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JP2009242122A - 高炉炉床用れんが及びこれをライニングした高炉炉床 - Google Patents

高炉炉床用れんが及びこれをライニングした高炉炉床 Download PDF

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JP2009242122A JP2008087349A JP2008087349A JP2009242122A JP 2009242122 A JP2009242122 A JP 2009242122A JP 2008087349 A JP2008087349 A JP 2008087349A JP 2008087349 A JP2008087349 A JP 2008087349A JP 2009242122 A JP2009242122 A JP 2009242122A
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昌昭 三島
Tomomichi Nakagome
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Abstract

【課題】長寿命でエネルギーロスが少なく溶銑に対する耐食性に優れ、さらに耐熱衝撃性にも優れた耐用性の高い高炉炉床用れんがを提供すること。
【解決手段】Alが97質量%以上、SiOが3質量%以下、Cが0.1質量%以下である高炉炉床用れんがであって、粒径1mm以上のアルミナ系原料が30〜60質量%、粒径0.2mm未満のアルミナ系原料が30〜60質量%で、残部が粒径0.2mm以上1mm未満のアルミナ系原料からなり、しかもSiOの含有量が3質量%以下である耐火原料配合物を、混練し成形後酸化雰囲気で焼成してなる高炉炉床用れんがである。
【選択図】なし

Description

本発明は、高炉の出銑口よりも下側でしかも溶銑と接触する部位の炉床部にライニングされる、高炉炉床用れんがに関する。
高炉の炉床部には、シャモットれんが、高アルミナれんが、サイアロンボンドアルミナ系れんが、炭化珪素ボンドアルミナカーボン系れんが、あるいはカーボンれんが等が一般に使用されている。
これらのれんがは長期に渡って使用される間に溶銑と反応し損傷されてゆく。高炉の内張り耐火物のうち炉腹部やシャフト部等は不定形耐火物で補修して延命できるが、炉床部は補修が難しいためこの炉床部れんがの寿命が高炉の寿命を決めることになる。このため、従来から長寿命の炉床部用れんがが望まれている。
例えば、特許文献1には、高炉湯溜りの側壁部及び炉底部用として、質量%で、炭素50〜85%、アルミナ5〜15%、金属珪素5〜15%、及びバナジウム、ニオブ、タンタル、又はこれらの元素の炭化物、窒化物、炭化物の1種又は2種以上を合計で5〜20%含有する炭素質耐火物が開示されている。そして、炭素質耐火物は溶鉄、とくに溶銑に触れると炭素骨材が加炭溶解して消耗が起きるが、炭素質耐火物中にアルミナ等が含まれると、炭素骨材溶出後にそれらが炭素質耐火物の表面に残存し、炭素質耐火物と溶銑の間に介在することにより、炭素質耐火物と溶銑の接触を妨げ、炭素質耐火物の消耗速度を下げることができるとされている。しかしながら、炭素質耐火物中に多量のアルミナが含有されていると、炭素骨材溶出後の残存アルミナ層が炭素質耐火物の全表面を覆い、その結果、耐溶鉄・耐スラグ性の両者をバランスさせるには、アルミナの含有量を適正な範囲にする必要があるとされている。
また、特許文献2には、Al80〜40wt%、SiO20〜60wt%を主成分とする高炉炉底用耐火れんがにおいて、44μm以下の微細部のAl成分を60wt%以上とし、半径1μm以上の気孔を全気孔量の20%以下とし、溶銑の浸透を少なくして損耗を抑制することで耐溶銑性を向上させた高炉炉底用耐火れんがが開示されている。
さらに、特許文献3には、Alを50.0〜99.8重量%含み、残部としてSiO、Fe等の低融点酸化物を含んだ煉瓦を金属チタニウムアルコキシドで含浸処理した後に、1720℃以上で焼成してなる高アルミナ質煉瓦が開示され、その表1の実施例3にはAlの含有量が99.0重量%で、SiOの含有量が1.0重量%の例が示されている。この高アルミナ質煉瓦は、含浸処理によって粒子境界の結合が強化されることから、より高強度で、機械的衝撃、熱的衝撃に強くなり、高炉のシャフト部、焼成炉等の溶融物と接触しない雰囲気炉の内張り用として使用することができるとされている。
特開2003−95742号公報 特公平6−10103号公報 特開平5−286757号公報
上記特許文献1に開示されたれんがは、炭素を最低でも50質量%以上含有しており、炭素の多いれんがである。このように炭素成分の多いれんがは、特許文献1にも記載されているように高炉の炉床での使用時に炭素が溶銑中へ溶け出しやすく耐用性が悪い。そのため、炉外からの冷却を強化してれんが稼働面に溶銑粘稠層を形成して、炭素の溶銑中への溶け出しを防止することによって耐用性を確保している。しかしながら、このような炉外からの冷却は、大きいエネルギーロスをもたらすことになる。
上記特許文献2に開示された高アルミナれんがは、炭素の含有量は低いものの、SiOを20〜60wt%含有することから、後述する理由により溶銑に対する耐食性が不十分である。
これに対して、上記特許文献3に開示された高アルミナ質煉瓦は、SiOの含有量が少なく、高アルミナ質であることから溶銑に対する耐食性の向上が期待される。しかしながら、これを高炉炉床用れんがとして使用するには問題がある。
すなわち、高炉炉床用れんがとしては、1個が500〜1000kgにもなる大型れんがが使用されているが、上記特許文献3のようなAl含有量が99%にも及ぶ高アルミナ質れんがの場合、従来の炭素含有れんがやSiOの多いシャモットれんがや高アルミナれんがと比較すると熱膨張率が大きくなることから、大型の高炉炉床用れんがにすると、製造時及び高炉操業時の温度変動による熱衝撃により亀裂が発生し損傷しやすくなる。
本発明の課題は、長寿命でエネルギーロスが少なく溶銑に対する耐食性に優れ、さらに耐熱衝撃性にも優れた耐用性の高い高炉炉床用れんがを提供することにある。
本発明者は、シャモットれんが、高アルミナれんが、サイアロンボンドアルミナ系れんが、炭化珪素ボンドアルミナカーボン系れんがなどの耐火れんがの溶銑に対する耐食性について種々テストした結果、SiOやSiC、SiなどのSi含有成分を含有するれんがは、溶銑中へSiが溶解するためSiの含有率が高い程耐食性が悪くなることを知見した。
さらに、この耐食性テストの結果、耐火物中のアルミナは溶銑に対して非常に安定であり、アルミニウム化合物は溶銑中へアルミニウムとして一旦溶解するものの、このアルミニウムはその後直ぐに酸化されてアルミナとなり、アルミナがれんがの表面に析出し被覆することで耐食性が向上することを知見した。
以上の知見を基づき、本発明は、アルミナを主成分としてSi含有成分の少ない構成としたもので、長期にわたって溶銑と接触する高炉炉床部に適用することで、従来の高炉炉床用れんがと比較して溶銑に対する耐食性に格段に優れ、しかも低熱伝導率という特徴を有するものである。
すなわち、本発明の高炉炉床用れんがは、Alが97質量%以上、SiOが3質量%以下、Cが0.1質量%以下であることを基本構成とする。
Alは、溶銑に対して反応せず耐食性が極めて優れていること、長期間(10年以上)の使用でも変質しないこと、さらに熱伝導率が低いことから高炉炉床用れんがの主成分として最適である。この主成分としてのAlの含有量は、97質量%以上、好ましくは99質量%以上とする。97質量%未満では耐食性が不足し、高炉炉床用れんがとしての耐用性が不十分である。
SiOはSi含有成分であり前記のように耐食性が低下するために含有しないことが最も好ましいが、アルミナ原料には不純物の一つにSiOが含有されているためSiOは3質量%以下とし、好ましくは1質量%以下とする。SiOは3質量%以下であれば耐食性に与える悪影響は少ない。なお、れんが中に炭化珪素、窒化珪素、金属シリコン等のSiの非酸化物を含有する場合にはSiO量に換算して計算する。
なお、耐火原料配合物中にSiOを含有する場合、このSiOは上述のように使用時に溶銑中のカーボンによって還元されSiとして溶解するため、耐食性が低下する。また窒化珪素や炭化珪素等として含有する場合にも上述のようにSiとして溶解するため、あるいは窒化珪素や炭化珪素等が還元性雰囲気中で気相酸化を受けてSiOを生成するため、耐食性の低下につながる。したがって、耐火原料配合物中のSiOの含有量も3質量%以下とし、好ましくは1質量%以下とする。なお、前記のれんが中のSiO量と同様に、耐火原料配合物中に炭化珪素、窒化珪素、金属シリコン等のSiやSiの非酸化物を含有する場合にはSiO量に換算して計算する。
Cは、溶銑中に溶解することかられんが組織がポーラスになり、そこに溶銑が浸透して耐用性を低下させることから含有しないことが好ましいが、0.1質量%以下であれば悪影響を無視でき、バインダー等の残留物として許容することができる。ここで言うCとは黒鉛や非晶質炭素などの炭素を意味し金属炭化物中のCは対象外とする。
さらに、本発明では、とくに大型の高炉炉床用れんがにおいて重要となる耐熱衝撃性を向上させ、製造時及び高炉操業時の温度変動による熱衝撃に対して損傷しにくい組織とするために、耐火原料配合物の粒度構成を特定した。
すなわち、本発明の高炉炉床用れんがは、粒径1mm以上のアルミナ系原料が30〜60質量%、粒径0.2mm未満のアルミナ系原料が30〜60質量%で、残部が粒径0.2mm以上1mm未満のアルミナ系原料からなり、しかもSiOの含有量が3質量%以下である耐火原料配合物を、混練し成形後酸化雰囲気で焼成してなる高炉炉床用れんがである。
このように本発明では、粒径1mm以上の粗粒部のアルミナ系原料と粒径0.2mm未満の微粉部のアルミナ系原料の配合を適正な割合にした耐火原料配合物を使用する。微粉部のアルミナ系原料は組織を緻密にし、粗粒部のアルミナ系原料は製造時及び高炉操業時の温度変動によってれんがのマトリックス相から亀裂が発生しても、その亀裂の進展を止めるため耐熱衝撃性を高める効果がある。さらに、粗粒を多くすることで焼成時の収縮率が小さくなり、焼成時の亀裂発生も防止できる。
粒径1mm以上のアルミナ系原料が30質量%未満の場合には、温度変動に対する損傷進展が避けられず容積安定性が低下し、60質量%を超えると組織がポーラスになり、いずれの場合も耐用性が低下する。粒径0.2mm未満のアルミナ系原料が30質量%未満では組織がポーラスになり使用時に溶銑が浸透しやすくなり、60質量%を超えると組織が緻密化しすぎて焼成時に亀裂が発生しやすくなったり、使用時に高炉操業時の温度変動によって亀裂が発生したり割れたりしやすくなる。
本発明においては、耐火原料配合物中のアルミナ系原料の一部を、チタニア、マグネシア、ジルコニア及びアルミナマグネシアスピネルのうち1種以上で置換し、化学成分中のAlの一部をTiO、ZrO及びMgOのうち1種以上によって1〜30質量%の範囲で置換することができる。この場合のれんがの化学成分は、Alが67質量%以上、TiO、ZrO及びMgOのうち1種以上が1〜30質量%、SiOが3質量%以下、Cが0.1質量%以下となる。当然、AlとTiO、ZrO及びMgOのうち1種以上との合計は、97質量%以上である。
TiO、ZrO及びMgOは、その自由エネルギーから高炉の炉床として使用中に還元されにくい、つまり溶出しにくい酸化物であるため、溶銑に対してAlと同等の耐食性を有しており、Alと組み合わせて1〜30質量%で使用してもAl単独の場合と同様の効果を得ることができる。
本発明の高炉炉床用れんがは、SiOを含有しないか、あるいはその含有量を3質量%以下に制限しているため、使用時におけるれんが組織中から溶銑中へのSiの溶解による耐食性の低下を抑制することができ、しかもAlを主成分としているため従来の高炉炉床用れんがと比較すると溶銑に対する耐食性が格段に向上する。さらに、耐火原料配合物の粒度構成を適正にしたことで、耐熱衝撃性も向上する。したがって、本発明の高炉炉床用れんがを使用することによって高炉炉床の耐用性が向上し、高炉の寿命を大幅に延ばすことができる。
また、高炉炉床用れんがは低熱伝導率であるために、高炉炉床のライニング厚さを薄くできるので、炉内容積が大きくなり生産性も向上する。
さらに、本発明の高炉炉床用れんがは、従来のカーボンれんがと比較すると上述のとおり、溶銑に対する耐食性が格段に優れるため、れんがの耐食性を向上するための過剰な水冷が不要となりエネルギーロスが少なくなる。
本発明の高炉炉床用れんがは、化学成分としてAlが97質量%以上、SiOが3質量%以下、Cが0.1質量%以下であるが、不可避成分として、Fe、MgO、CaO、NaO、KO及びTiO等のうち1種以上を1質量%以下までであれば含有することができる。
そして、高炉炉床用れんがとしての耐用性の点から、見掛け気孔率が12〜17%、かさ密度が3.2〜3.4、圧縮強度が90〜250MPaであることがより好ましい。
本発明の高炉炉床用れんがは、上述のとおり粒径1mm以上のアルミナ系原料が30〜60質量%、粒径0.2mm未満のアルミナ系原料が30〜60質量%で、残部が粒径0.2mm以上1mm未満のアルミナ系原料からなり、しかもSiOの含有量が3質量%以下である耐火原料配合物を、混練し成形後酸化雰囲気で焼成することで製造できる。
製造時に使用するアルミナ系原料は、アルミナを主成分として含有する原料あるいは焼成によってアルミナになる原料であり、電融アルミナ、焼結アルミナ及び仮焼アルミナ等のアルミナ質原料、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、窒化アルミニウム、酸炭化アルミニウムなどのアルミニウム化合物やアルミニウム粉末等を使用することができる。
また、これらのアルミナ系原料に、強度付与を目的に、粘土、ガラス粉、金属粉末等を少量添加することもできる。さらに、アルミナ系原料の一部を、チタニア、マグネシア、ジルコニア及びアルミナマグネシアスピネルのうち1種以上で置換することもできる。
以上の耐火原料を、所定の粒度構成として耐火原料配合物とする。このとき、焼成後のれんが中のSiO量が3質量%、C量が0.1質量%以下となるように調整する。
耐火原料配合物は、これを常法で混練後成形し、必要に応じて乾燥した後、焼成する。混練する際には、耐火物に一般的に使用されているバインダーを使用するが、バインダーの残炭率は10質量%以下であることが好ましい。バインダーの残炭率が10質量%を超えると、焼成時にC分が残留する可能性がある。焼成は、大気雰囲気にて1400℃以上で焼成する。
本発明の高炉炉床用れんがを高炉の炉床部に使用する場合、従来のカーボンれんがと併用して、あるいは全て置き換えて使用することができる。具体的には、出銑孔より下の側壁、あるいは炉底に使用することができ、高炉炉床において溶銑と接触する部位の80%以上にライニングすることで、耐用性に優れた高炉炉床を構築することができる。
<実施例A>
表1は、本発明の実施例及び比較例を示し、試験用サンプルの作製に使用した耐火原料配合物とそれによって得られた試験用サンプルの試験結果を示す。比較例1〜4は従来高炉炉床用耐火物として使用されているものである。
表1の耐火原料配合物にバインダーとして液状のフェノール樹脂を添加して混練し、成形し、乾燥後、1500℃で所定の雰囲気下で焼成した。成形体の大きさはJIS R2101規定の並形とした。表1の比較例2及び比較例4は、炭化珪素材質の耐火れんが製マッフル内に乾燥した成形体を入れてコークス粒中に埋設し大気雰囲気下で焼成した。また比較例1は窒素雰囲気下で焼成した。これら以外は大気中で焼成した。
それぞれの焼成物から20mm×20mm×200mmの試験片を切り出し溶銑浸漬テストを行った。溶銑浸漬テストは誘導炉で溶解した1600℃の溶銑中で試験片を5時間回転させた。冷却後、試験片をカットして断面の様子を観察し、試験片の寸法から損耗特性を比較した。
表1において、比較例1は、X線分析から結合組織がサイアロンから成っていることを確認した。この比較例1の溶銑浸漬テスト後のれんがカット面におけるEPMA観察においては、表面から1mm程度までSiが消失し、しかも銑鉄成分が浸透した組織を形成しており、マトリックス等が侵食されていた。
この比較例1のれんがにおいて、Si含有成分はサイアロンとして含まれており、Si換算で8質量%である。このサイアロン中のSiは、稼動面付近で溶銑と接触することで、少しずつ溶銑中へ溶解したと推定される。そしてこの溶解したSiは溶銑中に溶けている酸素によって酸化され再びSiOになるが、今度は溶銑中に浮遊するCaOを主体とするスラグ中に溶解するためAlの場合のように耐火物の稼動面に付着しないと推定されこれらの理由により、サイアロンを含有する場合には溶損が進んで行くと推定される。
比較例2は、X線分析から結合組織が炭化珪素から成っていることを確認した。溶銑浸漬テスト後のカット面観察においては、マトリックス相が優先的に損耗しており、アルミナ骨材の一部が溶銑中へ流出し、残存部分の寸法が18mmと小さかった。
比較例3は、溶銑浸漬テスト後のカット面観察においては、表面1mm程度の範囲がほぼ完全に変質して原れんが組織が消失していた。その内部は組織が残っているが、骨材のムライトはこの境界面で溶損していた。
この比較例3のれんがにおいて、Siは原料のムライトと粘土中にSiOとして含まれており、SiOとして22質量%である。このムライトや粘土中のSiOは、稼動面付近で溶銑と接触することで溶銑中の炭素によって還元されてSiとなり、同時に溶銑中へ溶解すると推定される。そしてこの溶解したSiは、溶銑中に溶けている酸素によって酸化され再びSiOになるが、今度は溶銑中に浮遊するCaOを主体とするスラグ中に溶解するためAlの場合のように耐火物の稼動面に付着しないと推定される。これらの理由により、SiOを含有する場合には溶損が進んで行くと推定される。
比較例1〜3の結果から、高炉炉床用れんがにおいてSi含有成分は溶損の原因となることがわかる。
比較例4は、カーボンを主成分としたれんがであるが、耐食性が劣り高熱伝導率になっている。
これに対して、実施例1は、Alが99質量%、SiOが1質量%の本発明の高炉炉床用れんがであり、溶銑浸漬テスト後のカット面において残存部分の寸法が19.5mmと表1中では最も大きく、耐食性に優れていた。
Figure 2009242122
<実施例B>
表2は本発明の実施例、表3は比較例を示し、それぞれ試験用サンプルの作製に使用した耐火原料配合物とそれによって得られた試験用サンプルの試験結果を示す。なお、表中のアルミナAはAlが99質量%、SiOが1質量%の耐火原料であり、アルミナBはAlが99.9質量%、SiOが0.1質量%の耐火原料である。
表2及び表3の耐火原料配合物にバインダーとして液状のフェノール樹脂(残炭率5%)を添加して混練し、成形し、乾燥後、大気雰囲気下にて1500℃で焼成した。成形体の大きさは500×500×100mmとした。
それぞれの焼成物から20mm×20mm×200mmの試験片を切り出し溶銑浸漬テストを行った。溶銑浸漬テストは誘導炉で溶解した1600℃の溶銑中で試験片を5時間回転させた。冷却後、試験片をカットして断面の様子を観察し、試験片の寸法から損耗特性を比較した。
表2に示す実施例2〜14は、いずれも本発明の範囲内であり十分な耐食性を有している。これに対して表3に示す比較例5〜8は、れんが中のSiOの含有量が3質量%を超えており、SiOの含有量の増加とともに耐食性が大きく低下していることがわかる。
また、比較例9は粒径1mm以上のアルミナ系原料が70質量%と多くなっており、耐食性が低下している。比較例10は粒径0.2mm未満のアルミナ系原料が25質量%と少なくなっており、耐食性が悪化している。比較例11は0.2mm未満のアルミナ系原料が65質量%と多くなっており、焼成時に微亀裂が発生した。
Figure 2009242122
Figure 2009242122

Claims (3)

  1. Alが97質量%以上、SiOが3質量%以下、Cが0.1質量%以下である高炉炉床用れんがであって、
    粒径1mm以上のアルミナ系原料が30〜60質量%、粒径0.2mm未満のアルミナ系原料が30〜60質量%で、残部が粒径0.2mm以上1mm未満のアルミナ系原料からなり、しかもSiOの含有量が3質量%以下である耐火原料配合物を、混練し成形後酸化雰囲気で焼成してなる高炉炉床用れんが。
  2. 耐火原料配合物中のアルミナ系原料の一部を、チタニア、マグネシア、ジルコニア及びアルミナマグネシアスピネルのうち1種以上で置換し、化学成分中のAlの置換分として、TiO、ZrO及びMgOのうち1種以上を1〜30質量%含有する請求項1に記載の高炉炉床用れんが。
  3. 高炉炉床において溶銑と接触する部位の80%以上に、請求項1又は請求項2に記載の高炉炉床用れんがをライニングした高炉炉床。
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