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JP2007243735A - Dll回路及びそれを備えた半導体装置 - Google Patents

Dll回路及びそれを備えた半導体装置 Download PDF

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JP2007243735A JP2006064935A JP2006064935A JP2007243735A JP 2007243735 A JP2007243735 A JP 2007243735A JP 2006064935 A JP2006064935 A JP 2006064935A JP 2006064935 A JP2006064935 A JP 2006064935A JP 2007243735 A JP2007243735 A JP 2007243735A
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Abstract

【課題】基準クロック信号に同期する信号を発生する際、ジッタの影響によるデータの誤ラッチを防止し得るDLL回路を提供する。
【解決手段】本発明のDLL回路は、制御信号C1、C2に応じて基準クロック信号CLKを遅延させた信号D1、D2を出力する遅延回路12と、信号D1、D2の位相差を補間する補間回路13と、内部クロック信号CLK0をタイミング基準とするDQ/DQS信号を出力する出力回路14、15と、内部クロック信号CLK0を入力してDQ/DQS信号と同位相の帰還クロック信号RCLKを出力するダミー出力回路16と、基準クロック信号CLKと帰還クロック信号RCLKの位相を比較する位相比較回路17と、位相が一致する方向に制御信号C1、C2を増減制御する第1、第2遅延制御回路18、19を備え、信号D2は信号D1と比べ基準クロック信号CLKの1サイクル分だけ遅延時間が大きくなるよう制御される。
【選択図】図1

Description

本発明は、クロック信号に同期して動作するDLL(Delay Locked Loop)回路に関し、特に、外部のクロック信号に対して所定の時間差を有する内部信号を発生するDLL回路と、このDLL回路を備えた半導体装置(例えば、同期型半導体記憶装置)に関するものである。
近年、高速な同期型半導体記憶装置として、DDR(Double Data Rate)−SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)が広く知れられている。このDDR−SDRAMでは、リード動作を行う際、入出力データであるDQ信号と入出力データの取り込みタイミングを規定するDQS信号のそれぞれのエッジタイミングは、外部の基準クロックに対して正確な位相関係を持つように制御する必要がある。そのため、基準クロック信号に基づいて位相制御を行うことによりDQS信号及びDQ信号を発生するためのDLL回路が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
従来の同期型半導体記憶装置で用いられる一般的なDLL回路は、例えば、図10に示す構成を備えている。図10に示すDLL回路においては、外部からの基準クロック信号CLKが入力回路101を介して遅延回路102に入力され、遅延制御回路104から供給される制御信号Cに応じた遅延時間だけ遅延される。遅延回路102からの信号Dはバッファ105を介して内部クロック信号CLK0としてDQ出力回路107及びDQS出力回路108に入力される。DQ出力回路107ではDQ信号が生成されるとともに、DQS出力回路108ではDQS信号が出力され、それぞれ外部に出力される。一方、内部クロック信号CLK0は、DQ出力回路107及びDQS出力回路108と等しい伝送特性を有するダミー出力回路106にも入力され、DQ信号及びDQS信号と同位相の帰還クロック信号RCLKが出力される。位相比較回路103では、基準クロック信号CLKと帰還クロック信号RCLKの位相が比較され、両位相が一致する方向に遅延制御回路104が制御される。このような構成により、基準クロック信号CLKとの同期を安定に保つDQ信号、DQS信号を得ることができる。
特開2003−91331号公報
しかしながら、DLL回路に外部から入力される基準クロック信号CLKは常に正常な波形とは限らず、所定のタイミングでジッタが発生する場合も想定される。図11には、図10のDLL回路において、基準クロック信号CLKにジッタが発生した状況における各部の動作波形を示している。図11に示すように、基準クロック信号CLKの4番目のサイクルで時間Δだけ立上りタイミングが遅れ、所定のサイクルとその直後のサイクルで周期がずれるサイクルトゥサイクルジッタが発生している。その影響で信号D1、内部クロック信号CLK0、DQS信号、DQ信号の立上りタイミングも、同様の時間Δだけの遅れが伝搬する。よって、DQS信号とDQ信号により入出力データを取り込む場合の有効ウィンドウが時間Δだけ小さくなり、その分だけデータの誤ラッチの可能性が高くなるという問題がある。
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、基準クロック信号に同期する所定の信号を発生する際、所定のサイクルでジッタを生じる場合であっても、エッジタイミングのずれに起因するデータの誤ラッチを防止し得るDLL回路を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のDLL回路は、外部から基準クロック信号を入力し、第1の制御信号に応じて選択された遅延時間だけ前記基準クロック信号を遅延させて第1の遅延クロック信号として出力するとともに、第2の制御信号に応じて選択された遅延時間だけ前記基準クロック信号を遅延させて第2の遅延クロック信号として出力する遅延回路と、前記第1の遅延クロック信号と前記第2の遅延クロック信号の位相差を補間し、内部クロック信号として出力する補間回路と、前記内部クロック信号をタイミング基準とする所定の信号を生成して外部に出力する出力回路と、前記出力回路と等しい伝送特性を有し、前記内部クロック信号を入力して前記所定の信号と同位相の帰還クロック信号を出力するダミー出力回路と、前記基準クロック信号の位相と前記帰還クロック信号の位相を比較する位相比較回路と、前記位相比較回路において位相が一致する方向に前記第1の制御信号を増減制御する第1遅延制御回路と、前記位相比較回路において位相が一致する方向に前記第2の制御信号を増減制御する第2遅延制御回路とを備え、前記第2の遅延クロック信号は、前記第1の遅延クロック信号と比べて前記基準クロック信号の1サイクル分だけ遅延時間が大きくなるように制御されることを特徴としている。
このように構成されたDLL回路によれば、基準クロック信号と同期する所定の信号を生成する際、遅延回路により基準クロック信号を遅延させて遅延時間が互いに1サイクル分異なる2つの遅延クロック信号を得て、これらの位相差を補間した後、出力回路と等しい伝送特性を有するダミー出力回路を経由して帰還クロック信号とする。そして、基準クロック信号と帰還クロック信号の位相を比較し、その結果に応じて第1、第2の制御信号をそれぞれ増減制御して遅延回路に供給する。かかる構成により、所定のサイクルで基準クロック信号にジッタが生じ、それによりエッジタイミングがずれた場合であっても、2つの遅延クロック信号において異なるタイミングでジッタの影響が現れる。よって、2つの遅延クロック信号を補間することにより、ジッタに対応する時間差は半減し、データの誤ラッチを有効に防止することができる。
本発明において、前記遅延回路は、多段接続された複数の遅延素子と、当該複数の遅延素子における複数のタップとの接続を前記第1の制御信号に応じて選択的に切り替えて出力する第1のセレクタと、前記複数の遅延素子における複数のタップとの接続を前記第2の制御信号に応じて選択的に切り替えて出力する第2のセレクタとを含む構成としてもよい。
本発明において、前記遅延回路は、前記基準クロック信号を入力し、前記第1の制御信号に応じて選択された遅延時間だけ前記基準クロック信号を遅延させて前記第1の遅延クロック信号として出力する第1の遅延回路と、前記第1の遅延クロック信号を入力し、前記第2の制御信号に応じて選択された遅延時間だけ前記第1の遅延クロック信号を遅延させて前記第2の遅延クロック信号として出力する第2の遅延回路とを含んでいてもよい。
本発明において、前記第1の遅延回路は、多段接続された複数の遅延素子と、当該複数の遅延素子における複数のタップとの接続を前記第1の制御信号に応じて選択的に切り替えて出力するセレクタを含んで構成され、前記第2の遅延回路は、多段接続された複数の遅延素子と、当該複数の遅延素子における複数のタップとの接続を前記第2の制御信号に応じて選択的に切り替えて出力するセレクタを含んで構成されていてもよい。
本発明において、前記補間回路は、前記第1の遅延クロック信号と前記第2の遅延クロック信号に応じて出力ノードから引く抜く電流を導通制御し、前記第1の遅延クロック信号のエッジタイミングと前記第2の遅延クロック信号のエッジタイミングを平均化するように動作してもよい。
本発明において、前記補間回路は、前記第1の遅延クロック信号及び前記第2の遅延クロック信号の立上りエッジの時間差を補間する第1補間部と、前記第1の遅延クロック信号及び前記第2の遅延クロック信号の立下りエッジの時間差を補間する第2補間部と、前記第1補間部の出力信号と前記第2補間部の出力信号を合成して出力するマルチプレクサを備えていてもよい。
本発明の半導体装置は、いずれかの前記DLL回路を備えて構成される。
本発明の半導体装置において、前記出力回路により生成される所定の信号は、メモリアレイの入出力データを含む信号と当該入出力データの取り込みタイミングを規定する信号であってもよい。
本発明の半導体装置において、前記メモリアレイに対するオートリフレッシュの際、前記第1の遅延クロック信号の遅延時間と前記第2の遅延クロック信号の遅延時間をそれぞれ調整してもよい。
本発明の半導体装置において、起動時のロックイン動作において、前記第1の遅延クロック信号の遅延時間と前記第2の遅延クロック信号の遅延時間を一致させた状態から、前記第2の遅延クロック信号の遅延時間を前記基準クロック信号の1サイクル分だけ強制的に増加させた後、通常の位相制御に移行するように制御するロックイン制御手段を更に備えていてもよい。
本発明によれば、基準クロック信号を用いた位相制御を行う際、1サイクルだけ遅延時間が異なる2つの遅延クロック信号を補間するように構成したので、所定のサイクルでジッタを含む基準クロック信号が入力されたとき、そのジッタが現れるのは2つの遅延クロック信号で異なるサイクルとなる。よって、補間信号に現れるジッタによるタイミングのずれを元の基準クロック信号と比べて半減させることができる。従って、出力される所定の信号において、ジッタの発生に伴う有効ウィンドウの低減量も半減し、データの誤ラッチの可能性を低くして信頼性の向上を図ることが可能となる。
本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態では、本発明を適用する半導体装置として、例えば、DQS信号及びDQ信号を発生するDLL回路が搭載された同期型半導体装置としてのDDR−SDRAMがある。以下、本実施形態の構成及び動作を図1〜図7を用いて説明する。
図1は、本実施形態のDLL回路の構成を示すブロック図である。図1に示すDLL回路は、入力回路11、遅延回路12、補間回路13、DQ出力回路14、DQS出力回路15、ダミー出力回路16、位相比較回路17、第1遅延制御回路18、第2遅延制御回路19を備えて構成され、DDR−SDRAMのデータ入出力に必要なDQ信号及びDQS信号を発生する機能を有する。
以上の構成において、外部からの基準クロック信号CLKは、入力回路11によりバッファリングされた後、遅延回路12に入力される。遅延回路12は、基準クロック信号CLKを2つの異なる遅延時間により遅延させた遅延クロック信号D1、D2(以下、単に信号D1、D2と呼ぶ)をそれぞれ出力する。遅延回路12は、入力された基準クロック信号CLKを伝送する多段の遅延素子を有し、第1遅延制御回路18から供給される制御信号C1に応じた第1の遅延時間だけ一方の信号D1が遅延制御されるとともに、第2遅延制御回路19から供給される制御信号C2に応じた第2の遅延時間だけ他方の信号D2が遅延制御される。
ここで、図2には、図1のDLL回路各部の動作波形を示している。図2に示すように、一定の周期tCKを持つ基準クロック信号CLKを基準にすると、信号D1は1サイクル以内で遅延され、信号D2は信号D1より更に1サイクル分相当だけ遅延される。よって、基準クロックCLKが正確な位相を保つ場合は、信号D1と信号D2の位相が互いに一致する。
図1において、遅延回路12から出力される2つの信号D1、D2は、ともに補間回路13に入力される。補間回路13では、2つの信号D1、D2を補間し、内部クロック信号CLK0として出力する。これにより、信号D1、D2のエッジタイミングが平均化された内部クロック信号CLK0を得ることができる。この内部クロック信号CLK0は、DQ出力回路14及びDQS出力回路15にそれぞれ入力され、内部クロック信号CLK0をタイミング基準とするDQS信号及びDQ信号が生成され、DLL回路の外部に供給される。図2においては、DQS信号のエッジがDQ信号の変化タイミングに一致しているが、本実施形態ではソースシンクロナス方式の採用を前提とするので、メモリコントローラの側でDQS信号の位相をtCK/4だけシフトした状態でDQ信号がラッチされることになる。
さらに、内部クロック信号CLK0は、ダミー出力回路16にも入力される。ダミー出力回路16は、DQ出力回路14及びDQS出力回路15と等しい伝送特性を有する回路であり、DQ信号及びDQS信号と同位相の帰還クロック信号RCLKを出力する。従って、DQ信号及びDQS信号の出力の位相は、比較対象である帰還クロック信号RCLKに連動して変化することになる。
位相比較回路17は、外部からの基準クロック信号CLKとダミー出力回路16からの帰還クロック信号RCLKを入力し、両者の位相を比較して、その結果を示す位相比較信号Pを出力する。この位相比較信号Pは、基準クロック信号CLKの位相に対して帰還クロック信号RCLKの位相が遅れた状態にあるか、あるいは進んだ状態にあるかを判別する信号である。そして、第1遅延制御回路18及び第2遅延制御回路19には位相比較信号Pが入力され、比較結果に応じた制御が行われる。すなわち、帰還クロック信号RCLKの位相が先行していると判別されたときは遅延時間を増加させる方向に制御され、信号C1、C2が変化し、帰還クロック信号RCLKの位相が遅れていると判別されたときは遅延時間を減少させる方向に制御信号C1、C2が変化する。
第1遅延制御回路18及び第2遅延制御回路19は、位相比較信号Pに応じて制御信号C1、C2が増減制御するための回路である。具体的には、第1遅延制御回路18と第2遅延制御回路19として、位相比較信号Pに応じてカウントアップ制御又はカウントダウン制御可能なカウンタを用いればよい。この場合、制御信号C1、C2は、カウンタのカウント値に対応する。また、位相比較回路17としては、帰還クロック信号RCLKの立上りで基準クロック信号CLKをラッチするDフリップフロップを用いればよい。これにより、ローがラッチされる場合は、帰還クロック信号RCLKが先行しているので遅延時間を増加させるべき状態にあり、ハイがラッチされる場合は、帰還クロック信号RCLKは遅れているので遅延時間を減少させるべき状態にある。
上記のような制御をDLL回路において所定の頻度で実行することにより、基準クロック信号CLKと帰還クロック信号RCLKの位相が一致するように制御され、その結果、最終的な制御対象であるDQ信号及びDQS信号の位相が基準クロックCLKに一致する状態が保たれる。そして、本実施形態では、1サイクル分タイミングが異なる2つの信号D1、D2を補間する構成を採用したので、特に基準クロック信号CLKにジッタが発生する場合のデータの誤ラッチを有効に防止することができる。すなわち、図2に示すように、基準クロック信号CLKのタイミングt1のサイクルにおいて、ジッタ(サイクルトゥサイクルジッタ)が発生して時間Δだけ立上りタイミングが遅れた場合、その影響が現れるのは信号D1は1サイクル後、信号D2は2サイクル後となる。よって、信号D1、D2を補間した後の内部クロック信号CLK0では、1サイクル後及び2サイクル後に現れるジッタは、ともに時間Δ/2の立上りタイミングの遅れになる。従って、DQ信号及びDQS信号についても同様となり、基準クロック信号CLKと比べてジッタの影響を半減でき、その分だけデータの誤ラッチの可能性を低減することができる。
次に、図1の遅延回路12の構成について図3を用いて説明する。図3に示す遅延回路12は、多段接続された2N個のインバータ31(1〜2N)と第1セレクタ32及び第2セレクタ33を含んで構成されている。インバータ31(1〜2N)は2個1組で遅延素子を構成し、N段の遅延素子におけるN+1個タップの位置に応じて入力クロック信号CLKIの遅延時間を増減できる。よって、第1セレクタ32及び第2セレクタ33には、それぞれN+1個のタップが接続され、制御信号C1、C2に基づき所望のタップに切り替えることができる。先頭のインバータ31(1)からの入力クロック信号CLKIは、各段の遅延素子では共通の遅延時間t0だけ遅延されるので、第1セレクタ32及び第2セレクタ33では、遅延時間0〜Nt0の範囲でt0刻みの遅延時間を有する信号D1、D2を選択的に出力可能となる。
例えば、制御信号C1、C2がともにnビットのカウント値である場合、選択可能な最大のタップ数は2個となるので、図3において2−1段の遅延素子を接続する構成とすればよい。遅延素子の接続段数Nは、遅延素子の単位の遅延時間と所定のサイクル数に対応する必要な遅延量に応じて適切に決定することが望ましい。
なお、制御信号C1、C2の増減により調整可能な遅延時間は隣接タップの間隔の刻みとなるが、より細かい調整を行うための微調回路を付加してもよい。例えば、第1セレクタ32において隣接するタップに対応する2つの信号を取り出し、その2つの信号を所望の内分比で補間する微調回路を構成すればよい。第2セレクタ33についても同様の微調回路を構成することができる。このように遅延回路12の微調回路を組合せることで、N段の遅延素子を用いて遅延時間の調整を広い範囲で行いながら、同時にきめ細かい調整を微調回路で行うことができる。
次に、図1の補間回路13の構成について図4を用いて説明する。図4に示す補間回路13は、第1補間部41及び第2補間部42を並列に配置し、入力側の切替部43及び出力側のマルチプレクサ44を設けた構成となっている。図4において切替部43は、遅延回路12から出力された信号D1、D2を、DLL回路の動作状況に応じて切り替えて信号D1´、D2´を出力する。通常の位相制御時は、入力の信号D1が出力の信号D1´に、入力の信号D2が出力の信号D2´にそれぞれ接続されるように制御されるが、ロックイン動作時には異なる状態に切り替え制御される。なお、ロックイン動作の詳細と切替部43の構成については後述する。
第1補間部41には、切替部43を経由して信号D1´、D2´が入力されるとともに、第2補間部42には、上記の信号D1´、D2´がインバータ64、65を介して反転されて入力される。これにより、第1補間部41は信号D1´、D2´、立上りエッジを補間するように動作し、第2補間部42は信号D1´、D2´の立下りエッジを補間するように動作する。なお、第2補間部42の内部で反転している信号は、出力側のインバータ66により元の位相に戻される。図4においては、第1補間部41の回路構成のみを示しているが、第2補間部42についても第1補間部41と同様の回路構成を有するので、以下の第1補間部41の説明は第2補間部42にもそのまま当てはまる。
図4の第1補間部41において、NMOSトランジスタ55、56からなる第1の直列回路と、NMOSトランジスタ57、58からなる第2の直列回路は、ノードND1とグランドの間に並列接続され、ノードND1からインバータ61を介してマルチプレクサ44に出力される。信号D1´はインバータ51、52を介してNMOSトランジスタ56のゲートに印加されるとともに、信号D2´はインバータ53、54を介してNMOSトランジスタ58のゲートに印加される。NMOSトランジスタ55、57の各ゲートは、電流源62及びNMOSトランジスタ63からなる定電流回路によりバイアスされている。また、インバータ51、53を経由する信号D1´、D2´の各反転信号が入力されるNAND回路59の出力は、電源とノードND1の間に接続されたPMOSトランジスタ60のゲートに印加されている。
図4の第1補間部41の動作について図5の波形図を用いて説明する。図5(a)は、2つの信号D1´、D2´が同時に立ち上がる状況を示している。信号D1´、D2´がローの状態では、NMOSトランジスタ56、58がオフとなり、第1、第2の直列回路とも非導通となる。このとき、NAND回路59の出力がローとなってPMOSトランジスタ60がオンに保たれ、ノードND1がハイに充電されている。この状態から信号D1´、D2´が同時に立ちあがると、NMOSトランジスタ56、58がともにオンになるとともに、NAND回路59の出力がハイとなってPMOSトランジスタ60がオフになる。よって、ノードND1から2つの直列回路を介して電流が引き抜かれ、所定の傾斜で電圧レベルが徐々に減少していく。図5(a)に示すように、時間Taが経過するとインバータ61のスレッシュホールド電圧Vaに達し、ノードND1の後段の遅延時間Tbを経て内部クロック信号CLK0がローからハイに立ち上がる。
一方、図5(b)は、信号D1´が立ち上がった後、時間ΔTだけ遅れて信号D2´が立ち上がる状況を示している。信号D1´がハイ、信号D2´がローの状態では、PMOSトランジスタ60がオフとなり、NMOSトランジスタ56がオン、NMOSトランジスタ58がオフになるので、ノードND1からの引き抜き電流は第1の直列回路のみを流れ、第2の直列回路には流れない。図5(b)に示すように、図5(a)と比較すると引き抜き電流が半減し、その分だけΔTの期間の電圧レベルの傾斜が緩やかになり、スレッシュホールド電圧Vaに達する時間は、Ta+ΔT/2に延びる。一方、遅延時間Tbは維持されるので、図5(b)において内部クロック信号CLK0は、図5(a)に比べてΔT/2だけ遅延して立ち上がることになる。その結果、内部クロック信号CLK0の立上る際、2つの信号D1´、D2´の立上りエッジの時間差が補間されるので、両者を平均化したエッジタイミングを有することになる。
なお、図4において、2つの信号D1´、D2´の立下りエッジについては、図4の第2補間部42により上記と同様の動作に基づいて補間が行われる。そして、第1補間部41の出力とインバータ66を介した第2補間部42の出力はそれぞれマルチプレクサ44に入力され、2つの信号D1´、D2´の立上りエッジ及び立下りエッジの両方について、その時間差が補間された各出力信号を合成することにより内部クロック信号CLK0を得ることができる。
以上の構成を採用したDLL回路を用いることにより、図2に示すように1サイクル分だけ時間差を有する2つの信号D1、D2を発生させ、一方のエッジがジッタの影響で時間差Δだけ変動する状況では、その時間差を補間回路13によって半分の時間差Δ/2にすることができる。かかる動作は信号D1、D2の各エッジの先後を問わず、かつ、立上り、立下りも問わない。これにより、クロック信号DQ信号及びDQS信号を用いたデータ入出力に際し、基準クロック信号CLKにジッタが生じた場合であっても、十分な大きさの有効ウィンドウを確保して、データの誤ラッチの可能性を低減することができる。
次に、本実施形態のDLL回路におけるロックイン動作について図6及び図7を用いて説明する。DDR−SDRAMの電源投入時には、DLL回路の位相制御が不確定な状態になっているので、DLL回路をリセットして位相をロックインさせる必要がある。本実施形態では、2つの信号D1、D2を独立に制御対象としてロックイン動作が行われる。図6は、ロックイン動作の流れを示す動作フロー図である。まず、外部からDLLリセットコマンドを入力することにより、ロックイン動作が開始される(ステップS1)。この時点では、切替部43は信号D1が信号D1´に、信号D2が信号D2´に出力される状態に制御されている(ステップS2)。
ここで、切替部43の構成例を図7に示す。図7に示す切替部43は、トライステートインバータ71、72と、インバータ73、74、75から構成されている。信号D1が入力されるトライステートインバータ71と、信号D2が入力されるトライステートインバータ72は、切替部43に供給される切替制御信号φLによって互いに逆位相となるように導通制御される。切替制御信号φLがローのときは、トライステートインバータ71が導通し、トライステートインバータ72がハイインピーダンスとなるので、信号D1が信号D1´に出力されるとともに、信号D2が信号D2´に出力される。これはステップS2の制御状態に対応する。これに対し、切替制御信号φLがハイのときは、トライステートインバータ71がハイインピーダンスとなり、トライステートインバータ72が導通するので、信号D2のみが双方の信号D1´、D2´として出力される。
図6において、第1遅延制御回路18及び第2遅延制御回路19のそれぞれのカウント値を同一に設定して、互いに等しい制御信号C1、C2が遅延回路12に供給され(ステップS3)、信号D1、D2の各エッジは一致する。この状態で位相比較回路17による制御が行われ、外部の基準クロック信号CLKと帰還クロック信号RCLKが同期状態となって位相がロックする(ステップS4)。
この時点で切替制御信号φLがハイになり、切替部43は信号D2が双方の信号D1´、D2´として出力される状態に切り替わる(ステップS5)。この場合、補間回路12における補間動作は、同一の信号D2同士で行われることになる。そして、第1遅延制御回路18の制御信号C1は固定した状態を保つとともに、第2遅延制御回路19の制御信号C2を強制的に増加させるように制御する(ステップS6)。ステップS6において、いったん位相のロックが外れるが、制御信号C2の増加量が1サイクル相当になると、後続の立上りエッジで基準クロック信号CLKと帰還クロック信号RCLKが同期状態となって位相がロックする(ステップS7)。
この時点で切替制御信号φLが再びローに戻り、切替部43は信号D1が信号D1´に、信号D2が信号D2´に出力される状態に切り替わる(ステップS8)。その後は補間回路13において、2つの信号D1´、D2´を用いた通常の補間動作が行われ(ステップS9)、上述の内部クロック信号CLK0が出力される。
以上のロックイン動作をいったん行うと、それ以降はDDR−SDRAMの動作が継続する限り、新たなロックイン動作は不要となる。一方、DDR−SDRAMの電源を新たに投入する場合や、パワーダウンモードから復帰する場合などは、新たなロックイン動作が実行される。なお、いったんロックイン動作が完了した後は、信号D1、D2の位相は時間経過により変動するので、所定の間隔で位相を調整することにより制御信号C1、C2を更新する必要がある。
ここで、位相比較回路17の比較結果に応じた位相の調整は、例えば、10サイクルに1回程度行えばよい。多くの場合、温度や電源の変動に起因する遅延時間の変動は、2つの信号D1、D2に対して同程度の影響があるので、位相が一致する方向に制御信号C1、C2の双方を同一量だけ増減させれば調整可能である。ただし、比較的長い時間が経過すると、信号D1と信号D2の相対的変動を考慮する必要があるので、所定のタイミングで制御信号C1、C2を個別に増減させて調整することが望ましい。
このような位相の調整として、例えば、メモリアレイに対して周期的に実行されるオートリフレッシュの際に行うようにしてもよい。具体的には、オートリフレッシュコマンドが発行されたとき、信号D1が信号D1´、D2´の双方に出力されるように図4の切替部43を制御し、位相比較回路17の動作により信号D1の遅延時間を調整する。次いで、信号D2が信号D1´、D2´の双方に出力されるように図4の切替部43を制御し、位相比較回路17の動作により信号D2の遅延時間を調整する。DDR−SDRAMにおいて、オートリフレッシュ時にはデータ入出力が実行されないので、位相の調整に際して発生したジッタは誤動作につながらなくなる。
次に、本実施形態のDLL回路の変形例について説明する。図8は、本変形例に係るDLL回路の構成を示すブロック図である。図8に示すDLL回路のうち、入力回路11、補間回路13、DQ出力回路14、DQS出力回路15、ダミー出力回路16、位相比較回路17、第1遅延制御回路18、第2遅延制御回路19の構成は、図1における同一番号の構成要素と同様であるので説明を省略する。一方、図8に示すDLL回路では、図1の遅延回路12に対応して、第1遅延回路12a及び第2遅延回路12bの2つを備えている点で異なっている。
図9には、第1遅延回路12a及び第2遅延回路12bを含むブロックの構成を示している。第1遅延回路12aは、多段接続された2Na個のインバータ81(1〜2Na)からなるNa段の遅延素子と、Na+1個のタップに接続されたセレクタ82からなる。また、第2遅延回路12bは、多段接続された2Nb個のインバータ91(1〜2Nb)からなるNb段の遅延素子と、Nb+1個のタップに接続されたセレクタ92からなる。多段接続された遅延素子とセレクタ82、92の機能は図3の場合と同様である。なお、それぞれの段数Na、Nbは遅延時間の調整範囲に応じて自在に設定でき、NaとNbは、互いに異なる値あるいは同一の値のいずれでもよい。
第1遅延回路12aにおいては、先頭のインバータ81(1)には、入力クロック信号CLKIが入力され、セレクタ82から信号D1が出力される。出力されたD1は、補間回路13に入力されるとともに、第2遅延回路12bの先頭のインバータ91(1)に入力される。第2遅延回路12bでは、信号D2がセレクタ92から出力され、補間回路13に入力される。このように、本変形例においては、信号D2の伝送経路は信号D1の伝送経路を含んでいる。よって、信号D1の遅延時間は、第1遅延回路12aに対する制御信号C1に応じて定まるとともに、信号D2の遅延時間は、第1遅延回路12aに対する制御信号C1と、第2遅延回路12bに対する制御信号C2の双方に応じて定まる。
本変形例に係るDLL回路各部の動作波形については、図2の動作波形と同様になる。本変形例の構成を採用することで、図1の構成と比べて回路規模は大きくなるが、温度変動等に起因する遅延時間の変動への追随性は良好になる。すなわち、位相制御時の1回の調整における遅延時間の変動量がdtである場合、制御信号C1のみによって制御される信号D1は最大dt、制御信号C1、C2によって制御される信号D2は最大2dtの遅延時間の変動量が得られる。よって、内部クロックCLK0に対する遅延時間の変動量は、補間によって平均化された最大1.5dtが得られるので、温度変動等による遅延時間の急速な変動に対して追随することができる。
以上、本実施形態に基づき本発明について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことができる。本発明を適用する半導体装置としてDDR−SDRAMの例を示したが、これ以外の方式の半導体装置に対して本発明を広く適用することができる。また、基準クロックと同期させる信号としてDQ信号及びDQS信号を用いる例を示したが、基準クロックと同期させる必要がある各種の信号に対して本発明を広く適用することができる。
本実施形態のDLL回路の構成を示すブロック図である。 図1のDLL回路各部の動作波形を示す図である。 遅延回路の構成を示す図である。 補間回路の構成を示す図である。 図4の第1補間部の動作を説明する波形図である。 DLL回路におけるロックイン動作の流れを示す動作フロー図である。 補間回路の切替部の構成例を示す図である。 本実施形態のDLL回路の変形例の構成を示すブロック図である。 本実施形態のDLL回路の変形例において、第1遅延回路及び第2遅延回路を含むブロックの構成を示す図である。 従来のDLL回路の構成を示すブロック図である。 図10のDLL回路各部の動作波形を示す図である。
符号の説明
11…入力回路
12…遅延回路
13…補間回路
14…DQ出力回路
15…DQS出力回路
16…ダミー出力回路
17…位相比較回路
18…第1遅延制御回路
19…第2遅延制御回路
31(1〜2N)…インバータ
32…第1セレクタ
33…第2セレクタ
41…第1補間部
42…第2補間部
43…切替部
44…マルチプレクサ
51〜54、61、64〜66…インバータ
55〜58、63…NMOSトランジスタ
59…NAND回路
60…PMOSトランジスタ
62…電流源
71、72…トライステートインバータ
73〜75…インバータ
81(1〜2Na)…インバータ
82…セレクタ
91(1〜Nb)…インバータ
92…セレクタ

Claims (10)

  1. 外部から基準クロック信号を入力し、第1の制御信号に応じて選択された遅延時間だけ前記基準クロック信号を遅延させて第1の遅延クロック信号として出力するとともに、第2の制御信号に応じて選択された遅延時間だけ前記基準クロック信号を遅延させて第2の遅延クロック信号として出力する遅延回路と、
    前記第1の遅延クロック信号と前記第2の遅延クロック信号の位相差を補間し、内部クロック信号として出力する補間回路と、
    前記内部クロック信号をタイミング基準とする所定の信号を生成して外部に出力する出力回路と、
    前記出力回路と等しい伝送特性を有し、前記内部クロック信号を入力して前記所定の信号と同位相の帰還クロック信号を出力するダミー出力回路と、
    前記基準クロック信号の位相と前記帰還クロック信号の位相を比較する位相比較回路と、
    前記位相比較回路において位相が一致する方向に前記第1の制御信号を増減制御する第1遅延制御回路と、
    前記位相比較回路において位相が一致する方向に前記第2の制御信号を増減制御する第2遅延制御回路と、
    を備え、前記第2の遅延クロック信号は、前記第1の遅延クロック信号と比べて前記基準クロック信号の1サイクル分だけ遅延時間が大きくなるように制御されることを特徴とするDLL回路。
  2. 前記遅延回路は、多段接続された複数の遅延素子と、当該複数の遅延素子における複数のタップとの接続を前記第1の制御信号に応じて選択的に切り替えて出力する第1のセレクタと、前記複数の遅延素子における複数のタップとの接続を前記第2の制御信号に応じて選択的に切り替えて出力する第2のセレクタと、を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載のDLL回路。
  3. 前記遅延回路は、
    前記基準クロック信号を入力し、前記第1の制御信号に応じて選択された遅延時間だけ前記基準クロック信号を遅延させて前記第1の遅延クロック信号として出力する第1の遅延回路と、
    前記第1の遅延クロック信号を入力し、前記第2の制御信号に応じて選択された遅延時間だけ前記第1の遅延クロック信号を遅延させて前記第2の遅延クロック信号として出力する第2の遅延回路と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のDLL回路。
  4. 前記第1の遅延回路は、多段接続された複数の遅延素子と、当該複数の遅延素子における複数のタップとの接続を前記第1の制御信号に応じて選択的に切り替えて出力するセレクタを含んで構成されるとともに、
    前記第2の遅延回路は、多段接続された複数の遅延素子と、当該複数の遅延素子における複数のタップとの接続を前記第2の制御信号に応じて選択的に切り替えて出力するセレクタを含んで構成されることを特徴とする請求項3に記載のDLL回路。
  5. 前記補間回路は、前記第1の遅延クロック信号と前記第2の遅延クロック信号に応じて出力ノードから引く抜く電流を導通制御し、前記第1の遅延クロック信号のエッジタイミングと前記第2の遅延クロック信号のエッジタイミングを平均化するように動作することを特徴とする請求項1に記載のDLL回路。
  6. 前記補間回路は、前記第1の遅延クロック信号及び前記第2の遅延クロック信号の立上りエッジの時間差を補間する第1補間部と、前記第1の遅延クロック信号及び前記第2の遅延クロック信号の立下りエッジの時間差を補間する第2補間部と、前記第1補間部の出力信号と前記第2補間部の出力信号を合成して出力するマルチプレクサを備えていることを特徴とする請求項5に記載のDLL回路。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のDLL回路を備えたことを特徴とする半導体装置。
  8. 前記出力回路により生成される所定の信号は、メモリアレイの入出力データを含む信号と当該入出力データの取り込みタイミングを規定する信号であることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
  9. 前記メモリアレイに対するオートリフレッシュの際、前記第1の遅延クロック信号の遅延時間と前記第2の遅延クロック信号の遅延時間をそれぞれ調整することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  10. 起動時のロックイン動作において、前記第1の遅延クロック信号の遅延時間と前記第2の遅延クロック信号の遅延時間を一致させた状態から、前記第2の遅延クロック信号の遅延時間を前記基準クロック信号の1サイクル分だけ強制的に増加させた後、通常の位相制御に移行するように制御するロックイン制御手段、を更に備えたことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
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