JP2007256561A - ステージ装置のロック機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電磁石101、102が通電されていないときは、板ばね103によって付勢された押圧部材104に設けた摩擦接触部材109と被押圧部材108が弾性接触して摩擦接触部材と被押圧部材の間にステージ板60、61の移動を防止する摩擦力を発生し、電磁石にが特定の一方向の電流が通電されることにより板ばねがその付勢力に抗してロック解除用磁石105と吸着したときは、摩擦接触部材と被押圧部材が離間しステージ板の移動を許可する。
【選択図】図8
Description
これらのロック機構はカメラの手振補正機構に適用されたものであり、補正レンズまたは撮像素子を支持するステージ板に形成したロック用凹部と、このロック用凹部と係脱可能なロックピンとを具備している。そして、手振れ補正を行わないときに、ロックピンをステージ板のロック用凹部に嵌合させることにより、ステージ板をロックしている。
また、ロックピンをロック用凹部に係合させるためには、ロックピンとロック用凹部が対向する位置までステージ板を移動させなければならないという問題も存在していた。
この移動範囲規制手段は、例えば、上記ステージ板と上記固定支持基板の一方に突設された移動範囲規制ピンと、他方に形成された、該移動範囲規制ピンが挿通する移動範囲規制孔または移動範囲規制凹部と、を備えることにより実現できる。
しかも、押圧部材を付勢する部材である板ばねは固定支持基板と略平行な板状部材なので、この板ばねの存在によってロック機構のステージ板に直交する方向の寸法が大型化することは殆どない。
さらに、ステージ板と固定支持基板の間に移動範囲規制手段を設ければ、ステージ板の位置に拘わらず対応する押圧部材と被押圧部材どうしが常に対向するので、ロック時にステージ板を特定の位置に移動させなくても押圧部材と被押圧部材を確実に接触させることが可能になる。
まずは本発明であるロック機構100を装着する手振補正装置(ステージ装置)30について説明する。
図1に示すように、デジタルカメラ20内には、複数のレンズL1、L2、L3からなる光学系が配設されており、レンズL3の後方には手振補正装置30が配設されている。
図2から図5に示すように手振補正装置30は、軟鉄等の磁性体からなる正面視横長方形の前側固定支持基板31と、正面形状が前側固定支持基板31と略同一で軟鉄等の磁性体からなる後側固定支持基板(磁性板)32とを備えている。前側固定支持基板31と後側固定支持基板32の4カ所同士は、Z方向に延びる4本の円柱形状の支柱36、37によって連結されており、前側固定支持基板31と後側固定支持基板32は互いに平行をなしている。前側固定支持基板31の中央部には方形の窓孔33が穿設されている。前側固定支持基板31は図示を省略した3つの固定ねじによって、デジタルカメラ20のカメラボディ内面に固定されている。
一方、前側固定支持基板31の後面の下端部には、S極とN極がY方向に並ぶ2つのY用磁石MYがX方向に並べて固定されている(図3において左右のY用磁石MYのY方向位置は一致している)。そして、前側固定支持基板31及び後側固定支持基板32が左右のY用磁石MYの磁束を通すことにより、左右のY用磁石MYと後側固定支持基板32の対向部の間にY用磁気回路(駆動用磁気回路)が形成されている。即ち、前側固定支持基板31及び後側固定支持基板32はヨークとして機能している。
従って電気基板60及び補強板61は、図3に示す初期位置(後述する撮像面66の中心が光軸Oと一致する位置)から、前側固定支持基板31及び後側固定支持基板32に対してX方向とY方向に直線的に相対移動できるだけでなく、X方向及びY方向と平行な(光軸Oに直交する)XY平面上を移動可能である。さらに、電気基板60と補強板61の左右両側縁部の上端部近傍には2つの移動範囲規制凹部63が形成されている。4つの支柱36、37のうち上側の2つの支柱36は左右の移動範囲規制凹部63を貫通している。この2つの支柱36と2つの移動範囲規制凹部63は移動範囲規制手段を構成している。即ち電気基板60及び補強板61は、前側固定支持基板31及び後側固定支持基板32に対して、2つの支柱36が移動範囲規制凹部63にそれぞれ接触しない範囲内で相対移動可能である。さらに、電気基板60及び補強板61の下端側の左右の角部には、下側の2つの支柱37を避けるための切欠64が形成されている。
そして、このX方向駆動用コイルCXと、前側固定支持基板31、後側固定支持基板32、及びX用磁石MXによってX方向駆動手段が構成されている。
また、電気基板60の前面の右側部のX方向駆動用コイルCXの直下には、右側のX用磁石MXの磁束を利用して右側のX方向駆動用コイルCX(電気基板60及び補強板61)のX方向位置を検出するホール素子(位置検出センサ)SXが固着されている。
そして、このY方向駆動用コイルCYA及びY方向駆動用コイルCYBと、前側固定支持基板31、後側固定支持基板32、及びY用磁石MYによってY方向駆動手段が構成されている。
また、電気基板60の前面のY方向駆動用コイルCYAとY方向駆動用コイルCYBの外側近傍には、左右のY用磁石MYの磁束を利用してY方向駆動用コイルCYAとY方向駆動用コイルCYBのそれぞれのY方向位置を検出するホール素子(位置検出センサ)SYが固着されている。
X方向駆動用コイルCX、Y方向駆動用コイルCYA、Y方向駆動用コイルCYB、ホール素子SX、及びホール素子SYは、カメラに内蔵されたCPU等によって構成される制御手段に電気的に接続されている。
即ち、X方向駆動用コイルCXに電流を流すとX方向駆動用コイルCXには図3の矢印FX1方向またはFX2方向の駆動力が生じる。また、Y方向駆動用コイルCYA、CYBに電流を流すとY方向駆動用コイルCYA、CYBには図3の矢印FY1方向またはFY2方向の駆動力が生じる。
周知のように、手振れによってカメラボディがY軸を中心に回転またはX軸を中心に回転したときに、撮像面66のX方向とY方向の像移動距離(手振れ量)を検出し、ホール素子SXとホール素子SYの検出結果を利用して、CCD65をカメラボディに対して手振れ方向と反対方向にこの手振れ量と同じ距離だけ直線移動させれば、CCD65の手振れ(像振れ)が補正される。従って、CCD65がこのような直線移動を行うように、上記制御手段から各X方向駆動用コイルCX、Y方向駆動用コイルCYA、CYBに電流を流せば、CCD65のX方向とY方向の手振れが補正される。
ロック機構100は以下に説明する構成要素を具備している。
図2及び図3等に示すように前側固定支持基板31の後面の上端部には、Z方向と平行な円柱形状の芯棒101の前面が固着されている。この芯棒101は金属等の磁性体からなるものである。芯棒101の周囲には金属等の導電性材料からなるコイル102が巻かれており、このコイル102は上記制御手段と電気的に接続されている。芯棒101の後端面には略左右方向に延びる板ばね103の前面の中央部が固着されている。この板ばね103も金属等の磁性体からなるものである。図6に示すように、板ばね103は自由状態にあってはその左右両端部が中央部より後方に位置するように湾曲している。板ばね103の後面の左右両端部には円柱形状の押圧部材104がそれぞれ固着されている。押圧部材104の後面にはゴム、塩化ビニルなどの摩擦薄膜シートからなる摩擦接触部材109が固着されている。前側固定支持基板31の後面の板ばね103の左右両端部近傍と対応する位置には、円柱形状の永久磁石からなるロック解除用磁石105がそれぞれ固着されている。
さらに、電気基板60の前面の左右の押圧部材104と対応する位置には円柱形状の被押圧部材108がそれぞれ固着されている。左右の被押圧部材108は電気基板60及び補強板61がどこの位置に移動しても(支柱36と移動範囲規制凹部63によって規制される電気基板60及び補強板61の移動範囲内においては)、常に左右の押圧部材104とそれぞれZ方向に対向する。
デジタルカメラ20の主電源がOFFのとき、あるいはデジタルカメラ20の主電源がONで手振補正スイッチSWがOFFのとき、電気基板60及び補強板61は図3の初期位置に位置し、上記制御手段からコイル102には電流は流れない。左右のロック解除用磁石105で発生した磁力によって、ロック解除用磁石105、前側固定支持基板31、芯棒101、及び板ばね103の間に磁気回路MC(図7及び図8参照)が形成されるが、板ばね103(ロック解除用磁石105との対向部)とロック解除用磁石105との間の磁力(吸引力)は板ばね103の付勢力より弱いので、板ばね103はこの磁力(吸引力)に抗して図6の自由状態を維持する。従って、板ばね103によって後方に移動付勢された左右の押圧部材104の後面に設けた摩擦接触部材109が左右の被押圧部材108の前面にそれぞれ面接触する(図7参照)。このように左右の摩擦接触部材109が板ばね103の弾性力(付勢力)によって左右の被押圧部材108の前面に密着状態で面接触すると、摩擦接触部材109と被押圧部材108の前面の間に、電気基板60及び補強板61の前側固定支持基板31及び後側固定支持基板32に対する相対移動を阻止する摩擦力が発生する(電気基板60及び補強板61がロックされる)。従って、この状態でカメラボディを振動させても電気基板60及び補強板61(CCD65)がカメラボディに対してX方向とY方向に移動することはない。さらに一対の押圧部材104と被押圧部材108によってロックを行っているので電気基板60及び補強板61(CCD65)がカメラボディに対して回転することもない。
このように板ばね103が左右のロック解除用磁石105に吸着されると上記制御手段からコイル102への通電が遮断される。しかし、一旦板ばね103とロック解除用磁石105が吸着すると、板ばね103はその弾性力に抗して図8の状態を維持するので、上記アンロック状態が保持される。なお、このアンロック状態の保持をより確実にするために、板ばね103が左右のロック解除用磁石105に吸着された後に、コイル102への通電を遮断せずに上記制御手段からコイル102へ流す電流を弱くしてもよい。
さらに、摩擦接触部材109と被押圧部材108が板ばね103の弾性力によって面接触すると、電気基板60及び補強板61の僅かな移動も禁止されるので、完全ロック状態を実現できる。
また、左右の被押圧部材108は電気基板60及び補強板61がどこの位置に移動しても(支柱36と移動範囲規制凹部63によって規制される電気基板60及び補強板61の移動範囲内においては)、常に左右の摩擦接触部材109(押圧部材104)とそれぞれZ方向に対向するので、ロック時に電気基板60及び補強板61を初期位置に移動させなくても(センタリング動作を行わなくても)、左右の摩擦接触部材109と被押圧部材108をそれぞれ接触させることが出来る。
さらに、本ロック機構100は部品点数が少なく構造が簡単なので製造コストを低く抑えることが可能である。
例えば、電気基板60及び補強板61を移動させるための駆動手段として、前側固定支持基板31、後側固定支持基板32、X用磁石MX、Y用磁石MY、X方向駆動用コイルCX、Y方向駆動用コイルCYA及びY方向駆動用コイルCYBを利用したが、これら以外の駆動手段、例えばモータを利用してもよい。
例えば、図9に示すように押圧部材104側ではなく被押圧部材108の前面に摩擦接触部材109を固着して実施してもよい。さらに、図10に示すように、板ばね103側の押圧部材104と電気基板60側の被押圧部材108の双方に摩擦接触部材109を固着して、ロック時に対向する摩擦接触部材109どうしを接触させてもよい。
また、図11に示すように電気基板60の前面に摩擦接触部材109を直接固着して、押圧部材104の後面をこの摩擦接触部材109に接触させて、被押圧部材108を省略してもよい。さらに、図12に示すように板ばね103の後面に摩擦接触部材109を直接固着して(押圧部材104を省略して)、この摩擦接触部材109を被押圧部材108の前面に接触させてもよい。
また、図13に示すように被押圧部材108の前面に固着した摩擦接触部材109を板ばね103の後面に直接接触させたり(押圧部材104を省く。この場合は板ばね103が押圧部材となる)、図14に示すように押圧部材104の後面に固着した摩擦接触部材109を電気基板60の前面に直接接触させてもよい(被押圧部材108を省略する。この場合は電気基板60が被押圧部材となる)。
さらに、図15と図16に示すように、押圧部材104と被押圧部材108を共に省略して、板ばね103側と電気基板60側の一方に固着した摩擦接触部材109を反対側の部材(板ばね103または電気基板60)に直接接触させたり、図17に示すように板ばね103と電気基板60に直接摩擦接触部材109を固着して(押圧部材104と被押圧部材108を共に省略して)、対向する摩擦接触部材109どうしを接触させてもよい。
さらに、上記実施形態及び変形例では摩擦接触部材109は2つの位置に設けてあるが、板ばね103側(押圧部材104または板ばね103そのものに)と電気基板60側(被押圧部材108または電気基板60そのものに)の一方または双方の3つ以上の位置(Z方向に見たときの位置)に摩擦接触部材109を設けても良い。
さらに、上記実施形態では手振補正スイッチSWがONになったときにコイル102に電流を流してロック解除しているが、カメラボディに設けたレリーズスイッチ(図示略)の押し込み動作に連動してコイル102に電流を流しロック解除を行うようにしてもよい。
さらにX用磁石MXとY用磁石MYを前側固定支持基板31ではなく後側固定支持基板32に固定して実施してもよい。
さらに、CCD65以外の撮像素子、例えばCMOSイメージセンサーを利用できるのは勿論である。
なお、ステージ板(電気基板60、補強板61)がX方向とY方向に直線移動のみ可能(回転不能)な場合には、板ばね103側と電気基板60側のいずれか一方に摩擦接触部材109を一つのみ設ければよく、摩擦接触部材109を複数(2つ以上の位置に)設ける必要はない。
30 手振補正装置(ステージ装置)
31 前側固定支持基板(固定支持基板)
32 後側固定支持基板(磁性板)
33 窓孔
36 支柱(移動範囲規制手段)
37 支柱
38 支持用突部
39 ボール
40 支持用突部
41 ボール
60 電気基板(ステージ板)
61 補強板(ステージ板)
63 移動範囲規制凹部(移動範囲規制手段)
64 切欠
65 CCD(撮像素子)
66 撮像面
67 CCDホルダ
68 窓孔
69 光学ローパスフィルタ
100 ロック機構
101 芯棒(電磁石)
102 コイル(電磁石)
103 板ばね
104 押圧部材
105 永久磁石
108 被押圧部材
109 摩擦接触部材
CX X方向駆動用コイル
CYA CYB Y方向駆動用コイル
MX X用磁石
MY Y用磁石
O 光軸
Claims (9)
- 固定支持基板と、
該固定支持基板と平行な方向に相対移動可能に支持されたステージ板と、
上記固定支持基板上に一部が支持された、上記固定支持基板と略平行な磁性体からなる板ばねと、
この板ばね側の押圧部材とステージ板側の被押圧部材の対向面の少なくとも一方に備えられた、該板ばねの自由状態において他方の上記対向面または該他方の対向面に備えられた摩擦接触部材と接触して、上記他方の対向面または上記摩擦接触部材との間に上記ステージ板をロックする摩擦力を発生する摩擦接触部材と、
特定の一方向に通電したとき、上記板ばねに磁力を及して、該板ばねを上記押圧部材と被押圧部材の一方から上記摩擦接触部材が離れるロック解除方向に弾性変形させる電磁石と、
上記板ばねがロック解除方向に弾性変形したとき、該板ばねと吸着して上記押圧部材と被押圧部材の一方と上記摩擦接触部材との離間状態を保持する、上記固定支持基板に固定された永久磁石からなるロック解除用磁石と、
を備えることを特徴とするステージ装置のロック機構。 - 請求項1記載のステージ装置のロック機構において、
上記板ばねと上記ロック解除用磁石が吸着している状態で上記電磁石に上記特定の一方向と反対方向に通電したときに、該電磁石が、上記板ばねと上記ロック解除用磁石の間の吸着力を打ち消す磁力を発生し、該板ばねとロック解除用磁石の吸着を解除させるステージ装置のロック機構。 - 請求項1または2記載のステージ装置のロック機構において、
上記ステージ板に直交する方向から見たときに、少なくとも二つの位置に上記摩擦接触部材が存在するステージ装置のロック機構。 - 請求項1から3のいずれか1項記載のステージ装置のロック機構において、
上記ステージ板と上記固定支持基板の間に、該ステージ板の固定支持基板に対する移動範囲を、対応する上記押圧部材と上記被押圧部材どうしが常に対向する範囲内に規制する移動範囲規制手段を備えるステージ装置のロック機構。 - 請求項4記載のステージ装置のロック機構において、
上記移動範囲規制手段が、
上記ステージ板と上記固定支持基板の一方に突設された移動範囲規制ピンと、
他方に形成された、該移動範囲規制ピンが挿通する移動範囲規制孔または移動範囲規制凹部と、を備えるステージ装置のロック機構。 - 請求項1から5のいずれか1項記載のステージ装置のロック機構において、
上記ステージ板が上記固定支持基板に対して相対回転可能であるステージ装置のロック機構。 - 請求項1から6のいずれか1項記載のステージ装置のロック機構において、
上記摩擦接触部材がゴムまたは塩化ビニルによって構成されているステージ装置のロック機構。 - 請求項1から7のいずれか1項記載のステージ装置のロック機構において、
上記固定支持基板が磁性体からなり、
上記電磁石が、該固定支持基板と上記板ばねを接続する磁性体からなる芯棒と、該芯棒の周囲に配設された電流が流れるコイルと、を備え、
上記固定支持基板、上記芯棒、上記板ばね、及び上記ロック解除用磁石の間に、上記板ばねとロック解除用磁石の間に吸引磁力を発生させる磁気回路を構成するステージ装置のロック機構。 - 請求項8記載のステージ装置のロック機構において、
上記固定支持基板と上記ステージ板を挟んで対向する磁性板と、
上記固定支持基板と磁性板の一方に固定され、上記固定支持基板と磁性板の間に駆動用磁気回路を構成する駆動用磁石と、
上記ステージ板に固定され、電流が流れた状態で上記駆動用磁気回路で発生した磁力を受けることにより該ステージ板を上記固定支持基板に対して移動させる駆動力を発生する駆動用コイルと、
を備えるステージ装置のロック機構。
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