JP2007246960A - 高炉溶銑樋 - Google Patents
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Abstract
【課題】 溶銑流による溶損や磨耗を防止し、また、熱的スポーリング作用による亀裂の発生および脱落などを防止して耐用性の向上を図り、さらに、脱珪処理時における溶損や磨耗を防止するために、耐FeO性の向上および耐酸化性の向上を図り、長期にわたって安定操業が可能な高炉溶銑樋を提供する。
【解決手段】 内張りの一部にプレキャストブロック(アルミナ−スピネル質プレキャストブロック12a,12b)が配置され、前記プレキャストブロックは少なくとも2層以上施工され、前記プレキャストブロックの背面側は不定形耐火物(アルミナ−SiC−C質不定形耐火物11)によって一体に施工され、前記ブロックの縦,横,高さの各方面の寸法のうち最大寸法(Lmax)と最小寸法(Lmin)との比“Lmax/Lmin”が5以下である高炉溶銑樋。
【選択図】 図1
【解決手段】 内張りの一部にプレキャストブロック(アルミナ−スピネル質プレキャストブロック12a,12b)が配置され、前記プレキャストブロックは少なくとも2層以上施工され、前記プレキャストブロックの背面側は不定形耐火物(アルミナ−SiC−C質不定形耐火物11)によって一体に施工され、前記ブロックの縦,横,高さの各方面の寸法のうち最大寸法(Lmax)と最小寸法(Lmin)との比“Lmax/Lmin”が5以下である高炉溶銑樋。
【選択図】 図1
Description
本発明は、高炉溶銑樋(以下、単に“溶銑樋”ということもある)の内張りに関し、特に溶銑樋の中でも損傷の大きい先端部の内張り構造に関するものである。
従来の出銑樋の施工方法としては、不定形耐火物を吹き付けまたは流し込むことにより内張り層を形成している。
また、ブロックを用いて内張り層を形成する施工方法も知られており、例えば、特許文献1には、「バックアップ材の底壁および側壁の内面に沿って、不定形耐火材を流し込みまたは吹き付けして出銑樋の内張り層を形成した出銑樋において、出銑流が強く当たり高耐火性が必要とされる箇所の前記バックアップ材の壁面に沿って複数のプレキャストの耐火ブロックを連結して配してあり、前記耐火ブロックが配された箇所以外の前記バックアップ材の壁面に沿って前記不定形耐火材を流し込みまたは吹き付けして出銑樋の内張り層を形成したことを特徴とする出銑樋。」(請求項1)が提案されている。
また、ブロックを用いて内張り層を形成する施工方法も知られており、例えば、特許文献1には、「バックアップ材の底壁および側壁の内面に沿って、不定形耐火材を流し込みまたは吹き付けして出銑樋の内張り層を形成した出銑樋において、出銑流が強く当たり高耐火性が必要とされる箇所の前記バックアップ材の壁面に沿って複数のプレキャストの耐火ブロックを連結して配してあり、前記耐火ブロックが配された箇所以外の前記バックアップ材の壁面に沿って前記不定形耐火材を流し込みまたは吹き付けして出銑樋の内張り層を形成したことを特徴とする出銑樋。」(請求項1)が提案されている。
ところで、溶銑樋の先端部は、溶銑樋を通して運ばれてきた溶銑を傾注樋の適切な位置へ注ぎ込む機能を担っている。一般的に溶銑樋の先端部は、敷や壁の損傷は比較的軽微である一方で、傾注樋に面した先端面が損傷して次第に後退する。そして、この後退が進むと、傾注樋の適切な範囲に溶銑を落下させられなくなるため、該後退を如何に抑制するかが耐用性向上を図る上で重要である。
溶銑樋先端部の主な損傷原因としては、溶銑流による溶損や磨耗のほか、熱的スポーリング作用による亀裂の発生および脱落などが考えられる。特に後者のような損傷形態が支配的になると、余命の推測が困難となり安定した操業ができなくなる。
溶銑樋先端部の主な損傷原因としては、溶銑流による溶損や磨耗のほか、熱的スポーリング作用による亀裂の発生および脱落などが考えられる。特に後者のような損傷形態が支配的になると、余命の推測が困難となり安定した操業ができなくなる。
溶銑樋先端部には、耐溶銑性に優れたアルミナ系原料を主体とし、これに炭化珪素およびカーボンを加えて耐熱スポーリング性の向上および過焼結の抑制を図った材質が一般的に用いられる。
しかしながら、傾注樋などで脱珪処理が行われる場合には、溶損による損傷が著しく大きくなることがある。これには、脱珪処理剤吹き込みのためのエアーによる材料酸化や、脱珪処理剤の主成分であるFeO、あるいは溶銑の酸化によって生ずるFeOによる溶損の影響などが関与しているものと考えられる。実際に溶銑樋先端部の付着物は、FeOなどの鉄酸化物を主体としており、溶損による損傷を抑制するには、耐FeO性の向上および耐酸化性の向上が不可欠と考えられる。
しかしながら、傾注樋などで脱珪処理が行われる場合には、溶損による損傷が著しく大きくなることがある。これには、脱珪処理剤吹き込みのためのエアーによる材料酸化や、脱珪処理剤の主成分であるFeO、あるいは溶銑の酸化によって生ずるFeOによる溶損の影響などが関与しているものと考えられる。実際に溶銑樋先端部の付着物は、FeOなどの鉄酸化物を主体としており、溶損による損傷を抑制するには、耐FeO性の向上および耐酸化性の向上が不可欠と考えられる。
本発明は、前述した点に鑑み成されたものであって、その課題(目的)とするところは、溶銑流による溶損や磨耗を防止し、また、熱的スポーリング作用による亀裂の発生および脱落などを防止して耐用性の向上を図り、さらに、脱珪処理時における溶損や磨耗を防止するために、耐FeO性の向上および耐酸化性の向上を図り、長期にわたって安定操業が可能な高炉溶銑樋を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る高炉溶銑樋は、請求項1に記載するように「内張りの一部にプレキャストブロックが配置され、前記プレキャストブロックは少なくとも2層以上施工され、前記プレキャストブロックの背面側は不定形耐火物によって一体に施工され一体に施工され、前記ブロックの縦,横,高さの各方面の寸法のうち最大寸法(Lmax)と最小寸法(Lmin)との比“Lmax/Lmin”が5以下である」ことを特徴とする。
このように、プレキャストブロックを少なくとも2層以上施工することで、1層目のプレキャストブロックに亀裂が発生しそこから溶銑が浸入しても、2層目以降のプレキャストブロックにより溶銑の浸入を防止することができる。また、プレキャストブロックの背面側に不定形耐火物を一体に施工することで、プレキャストブロックの施工境界面(目地)やプレキャストブロックに生じた亀裂を通して浸入した溶銑が、それ以上浸入することを最終的に防止できることが期待できる。
このように、プレキャストブロックを少なくとも2層以上施工することで、1層目のプレキャストブロックに亀裂が発生しそこから溶銑が浸入しても、2層目以降のプレキャストブロックにより溶銑の浸入を防止することができる。また、プレキャストブロックの背面側に不定形耐火物を一体に施工することで、プレキャストブロックの施工境界面(目地)やプレキャストブロックに生じた亀裂を通して浸入した溶銑が、それ以上浸入することを最終的に防止できることが期待できる。
また、本発明に係る高炉溶銑樋において、前記ブロックの「最大寸法(Lmax)と最小寸法(Lmin)との比“Lmax/Lmin”が5以下である」と特定する技術的意義は、“Lmax/Lmin”が5を超えると、ブロックが構造的に不安定となり、亀裂が発生しやすくなるからである。
また、本発明に係る高炉溶銑樋は、請求項2に記載するように「前記プレキャストブロックが高炉溶銑樋の先端部に配置されている」ことを特徴とする。
このように、プレキャストブロックを高炉溶銑樋の先端部に配置することで、特に損傷の激しい先端部の耐用性向上が期待できる。
このように、プレキャストブロックを高炉溶銑樋の先端部に配置することで、特に損傷の激しい先端部の耐用性向上が期待できる。
さらに、本発明に係る高炉溶銑樋は、請求項3に記載するように「稼動面に対し垂直方向の前記プレキャストブロックの面の一部または全体が段付きとなっている」ことを特徴とする。
このように、プレキャストブロックの垂直方向の面を段付きにすることで、プレキャストブロックと不定形耐火物との“目地からの溶銑の浸入”を防止できる。
このように、プレキャストブロックの垂直方向の面を段付きにすることで、プレキャストブロックと不定形耐火物との“目地からの溶銑の浸入”を防止できる。
また、本発明に係る高炉溶銑樋は、請求項4に記載するように「前記プレキャストブロックがカーボンおよび炭化珪素を含有せず、前記不定形耐火物がカーボンおよび炭化珪素の少なくともひとつを必須成分とする」ことを特徴とする。
このように、プレキャストブロックがカーボンおよび炭化珪素を含有しないことで、空気酸化による損傷を防止できる。
このように、プレキャストブロックがカーボンおよび炭化珪素を含有しないことで、空気酸化による損傷を防止できる。
一方で、カーボンおよび炭化珪素をいずれも含まないキャスタブルは、耐熱スポーリング性が劣ることや過焼結が進行しやすいなどの理由で、亀裂が生じて溶銑が浸入したり、脱落するなどの問題を起こしやすい。そのため、このキャスタブルを単独で施工した場合には安定した耐用は望めないが、過焼結の抑制に効果のあるカーボン、もしくは耐熱スポーリング性の改善に効果のある炭化珪素を必須成分として含有した不定形耐火物、すなわち、長期使用時に亀裂の生じにくい不定形耐火物をプレキャストブロックの背部へ施工することによって、プレキャストブロックに亀裂が生じても脱落しないよう拘束すること、および、プレキャストブロックの背部まで溶銑が浸入した場合でもそれ以上の浸入を防ぐことができる。
さらに、プレキャストブロックが亀裂に起因した脱落などの理由で一気に損傷が進んだ場合でも、背部の不定形耐火物が安定して残存することから直ちに使用不能となることはないため、突発的な修理などによる操業への悪影響を減らすことができる。
さらに、プレキャストブロックが亀裂に起因した脱落などの理由で一気に損傷が進んだ場合でも、背部の不定形耐火物が安定して残存することから直ちに使用不能となることはないため、突発的な修理などによる操業への悪影響を減らすことができる。
通常、溶銑樋の内張りと鉄皮との間には裏張り材が施工されている。この裏張り材は、断熱性には優れるものの、溶銑に対する耐溶損性や耐磨耗性には劣っている。そのため、前掲の特許文献1のようにブロックの背後が裏張り材である場合、ブロックが損傷して溶銑が侵入したり、ブロックが脱落して直接溶銑にさらされたりすると、裏張り材は容易に損傷してしまう。そうなると、最悪の場合、溶銑が鉄皮を溶かして、溶銑樋の外に流出する恐れがあるため、すぐに溶銑樋の使用を停止しなければならない。本発明に係る高炉溶銑樋によれば、従来施工されている裏張り材を施工しても、上記問題点,欠点を解消できるものである。
以下、本発明に係る高炉溶銑樋の実施形態について、図1〜4を参照して具体的に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではない。なお、図1は、溶銑流路方向に垂直な高炉溶銑樋の断面図であり、図2は、溶銑流路方向に並行な高炉溶銑樋の断面図であり、図3は、図2と同様、溶銑流路方向に並行な高炉溶銑樋の断面図であって、使用後の損傷状況を示す図である。また、図4は、プレキャストブロックの斜視図である。
本発明に係る高炉溶銑樋は、前記したように「内張りの一部にプレキャストブロックが配置され、前記プレキャストブロックは少なくとも2層以上施工され、前記プレキャストブロックの背面側は不定形耐火物によって一体に施工され、前記ブロックの縦,横,高さの各方面の寸法のうち最大寸法(Lmax)と最小寸法(Lmin)との比“Lmax/Lmin”が5以下である」ことを特徴とする。
本発明に係る高炉溶銑樋の好ましい実施形態としては、図1,2に示す内張り構造の高炉溶銑樋である。そして、プレキャストブロックとしては、図4に示す構造の段付きブロックが好ましい。また、このブロックとしては、カーボンおよび炭化珪素を含有しない耐火ブロックであって、具体的には、アルミナ−スピネル質プレキャストブロック12a,12bが好ましい(図1,2参照)。このうち、MgO含有量として1〜15質量%が好ましく、この範囲内でMgOを適量含むことによって、耐FeO性が向上する。MgO含有量が15質量%を超えると、耐スポーリング性が低下し、亀裂の発生が顕著になりやすいため、好ましくない。
本発明に係る高炉溶銑樋の好ましい実施形態としては、図1,2に示す内張り構造の高炉溶銑樋である。そして、プレキャストブロックとしては、図4に示す構造の段付きブロックが好ましい。また、このブロックとしては、カーボンおよび炭化珪素を含有しない耐火ブロックであって、具体的には、アルミナ−スピネル質プレキャストブロック12a,12bが好ましい(図1,2参照)。このうち、MgO含有量として1〜15質量%が好ましく、この範囲内でMgOを適量含むことによって、耐FeO性が向上する。MgO含有量が15質量%を超えると、耐スポーリング性が低下し、亀裂の発生が顕著になりやすいため、好ましくない。
本発明は、上記アルミナ−スピネル質プレキャストブロックのみに限定するものではなく、例えば、アルミナ−マグネシア質,アルミナ−クロム質,高アルミナ質,マグネシア−クロム質などのカーボンおよび炭化珪素を含有しない耐火ブロックを挙げることができ、これらも適用することができる。
また、不定形耐火物としては、カーボンおよび炭化珪素の少なくともひとつを必須成分とする耐火物であって、具体的には、アルミナ−SiC−C質不定形耐火物11が好ましい。そして、この化学組成の好ましい範囲は、SiCが3〜60質量%であって、この範囲内とすることにより、耐熱スポーリング性が向上する。SiCが60質量%を超えると、耐酸化性や耐溶銑性が低下するので好ましくない。また、Cが0.5〜10質量%であって、この範囲内とすることにより、焼結抑制が可能である。Cが10質量%を超えると、耐酸化性や耐溶銑性が低下するので好ましくない。
本発明は、上記アルミナ−SiC−C質不定形耐火物のみに限定するものではなく、例えば、アルミナ−C質,アルミナ−SiC質,高SiC質,SiC−C質などの不定形耐火物を挙げることができ、これらも適用することができる。
本発明に係る高炉溶銑樋の好ましい実施形態としては、図1,2に示すように、前述したアルミナ−スピネル質プレキャストブロック12a,12bおよびアルミナ−SiC−C質不定形耐火物11以外に、鉄皮14に接する部位に裏張り材13を施工することができる。この裏張り材としては、該分野で用いられている自明のもの(例えば、アルミナ質,シリカ質,シャモット質などの断熱性または凡用の不定形耐火物、あるいは、同種の耐火れんが)を任意に使用することができる。
図3は、溶銑流路方向に並行な高炉溶銑樋の断面図であって、使用後の損傷状況を示す図である。図中“r”は、使用後の“損傷量(mm)”である。
以下、本発明の実施例1を比較例1〜3と共に挙げ、本発明について具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例1により限定されるものではない。
(実施例1)
本発明の実施例1として、前掲の図1〜4に基づき説明すると、FeOによる溶損や空気酸化が支配的な状況においては、従来のアルミナ−SiC−C質不定形耐火物では十分な耐用が期待できない(後記比較例3参照)。そこで、本実施例1では、FeOに対する耐食性が高く、酸化の影響も受けないアルミナ−スピネル質プレキャストブロック12a,12bを溶銑樋の先端部敷に適用した例である。
本発明の実施例1として、前掲の図1〜4に基づき説明すると、FeOによる溶損や空気酸化が支配的な状況においては、従来のアルミナ−SiC−C質不定形耐火物では十分な耐用が期待できない(後記比較例3参照)。そこで、本実施例1では、FeOに対する耐食性が高く、酸化の影響も受けないアルミナ−スピネル質プレキャストブロック12a,12bを溶銑樋の先端部敷に適用した例である。
本実施例1で用いたプレキャストブロック(アルミナ−スピネル質プレキャストブロック12a,12b)の寸法(単位:mm)を[表1]に示す。また、このブロック(アルミナ−スピネル質プレキャストブロック12a,12b)の化学組成およびその代表的特性(加熱後物性)と、本実施例1で用いた不定形耐火物(アルミナ−SiC−C質不定形耐火物11)の化学組成およびその代表的特性(加熱後物性)を[表2]に示す。
そして、このプレキャストブロック12a,12bおよび不定形耐火物11を適用した施工例を図1,図2に示す。なお、本実施例1において、裏張り材13として自明のシャモット質凡用不定形耐火物を用いた。
そして、このプレキャストブロック12a,12bおよび不定形耐火物11を適用した施工例を図1,図2に示す。なお、本実施例1において、裏張り材13として自明のシャモット質凡用不定形耐火物を用いた。
(比較例1〜3)
前記実施例1では、前記[表1]に示す寸法のブロック12a,12bを2層施工したものであるが、比較例1,2は、前記[表1]に示す寸法のブロック12aを1層のみ施工した例である。また、比較例3は、ブロック12a,12bなしでキャスタブル(前記[表2]に示すアルミナ−SiC−C質不定形耐火物11)のみを施工した例である。
前記実施例1では、前記[表1]に示す寸法のブロック12a,12bを2層施工したものであるが、比較例1,2は、前記[表1]に示す寸法のブロック12aを1層のみ施工した例である。また、比較例3は、ブロック12a,12bなしでキャスタブル(前記[表2]に示すアルミナ−SiC−C質不定形耐火物11)のみを施工した例である。
(評価試験)
前記実施例1,比較例1〜3に対し、「ライフ(全通銑量,ton)」「亀裂発生時の通銑量(ton)」「亀裂発生後の通銑量(ton)」「損耗量(mm)」「損耗速度(mm/千ton)」を評価項目として挙げ、その評価試験結果を[表3]に示す。
なお、[表3]の「損耗量(mm)」は、図3に示す“r”であり、また、「損耗速度(mm/千ton)」は、次の式1で表される。
式1:損耗速度(mm/千ton)=損耗量(mm)/全通銑量(ton)×1000
前記実施例1,比較例1〜3に対し、「ライフ(全通銑量,ton)」「亀裂発生時の通銑量(ton)」「亀裂発生後の通銑量(ton)」「損耗量(mm)」「損耗速度(mm/千ton)」を評価項目として挙げ、その評価試験結果を[表3]に示す。
なお、[表3]の「損耗量(mm)」は、図3に示す“r”であり、また、「損耗速度(mm/千ton)」は、次の式1で表される。
式1:損耗速度(mm/千ton)=損耗量(mm)/全通銑量(ton)×1000
[表3]に示す評価試験結果から、次の事実が明らかになった。
実施例1では、1層目のブロック12aの亀裂の発生は、比較例2より若干早かったものの、ブロック12aの亀裂は、2層目のブロック12bに伝播しなかったため、亀裂発生後の通銑量は比較例2に比べ向上し、その結果、全通銑量も向上した。また、損耗速度も比較例2に対し大きく向上している。
一方、比較例1では、ブロック12aへの亀裂の発生は一番早く、全通銑量もキヤスタブルのみの比較例3からあまり向上しなかった。比較例2では、ブロック12aへの亀裂の発生は一番遅かったものの、使用するうちに亀裂がブロック下端にまで達したため、その周辺から先行する形で溶損が進み、全通銑量は実施例1に劣ることとなった。比較例3では、損耗速度が最も速く、全通銑量は伸びなかった。
実施例1では、1層目のブロック12aの亀裂の発生は、比較例2より若干早かったものの、ブロック12aの亀裂は、2層目のブロック12bに伝播しなかったため、亀裂発生後の通銑量は比較例2に比べ向上し、その結果、全通銑量も向上した。また、損耗速度も比較例2に対し大きく向上している。
一方、比較例1では、ブロック12aへの亀裂の発生は一番早く、全通銑量もキヤスタブルのみの比較例3からあまり向上しなかった。比較例2では、ブロック12aへの亀裂の発生は一番遅かったものの、使用するうちに亀裂がブロック下端にまで達したため、その周辺から先行する形で溶損が進み、全通銑量は実施例1に劣ることとなった。比較例3では、損耗速度が最も速く、全通銑量は伸びなかった。
本発明によれば、長期にわたって安定操業が可能な高炉溶銑樋を提供することできるので、その産業上の利用可能性が極めて顕著である。
11 アルミナ−SiC−C質不定形耐火物
12a,12b アルミナ−スピネル質プレキャストブロック
13 裏張り材
14 鉄皮
r 損耗量(mm)
L1,L2,L3,L4 プレキャストブロックの寸法
12a,12b アルミナ−スピネル質プレキャストブロック
13 裏張り材
14 鉄皮
r 損耗量(mm)
L1,L2,L3,L4 プレキャストブロックの寸法
Claims (4)
- 内張りの一部にプレキャストブロックが配置され、前記プレキャストブロックは少なくとも2層以上施工され、前記プレキャストブロックの背面側は不定形耐火物によって一体に施工され、前記ブロックの縦,横,高さの各方面の寸法のうち最大寸法(Lmax)と最小寸法(Lmin)との比“Lmax/Lmin”が5以下であることを特徴とする高炉溶銑樋。
- 前記プレキャストブロックが高炉溶銑樋の先端部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の高炉溶銑樋。
- 稼動面に対し垂直方向の前記プレキャストブロックの面の一部または全体が段付きとなっていることを特徴とする請求項1または2に記載の高炉溶銑樋。
- 前記プレキャストブロックがカーボンおよび炭化珪素を含有せず、前記不定形耐火物がカーボンおよび炭化珪素の少なくともひとつを必須成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高炉溶銑樋。
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