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JP2007256561A - ステージ装置のロック機構 - Google Patents

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JP2007256561A JP2006080119A JP2006080119A JP2007256561A JP 2007256561 A JP2007256561 A JP 2007256561A JP 2006080119 A JP2006080119 A JP 2006080119A JP 2006080119 A JP2006080119 A JP 2006080119A JP 2007256561 A JP2007256561 A JP 2007256561A
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Abstract

【課題】ロック時のガタを完全になくすことが可能で、ステージ板に直交する方向の寸法を従来より小さくすることが可能であり、しかもロック時にステージ板を特定の位置に移動させる必要がないステージ装置のロック機構を提供する。
【解決手段】電磁石101、102が通電されていないときは、板ばね103によって付勢された押圧部材104に設けた摩擦接触部材109と被押圧部材108が弾性接触して摩擦接触部材と被押圧部材の間にステージ板60、61の移動を防止する摩擦力を発生し、電磁石にが特定の一方向の電流が通電されることにより板ばねがその付勢力に抗してロック解除用磁石105と吸着したときは、摩擦接触部材と被押圧部材が離間しステージ板の移動を許可する。
【選択図】図8

Description

本発明は、特定の平面上を自由に移動できるステージ板が非作動状態にあるときに、ステージ板を非作動状態にロックするステージ装置のロック機構に関する。
上記ロック機構の従来技術としては、例えば特許文献1から4に記載されたものがある。
これらのロック機構はカメラの手振補正機構に適用されたものであり、補正レンズまたは撮像素子を支持するステージ板に形成したロック用凹部と、このロック用凹部と係脱可能なロックピンとを具備している。そして、手振れ補正を行わないときに、ロックピンをステージ板のロック用凹部に嵌合させることにより、ステージ板をロックしている。
特許第3431020号公報 特開平10−39352号公報 特開2004−163648号公報 特開平11−271833号公報
しかし、このロック機構のようにロックピンとロック用凹部を用いてロックを行う機構では、ロックピンとロック用凹部の間に必ず隙間が生じるので、ステージ板を完全にロックできない。即ち、ロックを行ってもロックピンとロック用凹部の間の隙間分のガタは必ず生じてしまう。
さらにこれらのロック機構は、ロックピンやロックピンを移動させるための部材のステージ板に直交する方向の寸法が大きい。そのため、ロック機構及び手振補正機構の光軸方向寸法が大型化してしまう。
また、ロックピンをロック用凹部に係合させるためには、ロックピンとロック用凹部が対向する位置までステージ板を移動させなければならないという問題も存在していた。
本発明の目的は、ロック時のガタを完全になくすことが可能で、ステージ板に直交する方向の寸法を従来より小さくすることが可能であり、しかもロック時にステージ板を特定の位置に移動させる必要がないステージ装置のロック機構を提供することにある。
本発明のステージ装置のロック機構は、固定支持基板と、該固定支持基板と平行な方向に相対移動可能に支持されたステージ板と、上記固定支持基板上に一部が支持された、上記固定支持基板と略平行な磁性体からなる板ばねと、この板ばね側の押圧部材とステージ板側の被押圧部材の対向面の少なくとも一方に備えられた、該板ばねの自由状態において他方の上記対向面または該他方の対向面に備えられた摩擦接触部材と接触して、上記他方の対向面または上記摩擦接触部材との間に上記ステージ板をロックする摩擦力を発生する摩擦接触部材と、特定の一方向に通電したとき、上記板ばねに磁力を及して、該板ばねを上記押圧部材と被押圧部材の一方から上記摩擦接触部材が離れるロック解除方向に弾性変形させる電磁石と、上記板ばねがロック解除方向に弾性変形したとき、該板ばねと吸着して上記押圧部材と被押圧部材の一方と上記摩擦接触部材との離間状態を保持する、上記固定支持基板に固定された永久磁石からなるロック解除用磁石と、を備えることを特徴としている。
上記板ばねと上記ロック解除用磁石が吸着している状態で上記電磁石に上記特定の一方向と反対方向に通電したときに、該電磁石が、上記板ばねと上記ロック解除用磁石の間の吸着力を打ち消す磁力を発生し、該板ばねとロック解除用磁石の吸着を解除させるのが好ましい。
上記ステージ板に直交する方向から見たときに、少なくとも二つの位置に上記摩擦接触部材が存在すれば、ステージ板が回転可能であっても、ステージ板を確実にロックできる。
上記ステージ板と上記固定支持基板の間に、該ステージ板の固定支持基板に対する移動範囲を、対応する上記押圧部材と上記被押圧部材どうしが常に対向する範囲内に規制する移動範囲規制手段を備えれば、ロック時にステージ板を特定の位置に移動させる必要がなくなる。
この移動範囲規制手段は、例えば、上記ステージ板と上記固定支持基板の一方に突設された移動範囲規制ピンと、他方に形成された、該移動範囲規制ピンが挿通する移動範囲規制孔または移動範囲規制凹部と、を備えることにより実現できる。
上記摩擦接触部材は、例えばゴムまたは塩化ビニルによって構成できる。
上記固定支持基板を磁性体とし、上記電磁石を、該固定支持基板と上記板ばねを接続する磁性体からなる芯棒と、該芯棒の周囲に配設された電流が流れるコイルと、を備えるものとし、上記固定支持基板、上記芯棒、上記板ばね、及び上記ロック解除用磁石の間に、上記板ばねとロック解除用磁石の間に吸引磁力を発生させる磁気回路を構成してもよい。
さらに、上記固定支持基板と上記ステージ板を挟んで対向する磁性板と、上記固定支持基板と磁性板の一方に固定され、上記固定支持基板と磁性板の間に駆動用磁気回路を構成する駆動用磁石と、上記ステージ板に固定され、電流が流れた状態で上記駆動用磁気回路で発生した磁力を受けることにより該ステージ板を上記固定支持基板に対して移動させる駆動力を発生する駆動用コイルと、を備えてもよい。
本発明のロック機構は、上記押圧部材と被押圧部材の対向面の一方に備えられた摩擦接触部材と、他方の対向面(または摩擦接触部材)とが板ばねの弾性力によって接触すると、両者の間に生じる摩擦力によってステージ板は僅かな移動も不能になるので、完全ロック状態を実現できる。
しかも、押圧部材を付勢する部材である板ばねは固定支持基板と略平行な板状部材なので、この板ばねの存在によってロック機構のステージ板に直交する方向の寸法が大型化することは殆どない。
さらに、ステージ板と固定支持基板の間に移動範囲規制手段を設ければ、ステージ板の位置に拘わらず対応する押圧部材と被押圧部材どうしが常に対向するので、ロック時にステージ板を特定の位置に移動させなくても押圧部材と被押圧部材を確実に接触させることが可能になる。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。以下の説明では図1及び図2等の矢線で示すように、デジタルカメラ20の手振補正装置30の左右方向をX方向、上下方向をY方向、前後方向をZ方向と定義する。
まずは本発明であるロック機構100を装着する手振補正装置(ステージ装置)30について説明する。
図1に示すように、デジタルカメラ20内には、複数のレンズL1、L2、L3からなる光学系が配設されており、レンズL3の後方には手振補正装置30が配設されている。
手振補正装置30は図2から図5に示す構造である。
図2から図5に示すように手振補正装置30は、軟鉄等の磁性体からなる正面視横長方形の前側固定支持基板31と、正面形状が前側固定支持基板31と略同一で軟鉄等の磁性体からなる後側固定支持基板(磁性板)32とを備えている。前側固定支持基板31と後側固定支持基板32の4カ所同士は、Z方向に延びる4本の円柱形状の支柱36、37によって連結されており、前側固定支持基板31と後側固定支持基板32は互いに平行をなしている。前側固定支持基板31の中央部には方形の窓孔33が穿設されている。前側固定支持基板31は図示を省略した3つの固定ねじによって、デジタルカメラ20のカメラボディ内面に固定されている。
前側固定支持基板31の後面4カ所には支持用突部38が突設されている。各支持用突部38の後端面に凹設された半球状の凹部(図示略)には金属製のボール39の前半部が回転可能に支持されている。後側固定支持基板32前面の各支持用突部38と対向する位置には4つの支持用突部40が突設されており、各支持用突部40の前端面に凹設された半球状の凹部(図示略)には金属製のボール41の後部が回転可能に支持されている。
前側固定支持基板31の後面の左右両端部には、S極とN極がX方向に並ぶX用磁石MXがそれぞれ固定されている。これら左右のX用磁石MXは互いにX方向に並んでおり、両者のY方向位置は一致している。そして、前側固定支持基板31及び後側固定支持基板32がX用磁石MXの磁束を通すことにより、左右のX用磁石MXと後側固定支持基板32の対向部の間にX用磁気回路(駆動用磁気回路)が形成されている。即ち、前側固定支持基板31及び後側固定支持基板32はヨークとして機能している。
一方、前側固定支持基板31の後面の下端部には、S極とN極がY方向に並ぶ2つのY用磁石MYがX方向に並べて固定されている(図3において左右のY用磁石MYのY方向位置は一致している)。そして、前側固定支持基板31及び後側固定支持基板32が左右のY用磁石MYの磁束を通すことにより、左右のY用磁石MYと後側固定支持基板32の対向部の間にY用磁気回路(駆動用磁気回路)が形成されている。即ち、前側固定支持基板31及び後側固定支持基板32はヨークとして機能している。
平板状の電気基板(ステージ板)60の後面には、正面形状が電気基板60と同一の補強板(ステージ板)61が固着され、電気基板60と補強板61が一体化している。図3及び図5に示すように、電気基板60の前面の4カ所には4つのボール39が回転自在に接触しており、かつ、補強板61の後面の4カ所には4つのボール41が回転自在に接触している。即ち、電気基板60及び補強板61は4つのボール39と4つのボール41によって前後方向から挟持され、共にレンズL1からL3の光軸Oに対して直交している(前側固定支持基板31及び後側固定支持基板32と平行をなしている)。
従って電気基板60及び補強板61は、図3に示す初期位置(後述する撮像面66の中心が光軸Oと一致する位置)から、前側固定支持基板31及び後側固定支持基板32に対してX方向とY方向に直線的に相対移動できるだけでなく、X方向及びY方向と平行な(光軸Oに直交する)XY平面上を移動可能である。さらに、電気基板60と補強板61の左右両側縁部の上端部近傍には2つの移動範囲規制凹部63が形成されている。4つの支柱36、37のうち上側の2つの支柱36は左右の移動範囲規制凹部63を貫通している。この2つの支柱36と2つの移動範囲規制凹部63は移動範囲規制手段を構成している。即ち電気基板60及び補強板61は、前側固定支持基板31及び後側固定支持基板32に対して、2つの支柱36が移動範囲規制凹部63にそれぞれ接触しない範囲内で相対移動可能である。さらに、電気基板60及び補強板61の下端側の左右の角部には、下側の2つの支柱37を避けるための切欠64が形成されている。
電気基板60の前面中央部には、CCD(撮像素子)65が固着されている。図3に示すようにCCD65は正面視で長方形をなし、かつ、図3において(電気基板60が初期位置にあるとき)X方向と平行な上下一対のX方向側辺65Xと、図3において(電気基板60が初期位置にあるとき)Y方向と平行な左右一対のY方向側辺65Yとを具備している。電気基板60の前面には、CCD65を囲むCCDホルダ67が気密状態(ゴミが侵入しない程度の密閉性で)で固着されている。図4に示すように、CCDホルダ67の前壁には窓孔68が穿設されている。CCDホルダ67の前壁とCCD65の間には光学ローパスフィルタ69が嵌合固定されており、光学ローパスフィルタ69とCCDホルダ67の前壁の間は気密状態が保たれている。CCD65の撮像面66は、光学ローパスフィルタ69及び窓孔68と常に前後方向に対向する。CCD65の撮像面66はレンズL1〜L3、及び光学ローパスフィルタ69を透過した像が結像する結像面である。
図3に示すように、電気基板60の前面の左右両端部(左右のX用磁石MXとそれぞれ前後方向に対向する部分)には同一仕様のX方向駆動用コイルCXがそれぞれ固着されている。X方向駆動用コイルCXはコイル線が百回以上渦巻き状に巻かれた(電気基板60と平行な方向にも電気基板60の板厚方向にも巻かれている)XY平面と平行なコイルであり、左右のX方向駆動用コイルCX同士はX方向側辺65Xと平行な方向に並んでいる(図3においてX方向に並んでいる)。別言すると、左右のX方向駆動用コイルCX同士のY方向側辺65Yと平行な方向の位置(図3においてはY方向の位置)は一致している。
そして、このX方向駆動用コイルCXと、前側固定支持基板31、後側固定支持基板32、及びX用磁石MXによってX方向駆動手段が構成されている。
また、電気基板60の前面の右側部のX方向駆動用コイルCXの直下には、右側のX用磁石MXの磁束を利用して右側のX方向駆動用コイルCX(電気基板60及び補強板61)のX方向位置を検出するホール素子(位置検出センサ)SXが固着されている。
電気基板60の下端部(左右のY用磁石MYとそれぞれ前後方向に対向する部分)の前面には互いに同一仕様のY方向駆動用コイルCYAとY方向駆動用コイルCYBがそれぞれ固着されている。Y方向駆動用コイルCYAとY方向駆動用コイルCYBは共にコイル線が百回以上渦巻き状に巻かれた(電気基板60と平行な方向にも電気基板60の板厚方向にも巻かれている)XY平面と平行なコイルであり、Y方向駆動用コイルCYAとY方向駆動用コイルCYBは下側のX方向側辺65Xに沿って並んでいる(図3においてはX方向に並んでいる)。別言すると、Y方向駆動用コイルCYAとY方向駆動用コイルCYBのY方向側辺65Yと平行な方向の位置(図3におけるY方向位置)は一致している。
そして、このY方向駆動用コイルCYA及びY方向駆動用コイルCYBと、前側固定支持基板31、後側固定支持基板32、及びY用磁石MYによってY方向駆動手段が構成されている。
また、電気基板60の前面のY方向駆動用コイルCYAとY方向駆動用コイルCYBの外側近傍には、左右のY用磁石MYの磁束を利用してY方向駆動用コイルCYAとY方向駆動用コイルCYBのそれぞれのY方向位置を検出するホール素子(位置検出センサ)SYが固着されている。
X方向駆動用コイルCX、Y方向駆動用コイルCYA、Y方向駆動用コイルCYB、ホール素子SX、及びホール素子SYは、カメラに内蔵されたCPU等によって構成される制御手段に電気的に接続されている。
上記構成の手振補正装置30は、上記制御手段からX方向駆動用コイルCX、Y方向駆動用コイルCYA、及びY方向駆動用コイルCYBに電流を流すことにより手振れ補正動作を行う。
即ち、X方向駆動用コイルCXに電流を流すとX方向駆動用コイルCXには図3の矢印FX1方向またはFX2方向の駆動力が生じる。また、Y方向駆動用コイルCYA、CYBに電流を流すとY方向駆動用コイルCYA、CYBには図3の矢印FY1方向またはFY2方向の駆動力が生じる。
周知のように、手振れによってカメラボディがY軸を中心に回転またはX軸を中心に回転したときに、撮像面66のX方向とY方向の像移動距離(手振れ量)を検出し、ホール素子SXとホール素子SYの検出結果を利用して、CCD65をカメラボディに対して手振れ方向と反対方向にこの手振れ量と同じ距離だけ直線移動させれば、CCD65の手振れ(像振れ)が補正される。従って、CCD65がこのような直線移動を行うように、上記制御手段から各X方向駆動用コイルCX、Y方向駆動用コイルCYA、CYBに電流を流せば、CCD65のX方向とY方向の手振れが補正される。
さらに、電気基板60及び補強板61(CCD65)は前側固定支持基板31及び後側固定支持基板32に対して相対回転可能なので、上記制御手段からY方向駆動用コイルCYAとY方向駆動用コイルCYBに流す電流の向きを互いに逆にし、Y方向駆動用コイルCYAとY方向駆動用コイルCYBに互いに逆向きの駆動力を発生させれば、電気基板60及び補強板61(CCD65)が回転する。従って、カメラボディがいわゆる回転振れを起こしたときに、電気基板60及び補強板61(CCD65)が回転振れ方向と逆向きに回転するように、上記制御手段からY方向駆動用コイルCYAとY方向駆動用コイルCYBに電流を流せば回転振れが補正される。なお、Y方向駆動用コイルCYAとY方向駆動用コイルCYBに逆方向の駆動力を発生させる代わりに、Y方向駆動用コイルCYAとY方向駆動用コイルCYBに流す電流の強さに差を付けることによってY方向駆動用コイルCYAとY方向駆動用コイルCYBに同じ方向の大きさの異なる駆動力をそれぞれ発生させても回転制御は可能である。
次に、以上説明した手振補正装置30に装着される本発明を適用したロック機構100について説明する。
ロック機構100は以下に説明する構成要素を具備している。
図2及び図3等に示すように前側固定支持基板31の後面の上端部には、Z方向と平行な円柱形状の芯棒101の前面が固着されている。この芯棒101は金属等の磁性体からなるものである。芯棒101の周囲には金属等の導電性材料からなるコイル102が巻かれており、このコイル102は上記制御手段と電気的に接続されている。芯棒101の後端面には略左右方向に延びる板ばね103の前面の中央部が固着されている。この板ばね103も金属等の磁性体からなるものである。図6に示すように、板ばね103は自由状態にあってはその左右両端部が中央部より後方に位置するように湾曲している。板ばね103の後面の左右両端部には円柱形状の押圧部材104がそれぞれ固着されている。押圧部材104の後面にはゴム、塩化ビニルなどの摩擦薄膜シートからなる摩擦接触部材109が固着されている。前側固定支持基板31の後面の板ばね103の左右両端部近傍と対応する位置には、円柱形状の永久磁石からなるロック解除用磁石105がそれぞれ固着されている。
さらに、電気基板60の前面の左右の押圧部材104と対応する位置には円柱形状の被押圧部材108がそれぞれ固着されている。左右の被押圧部材108は電気基板60及び補強板61がどこの位置に移動しても(支柱36と移動範囲規制凹部63によって規制される電気基板60及び補強板61の移動範囲内においては)、常に左右の押圧部材104とそれぞれZ方向に対向する。
次に以上構成のロック機構100の動作について説明する。
デジタルカメラ20の主電源がOFFのとき、あるいはデジタルカメラ20の主電源がONで手振補正スイッチSWがOFFのとき、電気基板60及び補強板61は図3の初期位置に位置し、上記制御手段からコイル102には電流は流れない。左右のロック解除用磁石105で発生した磁力によって、ロック解除用磁石105、前側固定支持基板31、芯棒101、及び板ばね103の間に磁気回路MC(図7及び図8参照)が形成されるが、板ばね103(ロック解除用磁石105との対向部)とロック解除用磁石105との間の磁力(吸引力)は板ばね103の付勢力より弱いので、板ばね103はこの磁力(吸引力)に抗して図6の自由状態を維持する。従って、板ばね103によって後方に移動付勢された左右の押圧部材104の後面に設けた摩擦接触部材109が左右の被押圧部材108の前面にそれぞれ面接触する(図7参照)。このように左右の摩擦接触部材109が板ばね103の弾性力(付勢力)によって左右の被押圧部材108の前面に密着状態で面接触すると、摩擦接触部材109と被押圧部材108の前面の間に、電気基板60及び補強板61の前側固定支持基板31及び後側固定支持基板32に対する相対移動を阻止する摩擦力が発生する(電気基板60及び補強板61がロックされる)。従って、この状態でカメラボディを振動させても電気基板60及び補強板61(CCD65)がカメラボディに対してX方向とY方向に移動することはない。さらに一対の押圧部材104と被押圧部材108によってロックを行っているので電気基板60及び補強板61(CCD65)がカメラボディに対して回転することもない。
主電源がONの状態で手振補正スイッチSWをONにすると、上記制御手段からコイル102に特定の一方向に電流が流れ、コイル102と芯棒101が電磁石となる。芯棒101とコイル102が電磁石になると、この電磁石101、102によって生じた磁力が磁気回路MCに影響を及ぼす(強くするように)ので、板ばね103(ロック解除用磁石105との対向部)とロック解除用磁石105との間の磁力(吸引力)が板ばね103の付勢力より強くなる。従って、図8に示すように板ばね103の前面の左右両端部がその弾性力に抗して前方に湾曲し、板ばね103の前面の左右両端部近傍が左右のロック解除用磁石105と吸着する。このように板ばね103がロック解除用磁石105に吸着すると、左右の押圧部材104と被押圧部材108が互いに離間するアンロック状態になるので、電気基板60及び補強板61(CCD65)はカメラボディに対して移動可能となり、上述した手振補正動作が可能になる。
このように板ばね103が左右のロック解除用磁石105に吸着されると上記制御手段からコイル102への通電が遮断される。しかし、一旦板ばね103とロック解除用磁石105が吸着すると、板ばね103はその弾性力に抗して図8の状態を維持するので、上記アンロック状態が保持される。なお、このアンロック状態の保持をより確実にするために、板ばね103が左右のロック解除用磁石105に吸着された後に、コイル102への通電を遮断せずに上記制御手段からコイル102へ流す電流を弱くしてもよい。
この状態で手振補正スイッチSWをOFFにするかデジタルカメラ20の主電源をOFFにすると、上記制御手段からコイル102に上記一方向とは逆向きの電流が瞬間的(一時的)に流れる。すると、電磁石101、102によって発生した磁力が磁気回路MCに影響を及ぼす(弱くするように)ので、板ばね103(ロック解除用磁石105との対向部)とロック解除用磁石105との間の磁力(吸引力)が板ばね103の付勢力より弱くなり、その結果、板ばね103が図6の自由状態に弾性復帰する。従って、左右の摩擦接触部材109が左右の被押圧部材108に再び面接触し、電気基板60及び補強板61が再度ロックされる。
以上説明したように本実施形態によれば、芯棒101、コイル102、板ばね103、押圧部材104、ロック解除用磁石105、被押圧部材108及び摩擦接触部材109を構成要素とするロック機構100によって、電気基板60及び補強板61を確実にロックできるとともに、電気基板60及び補強板61のロックを簡単に解除できる。
さらに、摩擦接触部材109と被押圧部材108が板ばね103の弾性力によって面接触すると、電気基板60及び補強板61の僅かな移動も禁止されるので、完全ロック状態を実現できる。
また、左右の被押圧部材108は電気基板60及び補強板61がどこの位置に移動しても(支柱36と移動範囲規制凹部63によって規制される電気基板60及び補強板61の移動範囲内においては)、常に左右の摩擦接触部材109(押圧部材104)とそれぞれZ方向に対向するので、ロック時に電気基板60及び補強板61を初期位置に移動させなくても(センタリング動作を行わなくても)、左右の摩擦接触部材109と被押圧部材108をそれぞれ接触させることが出来る。
しかも、左右の摩擦接触部材109(押圧部材104)を被押圧部材108側に付勢する部材である板ばね103が、前側固定支持基板31と電気基板60の間に配設された前側固定支持基板31(及び後側固定支持基板32、電気基板60、補強板61)と略平行な板状部材なので、この板ばね103の存在によってロック機構100及び手振補正装置30の光軸O方向寸法が大型化することは殆どない。従って、従来のロック機構及び手振補正装置に比べて光軸O方向寸法を小さくできる。
さらに、本ロック機構100は部品点数が少なく構造が簡単なので製造コストを低く抑えることが可能である。
以上、上記実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、様々な変形を施して実施可能である。
例えば、電気基板60及び補強板61を移動させるための駆動手段として、前側固定支持基板31、後側固定支持基板32、X用磁石MX、Y用磁石MY、X方向駆動用コイルCX、Y方向駆動用コイルCYA及びY方向駆動用コイルCYBを利用したが、これら以外の駆動手段、例えばモータを利用してもよい。
また、摩擦接触部材109は様々な固着態様で実施可能である。
例えば、図9に示すように押圧部材104側ではなく被押圧部材108の前面に摩擦接触部材109を固着して実施してもよい。さらに、図10に示すように、板ばね103側の押圧部材104と電気基板60側の被押圧部材108の双方に摩擦接触部材109を固着して、ロック時に対向する摩擦接触部材109どうしを接触させてもよい。
また、図11に示すように電気基板60の前面に摩擦接触部材109を直接固着して、押圧部材104の後面をこの摩擦接触部材109に接触させて、被押圧部材108を省略してもよい。さらに、図12に示すように板ばね103の後面に摩擦接触部材109を直接固着して(押圧部材104を省略して)、この摩擦接触部材109を被押圧部材108の前面に接触させてもよい。
また、図13に示すように被押圧部材108の前面に固着した摩擦接触部材109を板ばね103の後面に直接接触させたり(押圧部材104を省く。この場合は板ばね103が押圧部材となる)、図14に示すように押圧部材104の後面に固着した摩擦接触部材109を電気基板60の前面に直接接触させてもよい(被押圧部材108を省略する。この場合は電気基板60が被押圧部材となる)。
さらに、図15と図16に示すように、押圧部材104と被押圧部材108を共に省略して、板ばね103側と電気基板60側の一方に固着した摩擦接触部材109を反対側の部材(板ばね103または電気基板60)に直接接触させたり、図17に示すように板ばね103と電気基板60に直接摩擦接触部材109を固着して(押圧部材104と被押圧部材108を共に省略して)、対向する摩擦接触部材109どうしを接触させてもよい。
さらに、上記実施形態及び変形例では摩擦接触部材109は2つの位置に設けてあるが、板ばね103側(押圧部材104または板ばね103そのものに)と電気基板60側(被押圧部材108または電気基板60そのものに)の一方または双方の3つ以上の位置(Z方向に見たときの位置)に摩擦接触部材109を設けても良い。
また、摩擦接触部材109は対向する押圧部材や被押圧部材との間に(押圧部材と被押圧部材の双方に摩擦接触部材を設ける場合は、この摩擦接触部材との間に)、電気基板60及び補強板61の前側固定支持基板31及び後側固定支持基板32に対する相対移動を阻止する摩擦力を発生するのであれば、ゴム、塩化ビニル以外の材料によって構成してもよい。
さらに、上記実施形態では手振補正スイッチSWがONになったときにコイル102に電流を流してロック解除しているが、カメラボディに設けたレリーズスイッチ(図示略)の押し込み動作に連動してコイル102に電流を流しロック解除を行うようにしてもよい。
さらに、移動範囲規制凹部63の代わりに電気基板60及び補強板61に移動範囲規制孔(図示略)を形成し、この移動範囲規制孔内に支柱36を相対移動可能に位置させてもよい。また、前側固定支持基板31または後側固定支持基板32に移動範囲規制凹部63に相当する凹部または孔を穿設し、電気基板60または補強板61に支柱36に相当するピンを突設してもよい。
さらにX用磁石MXとY用磁石MYを前側固定支持基板31ではなく後側固定支持基板32に固定して実施してもよい。
さらに、CCD65以外の撮像素子、例えばCMOSイメージセンサーを利用できるのは勿論である。
さらに、上記実施形態では本発明のロック機構を電気基板60及び補強板61が回転可能な手振補正装置30に適用したが、電気基板60及び補強板61がX方向とY方向にのみ直線移動する従来から公知の手振補正装置に適用することや、手振補正装置とは用途が異なるステージ装置(特定の部材がX方向やY方向への直線移動や回転が可能な装置)に適用することが可能なのは勿論である。
なお、ステージ板(電気基板60、補強板61)がX方向とY方向に直線移動のみ可能(回転不能)な場合には、板ばね103側と電気基板60側のいずれか一方に摩擦接触部材109を一つのみ設ければよく、摩擦接触部材109を複数(2つ以上の位置に)設ける必要はない。
本発明の一実施形態の手振補正装置を内蔵したデジタルカメラの縦断側面図である。 手振補正装置の後方から視た分解斜視図である。 電気基板(CCD)が初期位置にあるときの手振補正装置を後側固定支持基板を省略して示す背面図である。 図3のIV−IV矢線に沿う断面図である。 図3のV矢線方向に見た側面図である。 自由状態の板ばねとその周辺部材の平面図である。 ロック状態にあるときの手振補正装置の平面図である。 アンロック状態にあるときの手振補正装置の平面図である。 摩擦接触部材の固着態様を変えた変形例である。 摩擦接触部材の固着態様を変えた別の変形例である。 摩擦接触部材の固着態様を変えたさらに別の変形例である。 摩擦接触部材の固着態様を変えたさらに別の変形例である。 摩擦接触部材の固着態様を変えたさらに別の変形例である。 摩擦接触部材の固着態様を変えたさらに別の変形例である。 摩擦接触部材の固着態様を変えたさらに別の変形例である。 摩擦接触部材の固着態様を変えたさらに別の変形例である。 摩擦接触部材の固着態様を変えたさらに別の変形例である。
符号の説明
20 デジタルカメラ(カメラ)
30 手振補正装置(ステージ装置)
31 前側固定支持基板(固定支持基板)
32 後側固定支持基板(磁性板)
33 窓孔
36 支柱(移動範囲規制手段)
37 支柱
38 支持用突部
39 ボール
40 支持用突部
41 ボール
60 電気基板(ステージ板)
61 補強板(ステージ板)
63 移動範囲規制凹部(移動範囲規制手段)
64 切欠
65 CCD(撮像素子)
66 撮像面
67 CCDホルダ
68 窓孔
69 光学ローパスフィルタ
100 ロック機構
101 芯棒(電磁石)
102 コイル(電磁石)
103 板ばね
104 押圧部材
105 永久磁石
108 被押圧部材
109 摩擦接触部材
CX X方向駆動用コイル
CYA CYB Y方向駆動用コイル
MX X用磁石
MY Y用磁石
O 光軸

Claims (9)

  1. 固定支持基板と、
    該固定支持基板と平行な方向に相対移動可能に支持されたステージ板と、
    上記固定支持基板上に一部が支持された、上記固定支持基板と略平行な磁性体からなる板ばねと、
    この板ばね側の押圧部材とステージ板側の被押圧部材の対向面の少なくとも一方に備えられた、該板ばねの自由状態において他方の上記対向面または該他方の対向面に備えられた摩擦接触部材と接触して、上記他方の対向面または上記摩擦接触部材との間に上記ステージ板をロックする摩擦力を発生する摩擦接触部材と、
    特定の一方向に通電したとき、上記板ばねに磁力を及して、該板ばねを上記押圧部材と被押圧部材の一方から上記摩擦接触部材が離れるロック解除方向に弾性変形させる電磁石と、
    上記板ばねがロック解除方向に弾性変形したとき、該板ばねと吸着して上記押圧部材と被押圧部材の一方と上記摩擦接触部材との離間状態を保持する、上記固定支持基板に固定された永久磁石からなるロック解除用磁石と、
    を備えることを特徴とするステージ装置のロック機構。
  2. 請求項1記載のステージ装置のロック機構において、
    上記板ばねと上記ロック解除用磁石が吸着している状態で上記電磁石に上記特定の一方向と反対方向に通電したときに、該電磁石が、上記板ばねと上記ロック解除用磁石の間の吸着力を打ち消す磁力を発生し、該板ばねとロック解除用磁石の吸着を解除させるステージ装置のロック機構。
  3. 請求項1または2記載のステージ装置のロック機構において、
    上記ステージ板に直交する方向から見たときに、少なくとも二つの位置に上記摩擦接触部材が存在するステージ装置のロック機構。
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載のステージ装置のロック機構において、
    上記ステージ板と上記固定支持基板の間に、該ステージ板の固定支持基板に対する移動範囲を、対応する上記押圧部材と上記被押圧部材どうしが常に対向する範囲内に規制する移動範囲規制手段を備えるステージ装置のロック機構。
  5. 請求項4記載のステージ装置のロック機構において、
    上記移動範囲規制手段が、
    上記ステージ板と上記固定支持基板の一方に突設された移動範囲規制ピンと、
    他方に形成された、該移動範囲規制ピンが挿通する移動範囲規制孔または移動範囲規制凹部と、を備えるステージ装置のロック機構。
  6. 請求項1から5のいずれか1項記載のステージ装置のロック機構において、
    上記ステージ板が上記固定支持基板に対して相対回転可能であるステージ装置のロック機構。
  7. 請求項1から6のいずれか1項記載のステージ装置のロック機構において、
    上記摩擦接触部材がゴムまたは塩化ビニルによって構成されているステージ装置のロック機構。
  8. 請求項1から7のいずれか1項記載のステージ装置のロック機構において、
    上記固定支持基板が磁性体からなり、
    上記電磁石が、該固定支持基板と上記板ばねを接続する磁性体からなる芯棒と、該芯棒の周囲に配設された電流が流れるコイルと、を備え、
    上記固定支持基板、上記芯棒、上記板ばね、及び上記ロック解除用磁石の間に、上記板ばねとロック解除用磁石の間に吸引磁力を発生させる磁気回路を構成するステージ装置のロック機構。
  9. 請求項8記載のステージ装置のロック機構において、
    上記固定支持基板と上記ステージ板を挟んで対向する磁性板と、
    上記固定支持基板と磁性板の一方に固定され、上記固定支持基板と磁性板の間に駆動用磁気回路を構成する駆動用磁石と、
    上記ステージ板に固定され、電流が流れた状態で上記駆動用磁気回路で発生した磁力を受けることにより該ステージ板を上記固定支持基板に対して移動させる駆動力を発生する駆動用コイルと、
    を備えるステージ装置のロック機構。
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