JP2007259966A - 発熱具を備えた弁当箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】弁当を確実に加温することができる発熱具を備えた弁当箱を提供すること。
【解決手段】上面が開口し、手前側に下記の長尺状開封具の引き出しを可能にする孔部を有する箱体、箱体の底部に収容されている発熱具、発熱具の上に配置されている食品トレイ、そして箱体の開口を塞ぐ蓋体からなり、上記の発熱具が、水との接触により発熱する発熱剤が封入されている、上面が易引裂性の水不透性フィルムで形成された水密容器、この水不透性フィルムの上に接合固定されている易引裂性袋体に水が収容されてなる水袋、そして水密容器の水不透性フィルムと水袋との間に水不透性フィルムの表面に接合された状態で配置され、一方の端部が、箱体、水密容器もしくは水袋の手前側に固定され、他方の端部が水袋の後方側にて折り曲げられた後、箱体の手前側の上記孔部に通されて箱体の外部に突出している長尺状開封具を含むことを特徴とする発熱具を備えた弁当箱。
【選択図】図1
【解決手段】上面が開口し、手前側に下記の長尺状開封具の引き出しを可能にする孔部を有する箱体、箱体の底部に収容されている発熱具、発熱具の上に配置されている食品トレイ、そして箱体の開口を塞ぐ蓋体からなり、上記の発熱具が、水との接触により発熱する発熱剤が封入されている、上面が易引裂性の水不透性フィルムで形成された水密容器、この水不透性フィルムの上に接合固定されている易引裂性袋体に水が収容されてなる水袋、そして水密容器の水不透性フィルムと水袋との間に水不透性フィルムの表面に接合された状態で配置され、一方の端部が、箱体、水密容器もしくは水袋の手前側に固定され、他方の端部が水袋の後方側にて折り曲げられた後、箱体の手前側の上記孔部に通されて箱体の外部に突出している長尺状開封具を含むことを特徴とする発熱具を備えた弁当箱。
【選択図】図1
Description
本発明は、発熱具を備えた弁当箱に関する。
従来より、食前に弁当(例、駅弁)を加温するための発熱具を備えた弁当箱は知られている。このような弁当箱は、上面が開口している箱体、この箱体の底部に収容されている発熱具、この発熱具の上に配置されている食品トレイ、そして箱体の開口を塞ぐ蓋体などから構成されている。
通常、前記の弁当箱の発熱具としては、水との接触により発熱する発熱剤(例、生石灰)が封入されている水不透性の発熱剤袋(水密容器)と、この発熱剤用の水を封入した水袋とが重ねて配置され、これらの袋を切り裂くために用いる紐(長尺状開封具)を備えた構成の発熱具が使用されている。この発熱具は、弁当箱の箱体の底部に収容され、そして発熱剤袋と水袋とを切り裂くために用いる紐の一方の端部の側は、箱体に形成された孔部から弁当箱の外部に引き出される。
そして、使用者(弁当を食べる者)が、食前に弁当箱の外部に引き出された紐を引っ張ることにより、弁当箱の内部で発熱剤袋と水袋との両者が紐により切り裂かれ、そして発熱剤と水とが接触そして反応することにより発生した熱あるいは水蒸気によって弁当が加温される。このような構成の発熱具を備えた弁当箱は、例えば、特許文献1に記載されている。
一方、特許文献2では、上記の発熱具は、発熱剤袋と水袋との両者を切り裂く場合に、生石灰等の固形の発熱剤を入れた発熱剤袋を紐により切り裂く際の抵抗が大きいために、使用者が発熱剤袋(及び水袋)が十分に切り裂かれる前に紐を引っ張ることをやめてしまい、弁当を十分に加温できない恐れがあると記載されている。
このような問題を解決するために、同文献においては、発熱剤(水密性の袋に封入されていないもの)と水袋とを収容したケースの開口部に防湿シート及び水蒸気透過シートを貼り付けた構成の発熱具(発熱ユニット)が提案されている。
上記の発熱具では、防湿シートに形成された孔部を通して外部に引き出された紐を引っ張ることにより、水袋(及び防湿シート)が切り裂かれ、これによりケースに収容されている発熱剤と水とを反応させる。そして、このような構成の発熱具は、発熱剤袋を切り裂く必要がないために紐を引っ張る際の抵抗が小さいので、使用者によって確実に水袋が切り裂かれ、弁当を確実に加温することができるとされている。
特開平11−292155号公報
特開2002−360439号公報
前記の特許文献2の発熱具を用いることにより、使用者が弁当箱の外部に引き出された紐を引っ張ることで弁当を確実に加温することができる。しかしながら、この発熱具は、ケース内に収容された水袋にピンホールが存在したり、弁当箱に組み込む際に誤って紐に力が加わるなどして水袋の水が漏れた場合に、その水袋の水漏れをケースの外部から見つけ難いという問題を有している。
また、同文献の発熱具においては、水袋を切り裂く紐が、ケース開口部に貼り付けられた防湿シートの孔部を通して外部に引き出されている。このため、発熱具を長期保管中に空気中の水分が防湿シートの孔部からケース内部に侵入し、この水分が発熱剤と接触して反応してしまう恐れがある。
発熱具に上記のような水漏れや、発熱剤と空気中の水分との反応を生じていた場合には、使用者が弁当箱の紐を引っ張っても、既に発熱剤と水との反応が進んでいたり、あるいは終了しているために、弁当を確実に加温できないという不具合を生じる。
本発明の目的は、弁当を確実に加温することができる発熱具を備えた弁当箱を提供することにある。
本発明の目的はまた、水袋の確実な開封及び水漏れの検出が容易で、そして長期保管性に優れる発熱具を提供することにもある。
本発明の目的はまた、水袋の確実な開封及び水漏れの検出が容易で、そして長期保管性に優れる発熱具を提供することにもある。
本発明は、上面が開口し、手前側に下記の長尺状開封具の引き出しを可能にする孔部を有する箱体、箱体の底部に収容されている発熱具、発熱具の上に配置されている食品トレイ、そして箱体の開口を塞ぐ蓋体からなり、上記の発熱具が、水との接触により発熱する発熱剤が封入されている、上面が易引裂性の水不透性フィルムで形成された水密容器、この水不透性フィルムの上に接合固定されている易引裂性袋体に水が収容されてなる水袋、そして水密容器の水不透性フィルムと水袋との間に水不透性フィルムの表面に接合された状態で配置され、一方の端部が、箱体、水密容器もしくは水袋の手前側に固定され、他方の端部が水袋の後方側にて折り曲げられた後、箱体の手前側の上記孔部に通されて箱体の外部に突出している長尺状開封具を含むことを特徴とする発熱具を備えた弁当箱にある。
本発明の発熱具を備えた弁当箱の好ましい態様は次の通りである。
(1)長尺状開封具がテープ状の開封具である。
(2)テープ状の開封具が3乃至40mmの範囲の幅を有する。
(3)テープ状の開封具の表面に、文字及び/又は符号からなるメッセージが表示されている。
(4)孔部が箱体の手前側の壁体の上辺より切り込まれた切り込みである。
(5)水密容器の易引裂性の水不透性フィルムがアルミニウム箔である。
(6)水不透性フィルムと易引裂性袋体との接合が、長尺状開封具に近接並行して配置された両面接着テープによる接着によりなされている。
(7)食品トレイの底部に多数の水蒸気透過性孔部が形成されている。
(8)発熱剤が生石灰粉末とアルミニウム粉末との混合物からなる。
(1)長尺状開封具がテープ状の開封具である。
(2)テープ状の開封具が3乃至40mmの範囲の幅を有する。
(3)テープ状の開封具の表面に、文字及び/又は符号からなるメッセージが表示されている。
(4)孔部が箱体の手前側の壁体の上辺より切り込まれた切り込みである。
(5)水密容器の易引裂性の水不透性フィルムがアルミニウム箔である。
(6)水不透性フィルムと易引裂性袋体との接合が、長尺状開封具に近接並行して配置された両面接着テープによる接着によりなされている。
(7)食品トレイの底部に多数の水蒸気透過性孔部が形成されている。
(8)発熱剤が生石灰粉末とアルミニウム粉末との混合物からなる。
本発明はまた、水との接触により発熱する発熱剤が封入されている、上面が易引裂性の水不透性フィルムで形成された水密容器、この水不透性フィルムの上に接合固定されている易引裂性袋体に水が収容されてなる水袋、そして水密容器の水不透性フィルムと水袋との間に水不透性フィルムの表面に接合された状態で配置され、一方の端部が、水密容器もしくは水袋の手前側に固定され、他方の端部が水袋の後方側から突き出され、その突き出された部分の長さが水密容器の前後方向の長さよりも大きい長尺状開封具を含む発熱具にもある。
本発明の発熱具の好ましい態様は、次の通りである。
(1)長尺状開封具がテープ状の開封具である。
(2)テープ状の開封具が3乃至40mmの範囲の幅を有する。
(3)テープ状の開封具の表面に、文字及び/又は符号からなるメッセージが表示されている。
(4)水密容器の易引裂性の水不透性フィルムがアルミニウム箔である。
(5)水不透性フィルムと易引裂性袋体との接合が、長尺状開封具に近接並行して配置された両面接着テープによる接着によりなされている。
(6)発熱剤が生石灰粉末とアルミニウム粉末との混合物からなる。
(1)長尺状開封具がテープ状の開封具である。
(2)テープ状の開封具が3乃至40mmの範囲の幅を有する。
(3)テープ状の開封具の表面に、文字及び/又は符号からなるメッセージが表示されている。
(4)水密容器の易引裂性の水不透性フィルムがアルミニウム箔である。
(5)水不透性フィルムと易引裂性袋体との接合が、長尺状開封具に近接並行して配置された両面接着テープによる接着によりなされている。
(6)発熱剤が生石灰粉末とアルミニウム粉末との混合物からなる。
本発明の弁当箱が備える発熱具は、発熱剤を封入した水密容器の上に水を封入した水袋が配置された構成を有している。このため、水袋にピンホールが存在したり、弁当箱に組み込む際に誤って長尺状開封具に力が加わるなどして水袋の水が漏れた場合でも、この水漏れを目視で容易に検出することができる。そして、本発明の発熱具は、発熱剤の水密容器への封入状態が良好であり(特許文献2の発熱具のように、発熱剤が封入されるケースの防湿フィルムに長尺状開封具を通すための孔部を形成する必要がなく)、発熱剤と空気中の水分との接触そして反応が十分に抑制されているため、長期保管性に優れている。
また、本発明の発熱具では、長尺状開封具により発熱剤が封入された水密容器をその上面の水不透性フィルムを水袋と共に切り裂いて両者を開封し、これにより水不透性フィルムに形成された開口から水を直接に水密容器に入れ、この水と発熱剤とを接触そして反応させる。すなわち、特許文献1の発熱具のように、発熱剤が封入された発熱剤袋の全体を引き裂く必要がない。従って、本発明の発熱具は、その長尺状開封具を引っ張る抵抗が小さいために、使用者に確実に水袋を開封させ、これにより発熱剤と水とを接触させ確実に反応を進行させることができる。
そして、上記の発熱具を備えた本発明の弁当箱は、その内部に発熱具を組み込む際に水袋の水漏れの有無の検出(発熱具の不良品の排除)が容易で、長期保管中の発熱剤と空気中の水分との反応が十分に抑制され、そして使用者に確実に水袋を開封させることができるため、弁当を確実に加温することができる。
本発明の発熱具を備えた弁当箱を、添付の図面を用いて説明する。図1は、本発明の発熱具を備えた弁当箱の構成例を示す分解斜視図である。図2は、図1の弁当箱10が備える発熱具13の斜視図であり、そして図3は、図2に記入した切断線III−III線に沿って切断した発熱具13の断面図である。
図1に示す発熱具を備えた弁当箱10は、上面が開口し、手前側に下記の長尺状開封具22の引き出しを可能にする孔部11を有する箱体12、箱体12の底部に収容されている発熱具13、発熱具13の上に配置されている食品トレイ14、そして箱体12の開口を塞ぐ蓋体15から構成されており、上記の発熱具13が、水との接触により発熱する発熱剤16が封入されている、上面が易引裂性の水不透性フィルム17で形成された水密容器18、水不透性フィルム17の上に接合固定されている易引裂性袋体19に水20が収容されてなる水袋21、そして水密容器18の水不透性フィルム17と水袋21との間に水不透性フィルム17の表面に接合された状態で配置され、一方の端部が水密容器18の手前側に固定され、他方の端部が水袋21の後方側にて折り曲げられた後、箱体12の手前側の上記孔部11に通されて箱体12の外部に突出している長尺状開封具22を含むことに特徴がある。
本明細書において「手前側」とは、開封具を引き出す側、すなわち図1に示す箱体12の孔部11の側を意味しており、そして「後方側」とは、箱体12の孔部11が形成された壁体と対向している壁体の側を意味している。すなわち、図3においては、図の右側が「手前側」であり、そして図の左側が「後方側」である。
弁当箱10が備える発熱具(本発明の発熱具)13は、図2及び図3に示すように、水との接触により発熱する発熱剤16が封入されている、上面が易引裂性の水不透性フィルム17で形成された水密容器18、水不透性フィルム17の上に接合固定されている易引裂性袋体19に水20が収容されてなる水袋21、そして水密容器18の水不透性フィルム17と水袋21との間に水不透性フィルム17の表面に接合された状態で配置され、一方の端部が、水密容器18の手前側に固定され、他方の端部が水袋21の後方側から突き出され、その突き出された部分の長さが水密容器18の前後方向の長さ(図3における左右方向の長さ)よりも大きい長尺状開封具22から構成されている。
発熱具13は、図1及び図6に示すように長尺状開封具22の端部が箱体12の手前側の孔部11に通されて箱体の外部に突き出された状態にて、箱体12の底部に収容される。そして弁当箱10は、使用者が弁当箱の外部に突き出された長尺状開封具22の端部あるいはその近傍の部分を引っ張ることにより発熱具13が発生する熱あるいは水蒸気によって、食品トレイ14に入れた弁当を加温する。
図1から図3に示すように、発熱具13は、発熱剤16を封入した水密容器18の上に水20を封入した水袋21が配置された構成を有している。このため、水袋21にピンホールが存在したり、弁当箱10に組み込む際に誤って長尺状開封具22に力が加わるなどして水袋21の水20が漏れた場合でも、この水漏れを目視で容易に見つけ出すことができる。そして、発熱具13は、発熱剤16の水密容器18への封入状態が良好であり(特許文献2の発熱具のように、発熱剤が封入されるケースの防湿フィルムに長尺状開封具を通すための孔部を形成する必要がなく)、発熱剤16と空気中の水分との反応が十分に抑制されているため、長期保管性に優れている。なお、図3に示すように、発熱剤16は、その取り扱いを容易とするために、水透過性袋体(例、不織布から形成された袋)16aに収容されていてもよい。
このような構成の発熱具13の長尺状開封具22を図2に記入した矢印の方向に引っ張ると、開封具22が接着剤(図3:25b)によって水不透性フィルム17の表面に接合固定されているため、図4に示すように水不透性フィルム17が引き裂かれて水密容器18が開封される。
そして更に長尺状開封具22を引っ張ると、水不透性フィルム17が更に引き裂かれ、そして開封具22が、接着剤(図3:25a)によって水袋21に固定され、この水袋21が開封具22に近接並行して配置された両面接着テープ(図1:23)によって水不透性フィルム17に接合固定されている(水不透性フィルム17と易引裂性袋体19との接合が、上記の両面接着テープ23による接着によりなされている)ため、図5に示すように水袋21の易引裂性袋体19が引き裂かれて水袋が開封される。これにより水袋21の易引裂性袋体19に収容されている水20が水密容器18の容器本体18aの内部に流れ込み、そして発熱剤16が容器本体18aの内部に流れ込んだ水と接触そして反応して発熱すると共に、この発熱によって水蒸気が発生する。
このように、発熱具13は、長尺状開封具22により発熱剤16が封入された水密容器18をその上面の水不透性フィルム17を水袋21と共に切り裂いて両者を開封し、これにより水不透性フィルム17に形成された開口から水20を直接に水密容器18に入れ、この水と発熱剤とを接触させて反応させる。すなわち、前記の特許文献1の発熱具のように、発熱剤が封入された発熱剤袋の全体を引き裂く必要がない。従って、発熱具13は、その長尺状開封具22を引っ張る抵抗が小さいため、使用者に確実に水袋を開封させ、これにより発熱剤と水とを接触させ確実に反応を進行させることができる。
このような発熱具13を備えた弁当箱10は、その内部に発熱具13を組み込む際に水袋21の水漏れの有無の検出(発熱具の不良品の排除)が容易で、長期保管中の発熱剤16と空気中の水分との反応が十分に抑制され、そして使用者に確実に水袋を開封させることができるため、弁当を確実に加温することができる。
図1に示す発熱具13が備える長尺状開封具22は、水密容器18の上面の水不透性フィルム17を開封するために、水不透性フィルムの表面に接合される。また、水不透性フィルム17と共に水袋21を切り裂いて開封するために、長尺状開封具22は、水不透性フィルム17と水袋21との間に配置され、その一方の端部が水密容器(水密容器の水不透性フィルムの表面)18の手前側に固定され、他方の端部が水袋21の後方側にて折り曲げられた後、弁当箱10の箱体12の手前側の透孔11に通されて箱体の外部に突き出される。なお、長尺状開封具22の上記一方の端部は、水密容器18の外側表面の手前側、水袋21の手前側、あるいは弁当箱10の箱体12の手前側に固定されていてもよい。
本発明の発熱具の長尺状開封具としては、従来の発熱具と同様に紐状のものを用いることもできるが、図1に示すようにテープ状の開封具(長尺状開封具)22を用いることが好ましい。テープ状の開封具22を用いることにより、図5に示すように開封具22を引っ張った際に水密容器18の水不透性フィルム17が大きく開口して水袋21の水20が水密容器に流れ込み易くなると共に、この開口からより多くの水蒸気を外部に放出させることができるようになるために、発熱具による短時間での加温能力を高くすることができるからである。
また、図1に示すように、テープ状の開封具22の表面には、文字及び/又は符号からなるメッセージ(図1に示す開封具22の場合には「まいどありがとうございます」)が表示されていることが好ましい。
開封具22にメッセージが表示されていると、使用者が食前に弁当を加温するために図6に示す弁当箱10の箱体12の外部に突き出された開封具22の端部を引っ張ると、先ず使用者は図7に示すようにメッセージの一部分を確認できるようになり、そして更に開封具の端部を引っ張ると図8に示すようにメッセージの更に多くの部分を確認できるようになる。
従来の弁当箱が備える長尺状開封具は、使用者が食前に弁当を温める目的にのみ用いられている。ところが、このように長尺状開封具22を、文字及び/又は符号からなるメッセージが表示されたテープ状の開封具から構成することにより、開封具22を、使用者に弁当の食前、食中、そして食後にメッセージを伝える情報伝達媒体として用いることが可能になる。
例えば、駅弁などの弁当を入れた弁当箱の使用者は、弁当が加温される迄の間、弁当の食中及び食後に比較的に時間的なゆとりを持っており、そして弁当を加温するためにテープ状の開封具22を見ながら引っ張るため、図7に示すように開封具22に表示された文字(メッセージの一部分)を見た場合に、何が表示されているのか注目して非常に高い関心を示す。このため、メッセージが表示されたテープ状の開封具22は、非常に高い情報伝達性を有しており、使用者に有効にメッセージを伝達することができる。
このようなテープ状の開封具22に表示するメッセージの例を、以下に記載する。
(1)図1の弁当箱10のテープ状の開封具22のように「まいどありがとうございます。」のような使用者(弁当の購入者)に対するお礼、あるいは格言やことわざなどの短い文章を表示する。
(2)図9の弁当箱90のテープ状の開封具92のように「お弁当の○○社」あるいは「タクシーのご用命は○○社へ」のような広告を電話番号と共に表示する。
(3)「当たり」もしくは「はずれ」などを表示して、開封具に籤の機能を持たせて、使用者の弁当箱の開封具に「当たり」が表示されていたら景品を渡す。あるいは「本日の運勢は○○」と表示して、開封具に占いの機能を持たせる。このような開封具による籤や占いによって、弁当箱の使用者に食前から食後までの時間に楽しみを与えることができる。
(1)図1の弁当箱10のテープ状の開封具22のように「まいどありがとうございます。」のような使用者(弁当の購入者)に対するお礼、あるいは格言やことわざなどの短い文章を表示する。
(2)図9の弁当箱90のテープ状の開封具92のように「お弁当の○○社」あるいは「タクシーのご用命は○○社へ」のような広告を電話番号と共に表示する。
(3)「当たり」もしくは「はずれ」などを表示して、開封具に籤の機能を持たせて、使用者の弁当箱の開封具に「当たり」が表示されていたら景品を渡す。あるいは「本日の運勢は○○」と表示して、開封具に占いの機能を持たせる。このような開封具による籤や占いによって、弁当箱の使用者に食前から食後までの時間に楽しみを与えることができる。
テープ状の開封具22は3乃至40mmの範囲の幅を有することが好ましい。テープ状の開封具の幅が3mm未満であると開封具を引っ張った場合に形成される水不透性フィルムの開口が小さくなり、この開口から水不透性容器の内部に流れ込む水の量が少なくなるために発熱具の短時間での加温能力が低下する傾向にあり、また開封具の表面に表示できる文字のサイズが小さくなり過ぎるからである。その一方で、テープ状の開封具の幅が40mmを超えると、使用者が開封具を引っ張る際に、開封具に皺あるいは折れ重なりが生じて開封具を引っ張り難くなり、また弁当を食べる際に開封具が邪魔になる場合があるからである。テープ状の開封具の先端部に、予め粘着剤と離型紙とを付設しておくと、箱体から引き出された開封具を、例えば、箱体の側面に沿わせて配置して粘着剤によりその先端部にて固定しておくことができるので、食事中に開封具が邪魔にならないようにすることができ、また食事中に開封具をその表面に表示されたメッセージが読み易い状態にて配置しておくことができるようになる。
テープ状の開封具22は、ポリプロピレン樹脂フィルムやポリエステルフィルム(例、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム)などの樹脂フィルムあるいは合成紙から形成されていることが好ましい。
以下に、弁当箱10及びその発熱具13の詳細について記載する。
図1の弁当箱10の箱体12、食品トレイ14及び蓋体15の各々は、例えば、ポリスチレン樹脂から形成される。これらの各々の材料としては、上記のポリスチレン樹脂の他に、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂に代表される樹脂材料が挙げられる。箱体12は、発熱剤13が発生した熱を外部に逃がさないようにするため、また加温された弁当の保温性が良好になることから発泡樹脂から形成されていることが好ましい。また、箱体12、食品トレイ14及び蓋体15の各々は、耐水加工の施された厚紙や段ボールシートなどの紙材(例、表面にアルミニウム箔、樹脂フィルムあるいは発泡紙が貼り付けられた紙材)から形成することもできる。
また、図1に示すように箱体12の長尺状開封具22を通すための孔部11は、箱体の手前側の壁体の上辺より切り込まれた切り込みであることが好ましい。このように箱体12の壁体の上端にまで達する孔部11が備えられていると、箱体12の底部に発熱具13を収容した後に、孔部11に箱体12の壁体の上端から長尺状開封具22を差し込んで通すことができるため、箱体12に発熱具13を組み込む作業が容易となる。また、このような形状の孔部11は、箱体12の壁体を一枚のシートから筒状に折り曲げて組み立てる際に、孔部11の位置にてシートの両端を突き合わせて接触させ、この接触部の箱体の下側となる一部分のみを接着することで形成することができる。これにより孔部11を有する箱体12を簡単に作製することができるようになる。
上記のように、本発明の発熱具13を用いることにより、長尺状開封具22により引き裂かれて形成された水密容器18の水不透性フィルム17の開口から多量の水蒸気を放出させることができる。このような水蒸気を有効に利用して弁当を加温する場合には、図1に示すように食品トレイ14の底部に多数の水蒸気透過性孔部24a、24bが形成されていることが好ましい。
食品トレイ14の底部に横方向に一列に並んだ状態で形成されている複数の水蒸気透過性孔部24bは、発熱具13が発生した水蒸気を食品トレイに入れた弁当(例、御飯やおかず)の上方に導く機能を有しており、弁当を十分に加温するために有効なものである。
また、蓋体15の上面に形成された水蒸気排出口15aは、水蒸気透過性孔部24bによって弁当の上方に導かれた水蒸気に排出口15aに向かう流れを生じさせるものであり、これにより弁当の上方には次々と高温の蒸気が導かれるようになるため、弁当をより効果的に加温することができるようになる。
図1に示す発熱具13の水密容器18の容器本体18aは、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂もしくはポリ塩化ビニル樹脂などの樹脂材料、あるいは金属材料などから形成され、通常は樹脂材料から形成される。発熱剤と水との接触により発生した熱を弁当箱10の箱体12の側に逃がさないようにするために、容器本体18aを発泡樹脂から形成することも好ましい。
そして図1に示す水密容器18の水不透性フィルム17としては、易引裂性及び水不透性を示すアルミニウム箔が用いられている。なお、易引裂性とは、使用者が長尺状開封具22を引っ張ることにより水不透性フィルム17を引き裂き可能であることを意味しており、図2に示すように引き裂きを補助する切り込み17aが設けられた状態にて引裂き可能であることも含まれる。また、水不透性とは、水袋21から水が漏れた場合に、この水が水不透性フィルム17を通して水密容器18の内部に侵入しない程度の透水性を有していることを意味している。
水不透性フィルム17の例としては、樹脂フィルム及び金属フィルム(金属箔)が挙げられる。樹脂フィルムの例としては、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フ、およびポリ塩化ビニル樹脂フィルムが挙げられる。金属フィルム(金属箔)の代表例としては、アルミニウム箔が挙げられる。水不透性フィルムとしては、優れた易引裂性及び水不透性を示すことから金属箔、特にアルミニウム箔を用いることが好ましい。
水不透性フィルム17は、容器本体18aの上端面に、例えば、接着剤あるいは熱融着により固定される。水不透性フィルム17としてアルミニウム箔を用い、これを熱融着により容器本体18aの上端面に固定する場合には、アルミニウム箔の容器本体18aの側の表面に樹脂層が備えられていてもよい。また、容器本体の上端周縁に外側へと広がる鍔部が形成されていると、水不透性フィルムを容器本体の上端面に重ね、水不透性フィルムと鍔部とを加圧そして加熱して熱融着することができるようになるため、熱融着の際の加圧による容器本体の破損を防止することができる。
水袋21の易引裂性袋体19は、上記の水不透性フィルム17と同様に樹脂フィルムや金属フィルム(金属箔)から形成される。また、易引裂性袋体19には、長尺状開封具22による引き裂きを補助する切り込み19aが設けられていてもよい。
この水袋21の易引裂性袋体19と水不透性フィルム17との接合方法に特に制限は無く、両者を、長尺状開封具22により開封される部位以外の位置にて、例えば、ガムテープなどによって互いに接合することもできる。両者の接合は、図1に示すように長尺状開封具22に近接並行して配置された両面接着テープ23による接着によりなされていることが好ましい。これにより、長尺状開封具22を引っ張った際に水袋21が水不透性フィルム17から浮き上がり難くなり、水袋を更に確実に引き裂くことができるようになるからである。
なお、水密容器18の内部に封入する発熱剤16としては公知のもの、例えば、生石灰粉末、特に好ましくは生石灰粉末とアルミニウム粉末との混合物などを用いることができる。生石灰粉末とアルミニウム粉末との混合物からなる発熱剤は、例えば、特開2001−226668号公報に詳細に記載されている。
また、弁当箱10の箱体12とその底部に収容される発熱具13との間に、発熱具13にて発生した熱を箱体12の底部の側に伝え難くするための断熱材(例、段ボールシート)、あるいは発熱具13の水袋21を開封した際に箱体12の底部に僅かに流れ落ちる水を吸水するための吸水材(例、シート状のスポンジや段ボールシート)を配置することもできる。
図9は、本発明の発熱具を備えた弁当箱の別の構成例を示す斜視図である。図9の弁当箱90の構成は、孔部91が箱体12の壁体に横方向に伸びる透孔として形成されていること、そしてテープ状の開封具92の表面に表示されているメッセージが異なること以外は図1の弁当箱10と同様である。このように箱体12の孔部91は、箱体12の壁体に形成された透孔であってもよい。
図10は、本発明の発熱具の別の構成例を示す斜視図であり、そして図11は、図10に記入した切断線XI−XI線に沿って切断した発熱具113の断面図である。
図10及び図11に示す発熱具113の構成は、水密容器118の全体が水不透性フィルム117から形成されていること以外は図2及び図3に示す発熱具13と同様である。このように、水密容器118として、その全体が水不透性フィルムから形成された袋体を用いることもできる。
発熱具113は、その水密容器118の底面の全体を弁当箱の箱体の底面に接合固定して使用するか、例えば、図11に示すように水密容器118の内部に発熱剤トレイ119を収容した状態で箱体の底面に配置して使用される。これは、長尺状開封具22を引っ張った際に水密容器(水不透性フィルムから形成された袋体)が歪むと、その上面の水不透性フィルム117及び水袋21の引き裂きが難しくなるからである。また、水密容器118の上面の水不透性フィルム117には、テープ状の開封具22による引き裂きを補助する切り込み117aが形成されており、この切り込み117aは、水不透性フィルム117の表面に接着剤25bで固定された開封具22により封止されている。
前記の図2及び図3に示す発熱具13は、その水密容器18の容器本体18aとして樹脂成形品を用いる場合には、成形用の金型を用意する必要がある。図10及び図11に示す発熱具113は、その作製に金型を用いる必要が無いために、その製造コストが低いという利点を有している。なお、発熱具113は、その水密容器118の内部に発熱剤トレイ119を収容する場合でも、発熱剤トレイとして、例えば、安価な汎用のポリスチレン樹脂製の食品用トレイを用いることができる。
本発明の発熱具を備えた弁当箱を、駅弁、仕出し弁当、コンビニエンスストア等で販売される持ち帰り用の弁当、あるいは災害の際に被災者に提供される弁当の弁当箱として用いることにより、使用者に温かい弁当を安定に提供することができるようになる。
10 発熱具を備えた弁当箱
11 孔部
12 箱体
13 発熱具
14 食品トレイ
15 蓋体
15a 水蒸気排出口
16 発熱剤
16a 水透過性袋体
17 水不透性フィルム
17a 切り込み
18 水密容器
18a 容器本体
19 易引裂性袋体
19a 切り込み
20 水
21 水袋
22 長尺状開封具
23 両面接着テープ
24a、24b 水蒸気透過性孔部
25a、25b 接着剤
90 発熱具を備えた弁当箱
91 孔部
92 長尺状開封具
113 発熱具
117 水不透性フィルム
117a 切り込み部
118 水密容器
119 発熱剤トレイ
11 孔部
12 箱体
13 発熱具
14 食品トレイ
15 蓋体
15a 水蒸気排出口
16 発熱剤
16a 水透過性袋体
17 水不透性フィルム
17a 切り込み
18 水密容器
18a 容器本体
19 易引裂性袋体
19a 切り込み
20 水
21 水袋
22 長尺状開封具
23 両面接着テープ
24a、24b 水蒸気透過性孔部
25a、25b 接着剤
90 発熱具を備えた弁当箱
91 孔部
92 長尺状開封具
113 発熱具
117 水不透性フィルム
117a 切り込み部
118 水密容器
119 発熱剤トレイ
Claims (16)
- 上面が開口し、手前側に下記長尺状開封具の引き出しを可能にする孔部を有する箱体、該箱体の底部に収容されている発熱具、該発熱具の上に配置されている食品トレイ、そして該箱体の開口を塞ぐ蓋体からなり、上記発熱具が、水との接触により発熱する発熱剤が封入されている、上面が易引裂性の水不透性フィルムで形成された水密容器、該水不透性フィルムの上に接合固定されている易引裂性袋体に水が収容されてなる水袋、そして水密容器の水不透性フィルムと水袋との間に水不透性フィルムの表面に接合された状態で配置され、一方の端部が、箱体、水密容器もしくは水袋の手前側に固定され、他方の端部が水袋の後方側にて折り曲げられた後、箱体の手前側の上記孔部に通されて箱体の外部に突出している長尺状開封具を含むことを特徴とする発熱具を備えた弁当箱。
- 長尺状開封具がテープ状の開封具である請求項1に記載の発熱具を備えた弁当箱。
- テープ状の開封具が3乃至40mmの範囲の幅を有する請求項2に記載の発熱具を備えた弁当箱。
- テープ状の開封具の表面に、文字及び/又は符号からなるメッセージが表示されている請求項2もしくは3に記載の発熱具を備えた弁当箱。
- 孔部が箱体の手前側の壁体の上辺より切り込まれた切り込みである請求項1乃至4のうちのいずれかの項に記載の発熱具を備えた弁当箱。
- 水密容器の易引裂性の水不透性フィルムがアルミニウム箔である請求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載の発熱具を備えた弁当箱。
- 水不透性フィルムと易引裂性袋体との接合が、長尺状開封具に近接並行して配置された両面接着テープによる接着によりなされている請求項1乃至6のうちのいずれかの項に記載の発熱具を備えた弁当箱。
- 食品トレイの底部に多数の水蒸気透過性孔部が形成されている請求項1乃至7のうちのいずれかの項に記載の発熱具を備えた弁当箱。
- 発熱剤が生石灰粉末とアルミニウム粉末との混合物からなる請求項1乃至8のうちのいずれかの項に記載の発熱具を備えた弁当箱。
- 水との接触により発熱する発熱剤が封入されている、上面が易引裂性の水不透性フィルムで形成された水密容器、該水不透性フィルムの上に接合固定されている易引裂性袋体に水が収容されてなる水袋、そして水密容器の水不透性フィルムと水袋との間に水不透性フィルムの表面に接合された状態で配置され、一方の端部が、水密容器もしくは水袋の手前側に固定され、他方の端部が水袋の後方側から突き出され、その突き出された部分の長さが水密容器の前後方向の長さよりも大きい長尺状開封具を含む発熱具。
- 長尺状開封具がテープ状の開封具である請求項10に記載の発熱具。
- テープ状の開封具が3乃至40mmの範囲の幅を有する請求項11に記載の発熱具。
- テープ状の開封具の表面に、文字及び/又は符号からなるメッセージが表示されている請求項11もしくは12に記載の発熱具。
- 水密容器の易引裂性の水不透性フィルムがアルミニウム箔である請求項10乃至13のうちのいずれかの項に記載の発熱具。
- 水不透性フィルムと易引裂性袋体との接合が、長尺状開封具に近接並行して配置された両面接着テープによる接着によりなされている請求項10乃至14のうちのいずれかの項に記載の発熱具。
- 発熱剤が生石灰粉末とアルミニウム粉末との混合物からなる請求項10乃至15のうちのいずれかの項に記載の発熱具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006086369A JP2007259966A (ja) | 2006-03-27 | 2006-03-27 | 発熱具を備えた弁当箱 |
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ID=38633561
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010068846A (ja) * | 2008-09-16 | 2010-04-02 | Yoshizawa:Kk | 化学発熱剤発熱装置および化学発熱剤発熱装置を組み入れた携帯食品用容器 |
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CN104490053A (zh) * | 2014-12-26 | 2015-04-08 | 贵阳康祥浩科技有限公司 | 饭盒 |
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-
2006
- 2006-03-27 JP JP2006086369A patent/JP2007259966A/ja not_active Withdrawn
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