、脈理の有無などの内部品質を観察、検査する。
入射面及び出射面の曲率半径が異なるプリフォームの場合には、曲率半径の小さい方の面に対して、導光部材を用いることが望ましい。
このように、プリフォームの片面に対して導光部材を用いた場合において、検査光の不透過領域が広い、すなわち、プリフォームの周辺部の暗い輪郭の幅が広く視野が狭い場合には、反対側の面に対しても導光部材を用いることが望ましい。このように、2つの導光部材を用いて、それぞれの対向面によりプリフォームを挟む状態として、プリフォーム内部の観察、検査を行うことが好ましい。
球形状のプリフォームの場合は、対向面が球面の反転形状となされた導光部材を2つ用いて、これら導光部材の対向面によってプリフォームを上下から挟み、マッチングオイルに浸漬させて、プリフォーム内部の観察、検査を行うことが好ましい。
マッチングオイルは、一般に市販されており容易に入手可能なものでは、屈折率(nd)は1.78が最高である。そのため、これを超える屈折率のプリフォームに対して適用する場合に、本発明は、よりいっそう優位な効果を得ることができる。
導光部材は、前述したように、検査光を透過し、光学的に均質な材料からなるものが好ましい。検査対象であるプリフォームとの関係では、プリフォームの屈折率(nd)に対して、導光部材の屈折率の差は、−5000×10−5乃至20000×10−5であることが好ましい。より好ましくは、プリフォームの屈折率(nd)に対して、導光部材の屈折率の差は、−500×10−5乃至15000×10−5である。導光部材をガラスで作る場合は、光学ガラスを用いることが望ましい。
砒素化合物を含まず毒性を有さないマッチングオイルでは、最も高い屈折率は1.78であるから、プリフォームの屈折率が高く、マッチングオイルとの屈折率差が大きい場合には、導光部材としては、プリフォームよりも高い屈折率を有するものを用いることが望ましい。
導光部材の形状としては、マッチングオイル中に浸漬する場合において、この導光部材とマッチングオイルを収容する容器と組合せによって、プリフォームを透過した検査光が撮像素子や検出器の直前まで収束、あるいは、発散せずに到達する形状とすることが必要である。したがって、容器の蓋部及び底部の両方が平行な二平板からなり、また、容器の底部と接する導光部材の面及び容器の蓋部と対向する導光部材の面(いずれもプリフォームに接しない側の面)が平面であることが好ましい。
プリフォームに接する導光部材の対向面の形状は、前述したように、プリフォームの表面形状に対する反転形状であるが、この対向面の形状は、プリフォームの形状が一つの対称軸をもつ回転対称形状である場合であって、プリフォームの表面と対称軸との2つの交点のうちの第1の交点を含む表面と第2の交点を含む表面とで曲率半径が異なる場合には、対称軸に直交する仮想平面でプリフォームを二分し、2分された表面のそれぞれの面形状に対して反転した形状に加工する。
また、導光部材は、外周部に段差を設けて、この段差を利用して導光部材を持ち上げて傾けることが可能な形状としておくことが好ましい。
そして、検査工程で使用するマッチングオイルは、プリフォーム、導光部材及びこのマッチングオイルを透過した検査光が撮像素子や検出器によって検出可能であり、かつ、脈理の存在が確認できる程度に、可視領域光の透過性を有することが好ましい。
また、マッチングオイルは、1.495以上の屈折率(nd)を有する液体(有機物、あるいは、無機物の溶液)であることが好ましく、プリフォーム及び導光部材の屈折率との差が2000×10−5以下である屈折率を有することが好ましい。マッチングオイルとしては、このような仕様を満足し、かつ、例えば砒素化合物を含まず、毒物を有さない液体であって、さらに、安価で利用しやすい液体であることが望まれる。
〔本発明における検査工程の意義〕
本発明における検査工程の意義は2つに大別される。第1の意義は、検査工程の結果により、ガラス物品の品質保証を行うことである。また、第2の意義は、検査工程の結果に基づき、ガラス塊の成形工程における成形条件を設定、または、調整することである。
ガラス物品の品質保証を行う場合には、検査工程においてガラス物品の内部を検査し、脈理などの欠陥がないことを確認することにより、ガラス物品の品質を保証することができる。加えて、ガラス物品の表面を検査し、欠陥がないことを確認することもできる。
すなわち、多数のガラス物品、例えば、同一ロットのガラス物品から一定量の検査用試料となるガラス物品を抜き出して、前述した検査工程によって内部を観察し、脈理などの欠陥がないことを確認する。ガラス物品のロットからいくつの検査用試料を抜き出すかは、そのロットを製造した方法がどのくらいの割合で内部欠陥を含むガラス物品を含むかということによる。したがって、検査用試料の個数は、個々の製法に応じて経験的に定めることが望ましい。また、検査用試料の抜き出しは、ランダムに行うことが望ましい。このようにして、検査用試料となるガラス物品に内部欠陥が認められなければ、そのロット全体の品質を保証することができる。
ガラス塊の成形工程における成形条件を設定、調整する場合には、量産開始に先立って、成形工程において成形条件を暫定的に設定し、この条件に基づいてガラス塊を成形するか、あるいは、この条件に基づいて量産を開始して成形したガラス塊の中から検査試料となるガラス塊を抜き出して、このガラス塊について検査工程を実行し、検査結果に基づいて、成形条件を調整する。
この方法は、熔融ガラスを連続的に流出させ、プリフォームなどのガラス物品を成形する場合に好適である。内部品質が良好なガラス塊が得られている限りは、成形条件を一定に保てばよいが、内部品質の低下が見られる場合には、検査工程における内部品質の検査結果に基づいて成形条件にフィードバックをかけ、成形条件を調整し、内部品質が改善されるようにする。この方法により、内部品質の良好なガラス物品を安定して量産することができる。
なお、ガラス塊の製造条件としては、流出パイプの温度、熔融ガラスを攪拌、均質化して流出パイプへと流す作業槽の温度等の熔融ガラスの流出条件、成形型の温度、成形型より噴出するガスの量や温度などの成形条件があげられる。特に、上記条件の中でガラス塊の品質の良否は、流出パイプの温度と作業槽の温度に対して最も敏感である。流出パイプや作業槽の温度が低いとガラス塊が失透してしまい、光学的性能が大きく損なわれる。また、流出パイプや作業槽の温度が高いとガラス塊中に脈理が発生してしまい、光学的性能が大きく損なわれる。流出パイプの温度の適正な温度範囲は、ガラスやその他条件によって変わるものの、通常、摂氏数十度の範囲になっている。作業槽についても、適正な温度範囲は、通常、摂氏数十度の範囲になっている。熔融ガラスの流出では、熔融ガラスの温度は、概ね1000°C乃至1200°C付近である。1000°Cに対して数十度以内で熔融ガラスの温度を適正値にしないと、失透、脈理のないガラス塊を安定して得ることは難しい。
本発明の製造方法においては、検査工程の結果により、流出パイプの温度、作業槽の温度、あるいは流出パイプおよび作業槽の温度にフィードバックすることにより、失透、脈理のない良質のガラス塊を安定して生産することができる。
前述したように、連続的に成形を開始する前に検査用ガラス塊を成形して内部品質検査を行い、その検査結果に基づき成形条件を設定して連続成形を開始し、その後、成形されたガラス塊をサンプリングして内部検査を行い、その結果をフィードバックして成形条件の調整を行うことができる。
ガラス塊の製造に先立って内部品質の検査を行う場合においては、内部品質検査用ガラス塊に脈理等が発見された場合には、流出条件及び成形条件のいずれか一方又は両方を調整した後に成形を開始するか、あるいは、再度、調整後の条件で内部品質検査用ガラス塊を製造し、内部品質を検査した後に成形を開始する。再度の検査により、依然として脈理等が発見された場合、流出条件及び成形条件のいずれか一方又は両方をさらに調整した後に成形を開始する。
また、実際に製造されているガラス塊(ホットサンプル)をサンプリングして内部品質の検査を行う場合には、ホットサンプルに脈理が発見された場合は、流出条件及び成形条件のいずれか一方又は両方にフィードバックをかけ、脈理発生源を解消する。
このように、流出パイプの温度を調整、制御することにより、失透発生を防止しつつ、脈理の発生も防止することができる。あるいは、上述したその他の成形条件を調整して脈理の発生を解消することができる。
ガラス塊の内部検査は、定期的に行うことが好ましい。上記検査はエンドサンプルをサンプリングして行ってもよい。ただし、内部検査結果を迅速に成形条件へフィードバックするには、ホットサンプルの検査結果をフィードバックすることが好ましい。
また、ダイレクトプレス成形では、熔融ガラスを下型で直接受けたり、熔融ガラスを受け型で受けてから、下型に移して、下型上の軟化ガラスを対向する上型を含むプレス成形型でプレス成形する。ダイレクトプレス成形でも、アニール前の成形品をホットサンプル、アニールされた成形品をエンドサンプルと呼ぶ。ホットサンプル、エンドサンプルの少なくとも一方をサンプリングして上記の内部検査により脈理などの内部欠陥の有無を確認する。
脈理などが見られた場合は、ガラス塊の成形で説明したように、熔融ガラスを供給する流出パイプの温度などの成形条件を調整して脈理の発生を抑えるフィードバックをかける。このようにして脈理や失透などの欠陥のないプレス成形品を作る。成形条件へのフィードバック用としては、成形品の内部を速やかに検査し、その結果を成形条件に迅速にフィードバックするためにホットサンプルをサンプリングして検査することが望ましい。この場合も成形開始時の成形条件を設定するため、まず検査用ガラス成形品をプレス成形し、その成形品の内部品質を上記のように検査して、その結果に基づいて成形条件を設定するようにしてもよい。
〔光学素子の製造方法〕
次に、本発明に係る光学素子の製造方法について説明する。
この光学素子の製造方法は、前述したようにしてガラス物品として作製したプレス成形用ガラス素材を用いて、このプレス成形用ガラス素材を加熱し、軟化させて、プレス成形するものである。この光学素子の製造方法においては、プレス成形用ガラス素材を精密プレス成形用プリフォームとして、精密プレス成形によって光学素子を製造してもよいし、また、ガラス素材を加熱し、軟化させてプレス成形し、光学素子に近似する形状の光学素子ブランクを作製してから、この光学素子ブランクをアニールした後、研削、研磨して光学素子を製造してもよい。
さらに、前述したようにしてガラス物品として作製した光学素子ブランクを用いて、この光学素子ブランクを研削、研磨して光学素子を製造するようにしてもよい。この場合にも、光学素子ブランクをアニールした後、研削、研磨して光学素子を製造する。
このようにして製造された光学素子は、加工前のガラス物品の状態で内部品質が優れていることが確認、あるいは、品質保証されているので、あらためて内部品質の検査をする必要がない。
〔実施例1(プリフォームに関する)〕
−La系組成を有するプレス成形用光学ガラスが得られる熔融ガラスを流出パイプから連続流出させ、これを多孔質浮上型で受け、降下切断法により所定の重量の熔融ガラス塊を得て、これをプレス成形用プリフォームに成形した。
プレス成形用プリフォームの屈折率は1.85であり、脈理観察用の導光部材の屈折率も1.85とした。マッチングオイルには、屈折率1.78のオイルを用いた。ここで、ガラス塊、導光部材及びマッチングオイルの屈折率は、いずれも波長587.56nmにおける値である。
検査工程として、平行な二面を有する底板と蓋板の白板ガラスからなる容器(ガラスセル)にマッチングオイルを入れ、その中に導光部材を入れた。導光部材は、平面側を下方に向け、プリフォームの反転形状を有する対向面を上方に向け、その上にプリフォームを載せた。そして、ガラスセルの鉛直下方から白色光源の検査光を入射させた。これらプリフォーム、導光部材、マッチングオイル及びガラスセルの鉛直上方に配置した撮像素子で検査光を検出し、その画像をモニターに表示して、脈理の有無を観察、検査した。
このようにして検査したプリフォームの端部には、表面脈理が見られたため、流出パイプから出た熔融ガラス流に窒素ガスを吹き付けて冷却することにより、表面脈理の発生を抑制し、脈理が解消したことを検査によって確認し、プリフォームを量産した。
〔実施例2〕
−La−TiO系組成を有するプレス成形用光学ガラスが得られる熔融ガラスを流出パイプから連続流出させ、これを多孔質浮上型で受け、降下切断法により所定の重量の熔融ガラス塊を得て、これをプレス成形用プリフォームに成形した。
プレス成形用プリフォームの屈折率は1.90であり、脈理観察用の導光部材の屈折率は2.00とした。導光部材は、ガラスにより作製した。マッチングオイルには、屈折率1.78のオイルを用いた。ここでも、ガラス塊、導光部材及びマッチングオイルの屈折率は、いずれも波長587.56nmにおける値である。
検査工程として、平行な二面を有する底板と蓋板の白板ガラスからなる容器(ガラスセル)にマッチングオイルを入れ、その中に導光部材を入れた。導光部材は、平面側を下方に向け、プリフォームの反転形状を有する対向面を上方に向け、その上にプリフォームを載せた。そして、ガラスセルの鉛直下方から白色光源の検査光を入射させた。これらプリフォーム、導光部材、マッチングオイル及びガラスセルの鉛直上方に配置した撮像素子で検査光を検出し、その画像をモニターに表示して、脈理の有無を観察、検査した。
このようにして検査したプリフォームには、表面脈理も内部脈理も見られなかったため、そのままの条件でプリフォームを量産した。
〔実施例3〕
実施例1及び実施例2において量産したプリフォームから、ランダムに内部品質検査試料となるプリフォームを抜き出し、実施例1及び実施例2において行った検査工程と同様の方法により、プリフォーム内部を観察した。
いずれの試料にも、脈理などの内部欠陥は認められなかった。この結果から、実施例1及び実施例2で量産したプリフォームの内部品質が、精密プレス成形用プリフォームとして十分な品質を有することを保証することができた。
〔実施例4〕
実施例1乃至実施例3のプリフォームを公知の精密プレス成形法により精密プレス成形し、非球面レンズなどの光学素子を量産した。得られた光学素子の内部品質を実施例1及び実施例2において行った検査工程と同様の方法により検査したところ、光学素子として十分な内部品質を有することを確認することができた。
この検査では、光学素子の表面形状を反転した面を有する導光部材によって光学素子を挟み、実施例1及び実施例2において行った検査工程で使用した装置を用いた。
〔比較例1〕
屈折率1.90のガラスからなるプレス成形用プリフォームの内部を検査するにあたり、このプレス成形用プリフォームを屈折率1.78のオイルに浸漬させ、導光部材を用いずに、前述の光学系を用いて検査した。
この場合、プレス成形用プリフォームの周辺部に幅の広い真っ黒な輪郭が生じてしまい、観察、検査が可能な視野が極めて狭かった。この輪郭は、検査光が透過しない領域である。このため、プレス成形用プリフォームの傾きを変え、また、回転させることによって、検査光が透過しない領域を変えつつ、観察をする必要があり、観察、検査に長時間を要した。
〔比較例2〕
屈折率1.90のガラスからなるガラスプリフォームの内部を検査するにあたり、このガラスプリフォームを屈折率1.90のオイルに浸漬させ、導光部材1を用いずに、前述の光学系を用いて検査した。
この場合、オイル自身の着色が極端に濃く、真っ黒でありガラスプリフォームの所在が特定できないほどであった。また、検査光がオイルにほとんど吸収されてしまい、透過した後の検査光から像を得ることが困難であった。透過後の検査光から像を得るためには、強力な光源と、微弱な検査光を検出する高感度の検出器が必要であった。
さらに、屈折率1.90のオイルは有毒な臭化砒素を含有するため、その取り扱いには充分な注意を要し、オイルとの接触を防止するため、手袋やエプロンを装着し、また、その蒸気を吸引しないように防毒マスクを装着するなどして、作業性を犠牲にしても安全を重視した状態で検査する必要があった。また、臭化砒素は、空気中の水分によって腐食性の臭化水素を生じ、顕微鏡などの観察装置を腐食するため、グローブボックス内で作業した。
このように、砒素化合物を含む高屈折率のオイルを使ってのガラスプリフォームの観察、検査においては、その毒性や腐食性に配慮した保護具の装着や装備が必要であり、これらによって検査の作業性が大きく損なわれ、作業能率が低下してしまった。また、オイル自身も高価であり、検査中の揮発や検査したガラスプリフォームにオイルが付着し効率的に回収することができないため、その分が損失となり、検査に要するコストが高騰した。
本発明に係るガラス物品の製造方法における検査工程を示す側方から見た断面図である。 本発明に係るガラス物品の製造方法における検査工程の他の例を示す側方から見た断面図である。 前記検査工程において、導光部材の対向面及びガラス塊の表面の間に緩衝材を導入した例を示す側方から見た断面図である。
符号の説明
1 導光部材
1a 対向面
2 光源
3a 液体
3b 緩衝材
4 容器
5 窓部
6 結像光学系
7 撮像素子
8 検査光の焦点位置
101 ガラス塊
101a 表面

Claims (7)

  1. 熔融ガラス、または、加熱し軟化させたガラスを成形してガラス物品を製造するガラス物品の製造方法において、
    曲面を含む表面を有するガラス塊を成形する成形工程と、
    前記ガラス塊内に検査光を透過させて該ガラス塊の少なくとも内部品質を検査する検査工程と
    を有し、
    前記検査工程は、前記ガラス塊の曲面を含む表面に、少なくとも一の導光部材の表面を近接させ、もしくは、接触させ、この導光部材内を経てこの導光部材の表面及び前記ガラス塊の表面を介して該ガラス塊内部へ前記検査光を導き、及び/又は、前記ガラス塊内部を透過した検査光をこのガラス塊の表面及び前記導光部材の表面を介して該導光部材内に導いて、前記ガラス塊を透過した後の検査光を検査することによって行う
    ことを特徴とするガラス物品の製造方法。
  2. 前記ガラス塊は、プレス成形用ガラス素材である
    ことを特徴とする請求項1記載のガラス物品の製造方法。
  3. 製造されるガラス物品は、光学素子、または、光学素子ブランクである
    ことを特徴とする請求項1記載のガラス物品の製造方法。
  4. 前記検査工程における検査結果により、製造されるガラス物品の品質保証を行う
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のガラス物品の製造方法。
  5. 前記検査工程における検査結果に基づき、前記成形工程における成形条件を設定、または、調整する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のガラス物品の製造方法。
  6. 請求項2記載のガラス物品の製造方法により製造されたガラス物品を加熱し、軟化させて、プレス成形を行う
    ことを特徴とする光学素子の製造方法。
  7. 請求項3記載のガラス物品の製造方法により製造された光学素子ブランクを研削し、研磨する
    ことを特徴とする光学素子の製造方法。
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